(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記録制御部は、前記イベントの検出時から予め設定された期間を遡った時点における所定期間における前記車両の前方又は後方を走行する車両との車間距離の平均値が予め設定された距離未満の場合は、前記車間距離が予め設定された距離以上の場合よりも、前記イベントの検出時より遡る期間である第1期間を長く設定する、
請求項1に記載の記録制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかる記録装置100の構成例について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる記録装置100の機能ブロック図である。記録装置100は、例えば車両に搭載されるドライブレコーダとして用いられる。記録装置100は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって動作するコンピュータ装置など、様々な形態の装置として実現可能である。例えば、車両に後付けまたは可搬可能なドライブレコーダなど本発明の機能を実現可能な記録装置100、車両に予め装着されている単体または他の装置の機能として実現可能な記録装置100などである。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、もしくはCPU(Central Processing Unit)である。メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであって、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、以降の図面を用いて説明される処理をコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0013】
記録装置100は、記録制御装置110、カメラ120、マイクロフォン130、記録部140、センサ150、表示部160及びスピーカ170を備えている。記録制御装置110は、外部機器101と接続している。記録制御装置110と、カメラ120、マイクロフォン130、記録部140、センサ150、表示部160、スピーカ170及び外部機器101とは、所定のケーブル等を用いて直接接続されてもよく、車内ネットワークであるCAN(Controller Area Network)を介して接続されてもよい。
【0014】
外部機器101は、走行情報を生成し、記録制御装置110の有する走行情報取得部114に出力する。外部機器101は、例えば、車両に設けられた車速センサや、車間距離を測定する測距センサ、カーナビゲーションシステム等であって、これらの一部又は全部をまとめて外部機器101と称してもよい。走行情報は、例えば、車両の速度情報を含む。また、走行情報は、車両の位置情報等を含んでいてもよい。また、走行情報は、車両が走行している道路の種別である走行路種別を含んでいてもよい。さらに、走行情報は、車両の前方又は後方を走行する別の車両との車間距離を含んでいてもよい。
【0015】
カメラ120は、車両外を撮影した映像データを生成する。例えば、カメラ120は、車両外の前方のみを撮影する1台のカメラであってもよく、車両外の前方及び後方を撮影する2台のカメラであってもよい。さらに、カメラ120は、車両外及び車両内を撮影する2台のカメラであってもよい。また、車両外および車両内を撮影するカメラは、周囲360度を撮影可能な全周カメラであってもよい。
【0016】
マイクロフォン130は、車両内又は車両外の音声を収集して音声データを生成する。
【0017】
記録部140は、少なくとも映像データを含む撮影ファイルを記録する。撮影ファイルには、音声データが含まれていてもよい。記録部140は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、カード型メモリ等のハードウェアによって構成されている。記録部140は、通常記録部141と、イベント記録部142とを有している。通常記録部141及びイベント記録部142は、記録部140内にアドレスの異なるメモリ領域として構成されてもよく、異なるハードウェアとして構成されてもよい。また、記録部140内に記録された撮影データのヘッダやペイロード等に書き込まれた情報に基づく仮想アドレス又はフラグのことを、通常記録部141及びイベント記録部142と称してもよい。また、記録部140は、図示しない通信機能によって撮影データが送信される、外部の記録装置であってもよい。
【0018】
センサ150は、例えば、加速度センサであり、車両の前後方向、左右方向又は上下方向の速度変化すなわち加速度を検知する。つまり、センサ150は、記録装置100を搭載した車両が事故を起こした場合又は事故に巻き込まれた場合に発生する衝撃等により発生する加速度を検知する。また、センサ150は、車両の速度を検知してもよい。
【0019】
表示部160は、記録部140に記録された映像データを再生するディスプレイである。スピーカ170は、記録部140に記録された音声データを再生する。スピーカ170は、図示しない音声増幅部や音声処理部を含み、スピーカ170と記載した場合であってもこれらを含む。
【0020】
続いて、記録制御装置110の構成例について説明する。記録制御装置110は、撮影データ取得部111、バッファメモリ112、映像処理部113、走行情報取得部114、イベント検出部115、記録制御部116及び再生制御部117を備える。記録制御装置110を構成する各構成要素は、例えば、メモリに格納されたソフトウェアである。また、記録制御装置110を構成する各構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。また、記録制御装置110を構成する各構成要素は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであってもよい。
【0021】
撮影データ取得部111は、カメラ120において生成された映像データ及びマイクロフォン130において生成された音声データを取得する。映像データ及び音声データを含むデータは、撮影データと称されてもよい。撮影データ取得部111は、映像データ取得部と、音声データ取得部とが含まれているということができる。すなわち、撮影データ取得部111は、カメラ120及びマイクロフォン130から撮影データを取得する。映像データは、例えば、H.264もしくはH.265等の方式を用いて生成される。また、音声データは、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)方式等を用いて生成されてもよく、映像データ及び音声データを含んだ動画像データである撮影データは、MPEG(Moving Picture Experts Group)2−TS(Transport Stream)またはAVI(Audio Video Interleave)等を用いて生成されてもよい。撮影データ取得部111は、映像データ及び音声データを含む撮影データをバッファメモリ112へ出力する。
【0022】
バッファメモリ112は、撮影データ取得部111が出力した撮影データを一時的に記憶する。バッファメモリ112は、記録制御装置110内に内蔵される内蔵メモリと称されてもよい。一時的に記憶するとは、例えば、バッファメモリ112が予め設定された期間を経過した撮影データを消去することであってもよい。又は、一時的に記憶するとは、撮影データ取得部111から出力されるデータを、バッファメモリ112内のデータに上書きして記憶することであってもよい。又は、一時的に記憶するとは、バッファメモリ112が、撮影データ取得部111から出力された撮影データを映像処理部113へ出力した場合に、出力した撮影データを消去することであってもよい。バッファメモリ112は、一時的に記憶した撮影データを映像処理部113へ出力する。
【0023】
映像処理部113は、記録制御部116の指示を受け、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理して撮影ファイルを生成し、記録部140へ出力する。すなわち、映像処理部113は、例えば、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された時間の撮影ファイルを生成してもよい。また、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された画角の撮影ファイルを生成してもよい。また、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された時間又は予め設定された画角の撮影データを生成し、ファイル名称等のヘッダ情報等を付加して、撮影ファイルを生成してもよい。さらに、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、撮影データのノイズ除去や歪み補正等を行ってもよく、撮影データに時刻情報、車両の速度情報又は車両の位置情報などを表示した撮影データを生成してもよい。
【0024】
走行情報取得部114は、外部機器101等から出力された走行情報を取得して記録制御部116へ出力する。走行情報取得部114は、例えば、予め設定された期間ごとに走行情報を取得する。走行情報取得部114が取得する走行情報は、外部機器101に限らず、記録装置100に含まれるセンサ等から取得してもよい。
【0025】
イベント検出部115は、センサ150から出力された情報を用いてイベント発生を検出する。例えば、加速度センサとして動作するセンサ150において検出した衝撃レベルが予め設定された値を超えている場合に、イベント検出部115は、急ブレーキ、危険運転又は交通事故等のイベントが発生したことを検出する。衝撃レベルが予め設定された値を超えるとは、加速度が予め設定された値を超えると言い換えられてもよい。イベント検出部115は、イベントの発生を検出した場合、イベントが発生したことを示す情報を記録制御部116へ出力する。イベントが発生したことを示す情報には、イベントが発生した時刻が含まれてもよい。さらに、イベントが発生したことを示す情報には、イベントが発生した時刻から予め設定された期間を遡った時点から、イベントが発生した時刻までの加速度の値等が含まれてもよい。
【0026】
記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、映像処理部113にイベント検出部115が検出するイベントに起因しない撮影ファイル(以下、通常撮影ファイルと称する)を生成させる。そして、記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、生成した通常撮影ファイルを記録部140へ出力させる。また、記録制御部116は、走行情報取得部114が出力する走行情報及びイベント検出部115が出力する情報を受けて、映像処理部113に指示を送り、映像処理部113にイベントに起因した撮影ファイル(以下、イベント撮影ファイルと称する)を生成させる。そして、記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、生成したイベント撮影ファイルを記録部140へ出力させる。記録制御部116は、例えば、撮影ファイルを生成するためのヘッダ情報として、ファイル名称やファイル種別情報等を映像処理部113へ出力してもよい。また、記録制御部116は、撮影ファイルの開始時刻及び終了時刻を決定し、映像処理部113に出力してもよい。
【0027】
記録制御部116は、イベント撮影ファイルと通常撮影ファイルとを区分して記録部140へ記録させる。イベント撮影ファイルと通常撮影ファイルとを区分して記録部140へ記録させるとは、記録制御部116が、イベント撮影ファイルのヘッダもしくはペイロードにイベント撮影ファイルであることを示すフラグ情報等を設定することであってもよい。また、記録制御部116は、通常撮影ファイルのヘッダもしくはペイロードに通常撮影ファイルであることを示すフラグ情報等を設定してもよく、フラグ情報を設定しなくてもよい。つまり、フラグ情報が設定されていない撮影データは、通常撮影ファイルと認識されてもよい。これとは反対に、通常撮影ファイルのヘッダもしくはペイロードに通常撮影ファイルであることを示すフラグ情報が設定される場合、イベント撮影ファイルにはフラグ情報が設定されなくてもよい。また、記録制御部116は、通常撮影ファイルを通常記録部141に記録させ、イベント撮影ファイルをイベント記録部142に記録させてもよい。
【0028】
また、記録制御部116は、イベント撮影ファイルを上書き禁止のデータとして記録部140へ記録してもよい。例えば、記録制御部116は、データの上書きを禁止する記録部140内のメモリ領域のアドレスを指定して、イベント撮影ファイルを記録部140へ記録してもよい。もしくは、記録制御部116は、イベント撮影ファイルのヘッダもしくはペイロードに上書き禁止を示すフラグ情報等を設定してもよい。データの上書きを禁止する記録部140内のメモリ領域とイベント撮影ファイルを記録する記録部140内のメモリ領域のアドレスとは一致していてもよく、いずれか一方のメモリ領域が、他方のメモリ領域に含まれていてもよい。
【0029】
さらに、記録制御部116は、通常撮影ファイルを上書き可能のデータとして記録部140へ記録してもよい。例えば、記録制御部116は、データの上書きを可能とする記録部140内のメモリ領域のアドレスを指定して、通常撮影ファイルを記録部140へ記録してもよい。もしくは、記録制御部116は、通常撮影ファイルのヘッダもしくはペイロードに上書き可能を示すフラグ情報等を設定してもよい。データの上書きを可能とする記録部140内のメモリ領域と通常撮影ファイルを記録する記録部140内のメモリ領域のアドレスとは一致していてもよく、いずれか一方のメモリ領域が、他方のメモリ領域に含まれていてもよい。
【0030】
再生制御部117は、記録部140に記録されている撮影データを取得し、取得した撮影データに基づく映像データを表示部160へ出力し、取得した撮影データに基づく音声データをスピーカ170等へ出力する。再生制御部117は、記録装置100を操作するユーザが入力した撮影ファイルの再生指示情報を受け取ると、記録部140内のメモリ領域から、ユーザが再生を希望する撮影ファイルを取得する。
【0031】
次に、
図2を参照しながら、撮影ファイルと時間との関係について説明する。
図2は、記録制御装置110が出力するファイルと時間の関係を示す図である。
図2の横軸は、時刻tn0から時刻tn2に向かって時間が経過することを示している。また、時間軸と平行に示された帯状のファイル群10は、記録制御装置110が出力する通常撮影ファイルを示している。映像処理部113は、予め設定された期間Pn毎に通常撮影ファイルを順次生成する。予め設定された期間Pnは、例えば数十秒であってもよいし、数分であってもよい。例えば、時刻tn0から時刻tn1までの撮影データは、通常撮影ファイルFn(0)である。つまり、映像処理部113は、時刻tn0から時刻tn1までの撮影データを、通常撮影ファイルFn(0)として生成し、記録部140の有する通常記録部141へ出力する。次に、映像処理部113は、時刻tn1から時刻tn2までの撮影データを、通常撮影ファイルFn(1)として生成し、通常記録部141へ出力する。同様に、映像処理部113は、時刻tn2から開始する通常撮影ファイルFn(2)を生成し、通常記録部141へ出力する。
【0032】
映像処理部113が通常撮影ファイルを生成するに当たり、バッファメモリ112は通常撮影ファイルとして処理される撮影データよりも長い時間を記憶する。
図2の例の場合、バッファメモリ112が記憶する撮影データは、Pnよりも長い時間である。映像処理部113は、バッファメモリ112が記憶する撮影データから、時間Pnの撮影データを処理して通常撮影ファイルを生成する。つまり、映像処理部113は、バッファメモリ112に時間Pnの撮影データが記憶された後に通常撮影ファイルを生成する。
【0033】
記録部140は、記録する撮影ファイルの数を予め設定してもよい。その場合、記録部140は、予め設定された数の撮影ファイルを記録した後は、最も古い撮影ファイルを削除した後に新たな撮影ファイルを記録してもよい。また、記録部140は、新たな撮影ファイルを最も古い撮影ファイルが記録されている領域に上書きしてもよい。
【0034】
続いてイベント撮影ファイルについて説明する。矩形状に示したファイル20は、イベント撮影ファイルFeである。イベント撮影ファイルFeは、時刻te1から時刻te2までの撮影データを含む撮影ファイルである。
【0035】
ここで、イベント撮影ファイルFeが生成される原理について説明する。まず、車両に強い衝撃が与えられる等のイベントが発生すると、イベント発生直後である時刻te0に、イベント検出部115は、イベントを検出する。イベント検出部115は、イベントが発生したことを示す情報を記録制御部116へ出力する。記録制御部116は、イベント検出部115が出力した情報を受けて、イベントが検出された時刻te0よりも第1期間p1遡った時刻te1からイベントが検出された時刻te0よりも第2期間p2経過した時刻te2までの撮影データをファイル形式として処理することを映像処理部113に指示する。映像処理部113は、記録制御部116からの指示を受けて、バッファメモリ112から出力される時刻te1から時刻te2までの撮影データをイベント撮影ファイルFeとして生成する。さらに、映像処理部113は、記録制御部116からの指示を受けて、イベント撮影ファイルFeを記録部140へ出力する。尚、イベント撮影ファイルFeは上書き禁止であるという情報をヘッダ又はペイロード内に含んでいてもよい。また、イベント撮影ファイルFeが記録される領域は上書き禁止であることが定められた領域であってもよい。
【0036】
このようにして記録されたイベント撮影ファイルFeは、イベントが検出された時刻te0よりも第1期間p1遡った時刻te1からイベント発生時点までの撮影データが含まれている。このように、イベント発生時点よりも予め設定された期間遡った時点から映像データを記録するのは、事故等のイベントが発生する原因を特定するためである。
【0037】
記録制御部116は、走行情報取得部114が出力する走行情報に応じて、第1期間p1を決定することができる。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te1の直前の速度情報を取得する。ここでいう直前とは、イベント発生時における車両の走行速度が判別可能なタイミングであり、例えば、イベントを検出した時刻te1から予め設定された期間遡った時点に取得した走行情報に含まれる速度情報である。予め設定された期間の例としては、1秒、5秒、10秒などである。これら予め設定された期間遡った時点の走行速度に限らず、イベントを検出した時刻te1から遡った予め設定された幅を持った期間の平均速度としてもよい。例えば、イベントを検出した時刻te1から10秒前から1秒前までの平均速度である。そして、記録制御部116は、取得した車両の速度が速いほど第1期間p1を長くすることができる。また、記録制御部116は、取得した車両の速度が予め設定された速度以上の場合、予め設定された速度未満の場合よりも第1期間p1を長くする設定とする。
【0038】
このように第1期間p1を設定することにより、例えば、一般道において比較的低速で走行している場合のイベント撮影ファイルの記録開始時点と、高速道などにおいて比較的高速で走行している場合のイベント撮影ファイルの記録開始時点とを、それぞれ設定することができる。
【0039】
尚、映像処理部113は、通常撮影ファイルを生成する処理と、イベント撮影ファイルを生成する処理とを並列して行ってもよい。また、映像処理部113は、通常撮影ファイルを生成する処理と、イベント撮影ファイルを生成する処理とを順次行ってもよい。
【0040】
図3は、実施の形態1にかかる記録制御部116の設定の一例を示す表である。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点における車両の走行速度vを取得する。走行速度vがV1未満(例えば時速60キロメートル未満)の場合、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。一方、走行速度vがV1以上(例えば時速60キロメートル以上)の場合、第1期間p1は、Psよりも長いPf(例えば20秒)と設定されている。尚、第2期間p2はいずれの場合にもPe(例えば10秒)と設定されている。尚、勿論、ここに挙げた具体的な速度及び期間は一例に過ぎない。したがって、走行速度vの値により、第2期間p2を変化させてもよい。
【0041】
次に、
図4を参照しながら、記録制御装置110の処理について説明する。
図4は、実施の形態1にかかる記録制御装置110の処理を示すフローチャートである。
【0042】
まず、記録装置100が起動すると、撮影データ取得部111は、少なくとも映像データを含む撮影データをバッファメモリ112へ出力する。バッファメモリ112は、撮影データの記憶すなわちバッファリングを開始する(ステップS100)。
【0043】
次に、記録制御部116は、
図2を参照しながら説明したように、映像処理部113に通常撮影ファイルを生成させ、記録部140へ出力させる処理を開始する(ステップS101)。尚、映像処理部113が、通常撮影ファイルを生成し、記録部140へ出力する処理を、以降は通常記録と称する。映像処理部113は、システムが終了するまで通常記録を継続して行う。記録部140は、映像処理部113が出力した通常撮影ファイルを順次記録する。映像処理部113は、上述した処理を行うと共に、以下に説明するイベント撮影ファイルを生成し、記録部140へ出力する処理を並列して行ってもよい。
【0044】
次に、記録制御部116は、走行情報取得部114から出力される走行情報を予め設定された時間(例えば100ミリ秒)毎に取得する(ステップS102)。尚、記録制御部116は、予め設定された期間の走行情報をメモリに記憶させてもよい。
【0045】
次に、記録制御部116は、予め設定された時間(例えば100ミリ秒)毎に、イベント検出部115から出力される情報を監視し、イベントを検出したか否かを判定する(ステップS103)。記録制御部116は、イベントを検出したと判定しない場合(ステップS103:No)、バッファメモリ112が記憶する撮影データを全て映像処理部113へ送信したか否かを判定する(ステップS109)。記録制御部116は、イベントを検出したと判定した場合(ステップS103:Yes)、イベント撮影ファイルを生成するために、第1期間p1を決定する処理を進める。
【0046】
記録制御部116は、走行情報取得部114の情報を監視し、イベントを検出した時刻から予め設定された期間を遡った時刻の走行速度vを取得する。そして、記録制御部116は、走行速度vがV1以上か否かを判定する(ステップS104)。
【0047】
記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定した場合(ステップS104:Yes)、記録制御部116は、第1期間p1をPfに設定する(ステップS105)。一方、記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定しなかった場合(ステップS104:No)、走行速度vがV1未満の場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPsに設定する(ステップS110)。
【0048】
記録制御部116は、第1期間p1を決定すると、映像処理部113に指示を送りイベント撮影ファイルの生成を開始させる(ステップS106)。記録制御部116は、時刻を監視し、第2期間p2が予め設定された期間であるPeを超えたか否かを判定する(ステップS107)。第2期間p2がPeを超えたと判定しない場合(ステップS107:No)、記録制御部116は、映像処理部113にイベント撮影ファイルの生成を継続させる。一方、第2期間p2がPeを超えたと判定した場合(ステップS107:Yes)、記録制御部116は、映像処理部113にイベント撮影ファイルの生成を停止させると共に、映像処理部113が生成したイベント撮影ファイルを記録部140に出力させる(ステップS108)。
【0049】
イベント撮影ファイルの記録が終了すると、記録制御部116は、バッファメモリ112内の撮影データを全て映像処理部113へ送信したか否かを判定する(ステップS109)。記録制御部116がバッファメモリ112内の撮影データを全て映像処理部113へ送信したと判定した場合(ステップS109:Yes)、記録制御部116は、処理を終了する。バッファメモリ112内の撮影データを全て映像処理部113へ送信した場合とは、例えば、運転者が撮影を停止する操作を実施した場合、又は、エンジンが停止しカメラ120による撮影が停止された場合等がある。
【0050】
一方、記録制御部116がバッファメモリ112内の撮影データを全て映像処理部113へ送信したと判定しない場合(ステップS109:No)、記録制御部116は、通常撮影ファイルの記録を継続すると共に、イベント検出部115から出力される情報を監視し、イベントを検出したか否かを判定する(ステップS103)処理を繰り返す。
【0051】
以上に説明したような構成により、事故のきっかけとなる事象を適切に記録する記録制御装置、記録装置、記録制御方法及び記録制御プログラムを提供することができる。
【0052】
実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、記録制御部116における走行速度v及び第1期間p1の設定が、実施の形態1とは異なる。尚、既に説明した内容と重複する事項については適宜説明を省略する。
【0053】
図5は、実施の形態2にかかる記録制御部116の設定例を示す表である。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点における車両の走行速度vを取得する。走行速度vがV1未満(例えば時速60キロメートル未満)の場合、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。走行速度vがV1以上(例えば時速60キロメートル以上)かつV2未満(例えば時速80キロメートル未満)の場合、第1期間p1は、Psよりも長いPm(例えば20秒)と設定されている。また、走行速度vがV2以上(例えば時速80キロメートル以上)の場合、第1期間p1は、Pmよりも長いPf(例えば30秒)と設定されている。尚、第2期間p2はいずれの場合にもPe(例えば10秒)と設定されている。尚、勿論、ここに挙げた具体的な速度及び期間は一例に過ぎない。したがって、走行速度vの値により、第2期間p2を変化させてもよい。
【0054】
次に、
図6を参照しながら実施の形態2にかかる記録制御装置110の処理について説明する。
図6は、実施の形態2にかかる記録制御装置110のフローチャートである。
図6に示したフローチャートにおいて、ステップS100からステップS103及びステップS106からステップS109の処理は、
図4に示した実施の形態1にかかるフローチャートと同様である。そのためここでは実施の形態1と重複する処理は適宜省略しながら説明する。
【0055】
まず、記録装置が起動すると、バッファメモリ112は、撮影データの記憶すなわちバッファリングを開始する(ステップS100)。以降、ステップS103までは実施の形態1の処理と同様である。
【0056】
ステップS103において、記録制御部116がイベントを検出したと判定した場合(ステップS103:Yes)、記録制御部116は、走行速度vがV1以上か否かを判定する(ステップS204)。
【0057】
記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定しなかった場合(ステップS204:No)、
図5に示した表における設定に基づいて、走行速度vがV1未満の場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPsに設定する(ステップS208)。一方、記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定した場合(ステップS204:Yes)、記録制御部116は、さらに、走行速度vがV2以上か否かを判定する(ステップS205)。
【0058】
記録制御部116が走行速度vをV2以上と判定しなかった場合(ステップS205:No)、走行速度vがV1以上V2未満の場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPmに設定する(ステップS207)。一方、記録制御部116が走行速度vをV2以上と判定した場合(ステップS205:Yes)、記録制御部116は、第1期間p1をPfに設定する(ステップS206)。
【0059】
このようにして第1期間p1の設定処理が終了すると、次に、記録制御部116は、イベント撮影ファイルの生成を開始する(ステップS106)。これ以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0060】
このように、記録制御部116における第1期間p1は、2以上の値が設定されてもよい。すなわち、記録制御部116は、取得した車両の速度が速いほど第1期間p1を長くすることができる。
【0061】
実施の形態3
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、走行情報に車両が走行する走行路に関する情報が含まれる点において、実施の形態1とは異なる。尚、既に説明した内容と重複する事項については適宜説明を省略する。
【0062】
図7は、実施の形態3にかかる記録制御部116の設定例を示す表である。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点における車両の走行路種別rを取得する。
図7に示す例において、車両が走行する道路は、走行路種別rにより、一般道(r=0)、幹線道(r=1)及び高速道路(r=2)の3種類に区分されている。走行路種別rは、車両の走行可能速度を識別するための情報である。一般道は、例えば、市街地、農道、林道などの比較的低速で走行する道路を含む。幹線道は、例えば、高速道路ではない自動車専用道や、一般国道など、一般道と比較して高速かつ高速道路より低速で走行する道路を含む。高速道路は、例えば、国で指定された高速道路を含む。走行路種別rは、ここで説明した区分に限らず、道路の幅員、法定速度、交通量等の情報に基づいて区分されてもよい。
【0063】
図7において、走行路種別rが0の場合、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。走行路種別rが1の場合、第1期間p1は、Psよりも長いPm(例えば20秒)と設定されている。また、走行路種別rが2の場合、第1期間p1は、Pmよりも長いPf(例えば30秒)と設定されている。尚、第2期間p2はいずれの場合にもPe(例えば10秒)と設定されている。尚、勿論、ここに挙げた具体的な速度及び期間は一例に過ぎない。したがって、走行路種別rの値により、第2期間p2を変化させてもよい。
【0064】
次に、
図8を参照しながら実施の形態3にかかる記録制御装置110の処理について説明する。
図8は、実施の形態3にかかる記録制御装置110のフローチャートである。
図8に示したフローチャートにおいて、ステップS100からステップS103及びステップS106からステップS109の処理は、
図4に示した実施の形態1にかかるフローチャートと同様である。そのためここでは実施の形態1と重複する処理は適宜省略しながら説明する。
【0065】
まず、記録装置が起動すると、バッファメモリ112は、撮影データの記憶すなわちバッファリングを開始する(ステップS100)。以降、ステップS103までは実施の形態1の処理と同様である。
【0066】
ステップS103において、記録制御部116がイベントを検出したと判定した場合(ステップS103:Yes)、記録制御部116は、車両が走行している走行路種別rが0か否かを判定する(ステップS304)。
【0067】
記録制御部116が走行路種別rを0と判定した場合(ステップS304:Yes)、
図7に示した表における設定に基づいて、記録制御部116は、第1期間p1をPsに設定する(ステップS308)。一方、記録制御部116が走行路種別rを0と判定しなかった場合(ステップS304:No)、記録制御部116は、さらに、走行路種別rが1か否かを判定する(ステップS305)。
【0068】
記録制御部116が走行路種別rを1と判定した場合(ステップS305:Yes)、記録制御部116は、第1期間p1をPmに設定する(ステップS307)。一方、記録制御部116が走行路種別rを1と判定しなかった場合(ステップS305:No)、走行路種別rが2である場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPfに設定する(ステップS306)。
【0069】
このようにして第1期間p1の設定処理が終了すると、次に、記録制御部116は、イベント撮影ファイルの生成を開始する(ステップS106)。これ以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0070】
このように、記録制御部116は、取得した走行路の種別に基づいて、第1期間p1を長くすることができる。
【0071】
上述した実施の形態1から実施の形態3は、車両の走行速度または走行速度の異なる走行路の種別により、第1期間p1を長くした。例えば、車両が比較的高速で走行している場合や高速道路を走行中などにおいては、他の車両との競争心や煽りまたは煽られなど、従来の遡り記録期間より前から、イベント発生のきっかけとなる兆候がある。このようなイベント発生の兆候を含めて記録することで、事故の原因などの状況を把握することができる。
【0072】
実施の形態4
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、走行情報に車両の前方又は後方を走行する車両との車間距離に関する情報が含まれる点において、実施の形態1とは異なる。尚、既に説明した内容と重複する事項については適宜説明を省略する。
【0073】
図9は、実施の形態4にかかる記録制御部116の設定例を示す表である。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点における車両の前方又は後方を走行する車両との車間距離dを取得する。時刻te0から予め設定された期間を遡った時点とは、一例として時刻te0から10秒前、20秒前等である。この期間は、第1期間p1より前の時点を含むことが望ましい。また、この期間は、一例として、時刻te0の30秒前から20秒前の間における車間距離dの平均値に基づいて決定してもよい。
図9において、車間距離dがD1以上(例えば15メートル以上)の場合、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。車間距離dがD1未満(例えば15メートル以上)かつD2以上(例えば7メートル以上)の場合、第1期間p1は、Psよりも長いPm(例えば20秒)と設定されている。また、車間距離dがD2未満(例えば7メートル未満)の場合、第1期間p1は、Pf(例えば30秒)と設定されている。尚、勿論、ここに挙げた具体的な数値は一例に過ぎない。したがって、車間距離dの値により、第2期間p2を変化させてもよい。
【0074】
次に、
図10を参照しながら実施の形態5にかかる記録制御装置110の処理について説明する。
図10は、実施の形態4にかかる記録制御装置110のフローチャートである。
図10に示したフローチャートにおいて、ステップS100からステップS103及びステップS106からステップS109の処理は、
図4に示した実施の形態1にかかるフローチャートと同様である。そのためここでは実施の形態1と重複する処理は適宜省略しながら説明する。
【0075】
まず、記録装置が起動すると、バッファメモリ112は、撮影データの記憶すなわちバッファリングを開始する(ステップS100)。以降、ステップS103までは実施の形態1の処理と同様である。
【0076】
ステップS103において、記録制御部116がイベントを検出したと判定した場合(ステップS103:Yes)、記録制御部116は、イベントの検出時点から予め設定された期間を遡った時点における車間距離dがD1以上か否かを判定する(ステップS405)。
【0077】
記録制御部116が車間距離dをD1以上と判定した場合(ステップS405:Yes)、第1期間p1をPsに設定する(ステップS409)。一方、記録制御部116が車間距離dをD1以上と判定しない場合(ステップS405:No)、記録制御部116は、さらに、車間距離dがD2以上か否かを判定する(ステップS406)。
【0078】
記録制御部116が車間距離dをD2以上と判定した場合(ステップS406:Yes)、記録制御部116は、第1期間p1をPmに設定する(ステップS408)。一方、記録制御部116が車間距離dをD2以上と判定しなかった場合(ステップS406:No)、車間距離dがD2未満である場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPfに設定する(ステップS407)。
【0079】
このようにして第1期間p1の設定処理が終了すると、次に、記録制御部116は、イベント撮影ファイルの生成を開始する(ステップS106)。これ以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0080】
尚、記録制御部116は、走行情報取得部114が出力する車間距離の情報のうち、予め設定された期間に出力された複数の車間距離の情報を全て監視することにより、第1期間p1を決定してもよい。
【0081】
図11は、記録制御部116が取得する走行情報の一例について説明するための図である。
図11において、横軸は時間を示している。td−1からtd+5は、記録制御部116が走行情報取得部114から走行情報を受ける時刻の一部を例示したものである。記録制御部116は、時刻td−1において、走行情報取得部114から、車間距離の情報として車間距離d−1を取得する。同様に、記録制御部116は、時刻td0において、走行情報取得部114から車間距離d0を取得する。以下同様に、記録制御部116は、各時刻において、車間情報をそれぞれ取得する。記録制御部116は、予め設定された期間の車間情報を順次、一時的に記憶する。
【0082】
第1期間p1を決定するに際し、記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点である時刻td0から時刻td4までの期間pd1に亘る車間距離の情報、すなわち車間距離d0から車間距離d4までを参照する。そして、記録制御部116は、時刻td0から時刻td4までの期間pd1に亘る車間距離の情報について、それぞれが、予め設定された距離に含まれるか否かを判定する。つまり、例えば、
図9に示した車間距離dは、車間距離d0から車間距離d4までをすべて含む。つまり、記録制御部116は、イベントの検出時te0から予め設定された期間を遡った時点td0に車間距離d0を取得する。そして期間pd1に取得した車間距離d0から車間距離d4までが、全て、予め設定された距離未満であった場合は、記録制御部116は、車間距離が予め設定された距離以上の場合よりも、第1期間p1を長くする。
【0083】
このように、記録制御部116は、取得した車間距離の情報に基づいて、第1期間p1を長くすることができる。
【0084】
上述した実施の形態4は、予め設定された期間、車両と他車両との車間が狭い状態である場合に、第1期間p1を長くした。例えば、他の車両からの煽られなどを受けた場合は、従来の遡り記録期間より前から、イベント発生のきっかけとなる兆候が生じることがある。このようなイベント発生の兆候を含めて記録することで、事故の原因などの状況を把握することができる。
【0085】
実施の形態5
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5は、走行情報に車両の前方又は後方を走行する車両との車間距離に関する情報に加え、さらに車両の速度情報が含まれる点において、実施の形態4とは異なる。尚、既に説明した内容と重複する事項については適宜説明を省略する。
【0086】
図12は、実施の形態5にかかる記録制御部116の設定例を示す表である。記録制御部116は、イベントを検出した時刻te0から予め設定された期間を遡った時点における車両の走行速度v及び車間距離dを取得する。
図12において、走行速度vがV1未満(例えば時速30キロメートル未満)の場合、車間距離dに関わらず、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。走行速度vがV1以上(例えば時速30キロメートル以上)の場合であって、車間距離dがD1以上(例えば15メートル以上)の場合、第1期間p1は、Ps(例えば10秒)と設定されている。走行速度vがV1以上(例えば時速30キロメートル以上)の場合であって、車間距離dがD1未満(例えば15メートル以上)かつD2以上(例えば7メートル以上)の場合、第1期間p1は、Psよりも長いPm(例えば20秒)と設定されている。また、走行速度vがV1以上(例えば時速30キロメートル以上)の場合であって、車間距離dがD2未満(例えば7メートル未満)の場合、第1期間p1は、Pf(例えば30秒)と設定されている。尚、勿論、ここに挙げた具体的な速度及び期間は一例に過ぎない。したがって、走行速度v又は車間距離dの値により、第2期間p2を変化させてもよい。
【0087】
次に、
図13を参照しながら実施の形態5にかかる記録制御装置110の処理について説明する。
図13は、実施の形態4にかかる記録制御装置110のフローチャートである。
図13に示したフローチャートにおいて、ステップS100からステップS103及びステップS106からステップS109の処理は、
図4に示した実施の形態1にかかるフローチャートと同様である。そのためここでは実施の形態1と重複する処理は適宜省略しながら説明する。
【0088】
まず、記録装置が起動すると、バッファメモリ112は、撮影データの記憶すなわちバッファリングを開始する(ステップS100)。以降、ステップS103までは実施の形態1の処理と同様である。
【0089】
ステップS103において、記録制御部116がイベントを検出したと判定した場合(ステップS103:Yes)、記録制御部116は、車両の走行速度vがV1以上か否かを判定する(ステップS504)。
【0090】
記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定しない場合(ステップS504:No)、
図9に示した表における設定に基づいて、記録制御部116は、第1期間p1をPsに設定する(ステップS409)。一方、記録制御部116が走行速度vをV1以上と判定した場合(ステップS504:Yes)、記録制御部116は、さらに、車間距離dがD1以上か否かを判定する(ステップS405)。
【0091】
記録制御部116が車間距離dをD1以上と判定した場合(ステップS405:Yes)、第1期間p1をPsに設定する(ステップS409)。一方、記録制御部116が車間距離dをD1以上と判定しない場合(ステップS405:No)、記録制御部116は、さらに、車間距離dがD2以上か否かを判定する(ステップS406)。
【0092】
記録制御部116が車間距離dをD2以上と判定した場合(ステップS406:Yes)、記録制御部116は、第1期間p1をPmに設定する(ステップS408)。一方、記録制御部116が車間距離dをD2以上と判定しなかった場合(ステップS406:No)、車間距離dがD2未満である場合の設定として、記録制御部116は、第1期間p1をPfに設定する(ステップS407)。
【0093】
このようにして第1期間p1の設定処理が終了すると、次に、記録制御部116は、イベント撮影ファイルの生成を開始する(ステップS106)。これ以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0094】
このように、記録制御部116は、取得した走行速度及び車間距離の情報に基づいて、第1期間p1を長くすることができる。
【0095】
上述した実施の形態5は、予め設定された期間、自車両と他の車両との車間が狭い状態において、自車両が予め設定された走行速度以上で走行している場合に、第1期間p1を長くしている。例えば、渋滞などで他の車両との車間が狭くなる状態を除き、他の車両から煽られる場合のように、走行中に危険な車間が継続している場合等において、イベント発生のきっかけとなる兆候は、従来の遡り記録期間より前から生じる。よって、このようなイベント発生の兆候を適切に記録することで、事故の原因などの状況を把握することができる。
【0096】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。