特許第6774725号(P6774725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774725
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
   H01F17/06 K
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-247208(P2015-247208)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-112297(P2017-112297A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月15日
【審判番号】不服2020-1156(P2020-1156/J1)
【審判請求日】2020年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】中津 良
(72)【発明者】
【氏名】二宮 亨和
【合議体】
【審判長】 山田 正文
【審判官】 山本 章裕
【審判官】 石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−010519(JP,U)
【文献】 特開平03−263806(JP,A)
【文献】 特開2012−124396(JP,A)
【文献】 実開平04−052717(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が円形の環状コアと、
外形が略矩形状であり、少なくとも前記環状コアの一面を覆う被覆部材と、
前記略矩形状の被覆部材の角のみに設けられた、コイルの導線が通される凹みと、
を備え
前記コイルは、前記導線が前記凹みを通して前記環状コアの周囲に巻かれてなり、
前記凹みに巻かれた前記導線は、前記被覆部材の外形である略矩形の範囲内に収まっていること、
を特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記凹みは、略正方形状の前記被覆部材の角に設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記環状コアは、アモルファスコアであること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記被覆部材は、前記環状コアの周囲を覆う樹脂ケースであること、
を特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記樹脂ケースは、複数の樹脂体を組み合わせてなること、
を特徴とする請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記樹脂ケースは、一端が有底の二重筒からなる第1の樹脂体と、二重筒とこの二重筒の一端に設けられた外形が略矩形状の端面と有する第2の樹脂体と、からなること、
を特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1の樹脂体及び前記第2の樹脂体の前記二重筒は、円筒形状の内筒及び外筒を有すること、
を特徴とする請求項6に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアと、コイルとを備えたコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品は、種々の電気機器に用いられ、コアと、コアの周囲に巻かれてなるコイルとを備える。このコイル部品の一例として、リングコアに巻線を巻いてなるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−94330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコイル部品において、例えば手作業で巻線を巻く場合等、ターンする部分に巻き膨らみが生じるため、コイル部品が大型化する。また、作業者によって巻き膨らみの大きさも異なるため、コイル部品の外形寸法誤差にもバラツキが生じる。
【0005】
リングコアに巻線を巻く場合、外形が円状であるため、所定箇所に巻き位置を正確に位置決めすることができない。また、正確に規定の場所に巻くこともできない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、巻き位置を正確に位置決めすることができるとともに、外形寸法バラツキを抑制し、小型化を図ることができるコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコイル部品は、次の構成を備えることを特徴とする。
(1)外形が円形の環状コア。
(2)外形が略矩形状であり、少なくとも前記環状コアの一面を覆う被覆部材。
(3)前記略矩形状の被覆部材の角のみに設けられた、コイルの導線が通される凹み。
(4)前記コイルは、前記導線が前記凹みを通して前記環状コアの周囲に巻かれてなること。
(5)前記凹みに巻かれた前記導線は、前記被覆部材の外径である略矩形の範囲内に収まっていること。
【0008】
本発明において、次の構成を有していても良い。
(1)前記凹みは、略正方形状の前記被覆部材の角に設けられていること。
(2)前記環状コアは、アモルファスコアであること。
(3)前記被覆部材は、前記環状コアの周囲を覆う樹脂ケースであること。
(4)前記樹脂ケースは、複数の樹脂体を組み合わせてなること。
(5)前記樹脂ケースは、一端が有底の二重筒からなる第1の樹脂体と、二重筒とこの二重筒の一端に設けられた外形が略矩形状の端面と有する第2の樹脂体と、からなること。
(6)前記第1の樹脂体及び前記第2の樹脂体の前記二重筒は、円筒形状の内筒及び外筒を有すること。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、巻き位置の正確な位置決め及び外形寸法バラツキを抑制し、小型化が可能なコイル部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るコイル部品の概略斜視図である。
図2】第1の実施形態に係るコイル部品の概略正面図である。
図3】コイルを除いた第1の実施形態に係るコイル部品の分解図である。
図4】コイルを除いた第1の実施形態に係るコイル部品の分解断面図である。
図5】他の実施形態に係るコイル部品を示す図である。
図6】コイルを除いた他の実施形態に係るコイル部品を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のコイル部品について説明する。
【0012】
[1.第1の実施形態]
[1−1.概略構成]
図1は、本実施形態に係るコイル部品の概略斜視図である。図2は、その概略正面図である。図3は、コイルを除いた本実施形態に係るコイル部品の分解図である。
【0013】
図1図3に示すように、コイル部品は、環状コア1と、被覆部材2と、コイル5とを備える。環状コア1は、その外形が円形であり、被覆部材2は、その外径が環状コア1より大きく略矩形状であり、少なくとも環状コア1の一面を覆う部材である。ここでは、被覆部材2は、環状コア1の周囲全体を覆う樹脂ケースである。この略矩形状の被覆部材2の角には、コイル5の導線が巻かれる凹み3が4箇所設けられている。コイル5は、1本の導線がこの凹み3を通して環状コア1の周囲に巻かれてなり、その両端は外部に引き出されている。
【0014】
[1−2.詳細構成]
本実施形態のコイル部材の各部の詳細構成について、詳細に説明する。
【0015】
(環状コア)
環状コア1は、その外形が円形のリングコアである。環状コア1の外形は、楕円形であっても良い。ここでは、環状コア1は円筒形状であり、円筒の両端部に環状面1aを有する。環状コア1には、例えば一方の環状面1a、内周面、他方の環状面1a、外周面と順にコイル5の導線が巻かれており、コイル5への通電によりコイル5を貫く磁束が発生し、環状コア1の内部には当該内部を通過する閉じた磁気回路が形成される。
【0016】
環状コア1は、圧粉磁心、フェライトコア、積層鋼板、巻き鉄心などの磁性体から構成される。本実施形態の環状コア1は巻き鉄心であり、帯状のリボンが芯材に巻かれるようにして構成され、層状になっている。この巻き鉄心の材料としては、例えば、高透磁率で低鉄損のアモルファスが挙げられる。具体的には、メトグラス(Metglas:商標登録)を用いることができる。なお、ここでいう透磁率は微分透磁率を意味する。
【0017】
(被覆部材)
被覆部材2は、ここでは、環状コア1の外周を樹脂により被覆している樹脂ケースである。この樹脂ケースは、環状コア10の形状に倣って環状に形成されているが、その外形は環状コア1より大きい略矩形状を有する。
【0018】
樹脂ケースを構成する樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。
【0019】
樹脂ケースは、環状コア1をインサート品としてモールド成型により作製することもできるが、本実施形態では、樹脂ケースは、二分割されて樹脂体21と樹脂体22とで構成されている。すなわち、樹脂体21、22は、何れも円筒形状の内筒23a、外筒23bを備える二重筒23を有しており、何れかの二重筒23に円筒形状の環状コア1が収容された状態で、互いの端部を向かい合わせることで構成されている。
【0020】
具体的には、樹脂体21は、一端が有底の二重筒23からなる。樹脂体22は、二重筒23と、この二重筒23の一端に設けられた外形が略矩形状の端面24とを有する。樹脂ケースは、図4に示すように、樹脂体21の二重筒23が、樹脂体22の二重筒23内に嵌め込まれて組み合わされている。換言すれば、樹脂体22の内筒23aの外径と、樹脂体21の内筒23aの内径とが等しく、樹脂体22の外筒23bの内径と、樹脂体21の外筒23bの外径とが等しい。樹脂体21、22の二重筒23が組み合わさることで、環状コア1の収容スペースが構成されている。なお、樹脂ケースは、樹脂体21、22を単に組み合わせるだけ構成しても良いし、樹脂体21、22の向かい合う端部に接着剤を塗布して接着しても良い。
【0021】
被覆部材2となる樹脂ケースは、外形が略矩形状となる箇所を有する。本実施形態では、樹脂体21の端面24の外形が略矩形状である。すなわち、環状コア1の環状面1aと平行な平面に投影した樹脂ケースの外形が略矩形状である。
【0022】
この略矩形状の樹脂体21の四隅には、凹み3が設けられている。凹み3は、コイル5の導線が通される箇所であり、巻線位置を位置決めする。なお、「略矩形状」とは、四隅の凹み3を除いて概ね矩形状であることをいう。本実施形態では、樹脂体21の外形が略正方形である。換言すれば、樹脂体21の端面の外形は、四隅に凹み3が設けられることで十字形状を有する。樹脂体21の略矩形状の端面24は、二重筒23の径方向外側に張り出している。樹脂体21の端面24における対辺となる平行な外縁間の距離は、環状コア1の直径に基づいて定められている。また、略正方形状の四隅部分に凹み3が対角に設けられることで、凹み3の間隔が等間隔になっている。なお、凹部3は四隅に限らず等間隔に設けても良い。
【0023】
(コイル)
コイル5は、周囲がエナメルなどの絶縁被覆が施された1本の導線からなり、凹み3に巻かれた4ターンを含め、計5ターンで構成されている。コイル5の巻線の両端部は、コイル部材の外部に引き出されており、絶縁被覆が引き剥がされ、金属製の線材が露出している。外部電源や外部機器と電気的に接続するためである。コイル5が外部から電力供給を受けることで、コイル5に電流が流れてコイル5を貫く磁束が発生し、環状コア1内部に閉じた環状の磁気回路が形成される。
【0024】
本実施形態では、コイル5は、1つの凹み3につき、1ターンで構成している。すなわち、導線を外部から環状コア1の内側に通して1つ目の凹み3に環状コア1の外側から巻き、次いで環状コア1の内側を通って2つ目の凹み3に環状コア1の外側から巻かれるというのを3つ目、4つ目の凹み3にも繰り返し、4つ目の凹み3に巻かれた導線が環状コア1の内側から外部に引き出されている。なお、図1および図2では、コイル5は一部簡略化して記載している。また、本実施形態では、コイル5は、1つの凹み3につき、1ターンで構成しているが、1つの凹み3で複数ターンとして構成しても良い。何れかの凹み3のみに導線を巻いて他の凹み3には導線を巻かないようにしても良い。
【0025】
図2に示すように、凹み3に巻かれたコイル5の巻線部分は、被覆部材2の外形である矩形の範囲内に収まっている。
【0026】
[1−3.作用・効果]
(1)本実施形態のコイル部品は、外形が円形の環状コア1と、外形が略矩形状であり、少なくとも環状コア1の一面を覆う被覆部材2と、略矩形状の被覆部材2の角に設けられた、コイル5の導線が通される凹み3と、を備えるようにした。
【0027】
これにより、凹み3にコイル5の導線を巻くことができるので、外形が円形の環状コア1であっても、巻き位置を正確に位置決めすることができる。また、コイル部品を設置スペースに配置したときに外形が矩形の角部分にデッドスペースが生じるが、当該デッドスペースとなる角部分に導線を巻くことができるので、コイル5を被覆部材2の矩形の範囲内に収めることができる。このため、手作業で巻く場合であっても、作業者による巻き膨らみのバラツキによる寸法バラツキを抑制でき、外形寸法の安定化を図ることができるとともに、小型化を図ることができる。
【0028】
なお、環状コア1に凹みを設けてこの凹みを通して導線を巻くことも考えられるが、環状コア1に凹みを設けるとその分磁束が通る面積が減り、特性が落ちてしまうが、本実施形態によれば、環状コア1の外形は変えずに、被覆部材2を設けて当該部材2に凹み3を設けたので、特性を落とさないで済むという利点がある。また、環状コア1が巻き鉄心である場合、巻き鉄心が芯材に金属等からなる帯状のリボンを巻いて構成されるものであるため、コアに凹み3を設けることができない。そのため、環状コア1が巻き鉄心である場合にも本実施形態の利点がある。
【0029】
(2)凹み3は、略正方形状の被覆部材2の角に設けられ、コイル5は、導線が凹み3を通して環状コア1の周囲に巻かれてなるようにした。これにより、コイル5を構成する巻線が等間隔に配置されるので、磁束が外部に広がらず、磁束の漏れを防止することができる。コイル部品の周囲に配置された電気機器への漏れ磁束の影響を小さくすることができる。例えば、電気機器がカーオーディオなどの音響機器である場合、この音響機器に漏れ磁束が侵入することにより生じる雑音を防止することができる。また、凹み3の設けられる箇所が決まっているので、コイル5の導線の巻かれる位置が安定するため、漏れ磁束のバラツキも抑えることができる。
【0030】
(3)被覆部材2は、環状コア1の周囲を覆う樹脂ケースとした。これにより、コイル5と環状コア1との絶縁を確保することができるとともに、環状コア1に生じる欠けや錆から防止することができる。
【0031】
(4)樹脂ケースは、複数の樹脂体21、22を組み合わせてなるようにした。これにより、環状コア1をモールド成型して樹脂ケースを作製する場合と比べて、低コスト化することができる。
【0032】
(5)樹脂ケースは、一端が有底の二重筒23からなる樹脂体22と、二重筒23とその一端に設けられた外形が略矩形状の端面24と有する樹脂体21と、からなるようにした。これにより、凹み3が一方の樹脂体21にしか設けられていないので、樹脂体21、22を組み合わせる際に、樹脂体21、22の両方の外形を略矩形状としてその角に凹み3を設けた場合と比べて、凹み3の位置合わせをしなくて済むので組立性が良いという利点を得ることができる。特に、樹脂体21、22の二重筒23は、円筒形状の内筒23a及び外筒23bを有する。二重筒23がその軸周りに回転対称性を有するので、二重筒23を二重角筒とする場合と比べて、角の向きを気にすることなく組立性を向上させることができる。
【0033】
(6)環状コア1は、アモルファスコアとした。これにより、コイル5の巻き数が少なくても必要なインダクタンス値を得ることができるので、巻き数を増加させずに済み、小型化を図ることができる。
【0034】
すなわち、インダクタンス値は、コアの微分透磁率とコイルの巻き数とに依存する。アモルファスコアは他の磁性体と比較して高微分透磁率であるから、コイル5の巻き数を少なくすることができる。このため、コイル部品の小型化が可能である。また、必要なインダクタンス値を確保する場合に、コイル5の巻き数を減らすことで、その分コイル部品におけるコアの体積の割合が増加する。そうすると、コイル部品におけるコアの鉄損及び発熱の割合が大きくなるので、放熱性確保のために大型化させざるを得ない場合がある。この点、アモルファスコアは他の磁性体と比較して低鉄損であるので、発熱が少なく、放熱性確保のために大型化させずに済む、或いは小型化できるという利点もある。このように、環状コア1を高微分透磁率かつ低鉄損という2つの特性を有するアモルファスコアとすることで、必要な磁気特性を確保しつつも、小型化することが可能になる。また、アモルファスコアは、他の磁性体と比較して飽和磁束密度が高いため、良好な直流重畳特性を得ることができる利点もある。
【0035】
[2.他の実施形態]
本発明は、第1の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、第1の実施形態及び下記の他の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
【0036】
(1)第1の実施形態では、被覆部材2を環状コア1の周囲を覆う樹脂ケースとしたが、図5に示すように、コイル5の導線を通すための孔を有し、外形が略矩形状の板状体であっても良い。板状体を環状コア1の環状面1aに接する状態にして、板状体の四隅に設けた凹み3に導線を巻いてコイル5を形成することでコイル部品を構成しても良い。
【0037】
(2)第1の実施形態では、樹脂ケースを構成する樹脂体21に外形が略矩形状となるようにしたが、樹脂体22も外形が略矩形状になるようにしても良い。例えば、樹脂ケースの外形が環状コア1の中心軸方向に沿って一様に略矩形状になるようにしても良いし、円筒部分の両端を略矩形部分で挟むようにしても良い。また、環状コア1の外周側面の例えば中央部分の外形が略矩形状となるように被覆部材2を構成しても良い。すなわち、被覆部材2を略矩形状の枠とし、当該枠の中に環状コア1を配置して環状コア1の外周側面を覆うようにしても良い。
【0038】
(3)第1の実施形態では、樹脂体21、22の内筒23a、外筒23bを円筒形状としたが、角筒形状としても良い。
【0039】
(4)上記の説明では、被覆部材2の外形を略矩形状としたが、略多角形状としても良い。この多角形の角に凹み3を設けて当該凹み3にコイル5の導線を巻くようにしても良い。このようにしても、多角形状の角部分が環状コア1のデッドスペースとなり、当該スペースにコイル5の巻線が配置されるので、巻き位置の固定、外形寸法の安定性、及び小型化を図ることができる。
【0040】
(5)第1の実施形態では、環状コア1の外形は円形であったが、多角形状としても良い。特に、図6に示すように、8角形の場合は、対角に位置する辺部分に凹み3を設けることで、凹み3を介して巻かれるコイル5の導線を被覆部材2の略矩形の範囲内に収めることができ、デッドスペースを活用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 環状コア
1a 環状面
2 被覆部材
21、22 樹脂体
23 二重筒
23a 内筒
23b 外筒
24 端面
3 凹み
5 コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6