特許第6774839号(P6774839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774839
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20201019BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20201019BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
   G06Q50/22
   H04M9/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-209815(P2016-209815)
(22)【出願日】2016年10月26日
(65)【公開番号】特開2018-68488(P2018-68488A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 剛
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸正
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−009885(JP,A)
【文献】 特開2013−222448(JP,A)
【文献】 特開2016−087356(JP,A)
【文献】 特開平10−286239(JP,A)
【文献】 特開2011−172848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
G06Q 50/22
H04M 9/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入院患者が看護師を呼び出すためにベッド毎に設置されたナースコール子機と、ナースコール子機からの呼び出しに看護師が応答するためにナースステーションに設置されたナースコール親機と、病室毎に設置されて対応する病室の患者情報を表示すると共に、患者からの呼出発生を表示する廊下灯とを有するナースコールシステムにおいて、
検査予約した患者氏名及び予約日時を記憶する検査予約記憶部と、
検査予約した患者に対してアナウンスするメッセージを前記検査予約記憶部の情報を基に生成するメッセージ生成部と、
患者の検査予約時刻、その一定時間前、一定時間後のうちの少なくとも1つのタイミングで、検査予約対象の患者に関連付けられているナースコール子機のスピーカ及び病院の共用部に設置されている天井スピーカのうち、少なくとも何れかのスピーカから前記メッセージ生成部で生成されたメッセージを報音させて、検査時間が来たことを通知する通知制御装置と
病院内の共用部、廊下、病室を含む適宜部位に設置されて、設置場所の位置情報を発信する位置情報発信機と、
患者が身につけて、受信した前記位置情報発信機の位置情報を基に、自身の位置情報を生成して送信する位置送信端末と、
病院内の適宜位置に設置されて前記位置送信端末の送信信号を受信する受信機と、
患者と前記位置情報発信機との関係を記憶して、前記受信機が受信した前記位置送信端末の信号から患者の居場所を把握して蓄積する位置情報管理装置と、
個々の前記天井スピーカの設置場所情報を記憶するスピーカ位置記憶部とを有する一方、
前記通知制御装置は、前記検査予約した患者の居場所情報を前記位置情報管理装置から取得する患者場所情報取得部を有して、取得した患者の場所情報から当該患者が病室に居る場合はナースコール子機のスピーカから、病室に居ない場合は前記スピーカ位置記憶部の情報を基に選択した天井スピーカから、メッセージを報音させることを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
患者からの呼び出しに看護師が応答するための携帯端末を有すると共に、病院内の適宜位置に前記携帯端末と通信する基地局が設置されており、
前記位置情報発信機は自身の位置信号をIMES信号で発信し、
前記IMES信号を受けて前記位置送信端末が送信する自身の位置情報信号が、IMESに基づくGPS測位信号であって、前記携帯端末の通信電波と共通する信号で送信し、
前記受信機が前記基地局であることを特徴とする請求項記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記通知制御装置が、処置室或いは検査室に設置されて検査予約状況を前記検査予約記憶部から入手して表示する検査予約表示端末であり、
前記検査予約表示端末は、前記メッセージの報音を禁止する報音停止ボタンを有することを特徴とする請求項1又は2記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査予約した入院患者に対して検査時刻が近づいていることを天井スピーカ或いはナースコール子機にスピーカにより通知する機能を備えたナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者を検査する為に病棟に設けられた検査室等を予約するシステムとして、例えば特許文献1に開示された検査予約管理システムがある。特許文献1では、予約されていない時間を確認して検査室や検査装置を予約し、その後変更やキャンセルが発生したら、その都度登録内容を変更することで検査室や検査装置の効率的な運用を可能とした。
【0003】
一方で、GPS測位技術をGPS衛星電波の届かない屋内に対しても適用可能とした技術としてIMES(Indoor MEssaging System)の技術がある。この技術を用いることで、屋内においてもGPS測位機能を具備した端末を管理対象の人物が身につけることで、屋内においても人物の位置が把握可能となった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−93843号公報
【特許文献2】特開2011−145873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入院患者は定期的に検査室等で経過を検査するが、検査予約した時間を忘れたり或いは急な見舞客等で病室から出てしまうことがあり、予約時刻に検査室に現れない場合があった。このような場合は看護師が患者を捜したりするが、見つかったとしても予定時間を過ぎてしまいその後のスケジュールに変更が発生したり、見つからない場合は予約をキャンセルしていた。そのため、患者を捜したり時間変更したりする作業が看護師の負担となっていた。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、検査予約時刻が近づいたら或いは検査予約時間になったら予約している入院患者に対して天井スピーカ等を利用して知らせるナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、入院患者が看護師を呼び出すためにベッド毎に設置されたナースコール子機と、ナースコール子機からの呼び出しに看護師が応答するためにナースステーションに設置されたナースコール親機と、病室毎に設置されて対応する病室の患者情報を表示すると共に、患者からの呼出発生を表示する廊下灯とを有するナースコールシステムにおいて、検査予約した患者氏名及び予約日時を記憶する検査予約記憶部と、検査予約した患者に対してアナウンスするメッセージを検査予約記憶部の情報を基に生成するメッセージ生成部と、患者の検査予約時刻、その一定時間前、一定時間後のうちの少なくとも1つのタイミングで、検査予約対象の患者に関連付けられているナースコール子機のスピーカ及び病院の共用部に設置されている天井スピーカのうち、少なくとも何れかのスピーカからメッセージ生成部で生成されたメッセージを報音させて、検査時間が来たことを通知する通知制御装置と、病院内の共用部、廊下、病室を含む適宜部位に設置されて、設置場所の位置情報を発信する位置情報発信機と、患者が身につけて、受信した位置情報発信機の位置情報を基に、自身の位置情報を生成して送信する位置送信端末と、病院内の適宜位置に設置されて位置送信端末の送信信号を受信する受信機と、患者と位置情報発信機との関係を記憶して、受信機が受信した位置送信端末の信号から患者の居場所を把握して蓄積する位置情報管理装置と、個々の天井スピーカの設置場所情報を記憶するスピーカ位置記憶部とを有する一方、通知制御装置は、検査予約した患者の居場所情報を位置情報管理装置から取得する患者場所情報取得部を有して、取得した患者の場所情報から当該患者が病室に居る場合はナースコール子機のスピーカから、病室に居ない場合はスピーカ位置記憶部の情報を基に選択した天井スピーカから、メッセージを報音させることを特徴とする。
この構成によれば、検査予約した時刻になった時、或いはその前後の何れかのタイミングで、予約した患者のナースコール子機のスピーカ及び天井スピーカのうち、患者の居場所に近いスピーカが選択されて所定のメッセージが報音される。よって、該当する患者は予約を忘れていても報音されたメッセージによりそれを認識でき、看護師が患者を捜し回ること無く検査が可能となる。よって、看護師は患者を捜す煩わしさが無くなる。
【0008】
加えて、患者の居場所に近いスピーカが選択されることで、呼び出しが頻繁にあっても騒音に成り難い。
【0009】
請求項の発明は、請求項に記載の構成において、患者からの呼び出しに看護師が応答するための携帯端末を有すると共に、病院内の適宜位置に携帯端末と通信する基地局が設置されており、位置情報発信機は自身の位置信号をIMES信号で発信し、IMES信号を受けて位置送信端末が送信する自身の位置情報信号が、IMESに基づくGPS測位信号であって、携帯端末の通信電波と共通する信号で送信し、受信機が基地局であることを特徴とする。
この構成によれば、病院内に構築した携帯端末の通信網を使用して位置送信端末の位置、即ち患者の居場所を特定できるので、位置送信端末との通信網を別途設ける必要がない。
【0010】
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、通知制御装置が、処置室或いは検査室に設置されて検査予約状況を検査予約記憶部から入手して表示する検査予約表示端末であり、検査予約表示端末は、メッセージの報音を禁止する報音停止ボタンを有することを特徴とする。
この構成によれば、メッセージを報音する時刻までに患者が処置室或いは検査室に現れたら、メッセージを報音する必要が無くなるため、報音停止ボタンを操作すれば良く、無駄な報音を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検査予約した時刻になった時、或いはその前後の何れかのタイミングで、予約した患者のナースコール子機のスピーカ及び天井スピーカのうち、少なくとも何れかのスピーカから所定のメッセージが報音される。よって、該当する患者は予約を忘れていても報音されたメッセージによりそれを認識でき、看護師が患者を捜し回ること無く検査が可能となる。よって、看護師は患者を捜す煩わしさが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図である。
図2】IMES送信機の配置を示す病棟レイアウト説明図である。
図3】IMES管理装置の機能ブロック図である。
図4】制御装置の機能ブロック図である。
図5】検査予約表示端末の機能ブロック図である。
図6】検査予約表示端末が検査予約している患者を表示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり、1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機、2は病室毎に設置されて患者情報を表示すると共に呼出発生を報知し、更に呼出信号を中継する廊下灯、3はナースステーションに設置されてナースコール子機1による呼び出しを報知すると共に、呼び出しに看護師が応答するためのナースコール親機、4はナースコール子機1からの呼び出しに応答するために個々の看護師が携行する例えばスマートフォンから成る携帯端末、5は機器間の通信を制御する制御装置、6は携帯端末4及び後述する位置送信端末10と通信するアクセスポイント等の基地局、7は携帯端末4と基地局6の間の通信の制御に加えて、後述する位置送信端末10と基地局6との間の通信を管理するIP−PBXからなる交換機、8は廊下やトイレ等の共用部の適宜位置に設置された天井スピーカ、13はナースコールシステムを管理する管理PC、14は検査室や処置室に設置されて患者の検査予約状態を確認するための検査予約表示端末、15は患者の投薬情報や入退院情報等の患者医療情報、更には検査室や処置室の予約等を管理するオーダリング装置である。
【0014】
また、9はIMES技術を適用して自身の位置信号であるIMES信号を発信する位置情報発信機としてのIMES送信機、10は患者が身に付けてIMES送信機9からIMES信号を受信して自身の位置情報を発信する位置送信端末、11は個々のIMES送信機9の発信信号を管理すると共に、位置送信端末10の位置を管理する位置情報管理装置としてのIMES管理装置であり、IMES送信機9と位置送信端末10とIMES管理装置11と基地局6とで患者の居場所を特定する位置特定システムを構成している。位置送信端末10は、基地局6が受信可能な信号、即ち携帯端末4と共通する通信電波により自身の位置情報(GPS測位信号)を発信するよう構成されている。
【0015】
そして、図2はIMES送信機9の配置例を示す病棟レイアウト図であり、この図2に示すようにIMES送信機9は、個々の病室E1、ナースステーションであるスタッフステーションE2、廊下E3の適宜場所、浴室E4、トイレE5、手術室E6、検査室E7、共用部、待合室等に設置され、位置送信端末10が自身の詳細な位置情報を送信できるよう配置されている。尚、図2は病棟内の配置を示しているが、IMES送信機9は他の病棟を含む病院全体に配置されている。
【0016】
廊下灯2、ナースコール親機3、制御装置5、管理PC13、検査予約表示端末14は、HUB12を介してLAN配線L1により互いに接続されている。また、ナースコール子機1は病室毎に伝送線L2を介して廊下灯2に接続されている。一方、IMES送信機9とIMES管理装置11とは通信線L4で接続され、管理PC13とIMES管理装置11とは通信線L5で接続され協働するよう構成されている。
また天井スピーカ8は、廊下灯2を介して制御装置5に接続されており、廊下灯2内にスピーカ制御部(図示せず)が設けられ、LAN配線を廊下灯2と共用している。
尚、通信線L4はナースコール親機3が接続されているLAN配線L1とは独立して配設しているが、通信線L4もLANを使用してLAN配線L1と一体化することも可能である。
【0017】
以下、主要機器を順に説明する。ナースコール子機1は、ベッド上に配置される呼出握りボタン1aと、壁面に設置されて呼出握りボタン1aが接続されるプレート子機1bとから成り、プレート子機1bには通話の為のマイク、スピーカ1cが組み込まれている。
また、ナースコール親機3は、患者情報の一覧を始め各種情報を表示する第1表示部3a、呼出元情報を表示する第2表示部3b、呼び出しに応答するためのハンドセット3c等を備えている。
【0018】
位置特定システムを構成するIMES送信機9は、IMES管理装置11の制御により、IMES信号(位置信号)をGPS衛星から発信される位置情報信号と共通する信号形態で常時発信する。
一方、位置送信端末10は、GPS衛星電波を受信して自身の位置情報を送信する機能を有している。具体的に、GPS電波を受信して自身の位置を特定し、特定した位置情報に自身のIDを付加して発信するGPS通信部が内蔵されている。この機能により、屋内においてはIMES送信機9が発している位置情報信号を受信し、この信号を基に自身の位置情報を発信する。尚、位置送信端末10は、例えば腕時計のように腕に装着可能な形態であったり、首に掛けるペンダント形状であったり、患者が身に付けやすい形状となっている。
【0019】
またIMES管理装置11は、図3の機能ブロック図に示すよう構成されている。図3に示すように、位置送信端末10が発信する位置情報を記憶する位置送信端末位置記憶部111、この位置情報と病棟内の場所の関連付けを記憶する場所記憶部112、位置送信端末10と患者との関係を記憶する位置送信端末テーブル記憶部113、IMES管理装置11を制御するIMES管理装置CPU114、IMES送信機9及び管理PC13と通信するIMES管理装置IF115等を備えている。
そして、IMES管理装置CPU114は、基地局6が受信した位置送信端末10の場所情報信号を管理PC13を介して入手し、各位置送信端末10の位置を管理するとともに、各IMES送信機9の発信信号を管理する。
【0020】
図4は制御装置5の機能ブロック図である。制御装置5は、患者とナースコール子機(ベッド)との関係を含む患者情報を記憶する患者情報記憶部51、個々の天井スピーカ8の位置を記憶するスピーカ位置記憶部52、廊下灯2、ナースコール親機3、交換機7、管理PC13、検査予約表示端末14と通信する制御装置通信IF53、機器間の通信の制御に加えて制御装置5を制御する制御装置CPU54等を備えている。
【0021】
図5は検査予約表示端末14の機能ブロック図を示している。検査予約表示端末14は、図5に示すように各種情報を表示する液晶画面から成る表示部14a、表示部14a上に設けられたタッチパネルから成る操作部141、報音するメッセージを生成するメッセージ生成部142、オーダリング装置15から入院患者の検査予約情報を定期的に入手して記憶する予約情報記憶部143、検査予約した患者の居場所情報をIMES管理装置11から入手すると共に検査予約表示端末14を制御する検査予約表示端末CPU144、制御装置5と通信する検査予約表示端末通信IF145等を備えている。
尚、患者の検査予約はオーダリング装置において成され、検査予約情報はオーダリング装置15の検査予約記憶部15aに保存される。
【0022】
上記の如く構成されたナースコールシステムの動作は以下の様である。但し、患者からの呼び出し、その応答動作は従来と同様であるため説明を省略し、ここではIMES管理装置11による患者の居場所特定、及び検査予約表示端末14の動作を中心に説明する。
位置送信端末10は、IMES送信機9からIMES信号を受信すると、自身のIDを附加した場所情報信号を発信し、最寄りの基地局6がそれを受信する。位置送信端末10が発信した場所情報信号を受信した基地局6は、交換機7を介して制御装置5に受信した位置送信端末10の場所情報を送信し、制御装置5は管理PC13を介してIMES管理装置11に転送する。
【0023】
位置送信端末10の場所情報を受信したIMES管理装置11は、IMES管理装置CPU114が個々の位置送信端末10の現在位置を場所記憶部112を参照して確定し、位置送信端末位置記憶部111に保存する。また、場所情報信号に含まれるID情報を基に、位置送信端末10を身に付けている患者を位置送信端末テーブル記憶部113から読み取り、位置送信端末位置記憶部111に保存する。こうして患者の居場所情報が位置送信端末位置記憶部111に保存される。具体的に、位置送信端末10から受信した位置情報が例えば浴室の場所に一致していたら、その位置送信端末10は現在浴室にあると判断し、それを身に付けている患者の氏名情報と合わせて記憶される。
【0024】
検査予約表示端末14は、検査予約表示端末CPU144の制御により、オーダリング装置15の検査予約記憶部15aから、定期的に患者の検査予約情報を入手し、予約情報記憶部143に保存する。
そして、操作部141が操作されて予約患者の場所を表示する所定の表示操作を受けたら、予約情報記憶部143に登録されている患者の居場所情報をIMES管理装置11の位置送信端末位置記憶部111から入手し、表示部14aに表示させる。
【0025】
図6は、こうして表示された検査予約している患者(検査予定患者)の当日の一覧を示している。図6では、午前9時50分の時点での予約患者の居場所情報を示し、10時に予約しているアべモトヒロさんは現在自身の病室におり、11時に予約しているハラヒロツグさんは談話室に居ることを示している。
尚、13時以降に予約している患者は、まだ予約時刻が迫っていないため場所情報を入手していない。また、当日の一覧だけでなく、予約した日時の一覧は所定の操作で表示される(図示せず)。
【0026】
検査予約表示端末CPU144は、更に以下の様に動作する。予約時刻の一定時間前になった時点で、患者の居場所情報が自身の病室となっている場合は、アナウンスするメッセージを生成して、もうすぐ予約時刻であることを患者ベッドに関連付けられているナースコール子機1のスピーカ1cから報音させる。
具体的に、予約時刻に対して例えば5分前になった時点で、予約している患者が自身の病室に居ることが認識されたら、「アベモトヒロ様、検査時間になりました。準備をお願いします」等のメッセージを生成して報音する。但し、一定時間前にすでに検査室に患者が現れたことで、担当看護師等が検査予約表示端末14の操作部141の中の報音停止ボタン(図示せず)を操作してアナウンス中止操作をすればメッセージが報音されることはない。
【0027】
尚、予約時刻の一定時間前になった時点で、IMES管理装置11の位置送信端末位置記憶部111から入手した患者の居場所情報が、例えば談話室等の共用部である場合は、そのエリアに配置されている天井スピーカ8が制御装置5のスピーカ位置記憶部52から選択され、選択した1或いは複数の天井スピーカ8から上記ナースコール子機1からの報音と同様のメッセージが報音される。
【0028】
このように、検査予約した時刻が近づいたら、予約した患者のナースコール子機1のスピーカ1c或いは天井スピーカ8の何れかのスピーカから所定のメッセージが報音されるため、該当する患者は予約を忘れていても報音されたメッセージによりそれを認識でき、看護師が患者を捜し回ること無く検査が可能となる。よって、看護師は患者を捜す煩わしさが無くなる。
また、患者の居場所に近いスピーカが選択されて、そのスピーカからメッセージが報音されるので、呼び出しが頻繁にあっても騒音に成り難いし、病院内に構築した携帯端末4の通信網を使用して位置送信端末10の位置、即ち患者の居場所を特定できるので、位置送信端末10との通信網を別途設ける必要がない。
更に、メッセージを報音する時刻までに患者が処置室或いは検査室に現れたら、メッセージを報音しない報音停止ボタンを備えるため、無駄な報音を防止できる。
【0029】
尚、上記実施形態では、5分前等検査予約時刻の一定時間前に通知しているが、予約時刻になった時点で通知しても良いし、予約時刻から一定時間経過してから通知しても良い。当然、患者が検査室等に現れない場合は、3つのタイミングの全てで報音しても良い。
また、IMES技術を適用して患者の居る場所に近いスピーカを使用してアナウンスする構成を説明したが、IMES技術を適用せずに常時ナースコール子機1のスピーカ1cから報音しても良いし、加えて病棟全体の天井スピーカ8を使用して報音しても良い。
更に、検査予約表示端末14はオーダリング装置15から検査予約情報を入手しているが、ナースコール親機3等他の機器で検査予約が管理されている場合は、その機器から入手することになる。
患者が病室
【符号の説明】
【0030】
1・・ナースコール子機、2・・廊下灯、3・・ナースコール親機、4・・携帯端末、5・・制御装置、6・・基地局(受信機)、7・・交換機、8・・天井スピーカ、9・・IMES送信機(位置情報発信機)、10・・位置送信端末、11・・IMES管理装置(位置情報管理装置)、14・・検査予約表示端末(通知制御装置)、15・・オーダリング装置、15a・・検査予約記憶部、51・・患者情報記憶部、54・・制御装置CPU、52・・スピーカ位置記憶部、141・・操作部(報音停止ボタン)、142・・メッセージ生成部、144・・検査予約表示端末CPU(患者場所情報取得部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6