【実施例】
【0053】
本明細書中で使用されるPB、BM、およびLNサンプルは、18歳以上の成人の患者からのものであった。全ての患者は、各病院の倫理委員会により承認されたプロトコルを使用する研究への参加のための書面でのインフォームド・コンセントを与えた。サンプルは、Programa Espanol de Tratamientos en Hematologia(PETHEMA)のグループからのSpanish Centers、およびHospital San Raffaelle,Milan,Italyにより提供された。
【0054】
実施例1 − 密度勾配遠心分離による人工環境(AE)成分の調製
本発明において記載されるAEの成分を以下のように調製する:Histopaque1077(Sigma)をコニカル遠心管に添加する。ドナーからの末梢血液(PB)、または骨髄(BM)、またはリンパ節(LN)サンプルを、慎重にHistopaque−1077の溶液上へと重ね、そして1500rpmで40分間遠心分離にかける。血漿分画を含む上部の層を先に取り除く。単核細胞(MNC)、Histopaque−1077、および顆粒球層(白血球分画)を含む中心の層を取り除き、廃棄する。その後、赤血球(RBC)または赤血球分画を含む下部の層を取り除く(
図1)。血漿分画を、使用するまで−80℃で貯蔵する。抗凝血性クエン酸リン酸デキストロースアデニン溶液(CPDA−1,Terumo Corporation,Tokyo,Japan)を、RBC分画(150μl CPDA/ml RBC)に添加し、これを最大35日の間4℃で貯蔵する。血漿および赤血球の分画を、AEが細胞培地を補う全ての実験用に1:1の割合で混合する。
【0055】
中間部分を勾配培地(gradient media)および白血球集団を取り除くために除外する。白血球を除外することによって、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の相互作用を心配することなく、他のドナーからの初代細胞のサンプルの試験においてAE調製物を使用することを可能にする。白血球集団(例えばT細胞およびNK細胞)一部上のMHC受容体は、白血球集団に自己由来ではないサンプルからの初代細胞を攻撃させることもある。したがって、AE調製物から白血球集団を除外することが必要である。しかしながら、実際問題として、記載された方法は富化プロセスである。全ての分画は残留数の白血球を含むこともあるが、その数は試験されている初代細胞集団に対する測定可能なMHCの効果を持つには十分ではないこともある。血漿と赤血球からなるAEを使用して、初代細胞の生存率およびそれらの増殖する能力に影響を与えるエクスビボアッセイ系へ因子を加える。これらのAE因子はまた、薬物がどのように有効性と潜在能力に関して初代細胞と相互作用するか、に影響を与えることもある。
【0056】
血漿分画だけ使用する場合には、AEは以下のように調製される:全PB、BM、またはLNのサンプルを、4℃で15分間、2500rpmで遠心分離機にかける。血漿分画を含む上部の層を取り除き、少量の分画に小分けし、使用するまで−80℃で保管する。
【0057】
実施例2 − AEは、新鮮な原発性腫瘍細胞と冷凍の原発性腫瘍細胞との間の結果の優れた相関作用を可能にする
予め凍結保存されたサンプルの解凍おけるAEの役割を調査した。凍結保存の方法は、一般的に白血球を分離するために密度勾配に依存し、白血球分画だけが凍結保存される。ゆえに、これらの細胞が解凍されたとき、分離された白血球はそのAEを全く持たないという結果となる。したがって、これらの解凍された細胞上の化合物の活性を、AEが存在しないことで、人為的に改変することができた。これらの凍結保存された細胞のAEを加減(add back)することができるのか、および、凍結/解凍のプロセスによって細胞毒性や抗増殖性の薬物の化合物の活性が変わるかどうかを調査した。新鮮なBM AMLのサンプルを2つのパートに分けた;1つ目のパートでは、新鮮なサンプルとして、そのAE中のいくつかの化合物の用量反応曲線を評価した。他のパートでは、凍結保存された白血球分画、−20℃で冷凍された血漿分画、および血液バッグからのCPDA内に4℃で保存されていた赤血球−顆粒球分画を分離する密度勾配を行った。2週後に、凍結保存されたガラス瓶は解凍された。また、各患者からの血漿と赤血球の分画は1:1比率で混合され、解凍された初代細胞へ添加した。これらの化合物の活性と同じ評価を繰り返し、再構成されたAEを用いて同じ患者の新鮮なサンプル対凍結されたサンプルにおける結果を比較した。
【0058】
7つの様々な薬物の8つの濃度について試験し、24時間および48時間インキュベートし、また、インキュベーションの前の生存率の結果も得た。インキュベーションの後、赤血球を溶解し、白血病細胞を特定するために、白血球をモノクローナル抗体の組み合わせを使用して染色した。分析からアポトーシス細胞を除外するためにアネキシンVも含ませた。曲線下面積(AUC)を、各薬物および各疾患に対して算出した。
図2Aは、新鮮な及び冷凍の初代AML細胞を使用して、24時間および48時間(黒丸対白丸)で、各薬物(様々な色彩強度)に対する得られたAUC間の相関作用を示す。優れた相関作用が、各薬物および条件に対して得られた(r
2=0.618)。このことは、AEが回復する限り、これらの化合物の活性は、これらの細胞を凍結し解凍することによる影響を受けなかったことを示す。したがって、再構成されたAEを有する凍結保存されたサンプルは、化合物の活性を評価するために使用することもできる。
【0059】
図2Bは、同じAMLサンプルが様々な分析を用いて処理されるときに得られた生存率の違いを示す。新鮮な骨髄全体中の白血球細胞の生存率と、凍結して解凍した同じサンプルから分離された白血球の生存率との比較を、5つのAMLサンプルにおいて分析した(灰色の四角)。新鮮な骨髄全体中の白血球細胞の生存率と、凍結して解凍した再構成されたAEを有する同じサンプルから分離された白血球の生存率との比較を、10のAMLサンプルにおいて分析した(黒色の四角)。上のパネルは白血球細胞の最初の生存率を表わすが、下のパネルは48時間のインキュベーション後の白血球細胞の生存率を示す。各条件の中央値、平均(Avg)および標準偏差(StdDev)を、各グラフの下の表に示す。各条件に関する最初の生存率において、有意差は観察されない。しかしながら、骨髄全体と比較して、再構成されたAE用いることなく分離した白血球が使用されるとき、生存率の低下が観察される。この低下は、AEが分離した白血球へ一旦加えられると観察されなくなり、新鮮な骨髄全体で得られる能力に類似の非常によい生存率が得られる。
【0060】
類似の結果が、ALLなどの他の血液学的悪性腫瘍に対しても観察された。
図2Cは、ALLのサンプル中の化合物に関する48時間および72時間の用量反応曲線を示す。実線は新鮮なサンプルを表わし、点線は、患者(血漿および赤血球の分画)からの凍結保存されたAEで再構成された同じサンプルから解凍し分離したリンパ球を表わす。
図2Cで見られるように両方の方法の間で有意差が観察されず、これによってAEを解凍されたサンプルへ後に加えて、類似の薬物感受性を得ることができることを示す。
【0061】
実施例3 − 原発性腫瘍細胞集団における生存率および増殖を試験ための分析
原発性腫瘍細胞集団を試験する全ての分析に関して、Vybrant(登録商標)CFDA SE Cell Tracer Kit(分子プローブ)は細胞増殖を測定するために使用される。CFDA SE(成分A)を、原液として5mMの濃度でジメチルスルホキシド(成分B)内に溶解し、次の使用まで−20℃で保存する。本実施例において、新たに抽出し分離したCLL細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS(Sigma))中に10x10
6cells/mlで調節した。CFDAを、初代CLL細胞の1ml細胞懸濁液へ加え、5μMの最終濃度とする。CFDAの添加後、連続的に振とうし光から保護した状態で、細胞を10分間室温で攪拌してインキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、細胞を培地中で再撹拌し、5分間氷上で維持した。その細胞を培養液で2回洗浄し、使用するまで4℃で維持した。このステップを、実験用調製における全ての他のステップ前に実施した。
【0062】
その後、CFDAで標識された初代CLL細胞を96ウェルプレートへと分配する。細胞は、1μg/mlのオリゴデオキシリボヌクレオチド含有CpGモチーフ(ODN2006;Miltenyi Biotec,Bergisch Gladbach,Germany)と、50ng/mlのインターロイキン2(IL−2,Peprotech,London,United Kingdon)と、のサイトカインの組み合わせで刺激した。刺激は、生存率および増殖の両方を制御するためには使用されない。インキュベーションの96時間後、そのプレートを洗浄した。その後、20μlのアネキシンV CF Blue(Immunostep,Salamanca,Spain)と、CD19 PC7(Clone J4.119,Beckman Coulter)と、CD45−APC(clon HI30,Immunostep,Salamanca,Spain)との組み合わせを添加した。暗所において室温で15分間インキュベーションした後洗浄ステップを実施し、そのペレットを、ViviaのExviTechプラットフォームにおける分析のために、80μlバッファー中で再撹拌する。
【0063】
分析に関して、初代CLL細胞を特定するために、抗体CD19とCD45を使用し、アネキシンV染色によってアポトーシス細胞および生細胞を区別して生存率を試験し、CFDAによって増殖をモニタリングすることを可能にする。
図3Aは、初代CLL細胞が、前方散乱(FSC)および/または側方散乱(SSC)に基づくゲーティング戦略(gating strategy)、および様々な表面マーカー(CD19とCD45)の発現を使用してどのように特定されるかを示す。
図3Bは、Aにおいて特定された初代CLL細胞を表示するプロットを示すが、しかし、アネキシンV染色がアポトーシス細胞および生存細胞を区別する場合である。
図3Cは、増殖する集団をCFDA染色によってどのように特定するかを示す。左のパネルは、サイトカインへさらされておらず、なお単一の集団を示すCLL細胞の実施例を示す。右のパネルは、サンプルのある部分が増殖しており、サンプルのある部分がそうではないサイトカインへさらされたCLL細胞を示す。
【0064】
実施例4 − HS−5間質細胞で共培養された、正常なPBまたはBMからAEを補足されたCLLサンプル中の生存率および増殖
CLLと診断された患者からの原発腫瘍細胞に対する最適条件に関して試験するために、フローサイトメトリーベースのスクリーニング過程が使用される。試験される条件は表1に要約される。各アッセイにおけるB細胞に対するHS−5間質細胞の比率が示される。
【0065】
【表1】
【0066】
3つの凍結保存されたCLL原発腫瘍サンプルが、HS−5間質細胞とともに及びそれなしで試験される(無し、1:10および1:100)。HS−5(23)細胞を組み込んだプレートは、10
2または10
3細胞/60μl/ウェルで96ウェルプレートに蒔かれ、24時間インキュベートされて、細胞を接着させる。CLL原発腫瘍細胞はCFDAで標識される。AEに存在する残余の白血球は、CFDAで標識されず、これによって、試験されている原発腫瘍細胞集団と区別され得る。
【0067】
AE、血漿および赤血球分画は、PBから3人およびBMから3人の、6人の健康なドナーから分離され、別々に試験される(サンプルはプールされなかった)。AEは1μl/ウェルで適切なウェルに加えられる。3つのサイトカインの対も試験される:1μg/mlのCD40リガンド(sCD40L、Peprotech, London, United Kingdon)+25ng/mlのIL−2(Peprotech, London, United Kingdon)、1μg/mlのsCD40L+1μg/mlのCpG(ODN2006 Miltenyi Biotec, Bergisch Gladbach, Germany)および1μg/mlのCpG+50ng/mlのIL−2。刺激は、生存率および増殖の両方の制御として使用されない。各条件に対する複製(Replicate)プレートは、それぞれ3回繰り返して、72時間および96時間の2つの時間点に対してインキュベートされる。
【0068】
実験は、CLL患者のサンプルにおける悪性B細胞集団の生存率および増殖両方を試験した。全体的な結果は
図4に示され、グラフはそれぞれ、中央値の生存率+/−SD(標準偏差)として測定された、Y軸上の生存率およびX軸上の増殖を示す。72時間または96時間の各時間点に関して、縦の列は、HS−5細胞(0)での共培養のない状態、または腫瘍細胞に対するHS−5細胞の1:10(1:10)または1:100(1:100)比率での共培養を示している。3つの横の行はAE条件を示し、一番上の行はAEを含まず。真ん中の行は正常なBMからのAEを含み、および一番下の行は正常なPBからのAEである。
図4は、各サイトカインの組み合わせに対する中央値の応答を示す。増殖の最高レベルは、AEを含んでいいないサンプルである(一番上の行)。これは、AE成分なしで分離された細胞に対する薬物の効果を試験することが、薬物の有効性を過大評価することになり得ることを示しており、これは、AEが腫瘍細胞にも影響を与える成分を有し得るからである。薬物が主として増殖細胞に対して影響を与える場合、それはAEがない状態でより大きなエクスビボでの効果を有するだろう。多くの条件は生存率を改善したが、増殖を誘発することはより難しい。試験されたすべての条件のうち、CpG+IL−2サイトカインの対だけが、生存率および増殖両方に対してプラスの効果があった(円を参照)。これは、AEなしでの又はNPB由来のAEを含む、HS−5細胞での1:100の共培養の存在下において96時間で見られる。NBM由来のAEは、CpG+IL−2によって誘発された増殖を阻害するように見える。生存率および増殖両方を考慮する最良の全体的な条件は、CpG+IL−2およびNPB由来のAEが、1:100でHS−5細胞で共培養された、96時間のインキュベーションであった(
図4の右下)。
【0069】
実施例5 − 健康なドナーからの及びCLL患者のサンプルからのPB由来のAEを使用する生存率および増殖
本発明の方法を、健康なドナーおよびCLL患者両方のPB由来のAEを評価するために使用した。この実験のための条件を、1μg/mlのCpG+50ng/mlのIL−2を使用して、HS−5共培養なしで及び1:10のHS−5共培養を用いて、各々72時間および96時間のインキュベーション時間でサンプルを刺激するように設定した。代表的な患者のサンプルからの凍結保存された原発性CLL腫瘍細胞は、
図5に示される。白棒は72時間の結果であり、黒棒は96時間の結果である。対照サンプルは、CpG+IL2をプラスした又はマイナスした、AEのないCLL原発腫瘍サンプルを指す。原発腫瘍サンプルを、5人の健康なドナー(NPB)から及び5人のCLLドナー(CLL)からのAE(血漿および赤血球分画、1μl/ウェル)を用いて試験した。上のグラフの設定において見ることができるように、生存率のレベルは2つのタイプのAE間でかなり近似しており、HS−5共培養の存在は、両方に対するレベルを幾らか低下させた。下のグラフは増殖のレベルを示し、最も大きな効果は、HS−5共培養およびCLL患者からのAE(右下)を用いる条件である。これらの条件は、最大60%までの腫瘍細胞増殖のレベルをもたらした。これは、最近報告された(14)原発性CLL細胞におけるわずか15%の増殖レベルを十分に超えるものである。対象の1つの他のポイントは、類似したドナーサンプル内では、結果が様々であるということである。これは、HS−5共培養でCLL腫瘍細胞の生存能を大いに阻害した1つの特定のAEにおいて有意である(円を参照)。これは、得られるAEが、本明細書に見られる患者間の変動性を限定するために使用前に試験される必要があり、潜在的にプールされる必要があるということを示している。
【0070】
実施例6 − 血漿のみ又は血漿+赤血球でのプールされたAEを使用する生存率および増殖
本発明の方法を、CLLの凍結保存したサンプルにおけるCLLまたは正常なサンプルからのAEの異なる成分の効果を評価するために使用した。4つのCLLの冷凍したサンプルを、対照(黒丸)と一緒に1μg/mlのCpG+50ng/mlのIL−2(灰色の丸)で播種し、増殖(X軸、中央値の増殖+/−SD)および生存率(Y軸、および中央値の生存率+/−SD)両方を試験した(
図6)。丸からの縦および横の線は、両方のパラメータに対するエラーバーを表わす。6つの正常なPB(NPB)および6つのCLLのPBの培地を、AE補足のソースとして使用した。高い患者間の変動性を回避するために、前に記載されたように、6つすべてのサンプルに対する血漿およびRBCを、同じリザーバーに一緒に加え、割合(1:1)を維持した。3つの横の列は、96時間のインキュベーションでの異なるHS5間質細胞株の密度(1:10、1:100および無し)を示す。列はそれぞれ異なる細胞培養条件を表わす:
・ 第1の列(CLL PB):CLLからの末梢血から得られた血漿および赤血球(RBC)から構成されたAE。
・ 第2の列(NPB):正常な末梢血から得られた血漿および赤血球から構成されたAE。
・ 第3の列(血漿CLL PB):CLL PBの血漿分画だけ(RBCなし)。
・ 第4の列(血漿NPB):NPBサンプルの血漿分画だけ(RBCなし)。
・ 第5の列(2x CLL PB):CLL PBから得られた血漿および赤血球から構成されたAEの量の倍。
・ 第6の列(2x NPB):NPBから得られた血漿および赤血球から構成されたAEの量の倍。
・ 第7の列(2x 血漿CLL NPB):CLLサンプルの血漿分画の二倍の量。
・ 第8の列(2x 血漿NPB):NPBサンプルの血漿分画の二倍の量。
【0071】
これらの条件は、CLL PB(列1)からの血漿および赤血球から構成された加えるAEとNPB(列2)からの血漿および赤血球から構成された加えるAEとの間の明確な差を示している。CLL PB+サイトカインからのAEは増殖を増加させ(円を参照)、一方、正常な患者(NPB)からのAEは、サイトカインの存在下でさえも増殖に対する効果がほとんどなかった。加えた、CLL由来のAEに関して、血漿だけが使用されたときに、増殖(X軸)および生存率(Y軸)両方が縮小されるため、血漿分画のみで構成される(列3および列7)よりもむしろ、血漿および赤血球(列1および列5)で構成されたAEを加えることに関連性があるようである。同様に加えられるAEの量で飽和効果があるように見える。列5−8におけるようにより高い濃度を加えることは、列1−4に見られる改善を超える著しい改善がなかったことを示していた。これらの実験は、特にCLL PB由来のAEで、増殖および生存率を改善することのAEの重要性を実証しており、成分の幾つかは、NPBと比較して、これらのパラメータを増大させるようである。
【0072】
実施例7 − ヒト血清対ウシ胎児血清
原発性CLL腫瘍細胞がインキュベーション過程の間に維持される培地は、10%のウシ胎児血清(FBS)を含有している。アッセイ系に対するFBSの効果を判定するために、3つのCLLサンプルを、インキュベーション培地に対して4つの異なる血清条件、10%のFBS、20%のFBS、10%のヒト血清(HS)、または20%のHSにおいて試験した。CLL腫瘍サンプルを、HS−5共培養なしで、または1:10または1:100の比率での共培養で試験し、1μg/mlのCpG+50ng/mlのIL−2で刺激した。AEはCLL患者からの6つのPBサンプルに由来するものであった。6つのサンプルからの血漿および赤血球の分画を、1:1の比率で混合し、1μl/ウェルでウェルに加えた。結果は、HSが、すべての条件においてFBSよりも腫瘍細胞の生存率を著しく増加させることを示している(
図7)。試験された各サンプルに対する中央値が示される。HSおよびFBS両方を20%に増加させることは、細胞の生存率の増加に結びつくが、より高い血清中濃度も増殖を阻害する。HS−5細胞株での共培養は、HSサンプル中の生存率を低下させるが、増殖に必要とされる。生存率および増殖のための全体的な最良の条件は、10%のHSである。
【0073】
実施例8 − 表2の条件を使用して最良のサイトカインプロトコルを判定するためのCLLPB+/−HS−5細胞を使用する生存率および増殖
本実験は、異なる細胞シグナル伝達を網羅する24のサイトカインの組み合わせ(表2)の生存率および増殖の効果を評価する。使用されるサイトカインは以下の通りであった:CpG(1μg/ml)、IL−2(50ng/ml)、sCD40L(1μg/ml)、B細胞活性化因子(BAFF、10ng/ml)、IgM+IgG(BCR、10μg/ml)、IL−21(インターロイキン−21、50ng/ml)。間質細胞、HS−5を、含めたときに1:100の希釈で使用した。これらの実験のためのAEは、CLLを有する3人の患者のPBから得られた血漿および赤血球であった。各サンプルからのAE分画を、培養培地に加える前に等しく分けて混合した。使用される培地は、AE(1.6%)+ヒト血清(HS)10%を含有していた。20のCLLの凍結保存した原発腫瘍サンプルを処理し、サイトカインの組み合わせのそれぞれで試験した。増殖(X軸)および生存率(Y軸)両方を、各々のサイトカインの組み合わせに対して前に記載されたように試験した。表2に示された番号は、
図8および
図9に表わされる各組み合わせに対応している。
【0074】
【表2】
【0075】
図8におけるドットプロットのデータポイントはそれぞれ、番号によって示された1つの特定のサイトカインの組み合わせに対応している。
図8は、各組み合わせのためのすべてのサンプルに対する中央値を反映しており、これは、CLL PB AEおよびHS 10%と一緒にCpG(1μg/ml)+IL2(50ng/ml)+HS5(1:100)のサイトカインの組み合わせが、96時間のインキュベーションで最大で60%の生存率および40%の増殖を提供する、最良の条件であることを示している。これは表内および
図8上の組み合わせ22である。
【0076】
図9は、すべての前の24のサイトカインの組み合わせをグ、異なる範囲のCLL増殖(X軸)および生存率(Y軸)に改善すると前に報告された、3つの異なる骨格刺激にグループ化している。これらは、sCD40L+CpG、sCD40L+IL−21およびCpG+IL−2に対応している。表2からの同じ組み合わせ番号を使用する
図9は、各骨格刺激のためのサイトカインの組み合わせに対するすべてのサンプルの中央値を表わしている。
図9は、細胞シグナル伝達の組み合わせCpG+IL−2が、他の細胞シグナル伝達経路と比べた対照と比較して、より優れた生存率(70%)はそのままに、より高い増殖(20%)を誘発するための最良の経路であることを示している。
【0077】
実施例9 − AEの存在下での原発性CLL細胞上で試験されたイブルチニブおよびイデラリシブの増殖抑制作用
凍結保存された末梢血(PB)単核細胞は、処置を必要としている15人のCLL患者から提供された。これらの実験のためのAEは、CLLを有する3人の患者のPBから得られた血漿および赤血球であった。各サンプルからのAE分画を、培養培地に加える前に等しく分けて混合した。試験される凍結保存されたCLL原発腫瘍細胞を、1.6%のAE、10%(vol/vol)のヒト血清、2%のHEPES、1%の抗生物質、および1%のL−グルタミン200mMを補足したAIM−V(AIM−V(登録商標)+Albumax(登録商標)(BSA 1X))において、HS−5細胞株の融合層(confluent layers)上で100:1の比率で培養した。細胞を、以下の対のサイトカインの組み合わせで刺激した:5%のCO
2を含有している加湿空気中の37℃での96時間の1μg/mlのCpG ODN+50ng/mlのIL−2。CLL細胞の生存率(アネキシンV染色によって評価された)および増殖(CFDA色素によって評価された)は、患者にわたる作用の範囲を網羅する8濃度のイブルチニブ(N=15)およびイデラリシブ(N=21)で試験される。
図10A−Cは、サンプルからの用量反応(DR)曲線を示し、ここで灰色線はそれぞれ、異なるサンプルを表わしている。B細胞の生存指数は、100%で開始してY軸に表示され、X軸は、イブルチニブ(
図10A)またはイデラリシブ(
図10B)の薬物濃度を表わしている。
図10Aおよび
図10Bにおける左のパネルは、非増殖性(NP)生存腫瘍細胞における各薬物の効果を示し、右のパネルは、増殖性(PR)細胞分画における薬物の効果を示している。
図10Aおよび
図10Bは、イブルチニブ(A)およびイデラリシブ(B)両方がNP分画に対してほとんど効果がないことを実証しており、これは薬物の直接的なアポトーシス促進活性が制限されることを示唆している。対照的に、増殖の強力な阻害が、増殖(PR)をほぼ完全にブロックする低いnM範囲内で観察される。
図10Cは、イブルチニブおよびイデラリシブに対するNP(灰色線)およびPR(暗線)の細胞サブセット両方の中央値を示し、NP細胞対PR細胞の感受性の明確な差を反映している。これらの結果は、イブルチニブおよびイデラリシブなどの薬物の効果を予測するためにAE、間質細胞およびサイトカインの追加とともにここで表わされる、CLLのインビボでの微小環境を再構築する必要性を反映している。
【0078】
実施例10 − 異なるテスト条件でのMDSサンプル中の生存率および絶対的なCD34芽細胞回復
AMLおよびMDSは両方とも、それらのCD34+の発現によって特定され得る多能性造血幹細胞中の悪性腫瘍に関連付けられている。これらの細胞は、エクスビボで生存可能状態を維持することが難しいことが判明し、増殖のレベルは非常に低い。血清、培地またはAEの適切なソースは、CD34+細胞死を回避する及び特定のサイトカインでの増殖を可能にするために使用されるべきである。これらの実験では、骨髄異形成症候群(MDS)の患者からのBMから得られた、凍結保存された初代細胞(単核)を試験した(
図11)。7つの異なる条件を、対照を加えて試験し、これは、対照が100ng/mlの幹細胞因子(Peprotech, London, United Kingdon)+50ng/mlのIL−3を含有しているMyeloCultH5100培地(Stemcell Technologies, Vancouver, Canada)を含有していたことを除くすべての条件で、それぞれ3つの時間、24時間、48時間および72時間(各々三通りで)に対して行われた。下記の番号はそれぞれ、サンプルセットに加えられた異なる成分を示し、
図11上の番号にも対応しており、結果を示している:
1.HS5細胞株の上清の+10%(vol/vol)。
2.HS5細胞株の上清の+20%(vol/vol)。
3.正常な骨髄(NBM)からの+1.6%のAE(血漿および赤血球分画)。
4.+10%(vol/vol)のヒト血清(HS)。
5.+20%(vol/vol)のヒト血清、RPMI+20%(vol/vol)のウシ胎児血清(FBS)。
6.HS5細胞株+20%(vol/vol)のウシ胎児血清(FBS)の+高いコンフルエント。
7.HS5細胞株+20%(vol/vol)のウシ胎児血清(FBS)の+低いコンフルエント。
【0079】
対照(CON)を、RPMI+20%のFBSにおいてインキュベートした。生存率を、我々のExviTech(登録商標)プラットフォームによるアネキシンVおよび絶対的なCD34+細胞数によって評価した。解析するべく、抗体CD45−APC(Clon HI30, Immunostep)およびCD34−PerCP(Clon581, Biolegend)が、原発性CD34+細胞を特定するために使用される。
図11における上のパネルは生存率を示し、下のパネルは絶対的なCD34+芽細胞数である。AEの追加を含む異なる条件は、両方のパラメータに影響する。これらの条件の多くは、対照と比較可能である細胞培養後の生存率と類似したパターンを示し、これは、CD34+数対ベースラインに対しても同じである。しかしながら、この特定のMDSサンプルに関して興味深いことに、1つのみのNBM(番号3)からのAEの追加およびHS5間質細胞株(高い及び低いコンフルエンス、番号6および7)での共培養は、CD34+生存率を減少させる。
【0080】
実施例11 ― 正常なBMに由来する異なるサイトカイン混合物およびAEを含む、4つのB−NHL一次サンプルにおける生存率および増殖
CLLサンプルが示すように、異なるサイトカインの組み合わせおよび/またはAEを加えることで、B−非ホジキンリンパ腫(B−NHL)一次サンプルの生存率または増殖を改善しうる(
図12AおよびB)。本実験では、アネキシンVおよびCFDAを用い、2つの異なる時間、72時間と96時間、異なる条件で、前述したように生存率(Y軸)と増殖(X軸)の両方をテストした。凍結保存された4つのB−NHL原発腫瘍サンプルが含まれた。すなわち、2つの濾胞性リンパ腫(FL)および2つの脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)である。表3に示されるように、生存率と増殖の最適化のために15の異なる条件がテストされた。表3の各条件の数字は、
図12のサンプルに対応する。本実施例に使用された該AEは、濃度1.6%(vol/vol)の血漿と赤血球分画より成る。
【0081】
【表3】
【0082】
分析に用いられる抗体は、CD19−PE(クローン HIB19、e−Bioscience)、CD10−PE−Cya7(クローン HI10a、Biolegend)、CD45PO(クローン HI30、Invitrogen)およびCD20 APC(クローン L27、Becton Dickinson)であり、初代リンパ腫細胞を特定するために使用される。4つのB−NHLサンプルに対する中央値の応答が、テストされた各条件ごとに示され、ドットプロットにおける各データポイントは、表3に示された組み合わせを表す。72時間のインキュベーションの結果は
図12Aに、また96時間のインキュベーシについては
図12Bに示される。グラフのY軸は生存率を示し、X軸は増殖を示す。黒い正方形はCD40Lを含む組み合わせ、白い正方形はIL2を含む組み合わせであり、円はサイトカインを含まない。CLLが示すように、様々な条件において生存率が保持されるが、最大の増殖を誘導するためにはCpG+sCD40L(黒い正方形)が必要である。最良の全般的条件は、NBMのAEを含む(あるいは含まない)CpG+sCD40L+HS 10%と共に96時間インキュベーションした場合であった(
図12Bの右側の2つのデータポイント8と9)。双方ともに60%を超えるレベルの生存率と増殖を示す。
【0083】
実施例12 ― MM一次サンプルの生存率および増殖
MM患者から得られた骨髄サンプルは、生存率と増殖速度を維持するための最良の条件を判定することを目的として評価された。様々なサンプルの処理が、腫瘍細胞の生存率および/または増殖にどのように影響するかを判定するために分析された。さらに、各サンプルはアッセイでの使用に先立ち、異なる処理を施された。条件は以下のとおりである:
A.MM患者の骨髄全体+FBS(20%)。
B.フィコール・ハイパック遠心法によって該MMサンプルより分離された骨髄単核細胞+自己由来血漿(5、10、20および50%)および赤血球。
C.(塩化アンモニウム溶液とBulkLysis Cytognosによって)溶解された赤血球を含む骨髄全体+自己由来血漿(20%)。
【0084】
RPMI1640、AIMV、DMEMおよびIMDMを含む4種の培地がテストされた。2つのヒト間質細胞株(HS27aおよびHS5)が、様々な比率(1:1、1:10および1:100)で加えられ、同様にテストされた。
【0085】
患者のBM全体は、各サンプル種別のために、前記のように得られ、調製された。Vybrant(登録商標) CFDA SE Cell Tracer Kit(分子プローブ)が、実施例3において開示される細胞増殖を測定するために用いられた。該CFDAプロトコルの後、全てのサンプルは、培地+Zell Shield(Labclinics)+L−Glu(Lonza)+20%FBSにおいて再懸濁された。条件Aのサンプルに変化はなく、条件Bのサンプルは自己由来MM血漿+RBCが加えられた異なる濃度を有し、条件Cのサンプルは20%の自己由来血漿を受け入れた。最終的な細胞濃度は20 cells/μl〜70 cells/μlに及んだ。代替として、自己由来血漿は3つのMM血漿のプールに置き換えることができる。
【0086】
CFDA標識血漿細胞は、96ウェルプレート(60μl/ウェル)に分注され、37℃で、5%のCO
2において72時間あるいは96時間、インキュベートされた。分析のために、MM細胞(モノクローナル抗体による評価)は、生存率(アネキシンV染色)および増殖(CFDA)の両方についてテストされた。
【0087】
96時間のインキュベーシの後、イムノフェノタイピングを伴ったCFDA染色が、ViviaのExviTechプラットフォームを使用する前述の方法に従い、血漿細胞の生存率(アネキシンV陰性)および増殖(CFDAピーク)の両方の分析を許容した。
【0088】
96時間のインキュベーションの後に検知されたMM細胞の数が、単一のウェルだけではあまりにも少なかったため、プールされたウェルのアッセイは、同一の手法で処理された4つのウェルからサンプルを得て行なわれた。したがって、大幅に多くの数の細胞を評価することができ、データの信頼度は増した。これに従って、また原始細胞計算に基づいて、各ウェルにつき1000〜4000の生病理学的MM細胞を蒔くためのサンプル量の計算が行われた。取得中に、4つのウェルのサンプルは、各処置のために得られ、それによって最小4000および最大16000の生血漿細胞を得た。これらの実験の結果は、20%の自己由来血漿を加えた患者の骨髄全体、あるいは少なくとも3つのMM血漿(上記の条件C)のプールの使用、およびIMDM培地の使用が、より良好なMM細胞生存率とより高い増殖速度(データなし)を達成するための、最良の条件を提供したことを示す。さらに、2つのヒト間質細胞株(HS27aおよびHS5)のいずれかの存在が、生存率と増殖の双方に負の効果を持つことが明らかになった。
【0089】
フォローアップ実験が、本実験の設定条件における2つのサイトカイン、IL−6(インターロイキン6)およびCpGの効果を分析するために行なわれた。表4は、各サンプルでアッセイされた特定の条件を示す。実験手順は上述のとおりである。サイトカインが含まれる場合(xとしてマークされる)、それはインキュベーションのはじめに加えられた。
【0090】
【表4】
【0091】
サンプル種別は、本実施例のはじめに概説された異なるサンプルの処理を指す。全てのサンプルは、複製してアッセイされた(サンプル5を除く)。数字は
図13のサンプルに対応する。結果は、非増殖(NP)生腫瘍細胞(白い円)、および増殖(PR)細胞分画(灰色の円)の両方に対して示される。
【0092】
前記結果は、前記サイトカインの存在が、細胞の生存率と細胞の増殖のパーセンテージに関して何の利点ももたらさないことを示す。サンプル1は、IL−6およびCpGのない状態でもより高い水準の生存率を示しさえした。間質細胞を含まないサンプル7は、最も高いレベルの生存率と増殖を示し、これは前述の結果と一致する。ここにおいても、サイトカインは前記結果に何の影響も与えなかった。エクスビボアッセイでは、IL−6およびCpGがMM細胞の生存率と増殖に影響するようには思われないと結論付けられる。間質細胞およびIL−6のない自己由来血漿の存在は、MM細胞にとってこれまでで最良の条件を提供する。他のサイトカインは異なる結果を示すかもしれない。
【0093】
実施例13 ― AE(血漿のみ)の存在下における初代MM細胞上でテストされたレナリドミドの増殖抑制作用
腫瘍細胞の処置に使用されるいくつかの薬物は、活発に増殖する細胞を優先的に標的とし、抗増殖剤として作用する。この一例は、MMを診断された患者を処置するためのレナリドミドの使用である。レナリドミドの効能を、MM原発腫瘍細胞に対するエクスビボアッセイで評価するのは難しい。なぜなら、従来、使用されてきた条件下では、これらの細胞の増殖のレベルは極めて低いからである。本実施例では、MMを診断された10人の患者から得たBMサンプルを、エクスビボアッセイでテストした。AE(血漿のみ)は、増殖のレベルを増大させるために培地に加えられ、レナリドミドは0.03〜30μMの濃縮範囲に渡ってテストされた。
【0094】
10人のMM患者から得たBM全体は、1%の抗生物質、1%のL−グルタミン、さらに20%の自己由来血漿(AE)を補足されたIMDM培地において、96時間、培養された。サンプルは、実施例12に概説されるように処理され分析された。MM細胞の生存率(アネキシンV)および増殖(CFDA)は4の濃度のレナリドミドに対してテストされた。
【0095】
図14は、4つの標準サンプルから得た結果を示す。サンプル1、3、6および7における非増殖(NP、灰色)と増殖(PR、黒色)双方の集団中の生細胞数が
図14Aに示される。AEの存在は、全てのサンプルにおける集団の増殖を誘導する。レナリドミドに反応するこれら4つのサンプルから得られた用量反応(DR)曲線(
図14B)は、NP MM細胞(灰色の正方形)およびPR MM細胞(黒丸)に対する結果を示す。該MM細胞の生存指数はY軸に示され、X軸はレナリドミド薬物濃度を表す。この図は、NP MM細胞集団とPR MM細胞集団との間には、レナリドミドの感受性に明確な違いがあることを実証する。さらに、かなりのレベルの患者間の変動性があることを示す。サンプル1(
図14Bの左上)では、レナリドミドはPRおよびNP細胞のいずれにも何の効果も示さない。右上のグラフは、レナリドミドがサンプル3のPR集団に対して非常に効力を発揮することを示し、低濃度で効力を発揮するが、該PR細胞の約60%を除去するのみである。より高い濃度では、レナリドミドはさらにNP細胞の約20%を除去する。サンプル6(
図14Bの左下)では、PR集団に対する効力はないが、NP集団にわずかな効力がある。他方サンプル7(右下)では、レナリドミドは非常に効力があり、該PR細胞に対して非常に有効であり、より高い濃度においても該NP細胞に効果があることがわかる。これらの結果は、レナリドミドの有効性が、臨床患者間と同様、エクスビボアッセイにおける患者のサンプル間でも、大幅に変動しうることを示す。さらに、それは抗増殖と細胞毒性の両方を有すると思われる。なぜならいくつかの実施例においては、増殖抑制効果はより強力であり、より低い濃度において前記細胞毒性が生じるからである。
【0096】
培地へAEを追加することによって、エクスビボ環境において、薬物に対する細胞の反応の仕方を変化させることができると結論付けられる。これは最終的に、レナリドミドのような薬物のエクスビボにおける効果を、具体的に特定の患者それぞれに対する臨床結果に関連づける手助けとなりうる。
【0097】
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