(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シートベルトを巻き取るスピンドルと、車両の前後方向における加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて前記シートベルトの引出動作をロックするロック機構と、前記加速度センサの姿勢を制御する姿勢制御機構と、を有し、車両に設けられるリクライニング式シートのシートバックに取り付けられるシートベルトリトラクタと、
前記リクライニング式シートのシートバックとシートクッションを回動自在に連結する連結部に配置され、前記シートバックが車両前後方向に傾動する時の傾動角度を検出し、当該傾動角度を前記シートベルトリトラクタに伝えるためのケーブルを有し、前記シートバックの前記傾動角度に対応する距離を、前記ケーブルの長さ方向に、前記ケーブルが前進または後進することにより、シートバックの傾動動作を前記ケーブルを介して前記シートベルトリトラクタの姿勢制御機構に伝えるケーブル進退機構と、
を備え、
前記シートバックの傾動に伴う前記ケーブルの進退動作に応じて前記姿勢制御機構が加速度センサの姿勢を制御することにより、前記シートバックの傾動角度に拘わらず、所定の範囲で前記加速度センサを一定の基本姿勢に保持するシートベルト装置であって、
前記ケーブル進退機構は、
前記シートクッションに固定可能なレバー部材と、
前記シートバックに固定可能で、前記レバー部材に対して回動自在に配置されるケーシング部材と、
前記ケーシング部材の回動中心と同軸に、前記レバー部材及び前記ケーシング部材に対して回動自在とされる一方、前記ケーシング部材が前記レバー部材に対して回動する所定範囲にある間は、前記レバー部材によって移動が阻止され、且つ、外周面に沿って前記ケーブルを巻き付けるケーブル巻き付け溝が設けられるカム部材と、
を有し、
前記レバー部材は、前記ケーシング部材の回動中心と同軸な開口部をそれぞれ有する少なくとも2枚のリングプレート部を備え、
前記少なくとも2枚のリングプレート部は、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、且つ、前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で連結され、
前記レバー部材の前記各リングプレート部と、前記ケーシング部材には、それぞれ組付け治具ピンが挿通される挿入孔がそれぞれ形成され、
前記各リングプレート部及び前記ケーシング部材の前記各挿入孔は、前記ケーシング部材の回動中心まわりの所定の位相において、それぞれ同軸上に配置されることを特徴とするシートベルト装置。
前記ケーシング部材は、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記少なくとも2枚のリングプレート部の外側にそれぞれ設けられた一対のケーシング部材を備え、
前記一対のケーシング部材には、前記挿入孔が、前記ケーシング部材の回動中心まわりの前記所定の位相において、前記各リングプレート部の前記各挿入孔と同軸上に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
前記スライドプレートは、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記2枚のリングプレート部の中間に位置することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト装置。
前記各リングプレート部の前記各挿入孔は、前記ケーシング部材の回動中心に対して、前記シートクッションへの取り付け部と反対側に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
シートベルトを巻き取るスピンドルと、車両の前後方向における加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて前記シートベルトの引出動作をロックするロック機構と、前記加速度センサの姿勢を制御する姿勢制御機構と、を有し、車両に設けられるリクライニング式シートのシートバックに取り付けられるシートベルトリトラクタと、
前記リクライニング式シートのシートバックとシートクッションを回動自在に連結する連結部に配置され、前記シートバックが車両前後方向に傾動する時の傾動角度を検出し、当該傾動角度を前記シートベルトリトラクタに伝えるためのケーブルを有し、前記シートバックの前記傾動角度に対応する距離を、前記ケーブルの長さ方向に、前記ケーブルが前進または後進することにより、シートバックの傾動動作を前記ケーブルを介して前記シートベルトリトラクタの姿勢制御機構に伝えるケーブル進退機構と、
を備え、
前記シートバックの傾動に伴う前記ケーブルの進退動作に応じて前記姿勢制御機構が加速度センサの姿勢を制御することにより、前記シートバックの傾動角度に拘わらず、所定の範囲で前記加速度センサを一定の基本姿勢に保持するシートベルト装置であって、
前記ケーブル進退機構は、
前記シートクッションに固定可能なレバー部材と、
前記シートバックに固定可能で、前記レバー部材に対して回動自在に配置されるケーシング部材と、
前記ケーシング部材の回動中心と同軸に、前記レバー部材及び前記ケーシング部材に対して回動自在とされる一方、前記ケーシング部材が前記レバー部材に対して回動する所定範囲にある間は、前記レバー部材によって移動が阻止され、且つ、外周面に沿って前記ケーブルを巻き付けるケーブル巻き付け溝が設けられるカム部材と、
を有し、
前記レバー部材は、スライドプレートを介して前記シートクッションに固定され、
前記レバー部材は、前記スライドプレートを案内するプレートガイド部と、前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で前記プレートガイド部と連結され、前記ケーシング部材の回動中心と同軸な開口部を有するリングプレート部を備え、
前記スライドプレートは、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記プレートガイド部の中央位置に位置するガイド溝に備えられることを特徴とするシートベルト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のシートベルト装置では、
図15に示すように、レバー部材201、カム部材202、ケーシング部材203の位置決め孔211,212,213を貫通する仮止めピン300が傾いてしまう場合があり、この場合、レバー部材201もケーシング部材203に対して傾きを生じてしまう可能性がある。この結果、レバー部材201とケーシング部材203とは、相対的に位置ずれした状態で、シートクッションとシートバックにそれぞれ固定されてしまい、ケーブルで接続される加速度センサの水平方向からの角度精度が落ち、加速度センサの検出精度が低下する可能性がある。このため、仮止めピン300が傾かないように配慮しながら、レバー部材201とケーシング部材203とをシートクッションとシートバックにそれぞれ固定する必要があり、組み付け作業性の向上が求められていた。
また、レバー部材、カム部材、及びケーシング部材を備えた、シートバックの傾動に連動する機構は、左右の座席で個別に構成する必要があった。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシング部材に対する組付け治具ピンの傾きを防止して、ケーシング部材とレバー部材との位置精度を向上させることで、加速度センサの検出精度を高めることができるシートベルト装置及びその組み付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) シートベルトを巻き取るスピンドルと、車両の前後方向における加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて前記シートベルトの引出動作をロックするロック機構と、前記加速度センサの姿勢を制御する姿勢制御機構と、を有し、車両に設けられるリクライニング式シートのシートバックに取り付けられるシートベルトリトラクタと、
前記リクライニング式シートのシートバックとシートクッションを回動自在に連結する連結部に配置され、前記シートバックが車両前後方向に傾動する時の傾動角度を検出し、当該傾動角度を前記シートベルトリトラクタに伝えるためのケーブルを有し、前記シートバックの前記傾動角度に対応する距離を、前記ケーブルの長さ方向に、前記ケーブルが前進または後進することにより、シートバックの傾動動作を前記ケーブルを介して前記シートベルトリトラクタの姿勢制御機構に伝えるケーブル進退機構と、
を備え、
前記シートバックの傾動に伴う前記ケーブルの進退動作に応じて前記姿勢制御機構が加速度センサの姿勢を制御することにより、前記シートバックの傾動角度に拘わらず、所定の範囲で前記加速度センサを一定の基本姿勢に保持するシートベルト装置であって、
前記ケーブル進退機構は、
前記シートクッションに固定可能なレバー部材と、
前記シートバックに固定可能で、前記レバー部材に対して回動自在に配置されるケーシング部材と、
前記ケーシング部材の回動中心と同軸に、前記レバー部材及び前記ケーシング部材に対して回動自在とされる一方、前記ケーシング部材が前記レバー部材に対して回動する所定範囲にある間は、前記レバー部材によって移動が阻止され、且つ、外周面に沿って前記ケーブルを巻き付けるケーブル巻き付け溝が設けられるカム部材と、
を有し、
前記レバー部材は、前記ケーシング部材の回動中心と同軸な開口部をそれぞれ有する少なくとも2枚のリングプレート部を備え、
前記少なくとも2枚のリングプレート部は、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、且つ、前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で連結され、
前記レバー部材の前記各リングプレート部と、前記ケーシング部材には、それぞれ組付け治具ピンが挿通される挿入孔がそれぞれ形成され、
前記各リングプレート部及び前記ケーシング部材の前記各挿入孔は、前記ケーシング部材の回動中心まわりの所定の位相において、それぞれ同軸上に配置されることを特徴とするシートベルト装置。
【0009】
(2) 前記ケーシング部材は、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記少なくとも2枚のリングプレート部の外側にそれぞれ設けられた一対のケーシング部材を備え、
前記一対のケーシング部材には、前記挿入孔が、前記ケーシング部材の回動中心まわりの前記所定の位相において、前記各リングプレート部の前記各挿入孔と同軸上に配置されることを特徴とする(1)に記載のシートベルト装置。
【0010】
(3) 前記少なくとも2枚のリングプレート部は、前記カム部材を挟むように、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、
前記カム部材には、組付け治具ピンが挿入される挿入孔が、前記ケーシング部材の回動中心まわりの前記所定の位相において、前記各リングプレート部及び前記ケーシング部材の前記各挿入孔と同軸上に配置されることを特徴とする(1)に記載のシートベルト装置。
【0011】
(4) 前記レバー部材は、スライドプレートを介して前記シートクッションに固定され、
前記レバー部材は、前記スライドプレートを案内するプレートガイド部を備え、
前記少なくとも2枚のリングプレート部は、前記プレートガイド部によって前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で連結されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のシートベルト装置。
【0012】
(5) 前記スライドプレートは、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記2枚のリングプレート部の中間に位置することを特徴とする(4)に記載のシートベルト装置。
【0013】
(6) 前記各リングプレート部の前記各挿入孔は、前記ケーシング部材の回動中心に対して、前記シートクッションへの取り付け部と反対側に設けられることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のシートベルト装置。
【0014】
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のシートベルト装置を前記リクライニング式シートに組み付けるシートベルト装置の組み付け方法であって、
前記各リングプレート部及び前記ケーシング部材の前記各挿入孔がそれぞれ同軸上に配置されるように、前記レバー部材及び前記ケーシング部材を相対的に回転させ、
前記組付け治具ピンを、前記ケーシング部材及び前記レバー部材の前記各挿入孔に挿通した状態で、前記レバー部材を前記シートクッションに固定し、前記ケーシング部材を前記シートバックに固定することを特徴とするシートベルト装置の組み付け方法。
【0015】
(8) シートベルトを巻き取るスピンドルと、車両の前後方向における加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサによって検出される加速度に応じて前記シートベルトの引出動作をロックするロック機構と、前記加速度センサの姿勢を制御する姿勢制御機構と、を有し、車両に設けられるリクライニング式シートのシートバックに取り付けられるシートベルトリトラクタと、
前記リクライニング式シートのシートバックとシートクッションを回動自在に連結する連結部に配置され、前記シートバックが車両前後方向に傾動する時の傾動角度を検出し、当該傾動角度を前記シートベルトリトラクタに伝えるためのケーブルを有し、前記シートバックの前記傾動角度に対応する距離を、前記ケーブルの長さ方向に、前記ケーブルが前進または後進することにより、シートバックの傾動動作を前記ケーブルを介して前記シートベルトリトラクタの姿勢制御機構に伝えるケーブル進退機構と、
を備え、
前記シートバックの傾動に伴う前記ケーブルの進退動作に応じて前記姿勢制御機構が加速度センサの姿勢を制御することにより、前記シートバックの傾動角度に拘わらず、所定の範囲で前記加速度センサを一定の基本姿勢に保持するシートベルト装置であって、
前記ケーブル進退機構は、
前記シートクッションに固定可能なレバー部材と、
前記シートバックに固定可能で、前記レバー部材に対して回動自在に配置されるケーシング部材と、
前記ケーシング部材の回動中心と同軸に、前記レバー部材及び前記ケーシング部材に対して回動自在とされる一方、前記ケーシング部材が前記レバー部材に対して回動する所定範囲にある間は、前記レバー部材によって移動が阻止され、且つ、外周面に沿って前記ケーブルを巻き付けるケーブル巻き付け溝が設けられるカム部材と、
を有し、
前記レバー部材は、スライドプレートを介して前記シートクッションに固定され、
前記レバー部材は、前記スライドプレートを案内するプレートガイド部と、前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で前記プレートガイド部と連結され、前記ケーシング部材の回動中心と同軸な開口部を有するリングプレート部を備え、
前記スライドプレートは、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記プレートガイド部の中間に位置することを特徴とするシートベルト装置。
(9) 前記レバー部材は、前記ケーシング部材の回動中心と同軸な前記開口部をそれぞれ有する少なくとも2枚の前記リングプレート部を備え、
前記少なくとも2枚のリングプレート部は、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、且つ、前記プレートガイド部によって前記ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側で連結され、
前記スライドプレートは、前記ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、前記2枚のリングプレート部の中間に位置することを特徴とする(8)に記載のシートベルト装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシートベルト装置によれば、ケーシング部材に対する組付け治具ピンの傾き、さらには組付け治具ピンに嵌合するレバー部材の傾きを防止した状態で、ケーシング部材をシートバックに、またレバー部材をシートクッションに精度よく固定することができる。また、ケーブルの引き出し長さの調整は、リクライニング式シートに固定されたケーシング部材を基準にして行われるので、加速度センサの取り付け角度誤差を抑制して検出精度を向上させることができる。
【0017】
また、本発明のシートベルト装置によれば、スライドプレートが、ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、プレートガイド部の中間に位置することで、ケーブル進退機構のレバー部材、ケーシング部材、及びカム部材を左右の座席で共用することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るシートベル装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、本実施形態のシートベルト装置10は、リクライニング式シート15のシートバック16に取り付けられ、シートベルト19を巻き取り可能なシートベルトリトラクタ11と、リクライニング式シート15のシートバック16とシートクッション17を回動可能に連結する連結部18に配置され、シートバック16の傾動角度に応じた長さだけケーブル(インナーケーブルとも呼ばれる)13aを進退させることで、シートバック16の傾動動作をケーブル13aを介してシートベルトリトラクタ11に伝えるケーブル進退機構100と、を備えており、車両衝突時に車両内の乗員をリクライニング式シート15に対して拘束する機能を有している。
なお、
図1(a)のケーブル進退機構100は、後述するケーシング部材120を取り外した状態で示している。
【0020】
ケーブル(インナーケーブル)13aは、後述する外装チューブ13b(
図3参照)により覆われることでケーブルユニット13を構成しており、外装チューブ13bの両端の端末部材13dがシートベルトリトラクタ11と、ケーブル進退機構100の後述する一対のケーシング部材120,130に固定される。これにより、外装チューブ13bの内部に収容されたケーブル13aが、外装チューブ13bに対して弛みなく延在方向にスムーズにスライドして進退できるように構成されている。
【0021】
シートベルトリトラクタ11は、シートバック16のリクライニング角度に応じて、車両の前後方向に任意の角度で傾動する。また、車両の幅方向(車両左右方向)においては、シートベルトリトラクタ11からシートベルト19を滑らかに繰り出し可能とするため、車種やシート仕様によってそれぞれ異なる所定角度θで取り付けられる。ここでは、シートベルトリトラクタ11の基準取付姿勢は、車両の後方に略15°傾斜している(後ろ倒し15°)と共に、車両の幅方向に所定角度θ(=15°)だけ傾斜した姿勢で、シートバック16に取り付けられている。つまり、
図1(b)に示すように、左座席の場合は、後ろ側から見て左側に所定角度θ(=15°)だけ傾斜して取り付けられており、
図1(c)に示すように、右座席の場合は、後ろ側から見て右側に所定角度θ(=15°)だけ傾斜して取り付けられている。
【0022】
図2及び
図3に示すように、シートベルトリトラクタ11は、シートバック16に固定されるリトラクタフレーム21を備えており、リトラクタフレーム21には、シートベルト19を巻回するスピンドル22が回転可能に支持されている。
【0023】
スピンドル22の軸方向の一端側には、スピンドル22をシートベルト19の巻き取り方向に回転付勢するリトラクタスプリング23が連結され、リトラクタスプリング23はカバー23aに収容されている。
【0024】
スピンドル22の軸方向の他端側には、シートベルト19の引き出し動作をロックするロック機構24の一構成要素であるステアリングホイール25と、車両に作用する前後方向の加速度を検出し、検出された加速度に応じてロック機構24を作動させる加速度センサ30と、シートバック16の傾動角度によらず、加速度センサ30のセンサ基準面(後述する慣性体支持面33)を略水平に保つ姿勢制御機構70とが設けられている。
【0025】
ステアリングホイール25は、スピンドル22と一体回転するように結合されると共に、外周面に、後述する作動部材(第1センサレバー36)の上部爪部36bと係合する周方向に所定の間隔で並んだ複数の係合爪25aを有しており、ステアリングホイールカバー27の内部に収容されている。また、加速度センサ30を含むシートベルトリトラクタ11の他端側の側面全体が、リトラクタカバー29によって覆われている。
【0026】
図3及び
図4に示すように、加速度センサ30は、シートバック16と一体的に車両前後方向に傾動するようリトラクタフレーム21の外側面に固定されたセンサカバー31と、車両左右方向に沿った揺動軸L1(
図6参照)を中心としてセンサカバー31に対して車両前後方向揺動自在に支持され、シートバック16の傾動時に、姿勢制御機構70によりセンサカバー31に対して車両前後方向に回動させられることで、車両前後方向においてセンサ基準面としての慣性体支持面33を略水平な状態に保持するセンサハウジング32と、センサハウジング32の慣性体支持面33上に支持されて所定値以上の車両前後方向の加速度が作用したとき中立位置から変位する慣性体としての鉄製のボール35と、ボール35が車両前後方向に変位した際に連動してロック機構24をロック側へ作動させる作動部材である第2センサレバー37と、を有している。
【0027】
具体的には、
図6にも示すように、センサカバー31の一対の支持孔31a、31bに、センサハウジング32の外側面に突設した一対のボス部32a、32bがそれぞれ嵌合されることにより揺動軸L1が構成されており、センサハウジング32は、この揺動軸L1を中心に車両前後方向に揺動可能である。また、
図4に示すように、センサハウジング32の一対のブラケット32c、32dに形成されたレバー支持孔32e、32fに第2センサレバー37の一対の回動突起37a、37bが嵌合され、第2センサレバー37は、センサハウジング32に対して車両前後方向に回動可能に支持されている。
【0028】
センサハウジング32は、下方に凹むすり鉢状の凹面である慣性体支持面33を上側の内底面に備えており、その慣性体支持面33上にボール35が載置されている。慣性体であるボール35は、所定以上の車両前後方向の加速度を受けたとき、中立位置から変位して車両(即ち、シートベルトリトラクタ11)に作用する加速度を検知する。なお、前述した慣性体支持面33が略水平な状態とは、慣性体支持面33の基準面(例えば、慣性体支持面33の上面)が略水平であることを言う。
【0029】
第1センサレバー36は、
図3に示すように、基端部に嵌合孔が設けられたボス部36aを有し、先端部が、ステアリングホイール25に当接する上部爪部36b及び第2センサレバー37に当接する下部爪部36cが設けられた略Y字型に形成されている。第1センサレバー36は、ステアリングホイール25の下方に配されており、ボス部36aの嵌合孔が、リトラクタフレーム21に固定された支持軸(図示略)に回動自在に嵌合している。そして、嵌合孔を有するボス部36aを中心として上方に回動することで、上部爪部36bがステアリングホイール25の係合爪25aに係合して、ステアリングホイール25の回転を規制する。従って、ステアリングホイール25と第1センサレバー36とにより、ロック機構24が構成されている。
【0030】
第2センサレバー37は、
図3及び
図4に示すように、基端部に形成された回動突起37a、37bと、先端側に形成されてボール35の上面に被さる椀部37cと、椀部37cの上面に形成されたリブ37dと、を備えている。回動突起37a、37bは、センサハウジング32のレバー支持孔32e、32fに回動自在に嵌合されている。第2センサレバー37は、椀部37cがボール35の上側に接触すると共に、リブ37dの上面に第1センサレバー36の下部爪部36cが当接している。そして、加速度によってボール35が中立位置から変位すると、上側に回動して下部爪部36cを介して第1センサレバー36を上方に押し上げ、ステアリングホイール25の係合爪25aに上部爪部36bを係合させて、ステアリングホイール25をロックする。なお、第1センサレバー36と第2センサレバー37とは、ボール35が変位した際に、反対方向に回動するようにボール35の中心から見て回動軸線の位置が互いに逆方向に設定されている。
【0031】
また、
図4に示すように、センサハウジング32の前後方向の姿勢を制御する姿勢制御機構70は、リトラクタフレーム21の側板の内側に配された第1プーリケース71及び第2プーリケース72と、それら第1プーリケース71及び第2プーリケース72を合わせることで形成された内部空間の中に収容されたプーリ73と、アジャストギヤ74、プーリ73を回転付勢するトーションスプリング75と、アジャストギヤ74の回転を加速度センサ30のセンサハウジング32に伝達する回転伝達機構76と、から構成されている。
【0032】
プーリ73は、第1プーリケース71に設けられた支持軸71cを中心に、第1プーリケース71及び第2プーリケース72に回転自在に支持されており、ケーブル進退機構100によるケーブル(インナーケーブル)13aの進退の動きを回転運動に変換し、ケーブルユニット13の進退の動きに応じた角度だけシートバック16の傾動方向と同方向に回転する。このプーリ73には、ケーブル13aを巻き取るためのケーブル巻き付け溝73bが外周面に設けられており、ケーブル13aの一端部(上端部)がエンドブロック13cを介してプーリ73に固定されている。なお、ケーブル13aは、外装チューブ13b内にスライド自在に通されており、外装チューブ13bの一端に取り付けた端末部材13dが、第1プーリケース71及び第2プーリケース72に固定されている。
【0033】
トーションスプリング75(
図3参照)は、プーリ73をケーブル13aの巻き取り方向に回転付勢している。また、アジャストギヤ74は、プーリ73の側部に形成されたギヤ73aに噛み合って、シートバック16の傾動方向と逆方向に同一回転角度で同期回転する回転部材であり、
図6に示すように、一方の軸突起74aを第1プーリケース71に形成した支持孔71aに嵌め、先端が球状になった他方の軸突起74bを、第1プーリケース71の開口窓71b(
図4参照)を通して、センサハウジング32のボス部32bの端面の球面穴32gに嵌めることにより、アジャストギヤ74は、回動軸L2を中心にして回動できるように支持されている。この場合、球面穴32gと球状の軸突起74bの嵌合により、アジャストギヤ74の回動軸L2とセンサハウジング32の揺動軸L1は、両軸が任意な角度関係にあっても軸突起74bの中心で1点で交差している。つまり、回動軸L2とセンサハウジング32の揺動軸L1は、同一直線上にある場合も傾きを持つ関係にある場合も1点で交差しており、揺動軸L1に対して回動軸L2が任意の傾きを持つように構成されている。
【0034】
回転伝達機構76は、アジャストギヤ74の回動軸L2とセンサハウジング32の揺動軸L1が同一直線上にある場合でも、傾きをもっている場合でも、アジャストギヤ74の回転をセンサハウジング32に伝達して、センサハウジング32を揺動させることができるように構成されている。これにより、回転伝達機構76は、加速度センサ30のセンサ基準線S1(中立位置にあるボール35の中心点を通るセンサ基準面に対して垂直な線)を車両前後方向において鉛直方向に指向させて、センサ基準線S1に垂直なセンサ基準面としての慣性体支持面33を略水平に保持する。そのため、この実施形態における回転伝達機構76は、アジャストギヤ74とセンサハウジング32にそれぞれ形成された、揺動軸L1及び回動軸L2から半径方向に離れた位置に配されて互いに係合するピン74cとスリット32hの組み合わせによって構成されている。
【0035】
ここでは、ピン74cがアジャストギヤ74側に形成され、スリット32hがセンサハウジング32側に形成されているが、逆に形成されていてもよい。なお、スリット32hは、センサハウジング32の側部下方に突設したアーム32iに形成されている。このアーム32iは、スリット32hとピン74cとが確実に係合でき、しかも、他の部分と干渉をしない必要がある。そのため、
図7(a)に示すような左座席用のシートベルトリトラクタに使用するセンサハウジング32L(32)と、
図7(b)に示すような右座席用のシートベルトリトラクタに使用するセンサハウジング32R(32)とで、アーム32iの形状に若干違いを設けている。
【0036】
以上の構成のシートベルトリトラクタ11は、車種やシート仕様ごとに異なる基準取付姿勢、例えば、車両の後方に略15°傾斜すると共に車両の幅方向(左右方向)にθ=15°傾斜した状態でシートバック16に取り付けられる。シートベルトリトラクタ11が、車種やシート仕様によって車幅方向で異なる傾き方向や角度で取り付けられるのは、スピンドル22の車幅方向の傾きをシートベルト19の引き出し方向と一致させることにより、滑らかな引き出しを可能とするためである。
【0037】
従って、
図6に示すように、リトラクタフレーム21を右側に所定角度θ(=15°)だけ傾けて取り付けることで、姿勢制御機構70のプーリ73やアジャストギヤ74の回動軌道面が鉛直面に対して右側に所定角度θだけ傾く場合と、この逆に、図示はしないが、リトラクタフレーム21を左側に所定角度θだけ傾けて取り付けることで、姿勢制御機構70のプーリ73やアジャストギヤ74の回動軌道面が鉛直面に対して左側に所定角度θだけ傾く場合との2つの取付姿勢がある。
【0038】
このような取付姿勢から、本実施形態では、アジャストギヤ74の回動軸L2が車両左右方向に沿った水平方向に対して所定角度θだけ傾斜していることを前提としており、そのようにアジャストギヤ74の回動軸L2が水平に対して傾いている場合でも、加速度センサ30のセンサハウジング32の揺動軸L1が略水平に保たれて加速度センサ30のセンサ基準線S1が鉛直方向を指向するように、センサカバー31が左右座席用ごとのタイプ別にそれぞれ用意されている。そのため、水平に対して傾斜したアジャストギヤ74の回動軸L2と略水平に保たれたセンサハウジング32の揺動軸L1は、所定角度θを持って交差した関係に設定され、その上で、前述のピン74cとスリット32hの組み合わせによって回転伝達機構76が構成されている。
【0039】
なお、リトラクタフレーム21の取り付け角度は、θ=0°の場合も含めて任意に設定することが可能であり、設定した取り付け角度ごとに用意した専用のセンサカバー31を用いて加速度センサ30をリトラクタフレーム21に取り付ければ、センサハウジング32の揺動軸L1を常に略水平に保つことができる。その際、センサハウジング32の揺動軸L1とアジャストギヤ74の回動軸L2とが同一直線上にある場合も傾きを持って交差する場合(つまり、アジャストギヤ74の回転軌道面とセンサハウジング32の回転軌道面とが互いに平行である場合と互いに非平行である場合)も、アジャストギヤ74の回転をピン74cとスリット32hの組み合わせによって、無理なくセンサハウジング32に伝えることができる。
【0040】
次にケーブル進退機構100について詳しく説明する。
ケーブル進退機構100は、
図8に示すように、レバー部材110と、スライドプレート118と、左右一対のケーシング部材120,130と、カム部材140と、ケーブルアジャスタ150と、ケーブル固定用プレート180と、を有している。
【0041】
図9も参照して、レバー部材110は、互いに軸方向に離間する2枚のリングプレート部112a,112bと、2枚のリングプレート部112a,112bを連結するプレートガイド部113と、を備える。リングプレート部112aには、その中心に円形孔である第1の開口部114aが形成されている。リングプレート部112bには、円形孔の一部がプレートガイド部113に向けて切り欠かれた第2の開口部114bが形成されている。第1の開口部114aと第2の開口部114bの円弧部分とは、同軸上に形成されており、第1の開口部114aと第2の開口部の円弧部分の軸方向は、ケーブル進退機構100がシートバック16に固定されたとき、シートバック16の回動中心(ケーシング部材120,130の回動中心)と一致する。
【0042】
具体的に、本実施形態では、第1の開口部114aが後述するケーシング部材130のボス部133に回動可能に嵌合しており、これにより、ケーシング部材120,130とレバー部材110とが相対的に回動自在となる。
なお、本実施形態では、第2の開口部114bの円弧部分は、第1の開口部114aよりも大径としている。即ち、第1の開口部114aと第2の開口部114bは、少なくとも一方を円形孔として、ケーシング部材130のボス部133に支持されればよい。
【0043】
また、リングプレート部112bの外周には、後述する扇形状のカム部材140のカム部143の側面に設けられた凸部143cと当接してカム部材140の回動を阻止する突き当て部115が設けられている。
【0044】
2枚のリングプレート部112a,112bには、ケーシング部材120,130の回動中心に対して、プレートガイド部113と径方向反対側に、後述する組付け治具ピン170が挿通される挿入孔116a,116bが同軸上に貫通して形成されている。リングプレート部112aの挿入孔116aは円形孔であり、リングプレート部112bの挿入孔116bは、下方が切り欠かれた略U字形に形成されている。挿入孔116a,116bは、組付け治具ピン170で位置決め可能であれば、その形状は特に限定されない。
【0045】
プレートガイド部113は、開口部114a、114bの半径方向外側で2枚のリングプレート部112a、112bを連結する。プレートガイド部113は、開口部114a、114bの軸方向において、2枚のリングプレート部112a,112bの中間(軸方向中央位置)に、リングプレート部112a、112bの径方向に沿って貫通するガイド溝117を有する。ガイド溝117は、スライドプレート118を収容すると共に、スライドプレート118を径方向に摺動自在に案内する。ガイド溝117を形成するプレートガイド部113の両側壁113a,113bには、それぞれリングプレート部112a,112bの径方向に延びる長孔113cが設けられている。
【0046】
スライドプレート118は、レバー部材110をシートクッション17にナット固定するための長孔119と、プレートガイド部113の長孔113cに嵌合する突起部118aが設けられている。
したがって、レバー部材110は、スライドプレート118を介してシートクッション17に固定される。
【0047】
ケーシング部材120,130は、カム部材140の周囲を覆う環状の外周壁121,131と、該外周壁121,131の内側に設けられた略円盤状の平面部122,132と、平面部122,132の内側に設けられた円筒状のボス部123,133とを有し、外周壁121,131の一部に外部に突出したケーブル導入部126,136を備えている。ケーシング部材120,130は、ボス部123,133などの一部を除いて鏡面対称形状に形成されており、即ち、少なくとも外周壁121,131、平面部122,132、及びケーブル導入部126,136が鏡面対称形状に形成されている。このケーシング部材120,130は、ケーシング部材120のボス部123に、ケーシング部材130のボス部133が外嵌して一体に組み付けられる。ケーシング部材120,130が結合されることで形成された内部空間には、レバー部材110の2枚のリングプレート部112a,112bとカム部材140が回動可能に収容される。
【0048】
図10も参照して、ケーブル導入部126,136には、外周壁121,131の接線方向に延びるケーブルガイド溝127a、127b,137a、137bが設けられている。外側のケーブルガイド溝127a,137aは、ケーブルユニット13の外装チューブ13bの端末及びその端末に取り付けられた端末部材13dを挿入できる大きさ(溝幅大)に形成され、内側のケーブルガイド溝127b,137bは、外装チューブ13bの端末から引き出されたケーブル13aのみを挿入できる大きさ(溝幅小)に形成されている。また、外側のケーブルガイド溝127a,137aには、外装チューブ13bの端末部材13dを位置決めして固定する外装チューブ端末固定部128,138が設けられている。
なお、ケーブルユニット13の外装チューブ13bは、シートバック16に固定されるケーブル固定用プレート180によっても保持される。
【0049】
また、ケーシング部材120,130の外周壁121,131の内周には、ケーシング部材120,130が
図8中矢印Y2方向に回動した際に、後述するカム部材140のカム部143の一端143aと突き当たることで、カム部材140を同じ方向に連れ回す突き当て段部129,139が設けられている。
【0050】
このケーシング部材120,130は、ケーシング部材130のボス部133が、ケーシング部材120のボス部123に外嵌して組み合わされ、ケーシング部材120のボス部123を、シートクッション17とシートバック16を回動自在に連結する連結部18(
図1参照)に位置決めした状態で、シートバック16に固定されている。
【0051】
さらに、ケーシング部材120,130の外周壁121,131には、ケーブル導入部126,136や突き当て段部129,139が設けられてない周方向の一部において、外周壁121,131を切り欠いた切欠き部121a、131aが設けられている。切欠き部121a、131aは、ケーシング部材120,130が互いに結合された状態で、互いに協働してスリット111を構成する(
図11参照)。スリット111は、ケーシング部材120,130に対して、レバー部材110のプレートガイド部113の回動を許容すると共に、調整ネジ160を外部から調整可能としている。
【0052】
また、ケーシング部材120,130の平面部122,132には、ケーシング部材120,130が互いに結合されたとき、同軸上となる位置に挿入孔125,135が形成されている。これら挿入孔125,135は、ケーシング部材120,130の回動中心からの径方向位置を、リングプレート部112a,112bの挿入孔116a,116bと同じ位置としている。したがって、レバー部材110とケーシング部材120,130との所定の位相において、ケーシング部材120,130の挿入孔125,135と、リングプレート部112a,112bの挿入孔116a,116bとが、それぞれ同軸上に配置される。
【0053】
カム部材140は、レバー部材110の2枚のリングプレート部112a,112bに挟持されて、ケーシング部材120,130の回動中心と同軸に、レバー部材110とケーシング部材120,130に対して回動自在に設けられる。
【0054】
カム部材140は、リング部141の中央に円形孔142を形成すると共に、リング部141の周方向の一部の外周部に扇形状のカム部143を形成し、そのカム部143の外周面にカム部材140の回動中心を中心とする円弧に沿ってケーブル巻き付け溝144が形成されている。カム部材140は、2枚のリングプレート部112a,112bに挟持され、開口部114a,114bがケーシング部材130のボス部133に回動可能に嵌まることで、ケーシング部材120,130の内部空間に収容されている。
【0055】
また、
図8に示すように、カム部材140のカム部143の周方向の一端143aは、ケーシング部材120,130が矢印Y2方向へ回動する際に、突き当て段部129,139が当接するように形成され、これにより、カム部材140を連れ回すことができる。
【0056】
さらに、カム部材140には、カム部材140が矢印Y1方向へ回動する際に、レバー部材110の突き当て部115に当接する凸部143cが側面に設けられている(
図10及び
図11参照)。これによって、ケーシング部材120,130がレバー部材110に対して矢印Y1方向へ回動する所定範囲にある間は、レバー部材110によってカム部材140の移動が阻止される。
【0057】
また、カム部材140のリング部141の周方向の一部には、扇形状のカム部143の他端143bに隣接してアジャスタ収容凹部149が設けられており、このアジャスタ収容凹部149に、ケーブルアジャスタ150が収容されている。このケーブルアジャスタ150は、姿勢制御機構70のプーリ73(
図4及び
図6参照)に先端(上端)が巻き付けられたケーブル13aの基端(下端)側の端末部をカム部材140に対して固定すると共に、弛みがないようにケーブル13aを引っ張ってケーブル13aの長さを調節する。
【0058】
ケーブルアジャスタ150は、略直方体形状の小ピースをアジャスタ本体151として備えている。このアジャスタ本体151は、カム部材140の回動中心(ケーシング部材120,130の回動中心)を中心とする円の接線方向に直線的にスライドできるようにカム部材140に装着される。このため、アジャスタ本体151は、そのスライド動作をガイドするために、アジャスタ本体151の内側面に設けられたガイドレール152が、アジャスタ収容凹部149の底辺に形成されたガイドレール(図示せず)と摺動自在に嵌合している。
【0059】
また、アジャスタ本体151の一端側(カム部143の他端143bに近い側)には、ケーブル巻き付け溝144に巻き付けられた状態のケーブル13aの端末部が固定されている。なお、カム部材140のカム部143のケーブルの巻き付け溝144には、外装チューブ13bの端末部から引き出されたケーブル13aの端末近傍部分が、最大で1/4周程度巻き付けられている。
【0060】
アジャスタ本体151のスライド方向の他端(カム部143の他端143bから遠い側)には、カム部材140に対するアジャスタ本体151の位置を調整するための調整ネジ160が螺合している。
【0061】
さらに、カム部材140には、ケーシング部材120,130の回動中心からの径方向位置が、リングプレート部112a,112b及びケーシング部材120,130の挿入孔116a,116b、125,135と同じ位置に、挿入孔145が形成されている。
これにより、レバー部材110とカム部材140とケーシング部材120,130に設けられた挿入孔116a,116b,145,125,135は、所定の位相において、それぞれ同軸上に配置され、この状態で、仮止めを行うための組付け治具ピン170が貫通される。
【0062】
なお、本実施形態では、
図10に示すように、シートバック16の初期位置(標準位置)に対応するレバー部材110aとケーシング部材130とがなす位相を0°としたとき、レバー部材110とケーシング部材130とがなす位相が17°のときに、組付け治具ピン170による仮止めが行われている。また、
図10中、レバー部材110bは、レバー部材110bとケーシング部材130とがなす位相が95°の場合を示しており、レバー部材110cは、レバー部材110cとケーシング部材130とがなす位相が−100°の場合を示している。
【0063】
また、本実施形態では、レバー部材110とケーシング部材120,130の挿入孔116a,116b,125,135は、組付け治具ピン170の外径と略等しい同一の曲率半径を有しており、カム部材140の挿入孔145は、挿入孔116a,116b,125,135に比べて曲率半径が若干大きく形成されている。
【0064】
次に、本実施形態のシートベルト装置10をリクライニング式シート15に組付ける工程について説明する。
リクライニング式シート15にシートベルト装置10を組み付ける際の前提として、加速度センサ30のセンサハウジング32は、組み付けられたときに適正な姿勢となっている必要がある。ここで、センサハウジング32の姿勢は、ケーブル進退機構100及びケーブル13aによって調整されるので、シートベルト装置10の組み付けを行う前に、ケーブル進退機構100及びケーブル13aの長さを、シートバック16の初期位置(標準位置)に対応した状態に調整しておく必要がある。
【0065】
即ち、ケーブル進退機構100を所定の状態に仮止めしておくと共にケーブル13aの長さを調整しておく必要がある。この仮止めを行うには、
図11に示すように、レバー部材110、カム部材140、ケーシング部材120,130にそれぞれ形成した挿入孔116a,116b、145、125,135に組付け治具ピン170を貫通させる。こうすることで、組付け治具ピン170により、レバー部材110とケーシング部材120,130を相対移動しないように仮止めすることができる。
【0066】
このとき、組付け治具ピン170は、リングプレート部112a,112bの挿入孔116a,116b、及び一対のケーシング部材120,130の挿入孔125,135により、カム部材140の両側で支持されるので、一対のケーシング部材120,130に対するレバー部材110の傾きが防止されて、ケーシング部材120,130とレバー部材110が高い位置精度で仮止めされる。
【0067】
次に、この仮止め状態を維持したまま、リクライニング式シート15やそれに相当する治具などにケーブル進退機構100を取り付ける。具体的には、ケーシング部材120,130をシートバック16に固定し、レバー部材110のスライドプレート118をシートクッション17に固定する。
【0068】
ケーシング部材120,130は、鏡面対称に形成され、さらにレバー部材110のスライドプレート118は、2枚のリングプレート部112a,112bの軸方向中央に配置されているので、ケーブル進退機構100としての裏表がなく、従来、右座席側と左座席側とで専用に用意されていたケーブル進退機構100を、右座席側と左座席側とで共用することが可能となる。例えば、
図1(b)に示す左座席では、ケーシング部材120の外側面がシートバック16に当接するように、ケーシング部材120,130がシートバック16に固定される。また、
図1(c)に示す右座席では、ケーシング部材130の外側面がシートバック16に当接するように、ケーシング部材120,130がシートバック16に固定される。
また、ケーブル固定用プレート180が外装チューブ13bを保持してシートバック16に固定される。
【0069】
その後、組付け治具ピン170を各挿入孔16a,116b、145、125,135から外す。そして、レバー部材110、カム部材140、ケーシング部材120,130を、シートバック16の標準位置に対応した状態の位相にした状態で、調整ネジ160を調整し、ケーブルアジャスタ150の位置を調整する。この際、外装チューブ13bの端末部はケーシング部材120,130に固定してあるから、ケーブル13aのエンドブロック13cをケーブルアジャスタ150を介して移動させることによって、外装チューブ13bの端末部からのケーブル13aの引き出し長さ(出代)を適正に調整することができる。そして、ケーブル13aの引き出し長さを適正に調整することにより、加速度センサ30のセンサハウジング32を適正な向きに調整する。
【0070】
具体的には、ケーブルアジャスタ150をスライドさせることで、ケーブル13aの弛みを無くした後、その状態で調整ネジ160を締め付け、カム部材140のネジ受壁147の受面に調整ネジ160の頭部を密着させてケーブル13aの長さ調整を完了し、カム部材140側のガイドレール(図示せず)とケーブルアジャスタ150側のガイドレール152とを溶着して固定する。
【0071】
次にケーブル進退機構100がケーブル13aを進退させる動作について説明する。
図12〜
図14は、シートバックの傾動角度ごとのシートベルトリトラクタとケーブル進退機構の状態を示す側面図である。
図12はシートバックが後ろ倒し15°の標準姿勢のときの状態、
図13は後ろ倒し95°のときの状態、
図14は前倒し75°のときの状態を示している。
【0072】
このケーブル進退機構100は、シートバック16が傾動した際に、ケーブル13aをシートバック16の傾動角度に応じた長さ分だけ進退させることができる。例えば、
図12に示す基準姿勢から
図13に示す位置までシートバック16が矢印Y1方向に傾動した場合、レバー部材110の突き当て部115にカム部材140の凸部143cが突き当たることで、カム部材140は移動できない状態となるが、ケーシング部材120,130はシートバック16と共に回動するので、ケーブル13aの外装チューブ13bはケーシング部材120,130と共に移動する。これにより、外装チューブ13bに対してケーブル13aの端末が引き出されることになるので、ケーブル13aには引き込み動作(カム部143のケーブル巻き付け溝144にとっては巻き取り動作に相当)が与えられ、それが姿勢制御機構70に伝えられる。
【0073】
また、反対に、
図13に示す位置から
図14に示す位置までシートバック16が戻された場合、ケーシング部材120,130が逆方向(矢印Y2方向)に回転することにより、外装チューブ13bがケーブル13aの端末側に戻されるので、姿勢制御機構70のトーションスプリング75によって引っ張られたケーブル13aが外装チューブ13bの中に戻る形になり、ケーブル13aには押し出し動作(カム部143のケーブル巻き付け溝144にとっては引き出し動作に相当)が与えられ、それが姿勢制御機構70に伝えられる。
【0074】
なお、
図12に示す位置から
図14に示す位置へ、シートバック16が矢印Y2方向に回動して折り畳まれる場合には、ケーシング部材120,130がシートバック16と共に回動して、ケーシング部材120,130の突き当て段部129がカム部材140のカム部143の一端143aと当接した後は、カム部材140もケーシング部材120,130とともに回動するので、ケーブル13aの外装チューブ13bに対する引き込み動作は行われない。しかし、このように折り畳まれたシートクッション17には乗員が着座することはなく、センサハウジング32が略水平状態に維持されていなくても障害とはならない。
【0075】
なお、シートバック16とシートクッション17を回動可能に連結する連結部18の中心に対してケーブル進退機構100の中心がわずかにずれて取り付けられる場合がある。その場合、ケーブル進退機構100の中心が、連結部18の中心の周りを回動して、ケーブル進退機構100の中心と、スライドプレート118をシートクッション17に固定するボルト(図示せず)の中心との距離がシートバック16の回動に伴って変動する。しかし、この距離の変動は、スライドプレート118が、レバー部材110のプレートガイド部113のガイド溝117に対してスライド移動することで吸収され、シートバック16の回動の障害になることはない。
【0076】
このように、シートバック16のリクライニング角度が調節されると、そのリクライニング角度に応じた長さだけケーブル13aが進退し、ケーブル13aの進退に応じて姿勢制御機構70のプーリ73が回転する。プーリ73がシートバック16の傾動方向と同方向に回転すると、アジャストギヤ74がプーリ73と同じ角度だけ逆方向に回動し、その回動がピン74cとスリット32hによってセンサハウジング32に伝えられ、センサハウジング32がシートバック16の傾動角度と同角度だけ反対方向に回動して、センサハウジング32の慣性体支持面33が略水平に保持される。
【0077】
この状態で、車両の衝突などにより、加速度センサ30に所定値より大きな水平方向の加速度が作用すると、慣性体支持面33上に載せられている慣性体であるボール35が中立位置から変位する。これにより、第2センサレバー37が回動し、この回動が第1センサレバー36に伝達され、第1センサレバー36が回動することで、上部爪部36bがステアリングホイール25の係合爪25aに係合して、ステアリングホイール25の回転を規制し、シートベルト19の繰り出しを阻止して乗員を拘束する。
【0078】
このように、センサハウジング32は、車両前後方向における傾きが常に略水平状態で維持されるので、加速度センサ30は、車両進行方向に対して緩やかな減速度が作用した場合や、緩減速から急減速に移行した場合など、いずれの場合であっても加速度を適正に検出して、シートベルト19のロック遅れを生じることなく、シートベルト19の引き出しをロックする。
【0079】
以上説明したように、本実施形態のシートベルト装置10によれば、リクライニング式シート15のシートバック16に取り付けられるシートベルトリトラクタ11と、シートバック16の傾動動作をケーブルユニット13を介してシートベルトリトラクタ11の姿勢制御機構70に伝えるケーブル進退機構100と、を備える。
そして、ケーブル進退機構100は、シートクッション17に固定可能なレバー部材110と、シートバック16に固定可能で、レバー部材110に対して回動自在に配置されるケーシング部材120,130と、ケーシング部材120,130の回動中心と同軸に、レバー部材110及びケーシング部材120,130に対して回動自在とされる一方、ケーシング部材120,130がレバー部材110に対して回動する所定範囲にある間、即ち、シートバック16の傾動角度が所定範囲にある間は、レバー部材110によって移動が阻止され、且つ、外周面に沿ってケーブル13aを巻き付けるケーブル巻き付け溝144が設けられるカム部材140と、を有する。
さらに、レバー部材110は、ケーシング部材120,130の回動中心と同軸な開口部114a,114bをそれぞれ有する2枚のリングプレート部112a,112bを備える。リングプレート部112a、112bは、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、且つ、ケーシング部材120,130の回動中心に対して半径方向外側で連結される。
また、レバー部材110の各リングプレート部112a,112bと、ケーシング部材120,130には、ケーシング部材120,130の回動中心まわりの所定の位相において、それぞれ同軸上に配置されて組付け治具ピン170が挿通される挿入孔116a,116b及び125,135が形成される。
これにより、ケーシング部材120,130に対する組付け治具ピン170の傾き、さらには組付け治具ピン170に嵌合するレバー部材110の傾きを防止した状態で、ケーシング部材120,130とレバー部材110とを、それぞれシートバック16及びシートクッション17に精度よく固定することができる。また、加速度センサ30のセンサハウジング32の慣性体支持面33を略水平に保持するための、ケーブル13aの引き出し長さの調整は、シートバック16及びシートクッション17に固定されたケーシング部材120,130を基準にして行われるので、加速度センサ30の取り付け角度誤差を抑制して検出精度を向上させることができる。
【0080】
また、ケーブル進退機構100は、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向において、2枚のリングプレート部112a,112bの外側にそれぞれ設けられた一対のケーシング部材120,130を備え、一対のケーシング部材120,130には、ケーシング部材120,130の回動中心まわりの所定の位相において、各リングプレート部112a,112bの各挿入孔116a,116bと同軸上に挿入孔125,135が配置されるので、リングプレート部112a,112bの挿入孔116a,116bに挿通される組付け治具ピン170により、レバー部材110をカム部材140の両側で支持することができ、ケーシング部材120,130に対してレバー部材110の傾きがより防止される。
【0081】
さらに、ケーブル進退機構100は、カム部材140に対するケーブル13aの端末部の位置を調整可能なケーブルアジャスタ150が設けられており、一対のケーシング部材120,130は、ケーブルアジャスタ150の調整ネジ160を外部から調整可能なスリット111を有するので、一対のケーシング部材120,130を互いに結合した状態で、調整ネジ160を調整することができる。
【0082】
また、2枚のリングプレート部112a,112bは、カム部材140を挟むように、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向にそれぞれ離れた状態で設けられ、カム部材140には、組付け治具ピン170が挿入される挿入孔145が、ケーシング部材120,130の回動中心まわりの所定の位相において、各リングプレート部112a,112bの各挿入孔116a,116b、及びケーシング部材120,130の各挿入孔125,135と同軸上に配置されるので、コンパクトな構成で、ケーシング部材120,130、カム部材140、及びレバー部材110を位置決めできる。
【0083】
また、レバー部材110は、スライドプレート118を案内するプレートガイド部113を備え、スライドプレート118を介してシートクッション17に固定される。また、2枚のリングプレート部112a,112bは、プレートガイド部113によってケーシング部材120,130の回動中心に対して半径方向外側で連結される。これにより、2枚のリングプレート部112a,112bが相対的に変位するのを抑制することができ、また、スライドプレート118によって、連結部18の中心に対してケーブル進退機構100の中心のわずかなずれを吸収することができる。
【0084】
また、スライドプレート118は、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向において、2枚のリングプレート部112a,112bの中間に位置するので、ケーブル進退機構100を左右の座席で共用することが可能になる。
即ち、本実施形態では、カム部材140及びスライドプレート118が、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向において、2枚のリングプレート部112a,112bの中間で、レバー部材110、具体的に、2枚のリングプレート部112a,112bやプレートガイド部113によって挟み込まれる形状としたので、機能上、左右の座席で区別せずに利用することができる。
なお、本実施形態では、ケーブル固定用プレート180は、左右の座席で別々に用意されているが、線対称な形状とすることで共用部品としてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、一対のケーシング部材120,130を使用し、一対のケーシング部材120,130の結合ラインが、スライドプレート118の板厚方向中間位置と一致することとなり、左右の座席において、シートクッション17へスライドプレート118がスラスト方向に位置決めしやすくなる。
【0086】
また、各リングプレート部112a,112bの各挿入孔116a,116bは、ケーシング部材120,130の回動中心に対して、シートクッション17への取り付け部(スライドプレート118)と反対側に設けられるので、ケーシング部材120,130の回動中心に対して両側でレバー部材110とケーシング部材120,130の傾きが防止できる。
【0087】
また、本実施形態のシートベルト装置10のリクライニング式シート15への組み付け方法は、各リングプレート部112a,112b及びケーシング部材120,130の各挿入孔116a,116b,125,135がそれぞれ同軸上に配置されるように、レバー部材110及びケーシング部材120,130を相対的に回転させ、組付け治具ピン170を、ケーシング部材120,130の各挿入孔125,135及びレバー部材110の各挿入孔116a,116bに挿通した状態で、レバー部材110をシートクッション17に固定し、ケーシング部材120,130をシートバック16に固定する。これにより、ケーシング部材120,130及びレバー部材110の位置精度を適正に維持した状態でケーブル進退機構100をリクライニング式シート15に組み付けることができ、加速度センサ30の検出精度が向上する。
【0088】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0089】
例えば、上記実施形態では、ケーブル進退機構100は、左右の座席で共用できるような鏡面対称の構成としているが、本発明のケーブル進退機構は、レバー部材の2枚のリングプレート部によって組付け治具ピンの傾きを防止できるものであれよく、本実施形態に限定されるものでない。
【0090】
また、本実施形態では、ケーブル進退機構100は、一対のケーシング部材120,130を備え、一対のケーシング部材120,130には、挿入孔125,135がそれぞれ配置される構成としているが、本発明はこれに限らない。即ち、ケーブル進退機構100は、シートバック16に固定される側のケーシング部材のみを有するものであってもよい。また、一対のケーシング部材120,130のいずれか一方にのみ挿入孔が形成される構成であってもよい。
【0091】
さらに、本実施形態では、レバー部材110とカム部材140とケーシング部材120,130には、組付け治具ピン170が貫通する挿入孔116a,116b,145,125,135がそれぞれ設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、レバー部材110とケーシング部材120,130において、カム部材140を挟まない位置に、挿入孔116a,116b,125,135を設けてもよい。この場合、カム部材140には挿入孔145が設けられなくてもよい。
【0092】
さらに、本発明のレバー部材は、スライドプレートを用いない構成であってもよく、その場合、レバー部材のシートクッションへの取り付け部が、直接シートクッション17に取り付けられてもよい。
【0093】
また、本発明のシートベルト装置10は、スライドプレート118が、ケーシング部材120,130の回動中心に沿った方向において、プレートガイド部113の中間に位置することで、ケーブル進退機構100を左右の座席で共用することが可能になる。
即ち、本発明のシートベルト装置では、ケーブル進退機構は、レバー部材と、ケーシング部材と、カム部材と、を有し、レバー部材は、スライドプレートを介してシートクッションに固定され、レバー部材は、スライドプレートを案内するプレートガイド部と、ケーシング部材の回動中心に対して半径方向外側でプレートガイド部と連結され、ケーシング部材の回動中心と同軸な開口部を有するリングプレート部を備え、スライドプレートは、ケーシング部材の回動中心に沿った方向において、プレートガイド部の中間に位置する。上記構成であれば、ケーブル進退機構を左右の座席で共用することができ、上記実施形態のように、レバー部材110が2枚のリングプレート部112a,112bを有する構造に限定されない。
【0094】
なお、本出願は、2017年2月20日出願の日本特許出願(特願2017−029275)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。