(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、投影装置10の外観斜視図である。本実施形態の投影装置10は、上本体ケース(第2のケース)10a及び下本体ケース(第2のケース)10bを備える。投影装置10の筐体の側板である正面パネル12、背面パネル13、右側パネル14、及び左側パネル15は、上本体ケース10aの外周縁から下方に向かって立設する。各パネル12〜15の下端は、下本体ケース10bの外周縁と当接する。したがって、投影装置10は、上本体ケース10aと下本体ケース10bにより略直方体状に形成される。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0014】
投影装置10の筺体の上面パネル11には、キー/インジケータ部37、投影画像調整部11aが設けられる。このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱した時に報知をする過熱インジケータ等の各種設定を行うためのキーやインジケータが配置されている。投影画像調整部11aは、一つ又は複数の回動摘みを備える。この回動摘みを操作することにより、
図4で後述する投影側光学系の可動レンズの位置が調節され、投影画像の大きさやピントの調整が行われる。また、投影装置10は、図示しないが、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0015】
正面パネル12と右側パネル14の前方右側の角部501には、吸気孔310が設けられる。正面パネル12の左側には、すり鉢状に窪んだ光出射部12aが設けられる。この光出射部12aの左側パネル15側の内壁には、吸気孔320が形成される。換言すれば、正面パネル12の前方左側の角部502には、吸気孔320が設けられる。投影装置10は、光出射部12aに、投影口12bと、投影口12bを覆うレンズカバー19を有する。正面パネル12の下端には、高さ調整ボタン12cが設けられる。投影装置10は、正面パネル12側の内部に支脚を備える。投影装置10は、高さ調整ボタン12cが押下されている間、下方からその支脚を出没させることができる。よって、使用者は、高さ調整ボタン12cを操作することにより支脚を任意の出代量で固定し、投影装置10の高さや傾きを調節することができる。
【0016】
背面パネル13には、USB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネル13において、右側パネル14側の角部に排気孔330が形成され、左側パネル15側の角部にも排気孔340が形成される。換言すれば、投影装置10の後方右側の角部503に排気孔330が配置され、後方左側の角部504にも排気孔340が配置される。
【0017】
つぎに、投影装置10の投影装置制御手段について
図2の機能ブロック図を用いて述べる。投影装置制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0018】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0019】
そして、この投影装置制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0020】
表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0021】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。
【0022】
投影装置10は、光源である光源装置60から出射された光源光の光線束を、後述する導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像(画像)を形成する。投影装置10は、その形成した光像を同じく後述する投影側光学系を介してスクリーンに投影し、画像を表示させる。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0023】
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0024】
また、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時はメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長する。そして、画像圧縮/伸長部31は、その画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいた動画等を表示する処理を行う。
【0025】
筺体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出される。リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0026】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0027】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の緑色光源装置における励起光照射装置や、赤色光源装置の発光を個別に制御する。光源装置60から出射された所定の波長帯域の光は、照射ミラー185で反射され、表示素子51に照射される。
【0028】
制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、投影装置10の電源をOFFにする指示を受けると、冷却ファン駆動制御回路43にタイマーを用いて投影装置10本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させたり、温度センサによる温度検出の結果に応じて投影装置10本体の電源を切るタイミングを定める等の制御を行うことができる。
【0029】
つぎに、投影装置10の内部構造について述べる。
図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、電源装置301、制御回路基板302、光源装置60を備える。また、投影装置10は、冷却ファンとして、吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280を備える。
【0030】
光源装置60は、投影装置10の筐体の略中央に配置される。光源装置60は、光源ケース(第1のケース)61によって内部にレンズやミラー等の光学部材を収納する。電源装置301は、光源装置60の左側パネル15側に配置される。電源装置301の基板は、左側パネル15と略平行に配置される。制御回路基板302は、光源装置60の背面パネル13側に配置される。制御回路基板302は、上下方向に対し略垂直に配置される。制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備える。また、制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等の機能毎に分けて、複数備えることができる。
【0031】
光源装置60の内部構造について説明する。
図4は、光源装置60の平面模式図である。光源装置60は、赤色波長帯域光の光源とされる赤色光源装置120と、緑色波長帯域光の光源とされる緑色光源装置80と、青色波長帯域光の光源とされる青色光源装置であると共に励起光源ともされる励起光照射装置70と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と、蛍光板装置100により構成される。光源装置60は、導光光学系140を有する。導光光学系140は、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光線束を合わせて、各色波長帯域の光線束を同一光路上に導光する。
【0032】
励起光照射装置70は、投影装置10筐体の右側パネル14側に配置される。励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の固体発光素子を備える。本実施形態の固体発光素子は、青色波長帯域光を発する青色レーザダイオード71である。また、青色レーザダイオード71は、右側パネル14と平行に配置されている。これら青色レーザダイオード71は、固定ホルダ74に固定される。また、励起光照射装置70は、反射ミラー76、拡散板78、ヒートシンク81を備える。反射ミラー76は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を拡散板78に向けて90度変換する。拡散板78は、反射ミラー76で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を予め定められた拡散角度で拡散する。
図3に示すように、ヒートシンク81は、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置される。ヒートシンク81の右側方に形成された第一フィン811の板面は上下方向に対して垂直に形成される。また、上方に形成された第二フィン812の板面は、左右方向に対して垂直に形成される。
【0033】
図4に戻り、各青色レーザダイオード71からの光路上には、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めて平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。これらコリメータレンズ73は、青色レーザダイオード71とともに固定ホルダ74に固定される。
【0034】
赤色光源装置120は、青色レーザダイオード71の光線束と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する集光レンズ群125と、を備える。この赤色光源121は、赤色波長帯域光を発する固体発光素子である赤色発光ダイオードである。赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置される。また、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側にヒートシンク130を備える。ヒートシンク130のフィン131は、全体が右側方向に立設しており、上下方向に対して略垂直に形成される。また、フィン131は、正面視において放射状に上下に広がるように傾斜して形成される。ヒートシンク130は、青色レーザダイオード71のヒートシンク81と、前方から見た上下左右方向が重ならない位置に配置される(
図5参照)。
【0035】
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、蛍光板101、モータ110、入射側の集光レンズ群117、出射側の集光レンズ115を備える。蛍光板101は、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイールである。この蛍光板101はモータ110により回転駆動する。集光レンズ群117は、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光板101に集光する。集光レンズ115は、蛍光板101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する。なお、蛍光板装置100は、集光レンズ群117及び集光レンズ115の上方に配置される。そのため、蛍光板101の下方の一部が集光レンズ群117と集光レンズ115の光路上に配置される。
【0036】
蛍光板101には、蛍光発光領域と拡散透過領域とが周方向に並設されている。蛍光発光領域は、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光を励起光として受けて、励起された緑色波長帯域の蛍光光を出射する。拡散透過領域は、青色レーザダイオード71からの出射光を拡散透過する。拡散透過した出射光は、光源装置60の青色波長帯域光として出射される。
【0037】
導光光学系140は、第一ダイクロイックミラー141、集光レンズ149、第二ダイクロイックミラー148、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145、集光レンズ147を有する。第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置される。第一ダイクロイックミラー141は、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射する。第一ダイクロイックミラー141で反射した緑色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に向かう左側パネル15方向に90度変換される。したがって、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と一致する。
【0038】
集光レンズ149は、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側に配置される。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光及び第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光は、共に集光レンズ149に入射する。第二ダイクロイックミラー148は、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側に配置される。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射し、青色波長帯域光を透過する。したがって、集光レンズ149で集光された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148によって反射されて、背面パネル13側に90度変換される。第二ダイクロイックミラー148の背面パネル13側には、集光レンズ173が配置される。第二ダイクロイックミラー148により反射された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、集光レンズ173に入射する。
【0039】
第一反射ミラー143は、蛍光板101を透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間に配置される。第一反射ミラー143は、青色波長帯域光を反射して、この青色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する。集光レンズ146は、第一反射ミラー143の左側パネル15側に配置される。また、第二反射ミラー145は、集光レンズ146の左側パネル15側に配置される。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射されて、集光レンズ146により集光された青色波長帯域光の光軸を、背面パネル13側に90度変換する。集光レンズ147は、第二反射ミラー145の背面パネル13側に配置される。第二反射ミラー145により反射された青色波長帯域光は、集光レンズ147を介して第二ダイクロイックミラー148を透過し、集光レンズ173に入射する。このようにして、導光光学系140により導光された赤色、緑色、青色の各波長帯域光の光線束は、光源側光学系170の同一光路上に導光される。
【0040】
光源側光学系170は、集光レンズ173、ライトトンネル、ガラスロッド等の導光装置175、集光レンズ178、光軸変換ミラー179、集光レンズ183、照射ミラー185、コンデンサレンズ195を備える。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を、投影側光学系220に向けて出射するため、投影側光学系220の一部でもある。
【0041】
集光レンズ173から出射した各光線束は、導光装置175に入射する。導光装置175に入射される各光線束は、導光装置175により均一な強度分布の光線束とされる。
【0042】
導光装置175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー179が配置されている。導光装置175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー179により、集光レンズ183に向かう光軸に変換される。
【0043】
光軸変換ミラー179で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、背面パネル13側にはヒートシンク190が設けられている。DMDとされる表示素子51は、このヒートシンク190により冷却される。また、ヒートシンク190の後方に形成されたフィン191の板面は、上下方向に対して垂直に形成される。
【0044】
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。
【0045】
投影側光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、固定レンズ群225により構成される。固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。可動レンズ群235は、可動鏡筒に内蔵され、手動又は自動により移動されることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0046】
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介して導光装置175に入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射される。よって、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0047】
図3に戻り、吸気ファン260は、前方右側の角部501において吸気孔310の内側に配置される。吸気ファン260は、吸気側261を吸気孔310に向けるとともに、排気側262を投影装置10の略中央に向けて、斜めに傾けて配置される。中間ファン270は、後方右側の角部503においてヒートシンク81の後側に配置される。中間ファン270は、吸気側271をヒートシンク81に向けるとともに、排気側272を排気孔330に向けて配置される。排気ファン280は、後方左側の角部504において排気孔340の内側に配置される。排気ファン280は、吸気側281をヒートシンク190に向けるとともに、排気側282を排気孔340に向けて、斜めに傾けて配置される。このように、吸気ファン260と排気ファン280は、本体ケース10a,10b内の対角位置に配置される。本実施形態の吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280は、それぞれ一つの軸流型のファンにより形成される。また、吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280は、いずれも高さが下本体ケース10bから上本体ケース10aの近くまで亘って形成される。このように、吸気ファン260、光源ケース61、本体ケース10a,10b等によって、冷却装置が構成される。
【0048】
投影装置10は、内部に曲面ダクト400、右側面ダクト410、左側面ダクト420、後側面ダクト430を有する。各面ダクト400,410,420,430は、面が上下方向と平行な板状に形成される。
【0049】
曲面ダクト400は、光源装置60の上に配置される。曲面ダクト400は、吸気ファン260の排気側262の略正面において投影装置10の左右方向に形成される平面状の第一面401と、吸気ファン260の側方側において投影装置10の前後方向に形成される平面状の第二面402とを有する。第一面401と第二面402とは、吸気ファン260からみて凹状の湾曲面403を介して接続される。また、第二面402の前方側では、右方に屈曲した後にさらに前方に屈曲する板状のL字状板部404が延設される。
【0050】
右側面ダクト410は、光源装置60の上方であって、光源ケース61とヒートシンク81の間に配置される。右側面ダクト410は、投影装置10の前後方向に亘って設けられる。右側面ダクト410の前方部は、曲面ダクト400の第一面401と接続される。左側面ダクト420は、投影側光学系220と電源装置301の間に配置される。左側面ダクト420は、投影装置10の前後方向に亘って設けられる。
【0051】
後側面ダクト430は、光源装置60と背面パネル13の間に配置される。後側面ダクト430は、投影装置10の左右方向に亘って設けられる。後側面ダクト430は、制御回路基板302の上方に配置される。また、後側面ダクト430は、右方が右側面ダクト410の後方と接続され、左方が左側面ダクト420の後方と接続される。
【0052】
右側面ダクト410は、上本体ケース10aから下方に立設して形成される。左側面ダクト420は、下本体ケース10bから上方に立設して形成される。また、後側面ダクト430は、上下に上本体ケース10a及び下本体ケース10bとの間隙を有し、他の構成部材との干渉を避けながら配置させることができる。
【0053】
本実施形態では、発熱量の比較的高い、赤色光源121のヒートシンク130と、青色レーザダイオード71のヒートシンク81と、蛍光板装置100が、吸気ファン260の近辺に配置される。吸気ファン260の左側、すなわち吸気ファン260の略側面側には、蛍光板装置100が配置される。吸気ファン260の排気側262の略正面には、ヒートシンク130が配置される。よって、ヒートシンク130の後方及び左方には、曲面ダクト400が配置される。
【0054】
図5は、投影装置10の前方側の側面図である。なお、本図において、吸気ファン260の図示は省略している。光源ケース61は、蛍光板装置100の下方に流入部62を有する。また、下本体ケース10bは、上方に立設する仕切板11b1を有する。この仕切板11b1の一部には、矩形状の切欠部11b2が形成される。吸気ファン260側の空間と光源装置60の下方の空間とは、主にこの切欠部11b2を介して接続される。
【0055】
図6は、
図4の前方右側の位置Pから見た光源ケース61の裏面斜視図である。また、
図7は、光源ケース61及び下本体ケース10bの側面図である。
【0056】
光源ケース61は、
図6に示すように、第一ブロック64と第二ブロック65とを有する。第一ブロック64は、
図4に示す光源装置60と導光光学系140とを収納する。また、第一ブロック64は、
図4に示す光源側光学系170の集光レンズ173,178、導光装置175及び光軸変換ミラー179を収納する。光源装置60は、投影装置10内の熱源となる。
【0057】
第一ブロック64は、流入部62側の側面641の上方に、蛍光板装置固定部93を有する。蛍光板装置固定部93は、投影装置10の上下に垂直な方向に平行な板状に形成される。蛍光板装置固定部93は、蛍光板装置100の固定部として複数の固定孔を有する。
【0058】
第一ブロック64は、流入部62側の側面641に複数の横リブ91を有する。各横リブ91は、側面641から垂直に立設した板状に形成される。各横リブ91は、蛍光板装置固定部93から下方に向かって延設される。また、各横リブ91は、略同じ長さに形成される。
【0059】
第一ブロック64は、導光光学系140が配置される前方位置の底面642に、複数の下リブ92を有する。各下リブ92は、底面642から下方に立設する板状に形成される。各下リブ92は、板面方向から見た側面視において略等脚台形状に形成される。したがって、下リブ92の両端部は、傾斜面921として形成される。また、下リブ92は、流入部62側から第二ブロック65の流出部63側に向かって斜めに延設される。下リブ92の後方端は、光源ケース61の前後方向における略中央に配置される。本実施形態では、複数の下リブ92のうち、流入部62から最も遠い下リブ92aは短く、流入部62から最も近い下リブ92bは長く形成される。なお、本実施形態の横リブ91及び下リブ92は、それぞれ5個ずつ形成される。
【0060】
横リブ91が形成される側面641と下リブ92が形成される底面642との角部には、側面641から下方に延設される縁板66が形成される。縁板66は、光源ケース61の側面641側にC面取り部661を有する。C面取り部661は、側面641側から底面642側に向かって平面状に傾斜している。下リブ92の側面641側の傾斜面921は、縁板66と接続される。
【0061】
第一ブロック64は、流入部62の反対側であって左側の縁部に、ガイド壁94を有する。ガイド壁94は、底面642から下方に向かって立設している。ガイド壁94は、光源ケース61の前後方向において、前方側から後方に向かって略中央まで延設される。ガイド壁94の前方には、平面視において右前方に延設される前ガイド部941が形成される。また、ガイド壁94の下端は、下リブ92よりも下方位置に形成される。
【0062】
第一ブロック64は、ガイド壁94と対向する右側に赤色光源装置固定部95を有する。赤色光源装置固定部95は、
図4に示す赤色光源装置120の構成部材を固定するための固定孔951,952や位置決め突起953等を有してフランジ状に形成される。赤色光源装置固定部95の中央には、光源ケース61の内部への貫通孔954が形成される。貫通孔954では、
図4に示す集光レンズ群125が配置され、赤色光源121からの出射光が通過する。
【0063】
また、第一ブロック64は、光源ケース61の右側であって、赤色光源装置固定部95の後方に青色光源装置固定部96を有する。青色光源装置固定部96は、励起光照射装置70の構成部材を固定するための固定孔961や位置決め突起962等を有してフランジ状に形成される。また、青色光源装置固定部96の中央には、光源ケース61の内部への貫通孔963が形成される。貫通孔963では、
図4に示す固定ホルダ74等が配置され、青色レーザダイオード71からの出射光が通過する。
【0064】
第二ブロック65は、第一ブロック64の後方の左側に設けられ、略立方体状に形成される。第二ブロック65は、
図4に示す光源側光学系170の集光レンズ183、照射ミラー185及びコンデンサレンズ195、表示素子51等を収納する。第二ブロック65の後方側には、表示素子51やヒートシンク190を固定するための表示素子固定部97が設けられる。表示素子51やヒートシンク190は、投影装置10内の熱源であり、冷却対象物として流出部63側に配置される。また、第二ブロック65の前方には、
図4に示す投影側光学系220の鏡筒と接続される鏡筒固定部98が形成される。鏡筒固定部98の中央には、光源ケース61の内部への貫通孔981が形成される。なお、
図7に示すように、フランジ状に形成された青色光源装置固定部96の下端964は、赤色光源装置固定部95の下端955より上方に設けられる。また、赤色光源装置固定部95の下端955は、ガイド壁94の下端942と同じ高さに設けられる。
【0065】
光源ケース61は、複数の固定部851を有する。複数の固定部851は、
図7に示す下本体ケース10bの内面10b1から上方に立設する複数の支持部852と当接して、光源ケース61を下方から支持する。したがって、光源ケース61の下面は、下本体ケース10bの底部の内面10b1と間隙Gを有して配置される。この間隙Gは、少なくとも流入部62側から流出部63側に亘って形成される。このように光源ケース61と下本体ケース10bにより形成された間隙Gにより、流入部62から流出部63に向かって空気f7が流れる通気路が形成される。よって、上述の横リブ91及び下リブ92は、光源ケース61の外面に、通気路の方向に沿うように面して形成される。また、横リブ91は通気路の流入部62側の側面641に形成され、下リブ92は通気路の流入部62側の底面に形成される。また、ガイド壁94の下端942は、下本体ケース10bの内面10b1の上方に設けられる。ガイド壁94は、流入部62から流出部63へ向かう空気f7のガイドとして機能する。また、青色光源装置固定部96と赤色光源装置固定部95の下端964,955を含む下側の一部も、流入部62から流出部63へ向かう空気f7のガイドとして機能する。
【0066】
つぎに、投影装置10の内部における冷却用空気の流路について説明する。
図8は、投影装置10内の通気路を示す平面模式図である。本図では、投影装置10内の空気の流路を矢印で示している。吸気ファン260は、吸気孔310を介して投影装置10の外部から空気f1を取り込む。吸気側261から取り込まれた空気f1は、排気側262から排気される。排出された空気f2,f3のうち、左側パネル15側の空気f2は、ヒートシンク130に吹き付けられて赤色光源121が冷却される。ヒートシンク130に吹き付けられた空気f2のうち光源装置60の上方側の空気は、曲面ダクト400の第一面401や湾曲面403に当たり、左側へ向かう空気f21と右側へ向かう空気f22に分流する。
【0067】
左側へ分岐した前方へ向かう空気f21は、曲面ダクト400の第二面402に沿って前方へ移動する。前方へ流れた空気f21の一部は、吸気孔310の縁部311から一旦外部に排気され、新たに流入してくる空気f1と合流し、再び吸気孔310を介して吸気側261から吸気される。
【0068】
ヒートシンク130に吹き付けられた空気f2から分流して右側へ向かう空気f22は、排気側262から排気された右側パネル14側の空気f3と合流し、ヒートシンク81に吹き付けられる。ヒートシンク81に吹き付けられた空気f3は、右側パネル14と右側面ダクト410により案内されて後方へ流れ、中間ファン270の吸気側271から吸気される。その後、中間ファン270の排気側272から排気された空気f4は、一部が排気ファン280へ向かって左側に流れ、残りが排気孔330から外部へ排出される。中間ファン270から排気ファン280へ向かう空気f5は、後側面ダクト430と背面パネル13により案内される。このとき、制御回路基板302やヒートシンク190が冷却される。排気ファン280へ到達した空気f5は、吸気側281から取り込まれ、排気側282から排気孔340を介して外部へ排出される。
【0069】
また、電源装置301が配置される位置には、左右が左側パネル15と左側面ダクト420により遮蔽された流路が形成される。排気ファン280が駆動すると、光出射部12aに設けられた吸気孔320から空気f6が流入する。流入した空気f6は、電源装置301を通過した後、排気ファン280の吸気側281から取り込まれ、排気側282から排気孔340を介して外部へ排出される。これにより、電源装置301が冷却される。
【0070】
このように、投影装置10内に曲面ダクト400、右側面ダクト410、左側面ダクト420、後側面ダクト430を配置することにより、投影装置10内に空気の流路を形成し、この流路上に配置されたヒートシンク130,81,190、蛍光板装置100、制御回路基板302、電源装置301等の熱源を効率良く冷却することができる。
【0071】
さらに、吸気ファン260から排出された一部の空気f7は、流入部62から光源装置60の下側に流入する。光源装置60の下側に流入した空気f7は、
図6及び
図7に示すようにヒートシンク190側に設けられた流出部63から排出され、その後、排気ファン280によって投影装置10の外部へ排出される。そのため、吸気ファン260から離れた熱源であるヒートシンク190を効率よく冷却することができる。
【0072】
また、投影装置10の内部には、図示しない温度センサが設けられる。温度センサは、例えば、ヒートシンク81,130,190、電源装置301、制御回路基板302、光源装置60の光源ケース61、蛍光板装置100等に設けられる。制御部38は、各部材の温度が一定以上に上昇しないように、各ファン260,270,280の回転速度を制御することができる。ファン260,270,280の制御としては、例えば、制御部38が、各部材の温度センサの温度を確認してその温度が一定以上となったと判断した場合、各ファン260,270,280の回転速度を増加させたり、各ファン260,270,280相互の回転速度のバランスを調整することができる。これにより、投影装置10内の各流路における空気f1〜f7の流量や流量のバランスを制御することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、吸気ファン260を投影装置10の前方右側の角部501に配置させたが、吸気ファン260は、第一面401が排気側262の略正面に配置されて第二面402が吸気ファン260の側面側に配置される曲面ダクト400との位置関係を維持していれば、吸気孔310から離れた内部の位置に設けてもよい。したがって、投影装置10からの指向性を持った騒音を低減させることができる。
【0074】
以上、本実施形態の冷却装置及び投影装置は、第2のケース61が、第2のケース10b(10a)と間隙を有して配置され、第1のケース又は第2のケースにはリブが形成され、リブにより通気路が形成され、通気路の流入部側を吸気ファン260側にむける。これにより、光源ケース61の下方に形成される通気路を流れる空気を整流することができる。よって、外部から空気を取り込む吸気ファン260から離れた位置に配置された熱源へ効率よく空気を送るとともに、その離れた熱源や通気路の途中に配置された光源ケース61を効率良く冷却させることができる。
【0075】
また、第1のケースである光源ケース61が第2のケースである本体ケース10a,10bの底部と間隙を有して配置される冷却装置、及び、第1のケースである光源ケース61が第2のケースである本体ケース10a,10bの上部と間隙を有して配置される、冷却装置は、通気路の空気と接する光源ケース61の面積を広くすることができる。
【0076】
また、リブが板状に複数形成され、リブが通気路の方向に沿って形成される冷却装置は、リブを整流板として機能させるとともに放熱板としても機能させることができる。
【0077】
また、リブが通気路の流入部62側の側面に形成された横リブ91を含む冷却装置は、光源ケース61に設けられた蛍光板装置固定部93を支持して剛性を高めるとともに、流入部62から流入する空気を整流し、光源ケース61を冷却するフィンとしても機能させることができる。
【0078】
また、リブが通気路の流入部62側の下面に形成された下リブ92を含む冷却装置は、光源ケース61の下方に形成された通気路を流れる空気の通気方向を流出部63側へ整流するとともに、光源ケース61を冷却するフィンとしても機能させることができる。
【0079】
また、光源ケース61が下方に立設するガイド壁94を有する冷却装置は、光源ケース61の下方に形成された通気路を流れる空気の通気方向を、流出部63のある後方へ整流することができる。
【0080】
また、光源ケース61が通気路の流出部63側に冷却対象物を有する冷却装置は、吸気ファン260から離れた位置であっても、表示素子51等の熱源となる光学部材を配置させることができる。
【0081】
また、本体ケース10a,10bに、吸気ファン260と対角位置に排気ファン280が設けられ、光源ケース61が通気路の流出部63側を排気ファン280側に向けて配置される冷却装置は、主な通気方向を対角方向に形成させて、効率の良い冷却機構を構成することができる。
【0082】
本体ケース10a,10bが直方体形状であり、平面視において、投影方向側に位置する前方右側及び前方左側の各角部501,502に吸気孔310,320を、後方右側及び後方左側の各角部503,504に排気孔330,340を備え、吸気ファン260が前方右側の吸気孔310の内側に配置され、排気ファン280が後方左側の排気孔340の内側に配置される、冷却装置は、複数個所から吸気した空気を複数の通気路を介して流出部63側に集めて排気させることができる。したがって、吸気ファン260側から離れた位置に冷却対象物を配置した場合であっても、その冷却対象物を効率よく冷却させることができる。
【0083】
なお、光源ケース61の下面ではなく、光源ケース61の上面が、上本体ケース10aの内面と間隙を有して配置されるようにしても良い。この間隙が、流入部62側から流出部63側に亘って形成されることで、流入部62から流出部63に向かって空気が流れる通気路を形成するようにしても良い。
【0084】
また、上本体ケース10a又は下本体ケース10bにリブを設けてもよい。例えば、リブは、上本体ケース10aと光源ケース61との間隙において、上本体ケース10aの内面に形成することができる。また、リブは、下本体ケース10bと光源ケース61との間隙Gにおいて、下本体ケース10bの内面10b1に形成することができる。
【0085】
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 熱源を収納する第1のケースと、
前記第1のケースを収納する第2のケースと、
前記第2のケースに収納された吸気ファンと、
を備え、
前記第1のケースは、前記第2のケースと間隙を有して配置され、
前記第1のケース又は前記第2のケースにはリブが形成され、前記リブにより通気路が形成され、前記通気路の流入部側を前記吸気ファン側に向ける、
ことを特徴とする冷却装置。
[2] 前記熱源は光源装置であり、
前記第1のケースは光源ケースであり、
前記第2のケースは本体ケースであり、
前記光源ケースは、前記本体ケースの底部と間隙を有して配置される、
ことを特徴とする上記[1]に記載の冷却装置。
[3] 前記熱源は光源装置であり、
前記第1のケースは光源ケースであり、
前記第2のケースは本体ケースであり、
前記光源ケースは、前記本体ケースの上部と間隙を有して配置される、
ことを特徴とする上記[1]に記載の冷却装置。
[4] 前記リブは、板状に複数形成され、
前記リブの板面は、前記通気路の方向に沿って形成された、
ことを特徴とする上記[1]乃至上記[3]の何れかに記載の冷却装置。
[5] 前記リブは、前記通気路の流入部側の側面に形成された横リブを含むことを特徴とする上記[1]乃至上記[4]の何れかに記載の冷却装置。
[6] 前記リブは、前記通気路の流入部側の底面に形成された下リブを含むことを特徴とする上記[1]、[2]、[4]、[5]の何れかに記載の冷却装置。
[7] 前記光源ケースは、下方に立設するガイド壁を有することを特徴とする上記[2]、[4]乃至[6]の何れかに記載の冷却装置。
[8] 前記光源ケースは、前記通気路の流出部側に冷却対象物を有することを特徴とする上記[2]乃至上記[7]の何れかに記載の冷却装置。
[9] 前記本体ケースには、前記吸気ファンと対角位置に排気ファンが設けられ、
前記光源ケースは、前記通気路の流出部側を前記排気ファン側に向けて配置される、
ことを特徴とする上記[2]乃至上記[8]の何れかに記載の冷却装置。
[10] 前記本体ケースは、
略直方体形状であり、
平面視において、投影方向側に位置する前方右側及び前方左側の各角部に吸気孔を、後方右側及び後方左側の各角部に排気孔を備え、
前記吸気ファンは、前記前方右側の吸気孔の内側に配置され、
前記排気ファンは、前記後方左側の排気孔の内側に配置される、
ことを特徴とする上記[9]に記載の冷却装置。
[11] 上記[2]乃至上記[10]の何れか一項に記載の冷却装置と、
表示素子と、
前記光源装置を透過した光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から出射された画像を投影する投影側光学系と、
を備えることを特徴とする投影装置。