(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクセスパネルの前記前端部が前記多層フィルムを完全に貫通して切り込まれることにより、前記アクセスパネルの前記前端部に前記多層フィルムの貫通切込み部分を形成する、請求項4に記載のパッケージ。
前記アクセスパネルの前記前端部が、少なくとも前記埋め込み共押出し接合層にまで延在するが、前記多層フィルムを完全に貫通しては延在しない上切込みによって画定され、前記下切込みが前記多層フィルムを完全に貫通して延在しないことにより、前記前端部が前記多層フィルムを完全に貫通して切り込まれていない、請求項1に記載のパッケージ。
内部空間を形成する複数のシールを更に含み、前記上再シール層の前記接着剤のない部分が前記多層フィルム上の前記複数のシールから内側に配置されている、請求項1に記載のパッケージ。
前記上再シール層と該上再シール層が接着された前記第1及び第2のフィルム層との間の第1の接着強度が、前記剥離/再閉鎖層と前記埋め込み共押出し接合層との間の第2の接着強度よりも強力である、請求項1に記載のパッケージ。
前記第1のフィルム層が、ポリプロピレン、ポリエチレン、コポリマー又はポリエステルフィルム層のうちの少なくとも1つを含む上フィルム層を含み、前記第2のフィルム層が、ポリプロピレン、ポリエチレン、コポリマー、エチレンビニルアルコール層、ポリアミドフィルム層、ポリエステルフィルム層、及び熱シール層のうちの少なくとも1つを含み得る、請求項1に記載のパッケージ。
前記上切込みが、前記上フィルム層に形成された外側切込みであり、前記下切込みが、前記再閉鎖層及び前記熱シール層に形成された内側切込みである、請求項11に記載のパッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0084】
フィルム層と選択解放層との間に配置される、粘着感又はわずかに粘着感がある材料を含み得る、粘着層若しくは結合層又はコアを有するフィルムを利用するフィルムパッケージが本明細書において記載される。本明細書で使用されるように、粘着層又は結合層は、隣接する解放層に対して選択的な室温タックを有する、つまり、本明細書において更に論じられるように、粘着層又は結合層は、隣接する解放層に対して選択的なタック又は結合を呈し、選択した解放層に対して粘着層又は結合層の室温剥離及び再封止を繰り返すことが可能である。また本明細書において使用されるとき、粘着層又は結合層は、2つの他の層の間に挟まれた、又はその間に介在し、他の層の結合に接着する層である。解放層は、結合層から離層され得る、粘着層又は結合層に隣接する層であるが、十分な接着剤結合特性を維持し、それによって結合層及び解放層が互いに再接触するとき、結合層に対して再封止する。本明細書に記載されるものなど、様々な開封要素を介して、粘着層は、開閉フィルムパッケージの再密閉能力を提供するために、その粘着性を維持する隣接するフィルム層のうちの一方又は両方から離層するように構成される。粘着層は、フィルム全体を通して連続していてもよく、好ましくはフィルム層の100%を覆い、それにより特定のパターンで再密閉可能な接着剤を堆積、コーティング、又は積層する必要性を排除する。加えて、このような構成により、フィルムは、別個の接着剤ラベル又は感圧接着剤を必要とすることなく再封機構を提供する。
【0085】
多層フィルムの2つの共押出層が共押出中心層によって分離される共押出多層フィルムのパッケージも提供される。多層フィルムは、そこに剥離可能及び再密閉可能なフラップを含み、それによって多層フィルムが、2つの共押出層間で、共押出中心層が2つの共押出層のうちの一方又は両方に付着した状態で剥離可能であり、共押出中心層が2つの共押出層を一緒に保持するようにフラップを再適用することによって再密閉可能である。1つのアプローチでは、剥離及び再密閉は少なくとも10回行うことができる。更なるアプローチでは、剥離及び再密閉は少なくとも20回行うことができる。様々な形態では、共押出中心層は、本明細書に記載される粘着層材料などの押出可能な熱可塑性材料及び/又はエラストマーであり得、2つの共押出層のうちの一方はポリアミド材料であり得る。1つのアプローチ又は実施形態では、パッケージは共押出部分を含み、その部分の層は、層を損傷することなく離層され得る。その部分は割線を含み、それによってその部分が割線に沿って分離されるとき、内容物へのアクセスを可能にするパッケージへの開口部が提供され、分離した部分がそれらの元も位置に戻るとき、パッケージが再密閉されるように、離層した層が互いに十分な接着力を残存している。別のアプローチでは、本明細書におけるフィルム、積層体、又はパッケージの全ての層が同一の広がりを持っていてもよい。フィルム、積層体、又はパッケージの層は、単一動作において共押出され得るか、又は別個の押出で共押出され、その後一緒に積層又は組み立てられ得る。
【0086】
粘着層は、隣接するフィルム層間に封入又は埋め込まれてもよくてもよく、それによって粘着層が隣接するフィルム層と同一の広がりを持ち、パッケージを最初に開く間に露出され、それによりパッケージを再封止する。例示的な一形態では、粘着層はポリブテン系樹脂である。勿論、他の粘着性樹脂又は天然の粘性材料、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーのプラストマー及びエラストマー、又はこれらのブレンドも利用することができる。いくつかのアプローチでは、粘着層は、ポリブテン樹脂とオレフィンエラストマーとのブレンドであってもよく、解放層はポリアミド系樹脂であってもよい。そのため、粘着層は、パッケージが容易にかつ繰り返して再密閉及び再開封され得るように、隣接するフィルム層に付着又はくっつくことができる。より具体的には、パッケージを開くために、印線、ミシン目などの切込み又は他の脆弱線を利用して、フィルムのウェブが粘着層と解放層との間で内部的に分離し、再密閉のために所望の領域の粘着層を露出させることができる。加えて、パッケージの気密密閉を確実にするが、容易な開封及び所望の裂け拡大も提供する代替の精密な切込み構成が本明細書において記載される。
【0087】
本明細書に記載されるフィルム及びパッケージは、共押出多層構造において、粘着層の隣に解放層を更に含み得る。解放層は、有利に、1つの単一多層フィルムとして共押出されるように、粘着層に対して十分に親和性を有するが、その親和性は、過度の剥離強度なしで、例えば、パッケージ用に設計されたプルタブと共にパッケージを開く、人の手によって加えられる典型的な力で、所望の位置で粘着層から引き離す又は容易に分離するのに十分に脆弱である。本明細書に記載される満足な分離力を尚も提供する一方で、解放層と粘着層との間の所望の親和性のこのデリケートなバランスには、ポリアミド若しくはポリアミドのブレンドなどの極性ポリマー樹脂、又はポリスチレン、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、及びそれらのコポリマー若しくはブレンドを含むが、これらに限定されない他の極性ポリマーが関与する。
【0088】
本明細書に記載されるフィルム及びパッケージは、粘着層を間にして解放層の反対側に外側層も含み得、それによって外側層及び解放層はその間に配置される粘着層を有する。外側層は粘着層に恒久的に接着され得、それによって外側層及び粘着層は、フィルム構造を損傷することなしには分離することができない。そのため、フィルムの分離は、所望に応じて解放層と粘着層との間の分離に対して行われる。
【0089】
本明細書に開示される粘着層及び内側解放層は、一形態では、予め切込みの入ったプルタブ又は部分によって分離され得、それによって粘着層及び解放層は10回超、及び別の形態では20回超、開封及び再密閉され得る。
【0090】
第1の形態では、多層フィルムは、積層フィルムであり得る。この形態では、粘着層は、一緒に積層されたフィルムのウェブ間より、多層フィルム積層体の異なる平面又は層上に再密閉機能を提供する。積層中、恒久的接着剤は、フィルムの2つ以上のウェブを一緒に接合して、多層フィルムを形成するように利用され得、積層体のフィルムのウェブのうちの1つが粘着層を含み得る。第2の形態では、多層フィルムは、単一ステップ共押出プロセスを用いて有利に生産され得る、共押出フィルムであってもよい。共押出は、フィルムのウェブ上に接着剤をコーティングすることを含む、積層体を作製する複数ステッププロセスではなく、1ステップで、そこに埋め込まれた組込み粘着層を有する多層フィルムを作製する。共押出多層フィルムは、それだけでパッケージを形成するために利用され得るか、又は1つ以上の追加のフィルムのウェブ若しくは層に積層され得、この両方が本明細書に記載される。
【0091】
このような多層フィルムから形成されたパッケージは、そこに開封要素を作製するために、フィルムの部分を通って延在する脆弱線を含み得る。1つのアプローチでは、開封要素は、フィルム又はパッケージにおけるフラップ又は他の把持特徴であってもよい。脆弱線は、フィルムの頂部を通って、フィルムの底部を通って、又はこれらの組み合わせで延在してもよく、開く間のフィルムの裂け及び/又は破断部分を方向付け、それにより開く間に粘着層を離層するように構成され得る。積層体を使用する形態では、脆弱線は、恒久的接着剤層も通って延在し得る。1つのアプローチでは、脆弱線は、開く間に恒久的接着剤を利用することができ、それによってパッケージの初期開封は、触覚による初期開封の指示を提供するか、若しくは不正インジケータ特徴を提供し、かつ/又は粘着層の離層を開始するために、恒久的接着剤の一部分を破断又は離層することが必要である。更に、恒久的接着剤層は、把持部分が消費者によって容易に把握され得るように、弱化部分又はパターン部分を有し得る。
【0092】
これらの特性を有する多層フィルム12から作製されたフィルムパッケージ10は、
図1A、
図1B、
図1C、及び
図1Dに示される。フィルムパッケージ10は、前方及び後方横断端シール14、16、並びにその間に延在し、開封要素と比較してパッケージの反対側上にある長手方向のフィン状シール(図示せず)を作製することを含む、標準的なフローパックプロセスを用いて作製され得る。図示される形態では、パッケージ10は、頂部壁部分22、側壁部分23、及び底部壁部分18を有する略箱形状である。パッケージ10自体の任意選択のトレー25又は内容物は、所望に応じてパッケージ10に内部構造を提供し得る。消費者がパッケージ10を開き、その後の使用の間に繰り返し再封止できる開封要素20が、パッケージ10の頂部壁部分22に配置される。勿論、
図1B及び
図1Cに示されるように、パッケージ10は、
図1Bに示されるように横に、又は
図1Cに示されるように長手方向に延在することを含む、パッケージ10の頂部、側部、若しくは底部の周囲に所望に応じて配置される2つ以上の開封要素20、又はその間にブリッジを含み得る。加えて、
図1Dに示されるように、パッケージ10は、直立姿勢で、その端部のうちの1つの上に載るように構成され得る。そのため、開封要素20は、頂部壁部分22ではなく、前壁部分に配置される。
【0093】
開封要素20は、パッケージ10の内部30内への開口部28を露呈させるために、頂部壁22の残りの部分26から分離され、部分的に引き離されることができる頂部壁22のフラップ24を含む。フラップ24は、前方端シール14に向かってフラップの主部34から離れて突出する把持タブ32を含み得る。タブ32は、パッケージ10を開くための便利な把持表面を消費者に提供するように構成される。示されるように、タブ32は、前方湾曲部分33及び略平行の長手方向側部35を含む。更に、
図1Cに示されるように、開封要素20は、頂部壁部分22から端シール14まで延在し得、タブ32は端シール14を越えて突出する。この構成において、上述のように、ユーザは、タブ32を把持し、頂部壁22から概ね離れる方向にフラップ24を引っ張り、端シール14を破断し、パッケージを開くことになる。加えて、端シールを越えて延在する開封要素の実施形態は、
図3A及び
図10Aに示される。
【0094】
図示される形態では、パッケージは略矩形断面を有する略箱形状である。勿論、三角形、矩形、正方形、五角形などの他の多角形状、円形、楕円などの湾曲形状、トラック形状などの曲線形状、又はこれらの組み合わせなどの他のパッケージ形状も利用され得る。加えて、パッケージの形状は概して、トレー25及び/又はその中に配置される内容物によって画定され得る。
【0095】
一形態では、フィルム12は積層体13であり得る。一例の積層体13の断面は
図2〜
図4に示される。示されるように、積層体12は、その間に配置される恒久的接着剤層40と一緒に接合されるフィルムの外側及び内側ウェブ36、38を含む。外側ウェブ36は、記載されるように、好適なフィルム押出プロセスによって作製され得る、再密閉目的のために粘着層若しくは結合層又はコア44を含む多層構成を有する。このフィルム生産プロセスは、吹込フィルム(シングル、ダブル、又はトリプルバブルプロセス)、キャストフィルム、一軸延伸フィルム、又は二軸延伸フィルム(同時又は順次延伸のいずれか)であり得、最終材料は、金属化される、コーティングされる、ないしは別の方法で処理されて追加の機能性が付与され得る。図示される形態では、外側ウェブ36は、頂部フィルム層42、粘着層44、及び底部フィルム層46を含む。勿論、追加の層も、所望に応じて又は特定の用途のための必要に応じて利用され得る。内側ウェブ38は、二軸配向ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、及びこれらのポリマーのブレンド、このようなフィルムの金属化若しくはコーティングされた変形形態、又は実にいかなる他の押出多層若しくは単層フィルムであってもよい。積層体12を作製するために、内側ウェブ38は、印刷され、標準的な積層プロセス又は他の好適なプロセスにおいて外側ウェブ36に接着積層され得る。フィルム又は複合層の各層は、少なくとも5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、50μm又は100μmの厚さを有することができる。フィルム又は複合層の各層は、750μm、500μm、400μm、300μm、又は250μm以下の厚さを有することができる。複合層の厚さの好ましい範囲は、10μm〜250μm又は20μm〜200μmである。
【0096】
示されるように、粘着層44は、頂部フィルム層42と底部フィルム層46との間に封入又は埋め込まれる。そのため、粘着層は、パッケージ10が容易にかつ繰り返し再密閉及び再開封され得るように、頂部フィルム層42及び底部フィルム層46に結合され得る。この目的のため、粘着層44は、底部層46よりも頂部フィルム層42に対してより強い結合を有する。フィルムの外側及び内側ウェブ36、38は、それぞれ、3層及び1層で示されるが、層のいずれかがそれ自体、多層構成の積層体であり得ることを理解されたい。より具体的には、埋め込まれた粘着層を有する多層フィルムは、接着積層、押出積層、若しくはタンデム積層によって積層されるか、又は他のフィルムに押出コーティングされて、複合フィルムを形成することができる。加えて、図において、切込みは垂直に示されるが、粘着樹脂を通る角をなした裂け又は破損も実行可能な再密閉をもたらす。更に、パッケージは、パッケージ10を開封することにより粘着樹脂44自体が貫通破損するときなど、粘着樹脂が完全にフラップ24上に、完全に底部フィルム層46上に、又は両方の一部上に配置されているかどうかに関わらず、再密閉され得る。
【0097】
一般的に記載され、
図2〜
図4に示されるように、開封要素20は、パッケージの再封に粘着層44を利用する。頂部壁22から概ね離れる方向にフラップ24を引っ張ることにより、外側ウェブ36及び内側ウェブ38の切込みを破断又は分離し、開口部28並びに中央粘着層44の再シールマージン47及び底部フィルム層46の再シールマージン49を露出させる。再シールマージン47、49は、以下により詳細に記載されるように、内側ウェブ38、恒久的接着剤層40、及び底部フィルム層46の切込みよりも寸法上大きい上ウェブの頂部フィルム層42及び中央粘着層44の切込みによって作製される。非限定的な例では、再シールマージン47、49は、使用中の満足な再密閉を提供するために、約5mm〜約40mmの幅、より具体的には約10mm〜約15mm、より具体的には約12mm〜約13mmの幅であり得る。勿論、他の大きさ及びサイズも、必要及び所望に応じて、特定の用途のために利用され得る。例えば、比較的小さいパッケージは、約5mmの再シールマージンを利用し得るが、より大きいパッケージは、約10〜15mmの再シールマージンを利用し得る。そのように構成することで、複数の接着剤を、積層体内の同一平面又は層上にパターンで配置する必要なく、再密閉可能なパッケージの利便性を消費者に提供する。
【0098】
開封要素20は、ダイ、レーザーなどによって形成された切込み又は他の脆弱線によって画定される。図示される実施形態では、外側切込み48は、頂部フィルム層42及び中央粘着層44を通って延在し、フラップ24の頂部を形成する。外側切込み48は、頂部タブ部分50、外向きに延在する肩部分52、及び後方端シール16に向かってパッケージの頂部壁22を長手方向下に延びる反対側部分54を含む。所望する場合、側部分54の遠位端55は、フックなどの裂け停止特徴を有し得る。他の実施形態では、
図1C及び
図3Aなどに示されるもののように、フラップ24は端シール14まで延在し得、タブ32はそれを越えて延在し得る。
【0099】
他の実施形態は、図示されるもののような外側切込みを必要としない。例えば、タブ部分50は、頂部フィルム層42に切り込むことができ、タブを引っ張ることにより、以下に説明されるものなど、内部及び/又は底部層に作られた切込みと相互作用することができる。この構成では、開く間に頂部フィルム層42が裂ける。一形態では、この裂けは、裂け方向付け特性を有するフィルムを利用することによって制御され得る。
【0100】
底部フィルム層46、恒久的接着剤層40、内側ウェブ38に作られた切込みの様々な実施形態が
図6〜
図9に示される。第1の形態では、内側ウェブ38は、パッケージ10内への開口部28を画定し、フラップ24の底部を作製する、前方縁部58、後方縁部60、及び側縁部62を有する内側切込み56を含む。この形態では、内側切込み56は、開く間の拡大の制御に役立つわずかに丸い角を有する矩形形状を有する。勿論、パッケージの形状によるか、特定のパッケージ内容物のためか、又は他の所望の美観のためかに関わらず、他の形状も利用され得る。例えば、底部切込みは、丸い端部及び/又は側部、腰部分などを作製する曲線状部分を含み得る。
【0101】
恒久的接着剤層40は、内側切込み56と実質的に同一である接着剤切込み64を含む。恒久的層40は、引っ張ったとき及びパッケージが開くときに分離しない層46と38との間に結合を形成する。図示の目的のため、別個の層として示されるが、接着剤層40はフィルムのウェブ36、38のうちの一方又は両方に適用されることが理解されるだろう。図示される形態において、接着剤切込み64は、前方縁部58、後方縁部60、及び側縁部62を含む。1つのアプローチでは、底部切込み56及び接着剤切込み64は、レーザー又はダイなどの任意の好適な方法で、積層体12に同時に作られる。示されるように、恒久的接着剤層40は、タブ32の一部の又は全体と整合された開口部分66を残したままのパターンで適用され得、これによりタブは、消費者が把持するのを容易にするために未接着のまま残される。代替的に、位置合わせされた接着防止(adhesive kill)が開口部分66に適用されてもよい。
【0102】
底部フィルム層46は、底部切込み56及び接着剤切込み64と略同一の中央切込み68を含む。本明細書において使用されるとき、底部フィルム層46は、解放層とも称され得る。より具体的には、後方縁部60及び側縁部62は同一であるが、前方縁部58は、タブ32と整合される領域において異なる構成を有する。この第1の形態では、中央切込み68は、より小さい寸法の中央切込み68と接続するように延在する頂部タブ部分50よりも長い側部72を有するが、頂部タブ部分50と整合するように前方縁部58から離れて延在する中央タブ部分70を含む。そのように構成することで、消費者がタブ部分32を把持し、外向きかつ後方に引っ張るとき、消費者は、開封タブ部分66と前方縁部58との間に底部フィルム層46を接着する恒久的接着剤の一部を克服するように引っ張らなければならない。恒久的接着剤のその部分が破断した後、消費者は、次にフラップ24を後方に引っ張り続け、それにより開口部28を露呈させるために外側及び内側切込み48、56を破断し続ける。底部フィルム層46はポリアミドであってもよい。いくつかのアプローチでは、層46は、約0.5〜約50マイクロメートルの厚さ、好ましくは約0.5〜約30マイクロメートルの厚さ、より好ましくは約0.5〜約20マイクロメートルの厚さであり得る。
【0103】
1つのアプローチでは、底部フィルム層又は解放層46は、
図5及び
図6に示されるように、粘着層又は結合層44に直接接触する。底部フィルム層又は解放層46は、以下の構造:
【化1】
[式中、第1の構造において、m及びnは、独立して(同じ又は異なる数のいずれかであってよい)、4〜64の整数であり、第2の構造において、mは6であり、nは、それらがポリマーの硬領域又は軟領域にあるかによって、6若しくは36のいずれかであり、かつ/又は以下の構造:
【化2】
(式中、mは4〜64の整数であり、Rは、芳香族環上アルキル基である)のうちの1つ以上を含む芳香族ポリアミドを含む〕のポリアミドポリマー及びそのブレンドの少なくとも1つを含む選択ポリマー又はブレンドを含む。1つのアプローチでは、解放層46は、熱可塑性ポリアミドエラストマーであり、これは、ポリアミド及びポリエーテル、ポリエステル、又はポリオレフィンに基づく、高性能熱可塑性エラストマーブロックコポリマーであってよい。それらは、アミド連結機能結合により接合された交互の硬セグメント及び軟セグメントを含有し得る。上記の式において、x及びyは、好ましくは各々、1000超であり、他のアプローチでは、2000超である。
【0104】
粘着層44は、ポリブテン−1系樹脂から形成された層であってもよく、いくつかのアプローチでは、オレフィン特殊エラストマー、更なるアプローチでは、ポリブテン−1樹脂とオレフィンエラストマーとのブレンドから形成された層であってもよい。これらの樹脂はそれらの粘着特性に関して認識されていないかもしれないが、我々は、これらの樹脂及び/又はブレンドの表面エネルギーが、粘着層の配合により、分離したフィルムの重み、指、又は手の圧力などの最小圧力で、本明細書に記載される解放層に接着することができる粘着挙動を示すことを発見した。開く、再密閉する、及び再び開く間の、信頼性があり、満足な性能を確実にするために、粘着層の設計及び配合と、解放層の設計及び配合の両方が本明細書に記載されるように最適化され得る。更に、本明細書に論じられる樹脂及びブレンドは、直接食品に接触する用途における使用に関して、欧州及び米国食品医薬品局に準拠している。
【0105】
ポリブテン−1樹脂は、約0.9g/cm3の密度、及び190℃、2.16kgで3.0g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する高分子量樹脂であり得る。いくつかのアプローチでは、層44は、約5〜約50マイクロメートルの厚さ、好ましくは約5〜約30マイクロメートルの厚さ、より好ましくは約5〜約20マイクロメートルの厚さであり得る。いくつかのアプローチでは、ポリブテン−1樹脂は、ブテン−1とエチレンコモノマー、及び/又はプロピレンコモノマーとの重合により生産された、高分子量のアイソタクチックな半結晶熱可塑性ポリオレフィンであり得る。
【0106】
粘着層又は結合層44はまた、ポリブテン−1系樹脂と、他のオレフィン特殊エラストマー樹脂とのブレンドであってもよい。好ましいブレンドは、約5〜約95%のポリブテン−1樹脂及び約95%〜約5%のオレフィン樹脂を含む。いくつかのアプローチでは、ポリブテン−1とオレフィンエラストマーとの好ましい比率は、約5%〜約20%のポリブテン−1対約95%〜約80%のオレフィンエラストマーであり得る。オレフィン特殊エラストマーのサンプルは、ExxonMobilのVistamaxx、Dow ChemicalのVersify、LyondelBasellのCatalloyであり得る。いくつかのアプローチでは、粘着層又は結合層は、190℃/2.16kgで約1〜約3.5g/10分、他のアプローチでは、190℃/2.16kgで約1.4〜約3g/10分のメルトフローインデックスを有し得る。別のアプローチでは、粘着層又は結合層は、ポリブチレン、ポリエチレン、及びポリプロピレンのうちの少なくとも1つ、並びにこれらのブレンド及びコポリマーを含む。
【0107】
1つのアプローチでは、粘着層44は、プロピレン系コポリマーを、単独で、又は他の樹脂とのブレンドのいずれかで含み得る。これらのコポリマーは、メタロセン触媒技術を用いて生産され得る。プロピレン系コポリマーは、プロピレンとエチレンの半結晶コポリマーを含む。コポリマーは、高プロピレンレベル、例えば、80重量%超を有し得、アイソタクチック立体化学構造を有する。コポリマーは更に、均一な分子間及び分子内組成及び結晶化度分布を有し得る。結晶化度は、他のポリオレフィンポリマー、ブレンド、又は合金とは異なり、弾性を有する非常に軟らかい最終製品を生産するために、エチレンで調節され得る。例えば、約5〜約25%の結晶化度は、大きな非晶質分率(amorphous fraction)を有する。異なるグレードのこれらのコポリマーは、ポリエチレンコポリマーの量を変えることによって作製することができる。7010FL、6102FL、3980FL、3020FLを含む様々なグレードが全て、様々なレベルではあるが、好適な剥離強度及び再密閉を提供することが分かった。
【化3】
【0108】
図6に関して記載された上記の積層体は、満足な結果をもたらし得るが、
図7〜
図9に示される代替の積層体は、積層体12の全厚さを通して整合される切込みがないように、中央タブ部分68の側部72の追加長さを省く74。これにより、フィルムパッケージ10の保管、輸送、及び陳列全体を通して気密密閉が確実に維持される。そのため、各形態は、側部分が省かれている74ことを考慮して、パッケージ10を開くときに容易な開封及び所望の裂け拡大をもたらすために、代替の構造細部を含む。
【0109】
図7に示される第2の形態では、中央タブ部分70の側部の省かれた部分74に加えて、恒久的接着剤層40の開口部分66はより大きく、接着剤切込み64の前方縁部58に向かって追加距離延在し、恒久的接着剤76の比較的小さい細片を前方縁部58の隣に配置されたままにする。細片の幅は減少して、この領域を飛ばす又は迂回する、開く間の裂けを促し、前方縁部58、側縁部62、及び後方縁部60に沿って正しく拡大させ、再シールマージン47、49を露出させる。非限定的な一例では、細片の幅は、使用中の満足な再密閉を提供するために、約5mm〜約40mmの幅、より具体的には約10mm〜約15mm、より具体的には約12mm〜約13mmの幅であり得る。勿論、特定の用途、内容物、及びパッケージサイズが他のサイズを必要とし得ることが理解されるであろう。したがって、細片の幅は、各特定の用途に関して最適化され得る。
【0110】
加えて、底部フィルム層46の前方縁部58は、図示されるように、タブ部分70と整合されるその中間部分で破断される。中央タブ部分68の側部72がないと、開封の間に消費者によって作製された裂けが制御できずに拡大し、望ましくない開封をもたらす場合がある。これを避けるために、この第2の形態で記載する開封要素20は、裂けが側部分62に向かって外向きではなく内向きに望ましくなく拡大するのを避けるために、底部フィルム層の前方縁部58を破断する。更に、初期の気密密閉を確実にしながら、開封タブ部分66と前方縁部58との間の恒久的接着剤の部分を最小にすることにより、開く間に消費者が加えなければならない力を最小にし、恒久的接着剤のこの部分を破断した後の裂けに対して消費者に更なる制御を提供する。
【0111】
図8に示される、第3の形態では、側部70の省かれた部分74に加えて、中央前方縁部58は、底部切込み56及び接着剤切込み64と実質的に同一であるように、破断されない。更に、底部切込み56、接着剤切込み64、及び中央切込み68の各々は、その前方縁部58から内向きに突出するノッチ又は小さい切込み78を含む。より具体的には、ノッチ78は、前方縁部58に対して角度をなして延在し、それらのそれぞれの側縁部62に向かって方向付けられる。示されるように、ノッチ78は、タブ32の側部35と略長手方向に整合される。そのように構成することで、開く間に、裂けが前方縁部58に沿って正しく外向きに拡大しない場合、ノッチ78は、裂けの残りの部分が正しく拡大するように、側縁部62と交差するように、裂けを外向きに方向付ける。ノッチ78は、底部フィルム層46、恒久的接着剤層40、及び内側ウェブ38上に示されるが、個々の1つ、又は各々のうちの2つの組み合わせが代替的に使用され得る。
【0112】
図9に示される第4の形態では、中央タブ部分70は完全に省かれる。代わりに、底部フィルム層46、恒久的接着剤層40、及び内側ウェブ38の各々が、前方縁部58の前方に離間配置され、それに略平行に延びる前切込み80を含む。図示される形態では、前切込み80は、概ね外側切込み48の肩部分52間に整合され、好ましくは、実質的にその間の全長に延在するように寸法決定される。加えて、恒久的接着剤層40の開口部分66は、恒久的接着剤が前切込み80を囲めるようにより小さい。これにより、フィルムパッケージ10の気密密閉が維持され、開く間に、消費者が引っ張らなければならないハードストップ(hard stop)を作製する。前切込み80は、開く間に中央粘着層44、したがって再シールマージン47、49を露出し、開口部の裂けを内側切込み56に方向付ける破断点を形成する。前切込み80は、底部フィルム層46、恒久的接着剤層40、及び内側ウェブ38上に示されるが、個々の1つ、又は各々のうちの2つの組み合わせが代替的に使用され得る。そのように構成することで、消費者は、タブ部分32を把持し、外向きかつ後方に引っ張り、パッケージ10を開くことができる。消費者は、開きながら、前切込み80の前方に配置された恒久的接着剤を最初に破断しなければならない。恒久的接着剤のこの部分を破断した後、前切込み80は、開口部が底部フィルム層46に沿って裂けて、粘着層44を露出させるように破断点を提供する。この裂けは、後方に進み続けて前方縁部58と交差し、所望に応じて前方縁部58に沿って拡大し続ける。
【0113】
更なるアプローチでは、外側ウェブ36は、透明又は半透明であってもよく、恒久的接着剤層40は、その上にインク又は他の印刷/指標を含み得る。そのため、消費者は、外側ウェブ36を透かして恒久的接着剤層40まで見通すことになる。恒久的接着剤層40の開口部分66により、これにより把持タブ32が明確に特定されることになる。更に、内側ウェブ38は、光がパッケージ内部30に入るのを防止するために不透明であってもよい。あるいは、表面に、又は反転印刷により、外側ウェブ36上に印刷がなされてもよい。
【0114】
加えて、本明細書に記載される開封要素20は、フラップを最初に開く間の恒久的接着剤の破断、並びに再密閉する間のフラップ24の整合により、不正開封防止特徴(tamper evident features)を提供する。更に、上述の透明又は半透明アプローチは、開く間の恒久的接着剤への損傷により、パッケージが以前に開封された場合に消費者に明白に示すことができる。
【0115】
別の形態では、フィルム12は、共押出フィルムであり得る。
図1A、
図1B、
図1C、及び
図10〜
図13に示されるように、この形態のパッケージ10は、共押出フィルム82を利用する。上述のように、単一ステップ共押出は、少なくとも外側フィルム層84及び内側フィルム層86を含み、かつ外側フィルム層84と内側フィルム層86との間に粘着層44が封入又は配置されているフィルムを製造する。そのため、粘着層は、パッケージ10が容易にかつ繰り返し再密閉及び再開封され得るように、外側フィルム層84及び/又は内側フィルム層86に付着又はくっつくことができる。1つのアプローチでは、外側フィルム層84は粘着層44に恒久的に接着又は結合され、内側フィルム層86は粘着層44からの分離又はそれへの再封止を提供するように構成された解放層である。フィルム層は、上述の方法のいずれかで製造され得る。共押出フィルムの断面の例が
図11〜
図13に示される。別の実施形態では、
図10Aに示されるものなどのように、フラップ24は端シール14まで延在し得、タブ32は端シール14を越えて延在し得る。
【0116】
「従来」の感圧接着剤は、通常、アクリル、生物由来アクリレート、ブチルゴム、天然ゴム、特別な粘着付与剤を含むシリコーンゴム、スチレンブロックコポリマー(SBC)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、ビニルエーテル、高酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル(EVA)、及びニトリルに基づく。これらの従来の感圧接着剤は、液体担体と共に又は100%固体形態のいずれかで製造され得る。テープ及びラベルなどの物品は、支持材料上に接着剤をコーティングし、通常熱風ドライヤー内で有機溶媒又は水担体を蒸発させることによって、液体感圧接着剤(PSA)から作製される。乾燥接着剤は、架橋反応を開始させ、分子量を増加させるために、更に加熱され得る。100%固体感圧接着剤は、コーティングされ、次に放射線で反応させて分子量を増加させ、接着剤を形成する(放射線硬化感圧接着剤)、低粘度ポリマーであり得るか、又はそれらは、加熱されて、コーティングが可能になるように十分に粘度を減少させ、次にそれらの最終形態に冷却される(ホットメルト感圧接着剤(HMPSA))、高粘度材料であり得る。いくつかの場合では、従来の感圧接着剤は、低分子量構成成分又は未硬化構成成分、すなわち、硬化製品中に残った未反応モノマーにより、臭いがある。
【0117】
本明細書に記載される共押出フィルムの利益は、上述の「従来」の感圧接着剤と比較して、得られたフィルムに臭いがないことを含む。本明細書に記載される共押出フィルム層としてポリブテン及びオレフィン特殊エラストマー並びにそれらのブレンドを使用する利益は、これらが硬化する必要がなく、また固化する時間を必要としないポリオレフィンであるため、得られたフィルムに臭いがないことを含む。
【0118】
本明細書に記載される共押出フィルムの利益は、開封要素のフラップの重みが追加圧力を必要とすることなく開封要素効果的に再封する、単一ステップ変換プロセスである接触感受性再封を更に含む。繰り返される再封は、互いに対する親和性を有するが、汚染に対する誘引がより低い、粘着層及び隣接する解放層の化学的性質の工業設計により少なくとも部分的に実現される。更に、本明細書に記載される粘着層は、「従来」の感圧接着剤よりあまり粘着性ではなく、そのため、従来の感圧接着剤より汚染の傾向が低く、それにより従来の感圧接着剤よりも多い開封及び再封サイクルを提供する。加えて、本明細書に記載される粘着層は、直接食品と接触する用途に関して、米国食品医薬品局及び欧州食品安全機関により良好に準拠する。
【0119】
更に、
図1Bに図示されるように、共押出フィルムから製造されたフィルムパッケージ10は、同一の広がりを持つ封入された粘着層又は結合層を含み、そのため、本明細書に記載される開封要素は、パッケージの頂部、側部、及び底部上を含むパッケージ上のどこにでも配置され、それらの間に延在することができる。2つの開封要素20が
図1Bに示されるが、パッケージは、量制限、複数取り分け、多区画パッケージ、特殊使用のため、及び/又は消費者の好感を生み出すための独特のパッケージングを作製するためを含む、特定の使用に適合することができる。
【0120】
本明細書に記載される粘着層を有する共押出フィルムは製造が困難であり得る。例えば、解放層と粘着層との間の親和性と、後の剥離力との間の所望のバランスを達成するために、解放層が粘着層に関して正しい極性を有するように操作することは困難である。加えて、単一ステッププロセスにより、印刷はフィルムの外側表面上に行われ、そのため、印刷後に積層される透明な外側層、又は印刷後に外側層にわたって透明なコーティングを有することができる従来の積層フィルム上に追加の保護を必要とし得る。更に、本明細書に記載されるものなどの開封要素は、後のステップで一緒に積層され得る別個のフィルム上ではなく、単一共押出ウェブの両側上に切り出すことによって形成される。
【0121】
開封要素20は、
図1及び
図10〜
図13に示される。前の形態と同様、開封要素20は、ダイ、レーザーなどによって形成された切込み又は他の脆弱線によって少なくとも部分的に画定される。加えて、脆弱線は図において垂直に示されるが、粘着樹脂を通る角度をなした裂け又は破損も実行可能な再密閉をもたらす。更に、パッケージ10は、パッケージ10を開封することにより粘着樹脂44自体が貫通破損するときなど、粘着樹脂が外側フィルム層84全体、内側フィルム層86全体、又は両方の一部上に配置されているかどうかに関わらず、再密閉することができる。開封要素20は、パッケージ10の内部30内への開口部28を露呈させるために、頂部壁22の残りの部分26から分離され、部分的に引き離されることができる頂部壁22のフラップ24を含む。フラップ24は、前方端シール14に向かってフラップの主部34から離れて突出する把持タブ32を含み得る。タブ32は、パッケージ10を開くための便利な把持表面を消費者に提供するように構成される。示されるように、タブ32は、前方湾曲部分33及び略平行の長手方向側部35を含む。
【0122】
前の形態とは異なり、この形態のタブ32は、粘着層44に接着される。そのため、消費者は、外側フィルム層84及び/又は内側フィルム層86から粘着層44を離層するために、タブ32を剥離することができる。したがって、頂部壁22からタブ32を剥離した後、消費者は、頂部壁から離れる方向にフラップ24を引っ張り続け、パッケージ10を開くことができる。頂部壁22から概ね離れる方向にフラップ24を引っ張ることにより、外側フィルム層84及び内側フィルム層86の切込みを破断又は分離して、開口部28並びに中央粘着層44の再シールマージン47及び内側フィルム層86の再シールマージン49を露出させる。あるいは、
図10Aに示される実施形態などでは、タブ32は端シール14を越えて延在することができ、消費者は、フィルムが端シール14で破断して、外側フィルム層及び内側フィルム層86の切込みを破断又は分離するように、タブ32を把持し引っ張り、開口部28並びに再シールマージン47を露出させることができる。再シールマージン47、49は、以下により詳細に記載されるように、内側フィルム層86の切込みよりも寸法的に大きい外側フィルム層84の脆弱線により形成される。非限定的な例では、再シールマージン47、49は、使用中の満足な再密閉を提供するために、約5mm〜約40mmの幅、より具体的には約10mm〜約15mm、より具体的には約12mm〜約13mmの幅であり得る。勿論、他の大きさ及びサイズも、必要及び所望に応じて、特定の用途のために利用され得る。例えば、比較的小さいパッケージは、約5mmの再シールマージンを利用し得るが、より大きいパッケージは、約10〜15mmの再シールマージンを利用し得る。そのように構成することで、複数の接着剤を、積層体内の同一平面又は層上にパターンで配置する必要なく、再密閉可能なパッケージの利便性を消費者に提供する。
【0123】
この形態の開封要素20は、外側フィルム層84を少なくとも部分的に通って延在する外側切込み88、及び内側フィルム層86を少なくとも部分的に通って延在する内側切込み90を含む。
図11及び
図12に示される別の形態では、内側切込み90は、内側フィルム層86に隣接して配置される連結層178及びポリエチレン層180も通って延在し得る。
図14及び
図15に示される更に別の形態では、フィルムは、外側フィルム層84、粘着層44、内側フィルム層又は解放層86、シーラント層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含む。更に、外側切込み88及び/若しくは内側切込み90の一部又は全ては、粘着層44内に又はそこを通って延在し得る。外側切込み88は、頂部タブ部分91、外向きに延在する肩部分92、及び後方端シール16に向かってパッケージの頂部壁22を長手方向下に延びる反対側部分93を含む。所望する場合、側部分93の遠位端94は、フックなどの裂け停止特徴を有し得る。内側切込み90は、パッケージ10内への開口部28を画定し、フラップ24の底部を形成する、前方縁部95、後方縁部96、及び側縁部97を含み得る。この形態では、内側切込み90は、開く間の拡大の制御に役立つわずかに丸い角を有する矩形形状を有する。勿論、パッケージの形状によるか、特定のパッケージ内容物のためか、又は他の所望の美観のためかに関わらず、他の形状も利用され得る。例えば、底部切込みは、丸い端部及び/又は側部、腰部分などを作り出す曲線状部分を含み得る。
【0124】
他の実施形態は、図示のような外側切込みを必要としない。例えば、タブ部分91は外側フィルム層84に切り込むことができ、タブを引っ張ることにより、内側フィルム層86に作られた切込みと相互作用することができる。この構成では、開く間に外側フィルム層84が裂ける。一形態では、この裂けは、裂け方向付け特性を有するフィルムを利用することによって制御され得る。
【0125】
本明細書に記載されるフィルムは、シーラント層を利用するヒートシールを介して、又はパターンコーティングされたコールドシールを利用するコールドシールを介して、食品パッケージなどのパッケージに形成され得る。
【0126】
上述に記載されるものなど、中間粘着層を有する共押出フィルムに開封要素を作製するとき、2つの問題が生じ得る。問題の1つは、粘着層からフィルム層を離層し、後に再封するための粘着層を露出させるために、フィルムの層を最初に分離するのに必要とされる開封力が非常に強い可能性があり、それによって制御された開封が生じない可能性があることである。例えば、開封力が非常に強い場合、フィルムは指定された切込み又は印線に沿って開封せず、代わりに制御できずに裂ける可能性がある。同様に、開封力が非常に脆弱な場合、パッケージは意図せずに開く可能性があるか、又は満足な密閉を提供しない可能性がある。生じ得る別の問題は、一旦露出されると、粘着層及び隣接するフィルム層は、開封後にパッケージを再封するのに十分に一緒に再接着しない可能性があることである。
【0127】
したがって、本開示の目的は、開く間及び複数回再封動作をする間に、円滑かつ一定の剥離強度を有する開封要素をもたらすために利用することができる、隣接する解放層を有する熱可塑性材料及び/若しくはエラストマー材料の埋め込まれた又は封入された粘着層を含むパッケージングための共押出フィルムを提供することである。これを達成するために、粘着層は、ダイ切込み間の隣接する「解放」フィルム層から離層又は分離する。一形態では、粘着層は接触感受性接着剤であり、そのため単純に粘着層及び隣接するフィルム層を互いに接触させることは、開封要素を再封止するのに十分である。別の形態では、本明細書に記載される共押出フィルムは、テンターフレームプロセスにおいて配向することができる。更に、本明細書に記載される共押出フィルムは、多層吹込フィルム(典型的な吹込、又はダブルバブル若しくはトリプルバブル)、多層キャストフィルム、縦方向配向(MDO)、二軸配向、押出コーティングなどを含むがこれらに限定されない、最も一般的なフィルム加工機器及び変換方法を用いて生産され得る。任意選択で、封入された同一の広がりを持つ粘着層を有する、本明細書に記載される共押出フィルムは、インクを用いた、又はインクを用いない、金属化若しくは積層による高バリアコーティングを有する、又は有しない典型的な二軸配向ポリエチレンテレフタレート(BOPET)、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)、吹込フィルム、又はキャストフィルムと組み合わされて、更なるフィルムを形成し得る。加えて、本明細書に記載される共押出フィルムは、最終用途のために、金属化されるか、又は高バリアコーティングで処理され得る。
【0128】
理論により制限されるものではないが、粘着層及び隣接する解放層の材料の極性が層間の初期結合、したがって、必要とされる開封力及び後の再密閉接着性又は粘着性の両方に影響を及ぼすと考えられる。加えて、この点に関して、極性は結晶化度よりも大きな要因であると考えられる。本明細書に記載される粘着層材料は非極性である。粘着層44に好適な材料は、ポリブテン樹脂、オレフィンエラストマー、及びこれらのブレンドを含む。以下の実施例は、本明細書の開示を例示するために含まれており、当該開示を限定するものではない。別途記載のない限り、本開示及び実施例における全ての部、百分率、及び比率は重量に基づく。
【0129】
下の表1は、表面自由エネルギー(mJ/m2(ダイン/cmに等しい)で示される)の既知又は推定の極性成分を含む。これらの極性成分において類似する、すなわち、差が約1〜5の材料は、満足な剥離及び再密閉を呈する。
【表1】
【0130】
実施例の共押出フィルム構造が
図13に示される。各実施例において、ポリプロピレン材料は外側フィルム層84であってもよく、ポリアミド材料は解放層であってもよい。更に、各実施例において、粘着層44は、ポリブテン−1樹脂、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーのプラストマー及びエラストマー、又はこれらのブレンドであり得る。
【0131】
追加の実施例の層は、
図13A〜
図13Fの様々な断面において示される。示されるように、各フィルム断面は、粘着層44の上及び下に1つ以上の層を有する粘着層又は結合層44を含む。
図13Aから始めると、外側フィルム部分150は、頂部フィルム層152、インク及び/又は積層体層154、並びに外側層156を含み得る。内側フィルム部分158は、解放層160、バリアシーラント層又は内側層162、並びに任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
図13Bに示されるように、別の形態では、外側フィルム部分150は、保護コーティング層166、インク層168、任意選択の金属化層170、及び外側層156を含み得る。この形態では、内側フィルム部分158は、解放層160、バリアシーラント層又は内側層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
図13Cに示されるように、別の形態では、外側フィルム部分150は、頂部フィルム層152、インク層168、任意選択の金属化層170、及び解放層160を含み得る。この形態では、内側フィルム部分158は、バリアシーラント層又は内側層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
図13Dに示されるように、別の形態では、外側フィルム部分150は、保護コーティング層166、インク層168、任意選択の金属化層170、外側層156、及び解放層160を含み得る。この形態では、内側フィルム部分158は、バリアシーラント層又は内側層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
図13Eに示されるように、別の形態では、外側フィルム部分150は、保護コーティング層166、インク層168、及び任意選択の金属化層170を含み得る。この形態では、内側フィルム部分158は、解放層160、バリアシーラント層又は支持層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
図13Fに示されるように、別の形態では、外側フィルム部分150は、保護コーティング層166、インク層168、任意選択の金属化層170、及び解放層160を含み得る。この形態では、内側フィルム部分158は、バリアシーラント層又は内側層162、及び任意選択のコールドシール領域164を含み得る。
【0132】
パッケージの別の実施形態は、
図16〜
図18に示される200である。この形態では、連続する細長いフィルム層又は封止層202は、第1の端シール204から第2の端シール206まで延在する。パッケージ200は、第1の端シール204と第2の端シール206との間に延在するフィン又は長手方向シール208を更に含み得る。パッケージ200は、その頂部212に開口部切込み又は切れ目210、及び第1の端シール204に若しくはそれに隣接してタブ切込み又は切れ目214を含む。封止層202は、開口部切込み又は切れ目210、及びタブ切込み又は切れ目214の両方を覆うためのフィルムに適用される。そのため、消費者は、タブ切込み又は切れ目214によりパッケージのフィルムの一部を含む封止層202のタブ216を把持し、パッケージ200に沿って頂部212から離れる方向に後方に封止層202を引っ張り、開口部切込み又は切れ目210を露出させることができる。封止層202は、頂部212の一部218に接着し、パッケージ内部への開口部220を露出させることができる。パッケージ200のフィルム222、224及び封止層202は、パッケージの頂部212が本明細書に記載される解放層であり、封止層202の底部層が本明細書に記載される粘着層又は結合層であることを除き、本明細書に記載される形態のいずれかを取ることができる。そのため、封止層202はパッケージの頂部212に適用され、そこから容易に解放され得る。
【0133】
示されるように、封止層202は、フィルムパッケージ200を形成する可撓性フィルムの幅にわたって部分的にのみ延在する。しかしながら、封止層202はパッケージの全幅に延在するが、フィルムの長さにわたって部分的にのみ配置されることも想定される。より具体的には、封止層202は、好ましくは、パッケージの全幅及び全長の両方に延在しない。封止層202は、いずれかの方向(すなわち、長さ又は幅)に部分的に配置され、その方向の他方に連続的に配置される。1つのアプローチでは、封止層202は、フィルムの一方の軸に沿って連続的に適用され、連続的に適用された軸に対して垂直な軸に沿って部分的にのみ適用される。よって、可撓性フィルムパッケージ200は、パッケージの全長及びその幅の一部にのみわたって延びる封止部202、又はパッケージの全幅及びパッケージの長さの一部のみにわたって延びる封止部202を有し得る。
【0134】
有利に、
図16及び
図17に関して上述されるように構成されたパッケージ200は、連続フローラッププロセスを用いて生産され得る。記載されるように、封止層202は、パッケージフィルム222のフロー又はウェブの長手方向の長さに沿って連続的に適用され得る。製品が少なくとも部分的にフィルム222のウェブ内に包まれ、密閉されたら、フィルム222及び封止フィルム224は、個々のパッケージ200に切断され得る。
図18は、互いに分離されていない一連の形成されたパッケージを図示する。示されるように、タブ216は、フィルムのロール上に部分的に形成された弓状のタブ切れ目又は切込み214によって部分的に形成され、先導端シール204に少なくとも部分的に配置され得る。個々のパッケージ200がフィルム222、224から切断される際に、タブ216の前縁部又は輪郭が形成され得る。例えば、第1のパッケージ上の先導シールは、第2のパッケージ上の末尾シールと一致する輪郭を有する。よって、タブ216は、パッケージの前縁部によって部分的に画定される、弓状の先端縁を有し得、また、弓状の割線214によって部分的に画定される、弓状の、後方の後縁部を有し得る。
【0135】
本明細書に論じられるように、パッケージの製造方法及び組み立て方法は、ヒートシール機構、コールドシール機構、延伸及び接着積層機構、並びに共押出機構を用い得る。用いられる機器は、所望のパッケージ構成に依存し得る。例えば、タブが封止層に接着されたフィルムのカットアウト部分を含む場合、タブは、フィルムに封止層を接着又は適用し、タブに切れ目を入れ、かつ/又はタブを切断することによって作製され得る。加えて、様々な切れ目構成が用いられてもよく、割線を形成するための機器はその切れ目構成に依存し得る。
【0136】
本明細書に記載される構成のいずれかを有するフィルム300は、剛性又は半剛性基材304を有するパッケージ302にも利用され得る。基材304は、底部壁部分306、底部壁部分306から直立する側壁部分308、及び側壁部分308の頂部から外向きに突出するフランジ310を含み得る。示されるように、フィルム300は、そのフランジ310に沿って基材304に密閉され、フランジ310に対応するフィルム300のヒートシール領域312を形成する。単純化のために、フィルム300は、外側フィルム部分150、粘着層又は結合層44、及び内側フィルム部分158の3層を含むように、
図22に示される。しかしながら、外側フィルム部分150及び内側フィルム部分158は、本明細書に記載される任意の形態を取ることができることを理解するだろう。
【0137】
開封要素を提供するために、フィルム300は、フランジ310の周囲に完全に又は部分的に延在し、フランジ310の内方に隣接する、ダイカット又は切り目314を含み得る。加えて、フィルム300は、容易な把持部分を消費者に提供するために、タブ316を含み得る。そのように構成することで、ユーザは、タブ316を把持し、基材304から概ね離れる方向にフィルム300を引っ張ることができる。フィルム300はヒートシール領域312で破断し、それによって内側フィルム部分158はフランジ310に密閉されたままであり、粘着層又は結合層44は露出される。その後、開封はダイカット又は切り目314に達し、ダイカット又は切り目314の内方の内側フィルム部分158は粘着層又は結合層44に接着された状態を維持する。したがって、粘着層又は結合層44は、フランジ310に一致する領域において露出されるのみであり、所望に応じて、繰り返し再適用され、そこから取り除かれ得る。
【0138】
パッケージ302は任意の所望の形態を取ることができる。
図19〜
図22の形態において、基材304は、円形底部壁部分306及び環状側壁部分308を含む。
図23〜
図25の形態において、基材は、4つの側壁部分308を有する矩形底部壁部分306を有する略箱形状である。複数の側壁部分308を有する構成では、タブ316は、
図23に示されるように、端部に沿って、又は
図25に示されるように、その角に沿って突出するように構成され得る。
【0139】
別の形態では、フィルム300は、本明細書に記載されるように、開封要素20を含み得る。例えば、パッケージ302は、
図1Aに示されるものなどの開封要素を含み得、開封要素はフィルム300のフランジ310及びヒートシール領域312から内方に離間配置される。あるいは、
図26に示されるように、フィルム300は、
図1Cに示されるものなどの開封要素20を含み得、フラップ24はヒートシール領域312まで延在し、タブ316はヒートシール領域312を越えて延在する。
【0140】
別途指定されない限り、ASTM D3121の修正版であり、ASTM D3121の試験方法パラメータに従うローリングボールタック試験が結合材料又は粘着材料のサンプルに対しても行われた。粘着力は一般に、鋼ボールを傾斜の頂部から解放し、傾斜を加速して降下させ、感圧接着剤の水平表面上を転がすローリングボール方法によって決定される。相対的な粘着力は、停止する前にボールが接着剤上を移動した距離を測定することによって決定される。相対な粘着度は、ボールが傾斜面の端部から移動する距離により、配合物の変更例の間で比較される。距離が長くなるほど、表面の粘着性が低下する。そのため、移動する距離が短いほど、粘着力は高い。この修正版では、鋼ボールの代わりにガラスボールが使用され、傾斜上の解放点は、我々の表面の粘着性が低いことからより短くされた。修正された試験は、コーティングの表面がローリングガラスボールの極性表面など、同じではない(non−like)材料にどのくらい強く接着するかを測定した。本明細書の修正されたローリングバックタック試験において、最小鋼ボール(5/32インチ)が使用され、解放点は傾斜面の2.25〜2.5インチ上であった。試験前に、テスタが十分に水平であることを確認する。試験テーブルもフィルムが平らであるように水平であることを確認する。試験前にフィルムが平らであることを確保するために両端にテープを使用する。本明細書において、結合層又は粘着層は、好ましくは、約4〜約100mmのローリングボールタックである。
【0141】
ローリングボール方法は、ASTM法において指定された標準的な傾斜の2インチ〜2.5インチ上に設置されたガラスボール又は鋼ボールを解放することと、ボールが傾斜を加速して降下し、感圧接着剤サンプルの水平表面上を横切って転がるようにすることとを含んでいた。修正された試験版は、金属ボールの代わりにガラスボール(このガラスボールは、約1/8インチの直径を有する)を使用することと、短くした傾斜からの解放点(すなわち、上に示されるように、傾斜の2インチ上)を使用することとを含んでいた。本明細書で使用されるとき、鋼ボール5/32インチを、傾斜面(好ましくは2.25インチ)の約2.25〜2.5インチ上に設置して使用した。相対的な粘着力は、傾斜面の端部から始めて、停止する前にボールが接着剤上を移動した距離を測定することによって決定された。より長いローリングボール移動距離は、ガラスボールの極性表面に対する粘着力が低いことを示し、より高い粘着レベルを示したより短いローリングボール移動距離のコーティングと比較して、コーティングがパッケージング機械上のローラー及び金属表面に付着する傾向が低いことを示した。より長いローリングボール移動距離は、食品屑に接着する傾向が低いことにも相関し得る。この測定において、試験に利用可能な最大サンプルサイズが4.0インチ×4.0インチであったため、測定は最大4インチに制限された。ローリングボールタック試験の結果は下の表に示される。
【0142】
基材の表面エネルギーは、接触角によって測定された。この試験に使用された機器は、G10接触角測定角度計、ジヨードメタン、再蒸留水、シリンジ2つ、タイマー、及びマイクロメーターを含んだ。試験の手順は以下のとおりである。
【0143】
(1)基材をサンプル台に設置し、表面を平らにするために真空に引いた。台を照らすために、器具の後ろの刻み付ノブを使用して台の裏側の照明をつける。台の真正面のレンズキャップを外す。
【0144】
(2)シリンジを介してDI水又はジヨードメタンのいずれかの最大直径1〜2mmの固着性滴を表面に適用する。小滴をシリンジから搾り、次に、ニードル自体は表面に触れないが、滴が表面に移されるのに十分に近くなるまで台を上げることによってこれを行う。滴のサイズを測るためにマイクロメーターを使用する。次に、滴が接眼鏡を通して見えるまで台を下げる。
【0145】
(3)測定される液滴及び表面の接点上に十字線を位置付ける。接点で(すなわち、滴の底部が滴の反射と一致する点)、十字線の起点を滴の右端と合わせるために、(e)及び(f)を使用して台を移動する。(a)、又はより好ましくは(h)を使用して、滴に焦点を当てる。
【0146】
(4)(d)を使用して、滴及び表面の接点から滴表面に対して接線点の位置に十字線を回転させる。
【0147】
(5)角度スケールから、度単位で接線角度(0〜180°)を記録する。表面エネルギーは時間依存現象であるため、滴の設置から角度の記録までにかかった時間を記す。練習によって、反復測定は1.5分以内に楽に行うことができる。
【0148】
(6)5つの値を得るために、(5)にあるように、同じ時間間隔を維持しながら5回繰り返す。
【0149】
(7)他の液体に変え、ステップ(2)〜(6)を繰り返す。
【0150】
(8)得られた値を平均し、極性及び分散表面エネルギー並びに全体的な表面エネルギーを計算するために、Fowkes式を用いて基材の表面エネルギーを計算する。
【0151】
表面エネルギーは、別の試験も使用して測定された。基材の表面エネルギーは、基材がどのくらい容易に接着剤又はコーティング剤で湿潤するかの指標である。ポリオレフィンでは、所与の接着剤又はコーティング剤を用いた使用に対する処理及び適合性の程度を測定する。この試験に必要な機器は、綿棒及び市販の処理確認溶液(treatment check solutions)(Diversified EnterprisesのAccuDyne試験マーカーペン又は等価物など)を含む。試験の手順は以下のとおりである。
【0152】
(1)表面エネルギーが何であるかを知識に基づく推測から、又は38ダイン/cm
2溶液で開始するかのいずれかで、処理確認溶液を選択する。
【0153】
(2)清潔な綿棒(同じ溶液でも決して棒を2回使用しない)を溶液に浸し、縁の下の瓶の側部で過剰な溶液を搾る。
【0154】
(3)綿棒の側縁部を確認対象の表面上で拭い、約1平方インチ(必ずしも1インチの正方形ではない)を覆い、およその秒まで千単位で計時又は計測を直ぐに開始する。
【0155】
(4a)溶液が2秒未満で分散する場合、表面エネルギーは使用された瓶のダイン数未満である。棒を破棄し、より低い番号のダイン/cm
2溶液瓶、清潔な棒、及び基材の表面上の新しい領域を選択し、ステップ(2)及び(3)を繰り返す。
【0156】
(4b)溶液が3秒以内に分散しなかった場合、表面エネルギーはダイン/cm
2溶液瓶よりも高く、清潔な棒、及び基材の表面上の新しい領域、ステップ(2)及び(3)を繰り返す。
【0157】
(4c)溶液が2〜3秒の間に分散する場合、使用された溶液のダイン/cm
2番号を基材の表面エネルギーとして記録する。
【0159】
ローリングボール試験は、上の表2に示されるように、上記の段落107に記載される方法に従う。比較サンプル1は、商標名Tartenで市販されている搬送用テープである。比較サンプル2は、市販のOreoクッキーのパッケージである。ローリングボールタック試験は、PBとオレフィンエラストマーブレントとをブレンドした粘着層又は結合層が市販のOREOクッキーのパッケージに使用された接着剤の表面エネルギーよりも非常に低いエネルギーを有することを示す。鋼ボールは、表面と接触したときに、OREOパッケージングの接着剤又は搬送用テープPSAに非常に迅速に付着し、高い粘着表面を示す。オレフィンエラストマーを含むPBブレンドの場合、傾斜面の一番上から解放した場合、ボールは非常に遠くに移動した。ボールの解放点を非常に低い位置(解放点からテーブルの頂部まで2.25インチの傾斜面距離)に下げた場合、ボールが移動した距離は測定可能となった。尚も、同じ解放高さで測定したとき、ボールは、Oreo PSA又は搬送用テープの表面上よりも、PBとオレフィンエラストマーとのブレンドの表面上で非常に遠くに移動した。再閉鎖することができないサンプルV30では、ボールは表面上で大幅に長い距離を移動した(>17mmとして記録された)。開放層のPA面では、ボールはフィルム表面全体を移動した後、表面から落下した(>12インチ)。反対側上で、ダインペンで記録された表面エネルギーも、PBとオレフィンエラストマーとのブレンドによって形成された結合層の表面エネルギーが低いことを示した。また、PA表面(解放層)は、非常に高い表面エネルギーを有する。例えば、Nycoa 2012のPA636は50ダインであり、PA2012とPA666とのブレンドは54ダインである。
【実施例】
【0160】
本明細書の実施例は、本明細書の開示を例示するために含まれ、それを限定するものではない。特に明記しない限り、本開示全体を通して使用される全ての百分率、比率、及び部は重量に基づく。
【0161】
実施例1:
【0162】
例示的な外側フィルム36は、粘着層44に関して異なるブレンドで調製された。ポリブテン−1(PB−1)及びオレフィンエラストマー単独は、ある特定の剥離強度で剥離及び再封止を提供し得、PB−1は一般に、オレフィンエラストマーよりも高い強度を提供するが、ポリブテン−1とオレフィンエラストマーとのブレンドは、その材料単独よりも望ましい剥離力をもたらすための特性を調整するのに役立ち得ることが確認された。加えて、PBから製造された結合表面は、ジッパーのような感じをもたらし、オレフィンエラストマーとのブレンドは通常、剥離開封の感じを滑らかにするのに役立つ。理想的なブレンドを決定するために、粘着層44の材料のブレンド例を、それらの剥離力特性に関して試験し、これを下の表2の実施例において示す。試験したポリブテン−1は、グレード名Toppyl RC3000でLyondellBasellにより製造される。試験したオレフィン特殊エラストマーは、商標名Vistamaxx 6102FLでExxonMobilにより製造される。示されるように、オレフィン樹脂は、2列目に指定される比率のポリブテン−1樹脂とブレンドされた。ポリプロピレンの外側層156、グレード名Nycoa 2012でNycoaにより製造されるポリアミドの内側層162、及び各層の厚さは、全試験において一定に保たれた。ポリブテン−1(PB−1)樹脂は、ブタン(butane)−1とエチレンコモノマー、及び/又はプロピレンコモノマーとの重合により生産された、高分子量のアイソタクチックな半結晶熱可塑性ポリオレフィンである。ポリブテン−1の典型的な構造は、以下のとおりである。
【化4】
【0163】
表3に示されるように、オレフィン樹脂75%とポリブテン−1樹脂25%とのブレンドは、5.38lbf/インチの初期剥離力、及び再封後の1.05lbf/インチの再開封剥離力を有した。オレフィン樹脂50%とポリブテン−1樹脂50%とのブレンドは、5.58lbf/インチの初期剥離力、及び1.63lbf/インチの再開封剥離力を有した。オレフィン樹脂25%とポリブテン−1樹脂75%とのブレンドは、6.38lbf/インチの初期剥離力、及び1.71lbf/インチの再開封剥離力を有した。オレフィン樹脂90%とポリブテン−1樹脂10%とのブレンドは、4.5lbf/インチの初期剥離力、及び1.22lbf/インチの再開封剥離力を有した。したがって、試験したブレンドは、初期剥離力に関して、4.5〜6.38lbf/インチの範囲、及び再開封剥離力に関して1.05〜1.71lbf/インチの範囲を提供した。これらの結果に基づいて、約75%〜約90%のオレフィン樹脂及び約25%〜約10%のポリブテン−1樹脂ブレンド、そして特定の一実施例では、約90%のオレフィン樹脂及び約10%のポリブテン−1樹脂が最も望ましい初期及び再開封剥離力をもたらしたと決定された。初期剥離力はまた、多くの要因によっても定義され、それらは現在の初期剥離力よりも非常に低くなるように調整され得る。別の観察では、初期層間剥離力は調製されたサンプルにより変動し、そのため、表3に報告されるデータは、サンプルが、1インチ幅のフィルム片の代わりにパッケージ形式において異なるフィルム幅で調製された場合には異なり得る。
【0164】
【表3】
【0165】
実施例2
【0166】
最適化することができる別の変数は、粘着層44の厚さである。粘着層の厚さを変えることによって、異なる結果の剥離力及び剥離動作がもたらされたと決定された。下の表3に示されるように、10um〜30umで変動する厚さを、ポリブテン−1樹脂層及びオレフィン樹脂層に関して試験した。試験したポリブテン−1は、グレード名Toppyl RC3000でLyondellBasellにより製造される。試験したオレフィン特殊エラストマーは、商標名Vistamaxx 6102FLでExxonMobilにより製造される。
【0167】
ポリブテン−1樹脂は以下の値をもたらした:30um厚は6.25lbf/インチの初期剥離力、及び1.2lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、25um厚は7.06lbf/インチの初期剥離力、及び1.28lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、20um厚は5.32lbf/インチの初期剥離力、及び1.33lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、15um厚は4.35lbf/インチの初期剥離力、及び1.16lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、そして10um厚は6.02lbf/インチの初期剥離力、及び1.26lbf/インチの再開封剥離力をもたらした。オレフィン樹脂は以下の値をもたらした:30um厚は2.34lbf/インチの初期剥離力、及び0.32lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、25um厚は3.63lbf/インチの初期剥離力、及び0.39lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、20um厚は4.10lbf/インチの初期剥離力、及び0.48lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、15um厚は4.50lbf/インチの初期剥離力、及びテープ裏材を有して0.28lbf/インチ、テープ裏材を有せずに0.8425lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、そして10um厚は5.39lbf/インチの初期剥離力、及び0.66lbf/インチの再開封剥離力をもたらした。ポリブテン−1粘着層44及びポリアミド層46又は86を含む開封要素は、「ジッパー式」開封機能性をもたらした。より具体的には、層が互いから引き離されるとき、層は開封要素の長さに沿って少しずつ連続的に解放される。オレフィン粘着層44及びポリアミド層46又は86を含む開封要素は、比較的小さい開封力ではあるが、静かで滑らかな開封をもたらした。最後に、ポリブテン−1とオレフィン特殊熱可塑性エラストマーとのブレンド(オレフィン樹脂約75%〜約95%及びポリブテン−1樹脂約5%〜約25%など)は、滑らかな連続的な開封及び満足な開封力を有する、改善された開封要素をもたらし、この剥離力はより信頼性があり、反復可能である。
【0168】
【表4】
【0169】
実施例3
【0170】
第1の実施例では、内側フィルム層86も非極性であり、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リーナー(leaner)低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はそれらのブレンドのうちの1つであった、共押出フィルム82を試験した。試験されたLDPE樹脂の例は、Nova ChemicalsのNOVAPOL LF−0222−Fであった。試験されたHDPEの例は、Chevron PhilipsのMarflex 9656であった。試験されたLLDPEの例は、Dow ChemicalのDowlex 2045Gであった。粘着層は、100%ポリブテン−1若しくは100%Vistamaxx又は異なる比率のそれらのブレンドのいずれかであった。ポリエチレン系内側層を有する粘着層間の結合強度はあまりにも強く一緒に結合するため、分離に必要な力が非常に強く、層が満足に分離できないことが分かった。フィルムが一緒に又は別の構造に密閉される密閉領域においてのみ、フィルム層及び粘着層が互いに離層し、粘着層を露出し、再密閉能力が可能になることが分かった。しかしながら、離層するための力は望ましくなく強く、ヒートシール領域でも100%離層することができず、離層はきれいでないか、又は滑らかでないため、構成はヒートシール領域を越えて満足な分離及び再封止を提供しない。
【0171】
第2の例では、ポリ乳酸とポリヒドロキシアルカノエートとのブレンドに隣接する粘着層を試験した。共押出多層フィルムは、粘着層と、ポリ乳酸とポリヒドロキシアルカノエートとのブレンド間で容易に分離することができたが、ポリ乳酸とポリヒドロキシアルカノエートとのブレンドに対する粘着層の再封止能力又は再閉鎖能力がないことが分かった。
【0172】
したがって、ポリエチレン及びポリエステルの極性中間体を有する材料が比較的容易なパッケージ開封及び満足なパッケージ再封を提供するだろうと決定された。1つのアプローチでは、本明細書に記載される解放層のためのポリアミド材料は、適切なパッケージ再封も提供しながら満足なパッケージ開封要素を作製するために、粘着層とは十分に異なる極性を提供する。このような開封要素に使用することができるポリアミド材料の例としては、PA6、PA666、PA66、PA69、PA610、PA612、PA636、PA6I6T、PA11、PA12、PAMXD6などの様々な種類のナイロン、及びこれらのブレンドが挙げられる。
【0173】
粘着層材料と同様に、本明細書に記載される解放層は、より一貫した、及びより滑らかな開封動作を提供する材料のブレンドであり得る。したがって、解放層のためのブレンド例を、それらの剥離力特性に関して試験し、これを下の表3に示す。示されるように、PA636(Nycoa 2012)を、有機粘土添加剤(商標名MB231−615で、約60%の有機粘土を含有する専売配合物であるPolyOneマスターバッチから)及びPA6I6T(商標名Selar 3426でDuPontにより製造される)とブレンドした。加えて、PA636又はPA666(BASFから)をSelar 3426とブレドした。材料の比率は2列目に示される。ポリプロピレンの外側層、オレフィン樹脂90%、ポリブテン−1樹脂10%の粘着層、及び各層の厚さは、全試験において一定に保たれた。
【0174】
Nycoa 2012はコポリアミド熱可塑性エラストマーである。これは中程度の粘度であり、特に押出に適しており、弾力的なパッケージを作製するための加工性に優れている。Nycoa 2012の表示は以下のとおりである:
【化5】
(式中、mは6であり、nは、それらがポリマーの硬領域又は軟領域にあるかにより、6又は36である)。
【0175】
初期強度及び再開封強度の剥離力を更に調整するために、ポリアミド又はポリアミド添加剤のブレンドを実験して、得られた剥離力を観察し、その結果を下の表4に示す。90% Nycoa 2012/10%有機粘土マスターバッチ(商標名OCMB231−615でPolyOneにより製造される)のブレンドは、4.42lbf/インチの初期剥離力、及び0.43の再開封剥離力をもたらし、50% Nycoa 2012/50% Selar 3426のブレンドは、4.45lbf/インチの初期剥離力、及び0.42lbf/インチの再開封剥離力をもたらし、そして70% PA 666/30% Selar 3426のブレンドは、4.89lbf/インチの初期剥離力、及び1.18lbf/インチの再開封剥離力をもたらした。したがって、試験したブレンドは、初期剥離力に関して、4.42〜4.89lbf/インチの範囲、及び再開封剥離力に関して0.42〜1.18lbf/インチの範囲をもたらした。これらの結果に基づいて、ブレンド配合物の大半は満足な剥離及び再封止性能を提供し得るが、50% Nycoa 2012/50% Selar 3426のブレンドが最も一貫した再封及び再開封剥離力をもたらしたと決定された。
【0176】
【表5】
【0177】
類似する剥離及び再シールフィルムもキャストシートラインで、次に二軸配向を通して生産された。Davis Standard押出機で5層構造を製造し、25%/5%/5%/40%/25%の層分布で、10% OCMB/Toppyl RC3000/Adsyl 5C 30を有するPA2012/EVOH/PA2012の多層構造設計を有した。合計シート厚は1000umであった。次に、生産したシートを、Brucknerにより製造された実験室用Karoストレッチャーで延伸した。延伸中、延伸オーブン温度(100℃で開始し、180℃まで10°ずつ)、余熱時間(60、80、100秒)、速度MD/TD(2%〜400%まで様々)、延伸比(3×3、5×5、7×7)を含む様々な条件を試験し、170℃で60秒間のオーブン余熱、及び70℃のクリップ温度で同時に400%/秒MD/TDで延伸する条件で、キャストシートを5×5に延伸した。得られたフィルムは前に観察された剥離及び再封止機能性を有することができた。
【0178】
同時二軸配向ライン上で別の共押出多層フィルムを生産した。典型的なフィルム構造の例は次のように示される:50% PA2012と50% sealr3426とのブレンド/10% RC3000ブレンドを有する90% Vistamaxx6102FL/Homo PP LyondellBasell HP525Jは、5/20/10マイクロメートルの層厚で生産され得る。別の試験では、この共押出多層フィルムは、シーラント/連結/PA2012+Selar 3426(50:50)/Vistamaxx6102FL+RC3000(90:10)/HomoPP HP525Jとして、Vistamaxx 3588の類似するフィルム設計に基づいて生産される。次に、フィルムは、ポリプロピレン側で反転印刷されたポリエチレンテレフタレートに接着積層され、最終フィルムは型抜きされ、剥離及び再封止機能性を実現した。また別のアプローチでは、類似するフィルム構造は、5層又は7層共押出プロセスにより、連続二軸配向プロセスから生産され得る。他のフィルム構造もまた、構造において同様の剥離及び再シールコア、並びに様々なスキン層及びシーラント層の形成及び厚さを用いて製造される。あまり丸まることなく平らなフィルムを生産する綿密な設計も考慮される。
【0179】
11層トリプルバブルライン上で別の共押出多層フィルムを生産した。例えば、72umの合計フィルム厚、及び14/7/5/17/12/5/10umの層厚を有する、PET/連結層/homoPP/Vistamaxx+PB1(90:10)/PA2012+Selar3426(50:50)/tie/Surlyn又はLLDPEシーラントとしてフィルムを設計する。この多層はKuhneトリプルバブルライン上で共押出された。
【0180】
Reifenhauser多層キャストフィルムライン上で別の共押出多層フィルムを生産する。例として、典型的なキャストフィルム構造は、PET/連結/PP/Vistamaxx+PB1(90:10)/PA2012+Selar3426(50:50)/連結/Surlyn若しくはLLDPEシーラント、又はPET/連結/PP/Vistamaxx+PB1(90:10)/PA2012+Selar3426(50:50)/連結/EVOH/連結/Surlyn若しくはLLDPEシーラントである。
【0181】
実施例4
【0182】
下の表に記載されるフィルムは、吹込フィルム生産ライン上で製造され、外側層、結合層、解放層、及びヒートシール層を含む全ての層が単一ステップ共押出から生産された。フィルムは標準的なPETフィルムに後接着積層された。フィルムは剥離開始及び再封のための形状に型抜きされた。
【0183】
【表6】
【0184】
表6に示されるように、フィルムの骨格剛性であるHDPEに対するPPの比は、他の全ての層に変更を加えなかった場合、剥離力に対して一定の影響を実際に示した。
【0185】
多層フィルムの隣接層と同一の広がりを有する埋め込み共押出し接合層又は粘着層を有する更なるパッケージの実施形態が
図27〜
図30に示されている。これらのパッケージは、上記に述べた層及び材料のいくつかを含むことができる。同一の広がりを有する、又は実質的に同一の広がりを有する層を有することに加えて、多層フィルムの材料又は層のうちの1つ以上が残りの層と同一の広がりを有さずともよい。例えば、埋め込み共押出し接合層は、再封止可能な開口部を有する領域のみに延在してもよい。
【0186】
このフィルムパッケージ500は、前端(又は先端)及び後端(又は終端)、又は側部シール514、516、及びそれらの間のフィン又はラップシールのような長手方向シールを形成することを含む、標準的なフローパッケージプロセスを用いて構成することができる。例示的な1つのアプローチでは、パッケージ500は、必要に応じて設けられるトレーの上の上部壁522、及び上部壁522の再封止可能な開口部528を一般的に有している。パッケージ500が長手方向シールの反対側に配置された開口部528を有するのに対して、例えば
図32において下記に述べるような別の構成では、開口部はパッケージの、長手方向シールを有する側又は壁のフィルムに設けられてもよい。更に、パッケージ500は、使用者又は消費者が使用時にパッケージ500を開封し、繰り返し再封止することを可能とするパッケージ開封要素520を有してもよい。再封止可能な開封要素520は把持タブ532及びアクセスパネル524を含むことができる。
【0187】
図27に示されるフィルムパッケージ500は、埋め込み共押出し接合層544の周囲に配置された第1のフィルム層542及び第2のフィルム層546を有する多層フィルム512を含んでいる。1つのアプローチによれば、第2のフィルム層546は、剥離性を与えるために少なくとも剥離/再閉鎖層545を含んでいる(剥離/再閉鎖層は、段落「00172」において上記に述べた開放層と同様である)。更に、パッケージ500は、第1又は第2のフィルム層542、546の一方に形成された上ダイカット548及び第1又は第2のフィルム層の他方に形成された下ダイカット556を含んでいる。図に示されるように上ダイカット548と下ダイカット556とは互いから概してオフセットして、上ダイカット548と下ダイカット556とが互いに一致するアクセスパネル524の前端部501を除いて再シールマージン547、549を形成しているため、前端部はその位置において再シールマージン547、549を有していない。更に、パッケージ500は、アクセスパネル524の前端部501を覆って配置されて、フィルム512のいずれかの貫通切込み又は裂け目の周囲で第1のフィルム層542又は第2のフィルム層546の一方に接着された上再シール層537を含むことができる。一実施形態では、上再シール層537は、開封時に把持されるように構成された接着剤のない部分又はプルタブ532を有する。
【0188】
図に示されるように、上再シール層537は、消費者が上ダイカットと下ダイカットとの間の再シールマージンと共にパッケージを再封止することを可能とする別個のラベル、ステッカーなどとすることができる。
図27に示されるように、内側切込み548と外側切込み556とはアクセスパネル524の前端部501において互いに近づく方向にテーパしている。これにより、再シールマージン547、549は、前端部501において見られなくなるまで次第に細くなっている。再封止可能な開口部528を一部形成する再シールマージン547、549は、上ダイカット548と下ダイカット556とによってその一部が画定されている。再シールマージン547は、パッケージ500の残りの部分から持ち上げられる部分であり、再シールマージン549は残される部分である。アクセスパネル524はその上に再シールマージン547を含んでいる。再シール開口部528は、再シールマージン547上に露出した埋め込み共押出し接合層544に加えて、上再シール層537上の接着剤によっても再封止される。
【0189】
操作時には、上再シール層と上再シール層が接着された第1及び第2のフィルム層との間の接着強度は、第1のフィルム層と第2のフィルム層との間の内部接着強度よりも強力である。したがって、上再シール層と上再シール層が接着された第1及び第2のフィルム層との間の第1の接着強度は、剥離/再閉鎖層と埋め込み共押出し接合層との間の第2の接着強度よりも強力である。これにより、上再シール層537のプルタブ532を引っ張って上及び下ダイカットに沿ってアクセスパネル524を持ち上げることによりパッケージの開封を容易に行うことができる。
【0190】
アクセスパネル524の前縁部501は、多くの方法で形成することができる。1つのアプローチによれば、アクセスパネル524の前端部501は、上ダイカット548及び/又は下ダイカット556の少なくとも一方を埋め込み共押出し接合層内、又はこれを貫通して延ばすことによって形成される。これにより、アクセスパネル524の前端部501が多層フィルムを完全に貫通して切り込まれることにより、アクセスパネル524の前端部501に多層フィルム512の貫通切込み部分513を形成する。前端部の貫通切込み部分513は、上ダイカット548と下ダイカット556とが互いに一致するか又は重なり合う部分に通常位置する。
【0191】
別のアプローチによれば、アクセスパネル524の前端部501は、少なくとも埋め込み共押出し接合層にまで延びるが多層フィルム512を完全に貫通しては延びない上ダイカット548と下ダイカット556とによって画定されてよく、これにより、前端部501は多層フィルムに完全には切り込まれない。このような構成では、埋め込み接合層544を介した第1のフィルム層と第2のフィルム層との間の内部接着強度よりも上再シール層537の接着剤と第1又は第2のフィルム層548、556との間の接着強度がより強いことにより、パッケージ500の開封が促される。
【0192】
更に別の構成では、前端部501には、前端部501に沿った部分にミシン目が設けられてもよい。これにより、前端部501の断続的で小さな部分がフィルム512を貫通する貫通切込み部分513となるが、これらのミシン目はフィルムに不規則性を生じないように充分に小さいために、各フィルム層はミシン目の形成後、また、上再シール層537の適用前にそれらの相対的平面内に留まっている。
【0193】
更に、
図31は、パッケージ500の開封前の貫通切込み部分513を示している。上ダイカット548と下ダイカット556とが開封前に貫通切込み部分513をともに形成しない場合、多層フィルム512の全体を貫通する完全な切込み又は裂け目が最初の開封時に形成されるため、各フィルム層は
図31に示されるものと同様の貫通切込み部分を有するように見える。また、前端部501が開封前に貫通切込み部分513を有するか否かによらず、上再シール層537の接着剤と上再シール層537が接着された第1又は第2のフィルム層548、556との間の接着強度は、埋め込み接合層544を介した第1のフィルム層と第2のフィルム層との間の内部接着強度よりも強い。
【0194】
図27及び
図28に示されるように、パッケージ500は、内部空間530を形成する複数のシール514、516を含んでよく、プルタブ532を形成する上再シール層537の接着剤のない部分は、複数のシールのうちの1つに近接して位置することができる。別の構成では、パッケージは複数のシールを有し得るが、上再シール層537の接着剤のない部分又はプルタブ532は、多層フィルム537上にパッケージの上部522に向かって、複数のシールから内側に配置される。
【0195】
多層フィルム512における使用について、必要に応じて使用し得る多くのフィルム及び材料がこれまでに記載されている。例示的な一実施形態では、多層フィルム512は、ポリプロピレン、ポリエチレン、コポリマー又はポリエステルフィルム層のうちの少なくとも1つを含む上フィルム層を有する第1のフィルム層548と、剥離/再閉鎖層545及び熱シール層543を有する第2のフィルム層556とを含む。したがって、上ダイカット548を上フィルム層に形成された外側ダイカットとし、下ダイカット556を再閉鎖層545及び熱シール層543に形成された内側ダイカットとすることができる。
【0196】
1つのアプローチでは、パッケージ500は、上再シール層537をインラインで、又は変換器において適用することにより形成することができる。フィルム512に形成される切込みは、ダイカット又はレーザー切断することができる。更に、切込み、切れ目、ミシン目、及び/又は貫通切込みをインラインで又は変換器においてダイカットすることができる。本明細書に示される要素以外に、必要に応じて多くの更なるパッケージ一体化要素をパッケージに組み込むことができる。
【0197】
再封止可能な開口部528及びパッケージ開封要素をパッケージ500上に有することにより、層間剥離を生じさせてパッケージを開封するための最初の開封力が、4〜7lbf/inの力を開封に必要とするものなど、エンドシールに開口部を有する特定のパッケージと比較して低減される。これは、簡単に開封されるパッケージを求める消費者にとって特に望ましい場合がある。
【0198】
次に
図32を参照すると、パッケージ600がパッケージに配置された再封止可能な開口部628と共に示されている。本明細書に記載される他のパッケージの特定のものと同様、パッケージ600は、埋め込み共押出し接合層644の周囲に配置された第1のフィルム層642及び第2のフィルム層646を含む多層フィルム612を含んでおり、第2のフィルム層646は再封止を可能とする剥離/再閉鎖層645を含み、多層フィルム612は内容物空間を形成する少なくとも1つのパッケージシール613を有している。図に示されるように、プルタブ及びパッケージ開封要素は、フィンシール、エンドシール、ラップシール上、若しくはこれらの近くに、又はパッケージを形成する各シールの内部に配置することができる。
【0199】
1つのアプローチでは、多層フィルム612は、第1及び第2のフィルム層642、646の一方に形成された上ダイカット648及び第1及び第2のフィルム層642、646の他方に形成された下ダイカット656を有している。1つの構成では、下ダイカット656は、プルタブ632の後縁部及び開口部部分655を後に形成するタブ部分657を含む。更に、上ダイカット648と、下ダイカット656の開口部部分655とは、アクセス開口部628を部分的に形成している。更に、上ダイカット648はアクセスパネル624を形成してよく、下ダイカット656の開口部部分655はフィルムフラップ614を形成してよい。
図32に示されるように、上ダイカット648と下ダイカット656の開口部部分655とは互いにオフセットして再シールマージン647、649を形成している。更に、上ダイカット648又は下ダイカット656のタブ部分657の一方又は両方から形成された多層フィルム612の貫通切込み611により一部が画定された前縁部601を有する上ダイカット648によりアクセスパネル624が形成されている。
図32に示されるように、プルタブ632を形成する下ダイカット656のタブ部分657は、多層フィルム612の内容物空間630からパッケージシール613の外側に配置されており、下ダイカット656の開口部部分655はパッケージシール613内に配置されている。
図32に示されるように、プルタブ632はアクセスパネル624の前端部に配置されている。前縁部及び貫通切込み611は円弧状として示されているが、これらはV字形などの別の形態を有することもできる。
【0200】
上記に述べたように、上ダイカット648と下ダイカット656の開口部切込み655とは、再シールマージン647、649を部分的に形成している。再シールマージン647はパッケージ600の残りの部分から持ち上げられる部分であり、再シールマージン649は残される部分である。再シール要素620は、再封止可能な、上ダイカット648と開口部切込み655とによって一部が画定されたアクセスパネル624も含んでいる。開口部切込み655は、アクセスパネル624に沿って持ち上げられることでパッケージ開口部628を露出させるフィルムフラップ314も形成している。
【0201】
図に示されるように、プルタブ632は、パッケージの自由縁部619から所定の距離に配置された把持縁部633を有している。これにより、使用者又は消費者は2つの部分を容易に掴んで引き離すことでパッケージを開くことができる。
【0202】
図32は、パッケージシール613がラップシールを含んでもよいことを示している。かかる構成では、多層フィルム612は、ラップシール613を越えて延びることで、そこを掴んでパッケージを開封することができるプルタブ632を形成する延在したフィルムのフランジを有する。
図32は、パッケージ622の上部を形成するフィルム642の下のフィルム699の内側縁部を示している。更に別の構成では、パッケージシールは、パッケージシールを形成する多層フィルムの2つの層のオフセットした縁部を有するフィンシールであってもよい。これにより、2つの層の最外縁はオフセットすることができるため、これらの層の一方がそこを掴んでパッケージを開くことができるプルタブを含むことになる。
【0203】
多層フィルム612における使用について、必要に応じて使用し得る多くのフィルム及び材料がこれまでに記載されている。例示的な一実施形態では、多層フィルム612の第1のフィルム層642は、ポリプロピレン、ポリエチレン、コポリマー又はポリエステルフィルム層のうちの少なくとも1つを含む上フィルム層であり、第2のフィルム層646は、剥離/再閉鎖層645に加えて熱シール層を含む。したがって、上ダイカット648をポリプロピレンフィルム層に形成された外側ダイカットとし、下ダイカット655を再閉鎖層645及び熱シール層に形成された内側ダイカットとすることができる。1つのアプローチによれば、第1のフィルム層642と第2のフィルム層646とは互いに、また埋め込み共押出し接合層644と同一の広がりを有する。
【0204】
図32に示されるように、タブ部分657及び下ダイカット656の開口部部分655は互いから所定の距離に配置され、それらの間に再シールマージン647、649が配置されることでアクセス開口部628を再封止することが可能である。
図32は、シール613がそれらの間にあることを更に示しているが、シールは、シールを形成するフィルム層の間に配置されており、その一方で開封要素620はフィルム612の最上層に配置することができる。
【0205】
例示的な1つのアプローチでは、埋め込み共押出し接合層644の接着強度はエンドシール613の剥離強度よりも小さい。更に、
図32及び
図35に示されるように、エンドシール、側部シール、又は長手方向シール613、714は再シールマージンを横断してよく、最初のパッケージの開封後にパッケージの一体性を保つためには各シールの接着強度は接合層の接着強度よりも強くなければならない。これにより、これらの一次シールはその一体性を保ち、各接合層の意図された層間剥離は接合層の境界で生じることになる。
【0206】
別の構成では、パッケージ600は、アクセスパネル624の前端部を覆って配置され、第1のフィルム層又は第2のフィルム層の一方に接着された上再シール層(パッケージ500に関して上記に述べたものと同様の)を含んでもよい。
【0207】
図34は、パッケージを開封する際のアクセスパネル624の前縁部及び把持又はプルタブ632を下から示したものである。プルタブ632とフィルムフラップ614との間の露出した共押出し接合層644のために、パッケージを再封止することができる。
【0208】
プルタブ632が第2の(内側)フィルム層646の残りの部分から持ち上げられる際、穴又は開口部631がフィルム612の残りの部分に残る。使用者は、自由縁部619及び隣接する把持領域636を掴み、プルタブ632を掴んで把持領域636から引き離してパッケージ開口部628を露出させることができる。
【0209】
図35は、上記に述べたパッケージ600と同様のパッケージ700を示している。パッケージ600が長手方向シール613に配置されたプルタブ632を有しているのに対して、パッケージ700のプルタブ732はエンドシール714に隣接して配置されている。より詳細には、プルタブ732は内容物空間に対してシール714の外側に配置されている。
【0210】
多層フィルムの隣接層と同一の広がりを有する(又は略同一の広がりを有する)埋め込み共押出し接合層又は粘着層を有する別のパッケージの実施形態が
図36に示されている。パッケージ800は、埋め込み共押出し接合層844の周囲に配置された第1のフィルム層842及び第2のフィルム層846を有する多層フィルム812を含んでいる。1つのアプローチによれば、第2のフィルム層846は、再封止を可能とするための剥離/再閉鎖層845を少なくとも含む。パッケージ800は、多層フィルム812に形成された再封止可能な開口部828も含んでおり、再封止可能な開口部828には外側切込み846と内側切込み848とによって一部が画定された再シールマージン847、849が形成されている。1つのアプローチによれば、外側切込み846は、第1又は第2のフィルム層842、846の一方を貫通して少なくとも埋め込み共押出し接合層844にまで設けられ、内側切込み848は第1又は第2のフィルム層842、846の他方を貫通して少なくとも埋め込み共押出し接合層844にまで設けられている。更に、内側切込み848はパッケージ開口部828も画定しており(特定の不正開封防止機構が組み込まれている場合には複数の不連続な切込みを含み得る)、外側切込み846はパッケージ開口部の後縁部の近くからパッケージの前縁部にまで延びる2本の別個の切込みを通常は含む。
【0211】
更に、パッケージ800は、多層フィルム812に形成されたパッケージ開封要素808を含んでいる。1つのアプローチによれば、パッケージ開封要素808はパッケージシール814に隣接して配置され、また、パッケージ開封要素808は、パッケージ800の前縁部により一部が画定された把持タブ836と、これを掴んで把持タブ836から持ち上げることによってパッケージを開封するためのプルタブ834とを含む。1つのアプローチでは、プルタブ834は多層フィルム812の厚さ全体を通じた全深さ切込み855によって一部が形成される。更に、全深さ切込み855はパッケージ開封要素808の幅にわたって延在する。
図36及び
図37に示されるように、パッケージ800の前縁部811と全深さ切込み855とは互いからオフセットしている。この実施形態は、その全容を本明細書に援用するところの同時係属中の米国特許出願第14/773,016号に開示されるパッケージと同様のものである。
【0212】
図40は、フィルムに配置された内側及び外側切込み846、848、全深さすなわち貫通切込み855、及びタブ切込み850を有するフィルム812の部分を示している。タブ切込み850は後でプルタブ832の後縁部を形成することができ、全深さ切込み855はその前縁部を形成することができる。外側及び内側切込みの構成及び形状は再シールマージン547、549のオフセットした縁部を画定するだけでなく、剥離/再閉鎖層545から接合層544を層剥離させることによりパッケージを開封するのに要する初期剥離力にも影響する。初期剥離開封力は、これらに限定されるものではないが、接合層544と剥離/再閉鎖層545との接着力、多層フィルム512の剛性及び/又は引き裂き抵抗、多層フィルム構造中の接合層544の位置、これらの多層フィルムの配向度、及びダイ又はレーザー切断パターンの設計を含む多くの因子によって規定される。他の構成では、外側切込み846’(例えば、
図40を参照)は、プルタブの近くでより厚い、又はより広い開口部領域又はマージンを有することにより、アクセスパネルはプルタブの近くで大幅に広い肩部の構成を有し、アクセスパネルはこの位置でより幅広くなっている(幅yにより示される)。これにより、パッケージを開封するために必要とされる初期層間剥離力に応じて、パッケージを開封するとパッケージ開封機構が剥離して開く代わりに機械方向に沿ってフィルムに裂け目が生じる場合がある。
図40に参照符号846で示される改良された外側切込みの設計はより狭い肩部(幅xにより示される)を有しており、これにより、切れ目間の幅又は距離が比較的徐々に大きくなることでフィルムの裂けが防止されることからフィルムが切れ目のパターンに沿ってより簡単かつ高い信頼性で剥離して開くことが可能である。これにより、外側切込み846は、プルタブからの距離が大きくなるにしたがって、徐々に広がる、すなわち互いから離れる部分を有することの利点を得ることができる。例示的な1つの例では、外側切込み846の各辺同士は、図に示されるようにプルタブ及びアクセスパネルの最初の1インチにおいて約2インチよりも小さい間隔となっている。
【0213】
更に、外側切込み846はプルタブに隣接した開口部の肩部において狭い、すなわち尖った隅を有していない。したがって、上又は外側切込みは、パッケージが開封され、プルタブ832が上に引かれる際に上又は外側切込みの第1の辺と第2の辺との間の距離が互いから急激に離れない、比較的狭い、又は傾斜した肩部を有する湾曲部分を有するように構成された第1及び第2の辺を有することができる(
図40の切込み846により示される)。例示的な1つのアプローチでは、プルタブに隣接した外側切込み846は、曲率半径が約0.75インチ以上であるわずかに円弧状をなした形態を有する。同様に、プルタブの近くの肩部において切込みに接する接線の角度は通常、肩部に対して35°を上回らない。1つのアプローチによれば、プルタブに隣接した切込みは0.75インチよりも大きい曲率半径を有し、これらの切込みに対する接線の角度は35°未満である。
【0214】
別の構成が
図41に示されており、内側ダイカット919によって形成された内側フィルム区画、島状要素、又はタブ929を更に含んでいる。タブ929は初期の開封操作中の中断点を与え、したがって、タブ929はパッケージを開封するために必要とされる初期層間剥離力又は剥離力を低下させる。これらの島状要素、区画又はタブ929は、顧客が最初の開封後に再び位置合わせすることを困難とする不規則な、又は不均一な形状を一般的に有し、これによりパッケージの一体的機能を与える。区画929を形成する内側ダイカット919は、やはり内側ダイカットが配置された第1及び第2のフィルム層に配置された内側ループカットにより形成されている。
図44及び
図45は、
図41のフィルム912の異なる断面、及び内側ダイカット948、919及び外側ダイカット946の位置を示している。
【0215】
図46は、内側及び外側切込み1048、1046を有するフィルムウェブ1012を更に示しており、貫通切込み1055及びタブ切込み1055(内側フィルム層の)が、パッケージ及びシールバー又はジョー1014、1016の前縁部及び後縁部を形成する分離切込み1001に対して配置される部分を更に示している。
【0216】
図47〜
図49は、パッケージ800について述べたものと同様のパッケージ開封要素を有するパッケージとして形成することができるフィルムウェブの異なる構成を示す同様のフィルムウェブ1112、1212、1312を示している。
【0217】
図46に示される1つのアプローチによれば、多層フィルム1012の全深さ切込み1055は、隣接したパッケージのエンドシール1014、1016間に配置することができ、パッケージの前縁部を形成する分離切込み1011が全深さ切込み1055の一部と交差している。全深さ切込み1055は前縁部1011と同一の広がりを有していないが、代わりに前縁部1011の最前部から所定の距離に配置されている。図に示されるように、パッケージの前縁部を形成する分離切込み1011は、パッケージ開封要素の一部を形成する球状中心部を有している。これにより、後で形成される把持タブとプルタブとが互いにオフセットすることにより、把持タブ及びプルタブの縁部同士は互いに一致しない。
【0218】
図41及び
図47〜
図49に示されるように、フィルムウェブは、パッケージ開口部を形成する内側フィルム層の内側切込み以外に内側フィルム層にタブ切込み(又は一組のタブ切込み)を有することができる。タブ切込みは、パッケージ開封要素に隣接したパッケージシールに部分的に配置されるプルタブの後縁部を形成することができる。
【0219】
本明細書に述べられるフィルム及び材料に含めるのに適した更なる切込みが、本明細書にその全容を援用するところの同時係属中の米国特許出願第13/300,317号に開示されている。
【0220】
いくつかの更なる切込みについて、例示的な選択肢として本明細書に述べ、図面に示すこととする。
図50は、隣接するパッケージ同士を分離することによってパッケージの前縁部を形成するナイフのような構成の一部を示す。
図50に示される分離切込みの構成1000は、分離切込みを形成し、それにより隣接するパッケージの前縁部及び後縁部を形成するナイフ又はダイの部分のみを示すために簡略化して示されている。
図51〜
図54は、プルタブの後縁部を形成することができる複数のタブ切れ目1550、1650、1750、及び1850を示している。
図53及び
図54は、フィルムの位置合わせのわずかなばらつきを可能とする複数の繰り返す裂け目切込みを有している。更に、
図54は、パッケージ開封時に不正開封インジケータを与えることができる区画を後で形成するダイカット1819を更に含んでいる。
【0221】
図55は、再封止可能な開封要素及びパッケージを形成する助けとなる異なる要素を有する、パッケージに形成することができるフィルム1912の部分を示している。このフィルム1912の部分図は、各要素の相対的な配置を示すためにいくつかの要素を重点的に示している。図に示されるように、前縁部ナイフ切込み1900は、後端エンドシール1916と前端エンドシール1916との間に配置されている。フィルム1912は、後でプルタブの後縁部を形成する複数のタブ切れ目1750、及びタブ切込み1750の一部のものを少なくとも部分的に囲んで配置された外周切れ目1500も含んでいる。外周切れ目1500は、フィルム1912内の裂け目の伝播の制御を助け、消費者により簡単なパッケージの開封体験を与えることができる。タブ切れ目1750及び外周切れ目1550以外に、フィルム1912は後でパッケージ開口部を部分的に画定するフィルム1912の内側層の内側切れ目1948も含んでいる。
【0222】
図56に示される別のフィルム部分2012では、分離切込み2000がエンドシール2014、2016間に配置され、外周切込み2050が分離切込み2000の1つの部分から分離切込みの別の部分にまで延びているが、タブ切れ目は配置されていない。外周切込み2050以外に、内側フィルム層には開口部切れ目2048が形成されている。
図56には、パッケージの残りの部分から持ち上げられて内側切込み2048によって更に画定された開口部を露出させる再封止可能なパネルを後で形成するフィルム2012の部分を通じて配置された外側切込み2046も示されている。
【0223】
図57はまた、分離切込み2100がエンドシール2114、2116間に形成される位置を示す、フィルム2112の部分を示している。更に、外周切れ目2150は後で形成されるプルタブの後縁部を画定するように構成されている。更に、上記に述べた実施形態と同様、フィルム2112は内側及び外側切込み2146、2148をそれぞれ有する内側及び外側フィルム層を含んでいる。接合層及び接合層に隣接した剥離/再閉鎖層を有することにより、内側及び外側切込み2146、2148によってフィルム2112に再封止可能な開口部が形成される。
【0224】
図58に示される更に別の構成では、フィルム2212はタブ切れ目2251及び外周切れ目2250を有している。更に、切込み(分離切込み1000を含む)の相対的位置がエンドシール2214、2216に対して示されている。
【0225】
当業者は、上記の実施形態に対して幅広い種類の修正、変更、及び組み合わせが行われ得ること、並びにそのような修正、変更、及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると見なされるものであることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載される構成及び概念は、袋、パウチ、及びフローパックの構造に適用され得る。より一般的には、本明細書に記載される構成及び概念は、任意の可撓性封止材又はパッケージに利用することができる。加えて、本明細書に開示されるいくつかのフィルム及び開封構成は、積層体フィルムを使用すると記載されたが、当業者はこれらの構成が必要に応じて非積層体フィルムに適用され得ることを理解するだろう。更に、いくつかのフィルムは、ヒートシールに適していると本明細書に記載されるが、本明細書に記載されるフィルムのいずれも食品パッケージ用途のコールドシールでコーティングされ得ることを理解するだろう。加えて、当業者は、図中の要素が単純及び明確にするために示され、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解するだろう。例えば、断面図などの図中の要素の一部の寸法及び/又は相対的位置決めは、本発明の種々の実施形態の理解を高めるのを補助するために、他の要素に対して誇大される場合がある。