(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態のレーザ光照射検出装置、レーザ光照射検出方法、レーザ光照射検出システムについて、添付図面を参照して説明する。本実施形態においては、レーザ光が照射される対象物を飛行機のコックピット前面のウィンドシールドまたはコックピットウィンドである場合を例とする。以下、ウィンドシールド等とは、ウィンドシールドとコックピットウィンドとの少なくとも一方を含むものとする。
【0011】
図1において、レーザ光照射検出システムは、一例として、レーザ光照射検出装置10A,10B,10Cと、システム制御装置20と、モニタ21とを備える。レーザ光照射検出装置10A〜10Cをレーザ光照射検出装置10と総称する。
【0012】
レーザ光照射検出装置10Aは、ビデオカメラ1aと、前面にバンドパスフィルタ3aが装着されたビデオカメラ2aと、制御部4aと、モニタ5aと、メモリ6aとを備える。レーザ光照射検出装置10Bは、ビデオカメラ1bと、前面にバンドパスフィルタ3bが装着されたビデオカメラ2bと、制御部4bと、モニタ5bと、メモリ6bとを備える。
【0013】
レーザ光照射検出装置10Cは、ビデオカメラ1cと、前面にバンドパスフィルタ3cが装着されたビデオカメラ2cと、制御部4cと、モニタ5cと、メモリ6cとを備える。
【0014】
ビデオカメラ1a,1b,1cをビデオカメラ1と総称し、ビデオカメラ2a,2b,2cをビデオカメラ2と総称する。バンドパスフィルタ3a,3b,3cをバンドパスフィルタ3と総称する。制御部4a,4b,4cを制御部4と総称し、モニタ5a,5b,5cをモニタ5と総称する。メモリ6a,6b,6cをメモリ6と総称する。
【0015】
ビデオカメラ1及び2は可視光領域を撮影可能な通常のビデオカメラであり、市販されている民生用のビデオカメラであってもよいし、業務用のビデオカメラであってもよい。ビデオカメラ1とビデオカメラ2とは同期して動作しており、互いに同じ被写体を同じ画角で撮影する。
【0016】
図2に示すように、概略的には、ビデオカメラ1はレンズ及び撮像素子を含む撮像部111と、撮像部111より出力された撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像信号処理回路112と、映像信号V1を外部に出力する映像出力端子113を有する。同様に、ビデオカメラ2は、撮像部211と、撮像部211より出力された撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像信号処理回路212と、映像信号V2を外部に出力する映像出力端子213を有する。
【0017】
ビデオカメラ1とビデオカメラ2とは同じ構成であり、ビデオカメラ2のレンズの前面にはバンドパスフィルタ3が装着されている。撮像部111はバンドパスフィルタ3を通過していない被写体からの光を撮像し、撮像部211はバンドパスフィルタ3を通過した光を撮像する。被写体からの光とは被写体からの反射光であり、レーザ光源から射出されたレーザ光を含むことがある。制御部4には、映像出力端子113及び213より出力された映像信号V1及びV2が供給される。
【0018】
バンドパスフィルタ3は、被写体からの光のうち、検出の対象としているレーザ光が有する色の波長域を含む所定の帯域の光を通過させ、他の帯域の光を減衰させる。飛行機のコックピットのウィンドシールド等に悪戯で照射されるレーザ光としては、緑色のレーザ光が多い。そこで、バンドパスフィルタ3は、緑色の波長域を含む帯域の光を通過させるフィルタとするのがよい。
【0019】
赤色のレーザ光を検出の対象とする場合には、バンドパスフィルタ3を赤色の波長域を含む帯域の光を通過させるフィルタとすればよい。バンドパスフィルタ3を緑色及び赤色の波長域を含む帯域の光を通過させるフィルタとしてもよい。
【0020】
制御部4はマイクロプロセッサで構成することができる。制御部4及びメモリ6はマイクロコンピュータであってもよく、制御部4は中央処理装置(CPU)であってもよい。モニタ5は、映像信号V1または後述する合成映像信号V12に基づく画像を表示する例えば液晶パネルである。レーザ光照射検出装置10はモニタ5を備えなくてもよい。
【0021】
メモリ6には画像処理プログラムが記憶されており、制御部4は画像処理プログラムを実行する。メモリ6は、制御部4が画像処理プログラムを実行することによって生成される後述する画像データを記憶する。
【0022】
システム制御装置20は、パーソナルコンピュータによって構成することができる。システム制御装置20は、レーザ光照射検出装置10A〜10Cを制御する。システム制御装置20には、制御部4より後述する各種の情報が入力され、メモリ6より画像データ(合成映像信号V12)が入力される。
【0023】
モニタ21は、システム制御装置20に入力された画像データに基づく画像を表示する。
図3Aに示すように、モニタ21は、モニタ21a,21b,21cよりなるマルチモニタで構成されていてもよい。
【0024】
この場合、モニタ21aは、レーザ光照射検出装置10Aより出力された画像データに基づく画像ImAを表示する。モニタ21bは、レーザ光照射検出装置10Bより出力された画像データに基づく画像ImBを表示する。モニタ21cは、レーザ光照射検出装置10Cより出力された画像データに基づく画像ImCを表示する。
【0025】
図3Bに示すように、モニタ21は、システム制御装置20がレーザ光照射検出装置10A〜10Cからの画像データを合成した合成画像データに基づく画像を表示する単一のモニタであってもよい。本実施形態においては、モニタ21は、
図3Aに示すモニタ21a〜21cで構成されているとする。
【0026】
図4に示すように、レーザ光照射検出装置10A〜10Cは、一例として、飛行機500のコックピット501内に、ビデオカメラ1及び2が、ウィンドシールド502の前方を撮影するように配置されている。ここでは便宜的に、ウィンドシールドとコックピットウィンドとの全体をウィンドシールド502と称している。レーザ光照射検出装置10A〜10Cは、ビデオカメラ1及び2が撮影する範囲をずらしてウィンドシールド502の前方の視野のほぼ全体を撮影するように配置されている。
【0027】
システム制御装置20及びモニタ21は、コックピット501内のいずれかの位置に配置されていてもよいし、コックピット501の外部に配置されていてもよい。レーザ光照射検出装置10とシステム制御装置20とは有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。
【0028】
図5を用いて、制御部4が画像処理プログラムを実行したときの、制御部4の機能的な内部構成例を説明する。制御部4は、画像データ書き込み・読み出し制御部41と、画像合成部42と、検出部43と、位置・方向情報生成部47とを有する。検出部43は、ヒストグラム生成部44と、光線軌跡検出部45と、判定部46とを含む。
【0029】
画像データ書き込み・読み出し制御部41は、メモリ6に書き込みまたは読み出し制御信号SCTLを供給し、映像信号V1及びV2をメモリ6に書き込み、メモリ6から映像信号V1及びV2を読み出す。画像合成部42は、メモリ6から読み出された映像信号V1及びV2を合成して合成映像信号V12を生成する。
【0030】
合成映像信号V12は、メモリ6に画像データとして書き込まれる。メモリ6から読み出された合成映像信号V12は、システム制御装置20に供給される。
【0031】
図6に示すように、ヒストグラム生成部44は、撮像部211より出力された撮像信号に基づいて生成された映像信号V2の輝度レベルごとの度数を解析してヒストグラムを生成する。
図6に示すヒストグラムは、高輝度側の特定の輝度レベルに度数が突出するピーク440が存在する。ヒストグラムは判定部46に供給される。
【0032】
光線軌跡検出部45は、映像信号V2のフレーム内に直線状の光線の軌跡が存在するか否かを検出する。
図7において、フレームF2内には直線状の光線の軌跡450が存在している。軌跡450のうち破線で示す部分は、光線の進行方向先端側であり、レーザ光源に近い側と比較して輝度が小さくなっていることを示している。
【0033】
光線軌跡検出部45は、軌跡450上の任意の3つの輝点Pa,Pb,Pcが、a,b,cを定数、x,yを変数として、ax+by+c=0を満たせば、軌跡450は直線であると判定する。光線軌跡検出部45は、この判定結果に基づいて、フレームF2内に直線状の光線の軌跡が存在するか否かを検出することができる。
【0034】
判定部46は、ヒストグラムの特定の輝度レベルにピークが存在し、かつ、フレームF2内に直線状の光線の軌跡が存在すると判定すれば、軌跡はレーザ光の照射により形成された光線の軌跡であり、ウィンドシールド502にレーザ光が照射されたと判定する。
【0035】
判定部46によってウィンドシールド502にレーザ光が照射されたと判定されれば、位置・方向情報生成部47は、次のようにして、レーザ光の射出位置を示す射出位置情報または射出位置の方向を示す射出位置方向情報を生成する。位置・方向情報生成部47は、射出位置検出部及び射出位置方向推定部として動作する。
【0036】
図8は、レーザ光の射出位置(即ち、レーザ光源の位置)がビデオカメラ2の画角内に存在している場合を示している。
図8に示す例では、フレームF2の内部にレーザ光の軌跡450の第1の端部451と第2の端部452が位置している。第2の端部452は、フレームF2の内部に位置せず、フレームF2の端部に位置していてもよい。
【0037】
位置・方向情報生成部47は、軌跡450が第1の端部451側から第2の端部452側へと輝度レベルが小さくなっていき、かつ、第1の端部451がフレームF2の内部に存在するという条件を満たすときに、第1の端部451をレーザ光の射出位置であると検出する。位置・方向情報生成部47は、レーザ光の射出位置情報を生成して出力する。
【0038】
レーザ光源を所持している人は、レーザ光源を振ることがある。従って、第1の端部451側の輝点がほとんど動かない一方で、第2の端部452側の輝点が円弧状に動くことがある。位置・方向情報生成部47は、上記の条件に加えて、第2の端部452側の輝点が円弧状に動くという条件を満たすときに、第1の端部451をレーザ光の射出位置であると検出してもよい。このようにすると、レーザ光の射出位置の検出精度を向上させることができる。
【0039】
図9は、レーザ光の射出位置がビデオカメラ2の画角内に存在していない場合を示している。
図9に示す例では、第1の端部451がフレームF2の左端部FLeに位置し、第2の端部452がフレームF2の下端部FBeに位置している。第2の端部452は、フレームF2の内部に位置していてもよい。
【0040】
位置・方向情報生成部47は、軌跡450が第1の端部451側から第2の端部452側へと輝度レベルが小さくなっていき、かつ、第1の端部451がフレームF2の端部に位置するという条件を満たすときに、軌跡450を第1の端部451よりも外側に延長した方向にレーザ光の射出位置が存在すると推定する。位置・方向情報生成部47は、レーザ光の射出位置方向情報を生成して出力する。
【0041】
図8と同様に、レーザ光源を所持している人がレーザ光源を振ると、第1の端部451側の輝点が円弧状に小さくしか動かない一方で、第2の端部452側の輝点は円弧状に大きく動く。
【0042】
位置・方向情報生成部47は、上記の条件に加えて、第1の端部451側の輝点よりも第2の端部452側の輝点が円弧状に大きく動くという条件を満たすときに、軌跡450を第1の端部451よりも外側に延長した方向にレーザ光の射出位置が存在すると推定してもよい。このようにすると、レーザ光の射出位置方向の推定精度を向上させることができる。
【0043】
図10は、画像合成部42が映像信号V1のフレームF1と映像信号V2のフレームF2とを合成することによって生成される合成映像信号V12の合成フレームF12を概念的に示している。フレームF1は、ビデオカメラ1が撮影した飛行場の通常の景色を示す。
【0044】
フレームF2は、ビデオカメラ2がバンドパスフィルタ3を通過した光を撮像することによって、レーザ光による軌跡450が明確に撮影された状態の景色を示す。フレームF2は、バンドパスフィルタ3の通過帯域以外の帯域の光が減衰されているから、レーザ光の射出位置(第1の端部451)または射出位置方向が景色内のどこに位置するのかが判別しにくい。
【0045】
画像合成部42が合成画像である合成フレームF12を生成することによって、ビデオカメラ1が撮影した通常の景色にレーザ光による軌跡450を重畳させることができる。監視者は、モニタ21に表示される合成フレームF12を見ることによって、レーザ光の射出位置または射出位置方向が景色内のどこに位置するのかを容易に判別することができる。
【0046】
図11に示すフローチャートを用いて、レーザ光照射検出装置10の動作及びレーザ光照射検出方法によって実行される処理を説明する。
図11において、レーザ光照射検出装置10(制御部4)は、レーザ光照射検出の処理が開始されると、ステップS1にて、レーザ光の軌跡450が検出されたか否かを判定する。レーザ光の軌跡450が検出されなければ(NO)、レーザ光照射検出装置10はステップS1の処理を繰り返す。
【0047】
レーザ光の軌跡450が検出されれば(YES)、レーザ光照射検出装置10は、ステップS2にて、画角内にレーザ光の射出位置が存在するか否かを判定する。画角内にレーザ光の射出位置が存在すれば(YES)、レーザ光照射検出装置10は、ステップS3にて、射出位置情報をシステム制御装置20に送信して、処理をステップS6に移行させる。
【0048】
ステップS2にて画角内にレーザ光の射出位置が存在しなければ(NO)、レーザ光照射検出装置10は、ステップS4にて、レーザ光の射出位置の方向が推定できたか否かを判定する。レーザ光の射出位置の方向が推定できれば(YES)、レーザ光照射検出装置10は、ステップS5にて、射出位置方向情報をシステム制御装置20に送信して、処理をステップS6に移行させる。レーザ光の射出位置の方向が推定できなければ(NO)、レーザ光照射検出装置10は、処理をステップS6に移行させる。
【0049】
レーザ光照射検出装置10は、ステップS6にて、レーザ光照射検出処理の終了が指示されたか否かを判定する。レーザ光照射検出処理の終了が指示されなければ(NO)、レーザ光照射検出装置10は処理をステップS1に戻し、ステップS1〜S6の処理を繰り返す。レーザ光照射検出処理の終了が指示されれば(YES)、レーザ光照射検出装置10は処理を終了させる。
【0050】
図12に示すフローチャートを用いて、システム制御装置20の動作を説明する。
図12において、システム制御装置20は、レーザ光照射検出結果の表示処理が開始されると、ステップS11にて、レーザ光照射検出装置10Aから射出位置情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Aから射出位置情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS12にて、モニタ21aに射出位置を示すアイコン(識別画像)を表示させ、処理をステップS15に移行させる。
【0051】
ステップS11にてレーザ光照射検出装置10Aから射出位置情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は、ステップS13にて、レーザ光照射検出装置10Aから射出位置方向情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Aから射出位置方向情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS14にて、モニタ21aに射出位置方向を示すアイコンを表示させ、処理をステップS15に移行させる。
【0052】
ステップS13にてレーザ光照射検出装置10Aから射出位置方向情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は処理をステップS15に移行させる。
【0053】
システム制御装置20は、ステップS15にて、レーザ光照射検出装置10Bから射出位置情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Bから射出位置情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS16にて、モニタ21bに射出位置を示すアイコンを表示させ、処理をステップS19に移行させる。
【0054】
ステップS15にてレーザ光照射検出装置10Bから射出位置情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は、ステップS17にて、レーザ光照射検出装置10Bから射出位置方向情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Bから射出位置方向情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS18にて、モニタ21bに射出位置方向を示すアイコンを表示させ、処理をステップS19に移行させる。
【0055】
ステップS17にてレーザ光照射検出装置10Bから射出位置方向情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は処理をステップS19に移行させる。
【0056】
システム制御装置20は、ステップS19にて、レーザ光照射検出装置10Cから射出位置情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Cから射出位置情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS20にて、モニタ21cに射出位置を示すアイコンを表示させ、処理をステップS23に移行させる。
【0057】
ステップS19にてレーザ光照射検出装置10Cから射出位置情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は、ステップS21にて、レーザ光照射検出装置10Cから射出位置方向情報を受信したか否かを判定する。レーザ光照射検出装置10Cから射出位置方向情報を受信すれば(YES)、システム制御装置20は、ステップS22にて、モニタ21cに射出位置方向を示すアイコンを表示させ、処理をステップS23に移行させる。
【0058】
ステップS21にてレーザ光照射検出装置10Cから射出位置方向情報を受信しなければ(NO)、システム制御装置20は処理をステップS23に移行させる。
【0059】
システム制御装置20は、ステップS23にて、レーザ光照射検出結果の表示処理の終了が指示されたか否かを判定する。表示処理の終了が指示されなければ(NO)、システム制御装置20は、処理をステップS11に戻し、ステップS11〜S23の処理を繰り返す。表示処理の終了が指示されれば(YES)、システム制御装置20は、処理を終了させる。
【0060】
図13は、一例として、レーザ光照射検出装置10Bが
図11に示す処理によって画角内にレーザ光の射出位置が存在することを検出し、システム制御装置20が
図12に示す処理によってモニタ21bに射出位置を示すアイコン471を表示させた状態を示している。ここでは簡略化のため、景色の図示を省略している。
【0061】
図13においては、レーザ光の射出位置である第1の端部451に円形のアイコン471を重ねて表示した例を示している。アイコン471は円形に限定されることはなく、第1の端部451とは重ならないようにアイコン471を表示してもよい。
【0062】
図14は、一例として、レーザ光照射検出装置10Aが
図11に示す処理によって画角内にレーザ光の射出位置が存在しないもののレーザ光の軌跡450が存在することを検出し、システム制御装置20が
図12に示す処理によってモニタ21aに射出位置方向を示すアイコン472を表示させた状態を示している。ここでも簡略化のため、景色の図示を省略している。
【0063】
図14においては、第1の端部451がフレームF2の左端部FLeに位置しているため、軌跡450を第1の端部451よりも左側に延長した方向にレーザ光の射出位置が存在すると推定することができる。
図14に示す例では、システム制御装置20は、軌跡450を左側に延長した方向を向く矢印をアイコン472としている。アイコン472は矢印に限定されない。
【0064】
システム制御装置20は、軌跡450の傾きを検出することができるから、アイコン472の傾きを軌跡450の傾きに合わせて表示することができる。
【0065】
以上のようにして、本実施形態のレーザ光照射検出装置、レーザ光照射検出方法、レーザ光照射検出システムによれば、飛行機のコックピットのウィンドシールド等の所定の対象物にレーザ光が照射された状態であることを検出することができる。また、本実施形態のレーザ光照射検出装置、レーザ光照射検出方法、レーザ光照射検出システムによれば、レーザ光の射出位置または射出位置方向を検出することができる。
【0066】
本実施形態のレーザ光照射検出システムによれば、監視者は、レーザ光の射出位置または射出位置方向をモニタ21に表示される画像によって容易に認識することができる。
【0067】
図1に示す構成例においては、既存のビデオカメラ1及び2を利用してレーザ光照射検出装置10を構成しているいが、ビデオカメラ内部の構成を改良することによってレーザ光照射検出装置としてもよい。
【0068】
図15に示すビデオカメラ100はレーザ光照射検出装置を構成する。
図15において、被写体からの光は1または複数のレンズ101を介して撮像素子102に入射されて撮像される。映像信号処理回路103は、撮像素子102からの撮像信号に基づいて映像信号V1を生成する。
【0069】
また、被写体からの光はバンドパスフィルタ104、及び、1または複数のレンズ105を介して撮像素子106に入射されて撮像される。バンドパスフィルタ104は、バンドパスフィルタ3と同様に、被写体からの光のうち、検出の対象としているレーザ光が有する色の波長域を含む所定の帯域の光を通過させ、他の帯域の光を減衰させる。映像信号処理回路107は、撮像素子106からの撮像信号に基づいて映像信号V2を生成する。
【0070】
制御部108、モニタ109、メモリ110の動作は、制御部4、モニタ5、メモリ6と同様である。モニタ109は省略可能である。
【0071】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本実施形態においては、制御部4が画像処理プログラムを実行することによって、映像信号V2のヒストグラムを生成し、直線状の光線の軌跡の存在を検出し、対象物にレーザ光が照射されたか否かを判定している。これらの動作を実行する構成をハードウェアで実現してもよい。
【0072】
レーザ光照射検出装置10またはレーザ光照射検出システムの構成におけるハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。
【0073】
レーザ光の照射を検出する対象物は飛行機のコックピットのウィンドシールド等に限定されることはなく、対象物は自動車、スポーツをしている選手等、任意である。本実施形態においては、3つのレーザ光照射検出装置10を用いているが、レーザ光の照射を検出する対象物の範囲に応じて適宜の数のレーザ光照射検出装置10を用いればよい。所定の点を中心として360度の範囲を監視するようにレーザ光照射検出装置10を配置してもよい。