(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774673
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】垢擦り設備搭載車
(51)【国際特許分類】
B60P 3/00 20060101AFI20201019BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20201019BHJP
A47K 3/022 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
B60P3/00 V
A61H33/00 310P
A47K3/022
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-144266(P2016-144266)
(22)【出願日】2016年7月22日
(65)【公開番号】特開2018-12449(P2018-12449A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】519152548
【氏名又は名称】有限会社大昌
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(72)【発明者】
【氏名】岡本 俊仁
【審査官】
マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−154278(JP,A)
【文献】
特開2001−112837(JP,A)
【文献】
特開2002−266401(JP,A)
【文献】
特開平08−232317(JP,A)
【文献】
特開平11−350759(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−1252780(KR,B1)
【文献】
実開平05−082435(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00
A47K 3/022
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車と、該自動車に設けられ、後部に入口部を有するコンテナ状の垢擦り室と、前記垢擦り室内部に設けられたサウナと、前記垢擦り室の内部で使用する水を供給する水供給手段と、前記垢擦り室の内部に設けられた垢擦り台とで構成され、前記垢擦り室の後部に、人を載せて上下移動可能なリフトを備え、
前記垢擦り室内で使用された水の不純物を除去し、垢擦り室の外部へ排水する排水装置を更に備えることを特徴とする垢擦り設備搭載車。
【請求項2】
前記水供給手段は、水を貯水可能なタンクであることを特徴とする請求項1に記載の垢擦り設備搭載車。
【請求項3】
前記タンクは、垢擦り室の外部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の垢擦り設備搭載車。
【請求項4】
前記水供給手段は、外部水源を接続可能な水源接続部を有し、この外部水源から供給される水を垢擦り室内部で使用できる水供給装置であることを特徴とする請求項1に記載の垢擦り設備搭載車。
【請求項5】
前記垢擦り室の内部には、水を沸かすことができる湯沸し器を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の垢擦り設備搭載車。
【請求項6】
外部の電源に接続し、外部から電気の供給を受けることができる電源装置を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の垢擦り設備搭載車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は任意に移動して、移動した場所で垢擦りをすることができる垢擦り設備搭載車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の垢擦り設備は、建物等の移動不可能な場所に設置されており、客がその設備まで訪問し垢擦りを受けていた。
しかしながら、このような垢擦り設備では、様々な場所で垢擦りを施術することは不可能だった。
【0003】
また、その設備のある建物等に客が訪問しなければならず、移動が難しい者には垢擦りを受けることができないという欠点があった。
車載式の入浴装置等は知られているが(特許文献1)、このような入浴装置には垢擦りを行うための設備が設けられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−305100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、移動した場所で垢擦りを行うことができる垢擦り設備搭載車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の垢擦り設備搭載車は、自動車と、該自動車に設けられ、後部に入口部を有するコンテナ状の垢擦り室と、前記垢擦り室内部に設けられた
サウナと、前記垢擦り室の内部で使用する水を供給する水供給手段と、前記垢擦り室の内部に設けられた垢擦り台とで構成され、前記垢擦り室の後部に、人を載せて上下移動可能なリフトを備え、前記垢擦り室内で使用された水の不純物を除去し、垢擦り室の外部へ排水する排水装置を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、自動車で移動可能であるので、客の自宅等に訪問して垢擦りをすることができる。
(2)垢擦り室の入口部には人を載せて上下移動可能なリフトが設けられているため、車いす等であっても容易に垢擦り室の内部に入ることができる。
(3)クリーンな水を排水することができる。
(4)請求項2に記載の発明も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、水道等から水の供給を受けられない場合であっても垢擦りをすることができる。
(5)請求項3に記載の発明も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、垢擦り室内部の空間を広く使用することができる。
(6)請求項4に記載の発明も前記(1)〜(5)と同様な効果が得られるとともに、外部から水の供給を受けることができるので、潤沢に水を使用して垢擦りをすることができる。
(7)請求項5に記載の発明も前記(1)〜(6)と同様な効果が得られるとともに、湯沸し器により、いつでも適温のお湯を用いて垢擦りをすることができる。
(8)請求項6に記載の発明も前記(1)〜(7)と同様な効果が得られるとともに、外部から電気の供給を受けることができるので、発電機や大容量のバッテリーを搭載しなくても、電気式のサウナや電気式の湯沸し器等を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1乃至
図5は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図6乃至
図9は本発明の第2の実施形態示す説明図である。
【
図1】第1の実施形態の垢擦り設備搭載車の概要側面図。
【
図6】第2の実施形態の垢擦り設備搭載車の概要側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至
図5に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は移動して垢擦りを行うことができる垢擦り設備搭載車である。
【0010】
この垢擦り設備搭載車1は、荷台2を有する自動車3と、該自動車3の荷台2に設けられ、後部に入口部4を有するコンテナ状の垢擦り室5と、該垢擦り室5後部の入口部4付近に設けられ、人を載せて上下移動可能なリフト6と、前記垢擦り室5の内部に設けられたサウナ7と、垢擦り室5内部で使用する水を供給する水供給手段8と、前記垢擦り室5の内部に設けられた垢擦り台9とで構成されている。
【0011】
なお、この「水」には冷水だけでなく「お湯」も含むものではあるが、本実施の形態においては、便宜上、「水」(冷水)と「お湯」という表現を使用して説明する。
前記荷台2有する自動車3は、本実施の形態においては、トラック3を用いており、このトラック3の荷台2に垢擦り室5を積載している。
【0012】
このトラック3には、
図1に示すように、その外部に垢擦り室5内部で使用する水を供給する水供給手段8として、予め水を貯水しておくことができるタンク8と、垢擦り室内部で使用する機器に電気を供給する電源装置10としてバッテリー10が設けられている。
【0013】
前記垢擦り室5には、その入口部4に人を載せて上下移動可能なリフト6が設けられている。このリフト6は本実施の形態においては、公知の油圧シリンダー(図示せず)により昇降する油圧リフトであり、地面から垢擦り室5の底面と略面一の位置まで上昇可能なものである。このリフト6は油圧リフトだけでなく、公知のどのようなリフト(機械式等)を用いてもよい。
【0014】
また、本実施の形態においては、このリフト6は、垢擦り室5の底面と略面一の位置まで上昇した後に回動し、垢擦り室の入口部4を塞ぐ扉体として用いられるものを使用している。
【0015】
垢擦り室5の内部には、
図2等で示すように、前記タンク8に接続され、垢擦り室5の内部で供給された水を沸かし、シャワー等(図示せず)にお湯を供給する電気式の湯沸し器11と、電気式のサウナ7と、垢擦りを行う垢擦り台9が設けられている。なお、お湯の温度は湯沸し器11自体で調整するものであってもよいし、シャワーの混合栓(図示せず)等で調整してもよい。
【0016】
前記水供給手段8としてのタンク8は、
図5で示すように、本実施の形態においては、ポンプ12と接続されており、このポンプ12によってタンク8内の水を湯沸し器11に圧送する。
【0017】
湯沸し器11は、前記タンク8と接続されており、タンク8から供給された水を沸かし、シャワー等にお湯を提供する。本実施の形態においては、この湯沸し器11は、電気式の物を用いており、電源としては、前記バッテリー10の電気を用いている。また、前記ポンプ12もバッテリー10から電気の供給を受けて稼動する。
【0018】
前記サウナ7は、本実施の形態においては、電気式のサウナ7で、1人用のものが用いられている。この電気式サウナ7の電源も前記バッテリー10から供給される。
【0019】
垢擦り台9は、本実施の形態においては、ベッド状の台で、垢擦りを受ける者がこの垢擦り台9に横になり、垢擦りをうける。垢擦りを受けた後にはシャワー等で垢等を流すため、この垢擦り台9は防水カバー等を備えることが望ましい。
【0020】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、
図6乃至
図9に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図6乃至
図9に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、外部電源13から電気の供給を受けることができる電源装置10Aを用いるとともに、水供給手段8Aとして、外部水源14を接続可能な外部水源接続部15を有し、この外部水源14から供給される水を垢擦り室5内部で使用できる水供給装置8Aを備え、サウナ7の代わりに浴槽16を設置し、垢擦り室5内部で使用した水の不純物をろ過等の処理で除去し、垢擦り室の外部へ排水する排水装置17を設けた点で、このような垢擦り設備搭載車1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0022】
前記電源装置13は、
図7に示すように外部電源13から電気の供給を受け、この電気を湯沸し器11、水供給装置8Aのポンプ12等に供給する。
【0023】
前記水供給装置8Aは、本実施の形態においては、外部の水道等の外部水源14及び外部水源接続部15で構成されており、前記外部水源14は水供給路を介して外部水源接続部15に接続され、外部水源14から供給を受けた水又はお湯を湯沸し器11や浴槽16に供給している。なお、この外部水源14の水圧のみで十分に湯沸し器11等に水を供給することができる場合には、必ずしもポンプ12を用いる必要はない。
【0024】
なお、本発明の実施形態においては、荷台を有する自動車の荷台に垢擦り室を積載したものについて説明したが、トレーラーやキャンピングカーの様に、自動車に垢擦り室を牽引状態で設けてもよい。
【0025】
また、垢擦り室内部の機器に使用するバッテリーや電源装置を有するものについて説明したが、垢擦り室内部で電気を使用する機器を使用しない場合(例えば、ガス式の湯沸し器のみを用いる場合、外部からお湯の提供を受けられる場合、電気以外の熱源で可動するサウナを用いる場合等)には、これらの電源装置等は用いなくてもよい。
【0026】
さらに、本発明の実施形態においては、タンク又は水供給装置のいずれかを用いる水供給手段について説明したが、これらを併用する水供給手段としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は垢擦り設備搭載車を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0028】
1、1A:垢擦り設備搭載車、 2:荷台、
3:自動車、 4:入口部、
5:垢擦り室、 6:リフト、
7:サウナ、 8、8A:水供給手段、
9:垢擦り台、 10、10A:電源装置、
11:湯沸し器、 12:ポンプ、
13:外部電源、 14:外部水源、
15:外部水源接続部、 16:浴槽、
17:排水装置。