特許第6774543号(P6774543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 楽天株式会社の特許一覧

特許6774543情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
<>
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000002
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000003
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000004
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000005
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000006
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000007
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000008
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000009
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000010
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000011
  • 特許6774543-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6774543
(24)【登録日】2020年10月6日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20201019BHJP
【FI】
   G06Q30/02 320
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-190298(P2019-190298)
(22)【出願日】2019年10月17日
【審査請求日】2019年10月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年10月17日 https://www.rakuten.co.jp(出願人の運営するウェブサイト上のショッピングモール)にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】山下 敦
(72)【発明者】
【氏名】張 遜
(72)【発明者】
【氏名】平川 友彦
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/002490(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/151176(WO,A1)
【文献】 特開2012−078963(JP,A)
【文献】 特開2008−083986(JP,A)
【文献】 特開2002−063465(JP,A)
【文献】 特開2016−206710(JP,A)
【文献】 特開2005−070928(JP,A)
【文献】 特開2016−071647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能な情報処理装置であって、
特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定する第1特定手段と、
前記第1特定手段により特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定する第2特定手段と、
前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、
前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と前記購入済商品の購入時に特典付与のために前記ユーザに適用された倍率との差分の倍率及び前記購入済商品の情報に基づいて決定される追加の特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記追加の特典を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、
前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合の前記達成状況に応じて前記購入済商品について決定される特典と、前記購入済商品の購入時の前記達成状況に応じて前記購入済商品について前記ユーザに付与されることが決定した特典との差分の特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記差分の特典を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、
前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、当該倍率と前記購入済商品の購入時に特典付与のために前記ユーザに適用された倍率との差分の倍率であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される前記差分の倍率を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、
前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について付与される前記特典が変化すると判定された場合に限り、前記追加の特典を特定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、
前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化すると判定された場合に限り、前記差分の特典を特定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに適用される前記倍率が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、
前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について適用される前記倍率が変化すると判定された場合に限り、前記差分の倍率を特定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
商品の購入完了後に、当該商品を購入済商品として当該購入済商品の購入情報と、当該購入済商品について前記ユーザに適用された倍率と前記ユーザに付与されることが決定した前記特典との少なくとも何れか一方とを対応付けて第2データベースに格納する格納手段を更に備え、
前記第1特定手段は、前記特定の商品の表示リクエストが受信された際に、前記第2データベースから前記倍率又は前記特典を含む前記購入済商品の情報を更に特定し、
前記第2特定手段は、前記購入済商品の情報を参照して、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記購入済商品について前記ユーザに適用される追加の倍率と前記ユーザに付与される追加の特典との少なくとも何れか一方を算出し、
前記送信手段は、前記第2特定手段により特定された当該少なくとも何れか一方の情報をさらに含む前記ページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスを前記ユーザの端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2特定手段は、前記特典付与の達成条件と倍率又は特典との関係を規定するコンフィグファイルを参照して、前記ユーザに適用される前記倍率と前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記対象期間に応じて、前記達成状況を前記第1データベースに保存する期間を設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ページ情報は、前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報が前記ユーザにより指定されたときに表示される前記倍率と前記特典との少なくとも何れか一方の内訳を含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能なコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定するステップと、
前記特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定するステップと、
前記特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能なコンピュータを、
特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定する第1特定手段、
前記第1特定手段により特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定する第2特定手段、及び
前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信する送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象期間中のユーザの達成状況に応じてポイント等の特典を付与するシステム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上のショッピングサイトにおいて、過去にどのくらいの金額の商品を購入していたか、ポイントがどのくらい貯まっているか等の購買履歴に関する購買履歴情報をウェブページ上でユーザに提示するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、商品が購入された場合にユーザに付与されるポイントと、ユーザが現在所有するポイントとの合計に応じた獲得画像オブジェクトが組み込まれたウェブページをユーザ端末に送信して表示させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2011/125884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対象期間中に購入した店舗の数や利用したサービスの数が増えるほど、購入した商品の価格に対して付与されるポイントの倍率が増えるようなキャンペーンがある。このようなキャンペーンを考慮して従来技術を適用しても、商品の価格だけではユーザに付与されるポイントが決定できない。一方で、ユーザが商品を購入した後に、ユーザのサービスの利用状況に応じて付与されるポイントを計算して通知しても、その商品の購入へのインセンティブとして機能しない。
【0005】
そこで、本発明は、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典の倍率が増えるようなキャンペーンであっても、ユーザの商品購入へのインセンティブを高めることが可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能な情報処理装置であって、特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定する第1特定手段と、前記第1特定手段により特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定する第2特定手段と、前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。これにより、対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定の商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方の情報が特定の商品の情報に対応付けられてユーザに提示されるので、特定の商品の購入前に閲覧しているユーザの商品購入へのインセンティブを高めることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と前記購入済商品の購入時に特典付与のために前記ユーザに適用された倍率との差分の倍率及び前記購入済商品の情報に基づいて決定される追加の特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記追加の特典を特定することを特徴とする。これにより、対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定の商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、対象期間中にユーザにより購入された購入済商品についてユーザに付与される追加の特典の情報が特定の商品の情報に対応付けられてユーザに提示されるので、特定の商品を閲覧するユーザの商品購入へのインセンティブをより一層高めることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合の前記達成状況に応じて前記購入済商品について決定される特典と、前記購入済商品の購入時の前記達成状況に応じて前記購入済商品について前記ユーザに付与されることが決定した特典との差分の特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記差分の特典を特定することを特徴とする。これにより、対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定の商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、対象期間中にユーザにより購入された購入済商品についてユーザに付与される差分の特典の情報が特定の商品の情報に対応付けられてユーザに提示されるので、特定の商品を閲覧するユーザの商品購入へのインセンティブをより一層高めることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記第1特定手段は、前記対象期間中に前記ユーザにより購入された購入済商品の情報を更に特定し、前記第2特定手段は、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される倍率と当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づいて前記ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、当該倍率と前記購入済商品の購入時に特典付与のために前記ユーザに適用された倍率との差分の倍率であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに適用される前記差分の倍率を特定することを特徴とする。これにより、対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定の商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、対象期間中にユーザにより購入された購入済商品についてユーザに適用される差分の倍率の情報が特定の商品の情報に対応付けられてユーザに提示されるので、特定の商品を閲覧するユーザの商品購入へのインセンティブをより一層高めることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について付与される前記特典が変化すると判定された場合に限り、前記追加の特典を特定することを特徴とする。これにより、特定の商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてページ情報をユーザの端末に送信する処理の迅速化を図ることができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について前記ユーザに付与される前記特典が変化すると判定された場合に限り、前記差分の特典を特定することを特徴とする。これにより、特定の商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてページ情報をユーザの端末に送信する処理の迅速化を図ることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記ユーザが前記特定の商品を購入することにより前記購入済商品について前記ユーザに適用される前記倍率が変化するか否かを前記特定の商品の購入前に判定する判定手段を更に備え、前記第2特定手段は、前記判定手段により前記購入済商品について適用される前記倍率が変化すると判定された場合に限り、前記差分の倍率を特定することを特徴とする。これにより、特定の商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてページ情報をユーザの端末に送信する処理の迅速化を図ることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、商品の購入完了後に、当該商品を購入済商品として当該購入済商品の購入情報と、当該購入済商品について前記ユーザに適用された倍率と前記ユーザに付与されることが決定した前記特典との少なくとも何れか一方とを対応付けて第2データベースに格納する格納手段を更に備え、前記第1特定手段は、前記特定の商品の表示リクエストが受信された際に、前記第2データベースから前記倍率又は前記特典を含む前記購入済商品の情報を更に特定し、前記第2特定手段は、前記購入済商品の情報を参照して、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記購入済商品について前記ユーザに適用される追加の倍率と前記ユーザに付与される追加の特典との少なくとも何れか一方を算出し、前記送信手段は、前記第2特定手段により特定された当該少なくとも何れか一方の情報をさらに含む前記ページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスを前記ユーザの端末に送信することを特徴とする。これにより、より迅速に購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率とユーザに付与される追加の特典との少なくとも何れか一方を特定してユーザに提示することができる。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記第2特定手段は、前記特典付与の達成条件と倍率又は特典との関係を規定するコンフィグファイルを参照して、前記ユーザに適用される前記倍率と前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定することを特徴とする。これにより、ハードコーディングを行わずに、処理スピードを確保しつつ、柔軟性の高いシステムを実現することができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記対象期間に応じて、前記達成状況を前記第1データベースに保存する期間を設定する設定手段を更に備えることを特徴とする。これにより、対象期間の変更に合わせてユーザ達成状況を保存させることができるので、処理スピードを確保しつつ、柔軟性の高いシステムを実現することができる。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記ページ情報は、前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報が前記ユーザにより指定されたときに表示される前記倍率と前記特典との少なくとも何れか一方の内訳を含むことを特徴とする。これにより、特定の商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方の詳細をユーザに迅速に提示することができる。
【0017】
請求項12に記載の発明は、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能なコンピュータにより実行される情報処理方法であって、特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定するステップと、前記特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定するステップと、前記特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、前記対象期間中のユーザの達成状況を格納する第1データベースにアクセス可能なコンピュータを、特定の商品の表示リクエストを前記ユーザの端末から受信したことをトリガとして、前記ユーザの達成状況を前記第1データベースから特定する第1特定手段、前記第1特定手段により特定された達成状況に応じて変化する倍率であって、前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に特典付与のために前記ユーザに適用される倍率と、当該倍率及び前記特定の商品の情報に基づき決定される特典であって前記ユーザが前記特定の商品を購入した場合に前記ユーザに付与される前記特典との少なくとも何れか一方を特定する第2特定手段、及び前記第2特定手段により特定された少なくとも何れか一方の情報を前記特定の商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、前記表示リクエストに対するレスポンスとして前記ユーザの端末に送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典の倍率が増えるようなキャンペーンであっても、ユーザの商品購入へのインセンティブを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】商取引システムSの概要構成例を示す図である。
図2】(A)は、ECサーバ3の概要構成例を示すブロック図であり、(B)は、システム制御部33における機能ブロックの一例を示す図である。
図3】ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率が特定される際の概念図である。
図4】ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される追加の倍率が特定される際の概念図である。
図5】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図6】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図7】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図8】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報に加えて、対象期間中の購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図9】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報に加えて、対象期間中の購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図10】特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報に加えて、対象期間中の購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。
図11】(A)は、特定商品の表示リクエスト受信時における表示リクエスト処理部331の処理の一例を示すフローチャートであり、(B)は、特定商品の表示リクエスト受信時における倍率・特典演算部332の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、商取引システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0022】
1.商取引システムSの構成及び機能概要
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る商取引システムSの構成及び機能概要について説明する。図1は、商取引システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、商取引システムSは、店舗端末1、ユーザ端末2、EC(Electronic Commerce)サーバ3、及びデータベースサーバ4等を含んで構成される。店舗端末1、ユーザ端末2、ECサーバ3、及びデータベースサーバ4は、それぞれ、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。なお、図1の例では、店舗端末1、及びユーザ端末2は、それぞれ、1つずつ示されているが実際には複数存在する。
【0023】
店舗端末1は、商品を販売する店舗(つまり、商品の供給者)のオペレータ等により使用される端末である。ここで、商品とは取引対象となるものをいう。商品の例として、家電(例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ等)、食品、飲料品、ファッション、インテリア、書籍、雑貨、車、デジタルコンテンツ、チケット(例えば、各種イベントに参加するためのチケット、各種サービスを利用するためのチケット)などが挙げられるが特に限定されるものではない。また、商品には、例えば、宿泊施設や旅行代理店等により販売される宿泊プランや旅行プラン、さらには、ゴルフ施設や遊戯施設等により販売される利用プランなども該当する。店舗端末1は、ネットワークNWを介してECサーバ3にアクセスし、店舗が取り扱う様々な商品を出品することができる。それぞれの商品には、店舗毎且つ商品毎に固有の商品コードが付与される。
【0024】
ユーザ端末2は、商品を購入または購入を検討するユーザにより使用される端末である。ユーザ端末2は、操作・表示部、通信部、記憶部、及び制御部等を備える。操作・表示部は、例えば、人の指やペン等による操作(ユーザ操作)を受け付ける入力機能と、情報を画面に表示する表示機能を有するタッチパネルを備える。記憶部は、オペレーティングシステム(OS),アプリケーション,ウェブブラウザ等のプログラムを記憶する。制御部は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備える。ユーザ端末2には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、または携帯ゲーム機等が適用可能である。
【0025】
また、ユーザ端末2は、ネットワークNWを介してECサーバ3にアクセスし、特定の商品(以下、「特定商品」という)の表示リクエストを送信することでECサーバ3から提供されたページ情報を画面に表示する。ここで、特定商品の例として、ユーザにより指定された検索条件を満たす商品、商品検索結果の一覧の中からユーザにより指定される商品、サイト運営者側で選定される商品(例えば、推奨商品、注目商品)などが挙げられる。例えば特定商品が検索条件を満たす商品である場合、特定商品の表示リクエストは、特定商品の検索リクエストに相当し、検索条件を含む。特定商品の表示リクエストは、ユーザ端末2のウェブブラウザまたはアプリケーションによりECサーバ3へ送信される。ページ情報は、例えばウェブページを構成する構造化文書(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等)ファイル等により構成されており、商品の画像データを含んでもよい。
【0026】
ECサーバ3は、1または複数のサーバコンピュータから構成され、ネットワークNW上で特定のURL(Uniform Resource Locator)が割り当てられたECサイトを提供する。ECサイトは、例えば、店舗とは異なるサイト運営者(つまり、商品情報の提供者)により運営される。ECサイトの例として、ショッピングモールサイト、施設予約サイト、旅行予約サイト等が挙げられる。ECサーバ3は、ネットワークNWを介してデータベースサーバ4が備える各種データベースにアクセス可能になっており、当該データベースに格納されているデータを参照して後述する処理を実行する。また、ECサーバ3は、ネットワークNWを介してアクセスしてきた店舗端末1からの各種リクエストに応じて各種処理(例えば、情報提供処理、出品受付処理、登録処理等)を実行する。また、ECサーバ3は、ネットワークNWを介してアクセスしてきたユーザ端末2からの各種リクエストに応じて各種処理(例えば、情報提供処理、注文受付処理、決済処理等)を実行する。
【0027】
データベースサーバ4は、1または複数のサーバコンピュータから構成され、商品(アイテム)データベース(DB)41、店舗データベース(DB)42、ユーザデータベース(DB)43、達成状況データベース(DB)44(第1データベースの一例)、購入データベース(DB)45(第2データベースの一例)、及びコンフィグデータベース(DB)46等を備える。なお、これらのデータベースの全部または一部がECサーバ3に備えられてもよい。
【0028】
商品データベース41は、店舗により出品された商品の情報を格納するデータベースである。商品データベース41には、例えば、商品コード、商品カテゴリ、商品名、価格、仕様、商品画像、在庫数、及び商品を出品した店舗の店舗ID等が商品毎に区別可能に格納されている。なお、商品データベース41には、商品のバリュー値(例えば、商品の価値に応じて設定される値)が含まれてもよい。店舗データベース42は、ECサイトに出店登録された店舗の情報を格納するデータベースである。店舗データベース42には、例えば、店舗ID(店舗の識別情報)、パスワード、店舗名、メールアドレス、電話番号、及び住所等が店舗毎に区別可能に格納されている。ここで、店舗ID及びパスワードは、店舗がECサイトにログインするために必要な認証情報である。
【0029】
ユーザデータベース43は、ECサイトに会員登録されたユーザの情報を格納するデータベースである。ユーザデータベース43には、例えば、ユーザID(ユーザの識別情報)、パスワード、ユーザ名、メールアドレス、電話番号、住所、会員ランク、及び所有カード種別等がユーザ毎に区別可能に格納されている。ここで、ユーザID及びパスワードは、ユーザがECサイトにログインするために必要な認証情報である。会員ランクには、例えば、ダイヤモンド会員、プラチナ会員、ゴールド会員、シルバー会員、及びレギュラー会員等があり、ユーザには会員ランク(この例では、ダイヤモンド会員が最も会員ランクが高い)に応じた特典等が提供されるようになっている。ここで、特典とは、商品の購入時の支払いに利用可能なポイントやクーポン等の他、ユーザに特別に与えられる待遇をいう。本実施形態では、特典としてポイントを例にとる。所有カード種別とは、会員が所有しているカードの種別である。カードとは、商品の購入時の支払いに利用可能なクレジットカード、電子マネーカード、デビットカード、及びポイントカード等のうち少なくとも何れか1つの支払機能を有する決済用カードである。カード種別には、例えば、レギュラーカード、ゴールドカード、及びプレミアムカード等があり、ユーザはカード種別に応じた特典等が提供されるようになっている。
【0030】
達成状況データベース44は、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合において、当該対象期間中のユーザの達成状況を格納するデータベースである。本実施形態では、かかる場合として、ユーザがエントリー可能なキャンペーン(活動またはイベントともいう)を例にとる。達成状況データベース44には、例えば、キャンペーンにエントリーしたユーザID、当該キャンペーンのキャンペーンID(キャンペーンの識別情報)、及びキャンペーンの対象期間中の当該ユーザの達成状況等がユーザ毎に区別可能に格納されている。キャンペーンには様々ものがあり、それぞれのキャンペーン毎に対象期間中のユーザの達成状況が格納される。キャンペーンの対象期間は、条件達成の対象期間であり、ユーザの行動期間に対応する。つまり、対象期間中のユーザの行為(行動)が達成条件の判断対象となる。なお、キャンペーンの対象期間は、例えば1ヶ月、または1年というように設定され、延長(更新)可能になっている。ユーザの達成状況は、例えば、エントリーしたユーザにより対象期間中になされた行為が所定の達成条件を満たしている(つまり、条件達成している)か否か、或いは、達成条件を満たしているか否かを判断可能な時系列的なステータスを示す。1つのキャンペーンにおいて段階的に複数の達成条件が設定される場合もある。この場合の達成状況は、どの段階の達成条件まで満たしているか否かを示すとよい。
【0031】
達成条件の例として、(i)会員登録したこと、(ii)特定の種別のカードを利用して商品を購入したこと、(iii)特定の店舗またはサイトで商品を購入したこと、(iv)複数の店舗で商品を購入した(買いまわりした)こと、(v)複数のサービスを利用したこと、(vi)野球やサッカー等の団体スポーツで特定のチームが勝利したこと等が挙げられる。このような達成条件は、キャンペーンルールともいい、キャンペーン毎に様々であり、達成条件の一部が重複する場合もあるし、達成条件が相反する場合もある。例えば、エントリー前の商品購入も特典付与の対象になるキャンペーンがある一方、エントリー前の商品購入は特典付与の対象にならないキャンペーンもある。また、例えば、異なる2つのキャンペーンの達成条件が、特定の種別のカードを利用して商品を購入したことというように同じであっても、一方のキャンペーンでは1回の購入金額に下限(例えば、税込1,000円未満は対象外)がある(例えば、達成条件中に規定される)が、他方のキャンペーンでは1回の購入金額に下限がないというように異なる場合もある。また、異なる2つのキャンペーンの達成条件が、複数の店舗で商品を購入したことというように同じであっても、一方のキャンペーンでは獲得特典に上限(例えば、6000ポイント)がある(例えば、達成条件中に規定される)が、他方のキャンペーンでは獲得特典に上限がないというように異なる場合もある。さらに、獲得特典の上限は、会員ランクに応じて異なるように設定(例えば、ダイヤモンド会員の獲得特典の上限は15000ポイント、プラチナ会員の獲得特典の上限は12000ポイントというように設定)される場合もある(例えば、達成条件中に規定される)。なお、条件達成時の商品購入に対して1回だけ特典が付与されるキャンペーンもあれば、条件達成以降の毎回の商品購入に対して特典が付与されるキャンペーンもある(例えば、達成条件中に規定される)。
【0032】
購入データベース45は、商品の購入完了後に当該商品(以下、「購入済商品」という)の購入情報と、当該購入済商品についての特典情報とを対応付けて格納するデータベースである。購入データベース45には、例えば、購入済商品の注文番号、購入済商品の購入情報、及び当該購入済商品についての特典情報等が注文毎に区別可能に格納されている。ここで、購入情報には、例えば、購入済商品の購入者であるユーザのユーザID、購入済商品の販売者である店舗の店舗ID、及び購入済商品の価格等が含まれる。購入情報には、購入済商品のバリュー値が含まれてもよい。特典情報には、購入済商品について特典付与のためにユーザに適用された倍率とユーザに付与されることが決定した特典との少なくとも何れか一方を含む。かかる特典は、ユーザに適用された倍率と購入済商品の情報(例えば、価格(バリュー値でもよい、以下同様))とに基づき決定される(例えば、特典=倍率×価格/100(少数点以下切り捨て、以下同様))か、或いは、条件達成数(または、条件達成数×係数)と購入商品の情報(例えば、価格)とに基づき決定される(例えば、特典=条件達成数×価格/100)。なお、ユーザに付与されることが決定した特典とは、特典付与予定日に達することでユーザに実際に付与された特典、または、特典付与予定日に達しておらずキャンセル(例えば、商品の購入キャンセルにより特典もキャンセル)されうる特典(つまり、仮付与された特典)を指す。なお、購入情報及び特典情報は、一時ファイルとして購入データベース45に格納されるように構成してもよい。
【0033】
コンフィグ(コンフィグレーション)データベース46は、特典付与の達成条件(例えば、キャンペーンルール)と、特典内容(ユーザに適用される倍率またはユーザに付与される特典)との関係をキャンペーン毎に規定するコンフィグファイルを格納するデータベースである。例えば、コンフィグファイルは、複数のレコードから構成されるファイルである。それぞれのレコードには、例えば、キャンペーンID、対象期間、達成条件、特典内容、及び特典付与予定日等が登録される。なお、コンフィグファイルで示される複数のキャンペーンの中には、優先適用されるキャンペーンが含まれる場合もある。この場合、優先適用されるキャンペーンには、相対的に高い優先度(優先順位)が付けられることで、そのキャンペーンが優先適用される。このような優先度は、コンフィグファイルに規定されるとよい。
【0034】
2.ECサーバ3の構成及び機能
次に、図2を参照して、本実施形態に係るECサーバ3の構成及び機能について説明する。図2(A)は、ECサーバ3の概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、ECサーバ3は、通信部31、記憶部32、及びシステム制御部33等を備える。通信部31は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部32は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム,サーバプログラム(本発明のプログラムを含む)等を記憶する。なお、サーバプログラムは、所定のサーバからECサーバ3にダウンロードされてもよいし、CDやDVD等の記録媒体から読み込まれて記憶部32に記憶されるようにしてもよい。
【0035】
コンピュータとしてのシステム制御部33は、CPU,ROM,及びRAM等を備え、OS上でサーバプログラム等を実行する。図2(B)は、システム制御部33における機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部33は、サーバプログラム等の実行により、図2(B)に示すように、表示リクエスト処理部331、倍率・特典演算部332、購入リクエスト処理部333、及び保存期間設定部334等として機能する。ここで、表示リクエスト処理部331は、本発明における第1特定手段及び送信手段の一例である。特典演算部332は、本発明における第2特定手段及び判定手段の一例である。購入リクエスト処理部333は、本発明における格納手段の一例である。保存期間設定部334は、本発明における設定手段の一例である。なお、表示リクエスト処理部331、倍率・特典演算部332、及び購入リクエスト処理部333は、サーバ等のハードウェアが分離されて構成されてもよい。
【0036】
表示リクエスト処理部331は、ユーザ端末2から送信された、特定商品の表示リクエストを、通信部31を通じて受信したことをトリガとして、ユーザ端末2のユーザの達成状況を達成状況データベース44から特定し取得する。なお、表示リクエスト処理部331は、特定商品の表示リクエストが受信された際に、キャンペーンの対象期間中に当該ユーザにより購入された購入済商品の情報(購入済商品の購入情報及び当該購入済商品についての特典情報)を購入データベース45から更に特定し取得するとよい。
【0037】
倍率・特典演算部332は、表示リクエスト処理部331により特定された、ユーザの達成状況に応じて、当該ユーザが特定商品を購入した場合に特典付与のために当該ユーザに適用(つまり、適用予定)される倍率と、当該ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに付与(つまり、付与予定)される特典との少なくとも何れか一方を特定する。ここで、ユーザに付与される特典は、当該ユーザに適用される倍率及び特定商品の情報(例えば、価格)に基づき決定(算出)される。ユーザに適用される倍率及びユーザに付与される特典は、倍率にも依るが基本的には、条件達成したキャンペーンの数が多いほど大きくなり、また、1つのキャンペーンにおける条件達成数が多いほど大きくなる。なお、倍率に代えてユーザの条件達成数が用いられて特典が特定されてもよい。この場合、倍率・特典演算部332は、ユーザが特定商品を購入した場合の当該ユーザの条件達成数(または、条件達成数×係数)に応じて当該ユーザに付与される特典を特定される。
【0038】
図3は、ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率が特定される際の概念図である。図3において、例えば、倍率1倍プラスとは、条件達成によりユーザに倍率1倍がプラスされて適用されることを意味する。図3(A)の例では、特定商品Xの表示リクエスト受信時のユーザの達成状況は、倍率1倍プラスのキャンペーンa、倍率2倍プラスのキャンペーンb、及び倍率1倍プラスのキャンペーンeのそれぞれにおいて条件達成していることを示す。そのため、特定商品Xの表示リクエスト受信前に(つまり、当該受信前の商品X以外の商品の購入時に)ユーザに適用された倍率は4倍として特定される。図3(A)に示すような達成状況が参照されることで、当該達成状況に応じて、図3(B)に示すように、ユーザが特定商品Xを購入した場合の達成状況が推定される。図3(B)の例では、ユーザが特定商品Xを購入した場合の達成状況は、キャンペーンa,b,及びeに加えて、倍率0.5倍プラスのキャンペーンc、及び倍率1倍プラスのキャンペーンdのそれぞれにおいて条件達成することを示す。そのため、ユーザが特定商品Xを購入した場合に特定商品Xについてユーザに適用される倍率は5.5倍として特定されることになる。
【0039】
なお、倍率・特典演算部332は、コンフィグデータベース46に格納されたコンフィグファイルを参照して、ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率と当該ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方を特定すれば、より効果的である。特に、上述したように様々な達成条件が設定されるキャンペーンが時系列的に追加、または条件変更されるような場合であっても、キャンペーンに関する情報を新たに簡単にコンフィグファイルに追加または変更登録(柔軟に設定)することができ、ハードコーディングを行わずに、処理スピードを確保しつつ、柔軟性の高いシステムを実現することが可能となる。
【0040】
さらに、表示リクエスト処理部331によりキャンペーンの対象期間中に当該ユーザにより購入された購入済商品の情報(購入済商品の購入情報及び当該購入済商品についての特典情報)が取得された場合、倍率・特典演算部332は、当該購入済商品の情報を参照して、当該ユーザが特定商品を購入した場合に購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率とユーザに付与される追加の特典との少なくとも何れか一方を特定するとよい。より具体的に、倍率・特典演算部332は、ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率と当該倍率及び特定商品の情報に基づいて当該ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、当該ユーザが特定商品を購入した場合にユーザに適用される倍率(例えば、5.5倍)と当該購入済商品の購入時に特典付与のためにユーザに適用された倍率(例えば、4倍)との差分の倍率(例えば、1.5倍)を、当該ユーザが特定商品を購入した場合にユーザに適用される追加の倍率として特定する。そして、倍率・特典演算部332は、当該特定された追加の倍率及び購入済商品の情報(例えば、価格)に基づいて決定される追加の特典であって当該ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに付与される追加の特典を算出する(例えば、追加の特典=追加の倍率×価格/100)。すなわち、この場合、ユーザが特定商品を購入した場合にユーザに付与される特典は、特定商品についてユーザに付与される特典と、購入済商品についてユーザに付与される追加の特典との和になる。
【0041】
図4は、ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される追加の倍率が特定される際の概念図である。図4(A)に示す達成状況は、図3(A)と同様の達成状況になっている。そのため、特定商品Xの表示リクエスト受信前に購入済商品Yについて(つまり、購入済商品Yの購入時に)ユーザに適用された倍率は4倍として特定される。これは、購入データベース45に格納された購入済商品の情報を参照すれば、より迅速に特定することができる。そして、図4(B)に示す達成状況は、図3(B)と同様の達成状況になっている。そのため、ユーザが特定商品Xを購入した場合に購入済商品Yについてユーザに適用される追加の倍率は、5.5倍−4倍=1.5倍として特定されることになる。
【0042】
別の例として、倍率に代えてユーザの達成状況が用いられて追加の特典が特定されてもよい。この場合、倍率・特典演算部332は、ユーザが特定商品を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率と当該ユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、当該ユーザが特定商品を購入した場合の当該ユーザの達成状況(例えば、条件達成数:5.5)に応じて購入済商品について決定される特典と、当該購入済商品の購入時の当該ユーザの達成状況(例えば、条件達成数:4)に応じて購入済商品についてユーザに付与されることが決定した特典との差分の特典であってユーザが特定商品を購入した場合にユーザに付与される差分の特典を追加の特典として特定する。
【0043】
なお、倍率・特典演算部332は、ユーザが特定商品を購入することにより購入済商品について当該ユーザに適用される倍率または当該ユーザに付与される特典が変化するか否かを判定(つまり、今回の購入によりエントリー中の何れかのキャンペーンについて条件達成するか否かを特定商品の購入前に事前判定)し、当該購入済商品について適用される倍率または付与される特典が変化すると判定された場合に限り、当該購入済商品について追加の倍率または追加の特典を算出してもよい。これにより、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてページ情報をユーザ端末2に送信する処理の迅速化を図ることができる。
【0044】
そして、表示リクエスト処理部331は、倍率・特典演算部332により特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を特定商品の情報に対応付けて表示するページ情報(例えば、ウェブページ)を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信する。或いは、表示リクエスト処理部331は、倍率・特典演算部332により購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方の情報をさらに含む(つまり、特定商品について特定された倍率+購入済商品について特定された追加の倍率と、特定商品について特定された特典+購入済商品について特定された追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を含む)ページ情報を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信する。以上のようにして送信されるページ情報は、特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報がユーザにより指定されたときに表示される倍率と特典との少なくとも何れか一方の内訳を含むとよい。これにより、特定商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方の詳細をユーザに迅速に提示することができる。
【0045】
図5図7は、特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。図5(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された特典(66ポイント)及び倍率(5.5倍)の情報が特定商品の情報(この例では、商品画像、商品名、価格)に対応付けられて表示されている。ここで、倍率(5.5倍)は、ユーザが特定商品「スニーカー」を購入した場合に当該特定商品について当該ユーザに適用される倍率であり、特典(66ポイント)は、ユーザが特定商品「スニーカー」を購入した場合に当該特定商品について当該ユーザに付与される特典である。これにより、特定商品についてユーザの商品購入へのインセンティブを高めることができる。なお、図5(A)の例では、特定商品「スニーカー」の価格は1,200円であるので、当該特典は、5.5倍×1,200円/100=66ポイントとして算出されている。
【0046】
そして、図5(A)において「66ポイント(5.5倍)」を示す文字列51がユーザにより指定されることにより、図5(B)に示すように、特典(66ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳52がポップアップ表示される。なお、文字列51の近傍に他の文字列(例えば、「内訳を見る」)を表示させ、当該他の文字列が指定されることにより内訳52がポップアップ表示されるように構成してもよい。内訳52において、「会員+1倍」は、ユーザの申込により会員登録されたことで倍率1倍プラス(毎回の商品購入に対して適用)されることを意味し、図3に示すキャンペーンaに対応する(つまり、条件達成済)。「レギュラーカード+2倍」は、ユーザの申込によりレギュラーカードが発行されたことで倍率2倍プラス(毎回の商品購入に対して適用)されることを意味し、図3に示すキャンペーンbに対応する(つまり、条件達成済)。「店舗A+0.5倍」は、ユーザの購入により初めて店舗Aが利用されることで倍率0.5倍プラス(今回の商品購入に対してのみ適用)されることを意味し、図3に示すキャンペーンcに対応する(つまり、条件未達成)。「買いまわり2店舗+1倍」は、ユーザの購入により買いまわり店舗数が2店舗に達することで倍率1倍プラス(今回の商品購入に対してのみ適用)されることを意味し、図3に示すキャンペーンdに対応する(つまり、条件未達成)。なお、その後、ユーザの購入により買いまわり店舗数が3店舗に達することで倍率2倍プラスされることになる。「チームX勝利+1倍」は、ユーザがエントリーしたチームXが勝利したことで倍率1倍プラスされることを意味し、図3に示すキャンペーンeに対応する(つまり、条件達成済)。なお、内訳52に示される各特典は、それぞれのキャンペーンにおいて適用される倍率と商品の価格とに基づいて算出されている(例えば、1倍×1,200円/100=12ポイント(pt))。
【0047】
一方、図6(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された特典(66ポイント)が特定商品の情報に対応付けられて表示されており、倍率は表示されていない。図6(A)において「66ポイント」を示す文字列53がユーザにより指定されることにより、図6(B)に示すように、特典(66ポイント)の内訳54が表示される。内訳54に示される各特典は、ユーザに適用される倍率と商品の価格とに基づいて算出されている。なお、図6(A)において「66ポイント」を示す文字列53がユーザにより指定されることにより、特典(66ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳52(図5(B))がポップアップ表示されるように構成してもよい。一方、図7(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された倍率(5.5倍)が特定商品の情報に対応付けられて表示されており、特典は表示されていない。図7(A)において「ポイント付与5.5倍」を示す文字列55がユーザにより指定されることにより、図7(B)に示すように、倍率(5.5倍)の内訳56が表示される。なお、図7(A)において「ポイント付与5.5倍」を示す文字列55がユーザにより指定されることにより、特典(66ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳52(図5(B))がポップアップ表示されるように構成してもよい。
【0048】
図8図10は、特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報に加えて、対象期間中の購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を表示するページ情報の表示例を示す図である。図8(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された特典(94ポイント)及び倍率(5.5倍)の情報が特定商品の情報に対応付けられて表示されている。ここで、倍率(5.5倍)は、ユーザが特定商品「スニーカー」を購入した場合に当該ユーザに適用される倍率である。一方、特典(94ポイント)は、ユーザが特定商品「スニーカー」を購入した場合に当該特定商品について当該ユーザに付与される特典(66ポイント)と、当該ユーザが当該特定商品を購入した場合にユーザの対象期間中の購入済商品について当該ユーザに付与される追加の特典(28ポイント)との合計である。なお、図示しないが、購入済商品の価格は1,900円であるものとする。
【0049】
そして、図8(A)において「94ポイント(5.5倍)」を示す文字列61がユーザにより指定されることにより、図8(B)に示すように、特典(94ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳62がポップアップ表示される。内訳62において、「会員+1倍」、「レギュラーカード+2倍」、及び「チームX勝利+1倍」は、図5(B)に示す内訳52と同様である。かかる倍率は対象期間中の購入済商品について特典付与のためにユーザに既に適用された倍率であり、当該倍率及び購入済商品の価格に基づいて決定された特典は既にユーザに付与された(または付与されることが決定した)特典である。そのため、これらの倍率及び特典は、購入済商品について追加の倍率及び追加の特典にはならない。一方、内訳62における「店舗A+0.5倍」は、特定商品ばかりでなく、対象期間中の購入済商品についても特定商品の購入により初めて店舗Aが利用されるので、当該倍率(0.5倍)は購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率になる。そして、かかる追加の倍率及び購入済商品の価格に基づき決定される特典(例えば、0.5倍×1,900円/100=9ポイント(pt))は購入済商品についてユーザに付与される追加の特典となる。同様に、内訳62における「買いまわり2店舗+1倍」は、特定商品ばかりでなく、対象期間中の購入済商品についても特定商品の購入により買いまわり店舗数が2店舗に達するので、当該倍率(1倍)は購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率になる。そして、かかる追加の倍率及び購入済商品の価格に基づき決定される特典(例えば、1倍×1,900円/100=19ポイント(pt))は購入済商品についてユーザに付与される追加の特典となる。
【0050】
一方、図9(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された特典(94ポイント)が特定商品の情報に対応付けられて表示されており、倍率は表示されていない。図9(A)において「94ポイント」を示す文字列63がユーザにより指定されることにより、図9(B)に示すように、特典(94ポイント)の内訳64が表示される。内訳64に示される各特典は、ユーザに適用される倍率と商品の価格とに基づいて算出されている。なお、図9(A)において「94ポイント」を示す文字列63がユーザにより指定されることにより、特典(94ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳62(図8(B))がポップアップ表示されるように構成してもよい。一方、図10(A)の例では、倍率・特典演算部332により特定された倍率(5.5倍)が特定商品の情報に対応付けられて表示されており、特典は表示されていない。図10(A)において「ポイント付与5.5倍」を示す文字列65がユーザにより指定されることにより、図10(B)に示すように、倍率(5.5倍)の内訳66が表示される。なお、図10(A)において「ポイント付与5.5倍」を示す文字列65がユーザにより指定されることにより、特典(94ポイント)及び倍率(5.5倍)の内訳62(図8(B))がポップアップ表示されるように構成してもよい。
【0051】
購入リクエスト処理部333は、ユーザ端末2から送信された商品の購入リクエストを、通信部31を通じて受信した場合、当該購入リクエストに応じて当該商品の決済処理を実行する。かかる決済処理が完了することにより当該商品の購入が完了する。そして、購入リクエスト処理部333は、当該商品の購入完了後に、当該商品を購入済商品として当該購入済商品の購入情報と、当該購入済商品についてユーザに適用された倍率とユーザに付与されることが決定した特典との少なくとも何れか一方を含む特典情報とを対応付けて購入データベース45に格納する。このように、商品の購入が完了した段階で、当該商品を購入済商品として当該購入済商品についてユーザに適用された倍率とユーザに付与されることが決定した特典との少なくとも何れか一方を含む特典情報を格納して後から参照できるようにすれば、当該ユーザによる特定商品の閲覧時に、より迅速に購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率とユーザに付与される追加の特典を特定してユーザに提示することが可能となる。
【0052】
保存期間設定部334は、キャンペーンの対象期間に応じて、ユーザの達成状況を達成状況データベース44に保存する保存期間を設定する。例えば、キャンペーンの対象期間が最初に設定されたときに、これに合わせて保存期間が設定されることになる。また、その後にキャンペーンの対象期間が変更されたときに、これに合わせて保存期間も変更設定されることになる。例えば、キャンペーンの対象期間が1ヶ月である場合、保存期間も1ヶ月に設定され、キャンペーンの対象期間が1ヶ月から2ヶ月に延長されると、保存期間も2ヶ月に自動延長される。なお、設定された保存期間が経過するとユーザの達成状況がリセットされる(つまり、条件達成前の初期状態に戻る)。これにより、キャンペーンの対象期間の変更に合わせてユーザ達成状況を保存させることができるので、処理スピードを確保しつつ、柔軟性の高いシステムを実現することができる。
【0053】
なお、購入済商品の情報(購入済商品の購入情報及び当該購入済商品についての特典情報)が一時ファイルとして購入データベース45に格納される場合、保存期間設定部334は、キャンペーンの対象期間に応じて、当該一時ファイルに対して購入データベース45に保存する保存期間を設定してもよい。例えば、キャンペーンの対象期間が変更されたときに、これに合わせて一時ファイルの保存期間も変更設定され、キャンペーンの対象期間外になると一時ファイルは自動的に消去される。これにより、必要なファイルにのみアクセス可能になるため、処理速度を向上させることができる。なお、別途、ユーザの達成状況、及び購入済商品の情報等を含むすべてのデータを保存しておいてもよい。
【0054】
3.特定商品の表示リクエスト受信時におけるECサーバ3の動作
次に、図11を参照して、特定商品の表示リクエスト受信時におけるECサーバ3の動作例について説明する。図11(A)は、特定商品の表示リクエスト受信時における表示リクエスト処理部331の処理の一例を示すフローチャートであり、図11(B)は、特定商品の表示リクエスト受信時における倍率・特典演算部332の処理の一例を示すフローチャートである。なお、特定商品の表示リクエストは、ユーザ端末2のユーザにより指定された検索条件に基づく商品検索結果の一覧の中から当該ユーザにより指定された商品の表示リクエストであるものとする。また、ECサーバ3は、ユーザ端末2のユーザのログインにより当該ユーザ(ユーザID)を特定しているものとする。
【0055】
図11(A)に示す処理は、特定商品の表示リクエストが受信されたことをトリガとして開始される。図11(A)に示す処理が開始されると、表示リクエスト処理部331は、表示リクエストに係る特定商品の情報(例えば、商品ID、商品画像、商品名、価格)を商品データベース41から取得する(ステップS1)。次いで、表示リクエスト処理部331は、ログインにより特定されたユーザ(以下、「特定ユーザ」という)のユーザIDに基づいて、特定ユーザがエントリーしている1以上のキャンペーンのキャンペーンID及び当該キャンペーンの対象期間中の特定ユーザの達成状況(つまり、特定ユーザのユーザIDに対応付けられた達成状況)を達成状況データベース44から特定し取得する(ステップS2)。
【0056】
次いで、表示リクエスト処理部331は、特定ユーザのユーザIDに基づいて、特定ユーザの会員ランクをユーザデータベース43から特定し取得する(ステップS3)。次いで、表示リクエスト処理部331は、特定ユーザのユーザIDに基づいて、特定ユーザが購入した購入済商品の情報(購入済商品の購入情報及び当該購入済商品についての特典情報)を購入データベース45から取得する(ステップS4)。なお、特定ユーザが購入した購入済商品がない場合、購入データベース45から購入済商品の情報が取得されない。
【0057】
次いで、表示リクエスト処理部331は、ステップS1で取得された特定商品の情報、ステップS2で取得された達成状況、ステップS3で取得された会員ランク、及びステップS4で取得された購入済商品の情報を含む倍率・特典の演算指令を倍率・特典演算部332へ出力する(ステップS5)。なお、会員ランクは、倍率・特典の演算指令に含まれなくてもよい。また、購入済商品の情報は、倍率・特典の演算指令に含まれない場合もある。
【0058】
図11(B)に示す処理は、表示リクエスト処理部331からの倍率・特典の演算指令が受け付けられたことをトリガとして開始される。なお、倍率・特典の演算指令に含まれる情報は、RAMの参照情報格納領域に格納され、適宜参照される。図11(B)に示す処理が開始されると、倍率・特典演算部332は、コンフィグデータベース46からコンフィグファイルを取得する(ステップS11)。次いで、倍率・特典演算部332は、ステップS11で取得されたコンフィグファイルを参照して、参照情報格納領域から特定されるキャンペーン(例えば、特定ユーザがエントリーしているキャンペーン)のうちから、特典付与の対象となるキャンペーン(例えば、条件達成しているキャンペーン)をフィルタリングして抽出する(ステップS12)。
【0059】
次いで、倍率・特典演算部332は、ステップS12で抽出されたキャンペーンのうちから1つ選定(例えば、キャンペーンIDを選定)する(ステップS13)。ここで、ステップS12で抽出されたキャンペーンのうち相対的に高い優先度(コンフィグファイルに規定)が付されているキャンペーンがある場合、当該高い優先度が付されたキャンペーンが優先して選定される。
【0060】
次いで、倍率・特典演算部332は、コンフィグファイルを参照して、ステップS13で選定されたキャンペーンの対象期間中の特定ユーザの達成状況に応じて、特定ユーザが特定商品を購入した場合に特典付与のために特定商品について特定ユーザに適用される倍率を特定する(ステップS14)。次いで、倍率・特典演算部332は、ステップS14で特定された倍率と特定商品の情報(例えば、価格)に基づいて、特定ユーザが特定商品を購入した場合に特定商品について特定ユーザに付与される特典を算出して特定する(ステップS15)。
【0061】
次いで、倍率・特典演算部332は、特定ユーザの購入済商品の情報が参照情報格納領域に格納され、且つステップS13で選定されたキャンペーンが当該購入済商品の情報に基づいた特典のあるキャンペーンであるか否かを判定する(ステップS16)。倍率・特典演算部332は、特定ユーザの購入済商品の情報が参照情報格納領域に格納され、且つ選定されたキャンペーンが当該購入済商品の情報に基づいた特典のあるキャンペーンであると判定した場合(ステップS16:YES)、ステップS17へ進む。一方、倍率・特典演算部332は、特定ユーザの購入済商品の情報が参照情報格納領域に格納されておらず、または、選定されたキャンペーンが当該購入済商品の情報に基づいた特典のあるキャンペーンでないと判定した場合(ステップS16:NO)、ステップS19へ進む。
【0062】
ステップS17では、倍率・特典演算部332は、ステップS11で取得されたコンフィグファイルと、ステップS13で選定されたキャンペーンの対象期間中に購入済商品について特典付与のために特定ユーザに適用された倍率(つまり、参照情報格納領域に格納された特典情報に含まれる倍率)とを参照して、特定ユーザが特定商品を購入した場合に購入済商品について特定ユーザに適用される追加の倍率を特定する。例えば、特定ユーザの購入済商品の購入時に特定ユーザに適用された倍率が2倍であり、特定ユーザが特定商品を購入した場合に特定ユーザに適用される倍率が3倍である場合、追加(差分)の倍率は1倍として特定される。なお、特定ユーザの購入済商品の購入時に特定ユーザに適用された倍率が0倍であった場合もある。次いで、倍率・特典演算部332は、ステップS17で特定された追加の倍率と購入済商品の情報(例えば、価格)に基づいて、特定ユーザが特定商品を購入した場合に購入済商品について特定ユーザに付与される追加の特典を算出して特定する(ステップS18)。こうして、ステップS13で選定されたキャンペーンに関しステップS18の処理を経ることで、特定ユーザが特定商品を購入した場合に当該特定ユーザに付与される特典は、特定商品について特定ユーザに付与される特典(つまり、ステップS15で特定された特典)と、購入済商品についてユーザに付与される追加の特典(つまり、ステップS18で特定された特典)との和になる。
【0063】
なお、倍率・特典演算部332は、ステップS16で特定ユーザの購入済商品の情報が参照情報格納領域に格納されていると判定した場合に、特定ユーザが特定商品を購入することにより購入済商品について特定ユーザに適用される倍率または特定ユーザに付与される特典が変化するか否かを判定してもよい。つまり、ステップS13で選定されたキャンペーンについて、図4(B)に示すように条件達成するか否かが事前判定される。この場合において、倍率・特典演算部332は、特定ユーザに適用される倍率または特定ユーザに付与される特典が変化しないと判定した場合、ステップS17へ進まずにステップS19へ進み、特定ユーザに適用される倍率または特定ユーザに付与される特典が変化すると判定した場合に限り、ステップS17へ進む。
【0064】
ステップS19では、倍率・特典演算部332は、ステップS12で抽出されたキャンペーンのうちまだ選定されていないキャンペーンがあるか否かを判定する。倍率・特典演算部332は、ステップS12で抽出されたキャンペーンのうちまだ選定されていないキャンペーンがあると判定した場合(ステップS19:YES)、ステップS13に戻り、まだ選定されていないキャンペーンを選定し、上記と同様の処理を行う。このようなループ処理において特定された特典(または特典及び追加の特典)は累計されるとよい。一方、倍率・特典演算部332は、ステップS12で抽出されたキャンペーンのうちまだ選定されていないキャンペーンがないと判定した場合(ステップS19:NO)、ステップS20へ進む。
【0065】
なお、ステップS19において、倍率・特典演算部332は、特典(または特典及び追加の特典)の累計値が、特定ユーザの会員ランクに応じた獲得特典の上限(コンフィグファイルに規定)を超えたか否かをさらに判定し、当該獲得特典の上限を超えたと判定した場合、ステップS20へ進むように構成してもよい。この場合、例えば相対的に低い優先度が付されたキャンペーンに対応する特典は除外されることになる。
【0066】
ステップS20では、倍率・特典演算部332は、ステップS13で選定されたキャンペーン(キャンペーンが複数の場合、それぞれのキャンペーン)についてステップS14で特定された倍率、及びステップS15で特定された特典(または、これらの倍率及び特典に加えて、ステップS17で特定された追加の倍率、及びステップS18で特定された追加の特典)を含む演算結果を表示リクエスト処理部331へ出力する。
【0067】
そして、表示リクエスト処理部331は、倍率・特典演算部332からの演算結果を受け付けると(ステップS6:YES)、当該演算結果に基づいて、特定商品について特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報(または、かかる情報に加えて、購入済商品について特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方を含む情報)を特定商品の情報に対応付けて表示するページ情報(上述した倍率と特典との少なくとも何れか一方の累計値(合計)と内訳を含むとよい)を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信する(ステップS7)。これにより、ユーザ端末2の画面にはページ情報が表示されることになる。
【0068】
以上説明したように、上記実施形態によれば、ECサーバ3は、ユーザ端末2から特定商品の表示リクエストを受信したことをトリガとして、ユーザ端末2のユーザの達成状況を特定し、当該特定された達成状況に応じて、ユーザが特定商品を購入した場合に特定商品についてユーザに適用される倍率と、ユーザが特定商品を購入した場合に特定商品についてユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方を特定し、当該特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を特定商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信するように構成したので、キャンペーンの対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定商品が購入された場合にユーザに適用される倍率とユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方の情報を特定商品の情報に対応付けてユーザに提示することができる。したがって、特定商品の購入前に閲覧しているユーザの商品購入へのインセンティブを高めることができる。
【0069】
また、ECサーバ3は、ユーザ端末2から特定商品の表示リクエストを受信したことをトリガとして、ユーザ端末2のユーザの達成状況を特定し、当該特定された達成状況に応じて、ユーザが特定商品を購入した場合に、特定商品についてユーザに適用される倍率と特定商品についてユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、対象期間中にユーザにより既に購入された購入済商品についてもユーザに適用される追加(差分)の倍率と購入済商品についてユーザに付与される追加(差分)の特典との少なくとも何れか一方を特定し、当該特定された追加の倍率と追加の特典との少なくとも何れか一方をさらに含むページ情報を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信するように構成したので、キャンペーンの対象期間中のユーザの達成状況に応じて、特定商品が購入された場合に特定商品についてユーザに適用される倍率と特定商品についてユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方に加えて、当該対象期間中にユーザにより購入された購入済商品についてユーザに適用される追加の倍率と購入済商品についてユーザに付与される追加の特典との少なくとも何れか一方の情報を特定商品の情報に対応付けてユーザに提示することができる。したがって、特定商品を閲覧するユーザの商品購入へのインセンティブをより一層高めることができる。
【0070】
以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態において、対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合の例としてキャンペーンを適用して説明したが、本発明は対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典が付与される場合であれば如何なるものにも適用可能である。また、上記実施形態では、対象となるキャンペーン毎に倍率とその倍率に応じた特典を特定していたが、それに限られない。例えば、対象となるキャンペーンを全て抽出し、抽出したキャンペーンと特定ユーザの達成状況に応じて特定ユーザに適用される倍率を特定した後、その倍率と特定商品の情報に基づいて付与される特典と、その倍率と購入済商品の情報に基づいて付与される特典とを特定してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 店舗端末
2 ユーザ端末
3 ECサーバ
4 データベースサーバ
31 通信部
32 記憶部
33 システム制御部
331 表示リクエスト処理部
332 倍率・特典演算部
333 購入リクエスト処理部
334 保存期間設定部
【要約】
【課題】対象期間中のユーザの達成状況に応じて特典の倍率が増えるようなキャンペーンであっても、ユーザの商品購入へのインセンティブを高めることが可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ECサーバ3は、ユーザ端末2から特定商品の表示リクエストを受信したことをトリガとして、ユーザ端末2のユーザの達成状況を特定し、当該特定された達成状況に応じて、ユーザが特定商品を購入した場合に特定商品についてユーザに適用される倍率と、ユーザが特定商品を購入した場合に特定商品についてユーザに付与される特典との少なくとも何れか一方を特定し、当該特定された倍率と特典との少なくとも何れか一方の情報を特定商品の情報に対応付けて表示するページ情報を、特定商品の表示リクエストに対するレスポンスとしてユーザ端末2に送信する。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11