特許第6774688号(P6774688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774688
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20201019BHJP
   H02B 1/56 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   H02B1/40 B
   H02B1/56 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-133191(P2019-133191)
(22)【出願日】2019年7月18日
(62)【分割の表示】特願2015-69571(P2015-69571)の分割
【原出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-193569(P2019-193569A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 悠磨
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄多
(72)【発明者】
【氏名】品田 邦明
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−126908(JP,A)
【文献】 特開2002−271922(JP,A)
【文献】 実開昭50−046918(JP,U)
【文献】 特開2001−157329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40
H02B 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられて使用される分電盤であって、
壁面に取り付けられる分電盤ケースの壁面側に、
離間して配置される複数の空気導入溝と、
複数の空気導入溝と連通してケース内方に凹んで形成される導入空気混合部と、
混合空気をケース内方に導出し得るようにケース内方に連通するとともに、該導入空気混合部の周縁部に配置される混合空気導出部と、
が形成されることを特徴とする分電盤。
【請求項2】
前記導入空気混合部は、
分電盤のケースに収納される分岐開閉器が載置される内器ユニットの背面に配置されることを特徴とする請求項1記載の分電盤。
【請求項3】
前記混合空気導出部は、
ケース内方に凹んで形成される導入空気混合部の隅部に配置されて、
混合空気が、前記内器ユニットに向けて導出されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤に関する。特に、分電盤内の発熱に伴うキャビネットの熱的な経年変化を効果的に抑制することが可能な構造を備えた分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
分電盤は、ケースに、主開閉器、分岐開閉器等の配電機器を載置し、ケースの前面側を本体カバーで覆うキャビネットを備えて成る。通常、キャビネットは樹脂製のものが多い。一般的な分電盤においては、ケースは、底面と該底面の周囲に立設される側壁を備える箱型状であり、盤内に配線を引き込むための開口部が底面側に略全体に亘って設けられている。(特許文献1)
分電盤の使用時においては、電気の使用に伴い、配電機器に電流が流れることにより発熱を生ずる。配電機器等から生じた熱は、前記開口部を通じて分電盤が取り付けられる壁面内に逃がすよう構成されている。
【0003】
一方、機器内へ組み込んで使用される分電盤においては、設置上の制約から、ケースの底面に開口を設けることができない場合がある。このような場合、分電盤における開口位置は前記側壁側に設けられ、かつ開口の大きさは、盤内に電線を引き込むための最低限の開口のみ許される。また、塵埃や、異物の混入を防ぐために分電盤に大きな開口部が設けられないことがある。
【0004】
このような分電盤においては、キャビネットを鉄板で構成し、発生した熱を熱伝導によって周囲に放散させることにより分電盤内の温度上昇を抑制することがある。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−65517号公報
【特許文献2】特開平10−108319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
盤内で発生した熱は、盤の外部に速やかに排出させる必要があるが、排出が滞り、熱が滞留すると、その滞留箇所においては熱の影響を受ける。発熱の大きな機器や母線などの近傍における滞留は、経年的にみると熱的な劣化が促進されることがある。
【0007】
キャビネットを鉄板で構成した場合、効果的に盤内で発生した熱を周囲に放散させることができるが、樹脂に比べて分電盤キャビネットの成形自由度が低下するという課題がある。
【0008】
一方、キャビネットが樹脂製の分電盤においては、熱の滞留が大きいところと、そうでないところの温度差が大きいと、膨張の大きさが異なることによるキャビネットのゆがみや、変色につながる可能性がある。樹脂製の分電盤においては、長期に亘る熱的な影響は好ましいものではない。
【0009】
そこで、樹脂製のキャビネットを採用しつつ、ケースの底面には大きな開口孔が設けられない分電盤においても、長期に亘る使用であっても局所的な熱的劣化を防いで全体的に均一な冷却を行え、なおかつ、発熱の大きな母線等を効果的に冷却することができる構造を備えた分電盤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の分電盤は、壁面に取り付けられて使用される分電盤であって、壁面に取り付けられる分電盤ケースの壁面側に離間して配置される複数の空気導入溝と、複数の空気導入溝と連通してケース内方に凹んで形成される導入空気混合部と、混合空気をケース内方に導出し得るようにケース内方に連通するとともに該導入空気混合部の周縁部に配置される混合空気導出部とが形成されるよう構成すると良い。
上記構成によれば、導入された空気が、導入空気混合部によって一旦蓄えられることにより温度が均一化され、その均一化された混合空気をケース内方に導出するから、導出部分の違いによる温度の差がなく、全体的に均一な冷却を行うことができる。
【0011】
また、前記導入空気混合部は、分電盤のケースに収納される分岐開閉器が載置される内器ユニットの背面に配置するとよい。
【0012】
これにより、分電盤の中で大きな面積を占める分岐開閉器が載置される内器ユニットの背面を有効活用することができ、内器ユニットの大きさに相当する導入空気混合部の大きさを確保することができ、分電盤の大きさに対して導入空気混合部の割合を大きなものとすることができる。
【0013】
また、前記混合空気導出部は、ケース内方に凹んで形成される導入空気混合部の隅部に配置されて、混合空気が、前記内器ユニットに向けて導出されるよう構成するとよい。
【0014】
これにより、内器ユニットにおける母線がまとまった部分に対して、全体的に広くかつ集中的に冷却することができるから発熱の大きな母線を効果的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、樹脂製のキャビネットを採用しつつ、ケースの底面には大きな開口孔が設けられない分電盤においても、長期に亘る使用であっても局所的な熱的劣化を防いで全体的に均一な冷却を行え、なおかつ、発熱の大きな母線等を効果的に冷却することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の一形態に係る分電盤の平面図を示す。
図2】(a)は主幹ハンドルカバーおよび分岐ハンドルカバーを取り外した状態の分電盤の平面図を示し、(b)は該状態における分電盤の斜視図を示す。
図3】上記分電盤に関し、ケースに内器ユニットを取付けた状態を示す正面図である。
図4】上記分電盤に関し、内器ユニットの構造を示す斜視図である。
図5】上記分電盤に関し、背面側の空気導入部、導入空気混合部、混合空気導出部の構造を示す斜視図である。
図6】上記分電盤に関し、背面側の空気導入部、導入空気混合部、混合空気導出部の構造を示す斜視図である。
図7】上記分電盤に関し、分岐開閉器を通る断面図である。
図8】従来の分電盤を示す図である。
図9】従来の分電盤を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について、図1図6に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る分電盤1の平面図を示す。図2の(a)は、主幹ハンドルカバーおよび分岐ハンドルカバーを取り外した状態の分電盤1の平面図を示し、図2の(b)は、該状態における分電盤1の斜視図を示す。
【0019】
分電盤1は、ケース2、本体カバー3、主開閉器4、複数の分岐開閉器5、主幹ハンドルカバー11、および分岐ハンドルカバー12(ハンドルカバー)を備える。主開閉器4は、開閉(導通/遮断)の切り替え操作を行うための主幹ハンドル4aを備える。分岐開閉器5は、開閉の切り替え操作を行うための分岐ハンドル5a(ハンドル)を備える。主開閉器4および複数の分岐開閉器5は、ケース2に取り付けられる。本体カバー3は、分電盤1の内部に設けられた配線(母線等)を覆うように、ケース2に対して取り付けられる。本体カバー3は、主幹ハンドル4aに対応する箇所に第1開口窓3aを有し、複数の分岐ハンドル5aに対応する箇所に第2開口窓3b(開口部)を有する。第2開口窓3bには、所定の間隔をおいて複数の架設部16が設けられている。ここでは、ケース2、本体カバー3、主幹ハンドルカバー11、および分岐ハンドルカバー12は、樹脂製であるが、これに限らず、本体カバー3を除いて、金属製であってもよい。
【0020】
また、本体カバー3には、2つの取手部6が設けられている。取手部6は、本体カバー3をケース2に固定するための部材であるとともに、本体カバー3をケース2から取り外すための部材である。なお、本体カバー3における互いに対向する2つの側面のそれぞれには、それぞれの取手部6を配置するための凹部の空間が設けられている。取手部6は、当該凹部の空間内において可動であるように配置されている。このように、凹部の空間内に取手部6が設けられることにより、本体カバー3の取り外し作業が容易化される。これにより、分電盤1のメンテナンス作業が容易化される。
【0021】
(主幹ハンドルカバー)
主幹ハンドルカバー11は、第1開口窓3aを覆うように、本体カバー3に取り付けられる。主幹ハンドルカバー11および本体カバー3の第1開口窓3a周辺には、対応する凸部と凹部が設けられている。凸部と凹部とが係合することにより、主幹ハンドルカバー11が本体カバー3に固定される。主幹ハンドルカバー11は、工具を使用することなく外側からユーザの手によって着脱(開閉)することができる。
【0022】
なお、主幹ハンドルカバー11は、着脱式ではなく、固定された軸を中心に回動して開く構成であってもよい。ただし、回動式に比べて、着脱式の主幹ハンドルカバー11の方
が、軸等が壊れることがなく、主幹ハンドルカバー11が前側に回動するスペースが必要ないので、小さいスペースで分電盤1を使用(設置)することができる。
【0023】
(分岐ハンドルカバー)
分岐ハンドルカバー12は、板状の部材であり、長方形状の外形を有する。分岐ハンドルカバー12は、樹脂製であり、かつ、薄い板状であるため、弾性変形可能である。分岐ハンドルカバー12は、周辺部に、複数(ここでは4つ)の切り欠きを有する。ここでは、切り欠きは、円弧状であるが、三角形状であってもよいし、四角形状であってもよく、任意の形状であってよい。複数の切り欠きは、分岐ハンドルカバー12の少なくとも1つの中心軸に対して対称となるように、分岐ハンドルカバー12に形成されてもよい。例えば、複数の切り欠きが縦の中心軸に対して対称に形成されている場合、縦の中心軸に対して分岐ハンドルカバー12を180°回転させた状態でも、元の状態と同じように分岐ハンドルカバー12を本体カバー3に取り付けることができる。水平の中心軸に対して対称な場合、および中心に対して対称な場合についても同様である。分岐ハンドルカバー12は、少なくとも部分的に透明または半透明であることが好ましい。これにより、分岐ハンドルカバー12が閉まった(取り付けられた)状態でも、ユーザは外側から分岐ハンドルカバー12を通して分岐ハンドル5aの状態を見ることができる。
【0024】
図3は、ケース2に内器ユニット20を取り付けた状態の分電盤1を示す正面図である。ケース2は、分電盤1の内部構成を収容するものであり、図3に示すようにケース2の内部には、内器ユニット20が収容されている。内器ユニット20は、分電盤1の外部トランス(不図示)から供給される電力を単相3線式で引き込み、引き込んだ電力を100Vまたは200Vの電圧として、図2に示す複数の分岐開閉器5(分岐ブレーカ)のそれぞれに供給するものである。
【0025】
内器ユニット20(図4における分岐取付板211)には、ケース2に取り付けられるための孔が形成され、当該孔はねじ締め箇所として利用される。なお、分電盤1の内部を構成する内器ユニット20以外の部材について、図示を省略している。
【0026】
(内器ユニット20の要部構造)
次に、図4に基づいて内器ユニット20の要部構造について説明する。図4は、内器ユニット20の構造を示す斜視図である。図示のように、内器ユニット20は、母線マトメ部材210、分岐取付板211および分岐開閉器5を備えている。母線マトメ部材210は、N母線201、L1母線202、L2母線203、母線固定台204および絶縁壁205を組み立てたものである。
【0027】
分岐取付板211は、母線マトメ部材210および分岐開閉器5をケース2(図3参照)に取り付けるための金属板である。分岐取付板211には、母線マトメ部材210および分岐開閉器5を分岐取付板211に固定するための凹部、孔および突起(不図示)が形成されている。また、例えば、図3にて上述した通り、分岐取付板211には、ケース2に取り付けられるための孔が形成されている。なお、分岐取付板211の具体的な形状は任意の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0028】
母線マトメ部材210は、分岐取付板211に形成された形状に沿って配置され、母線マトメ部材210(図4における母線固定台204)に形成された孔をねじ締め箇所として固定され、分岐取付板211に取り付けられる。そして、分岐開閉器5は、分岐取付板211に取り付けられた母線マトメ部材210に接続された状態で分岐取付板211に取り付けられる。
【0029】
(母線マトメ部材210の構成)
母線マトメ部材210は、N母線201、L1母線202、L2母線203(複数本の母線)、母線固定台204および絶縁壁205を組み立てたものである。
【0030】
N母線201、L1母線202およびL2母線203は、電源側から分岐開閉器5に電流を流す板状の金属導体であり、分岐開閉器5のそれぞれに電力を供給する。N母線201、L1母線202およびL2母線203は、互いに電位が異なるものである。L1母線2は第1の電圧極であり、L2母線3は第2の電圧極であり、N母線1は中性極である。
【0031】
母線固定台204は、N母線201、L1母線202およびL2母線203を分電盤1に固定するものである。絶縁壁205は、N母線201、L1母線202およびL2母線203のそれぞれを互いに絶縁するものであり、母線固定台204と対向して配置される。母線固定台204および絶縁壁205は、樹脂材料からなる絶縁部材である。
【0032】
絶縁壁205は、各母線201〜203が延在する方向に沿って複数個配置されている。そして、各母線201〜203は、自身が延在する方向において互いに平行となるように、複数個の絶縁壁205と母線固定台204とで挟まれて固定されている。例えば、2つの絶縁壁205が配置されている。
【0033】
そして、複数個の絶縁壁205のそれぞれは、隣接する他の絶縁壁205と離間して配置されている。すなわち、複数の絶縁壁205のそれぞれは、各母線201〜203の一部を覆う構造となっている。このため、各母線201〜203の全体を覆う構造の絶縁壁と比較して、絶縁壁205の作成時の構成材料(例えば樹脂)の使用量が少なくなるため、絶縁壁205の製作コストを低減させることができる。また、絶縁壁205は、各母線201〜203の一部を覆っているだけなので、各母線201〜203の全体を覆う構造の絶縁壁と比較して分電盤1の通風性を向上させることができる。
【0034】
(分電盤1の冷却構造)
次に、分電盤1の冷却構造について図5図7に基づき説明を行う。
【0035】
図中、x方向は、分岐開閉器5の並設方向、y方向は、分電盤1の天地方向(上下方向)、z方向は、ケース2を背面側、本体カバー3を前面側としたときに、背面側から前面側への方向である。
【0036】
ケース2の背面側には、空気導入溝21、導入空気混合部22、混合空気導出部23が形成される。
【0037】
これら、空気導入溝21、導入空気混合部22、混合空気導出部23は、y方向、即ち分電盤1の天地方向に対して、下側から順に、空気導入溝21、導入空気混合部22、混合空気導出部23と配置され、下側から上側にかけて空気の上昇が起きやすいように配置している。
【0038】
空気導入溝21は離間されて4つ形成している。空気導入溝21の溝の深さが深いものと浅いものの2種類で構成している。空気導入溝21と連通する導入空気混合部22において、導入された空気が混ざって均一化しやすいようにしたためである。
【0039】
混合空気導出部23は、分岐開閉器5を載置する内器ユニット20の背面側に、凹状に配置され、内器ユニット20の大きさに相当する大きさとなっている。
【0040】
空気導入溝21から導入された空気は、この導入空気混合部22で一旦蓄えられ、上方に移動するにつれて徐々に温度が均一化される。
【0041】
そして、導入空気混合部22の上方周縁の隅部には、分岐開閉器5の回路数に相当する混合空気導出部23が形成されている。
【0042】
図7のように、導入空気混合部22を上昇して混合空気導出部23を介して盤内に導出された空気は、各々の分岐開閉器5付近の母線の間を通って母線を冷却していく。
【0043】
なお、前述のように、母線を支持している絶縁壁205は、各母線201〜203の一部のみを覆っていることによる通風性の良さを相まって、母線の冷却性がよい。
【0044】
このように、樹脂製のキャビネットを採用しつつ、ケースの底面には大きな開口孔が設けられない分電盤においても、長期に亘る使用であっても局所的な熱的劣化を防いで全体的に均一な冷却を行え、なおかつ、発熱の大きな母線等を効果的に冷却することができる
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0045】
例えば、空気導入溝21の数は、図5に示した4つから、例えば2つに減らしたり、6つに増やしたりして、増減してもより。溝の数を減らした場合には、溝の幅を広げて導入空気の体積を増加させるなどするとよい。また、空気導入溝21の深さは、深い、浅いの2段階から中間段階を設けて、より導入空気混合部22における均一化が図られるように多段階に設けてもよい。この場合、空気導入溝21同市の間に設けられている配線導入用のノックアウト部分の大きさを変更するとよい。
【0046】
また、導入空気混合部22は内器ユニット20に合わせて長方形状としているが、例えば、上方に向かうにつれて狭まる台形状として、導入空気を混合空気導出部23に導きやすい形状としてもよい。
【0047】
また、混合空気導出部23は、分岐開閉器5に対応して設けているが、分岐開閉器複数個ごと(例えば、2個ごと、3個ごと)に混合空気導出部23の幅を設定して一度に広い面積の母線に対して空気を導出する構造としてもよい。
【0048】
また、空気導入溝21、導入空気混合部22、混合空気導出部23の位置は、内器ユニット20の背面に設けるほか、主開閉器4の背面に設けてもよい。これにより、分岐開閉器5付近に加え、主開閉器4が配置される部分についても冷却効果を奏し、分電盤1におけるより広い面積に対して均一に冷却を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、分電盤に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 分電盤
2 ケース
3 本体カバー
4 主開閉器
5 分岐開閉器
6 取手
20 内器ユニット
201 N母線
202 L1母線
203 L2母線
204 母線固定台
205 絶縁壁
21 空気導入溝
22 導入空気混合部
23 混合空気導出部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9