(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の特許文献1(実公昭62−2430号公報)に示されている空調システムでは、空気調和機の室内ユニットが、ブースの上に設置されている。この室内ユニットは、熱交換器に入る前の空気から塵埃を除去する集塵器を内蔵している。
【0004】
しかし、室内ユニットがブースの上に設置されているため、集塵器をメンテナンスするためには、ブースの上に登る必要がある。このような空調システムでは、メンテナンスの人的な管理を厳しく行わなければ、集塵機能が低下した状態で空調システムを動かし続けることになってしまう。
【0005】
本発明の課題は、有料道路の料金所に設置されるブースにおいて、温度調整および換気に係るフィルタのメンテナンスを容易に行うことが可能な空調システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空調システムは、有料道路の料金所に設置されるブースの内部空間の温度調整および換気を行うシステムである。この空調システムは、空調室内ユニットと、外気取入ユニットとを備える。空調室内ユニットは、着脱可能な第1フィルタを有している。また、空調室内ユニットは、温度調整後の空気を第1吹出口から吹き出す。外気取入ユニットは、着脱可能な第2フィルタを有している。また、外気取入ユニットは、ブースの外から入ってくる外気を第2吹出口から吹き出す。そして、空調室内ユニットおよび外気取入ユニットは、ともにブースの内部空間に配置されている。
【0007】
この第1観点に係る空調システムでは、ブースの内部空間に空調室内ユニットも外気取入ユニットも入っており、空調室内ユニットの第1フィルタのメンテナンスも、外気取入ユニットの第2フィルタのメンテナンスも、ブースの中から行うことができる。これにより、空調能力の低下や外気からの集塵能力の低下が生じている状態を、簡易なメンテナンスによって解消することが可能となる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調システムは、第1観点の空調システムであって、空調室内ユニットは、ブースの天井の近傍に配置されている。また、外気取入ユニットは、その側面に第2吹出口が形成されている。そして、外気取入ユニットは、ブースの天井の近傍に配置されている。
【0009】
この第2観点に係る空調システムでは、空調室内ユニットおよび外気取入ユニットが、ともにブースの天井の近傍に配置されている。このため、第2フィルタを通って外気取入ユニットの側面の第2吹出口から吹き出された外気の多くが、空調室内ユニットに取り込まれ、温度調整されてから第1吹出口を通ってブースの内部空間に吹き出されることになる。すなわち、外気の多くが、空調室内ユニットにおいて温度調整を受けることになる。したがって、ブースの内部空間の快適性が向上し、空調室内ユニットの運転効率も向上する。
【0010】
本発明の第3観点に係る空調システムは、第1観点又は第2観点の空調システムであって、空調室内ユニットが、外気取入ユニットの真下に配置されている。
【0011】
この第3観点に係る空調システムでは、側面に第2吹出口が形成されている外気取入ユニットの真下に、空調室内ユニットが配置されている。このため、外気取入ユニットの第2吹出口から吹き出された外気は、その多くが空調室内ユニットに取り込まれ、温度調整の後に第1吹出口から吹き出される。したがって、ブースの内部空間の快適性が更に向上し、空調室内ユニットの運転効率も向上する。
【0012】
本発明の第4観点に係る空調システムは、第3観点の空調システムであって、空調室内ユニットは、外気取入ユニットを介して、ブースの天井に支持されている。
【0013】
この第4観点に係る空調システムでは、空調室内ユニットの真上に位置する外気取入ユニットを介して、空調室内ユニットをブースの天井に支持させている。すなわち、外気取入ユニットが天井に支持され、空調室内ユニットが外気取入ユニットに支持されることで、ブースの天井の近傍に空調室内ユニットおよび外気取入ユニットが配置される。この構成を採ることによって、空調システムの占有スペースを小さくすることができる。また、空調室内ユニットと外気取入ユニットとが各々天井に支持される場合に較べ、両ユニットの相対位置精度を確保することができる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空調システムは、第1観点から第4観点のいずれかの空調システムであって、空調室外ユニットと、外気供給ファンユニットと、をさらに備えている。空調室外ユニットは、ブースの外に設けられ、冷媒配管によって空調室内ユニットと接続される。外気供給ファンユニットは、ブースの外に設けられ、外気取入ユニットに対して外気を供給する。そして、この空調システムでは、空調室外ユニットおよび外気供給ファンユニットが、共通支持部材によって一体化されている。
【0015】
この第5観点に係る空調システムでは、ブースの外に設けられる空調室外ユニットおよび外気供給ファンが、共通支持部材によって一体化されている。これにより、空調室外ユニットおよび外気供給ファンユニットの設置、例えばブースの天井の上への設置が容易になるとともに、ブースから離れたメンテナンス用の別の場所(例えば、サービス工場)に空調室外ユニットおよび外気供給ファンユニットを運ぶことも容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ブースの内部空間の、例えば天井の近傍に、空調室内ユニットおよび外気取入ユニットが配置されるため、空調室内ユニットの第1フィルタのメンテナンスも、外気取入ユニットの第2フィルタのメンテナンスも、ブースの中から容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)空調システムおよびその設置対象であるブースの概要
有料道路の料金所に設置されるブース90に対して設けられる空調システム10を、
図1〜
図4に示す。この空調システム10は、ブース90の中で有料道路の料金の徴収作業を行う作業者の快適性を保つためのシステムであり、ブース90の内部空間90aの温度調整および換気を行う。
【0019】
(1−1)料金所のブース
空調システム10が取り付けられるブース90は、
図1(上面図)におけるブース90の上側を白抜きの矢印A0で示す方向に走る自動車が一時停車し、ブース90内の作業者に有料道路の料金を支払うために設けられているボックスである。
【0020】
ブース90は、
図3および
図4に示すように、正面側の各側壁(
図3、
図4の左側)にガラス窓96を備え、左側面に、料金受渡用の開口が形成されたスライド式のドア95を備えている。ブース90の全長(
図1等のX方向に沿った長さ)は約2.5m、ブース90の幅(
図1等のY方向に沿った長さ)は約1.3m、ブース90の内部空間90aの高さは約2.3mである。
【0021】
ブース90の左側面の外側上部には、照明85が設置されている。ブース90の天井92の正面側部分には、蛍光灯86が設置されている。また、ブース90の外には、図示しないエアーカーテンも設置される。
図3に示すように、ブース90の天井92の中央には、外から外気を取り入れるための開口92aが開いている。
【0022】
(1−2)ブースに取り付けられる空調システムの全体構成
空調システム10は、主として、空調室内ユニット20、空調室外ユニット30、外気取入ユニット50および外気供給ファンユニット60を備えている。
【0023】
(2)空調システムの詳細構成
(2−1)空調室内ユニット
空調室内ユニット20は、冷媒連絡配管31(
図8を参照)によって後述する空調室外ユニット30と結ばれ、冷暖房機能を持った1つの空気調和機を構成する。空調室内ユニット20には、下面の中央に空気吸込口20aが形成され、その空気吸込口20aを囲うように4つの空調空気吹出口20bが形成されている。空調室内ユニット20は、その内部に、室内熱交換器、ターボファンなどを有し、空調室外ユニット30から送られてくる冷媒と、空気吸込口20aから取り込んだ空気との間で熱交換を行わせ、温度調整後の空気を各空調空気吹出口20bから室内(ブース90の内部空間90a)に向けて吹き出す。冷房時には、冷却され冷たくなった空気が空調空気吹出口20bから吹き出され、暖房時には、加熱され熱くなった空気が空調空気吹出口20bから吹き出される。
図2、
図4において白抜きの矢印A2で示す空気流れは、空調空気吹出口20bから吹き出される温度調整後の空気の流れを表している。
図4の白抜きの矢印A3は、空調室内ユニット20の空気吸込口20aに吸い込まれる室内空気の流れを示している。
【0024】
空調室内ユニット20の空気吸込口20aには、着脱可能な空調フィルタ21が装着されている。この空調フィルタ21は、空気吸込口20aに吸い込まれる室内空気に含まれる塵埃を捕集する。
【0025】
また、空調室内ユニット20は、空気調和機を操作するためのリモコンを含んでいる。このリモコンは、
図2に示すブース90内のコントロールボックス80に取り付けられている。
【0026】
なお、後述のように、空調室内ユニット20は、ブース90の天井92の近傍であって、外気取入ユニット50の真下に配置されている。
【0027】
(2−2)空調室外ユニット
空調室外ユニット30は、その内部に、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、四路切換弁、プロペラファンなど(図示せず)を有し、冷房時には、室外熱交換器において外気と熱交換された冷媒を、空調室内ユニット20に向けて送り出す。また、暖房時には、四路切換弁が切り換わり、圧縮機によって高温、高圧にされた冷媒が、空調室内ユニット20に向けて送り出される。
【0028】
空調室外ユニット30は、後述のように、共通支持部材70によって外気供給ファンユニット60と一体化された状態で、ブース90の上に配置される。
【0029】
(2−3)外気取入ユニット
外気取入ユニット50は、空調室内ユニット20とともにブース90の内部空間90aに配置される構造体である。
図5〜
図7に示すように、外気取入ユニット50は、主として、上部に大きな外気取入開口50aが開き下部に開口50cが開いたケーシングと、ケーシングに対して着脱自在な集塵フィルタ52a,52bとから構成されている。
【0030】
外気取入ユニット50のケーシングは、環状の上フレーム54、環状の下フレーム55、正面側壁56、背面側壁57、右側壁58および左側壁59を有している。環状の上フレーム54に囲まれる開口が、外気取入開口50aである。環状の下フレーム55で囲まれる開口50cは、上述の空調室内ユニット20が外気取入ユニット50に装着されたときに、空調室内ユニット20の上面によって塞がれる。正面側壁56、背面側壁57、右側壁58および左側壁59の表面には、ポリエチレン樹脂のシートが貼付されている。また、空調室内ユニット20の上面にも、ポリエチレン樹脂のシートが貼付されている。
【0031】
上フレーム54には、ブース90の天井92へのネジ止めのときに用いられるネジ穴54aが四隅それぞれに形成されている。下フレーム55の四隅には、空調室内ユニット20を外気取入ユニット50に取り付ける際に用いられる溝が形成されている。
【0032】
外気取入ユニット50のケーシングの右側壁58には、上方からケーシング内に入ってきた外気を側方に吹き出すための2つの外気吹出口50bが形成されている。これらの外気吹出口50bは、右側壁58の板金の一部を切り起こすことにより形成されている。そして、右側壁58の板金の一部の切り起こしによって、外気吹出口50bから側方に吹き出された外気を下方に導く2つのガイド部581,582も同時に形成される(
図7の一部拡大部分を参照)。これにより、外気吹出口50bから吹き出された外気は、ガイド部581,582によって下方に導かれ、その多くが、外気取入ユニット50の真下に位置する空調室内ユニット20の空気吸込口20aに吸い込まれる(
図2の白抜きの矢印A1を参照)。
【0033】
また、外気取入ユニット50のケーシングは、正面側から背面側に向かって延びる(
図5のX方向に延びる)フィルタレール51を含んでいる。
【0034】
外気取入ユニット50の集塵フィルタ52a,52bは、ケーシングに装着されているときにはフィルタレール51によって上部および下部が拘束される。これらの集塵フィルタ52a,52bは、外気吹出口50bへと流れる外気から塵埃を捕集する。集塵フィルタ52a,52bは、フィルタレール51に沿って背面側(
図5の右側)に引き抜くことが可能で、汚れを取り除くメンテナンス時には、引き抜かれて別の場所で洗浄される。
【0035】
(2−4)外気供給ファンユニット
外気供給ファンユニット60は、主として、角筒ケーシングと、その角筒ケーシングの中に配置される軸流ファン65とを備えるユニットである。角筒ケーシングの上部からは、その上に位置する給気ダクト68を接続するための接続部60aが突き出ている。
【0036】
軸流ファン65は、上から下へと外気を送り出す送風機であって、その上下に接続管が接続され、上方の給気ダクト68からブース90内の外気取入ユニット50へと流れる外気の流れを生成する。軸流ファン65は、角筒ケーシングに固定され、角筒ケーシングに覆われている。
【0037】
(3)空調システムの取り付け方法
空調システム10は、新設の料金所のブースにも、既設のブースにも取り付けることができる。ここでは、特許文献1(実公昭62−2430号公報)のようなブースの天井の上に旧型の空調室内機が取り付けられ空調空気をダクトでブース内に送り込む既設ブースから、旧型の空調機を撤去して、上述の空調システム10を設置する方法について説明する。なお、新設ブースへの空調システムの取り付けは、下記の説明から既設の空調機の撤去を除いた方法で行うことができる。
【0038】
まず、ブース90から既設の旧型の空調機を撤去する。すると、ブース90の天井92には、既設のダクトが貫通していた開口92aが残る。また、地上5m以上の料金所のコンクリート製の屋根の上から下方に延びる給気ダクト68が、その下端がフリーになった状態で残る。また、ブース90の天井92の上には、既設の旧型の空調室内機を載せていた鉄骨架台が残る。
【0039】
この状態のブース90に対して、天井92の上の鉄骨架台に、新設の共通支持部材70が取り付けられる。共通支持部材70は、空調室外ユニット30と外気供給ファンユニット60とを一体化させる鉄骨部材である。共通支持部材70が取り付けられると、その上に、天井92の開口92aや上方の給気ダクト68との相対位置を調整しながら、外気供給ファンユニット60が固定される。一方、空調室外ユニット30も、外気供給ファンユニット60よりも正面側において、共通支持部材70に取り付けられる。その後、空調室外ユニット30と外気供給ファンユニット60とは、それらの上部同士が軽量の鉄骨部材(例えばアングル材)によって結ばれ、両ユニット30,60の間の空間が金網で覆われる。
【0040】
外気供給ファンユニット60が正規の位置にセットされると、軸流ファン65から下に延びる円筒管の下端開口が、ブース90の天井92の下面近傍に位置する状態となる。また、空調室外ユニット30から延びる冷媒連絡配管31等が、天井92の開口92aから垂れ下がった状態となる。この状態において、まず外気取入ユニット50の上フレーム54が天井92にネジ止めされる。次に、外気取入ユニット50の真下に空調室内ユニット20を持ってきて、空調室内ユニット20を外気取入ユニット50の下フレーム55に取り付ける。具体的には、吊りボルトによって、空調室内ユニット20を外気取入ユニット50の下フレーム55から吊す。これにより、空調室内ユニット20が、外気取入ユニット50を介してブース90の天井92に支持された状態となる。
【0041】
その後、空調室外ユニット30から延びる冷媒連絡配管31等を空調室内ユニット20に接続し、配線工事も行って空調室内ユニット20および空調室外ユニット30から成る空気調和機を完成させる。真空引きを行い、図示しない空調室外ユニット30の冷媒閉鎖弁を開けることで、空気調和機の冷媒回路に冷媒が行き渡る。
【0042】
(4)空調システムの動作
空調室内ユニット20および空調室外ユニット30から成る空気調和機を作動させ、外気供給ファンユニット60の軸流ファン65を回すと、ブース90の内部空間90aの温度調整および換気が行われ、ブース90内の作業者の快適性が保たれるようになる。
【0043】
図2の白抜きの矢印A1で示すように、外気は、天井92の開口92a(
図3,
図4参照)から外気取入ユニット50の中へと流れ、向きを水平方向に変えて、外気取入ユニット50の右側壁58の外気吹出口50bから吹き出される。外気吹出口50bから吹き出される前に、外気が集塵フィルタ52a,52bを通り、外気から塵埃が取り除かれる。外気吹出口50bから吹き出された外気は、ガイド部581,582によって向きが斜め下向きに変わり、ブース90の側壁に沿って空調室内ユニット20の下へと流れていく。空調室内ユニット20では、その下面の中央に形成されている空気吸込口20aが空気を吸引しており、空調室内ユニット20の下に流れた外気も、その多くは空気吸込口20aに吸い込まれる。
【0044】
空調室内ユニット20では、
図4の白抜きの矢印A2で示すように温度調整後の冷気あるいは暖気を各空調空気吹出口20bからブース90内に吹き出すとともに、
図4の白抜きの矢印A3で示すように、上述の外気およびブース90内の空気を空気吸込口20aから吸い込んでいる。空気吸込口20aから吸い込まれた空気は、空調室内ユニット20の内部で冷媒と熱交換し、冷やされ或いは暖められて空調空気吹出口20bから吹き出される。なお、空気吸込口20aに吸い込まれる空気は、空調フィルタ21を通過するときに塵埃が取り除かれる。
【0045】
(5)空調システムの特徴
(5―1)
空調システム10は、空調室内ユニット20および外気取入ユニット50の両方がブース90の内部空間90aに配置されるシステムとなっている。このため、空調室内ユニット20の空調フィルタ21のメンテナンスも、外気取入ユニット50の集塵フィルタ52a,52bのメンテナンスも、ブース90の中から行うことができる。これにより、空調フィルタ21が詰まって空調能力が低下すること、集塵フィルタ52a,52bが詰まって集塵能力が低下すること、集塵フィルタ52a,52bが詰まって軸流ファン65の消費電力が増大すること、などの不具合を、フィルタ清掃といったメンテナンスによって予防することが容易となる。
【0046】
(5―2)
空調システム10では、空調室内ユニット20も、外気取入ユニット50も、ブース90の天井92の近傍に配置されている。そして、外気取入ユニット50の外気吹出口50bは、外気取入ユニット50のケーシングの右側壁58に形成されている。
【0047】
このため、集塵フィルタ52a,52bを通って外気取入ユニット50の外気吹出口50bから吹き出された外気の多くが、空調室内ユニット20に取り込まれ、温度調整されて空調空気吹出口20bからブース90内に吹き出されることになる。すなわち、外気の多くが、空調室内ユニット20において温度調整を受けることになる。したがって、ブース90の内部空間90aの快適性が向上し、空調室内ユニット20の運転効率も向上する。例えば設定温度が27℃の冷房運転時、空調室内ユニット20は、既に28〜29℃に冷やされているブース90内の空気を吸い込むよりも、35℃の外気を吸い込むほうが、効率よく熱交換を行うことができる。
【0048】
(5―3)
空調システム10では、側面に外気吹出口50が形成されている外気取入ユニット50の真下に、空調室内ユニット20を配置している。このため、
図2の白抜きの矢印A1で示すように、外気取入ユニット50の外気吹出口50bから吹き出された外気は、その多くが空調室内ユニット20に取り込まれ、温度調整の後に空調空気吹出口20bから吹き出される。したがって、ブース90の内部空間90aの快適性がより向上し、空調室内ユニット20の運転効率も向上する。
【0049】
(5―4)
空調システム10では、空調室内ユニット20が、その真上にある外気取入ユニット50を介して、ブース90の天井92に支持されている。すなわち、外気取入ユニット50が天井92に支持され、空調室内ユニット20が外気取入ユニット50に支持されることで、ブース90の天井92の近傍に空調室内ユニット20および外気取入ユニット50が固定された状態となっている。これにより、空調システム10の占有スペースが小さくなっている。また、空調室内ユニット20と外気取入ユニット50とが各々天井92に支持される構造を採る場合に較べ、両ユニット20,50の相対位置精度を高くなっている。
【0050】
(5―5)
空調システム10では、ブース90の外に設けられる空調室外ユニット30および外気供給ファンユニット60を、共通支持部材70によって一体化している。これにより、空調室外ユニット30および外気供給ファンユニット60のメンテナンスを行うときに、これらをブース90から離れたメンテナンス用のサービス工場に運ぶことが容易になっている。また、新設のブースに空調システムを設置する場合、空調室外ユニットと外気供給ファンユニットとが工場において一体化されていれば、現地で据え付ける工数を減らすことができる。