(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両の周囲の画像を取得するカメラと、前記車両の周囲の赤外線情報を取得する赤外線センサの少なくとも一方が、前記照明装置に組み込まれている、請求項1に記載の車両用部品。
前記照明装置は、180度から340度の領域に水平線より下方に所定の照度以上の光を照射する第一モードと、180度から340度の領域に水平線より下方と上方に所定の照度以上の光を照射する第二モードと、を切り替え可能とされている、請求項11に記載の車両用部品。
前記照明装置は、少なくとも自動運転モード時に、少なくとも20度から135度の領域に水平線より下方に所定の照度以上の光を照射する、請求項11に記載の車両用部品。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0032】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、
図1に示す車両1について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
【0033】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る車両用部品を搭載した車両1を示す。
図1Aは、車両1の上面図を示し、
図1Bは車両1の側面図を示す。車両1は、自動運転モードで走行可能な自動車であって、照明装置4を含む車両用部品を備えている。
【0034】
次に、
図2を参照して車両1の車両システム2について説明する。
図2は、車両システム2のブロック図を示している。
図2に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、照明装置4と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備えている。
【0035】
車両制御部3は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。電子制御ユニットは、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、各種車両制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)とにより構成されている。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。
【0036】
センサ5は、加速度センサ、速度センサ及びジャイロセンサ等を備えている。センサ5は、車両1の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。さらに、センサ5は、車両1の周辺環境の照度を検出する照度センサを備えていてもよい。
【0037】
カメラ6は、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラ6は、可視光を検出するカメラや、赤外線を検出する赤外線カメラである。レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。カメラ6とレーダ7は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0038】
HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
【0039】
GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車の走行情報を他車から受信すると共に、車両1の走行情報を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0040】
車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
【0041】
一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
【0042】
次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
【0043】
また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
【0044】
本発明に係る車両用部品は、車両に搭載される部品であり、照明装置4を備えている。車両用部品は、照明装置を車両に支持する支持構造、ステーなどの支持部品、照明装置と車両との連結構造や、ボルト・ナットやリベットなどの照明装置と車両との連結部品を含んでもよい。あるいは、必要に応じて、車両用部品はカメラなどの部品を含むこともある。
次に、照明装置4の詳細を説明する。
図3は、照明装置4を示す上面図である。
図3に示すように、照明装置4は、ライトエンジン100(光源部の一例)と、ライトガイド200と、ライトエミッタ300(発光部の一例)とを備えている。ライトエンジン100は、光を発生させる。ライトガイド200は、ライトエンジン100で生じた光をライトエミッタ300へ伝達する。ライトエミッタ300は、ライトエンジン100で生じた光を車両1の外部へ出射させる。
【0045】
ライトガイド200は、例えば光ファイバ201で構成することができる。本実施形態において、ライトガイド200は複数本の光ファイバ201を備えている。ライトガイド200は、ライトエンジン100で生じた光が入射する入射端面202と、ライトエミッタ300に設けられた出射端面203と、を有している。
【0046】
<ライトエンジン100>
図4は、ライトエンジン100の断面図である。
図4に示すように、ライトエンジン100は、ケース111と、支持プレート112と、光源ユニット120と、反射部150と、ライトエンジン制御部190とを有している。支持プレート112は、エイミングスクリュー114によってケース111に支持されている。
【0047】
反射部150は、支持プレート112を介してケース111に支持されている。反射部150は、反射鏡151(
図5参照)を有する。反射部150は、光源ユニット120から出射された光を反射して、ライトガイド200の入射端面202へ入射させる。反射部150は、支持プレート112から突出する一対の突出部113の先端に固定されている。
【0048】
(光源ユニット120)
図5は、
図4の要部拡大図である。
図5に示すように、光源ユニット120は、複数の光源121,122,123,124と、複数のレンズ131,132,133,134と、集光部140と、ヒートシンク115とを有する。
図4に示すように、光源ユニット120は、ヒートシンク115が支持プレート112に接するように、支持プレート112に支持されている。
【0049】
図5に示したように、光源ユニット120は、4つのレーザ光源を有している。光源ユニット120は、赤色光Rを出射する第一レーザ光源121と、緑色光Gを出射する第二レーザ光源122と、青色光Bを出射する第三レーザ光源123と、赤外光IRを出射する第四レーザ光源124と、を有する。なお、光源ユニット120は、これら以外の波長の光を出射する光源を有してもよい。あるいは、光源ユニット120は、レーザ光源の以外の、例えば、フィラメント光源、ハロゲン光源、有機EL、などの光源を有してもよい。
【0050】
第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124は、共通の光源基板116に設けられている。光源基板116の表面に第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124が設けられ、光源基板116の裏面にヒートシンク115が設けられている。第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124から生じた熱は、光源基板116、ヒートシンク115、ケース111を介して放熱される(
図4参照)。
【0051】
図示した光源ユニット120は、第一レンズ131、第二レンズ132、第三レンズ133、第四レンズ134、第五レンズ135を有している。これら第一レンズ131〜第五レンズ135はいずれもコリメートレンズである。
【0052】
第一レンズ131は、第一レーザ光源121と対向するように設けられている。第一レンズ131は、第一レーザ光源121の光路上に設けられている。第一レンズ131は、第一レーザ光源121から集光部140に向かう赤色光Rを平行光に変換する。
【0053】
第二レンズ132は、第二レーザ光源122と対向するように設けられている。第二レンズ132は、第二レーザ光源122の光路上に設けられている。第二レンズ132は、第二レーザ光源122から集光部140に向かう緑色光Gを平行光に変換する。
【0054】
第三レンズ133は、第三レーザ光源123と対向するように設けられている。第三レンズ133は、第三レーザ光源123の光路上に設けられている。第三レンズ133は、第三レーザ光源123から集光部140に向かう青色光Bを平行光に変換する。
【0055】
第四レンズ134は、第四レーザ光源124と対向するように設けられている。第四レンズ134は、第四レーザ光源124の光路上に設けられている。第四レンズ134は、第四レーザ光源124から集光部140に向かう赤外光IRを平行光に変換する。
【0056】
第五レンズ135は、
図4に示したように、集光部140と反射部150との間に設けられている。第五レンズ135は、集光部140から出射される光の光路上に設けられている。第五レンズ135は、集光部140から出射される光を平行光に変換する。
【0057】
集光部140は、第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124から出射される光を集光して、反射部150に出射する。集光部140は、第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124から出射される光を混色して所望の色の光を反射部150に出射する。例えば、第一レーザ光源121〜第三レーザ光源123から出射される光を混色して白色光を反射部150に出射する。あるいは、第一レーザ光源121と第三レーザ光源123の光を混色して紫色の光を反射部150に出射する。
【0058】
集光部140は、第一ダイクロイックミラー141と、第二ダイクロイックミラー142と、第三ダイクロイックミラー143と、第四ダイクロイックミラー144と、を有する。
【0059】
第一ダイクロイックミラー141は、第一レーザ光源121の光路上に設けられている。第一ダイクロイックミラー141は、少なくとも赤色光を反射し、青色光、緑色光、赤外光を透過させる。第一ダイクロイックミラー141は、第一レーザ光源121から出射され第一レンズ131を通過した赤色光Rを第五レンズ135に向けて反射させる。
【0060】
第二ダイクロイックミラー142は、第二レーザ光源122の光路上に設けられている。第二ダイクロイックミラー142は、少なくとも緑色光を反射し、青色光、赤色光を透過させる。第二ダイクロイックミラー142は、第二レーザ光源122から出射され第二レンズ132を通過した緑色光Gを第五レンズ135に向けて反射させる。
【0061】
第三ダイクロイックミラー143は、第三レーザ光源123の光路上に設けられている。第三ダイクロイックミラー143は、少なくとも青色光を反射し、赤外光を透過させる。第三ダイクロイックミラー143は、第三レーザ光源123から出射され第三レンズ133を通過した青色光Bを第五レンズ135に向けて反射させる。
【0062】
第四ダイクロイックミラー144は、第四レーザ光源124の光路上に設けられている。第四ダイクロイックミラー144は、少なくとも赤外光を反射する。第四ダイクロイックミラー144は、第四レーザ光源124から出射され第四レンズ134を通過した赤外光IRを第五レンズ135に向けて反射させる。
【0063】
これら第一ダイクロイックミラー141〜第四ダイクロイックミラー144は、それぞれが反射した光の光路が平行で、かつ、それぞれが反射した光が第五レンズ135に入射するように、互いの位置関係が定められている。本実施形態においては、第一ダイクロイックミラー141〜第四ダイクロイックミラー144における光が入射する領域が一直線上に並ぶように配置されている。
【0064】
(反射部150)
図6は、反射部150の概略斜視図である。
図6は、反射部150の斜視図である。
図6に示すように、反射部150は、いわゆるガルバノミラーで構成されている。反射部150は、ベース152と、第一回動体153と、第二回動体154と、第一トーションバー155と、第二トーションバー156と、第一永久磁石157と、第二永久磁石158と、端子部159と、反射鏡151と、を有する。
【0065】
ベース152は、中央に開口部152aを有する枠体である。ベース152は、
図4に示したように、支持プレート112に対して傾斜した状態で、突出部113に固定されている。ベース152は、第一方向に延びる2つの辺152bと、第一方向に直交する第二方向に延びる2つの辺152cを有する、矩形状の部材である。ベース152に端子部159が設けられている。
【0066】
第一回動体153は、ベース152の開口部152aに設けられている。第一回動体153は、中央に開口部153aを有する枠体である。第一回動体153は、第一方向に延びる2つの辺153bと、第二方向に延びる2つの辺153cを有する、矩形状の部材である。第一回動体153は、第一方向に延びる第一トーションバー155を介して、ベース152に支持されている。第一回動体153は、第一方向に延びる軸線回りに、ベース152に対して回動可能である。
【0067】
第二回動体154は、第一回動体153の開口部153aに設けられている。第二回動体154は、第一方向に延びる2つの辺と、第二方向に延びる2つの辺を有する、矩形状の平板である。第二回動体154の表面には、メッキまたは蒸着等により、反射鏡151が形成されている。
【0068】
第二回動体154は、第二方向に延びる第二トーションバー156を介して、第一回動体153に支持されている。第二回動体154は、第二方向に延びる軸線回りに、第一回動体153に対して回動可能である。第二回動体154は、第一回動体153が第一方向に延びる軸線回りにベース152に対して回動すると、第一回動体153とともに第一方向に延びる軸線回りにベース152に対して回動する。
【0069】
一対の第一永久磁石157はそれぞれ、ベース152の第一方向に延びる2つの辺152bに設けられている。第一永久磁石157は、第一トーションバー155と直交する磁界を形成する。第一回動体153には、図示しない第一コイルが設けられている。第一コイルは、端子部159を介してライトエンジン制御部190(
図4参照)に電気的に接続されている。
【0070】
一対の第二永久磁石158はそれぞれ、ベース152の第二方向に延びる2つの辺152cに設けられている。第二永久磁石158は、第二トーションバー156と直交する磁界を形成する。第二回動体154には、図示しない第二コイルが設けられている。第二コイルは、端子部159を介してライトエンジン制御部190に電気的に接続されている。
【0071】
第一コイルおよび第二コイルは、ライトエンジン制御部190により制御される。ライトエンジン制御部190は、第一コイルおよび第二コイルに流れる駆動電流の大きさと向きを制御する。これにより、第一回動体153および第二回動体154がそれぞれの軸線回りに回動する。このようにして、反射部150は、第五レンズ135から出射されて反射鏡151に入射した光を、ライトガイド200の入射端面202の所望の場所へ向けて反射させることができる。
【0072】
以上のように構成されるライトエンジン100において、第一レーザ光源121〜第四レーザ光源124、第一コイル、第二コイルがライトエンジン制御部190に制御される。これにより、ライトエンジン100は、ライトガイド200の入射端面202の所望の領域に、所望の色の光を入射させる。
【0073】
<ライトエミッタ300>
図7は、ライトエミッタ300を示す図である。
図7Aはライトエミッタ300の側面図、
図7Bはライトエミッタ300の正面図を示している。
図7Aに示すように、ライトエミッタ300は、開口を有するハウジング301と、開口を閉塞するアウタカバー302とを備えている。アウタカバー302は、透光性を有する樹脂やガラスで構成される。ハウジング301とアウタカバー302とにより、灯室303が形成されている。
【0074】
灯室303の内部に、ライトガイド200の出射端面203が設けられている。ライトガイド200の出射端面203から出射される光の光路上に、投影レンズ304が設けられている。投影レンズ304は、ライトガイド200の出射端面203から出射される光を、所望の領域に投影する。本実施形態においては、投影レンズ304は、ライトガイド200から出射される光を、水平方向よりも下向きに出射させる。
【0075】
図7Bに示すように、ライトエミッタ300は、水平方向に延びる帯状の部材である。車両1の側面視において、ライトエミッタ300の鉛直方向の寸法は、ライトエミッタ300の水平方向の寸法よりも短い。ライトガイド200の出射端面203が水平方向に延びる帯状となるように、複数の光ファイバ201が束ねられている。また、この出射端面203の形状に合わせて、投影レンズ304も、正面視で、水平方向に延びる帯状である。さらに、アウタカバー302も、水平方向に延びる帯状である。
【0076】
図1Bおよび
図3に示したように、本実施形態のライトエミッタ300は、車両1の屋根部30の外周縁31に沿って延びている。ライトエミッタ300は、屋根部30の上面に設けられている。車両1の屋根部30とは、車室内空間を上方から覆う部位である。照明装置4のうち、ライトエンジン100(光源の一例)から出射された光を照明装置4の外部に出射させるライトエミッタ300(発光部の一例)が、車両1の上面視で屋根部30の外周縁31に沿って設けられている。
図示の例では、4つのライトエミッタ300が、略矩形状の屋根部30の4つの角部に設けられている。ライトエミッタ300は、車両1の上面視において、屋根部30の角部の形状に合わせて屈曲した形状を有している。
【0077】
本実施形態において、屋根部30の右前部に設けられた右前ライトエミッタ300aは、車両1の右前の領域を照明する。屋根部30の左前部に設けられた左前ライトエミッタ300bは、車両1の左前の領域を照明する。屋根部30の右後部に設けられた右後ライトエミッタ300cは、車両1の右後の領域を照明する。屋根部30の左後部に設けられた左後ライトエミッタ300dは、車両1の左後の領域を照明する。
【0078】
(配光パターン)
上述のように構成された照明装置4を用いて、例えば、次に説明する第一配光パターンPや第二配光パターンQを形成することができる。
図8は、車両1および第一配光パターンPを上方から見た図である。
図8は、4車線ある車線のうち、自車両1が左端から2つ目の車線を走行する様子を描いている。
図8は、運転席が車両1の右部に設けられる地域において、車両1が走行する様子を描いている。
図8において、ハッチングされた領域は、所定の照度以上の光で照明されている領域を示している。
【0079】
図8に示すように、第一配光パターンPは、自車両が走行する車線の左右方向の少なくとも一方について、自車両1が走行する車線から2車線以上側方の路面に、所定の照度以上の光を照射する。これにより、車線変更の際に、2車線以上側方の車線を走行する他車両を確認しやすくされている。
【0080】
図9は、第一配光パターンPが形成された仮想円筒スクリーンScrを展開して示した図である。仮想円筒スクリーンScrとは、
図8に示したように、車両1の中心から20m離間した位置に鉛直に設けられた円筒状の仮想的なスクリーンである。
図9においては、車両1の前方中心を0度、車両1の後方中心を180度とし、車両1の前方中心から運転席側に角度が大きくなるように角度が定義されている。
図9Aは0度から180度を示し、
図9Bは180度から360度を示している。
図9において、直線HRは水平線を示している。また、
図9において、所定の照度以上の光で照明される領域をハッチングで示している。
【0081】
図9Aに示したように、第一配光パターンPは、仮想円筒スクリーンScrにおいて、少なくとも20度から135度の領域に、水平線HRより下方に、所定の照度以上の光を照射する。
【0082】
このような第一配光パターンPによれば、少なくとも追い越し車線に車線変更する際に、追い越し車線およびその先の追い越し車線(自車両1から2車線離れた車線)に他車両が存在する否かを確認することができる。また、水平線HRより下方に光を照射するので、追い越し車線に他車両が存在する場合に他車両へグレアを与えることが抑制されている。
【0083】
0度以上20度未満、340度より大きく360度未満の領域は、車両1の前方の領域である。車両1の前方にはヘッドランプ21から光が照射されているため、第一配光パターンPは、この車両1の前方には光を照射しない。また、第一配光パターンPが車両1の前方に光を照射しないため、対向車両にグレアが生じない。
【0084】
20度以上から90度にかけての領域Pa1は、運転者側のフロントピラーが運転者の視線を遮ることがある領域である。しかし、第一配光パターンPは、この領域へも光を照射するため、フロントピラーの裏に存在する物体からの反射光により、運転者は該物体の存在を把握することもできる。図示したように、この領域Pa1へは水平線HRより上方へ光を照射すると、より該物体を把握しやすい。
【0085】
270度から340度以下にかけては、助手席側のフロントピラーが運転者の視線を遮ることがある領域Pa2である。しかし、第一配光パターンPは、この領域へも光を照射するため、フロントピラーの裏に存在する物体からの反射光により、運転者は該物体の存在を把握することもできる。図示したように、この領域Pa2へは水平線HRより上方へ光を照射すると、より該物体を把握しやすい。
【0086】
図9Bに示したように、照明装置4は、第一配光パターンPにおいて、第一モードP1と第二モードP2とを切り替え可能である。
第一モードP1は、仮想円筒スクリーンScrにおいて、180度から340度の領域に水平線HRより下方に所定の照度以上の光を照射する。第一モードP1は、助手席側に他車両や歩行者が存在する場合に、他車両にグレアを与えることなく、助手席側の情報を取得しやすい。
第二モードP2は、仮想円筒スクリーンScrにおいて、180度から340度の領域に水平線HRより下方と上方に所定の照度以上の光を照射する。第二モードP2は、第一モードP1よりも広範囲が照明されるため、助手席側に他車両が存在するか否かを確認しやすい。
【0087】
例えば、自車両1が追い越し車線を走行する場合には、運転者は、助手席側の走行車線に他車両が存在するか否かを知りたい。そこで、第一配光パターンPが第一モードP1と第二モードP2とを切り替え可能に構成されているため、自車両1が追い越し車線を走行する場合には、第一モードP1で車両1の側方へ光を照射して他車両へのグレアを抑制できる。あるいは、自車両1が単一の車線を有する道路を走行する場合には、第二モードP2で車両1の側方へ光を照射して歩行者を発見しやすくすることができる。
【0088】
本実施形態において、照明装置4は、少なくとも車両1が自動運転モード時に、少なくとも20度から135度の領域に水平線HRより下方に所定の照度以上の光を照射するように構成されていてもよい。自動運転モード時に、車両1の側方の他車両や歩行者の存在を確認しやすく、車両制御部3は精度の高い側方の情報を得ることができる。
【0089】
照明装置4は、上述した第一配光パターンPの代わりに、次に説明する第二配光パターンQを形成してもよい。
図10は、車両1および第二配光パターンQを上方から見た図である。
図10に示すように、第二配光パターンQによれば、車両1の上面視で、車両1の周囲の路面に対して、所定の照度以上の光が、車両1を囲む連続的な環状の領域が照射される。
第二配光パターンQによれば、車両1の周囲に環状に光が照射されるため、歩行者や障害物などが見落とされにくい。なお、環状とは、円環状、楕円状の環状、矩形状の環状などを含む。
【0090】
第二配光パターンQは、車両1の上面視で、少なくとも車両1の外縁から50cm離間した位置に光を照射する。これにより、車両1から降りるユーザの足元を照らしたり、車両1の近傍の障害物を確認できる。
【0091】
第二配光パターンQは、少なくとも自動運転モード時に、車両1の周囲の路面に対して、所定の照度以上の光を車両1を囲む連続的な環状に照射する。これにより、自動運転モード時に、側方の周囲の歩行者や障害物の有無を確認しやすく、車両制御部3は精度の高い車両1の周囲の情報を取得できる。
【0092】
本実施形態に係る車両用部品は、車室内空間を上方から覆う屋根部30を備えた車両1の屋根部30に設けられた照明装置4を備えた車両用部品である。照明装置4は、光源部(ライトエンジン100)と、発光部(ライトエミッタ300)と、を有する。
図1Aや
図3で示したように、光源部(ライトエンジン100)から出射された光により発光する発光部(300)が、車両1の上面視で屋根部30の外周縁31に沿って設けられている。このため、ライトエミッタ300は、車両1のドアや車体フレーム、車体ボディなどの車両部品に遮られることなく、車両1の周囲に光を照射しやすい。これにより、本実施形態に係る車両用部品は、自車両1の周囲を好適に照射できる。
【0093】
本実施形態に係る車両用部品において、複数(図示の例では4つ)のライトエミッタ300が屋根部30の外周縁31に沿って設けられている。
このため、車両1の全周囲について、複数のライトエミッタ300から出射された光により効率的に照明することができる。
本実施形態に係る車両用部品とは異なり、単一のライトエミッタで車両1の全周囲を照明しようとすると、ライトエミッタの投影レンズの形状などを工夫する構造があり、そのような構造を実現することが難しい。
しかし、本実施形態の車両用部品によれば、車両1の周囲を右前、左前、右後、左後の4つの領域に分割し、それぞれの領域はそれぞれ右前ライトエミッタ300a、左前ライトエミッタ300b、右後ライトエミッタ300c、左後ライトエミッタ300dで照明される。このため、それぞれのライトエミッタ300をシンプルな構造で構成することができ、効率よく車両1の全周囲を照明することができる。
【0094】
本実施形態に係る車両用部品において、
図1Bおよび
図7Bに示したように、帯状のライトエミッタ300が屋根部30の外周縁31に沿って延びている。
帯状のライトエミッタ300により、車両1の周囲の比較的大きな領域にまとめて光を照射することができる。本実施形態の車両用部品とは異なり、車両の周囲の領域を周方向に複数に分割しそれぞれの領域をライトエミッタで照明する場合と比べて、少ない個数のライトエミッタ300で広範囲を照明することができる。
【0095】
本実施形態に係る車両用部品において、
図1Bに示したように、車両1の上縁33の少なくとも一部がライトエミッタ300により形成されている。
本実施形態に係る車両用部品によれば、車両1の側面視で、車両1の上縁33の少なくとも一部がライトエミッタ300で構成されているため、ライトエミッタ300から出射される光が車両部品により遮られにくい。
【0096】
本実施形態に係る車両用部品において、
図1Aに示したように、車両1の上面視で、ライトエンジン100はライトエミッタ300よりも屋根部30の中央部32側に設けられている。ライトガイド200がライトエンジン100とライトエミッタ300との間に設けられている。ライトガイド200はライトエンジン100から出射された光をライトエミッタ300に導いている。
本実施形態に係る車両用部品において、ライトエミッタ300のみが屋根部30の外周縁31に設けられ、ライトエンジン100が屋根部30の中央部32側に設けられている。このため、車両1の上面視において、屋根部30の領域を効率的に使うことができる。例えば、本実施形態とは異なり、ライトエンジンを屋根部30の外周縁31に設ける場合には、外周縁31の領域にライトエミッタを搭載する領域に加えてライトエンジンを搭載する領域を確保する必要がある。しかし、本実施形態によれば、ライトエンジン100を搭載する領域を外周縁31に確保する必要がないので、該領域を使ってライトエミッタ300を大きく構成して側方を明るく照明することにより側方を視認しやすくしたり、ライトエミッタ300の形状を工夫して車両1の意匠性を高めることができる。
【0097】
本実施形態に係る車両用部品において、ライトエミッタ300は、下方に向けて光を出射させる。
本実施形態に係る車両用部品によれば、ライトエミッタ300から出射される光を他車両の運転者の目に入射しないように構成しやすく、他車両へのグレアを抑制できる。
【0098】
本実施形態に係る車両用部品において、ライトエミッタ300は、ヘッドランプ21、ブレーキランプ22、ターンシグナルランプ23のいずれの発光部よりも上方に設けられている。発光部とは、光源から出射された光を外部に出射させる部位である。発光部は、例えば各灯具のインナレンズやアウタカバーあるいはアウタレンズが該当する。
車両1のうち、比較的高い位置に照明装置4が設けられているため、他車両から照明装置4を視認しやすい。また、車両1の周囲の路面を照明するように照明装置4を構成した場合に、ライトエミッタ300から出射される光を他車両の運転者の目に入射しないように構成しやすく、他車両へのグレアを抑制できる。
【0099】
本実施形態に係る車両用部品が搭載される車両1は、自動運転モードで走行可能な車両1であり、ライトエミッタ300は自動運転モード時に光を出射する。
本実施形態に係る車両1は、自動運転モード時に、車両1の周囲に光を照射するので、自動運転モード時に自車両1の周囲の他車両、歩行者や障害物の存在を確認しやすく、車両制御部3は精度の高い自車両1の周囲の情報を得ることができる。
【0100】
なお、
図1Bに示したように、照明装置4のライトエミッタ300は、ウィンドシールド24の上縁よりも上方に設けられ、ライトエミッタ300は下方に向かって光を照射することが好ましい。ライトエミッタ300が他車両の運転者の目の高さよりも上方に位置していても、ライトエミッタ300は下方に光を出射しているため、ライトエミッタ300から出射された光が他車両の運転者の目に入射しにくく、他車両へのグレアが抑制されている。
なお、上述した例とは異なり
図1Aおよび
図1Bに破線で示したように、照明装置4のライトエミッタ500は、ウィンドシールド24の下縁よりも下方に設けられていてもよい。より確実に、他車両へのグレアを抑制できる。
【0101】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る車両用部品が搭載された車両1Aを
図11および
図12を用いて説明する。第二実施形態の車両1Aは、上述した第一実施形態の車両1と照明装置のみが異なる。このため、照明装置のみを説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係る車両1Aの斜視図である。
図12は、本発明の第二実施形態に係る車両1Aに搭載される照明装置4Aの上面図である。
図11に示すように、ライトエミッタ300Aは、車両1Aの屋根部30Aの外周縁31Aを縁取る環形状であってもよい。
【0102】
図11に示すように、照明装置4Aは、ライトエンジン100と、ライトガイド200と、ライトエミッタ300Aと、を有する。ライトエンジン100、ライトガイド200の構成は、上述した第一実施形態と同様なため、その説明は省略する。
【0103】
ライトエミッタ300Aは、車両1Aの屋根部30Aの外周縁31Aを縁取る環形状に構成されている。車両1Aの上面視で、車両1Aの屋根部30Aの外周縁31Aがライトエミッタ300Aの外縁で構成されている。ライトガイド200を構成する複数本の光ファイバ201は、一本ずつ、周方向に間隔をあけて環状のライトエミッタ300Aに接続されている。これにより、屋根部30Aの外周縁31Aに沿って延びるライトエミッタ300Aの全体を光らせることができる。
例えば、ライトエミッタ300Aの単一のハウジングと単一のアウタカバーで形成される単一の灯室内に、複数のライトガイド200の出射端面と、複数の投影レンズとが設けられる構成をとることができる。
【0104】
本実施形態に係る照明装置4Aにおいて、車両1Aの上面視で、照明装置4Aは屋根部30Aの外周縁31Aを縁取る環形状である。
本実施形態に係る照明装置4Aによれば、車両1Aの周囲を連続的に囲む環状の領域を照明しやすい。これにより、自車両1Aのユーザや自車両1Aに搭載されたカメラが、車両1Aの周囲の情報をより取得しやすい。
【0105】
本実施形態に係る照明装置4Aにおいて、車両1Aの上面視で、ライトエミッタ300Aは屋根部30Aの外周を縁取る環形状である。
本実施形態に係る照明装置4Aによれば、車両1Aの周囲を連続的に囲む環状の領域を照明しやすい。これにより、自車両1Aのユーザや自車両1Aに搭載されたカメラが、車両1Aの周囲の情報をより取得しやすい。
【0106】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係る車両用部品の照明装置4Bを、
図13を用いて説明する。
図13は、本発明の第三実施形態に係る照明装置4Bを示す図である。
図13Aは第三実施形態に係る照明装置4Bの上面図である。
図13Bは第三実施形態に係る照明装置4Bの鉛直方向に水平な断面における断面図である。
【0107】
図13Aに示すように、照明装置4Bは、車両1Bの屋根部30Bの外周縁31Bに沿って延びる複数のライトエミッタ400と、カメラ401と、赤外線カメラ402と、を有する。カメラ401および赤外線カメラ402は、屋根部30Bの外周縁31Bに沿って、ライトエミッタ400と交互に配置されている。本実施形態においては、上述した第一実施形態および第二実施形態とは異なり、屋根部30Bの中央部33Bにはライトエンジンは搭載されていない。
【0108】
図13Bに示すように、本発明の第三実施形態に係る照明装置4Bは、ハウジング411と、ハウジング411とともに灯室413を形成するアウタカバー412(発光部の一例)とを備えている。灯室413内には、光源ユニット414(光源部の一例)と、複数のリフレクタ417と、複数のレンズ432とが設けられている。アウタカバー412は、光源ユニット414から出射した光により発光する。
【0109】
ハウジング411は、開口部を有する。ハウジング411の開口部はアウタカバー412により閉塞されている。アウタカバー412は、透光性を有する樹脂またはガラスで構成できる。
光源ユニット414は、複数のLEDチップ415と、光源基板416と、複数のリフレクタ417とを有する。LEDチップ415は、赤色LED光源421と、緑色LED光源422と、青色LED光源423とを含んでいる。複数のLEDチップ415は光源基板416に搭載されている。
複数のリフレクタ417は、それぞれのLEDチップ415から出射される光の光路上に設けられている。リフレクタ417は、LEDチップ415から出射された光を、ハウジング411の開口部に向かって反射させる。
【0110】
照明装置4Bは、赤色LED光源421、緑色LED光源422、青色LED光源423に供給する電流を調整することにより、所望の色の光を出射することができる。照明装置4Bは、屋根部30Bの外周縁31Bに沿った特定の領域に属するLEDチップ415を点灯または消灯させることにより、照明装置4Bの特定の部位のみを点灯または消灯させることができる。
【0111】
本実施形態に係る車両1Bにおいて、車両1Bの周囲の画像を取得するカメラ401と、車両1Bの周囲の赤外線情報を取得する赤外線カメラ402の少なくとも一方が、照明装置4Bに組み込まれている。
カメラ401、赤外線カメラ402、照明装置4Bをそれぞれ車両1Bに搭載する場合に比べて、部品点数を低減でき、カメラ401、赤外線カメラ402、照明装置4Bを搭載しつつ統一感のあるデザインの車両1Bを提供できる。
【0112】
本実施形態に係る車両1Bにおいて、カメラ401または赤外線カメラ402が、屋根部30Bの外周縁31Bに沿ってライトエミッタ400と交互に配置されている。
カメラ401または赤外線カメラ402が車両1Bの屋根部30Bの外周縁31Bに沿ってライトエミッタ400と交互に配置されているため、カメラ401や赤外線カメラ402で車両1Bの周囲の広範囲の情報を取得することができる。
【0113】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0114】
本実施形態では、車両の運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードと、手動運転モードとを含むものとして説明したが、車両の運転モードは、これら4つのモードに限定されるべきではない。車両の運転モードは、これら4つのモードの少なくとも1つを含んでいてもよい。例えば、車両の運転モードは、完全自動運転モードのみを含んでいてもよい。この場合、車両用照明装置は、車両の外部に向けて完全自動運転モードを示す情報を常に表示するように構成される。一方、車両の運転モードは、手動運転モードのみを含んでいてもよい。この場合、車両用照明装置は、車両の外部に向けて手動運転モードを示す情報を常に表示するように構成される。
【0115】
さらに、車両の運転モードの区分や表示形態は、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って適宜変更されてもよい。同様に、本実施形態の説明で記載された「完全自動運転モード」、「高度運転支援モード」、「運転支援モード」のそれぞれの定義はあくまでも一例であって、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って、これらの定義は適宜変更されてもよい。
【0116】
なお、上述した照明装置は、車両の乗員の視界を確保するために光を照射する機能の他に、他車両や歩行者などへ自車両の状態を伝える以下のような機能を備えていてもよい。
・ブレーキ装置に異常が生じた場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・自車両が他車両あるいは周囲のインフラと通信できない状態になった場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・カメラやレーダーなどの自動運転を支援するセンサ類に異常が生じた場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・乗員が昏睡状態に陥ったりしているなど、乗員のバイタル状態に異常が生じている場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・バッテリの容量が所定の下限値を下回るなど、バッテリの容量が低下している場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・タイヤがパンクした場合に、照明装置が特定の発光状態となり、他車両や歩行者へ注意を促す。
・晴天時に適した自動運転モード/雨天時に適した自動運転モード、あるいは、比較的高速走行する自動運転モード/それよりも低速で走行する自動運転モード、あるは運転者の意図に応じて機敏に反応する自動運転モード/それよりも低燃費を狙った自動運転モード、などの各種の自動運転モードが切り替え可能な車両であって、選択された自動運転モードに応じて照明装置が特定の発光状態となる。
なお、特定の発光状態とは、照明装置が発する光の色が特定の色である場合、照明装置が発する光の強さが特定の強さである場合、照明装置が発する光の周期が特定の周期である場合、照明装置の発光面積が特定の面積である場合、などを含む。
なお、照明装置は緑色の光を照射することが好ましい。
【0117】
また、照明装置4は、点灯制御回路の電流値と電圧値と、照明装置4内部の温度と湿度に基づいて、レーザ光源などの発光素子の寿命を予測して、その予測寿命に基づいて照明装置4の照明状態(点消灯・発光領域・照明色・点滅周期・発光強度)を変化させてもよい。例えば、発光素子の寿命が所定時間より短いと予測された場合(例えば、予測寿命が100時間以下の場合)、照明装置4は、照明色を第1照明色(例えば、赤色)に設定してもよい。また、発光素子の予測寿命が所定時間の範囲内の場合(例えば、予測寿命が100時間から500時間の範囲内の場合)、照明装置4は、照明色を第2照明色(例えば、黄色)に設定してもよい。さらに、発光素子の予測寿命が所定時間より長いと予測された場合(例えば、予測寿命が500時間以上の場合)、照明装置4は、照明色を第3照明色(例えば、緑色)に設定してもよい。尚、照明装置4の代わりに、車両制御部3が発光素子の寿命を予測してもよい。この場合、照明装置4は、予測寿命を示すデータを車両制御部3から受信した上で、当該受信したデータに基づいて、照明装置4の照明状態を変化させてもよい。
【0118】
ここで、照明装置4の内部温度を測定するように構成された温度センサと、照明装置4の内部湿度を測定するように構成された湿度センサが照明装置4の内部に設けられてもよい。
【0119】
次に、照明装置4の内部温度に基づいて発光素子の寿命を予測する一例について以下に説明する。この場合、発光素子の使用時間tと、発光素子の輝度Lとの間の関係を示す寿命予測式が照明装置4のメモリに記憶されてもよい。照明装置4に搭載された処理装置は、当該寿命予測式と現在の発光素子の輝度Lとに基づいて、予測寿命を決定してもよい。また、メモリに記憶された当該寿命予測式は通信ネットワーク上に配置されたサーバから無線通信部10を介して取得されてもよい。この場合、照明装置4は、通信ネットワーク上に配置されたサーバから更新された寿命予測式を定期的に取得してもよい。例えば、メモリに記憶された寿命予測式が室内温度30度に基づく寿命予測式である一方、温度センサから取得された照明ユニット42の内部温度が50度である場合、照明装置4は、サーバから室内温度50度に基づく寿命予測式を取得した上で、当該取得された室内温度50度に基づく寿命予測式と現在の発光素子の輝度Lに基づいて、予測寿命を決定してもよい。このように、通信ネットワークを介して適切な寿命予測式を取得することができるので、より正確な寿命を予測することができる。さらに、照明装置4が予測寿命に応じてその照明状態を変化させるので、車両の外部に向けて発光素子の寿命に関する情報を提示することができる。このように、車両の外部に存在する歩行者等は、照明装置4の照明状態を視認することで、照明装置4の寿命を把握することができる。
【0120】
また、照明装置4は、運転者の現在の状況に基づいて、その照明状態(点消灯・発光領域・照明色・点滅周期・発光強度)を変化させてもよい。例えば、複数のカメラ6の一つが運転者を撮像するように構成されている場合、車両制御部3は、運転者が撮像された撮像画像を当該カメラ6から取得した上で、当該取得された撮像画像と顔認識アルゴリズムに基づいて、運転者の現在の状況を判断してもよい。ここで、車両制御部3は、運転者が運転できない状況であると判断した場合(例えば、運転者が居眠りをしていると判断した場合)、所定の照明制御信号を生成した上で、当該所定の照明制御信号を照明装置4に送信する。照明装置4は、当該所定の照明制御信号に基づいて、照明装置4の照明色を所定の照明色(例えば、赤色)に設定してもよい。このように、車両の外部に向けて運転者の現在の状況に関する情報を提示することができる。
【0121】
また、本実施形態では、車両1の運転モードに応じて照明装置4の照明状態が変化する例を説明したが、照明装置4の代わりに又は照明装置4に加えて、車両1の運転モードに応じて図示しないスピーカから出力される音を変化させてもよい。例えば、スピーカは、車両1の運動モードを示す音を車両の外部に向けて出力するように車両の所定箇所に設置されてもよい。この場合、スピーカを制御するように構成されたスピーカ制御部(図示せず)が車両1の運動モードを示す音の音程や大きさ、リズム、声、メロディー、音声により案内する場合はその内容などに関するデータを記憶してもよい。例えば、車両1の運転モードに応じてスピーカから出力される音の音程や大きさ、リズム、声、メロディー、音声により案内する場合はその内容などを変化させてもよい。スピーカ制御部は、車両制御部3から車両1の運転モードを示すモード信号を受信した上で、当該受信したモード信号に応じて、スピーカに出力すべき音を決定する。その後、スピーカ制御部は、当該決定された音をスピーカに出力させる。このように、スピーカを用いることで車両1の運転モードを示す情報を車両の外部に存在する歩行者や他車両等に提示することができる。
【0122】
本出願は、2015年10月27日出願の日本特許出願(特願2015-211223)、2015年10月27日出願の日本特許出願(特願2015-211224)、および、2015年10月27日出願の日本特許出願(特願2015-211225)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。