特許第6774938号(P6774938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6774938
(24)【登録日】2020年10月7日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】駐車支援システム及び駐車支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20201019BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20201019BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20201019BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20201019BHJP
   B60L 50/50 20190101ALI20201019BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20201019BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20201019BHJP
   B60L 58/00 20190101ALI20201019BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20201019BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20201019BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20201019BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20201019BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20201019BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20201019BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20201019BHJP
【FI】
   B60R99/00
   B60K1/04 Z
   B60L5/00 B
   B60L11/18 C
   B60M7/00 X
   B60R11/02 C
   B60R16/03 V
   G08G1/16 C
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301D
   H02J50/10
   H02J50/90
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-510822(P2017-510822)
(86)(22)【出願日】2015年4月7日
(86)【国際出願番号】JP2015060804
(87)【国際公開番号】WO2016162937
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2017年9月20日
【審判番号】不服2019-16518(P2019-16518/J1)
【審判請求日】2019年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】福島 由丈
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 藤井 昇
【審判官】 出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0061897(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0092236(US,A1)
【文献】 特開2012−210008(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/076888(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/016925(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R21/00
B60R16/03
B60R11/02
B60R99/00
H02J50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上側に設けられ電力を送信する送電装置と、車両に設けられ前記送電装置より送信された電力を受信して電気負荷に供給する受電装置と、を備えた駐車支援システムにおいて、
前記送電装置は、
電力を送信する送電コイルと、
前記送電コイルを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記受電装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記受電装置は、
前記送電コイルより送信された電力を受信する受電コイルと、
前記画像を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画像を表示手段に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記撮影手段は、前記画像の横方向の中心線に前記送電コイルの中心が重なるように撮影できる位置に配置されることを特徴とする駐車支援システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記画像の横方向に対する中心線を前記画像に重畳することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、車両進入方向に沿って少なくとも2本の平行線を前記画像に重畳することを特徴とする請求項1または2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、少なくとも前記送電コイルを含む俯瞰画像を作成して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記画像からバック駐車か前進駐車かを判断し、判断結果に基づいて前記俯瞰画像に前記受電コイルを重畳することを特徴とする請求項4に記載の駐車支援システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画像から前記車両が駐車スペースに進入する角度を演算し、演算結果に基づいて前記俯瞰画像に車両を示す画像を重畳することを特徴とする請求項4または5に記載の駐車支援システム。
【請求項7】
地上に設置された送電コイルと車両に設けられた受電コイルの位置合わせを行う、前記車両に設けられた駐車支援装置において、
地上コントローラに設置され、かつ、画像の横方向の中心線に前記送電コイルの中心が重なるように撮影できる位置に配置された撮影手段によって撮影された前記送電コイルが中心に映る画像を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画像を前記車両に設けられた表示手段に表示する表示制御手段と、を備え
前記表示制御手段は、前記画像の横方向の中心線と前記表示手段の横方向の中心線とを合わせて表示することを特徴とする駐車支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側の受電コイルと地上側の送電コイルの位置合わせを支援する駐車支援システム及び駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より駐車支援として、表示モニタ上に目標駐車枠を設定し、駐車目標位置に車両を導く発明が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4235026号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、実際に動かない地上が表示モニタ上では動く一方、実際に動いている車両は表示モニタ上では止まっていることになり、運転者が違和感を感じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両側の受電コイル及び地上側の送電コイルの位置合わせを運転者が直感的に行うことができる駐車支援システム及び駐車支援装置を提供することにある。
【0006】
本発明の一態様に係る駐車支援システムは、地上側に設けられた送電コイルを有する送電装置と、車両に設けられた受電コイルを有する受電装置と、を備える。受電装置は、送電装置に設置された撮影手段の画像を受信し、受信した画像を表示手段に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車支援システムの全体構成図である。
図2図2(a)は、受電コイルを備える車両と送電コイルを備える駐車場との位置関係を示す上面図である。図2(b)は、図2(a)に示す位置関係を映したカメラ映像である。
図3図3(a)は、受電コイルを備える車両と送電コイルを備える駐車場との位置関係を示す上面図である。図3(b)は、図3(a)に示す位置関係を映したカメラ映像である。
図4図4(a)は、受電コイルを備える車両と送電コイルを備える駐車場との位置関係を示す上面図である。図4(b)は、図4(a)に示す位置関係を映したカメラ映像である。
図5図5(a)は、受電コイルを備える車両と送電コイルを備える駐車場との位置関係を示す上面図である。図5(b)は、図5(a)に示す位置関係を映したカメラ映像である。
図6図6(a)は、地上コントローラのカメラ映像に中心線を重畳した図である。図6(b)は、地上コントローラのカメラ映像に中心線と駐車枠を重畳した図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態に係る車両と地上コントローラの動作例を示すシーケンス図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイの表示例である。
図9図9(a)は、車両の正面図である。図9(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイの表示例である。
図10図10(a)は、車両の背面図である。図10(b)は、本発明の第2実施形態に係るディスプレイの表示例である。
図11図11は、本発明の第2実施形態に係る車両と地上コントローラの動作例を示すシーケンス図である。
図12図12は、受電コイルを備える車両と送電コイルを備える駐車場との位置関係を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0009】
[第1実施形態]
図1を参照して、本実施形態に係る駐車支援システムの全体構成図について説明する。
図1に示すように、駐車支援システムは、給電スタンドや駐車スペース等の地上側に配置される給電装置100(送電装置)と、車両200(受電装置)と、を備え、給電装置100に設けられる送電コイル12から、車両200側の受電コイル21へ非接触で電力を供給する。より詳しくは、送電コイル12に電圧が印加されると、送電コイル12と受電コイル21との間に磁気的な結合が生じ、送電コイル12から受電コイル21へ電力が供給される。受電コイル21は、車両200が駐車スペースの所定位置に駐車された際に、送電コイル12と対向する位置となるように配置されている。
【0010】
給電装置100は、送電コイル12と、送電ケーブル16と、地上コントローラ10を備えている。
【0011】
送電ケーブル16は、送電コイル12に電力を供給するケーブルであり、送電コイル12を備えた駐車スペースの路面に設けられる。
【0012】
地上コントローラ10は、地上の駐車スペース近くに設置される装置であって、カメラ13と、無線通信部14と、制御部15と、電力制御部11を備えている。
【0013】
カメラ13(撮影手段)は、地上コントローラ10内に内蔵され、地上コントローラ10の周囲を時間的に連続して撮影する。カメラ13は、撮影した映像(または画像)を無線通信部14に送信する。
【0014】
無線通信部14は、車両200に設けられる無線通信部25と双方向に通信を行う。
【0015】
制御部15は、給電装置100全体を制御する部分であり、無線通信部14,25間の通信により給電装置100からの電力供給を開始する旨の信号を車両200側に送信したり、給電装置100からの電力を受給したい旨の信号を車両200側から受信したりする。また、制御部15は、カメラ13が撮影した映像を無線通信部14を介して無線通信部25に送信する。さらに、制御部15は、電流センサ(図示せず)の検出電流に基づいてインバータ113のスイッチング制御を行い、送電コイル12に供給する電力を制御する。
【0016】
電力制御部11は、交流電源300から送電される交流電力を高周波の交流電力に変換し、送電コイル12に電力を供給するもので、整流部111と、PFC回路112と、インバータ113と、を備えている。
【0017】
整流部111は、交流電源300に電気的に接続され、交流電源300からの出力交流電力を整流する。
【0018】
PFC112は、整流部111からの出力波形を整形することで力率を改善するための回路(Power Factor Correction)であり、整流部111とインバータ113との間に接続される。
【0019】
インバータ113は、IGBT等のスイッチング素子を有したPWM制御回路を含む電力変換回路である。インバータ113は、電流センサ(図示せず)の検出電流に基づいて、スイッチング素子のオン及びオフを切り替える。そして、インバータ113は、交流電源300から送電される交流電力を高周波の交流電力に変換し、送電コイル12に供給する。
【0020】
車両200は、受電コイル21と、整流部22と、リレー部23と、バッテリ24と、無線通信部25と、充電制御部26と、通知部27と、インバータ28と、モータ29と、演算処理部32と、ディスプレイ33と、を備える。
【0021】
受電コイル21は、車両200の底面に設けられる車両用コイルである。車両200が、所定の駐車位置に駐車されると、受電コイル21と送電コイル12とが所定距離離れて互いに対向した状態となる。そして、送電コイル12に給電用の電力が供給されると、この電力が受電コイル21に伝送され、バッテリ24を充電することができる。
【0022】
整流部22は、受電コイル21に接続され、受電コイル21で受電された交流電力を直流電力に整流する。
【0023】
リレー部23は、充電制御部26の制御によりオンおよびオフが切り換わるリレースイッチを備える。また、リレー部23は、リレースイッチをオフにすることで、バッテリ24を含む主回路系と、充電の回路部となる受電コイル21および整流部22とを切り離す。
【0024】
バッテリ24は、車両200の電力源であり、複数の二次電池を接続して構成される。
【0025】
無線通信部25は、給電装置100に設けられた無線通信部14と双方向に通信を行う。
【0026】
充電制御部26は、バッテリ24の充電を制御するためのコントローラであり、リレー部23、無線通信部25、通知部27を制御する。詳しくは、充電制御部26は、充電を開始する旨の信号を、無線通信部25,14の通信により制御部15に送信する。また、充電制御部26は、車両200の全体を制御するコントローラ(図示せず)とCAN通信網で接続されている。このコントローラは、インバータ28のスイッチング制御や、バッテリ24の充電状態(SOC)を管理する。そして、充電制御部26は、バッテリ24が満充電に達したという信号をこのコントローラから受け取ると、充電を終了する旨の信号を制御部15に送信する。
【0027】
通知部27は、警告ランプやスピーカ等により構成され、充電制御部26による制御に基づいて、運転者に対して光や音声等を出力する。
【0028】
インバータ28は、IGBT等のスイッチング素子を有したPWM制御回路を含む電力変換回路であって、スイッチング制御信号に基づいて、バッテリ24から出力される直流電力を交流電力にし、モータ29に供給する。
【0029】
モータ29は、車両200を駆動させるための駆動源であり、例えば三相の交流電動機である。
【0030】
演算処理部32(表示制御手段)は、カメラ13が撮影した映像に所定の画像処理を実行したり、ディスプレイ33に表示する情報を切り替える表示制御を行ったりすることができる。
【0031】
ディスプレイ33(表示手段)は、運転者に対して各種情報を表示するものであり、例えばナビゲーションシステムのディスプレイである。ディスプレイ33は、カメラ13が撮影した映像を表示する。
【0032】
なお、制御部15、充電制御部26、及び演算処理部32は、CPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスと入出力インターフェースから構成されるコンピュータであり、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが所定の処理を行う。
【0033】
次に、図2(a),(b)〜図5(a),(b)を参照して、第1実施形態に係る受電コイル21と送電コイル12の位置合わせの方法について説明する。なお、第1実施形態では、図2(a)に示すようにカメラ13と送電コイル12は、駐車前後方向の直線上に配置されるものとする、また、図2(b)に示すようにカメラ13は、画像の横方向の中心線に送電コイル12の中心が重なるように撮影できる位置に配置されるものとする。
【0034】
図2(a)に示すように、車両200が送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを行うために(すなわち、バッテリ24を充電するために)バック駐車しようとするとき、車両200は、起動信号を地上コントローラ10に送信する。この起動信号は、例えば、運転者が車両200内に設置された給電スイッチ(図示せず)をオン操作したときに、地上コントローラ10に送信される。
【0035】
地上コントローラ10は、車両200から起動信号を受信すると、カメラ13を起動させる。そして、地上コントローラ10は、カメラ13が撮影した映像を車両200に送信する。演算処理部32は、カメラ13の映像を受信し、ディスプレイ33に図2(b)に示す映像を表示する。このとき演算処理部32は、映像の横方向の中心線とディスプレイ33の横方向の中心線とを合わせて映像を表示する。そして、運転者は図2(b)に示す映像を見ながら、図3(b),図4(b)、図5(b)に示すように駐車を行う。
【0036】
図2(b)〜図4(b)に示すように、運転者は、ディスプレイ33上で動かない送電コイル12と、この送電コイル12に接近する車両200を見ながら駐車できるため、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを直感的かつ容易に行うことができる。
【0037】
なお、図2(b)〜図5(b)に示す例では、演算処理部32は、映像の横方向の中心線とディスプレイ33の横方向の中心線とを合わせて映像を表示したが、映像を加工して表示してもよい。例えば、図6(a)に示すように、演算処理部32は、送電コイル12の中心を通る車幅方向に対する中心線L1を映像に重畳してもよい。これにより、運転者は、車両200の中心をこの中心線L1に合わせるように駐車することで、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせをより正確に行うことができる。
【0038】
また、図6(b)に示すように、演算処理部32は、駐車枠L2,L3(2本の平行線)を車両進入方向に沿って映像に重畳してもよい。住宅事情によっては駐車場に駐車枠を引けない場合でも、このように駐車枠L2,L3を映像に重畳表示することにより、運転者は、実際の駐車枠がある場合と同じような感覚で駐車を行うことができる。また、このように駐車枠L2,L3を重畳表示することによって映像に遠近感が生じるため、運転者は、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを直感的かつ容易に行うことができる。
【0039】
次に、図7のシーケンス図を参照して、第1実施形態に係る車両200と地上コントローラ10の動作例を説明する。
【0040】
ステップS101において、車両200は、起動信号を地上コントローラ10に送信する。
【0041】
ステップS102において、地上コントローラ10は、車両200から起動信号を受信すると、カメラ13を起動して撮影を開始させる。
【0042】
ステップS103において、地上コントローラ10は、カメラ13によって撮影された映像を車両200に送信する。
【0043】
ステップS104において、車両200は、受信した映像に中心線L1を重畳する。
【0044】
ステップS105において、車両200は、受信した映像に駐車枠L2,L3を重畳する。
【0045】
ステップS106において、車両200は、ステップS104及びステップS105で加工した映像をディスプレイ33に表示する。
【0046】
ステップS107において、車両200は、駐車が完了した場合に、駐車が完了したことを示す終了信号を地上コントローラ10に送信する。駐車が完了したか否かについて、例えば、車両200は、シフトレバーがPであるか否かによって判断することができる。シフトレバーがPである場合、車両200は、駐車が完了したと判断し終了信号を地上コントローラ10に送信する。また、車両200は、イグニッションスイッチがオフになった場合に終了信号を地上コントローラ10に送信するようにしてもよい。
【0047】
ステップS108において、地上コントローラ10は、車両200から終了信号を受信すると、カメラ13を停止させる。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態に係る駐車支援システムによれば、以下の作用効果が得られる。
【0049】
送電コイル12と受電コイル21の位置合わせ(駐車)を行う際に、運転者は、ディスプレイ33を通して地上コントローラ10に設置されたカメラ13の映像を見ながら位置合わせを行う。送電コイル12はディスプレイ33上で動かないため、運転者は動かない送電コイル12に接近する車両200を見ながら位置合わせを行うことができる。これにより、運転者は、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを直感的かつ容易に行うことができる。
【0050】
また、運転者は、駐車の初期段階から送電コイル12が映った映像を見ることができる。これにより、運転者は、送電コイル12上に異物があるか否かなどの送電コイル12の様子を駐車の初期段階から把握できる。
【0051】
また、図1に示す演算処理部32は、カメラ13の映像に中心線L1を重畳する。運転者は、車両200の中心をこの中心線L1に合わせるように駐車することにより、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを正確に行うことができる。
【0052】
また、演算処理部32は、カメラ13の映像に駐車枠L2,L3を重畳する。住宅事情によっては駐車場に駐車枠を引けない場合でも、このように駐車枠L2,L3を映像に重畳表示することにより、運転者は実際の駐車枠がある場合と同じよう感覚で駐車を行うことができる。また、このように駐車枠L2,L3を重畳表示することによって映像に遠近感が生じるため、運転者は、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを直感的かつ容易に行うことができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、図8図11を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、演算処理部32がカメラ13の映像から俯瞰画像Pを作成し、作成した俯瞰画像Pをディスプレイ33に表示する点である。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態において、地上コントローラ10と送電コイル12の位置情報は、予め演算処理部32に登録されているものとする。
【0054】
図8(a)に示すように、演算処理部32は、カメラ13の映像と、この映像を用いて作成した俯瞰画像Pの2つをディスプレイ33に表示する。俯瞰画像Pの作成方法について説明すると、演算処理部32は、予め登録された地上コントローラ10と送電コイル12の位置情報を用いて地上コントローラ10と送電コイル12を描画する。次に、演算処理部32は、描画した地上コントローラ10と送電コイル12を結ぶ前後ガイド線L4と、この前後ガイド線L4と送電コイル12の中心で直交する左右ガイド線L5を描画する。また、演算処理部32は、前後ガイド線L4から左右に所定距離(例えば1m)離れた場所に駐車枠L2,L3を描画する。
【0055】
地上コントローラ10には、カメラ13の映像に係る単位当たりの長さを実世界の長さに換算したデータが登録されている。このデータは、予め実験やシミュレーションを通じて求めることができる。地上コントローラ10は、カメラ13の映像と合わせてこのデータを演算処理部32に送信する。
【0056】
演算処理部32は、受信したデータを用いて地上コントローラ10から車両200までの距離を演算することで、俯瞰画像Pに車両200を描画することができる。また、演算処理部32は、予め登録されている車両200の寸法や受電コイル21の設置場所を示す位置情報を用いて、図8(b)に示すように車両200及び受電コイル21を俯瞰画像Pに描画することができる。
【0057】
運転者は、図8(a)及び(b)に示すカメラ13の映像や俯瞰画像Pを見ながら送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを行う。
【0058】
また、演算処理部32は、バック駐車だけでなく、前進駐車の場合にも俯瞰画像Pを作成することができる。バック駐車か前進駐車については、例えば、図9(a)に示すように、演算処理部32は、車両200に設置されるエンブレム40の位置やヘッドライト50の有無により判断することができる。そして、演算処理部32は、前進駐車と判断した場合には、図9(b)に示す俯瞰画像Pを作成することができる。
【0059】
また、演算処理部32は、駐車スペースに対して角度をつけて進入する場合にも俯瞰画像Pを作成することができる。車両200の進入角度については、例えば、図10(a)に示すように、演算処理部32は、エンブレム40やナンバープレート60を正面から見た場合と比較した変形率から演算することができる。そして、演算処理部32は、演算した進入角度を用いて図10(b)に示す俯瞰画像Pを作成することができる。
【0060】
次に、図11を参照して、第2実施形態に係る車両200と地上コントローラ10の動作例を説明する。
【0061】
ステップS201〜S203に係る動作例は、図7に示すステップS101〜S103の動作例と同じため、説明を省略する。
【0062】
ステップS204において、車両200は、受信した映像を用いて俯瞰画像Pを作成する。
【0063】
ステップS205において、車両200は、受信した映像に中心線L1を重畳する。
【0064】
ステップS206において、車両200は、受信した映像に駐車枠L2,L3を重畳する。
【0065】
ステップS207において、車両200は、ステップS204で作成した俯瞰画像Pと、ステップS205及びステップS206で加工した映像をディスプレイ33に表示する。
【0066】
ステップS208において、車両200は、車両200と受電コイル21を俯瞰画像Pに重畳する。
【0067】
ステップS209〜S210に係る動作例は、図7に示すステップS107〜S108の動作例と同じため、説明を省略する。
【0068】
以上説明したように、第2実施形態に係る駐車支援システムによれば、以下の作用効果が得られる。
【0069】
送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを行う際に、運転者は、ディスプレイ33を通してカメラ13の映像とこの映像を用いて作成した俯瞰画像Pを見ながら位置合わせを行う。送電コイル12はディスプレイ33上で動かないため、運転者は動かない送電コイル12に接近する車両200を見ながら位置合わせを行うことができる。また、俯瞰画像Pには送電コイル12と受電コイル21が同時に表示される。これにより、運転者は、送電コイル12と受電コイル21の位置合わせを直感的かつ容易に行うことができる。
【0070】
また、駐車支援システムは、車両200に設置されるエンブレム40の位置やヘッドライト50の有無によりバック駐車か前進駐車かを判断することができる。これにより、駐車支援システムは、バック駐車及び前進駐車のどちらの場合でも俯瞰画像Pを作成することができる。
【0071】
また、駐車支援システムは、車両200の駐車スペースへの進入角度を求めることができる。これにより、駐車支援システムは、進入角度に合わせた俯瞰画像Pを作成することができる。
【0072】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、図12に示すように、地上コントローラ10が設置される場所が変わっても同様の駐車支援を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
10 地上コントローラ
12 送電コイル
13 カメラ
15 制御部
21 受電コイル
25 無線通信部
32 演算処理部
33 ディスプレイ
100 給電装置
200 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12