(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0022】
1.景品獲得ゲーム装置の基本構成
図1には、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の例が示されている。プレーヤは操作部12を操作して景品移動部14を移動させ、景品載置エリア16に載置された景品18を右アーム部20及び左アーム部22の開閉動作により保持させた後、開口エリア17に向けて搬送し、開口エリア17上でアーム部20、22を開いて保持した景品18を落下させることにより、景品18を獲得するというゲームを行う。本実施形態の景品獲得ゲーム装置10は、ゲームフィールドと、景品誘導空間24と、景品取出口26とを含む。
【0023】
景品獲得ゲーム装置10の筺体は、その上半分が、例えばアクリル板のような透明板で構成されており、プレーヤが景品獲得ゲーム装置10の内部の状態を視認できるようになっているとともに、景品獲得ゲーム装置10の内部を触れることができないようになっている。これにより、筺体の内部にゲーム空間28が形成されている。このゲーム空間28の下面側が、ゲームフィールドとして機能する。また、筺体上半分の前面及び側面はオペレータにより開閉可能になっており、ここを開くことによって、オペレータはゲーム空間28内に景品18を並べる等の作業を行うことができる。
【0024】
ゲームフィールド(ゲーム空間28)は、景品18を載置するエリアとして機能する景品載置エリア16と、景品を落下させるエリアとして機能する開口エリア17を含んで形成されている。そして、ゲームフィールドの下方には、ゲームフィールドのほぼ全面に対応した範囲で上部が矩形状に開口された景品誘導空間24が設けられ、この景品誘導空間24は、プレーヤが景品を取り出すために筺体の下半分の前面側に設けられた景品取出口26に連通している。すなわち景品誘導空間24は、景品18を景品取出口26に誘導する。
【0025】
景品誘導空間24の周囲の上方には支持部32が設けられ、支持部32(景品誘導空間24の外周)の一方側の内側面から支持部32の他方側の内側面に至るように景品載置部34が配置される。この景品載置部34の上面が景品載置エリア16となる。なお、支持部32は昇降可能に構成されている。このように、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10は、支持部32に対して任意の数の景品載置部34を任意の位置に取り付けることによって、景品誘導空間24の上方で景品載置部34の配置を変更可能に景品載置部34が配置されるとともに、景品誘導空間24の上方で立体的な景品載置エリア16を形成すること
ができる。
【0026】
開口エリア17は、景品載置部34が配置されていないエリアであって、景品誘導空間24に連通している。従って、開口エリア17上に落下した景品は、そのまま景品誘導空間24を通って景品取出口26に達し、プレーヤが景品18を取り出すことができる。景品移動部14の前後左右方向の移動範囲は、景品誘導空間24が開口されている範囲に対応しており、開口エリア17が景品誘導空間24の上方のいかなる領域において形成されても、開口エリア17の上方に移動して開放動作を行うことができるようになっている。
図1に示すように、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10は装置を2つ連結して用いることができる。そして、右側ゲーム空間28と左側ゲーム空間29の境界面は、パーティションで区切られている。
【0027】
景品獲得ゲーム装置10の前面であって筺体上半分に設けられた透明板の裏側には表示部40(ディスプレイ)が設けられている。ディスプレイの表示画面は、右側ゲーム空間28でプレイするプレーヤ用の表示領域と、左側ゲーム空間29でプレイするプレーヤ用の表示領域とに左右に分割されている。
【0028】
2.機能ブロック
図2に、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の景品獲得ゲーム装置は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。景品獲得ゲーム装置10は、操作部12と、設定用操作部13と、コイン検知部150と、払出検知部160と、処理部100と、記憶部170と、駆動部180と、表示部40とを含む。
【0029】
操作部12(プレー用操作部)は、操作ボタンや操作レバーにより実現され、プレーヤからの操作入力を受け付け、操作信号を処理部100に出力する。設定用操作部13は、オペレータからの設定入力を受け付け、設定信号を処理部100に出力する。この設定入力としては、第1条件(第1回数)や第2条件(第2回数)を設定するための入力、目標ペイアウト率や目標景品原価率、景品単価、プレイ単価(基本料金)を設定するための入力、タイムアウト時間を設定するための入力などを含む。
【0030】
コイン検知部150(コインセレクタ)は、筺体に設けられたコイン投入口へのコインの投入を検知し、検出信号を処理部100に出力する。払出検知部160は、景品の払出し(開口エリア17への景品の落下)を検知し、検出信号を処理部100に出力する。
【0031】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0032】
駆動部180は、景品移動部14の移動機構(景品移動部14をX軸方向に移動させるX軸モータ、景品移動部14をY軸方向に移動させるY軸モータ、景品移動部14をZ軸方向に移動させるZ軸モータ、及び右アーム部20と左アーム部22を開閉させるモータ)を含む。表示部40は、処理部100で生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCDなどのディスプレイやタッチパネルなどにより実現できる。
【0033】
処理部100(プロセッサ)は、操作部12からの操作入力、プログラムなどに基づいて、景品獲得ゲーム装置10を制御する各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、動作制御部110、連続プレイ検出部112、特典付与部114、設定部116、算出部118、表示制御部120とを含む。
【0034】
動作制御部110は、操作部12からの操作入力、記憶部170に記憶された設定情報、プログラムなどに基づいて、駆動部180に制御信号を出力して、景品移動部14の移動動作(景品移動部14の移動と右アーム部20と左アーム部22の開閉動作)を制御する。なお、動作制御部110は、景品移動部14の「位置決め動作」を行うときは、プレーヤが操作する操作部12からの操作信号に基づき移動機構の動作を制御する。そして、その後の、景品移動部14の「下降動作」、「景品保持動作」、「上昇動作」、「景品搬送動作」、「景品解放動作」、「帰還動作」を行うときは、設定情報に基づき自動的に移動機構を制御する。
【0035】
連続プレイ検出部112は、プレーヤの連続プレイを検出する。具体的には、連続プレイ検出部112は、前回ゲームの終了時点(例えば、「帰還動作」の完了時点)から所定時間内(タイムアウト時間内、例えば、60秒以内)に、コイン検知部150でコインの投入が検知された場合に、同一プレーヤによる連続プレイがあったものと見做して、連続プレイを検出する。また、景品獲得ゲーム装置10がプレイ開始時にICカード等からプレーヤ識別情報(プレーヤID)を取得するように構成されている場合には、連続プレイ検出部112は、前回ゲームにおいて取得したプレーヤIDと同一のプレーヤIDを取得した場合(同一のプレーヤIDを連続して取得した場合)に連続プレイを検出してもよい。また、景品獲得ゲーム装置10が顔認証等によりプレーヤを識別するように構成されている場合には、連続プレイ検出部112は、前回ゲームにおいて識別したプレーヤと同一のプレーヤを識別した場合(同一のプレーヤを連続して識別した場合)に連続プレイを検出してもよい。
【0036】
特典付与部114は、連続プレイ検出部112での検出結果に基づき第1条件又は第2条件を満たしたか否かを判断し、前記第1条件を満たした場合に、所定回数だけ割引料金でプレイ可能にする第1の特典をプレーヤに付与し、前記第2条件を満たした場合に、所定の終了条件を満たすまで、第1の特典よりも高い割引率の割引料金でプレイ可能にする第2の特典をプレーヤに付与する。「割引料金でプレイ可能にする」とは、基本料金で複数回(有料プレイ時よりも多い回数)プレイ可能にすること、基本料金よりも安い料金で1回(有料プレイ時と同じ回数)だけプレイ可能にすること、無料でプレイ可能にすることを含む。また、「所定の終了条件」とは、景品が獲得されること、プレイ回数が所定回数(第1の特典での所定回数よりも多い回数)に達することを含む。なお、第2条件を段階的に複数記憶するとともに、当該第2条件を満たした場合の割引率を段階的にそれぞれ対応付けられて記憶してもよい。この場合、特典付与部は、段階的に割引率が高くなるように第2の特典をプレーヤに付与してもよい。
【0037】
また、特典付与部114は、連続プレイが検出された場合に、第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2をカウント(カウントアップ)し、第1の連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達した場合に、前記第1条件を満たしたと判断し、第2の連続プレイ回数N
2が第2回数T
2(T
2>T
1)に達した場合に、前記第2条件を満たしたと判断してもよい。この場合、特典付与部114は、連続プレイが検出されなかった場合に、第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2をリセット(クリア)する。
【0038】
また、特典付与部114は、第1の連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達した場合に、第1の連続プレイ回数N
1をリセットし、第2の連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達した場合に、第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2をリセットしてもよい。また、特典付与部114は、第2の連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達する前に、景品が獲得された(払出検知部160から検出信号を受信した)場合に、第2の連続プレイ回数N
2をリセットしてもよい。
【0039】
また、特典付与部114は、第1の特典として付与されたゲームプレイ(無料でのゲームプレイ)について第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2としてカウントしないようしてもよい。或いは、連続プレイ検出部112が、第1の特典として付与されたゲームプレイについて連続プレイを検出しないように構成してもよい。また、特典付与部114は、第2の特典として付与されたゲームプレイについて第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2としてカウントしないようしてもよい。
【0040】
設定部116は、設定用操作部13からの設定入力に基づいて、第1条件(例えば、第1回数T
1)と第2条件(例えば、第2回数T
2)とを設定する。また、設定部116は、設定用操作部13からの設定入力に基づいて、目標ペイアウト率や目標景品原価率、景品単価、タイムアウト時間を設定してもよい。
【0041】
算出部118は、コイン検知部150からの検出信号に基づきプレイ回数をカウントし、払出検知部160からの検出信号に基づいて払出回数(プレーヤが獲得した景品数)をカウントし、カウントしたプレイ回数及び払出回数に基づきペイアウト率を算出する。また、算出部118は、設定されたプレイ単価及び景品単価とカウントしたプレイ回数及び払出回数とに基づき景品原価率を算出してもよい。
【0042】
設定部116は、算出部118で算出されたペイアウト率(実績ペイアウト率)又は景品原価率(実績景品原価率)と設定した目標ペイアウト率又は目標景品原価率とに基づいて第2回数T
2を設定してもよい。この場合、設定部116は、実績ペイアウト率又は実績景品原価率が目標ペイアウト率又は目標景品原価率を下回る場合には、第2回数T
2を低下する方向に変動させ、実績ペイアウト率又は実績景品原価率が目標ペイアウト率又は目標景品原価率を上回る場合には、第2回数T
2を増加する方向に変動させる。なお、設定部116は、ペイアウト率又は景品原価率に基づく第2回数T
2の設定を、装置起動時(電源再投入時)に実行してもよいし、連続プレイが検出されなかった(連続プレイが終了した)タイミングで実行してもよい。
【0043】
表示制御部120は、第1条件及び第2条件をプレーヤに提示するための表示画像(例えば、第1の連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達するまでの回数と、第2の連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達するまでの回数とを示す画像)を表示部40に表示させる制御を行う。
【0044】
3.本実施形態の手法
3−1.特典の付与
本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、連続プレイが検出される(前回ゲーム終了後60秒以内にコインが投入される)度に、連続プレイ回数N
1(変数)をカウントし、N
1が第1回数T
1(閾値)に達した場合に、所定回数の無料プレイをプレーヤに付与する(第1の特典)。なお、連続プレイ回数N
1は、連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達した場合や連続プレイが途切れた場合(前回ゲーム終了後、タイムアウト時間内にコインが投入されなかった場合)にリセットされる。
【0045】
例えば、基本料金が「1プレイ100円」の設定において、有料プレイが5回連続してプレイされる毎に第1の特典として無料プレイを1回付与する(T
1=5の設定)。これは、「6プレイ500円」の割引料金でプレイ可能にすることと等価である。また、基本料金が「1プレイ200円」の設定において、有料プレイが4回連続してプレイされる毎に第1の特典として無料プレイを2回付与する(T
1=4の設定)。これは、「6プレイ800円」の割引料金でプレイ可能にすることと等価である。このように、連続プレイ回数が第1回数に達する度に無料プレイを付与することで、無料プレイが付与される回数に達するまでは連続プレイを継続しようとする動機をプレーヤに与えることができ、プレー
ヤのプレイ継続に対する意欲を高めることができる。また、プレイ回数が増えるほど景品が獲得できそうな状況になる可能性が高まるため、更なるプレイ継続を促すことができる。
【0046】
また、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、連続プレイが検出される度に、連続プレイ回数N
2(N
1と独立した変数)をカウントし、N
2が第2回数T
2(T
1よりも大きい閾値)に達した場合に、第1の特典とは異なる第2の特典をプレーヤに付与する。第2の特典としては、景品が獲得されるまで回数制限なく無料でプレイ可能にする特典か、景品が獲得されるまで回数制限なく割引料金でプレイ可能にする特典か、所定回数だけ無料でプレイ可能にする特典、所定回数だけ割引料金でプレイ可能にする特典、のいずれかを付与する。第2の特典として割引料金でプレイ可能にする特典を付与する場合には、第1の特典よりも第2の特典の割引率が実質的に高くなるようにする。また、第2の特典として所定回数だけ無料でプレイ可能にする特典を付与する場合には、第1の特典よりも多く無料プレイを付与するようにする。なお、連続プレイ回数N
2は、連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達した場合や連続プレイが途切れた場合、連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達するまでに景品が獲得された場合にリセットされるが、連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達してもリセットされない。なお、第1の特典として付与される無料プレイは連続プレイ回数N
2としてカウントされず、これにより、第1回数T
1(第1条件)の設定内容が第2回数T
2(第2条件)に影響を及ぼすことを防止して、第1回数T
1を第2回数T
2と独立して設定可能にすることができる。
【0047】
例えば、有料プレイが20回連続してプレイされた場合に、第2の特典として、景品が獲得されるまで無料プレイを付与するか、或いは、基本料金が「1プレイ100円」の設定において、第2の特典として、景品が獲得されるまで100円で2回プレイ可能(「1プレイ50円」の割引料金でプレイ可能)にする特典を付与する(T
2=20の設定)。このように、景品が獲得されないまま連続プレイ回数が第2回数に達した場合に、景品が獲得されるまで無料又は割引料金でプレイ可能にする特典を付与することで、プレーヤが過剰にお金を費やすことを抑制しつつ、自力で景品を獲得したという達成感をプレーヤに与えることができる。また、例えば、有料プレイが20回連続してプレイされた場合に、第2の特典として、無料プレイを5回付与する(プレイ回数が5回に達するまで無料でプレイ可能にする特典を付与する)ようにしてもよい。
【0048】
プレーヤは、操作部12に対して所定の操作を行うことで、前回ゲーム終了後の経過時間をカウントするタイマーを一時的に停止することができる。これにより、プレーヤはタイマーを一時停止させている間に、両替等の所用を済ませ、その後タイマーを再開させて連続プレイを継続することができ、プレーヤの利便性を向上することができる。
【0049】
また、プレーヤは、操作部12に対して所定の操作を行うことで、連続プレイ回数N
1、N
2を手動でリセットすることができる。これにより、他のプレーヤが連続プレイによって得られる利益(第1の特典、第2の特典)にただ乗りすることを防止することができる。
【0050】
図3(A)は、本実施形態の手法の具体例を示す図である。図中丸数字(以下では、括弧(数字)で示す)は、プレイされたゲームの順番を示し、図中白丸は、有料ゲームを示し、図中黒丸は、無料ゲームを示している。ここでは、有料プレイが3回連続してプレイされた場合に、第1の特典として無料プレイを1回付与し(第1回数T
1=3の設定)、有料プレイが9回連続してプレイされた場合に、第2の特典として、景品が獲得されるまで割引料金で(100円で2回)プレイ可能にする(第2回数T
2=9の設定)ことが設定されているものとする。すなわち、第1の特典では、実質的に「4プレイ300円」の割引料金でプレイ可能であり、第2の特典では、「2プレイ100円」の割引料金(第1
の特典よりも高い割引率の割引料金)でプレイ可能である。
【0051】
図3(A)に示す例では、(1)のゲームの後、(2)のゲームの開始時に連続プレイが検出されたため、N
1、N
2がそれぞれ「2」にカウントアップしている。(2)のゲームの後、(3)のゲームの開始時に連続プレイが検出されたため、N
1、N
2がそれぞれ「3」にカウントアップしている。ここで、N
1が第1回数T
1に達したため、第1の特典として(4)の無料ゲームが付与される。(4)のゲームの後、(5)のゲームの開始時に連続プレイが検出されたため、N
2が「4」にカウントアップしている。なお、N
1はリセットされたため、「1」となっている。その後、(6)、(7)のゲームの開始時に連続プレイが検出されたため、N
1、N
2がそれぞれ「3」「6」にカウントアップしている。ここで、N
1がT
1に達したため、第1の特典として(8)の無料ゲームが付与され、N
1はリセットされる。その後、(9)〜(11)の開始時に連続プレイが検出されたため、N
1、N
2がそれぞれ「3」「9」にカウントアップしている。ここで、N
1がT
1に達したため、第1の特典として(12)の無料ゲームが付与され、N
1はリセットされる。また、N
2が第2回数T
2に達したため、100円で2回プレイ可能な第2の特典が付与される。すなわち、(12)のゲームの後、(13)の有料ゲームがプレイされた場合に、(14)の無料ゲームが付与される。(13)、(14)のゲームにおいて景品が獲得されなかった場合には、(15)の有料ゲームのプレイを条件に(16)の無料ゲームが付与される。以降、景品が獲得されるまで割引料金でのプレイが可能となり、景品が獲得されると第2の特典の付与が終了し、N
2はリセットされる。
【0052】
図3(B)に示す例では、第2の特典として、景品が獲得されるまで無料でプレイ可能にすることが設定されている。すなわち、第1の特典では、実質的に「4プレイ300円」の割引料金でプレイ可能であり、第2の特典では、「1プレイ0円」の割引料金(第1の特典よりも高い割引率の割引料金)でプレイ可能である。ここでは、(11)のゲームでN
2が第2回数T
2に達したため、(12)の無料ゲーム(第1の特典)の後、第2の特典として(13)の無料ゲームが付与され、(13)のゲームにおいて景品が獲得されなかった場合に、(14)の無料ゲームが付与される。以降、景品が獲得されるまで無料ゲームが付与され、景品が獲得されると第2の特典の付与が終了する。
【0053】
ここで、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、目標ペイアウト率又は目標景品原価率と実績ペイアウト率又は実績景品原価率との差分に応じて、第2回数T
2を自動的に変動させる制御を行う。実績ペイアウト率は、次式(1)で求められ、実績景品原価率は、次式(2)で求められる。
【0054】
実績ペイアウト率=払出回数/プレイ回数・・・(1)
実績景品原価率=(払出回数×景品単価)/(プレイ回数×プレイ単価)・・・(2)
式(1)、式(2)において、払出回数は、払出検知部160からの検出信号に基づきカウントされる値であり、プレイ回数は、コイン検知部150からの検出信号に基づきカウントされる値である。また、景品単価は、単価の異なる景品が景品載置エリア16に載置されている場合には、これらの平均単価とする。また、プレイ単価は、プレイ1回当たりの料金である。
【0055】
例えば、オペレータは、目標景品原価率、景品単価及びプレイ単価を、設定用操作部13を用いて予め入力しておく。すると、目標景品原価率と、式(2)により算出された実績景品原価率とが比較され、実績景品原価率が目標景品原価率よりも高い場合には、第2回数T
2が低下する方向に変動し(第2の特典が付与され易くなる)、実績景品原価率が目標景品原価率よりも低い場合には、第2回数T
2が増加する方向に変動する(第2の特典が付与され難くなる)。すなわち、実績景品原価率が目標景品原価率に収束するように、第2回数T
2を自動的に変動させる。このように、目標ペイアウト率又は目標景品原価
率と実績ペイアウト率又は実績景品原価率とに基づき第2回数T
2を設定することで、目標とするペイアウト率又は景品原価率での運営を適切にサポートすることができる。
【0056】
なお、第2回数T
2を常時変動させるのではなく、装置起動時に、それまでのカウント値(払出回数、プレイ回数)から実績ペイアウト率又は実績景品原価率を算出して第2回数T
2を設定することが望ましい。なお、装置の電源をオフにしない環境下(24時間営業等)においては、例えば、連続プレイが途切れたタイミング(N
1、N
2がリセットされるタイミング)で第2回数T
2を設定する。
【0057】
図4に示す例では、
図3(A)に示す例から第2回数T
2が変動(低下)し、第2回数T
2=8の設定となっている。ここでは、(10)のゲーム時においてN
2が第2回数T
2に達したため、100円で2回プレイ可能な第2の特典が付与される。すなわち、(11)の有料ゲームのプレイを条件に(12)の無料ゲームが付与される。また、
図4に示す例では、(7)のゲーム時においてN
1=3、N
2=6となっており、N
2がT
2(=8)に達するまでに再びN
1がT
1(=3)に達することはないため、この時点でN
1がリセットされ、(9)、(10)のゲームにおいてN
1はカウントアップされない。
【0058】
3−2.表示例
本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、連続プレイ回数N
1が第1回数T
1に達するまでの回数(第1条件)と、連続プレイ回数N
2が第2回数T
2に達するまでの回数(第2条件)とを表示部40に表示する。これにより、プレーヤは、第1の特典が付与されるまでに必要な連続プレイ回数の残数と、第2の特典が付与されるまでに必要な連続プレイ回数の残数とを容易に把握することができる。
【0059】
図5は、
図3(A)の例における(2)のゲームの開始前、ゲーム中及びゲーム終了後のそれぞれにおいて表示部40に表示される表示画像を示す図である。
図5に示すように、表示画像DIには、第1の特典(無料プレイ)が付与されるまでの回数(T
1−N
1)と、第2の特典(割引料金でのプレイ)が付与されるまでの回数(T
2−N
2)と、現在の連続プレイ回数N
2が表示される。(2)のゲームの開始前(コインが投入されてから操作部12が操作されるまでの期間)においては、N
1=1、N
2=1であるため、表示画像DIには、第1の特典が付与されるまでの回数として「2」、第2の特典が付与されるまでの回数として「8」、連続プレイ回数として「1」が表示されている。また、コイン投入口付近に表示される残りプレイ回数表示CDには「1」が表示されている。また、(2)のゲーム中(操作部12が操作されてから「帰還動作」が完了するまでの期間)においては、N
1=2、N
2=2となるため、表示画像DIには、第1の特典が付与されるまでの回数として「1」、第2の特典が付与されるまでの回数として「7」、連続プレイ回数として「2」が表示されている。また、残りプレイ回数表示CDは「0」となる。また、ゲーム終了後(「帰還動作」が完了してからコインが投入されるまでの期間)においては、表示画像DIには、タイムアウトまでの残り時間がカウントダウン表示される。
【0060】
図6は、
図3(A)の例におけるアトラクト時及び(1)〜(14)のゲーム中のそれぞれにおいて表示される表示画像DIを示す図である。アトラクト時においては、表示画像DIには、第1及び第2の特典の内容とそれらの条件(T
1、T
2)が表示されている。また、(3)、(7)、(11)のゲーム中においては、N
1がT
1(=3)に達したため、表示画像DIには、第1の特典が付与されることを予告するテキストが表示され、(4)、(8)、(12)のゲーム中においては、第1の特典による無料プレイを実施中であることが表示されている。また、(12)のゲーム中においては、N
2がT
2(=9)に達しているため、表示画像DIには、第2の特典が付与されることを予告するテキストが表示され、(13)、(14)のゲーム中においては、第2の特典による割引料金でのプレイを実施中であることが表示されている。
【0061】
図7は、
図3(B)の例におけるアトラクト時及び(1)〜(14)のゲーム中のそれぞれにおいて表示される表示画像DIを示す図である。(12)のゲーム中においては、N
2がT
2(=9)に達しているため、表示画像DIには、第2の特典(景品が獲得されるまでの無料プレイ)が付与されることを予告するテキストが表示され、(13)、(14)のゲーム中においては、第2の特典による無料プレイを実施中であることが表示されている。また、第2の特典による無料プレイでは、景品が獲得されない限り回数制限がないため、残りプレイ回数表示CDとして「F」が表示されている。
【0062】
図8は、
図4の例におけるアトラクト時及び(1)〜(12)のゲーム中のそれぞれにおいて表示される表示画像DIを示す図である。(10)のゲーム中においては、N
2がT
2(=8)に達したため、表示画像DIには、第2の特典(割引料金でのプレイ)の付与の予告が表示されている。なお、(9)、(10)のゲーム中においては、N
1のカウントが停止されているため、表示画像DIには、第1の特典が付与されるまでの回数が表示されていない。
【0063】
4.処理
図9、
図10は、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、第2の特典として、景品が獲得されるまで割引料金で(100円で2回)プレイ可能にする特典を付与する場合のフローチャートである。
【0064】
まず、特典付与部114は、第1及び第2の連続プレイ回数N
1、N
2に「0」をセット(初期化)する(ステップS10)。次に、特典付与部114は、コイン検知部150でコインの投入が検知されたか否かを判断し(ステップS12)、コインの投入が検知された場合(ステップS12のY)には、連続プレイ検出部112で連続プレイが検出されたか否かを判断する(ステップS14)。特典付与部114は、連続プレイが検出された場合(ステップS14のY)には、N
1、N
2を1だけ増加させ(ステップS16)、連続プレイが検出されなかった場合(ステップS14のN)には、N
1、N
2に「1」をセットする(ステップS18)。次に、処理部100は、景品獲得ゲームを実行する(ステップS20)。すなわち、動作制御部110は、操作部12からの操作信号に基づき景品移動部14の「位置決め動作」を制御し、その後、設定情報に基づき景品移動部14の「下降動作」、「景品保持動作」、「上昇動作」、「景品搬送動作」、「景品解放動作」及び「帰還動作」を制御する。
【0065】
次に、特典付与部114は、N
1が第1回数T
1に達したか(第1条件を満たしたか)否かを判断する(ステップS22)。N
1がT
1に達していない場合(ステップS22のN)には、ステップS26に移行する。N
1がT
1に達した場合(ステップS22のY)には、特典付与部114は、無料で1回プレイ可能にする第1の特典を付与し、処理部100は、無料の景品獲得ゲームを実行する(ステップS24)。このとき、特典付与部114は、N
1をリセット(N
1に「0」をセット)する。
【0066】
次に、特典付与部114は、ステップS20での有料プレイとステップS24での無料プレイのいずれかにおいて景品が獲得されたか(払出検知部160で景品の払出しが検知されたか)否かを判断し(ステップS26)、いずれのゲームプレイにおいても景品が獲得されていない場合(ステップS26のN)には、N
2が第2回数T
2に達したか(第2条件を満たしたか)否かを判断する(ステップS28)。N
2がT
2に達していない場合(ステップS28のN)には、ステップS12に移行する。N
2がT
2に達した場合(ステップS28のY)には、特典付与部114は、景品が獲得されるまで割引料金でプレイ可能にする第2の特典を付与する。すなわち、処理部100は、タイムアウト時間内にコイン検知部150でコインの投入が検知されたか否かを判断し(ステップS30)、タイ
ムアウト時間内にコインの投入が検知された場合(ステップS30のY)には、景品獲得ゲームを実行し(ステップS32)、続いて、無料の景品獲得ゲームを実行する(ステップS34)。次に、特典付与部114は、第2の特典で付与されたゲームプレイ(ステップS32での有料プレイとステップS34での無料プレイのいずれか)において景品が獲得されたか否かを判断し(ステップS36)、いずれのゲームプレイにおいても景品が獲得されていない場合(ステップS36のN)には、ステップS30に移行する(第2の特典を付与する)。
【0067】
ステップS20での有料プレイとステップS24での無料プレイのいずれかにおいて景品が獲得された場合(ステップS26のY)、タイムアウト時間内にコインの投入が検知されなかった場合(ステップS30のN)、及び、第2の特典で付与されたゲームプレイにおいて景品が獲得された(所定の終了条件を満たした)場合(ステップS36のY)には、特典付与部114は、N
2をリセット(N
2に「0」をセット)し(ステップS38)、ステップS12に移行する。
【0068】
図10は、第2の特典として、景品が獲得されるまで無料でプレイ可能にする特典を付与する場合のフローチャートである。
図10のステップS40〜S58については、
図9のステップS10〜S28と同様の処理であるから、説明を省略する。
【0069】
特典付与部114は、N
2がT
2に達した場合(ステップS58のY)には、景品が獲得されるまで無料でプレイ可能にする第2の特典を付与する。すなわち、処理部100は、タイムアウト時間内に操作部12に対する操作が行われたか否かを判断し(ステップS60)、タイムアウト時間内に操作部12に対する操作が行われた場合(ステップS60のN)には、無料の景品獲得ゲームを実行する(ステップS62)。次に、特典付与部114は、第2の特典で付与されたゲームプレイ(ステップS62の無料プレイ)において景品が獲得されたか否かを判断し(ステップS64)、景品が獲得されていない場合(ステップS64のN)には、ステップS60に移行する(第2の特典を付与する)。
【0070】
ステップS50での有料プレイとステップS54での無料プレイのいずれかにおいて景品が獲得された場合(ステップS56のY)、タイムアウト時間内に操作部12に対する操作が行われなかった場合(ステップS60のY)、及び、第2の特典で付与されたゲームプレイにおいて景品が獲得された(所定の終了条件を満たした)場合(ステップS64のY)には、特典付与部114は、N
2をリセット(N
2に「0」をセット)し(ステップS66)、ステップS42に移行する。
【0071】
図11は、第2の特典として、所定回数だけ無料でプレイ可能にする特典を付与する場合のフローチャートである。
図11のステップS70〜S92については、
図10のステップS40〜S62と同様の処理であるから、説明を省略する。
【0072】
ステップS94では、特典付与部114は、第2の特典で付与されたゲームプレイ(ステップS92の無料プレイ)のプレイ回数が所定回数に達したか否かを判断し、プレイ回数が所定回数に達していない場合(ステップS94のN)には、ステップS90に移行する(第2の特典を付与する)。
【0073】
ステップS80での有料プレイとステップS84での無料プレイのいずれかにおいて景品が獲得された場合(ステップS86のY)、タイムアウト時間内に操作部12に対する操作が行われなかった場合(ステップS90のY)、及び、第2の特典で付与されたゲームプレイのプレイ回数が所定回数に達した(所定の終了条件を満たした)場合(ステップS94のY)には、特典付与部114は、N
2をリセット(N
2に「0」をセット)し(ステップS96)、ステップS72に移行する。
【0074】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0075】
例えば、上記実施形態では、第2の特典として、景品が獲得されるまで割引料金でプレイ可能にする特典を付与する場合について説明したが、第2条件を段階的に複数設定し、複数の第2条件のそれぞれを満たした場合の割引率を段階的に設定することで、第2の特典での連続プレイ回数が多くなるほど割引率が高くなるようにしてもよい。例えば、第2の特典でのプレイ回数が10回に達するまでは、100円で2回プレイ可能にし(「1プレイ50円」の割引料金でプレイ可能)、第2の特典での連続プレイ回数が10回を超えた場合に、100円で3回プレイ可能(「1プレイ約33円」の割引料金でプレイ可能)にしてもよい。
【0076】
また、景品獲得ゲーム装置で電子マネーを利用可能な場合(1円単位で決済可能な場合)、例えば、連続プレイ回数が所定回数に達するまでは、1回100円でプレイ可能にし、連続プレイ回数が所定回数を超えた場合に、1回90円でプレイ可能し、景品が獲得された場合に、1回100円の基本料金に戻すようにしてもよい。また、例えば、基本料金として1回110円でプレイ可能にし、連続プレイが検出される度に1円ずつ割引していき、景品が獲得された場合に基本料金に戻すようにしてもよい。