(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774900
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】集合住宅インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-65638(P2017-65638)
(22)【出願日】2017年3月29日
(65)【公開番号】特開2018-170601(P2018-170601A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】大島 匡浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 研
【審査官】
田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−131915(JP,A)
【文献】
特開2015−103865(JP,A)
【文献】
特開2011−097357(JP,A)
【文献】
特開2011−182019(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0115906(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00− 9/10
H04M 11/00−11/10
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出すためにエントランスに設置された集合玄関機、及び各住戸玄関に設置された住戸玄関子機と、来訪者からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機と、これら機器間の通信を制御する制御機とを有し、前記集合玄関機及び前記住戸玄関子機はカメラを備えると共に、前記居室親機には前記カメラの撮像映像を表示する表示部と、撮像映像を保存する記憶部と備えて、前記集合玄関機或いは前記住戸玄関子機から呼び出しが成されたら、呼出元の前記カメラの撮像映像が前記記憶部に保存される集合住宅インターホンシステムであって、
前記居室親機は、呼び出しを受けて前記記憶部に保存された映像が、応答されず且つ未読の状態である場合にそれを通知する新着ランプと、前記新着ランプを制御する通知制御部とを有し、
前記通知制御部は、前記集合玄関機からの呼び出しに応答操作が成された後、前記住戸玄関子機が呼出操作された際に、当該住戸玄関子機の呼出操作が前記集合玄関機から呼び出しが成されてから所定時間以内の操作であれば、保存した前記住戸玄関子機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、前記新着ランプを通知動作させないことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
来訪者が居住者を呼び出すためにエントランスに設置された集合玄関機、及び各住戸玄関に設置された住戸玄関子機と、来訪者からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機と、これら機器間の通信を制御する制御機とを有し、前記集合玄関機及び前記住戸玄関子機はカメラを備えると共に、前記居室親機には前記カメラの撮像映像を表示する表示部と、撮像映像を保存する記憶部と備えて、前記集合玄関機或いは前記住戸玄関子機から呼び出しが成されたら、呼出元の前記カメラの撮像映像が前記記憶部に保存される集合住宅インターホンシステムであって、
前記居室親機は、呼び出しを受けて前記記憶部に録画された映像が、応答されず且つ未読の状態である場合にそれを通知する新着ランプと、前記新着ランプを制御する通知制御部と、前記エントランスの扉を解錠する解錠ボタンとを有し、
前記通知制御部は、前記集合玄関機からの呼び出しを受けて前記解錠ボタンが操作されたら、保存した前記集合玄関機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、前記新着ランプを通知動作させず、
更に、その後前記住戸玄関子機が呼出操作された際に、当該住戸玄関子機の呼出操作が、前記集合玄関機から呼び出しを受けた時及び前記解錠ボタンが操作された時のうち、何れか一方の時点から所定時間以内の操作であれば、保存した前記住戸玄関子機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、前記新着ランプを通知動作させないことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅インターホンシステムに関し、特に来訪者映像を自動録画する機能を備えた集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、玄関子機が呼出操作されたら来訪者を撮像するカメラが起動して録画が行われるインターホンシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
このような自動録画機能を備えたインターホンシステムの中には、呼び出しが成されたにも関わらず応答されなかった映像が保存されている場合は、それを居住者に知らせるための新着表示灯(新着ランプ)を備えて、点滅等で通知するよう構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−60963号公報
【特許文献2】特開2013−131915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記新着ランプを備えた構成は、管理人からのお知らせ等の他の未読情報がある場合にも有効であるため、集合住宅インターホンシステムで広く採用されている。
しかしながら、上述したように呼び出しに応答しなかった等の未確認の情報が1つでもあることで新着ランプが点滅等の通知動作を継続するため、居住者にとってはこの通知動作が煩わしい場合があった。
例えば、集合玄関子機で応答してエントランスのドアを解錠し、招き入れた来訪者が住戸玄関子機で再度呼び出しを行った場合、居住者は来訪者をモニタで確認するだけで、通話に入らないまま直接玄関に向かうことがあった。この場合、応答しなかった来訪者の録画があると判断されて新着ランプが点滅等の通知動作した。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、集合住宅において集合玄関機と住戸玄関子機とで連続で呼び出しがなされた場合には、新着ランプが通知動作しない集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者が居住者を呼び出すためにエントランスに設置された集合玄関機、及び各住戸玄関に設置された住戸玄関子機と、来訪者からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機と、これら機器間の通信を制御する制御機とを有し、集合玄関機及び住戸玄関子機はカメラを備えると共に、居室親機にはカメラの撮像映像を表示する表示部と、撮像映像を保存する記憶部と備えて、集合玄関機或いは住戸玄関子機から呼び出しが成されたら、呼出元のカメラの撮像映像が記憶部に保存される集合住宅インターホンシステムであって、居室親機は、呼び出しを受けて記憶部に保存された映像が、応答されず且つ未読の状態である場合にそれを通知する新着ランプと、新着ランプを制御する通知制御部とを有し、通知制御部は、集合玄関機からの呼び出しに応答操作が成された後、住戸玄関子機が呼出操作された際に、当該住戸玄関子機の呼出操作が集合玄関機からの呼び出しが成されてから所定時間以内の操作であれば、保存した住戸玄関子機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、新着ランプを通知動作させないことを特徴とする。
この構成によれば、集合玄関機から呼び出しがあった後、間もなく住戸玄関子機から呼び出しがあった場合は、住戸玄関子機からの呼び出しに対して応答しなくても新着ランプが通知動作しない。よって、居住者が感じる煩わしさを軽減できる。
【0007】
請求項2の発明は、来訪者が居住者を呼び出すためにエントランスに設置された集合玄関機、及び各住戸玄関に設置された住戸玄関子機と、来訪者からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機と、これら機器間の通信を制御する制御機とを有し、集合玄関機及び住戸玄関子機はカメラを備えると共に、居室親機にはカメラの撮像映像を表示する表示部と、撮像映像を保存する記憶部と備えて、集合玄関機或いは住戸玄関子機から呼び出しが成されたら、呼出元のカメラの撮像映像が記憶部に保存される集合住宅インターホンシステムであって、居室親機は、呼び出しを受けて記憶部に録画された映像が、応答されず且つ未読の状態である場合にそれを通知する新着ランプと、新着ランプを制御する通知制御部と、エントランスの扉を解錠する解錠ボタンとを有し、通知制御部は、集合玄関機からの呼び出しを受けて解錠ボタンが操作されたら、保存した集合玄関機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、新着ランプを通知動作させず、更に、その後住戸玄関子機が呼出操作された際に、当該住戸玄関子機の呼出操作が、集合玄関機から呼び出しを受けた時及び解錠ボタンが操作された時のうち、何れか一方の時点から所定時間以内の操作であれば、保存した住戸玄関子機のカメラ撮像映像を応答操作されたと判断して既読処理し、新着ランプを通知動作させないことを特徴とする。
この構成によれば、集合玄関機から成された呼び出しに対して応答操作すること無く解錠ボタンが操作されても、その後間もなく住戸玄関子機が呼出操作されたら、集合玄関機及び住戸玄関子機の何れの呼び出しも、応答操作が成されたと判断して双方のカメラの撮像映像の保存映像は既読として処理されて新着ランプが通知動作しない。よって、居住者が感じる煩わしさを軽減できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、集合玄関機から呼び出しがあった後、間もなく住戸玄関子機から呼び出しがあった場合は、住戸玄関子機からの呼び出しに対して応答しなくても新着ランプが通知動作しない。よって、居住者が感じる煩わしさを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示し、1は来訪者が訪問先を選択して呼び出すためにエントランスに設置された集合玄関機、2は居住者が呼び出しに応答するために個々の住戸に設置された居室親機、3は管理人が居住者等と通話するための管理室親機、4は機器間の通信を制御する制御機、5はエントランスに設置されて住居エリアに入るための電気錠を備えた扉、6は個々の住戸玄関に設置されて居住者を呼び出すための住戸玄関子機である。
集合玄関機1は伝送線L1により制御機4に接続され、居室親機2は親機幹線L2により制御機4に接続され、管理室親機3は伝送線L3により制御機4に接続されている。また、住戸玄関子機6は伝送線L4により居室親機2に接続されている。
【0011】
集合玄関機1は、住戸を選択して呼び出すための操作部11、来訪者を撮像するためのカメラ12、通話部を構成するマイク13及びスピーカ14等を有している。
尚、住戸玄関子機6は、呼出ボタン61、カメラ62、マイク及びスピーカを備えた通話部を有している。
【0012】
居室親機2は、呼び出しに応答するための通話ボタン21、カメラ12の撮像映像を表示する表示部22、通話部を構成するマイク23a及びスピーカ23b、表示部22に設けられたタッチパネルから成る操作部24、エントランスの扉5の電気錠を解錠する解錠ボタン25、確認操作されてない未再生の保存映像があることを通知する新着ランプ26等を有している。
【0013】
図2は居室親機2の機能ブロック図を示し、通話ボタン21、表示部22、マイク23a、スピーカ23b、操作部24に加えて、映像に加えて画像から成る受信情報を保存する記憶部27、マイク23a及びスピーカ23bを制御する通話回路28、居室親機2を制御する親機CPU29、制御機4と通信するための親機通信IF30等を備えている。
尚、記憶部27に保存される情報は、既読フォルダと未読フォルダとに分けて保存され、親機CPU29の制御により既読処理した映像は既読フォルダに保存され、未読処理された映像は未読フォルダに保存される。
【0014】
管理室親機3は、カメラ12の撮像映像の表示に加えて各種情報を表示する表示部31、表示部31に設けられたタッチパネルから成る操作部32、通話部を構成するハンドセット33等を備えている。
【0015】
上記の如く構成された集合住宅インターホンシステムの動作は以下の様である。但し、集合玄関機1或いは住戸玄関子機6からの呼出操作、呼び出しを受けて居室親機2からの応答操作、呼出操作を受けてカメラ12,62の撮像映像が居室親機2の表示部22に表示される動作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは、カメラ12の撮像映像の保存及び新着ランプ26の通知動作を中心に説明する。
【0016】
先ず、カメラ12,62の撮像映像を保存する通常の制御は以下の様である。来訪者があり集合玄関機1が操作されて呼び出しが成されると、カメラ12の撮像映像が居室親機2に送信されて、表示部22に表示される。同時に、親機CPU29の制御により、一定時間の録画が実施され、記憶部27の未読フォルダに保存される。但し、途中で或いは録画終了後に通話ボタン21が操作されて応答すれば、保存先が既読フォルダに移行する。そして、未読フォルダに保存された状態で呼出動作が終了したら、新着ランプ26が点滅する。
その後、新着ランプ26の点滅を受けて、居住者により未読情報を確認する所定の確認操作が成されたら、保存映像が表示部22に表示されて、その保存場所が未読フォルダから既読フォルダに移動し、新着ランプ26の点滅は消灯する。
尚、新着ランプ26は、未読フォルダに映像が1件でも残っていれば点滅を継続する。
【0017】
この映像保存の制御は、住戸玄関子機6が操作された場合も同様であり、呼び出しに対して応答が成されなければ記憶部27の未読フォルダに撮像映像が保存され、新着ランプ26が点滅する。そして、この映像の表示操作(確認操作)が成されると、新着ランプ26は消灯する。
【0018】
このように動作する集合インターホンシステムにおいて、集合玄関機1の呼出操作と住戸玄関子機6の呼出操作とが所定の時間内に連続して行われた場合、以下のように動作する。
まず、来訪者が集合玄関機1を操作して居住者を呼び出すと、呼び出し先の居室親機2では呼び出し報知されると共に、集合玄関機1のカメラ12で撮像した映像が表示部22に表示され、同時に一定時間の撮像映像の録画が開始される(未読フォルダへの保存が開始される)。その後、呼び出しを受けて居住者が応答すると、保存映像は未読フォルダから既読フォルダに移動して保存され、新着ランプ26の点滅等の通知動作はない。ここまでの動作は、上述した通りである。
但し、呼び出しを受けた時点で親機CPU29は所定時間(例えば、5分)のカウントを開始する。
【0019】
その後、居住者により解錠ボタン25が操作されて、エントランスの扉5の電気錠が解錠されると、来訪者は居住スペースに入って訪問先の住戸まで進み、訪問先の住戸玄関子機6が呼出操作される。
こうして居室親機2において呼び出し報知が成されて、今度は住戸玄関子機6のカメラ62の撮像映像が表示部22に表示される。加えて、撮像映像の一定時間の録画が開始され記憶部27に保存される。但し、このときに親機CPU29は、所定時間(5分)が経過していないか判断し、経過していなければ応答操作されたと判断して撮像映像は既読フォルダに保存し、新着ランプ26は点滅させない。一方、所定時間が既に経過していたら未読フォルダに保存し、新着ランプ26を点滅させる。
【0020】
このように、集合玄関機1から呼び出しがあった後、間もなく住戸玄関子機6から呼び出しがあった場合は、住戸玄関子機6からの呼び出しに対して応答しなくても新着ランプ26が点滅して通知動作しない。よって、居住者が感じる煩わしさを軽減できる。
また、住戸玄関子機6のカメラ62の撮像映像は引き続き保存されるため、予定していた人とは異なる人物からの呼び出しであっても映像は残り、セキュリティ機能が低下することもない。
【0021】
尚、住戸玄関子機6のカメラ62の撮像映像が既読フォルダに保存されても、それ以前から未読フォルダに保存映像が存在している場合は、新着ランプ26が消灯することなく点滅は継続される。
【0022】
次に、本発明の他の形態を説明する。上記実施形態では呼び出しに応答した後に解錠操作しているが、呼び出しを受けて表示部22に表示された来訪者映像を見た居住者は、来訪者が家族であったり予定していた人であれば、応答すること無く解錠する場合があるため、このような場合にも対応するよう以下の様に親機CPU29を制御動作させても良い。
呼び出しを受けての解錠操作は、応答操作されなくても実質応答操作されたとみなして、カメラ12の撮像映像を既読フォルダに保存させて、新着ランプ26は点滅させない。
そして、上記形態と同様に、集合玄関機1から呼び出しを受けてから所定時間内に住戸玄関子機6が操作されたら、住戸玄関子機6のカメラ62が撮像した映像を既読フォルダに保存し、新着ランプ29は点滅させない。
【0023】
このように、集合玄関機1から成された呼び出しに対して応答操作すること無く解錠ボタン25が操作された場合でも、その後間もなく住戸玄関子機6が呼出操作されたら、集合玄関機1及び住戸玄関子機6の何れの呼び出しも、応答操作が成されたと判断して双方のカメラ12,62の撮像映像の保存映像は既読として処理されて新着ランプ26が通知動作しない。よって、居住者が感じる煩わしさを軽減できる。
【0024】
尚、上記実施形態では、呼び出しを受けた時点で所定時間のカウントをスタートさせているが、エントランスの扉5の解錠操作を受け所定時間のカウントを開始しても良い。
【符号の説明】
【0025】
1・・集合玄関機、2・・居室親機、5・・扉、6・・住戸玄関子機、12・・カメラ、21・・通話ボタン、22・・表示部、25・・解錠ボタン、26・・新着ランプ、27・・記憶部、29・・親機CPU(通知制御部)、62・・カメラ。