特許第6774666号(P6774666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6774666ブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774666
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】ブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/34 20060101AFI20201019BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20201019BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   F04D29/34 G
   F04D25/08 305H
   F04D25/08 304A
   F24F7/007 101
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-92357(P2019-92357)
(22)【出願日】2019年5月15日
(65)【公開番号】特開2020-2946(P2020-2946A)
(43)【公開日】2020年1月9日
【審査請求日】2019年5月15日
(31)【優先権主張番号】107121560
(32)【優先日】2018年6月22日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】597149629
【氏名又は名称】建準電機工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunonwealth Electric Machine Industry Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(74)【代理人】
【識別番号】100213746
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 渉
(72)【発明者】
【氏名】洪 銀樹
(72)【発明者】
【氏名】楊 坤達
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0042903(US,A1)
【文献】 特開2002−161893(JP,A)
【文献】 特開平04−058099(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/042381(WO,A1)
【文献】 実開平07−038696(JP,U)
【文献】 特開平06−288395(JP,A)
【文献】 実開昭52−083012(JP,U)
【文献】 実公昭02−012175(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/34
F04D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに結合されるための荷重段とブレードに連結されるための複数の連結段とを有し、
前記複数の連結段が荷重段の外周に連結され、各連結段は相対する連結段表面及びブレード連結面を有し、ブレード連結面は少なくとも一つの傾斜部を有し、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に風上調整角度又は上下調整角度を形成し、前記連結段表面は相対する風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺を有し、連結段表面において荷重段に近接する箇所に折り曲げ案内部を有し、折り曲げ案内部は風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に連結し、各連結段は折り曲げ案内部に沿って荷重段に対して折り曲げられることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面の間に風上調整角度又は上下調整角度が形成される、天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項2】
前記ブレード連結面は相対する風上側第一長手辺及び導風側第一長手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔は風上側第一長手辺から導風側第一長手辺へ向かって次第に広がることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に風上調整角度が形成される、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項3】
前記ブレード連結面は荷重段から離れた外側短手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔は外側短手辺からブレード連結面と荷重段の連結箇所へ向かって次第に広がることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に上下調整角度が形成される、請求項1または2に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項4】
前記ブレード連結面は荷重段から離れた外側短手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔は外側短手辺からブレード連結面と荷重段の連結箇所へ向かって次第に縮まることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に上下調整角度が形成される、請求項1または2に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項5】
前記連結段表面は相対する風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺を有し、連結段表面において荷重段に近接する箇所に折り曲げ案内部を有し、折り曲げ案内部は風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に連結し且つ風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に直交し、各連結段は折り曲げ案内部に沿って荷重段に対して折り曲げられることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面の間に上下調整角度が形成される、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項6】
前記ブレード連結面は別の折り曲げ案内部を有し、ブレード連結面の折り曲げ案内部が連結段表面の折り曲げ案内部に相対する、請求項に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項7】
前記折り曲げ案内部が浅い溝である、請求項またはに記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項8】
前記風上調整角度は2度以上かつ15度以下である、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項9】
前記上下調整角度は2度以上かつ15度以下である、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項10】
前記荷重段は複数のカーブ状体が相互に連結して形成される環状体である、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項11】
前記連結段と荷重段とが金属により一体成形された、請求項10に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項12】
さらに係止ブロックを含み、係止ブロックは荷重段に隣接し、係止ブロックはブレード連結面に連結し且つブレード連結面からブレード連結面を離れる方向に突出する、請求項1に記載の天井扇風機のブレード連結盤。
【請求項13】
モータと、請求項1〜12のいずれか一項に記載の天井扇風機のブレード連結盤と、複数のブレードとを含み、前記連結盤の荷重段がモータに結合され、各ブレードが連結段のブレード連結面に対応して連結される、天井扇風機。
【請求項14】
前記各連結段は少なくとも一つの緊締孔を有し、各ブレードは少なくとも一つの貫通孔を有し、互いに対応する連結段の緊締孔とブレードの貫通孔とが緊締部材により貫通結合される、請求項13に記載の天井扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機に関し、特に、風量及び送風範囲を調整できる効果を有するブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
天井扇風機は床面に場所を取らない上に良好な空気攪拌効果を有するため、大衆に広く愛用されてきた。従来の天井扇風機はステーター、ローター及び複数のブレードを有するものである。ステーターはシャフトを有し、ローターはシャフトの外周に回転自在に結合される。ローターはハブを有し、複数のブレードはハブに結合される。ローターのハブがステーターのシャフトに対して回転し、複数のブレードが同時に回転するように駆動することで、複数のブレードにより風を発生させて気流とするものである。
【0003】
しかしながら、従来の天井扇風機では、複数のブレードがハブに結合されると、複数のブレードにおける風上角度或いは送風範囲は固定される。従って、使用者が大きい又は小さい風量、広い送風範囲又は集中した送風範囲を有する扇風機を購入しようとすると、使用者の要望に応えるために、メーカーは異なる角度を有するブレードを生産するための金型を起こさなければならず、生産作業に時間がかかるだけでなく、製造コストをも増加させるので、経済的収益を悪化させてしまう問題があった。よって、従来の天井扇風機を改善する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾公告I601920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、異なる使用者の要求を満たすことのできるブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機を提供することを目的とし、連結盤の複数の連結段が天井扇風機の各ブレードを連結するのに用いることで、ブレードが水平面に対して所要の風上調整角度或いは上下調整角度を形成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の明細書全文にわたって述べられる方向を示す用語、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上(頂)」、「下(底)」、「内」、「外」、「側」などは、主に、添付図面上における方向を示すもので、本発明の各実施例に対する説明と理解を補助するためのものであり、本発明はこれらの方向に限定されるものではない。
【0007】
本発明のブレード連結盤は、荷重段と複数の連結段とを有し、前記複数の連結段は荷重段の外周に連結され、各連結段は相対する連結段表面及びブレード連結面を有する。ブレード連結面は少なくとも一つの傾斜部を有し、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に風上調整角度又は上下調整角度を形成する。
【0008】
本発明の天井扇風機は、モータと、上記ブレード連結盤と、複数のブレードとを含み、連結盤の荷重段がモータに結合され、各ブレードが連結段のブレード連結面に対応して連結される。
【0009】
これにより、本発明に係るブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機は、各連結段のブレード連結面に少なくとも一つの傾斜部を有することで、ブレードをブレード連結面に連結すると、ブレードは風上調整角度を形成することによって送風量を調整でき、又は上下調整角度を形成することによって送風範囲を調整することができる。かくして、使用者が大きい又は小さい風量、広い送風範囲又は集中した送風範囲を有する扇風機を購入しようとする場合、いずれの場合もメーカーには異なる角度を有するブレードを生産するための金型を個別に起こす必要がないので、製造コストを低減し、及び経済的収益を向上させる効果を有する。
【0010】
また、前記ブレード連結面は相対する風上側第一長手辺及び導風側第一長手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔を風上側第一長手辺から導風側第一長手辺へ向かって次第に広げることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面の間に風上調整角度を形成することもできる。これにより、構造が簡易で製造され易く、製造コストを低減する効果を有する。
【0011】
また、前記ブレード連結面が荷重段から離れた外側短手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔を外側短手辺からブレード連結面と荷重段との連結箇所へ向かって次第に広げることで前記少なくとも一つの傾斜部を形成でき、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に上下調整角度を形成することもできる。これにより、構造が簡易で製造され易く、製造コストを低減する効果を有する。
【0012】
また、前記ブレード連結面が荷重段から離れた外側短手辺を有し、ブレード連結面と連結段表面の間隔を外側短手辺からブレード連結面と荷重段との連結箇所へ向かって次第に縮めることで前記少なくとも一つの傾斜部を形成でき、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面との間に上下調整角度を形成することもできる。これにより、構造が簡易で製造され易く、製造コストを低減する効果を有する。
【0013】
また、前記連結段表面が相対する風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺を有し、連結段表面において荷重段に近接する箇所に折り曲げ案内部を有し、折り曲げ案内部が風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に連結し、各連結段が折り曲げ案内部に沿って荷重段に対して折り曲げられることで前記少なくとも一つの傾斜部を形成し、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面の間に風上調整角度又は上下調整角度を形成するようにも構成できる。これにより、構造が簡易で製造され易く、製造コストを低減する効果を有する。
【0014】
また、前記連結段表面が相対する風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺を有し、連結段表面において荷重段に近接する箇所に折り曲げ案内部を有し、折り曲げ案内部が風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に連結し且つ風上側第二長手辺及び導風側第二長手辺に直交し、各連結段が折り曲げ案内部に沿って荷重段に対して折り曲げられることで前記少なくとも一つの傾斜部が形成され、前記少なくとも一つの傾斜部と水平面の間に上下調整角度が形成されるように構成することもできる。これにより、構造が簡易で製造され易く、製造コストを低減する効果を有する。
【0015】
また、前記ブレード連結面が別の折り曲げ案内部を有し、ブレード連結面の折り曲げ案内部が連結段表面の折り曲げ案内部に相対するように構成することもできる。これにより、各連結段が荷重段に対して折り曲げられ易くなる効果を有する。
【0016】
また、前記折り曲げ案内部は浅い溝であってもよい。これにより、各連結段を荷重段に対して折り曲げる操作の順調さを向上させる効果を有する。
【0017】
また、前記風上調整角度は2度以上、15度以下であることが好ましい。これにより、より大きい送風量を提供する効果を有する。
【0018】
また、前記上下調整角度は2度以上、15度以下であることが好ましい。これにより、送風範囲を調整する効果を有する。
【0019】
また、前記荷重段は複数のカーブ状体が相互に連結して形成した環状体であってもよい。これにより、運送や梱包の際に、複数のカーブ状体を互いに重ねることができるので、運送や積荷の利便性を向上させる効果を有する。
【0020】
また、各前記連結段と荷重段とが一体成形された金属からなることもできる。これにより、連結盤の構造強度を向上させる効果を有する。
【0021】
本発明のブレード連結盤は係止ブロックをさらに含み、係止ブロックは荷重段に隣接し、係止ブロックはブレード連結面に連結し且つブレード連結面から突出するように構成することもできる。これにより、ブレードの位置決め容易に行える効果を有する。
【0022】
また、前記連結段の各々は少なくとも一つの緊締孔を有し、各ブレードは少なくとも一つの貫通孔を有し、互いに対応する各連結段の緊締孔と各ブレードの貫通孔とが緊締部材により貫通結合されるように構成することもできる。これにより、結合の安定性を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第一実施例によるブレード連結盤の斜視図。
図2】本発明の第一実施例における別の実施態様の分解斜視図。
図3図1のブレード連結盤の部分拡大図。
図4】本発明の天井扇風機の部分分解斜視図。
図5図4のA−A線に沿った断面図。
図6】本発明の第二実施例によるブレード連結盤の部分拡大図。
図7】本発明の第二実施例によるブレード連結盤がブレードに結合する際の断面図。
図8】本発明の天井扇風機の斜視図。
図9】本発明の第三実施例によるブレード連結盤がブレードに結合する際の部分断面図。
図10】本発明の第四実施例によるブレード連結盤の部分拡大図。
図11】本発明の第五実施例によるブレード連結盤の部分拡大図。
図12】本発明の第六実施例によるブレード連結盤の部分拡大図。
図13】本発明の第七実施例によるブレード連結盤の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
図1に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第一実施例は、荷重段1及び複数の連結段2を含み、複数の連結段2が荷重段1の外周に連結される。
【0026】
荷重段1は環状を成すことが好ましく、一体成形された環状体であっても良く、図2に示されるような、複数のカーブ状体1aを相互に連結して形成したものであっても良い。これにより、運送や梱包の際に、複数のカーブ状体1aを互いに重ねることができるので、運送や積荷の利便性を向上させることができる。
【0027】
各連結段2はそれぞれ荷重段1に連結することができ、ブレード連結盤Dの構造強度を向上させるように、各連結段2と荷重段1とが一体成形された金属からなることが好ましい。各連結段2は相対する連結段表面21及びブレード連結面22を有し、連結段表面21とブレード連結面22との相対的な位置関係としては、連結段表面21がブレード連結面22の上に位置しても良く、或いはブレード連結面22が連結段表面21の上に位置しても良く、本発明では限定されない。本実施例では、連結段表面21がブレード連結面22の上に位置する例を挙げて説明する。
【0028】
図3に示されるように、より詳しく述べると、ブレード連結面22は相対する風上側第一長手辺22a及び導風側第一長手辺22bを有することができる。ブレード連結面22と連結段表面21の間隔は風上側第一長手辺22aから導風側第一長手辺22bへ向かって次第に広がるように形成されることが好ましく、そのため、ブレード連結面22に第一傾斜部221が形成される。第一傾斜部221と水平面Sとの間に風上調整角度θ1を形成しても良く、風上調整角度θ1は2度以上かつ15度以下であることが好ましい。さらに、各連結段2は、連結段表面21及びブレード連結面22を貫通する複数の緊締孔23を有することができる。
【0029】
図4、5に示されるように、上記構造を有することにより、ブレード連結盤Dを天井扇風機に合わせて使用することができる。天井扇風機はモータ3及び複数のブレード4を含み、ブレード連結盤Dは荷重段1によりモータ3に結合され、複数のブレード4は連結段2のブレード連結面22に対応して連結される。なお、各ブレード4は、連結段2の複数の緊締孔23に対応する複数の貫通孔41を有することができる。これにより、連結段2の緊締孔23とブレード4の貫通孔41とが緊締部材Fにより貫通結合され、ブレード4を連結段2のブレード連結面22に確実に連結することができるので、結合の安定性を向上させる。
【0030】
ブレード連結面22の第一傾斜部221は、ブレード4が水平面Sに対して風上調整角度θ1を形成されるようにする。天井扇風機が回転して作動する際、ブレード4の風上側が空気を切り裂いて上下に分けて二つの気流とし、風上調整角度θ1により下方の気流を増加させるので、天井扇風機の回転による送風量を向上させることができる。モータ3の回転速度が低い場合でも、ブレード4は効果的に気流を流動させて、所定の風量を維持することができるので、省エネルギーの効果も有する。
【実施例2】
【0031】
図6に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第二実施例において、ブレード連結面22は荷重段1から離れた外側短手辺22cを有することができる。ブレード連結面22と連結段表面21の間隔は外側短手辺22cからブレード連結面22と荷重段1の連結箇所へ向かって次第に広がることで第二傾斜部222を形成する。第二傾斜部222と水平面Sの間に上下調整角度θ2を形成することができる。なお、上下調整角度θ2は2度以上かつ15度以下であることが好ましく、これによりブレード4は好適に送風範囲を調整するという効果を有することができる。
【0032】
図7、8に示されるように、上記構成により、ブレード4を連結段2のブレード連結面22に連結した後、ブレード連結面22の第二傾斜部222がブレード4をブレード連結面22と荷重段1の連結箇所から外側短手辺22cへ向かって上がるように形成される。天井扇風機が作動する際、上げられた各ブレード4は送風範囲を拡大させることができるので、大面積スペースで流体を駆動するのに用いることができ、これにより空気を流通させる目的を達し、環境をより快適なものにする。
【実施例3】
【0033】
図9に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第三実施例において、ブレード連結面22と連結段表面21の間隔は外側短手辺22cからブレード連結面22と荷重段1の連結箇所へ向かって次第に縮まることで第三傾斜部223を形成される。第三傾斜部223と水平面Sの間に上下調整角度θ2を形成することができる。これにより、ブレード4を連結段2のブレード連結面22に連結した後、ブレード連結面22の第三傾斜部223がブレード4をブレード連結面22と荷重段1との連結箇所から外側短手辺22cへ向かって下がるように形成される。天井扇風機が作動する際、下がった各ブレード4は送風範囲を集中させることができるので、小面積スペースで流体を駆動するのに用いることができる。
【実施例4】
【0034】
図10に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第四実施例において、ブレード連結面22と連結段表面21の間隔は風上側第一長手辺22aから導風側第一長手辺22bへ向かって次第に広がることで第一傾斜部221を形成し、且つブレード連結面22と連結段表面21の間隔は外側短手辺22cからブレード連結面22と荷重段1との連結箇所へ向かって次第に広がることで第二傾斜部222を形成するので、ブレード連結面22は第一傾斜部221及び第二傾斜部222を同時に有する。第一傾斜部221と水平面Sとの間に風上調整角度θ1を形成することができ、第二傾斜部222と水平面Sとの間に上下調整角度θ2を形成することができる。
【0035】
以上により、ブレード4(図4参照)を連結段2のブレード連結面22に連結した後、第一傾斜部221は、ブレード4を水平面Sに対して風上調整角度θ1を形成するようにし、第二傾斜部222はブレード4をブレード連結面22と荷重段1の連結箇所から外側短手辺22cへ向かって上がるように形成される。よって、天井扇風機が作動する際は送風量を増加させて送風範囲を拡大させることができるので、使用利便性を向上させる効果を有する。
【実施例5】
【0036】
図11に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第五実施例において、連結段表面21は相対する風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bを有することができる。連結段表面21において荷重段1に近接する箇所に、連結段2を荷重段1に対して折り曲げることができるようにする折り曲げ案内部211を有することができる。折り曲げ案内部211は風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに連結し、且つ、風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに直交することが好ましい。折り曲げ案内部211は凹み或いは仮想の折り曲げ線であっても良い。本実施例において、折り曲げ案内部211は浅い溝であっても良く、これにより各連結段2を折り曲げる操作の順調さを向上させる効果を有する。このような構成を有することによって、各連結段2を折り曲げ案内部211に沿って荷重段1に対して上又は下へ折り曲げることができる。本実施例において、各連結段2を荷重段1に対して上へ折り曲げた場合を例に取り説明する。ブレード連結面22に第二傾斜部222を形成することができ、第二傾斜部222は水平面Sに対して上下調整角度θ2を形成することができる。これにより、上下調整角度θ2を形成するための別の手段を提供することができる。
【実施例6】
【0037】
図12に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第六実施例において、折り曲げ案内部211は風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに連結するが、風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに直交しない。これにより、各連結段2を折り曲げ案内部211に沿って荷重段1に対して折り曲げると、ブレード連結面22に第一傾斜部221及び第二傾斜部222を形成することができる。第一傾斜部221と水平面Sの間に風上調整角度θ1を形成することができ、第二傾斜部222と水平面Sの間に上下調整角度θ2を形成することができる。これにより、風上調整角度θ1及び上下調整角度θ2を形成するための別の手段を提供することができる。
【0038】
さらに、本実施例のブレード連結面22は別の折り曲げ案内部224を有することができる。ブレード連結面22の折り曲げ案内部224は連結段表面21の折り曲げ案内部211に相対することが好ましい。これにより、各連結段2を荷重段1に対して折り曲げる際、折り曲げ案内部211及び折り曲げ案内部224によってより折り曲げ易くなるので、製造時間を減少する効果を有する。
【実施例7】
【0039】
図13に示されるように、本発明に係るブレード連結盤Dの第七実施例において、ブレード連結面22と連結段表面21の間隔は風上側第一長手辺22aから導風側第一長手辺22bへ向かって次第に広がることでブレード連結面22に第一傾斜部221を形成する。第一傾斜部221と水平面Sの間に風上調整角度θ1を形成することができる。なお、折り曲げ案内部211は風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに連結し、且つ、風上側第二長手辺21a及び導風側第二長手辺21bに直交する。このような構成を有することによって、各連結段2を折り曲げ案内部211に沿って荷重段1に対して上へ折り曲げることでブレード連結面22に第二傾斜部222を形成することができ、第二傾斜部222は水平面Sに対して上下調整角度θ2を形成することができる。これにより、風上調整角度θ1及び上下調整角度θ2を形成するための別の手段を提供することができる。
【0040】
さらに、ブレード連結盤Dは係止ブロック5を含むことができる。係止ブロック5は荷重段1に隣接し、ブレード連結面22に連結し、且つブレード連結面22から突出する。ブレード連結盤Dの構造強度を向上させるように、係止ブロック5と連結段2は一体成形されることが好ましい。また、係止ブロック5は、ブレード連結面22に隣接する内表面51を有することができる。ブレード4(図4参照)においてモータ3(図4参照)に近接する端面は係止ブロック5の内表面51に当接することが好ましい。これにより、ブレード4を組み立てる際に、容易にブレード4を位置決めすることができるので、組立利便性を向上させる効果を有する。
【0041】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るブレード連結盤及びそれを用いた天井扇風機は、各連結段のブレード連結面に少なくとも一つの傾斜部を有することで、ブレードをブレード連結面に連結すると、ブレードは風上調整角度を形成することによって送風量を調整し、又は上下調整角度を形成することによって送風範囲を調整することができる。これにより、使用者が大きい又は小さい風量、広い送風範囲又は集中した送風範囲を有する扇風機を購入しようとする場合、いずれの場合もメーカーには異なる角度を有するブレードを生産するための金型を起こす必要がないので、製造コストを低減し、及び経済的収益を向上させる効果を有する。
【0042】
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0043】
1 荷重段
1a カーブ状体
2 連結段
21 連結段表面
211 折り曲げ案内部
21a 風上側第二長手辺
21b 導風側第二長手辺
22 ブレード連結面
221 第一傾斜部(傾斜部)
222 第二傾斜部(傾斜部)
22a 風上側第一長手辺
22b 導風側第一長手辺
22c 外側短手辺
223 第三傾斜部(傾斜部)
224 折り曲げ案内部
23 緊締孔
3 モータ
4 ブレード
41 貫通孔
5 係止ブロック
51 内表面
D ブレード連結盤
F 緊締部材
S 水平面
θ1 風上調整角度
θ2 上下調整角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13