(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  溝領域の互いに反対側にある2つの端領域を定める前記溝領域を有する強磁性体構造であって、各端領域は、それぞれのインタフェース面を含み、前記溝領域は、前記2つの端領域よりも短い長さを有する、強磁性体構造と、
  前記強磁性体構造の前記溝領域の周りに、前記2つの端領域の間で巻回されたインダクタコイルであって、前記溝領域の前記長さは、前記インダクタコイルの軸に対して垂直方向に沿って延在する寸法である、前記インダクタコイルと、
  前記強磁性体構造及びインダクタコイルが配置された凹部を形成する複数の側壁及び後壁を含むシールドと、
  前記強磁性体構造を前記シールドに取り付けるために前記強磁性体構造と前記シールドとの間に配置されたスペーサであって、前記スペーサは、前記強磁性体構造の少なくとも2つの異なる面に重なり、前記インダクタコイルから間隔があいている、スペーサと、
  を含む、受信素子。
  前記シールドは、前記凹部を定める五面のボックスを形成するように前記後壁に結合された4つの側壁を含み、前記インタフェース面は、前記凹部の外側に面する、請求項1に記載の受信素子。
  前記シールドは、前記後壁が配向された面に対して平行な方向に、前記シールドの1つ以上の側壁から延在する1つ以上の拡張部を含む、請求項1又は2に記載の受信素子。
  前記スペーサは、2つの部分を含み、各部分は、前記強磁性体構造の前記インタフェース面のうちの1つの背後に配置されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信素子。
  前記送信端領域は各々、前記受信素子に面したそれぞれの送信インタフェース面を含み、前記受信端領域は各々、前記送信素子に面したそれぞれの受信インタフェース面を含む、請求項7に記載の誘導相互接続システム。
  前記シールドは、前記凹部を定める五面のボックスを形成するように前記後壁に結合された4つの側壁を含む、請求項7乃至10の何れか1項に記載の誘導相互接続システム。
  前記スペーサは、2つの部分を含み、各部分は、前記強磁性体構造の前記2つのインタフェース面のそれぞれのインタフェース面の背後に配置されている、請求項7乃至11の何れか1項に記載の誘導相互接続システム。
  前記スペーサは、2つの部分を含み、各部分は、前記強磁性体構造の前記2つのインタフェース面のそれぞれのインタフェース面の背後に配置されている、請求項13に記載のスタイラス。
  前記ホストデバイスにデータを入力するために前記ホストデバイスと接触するように構成されたインタフェース端を更に含む、請求項13乃至18の何れか1項に記載のスタイラス。
【発明を実施するための形態】
【0043】
  本開示の実施形態は、ホストデバイスとアクセサリデバイスとの間の無線電力伝送を可能にする無線充電システムのための誘導相互接続システムを説明する。誘導相互接続システムは、送信素子、及び送信素子から無線電力を受信するように構成された受信素子を含むことができる。送信素子は、ホストデバイス内に収容してもよく、受信素子は、アクセサリデバイス内に収容してもよく、その結果、アクセサリデバイスは、ホストデバイスから電力を受信することができる。いくつかの実施形態では、送信及び受信素子の各々は、強磁性体構造及び強磁性体構造の少なくとも一部の周りに巻回された
インダクタコイルを含む。無線電力伝送中、送信素子は、時間的に変化する磁束を生成することができ、この磁束は、アクセサリデバイスを充電するための受信素子において対応する電流を誘導することができる。送信及び受信素子の構成は、本明細書で更に詳細に議論されるように、アクセサリデバイスが様々な回転方向においてホストデバイスから電力を受信することを可能にすることができる。したがって、誘導相互接続システムは、アクセサリデバイスがホストデバイスから電力を受信することができる容易さを著しく改善する。
  I.無線充電システム
 
【0044】
  無線充電システムは、電力を送信する電子送信デバイス及び電子送信デバイスから電力を受信する電子受信デバイスを含む。本明細書におけるいくつかの開示に従って、電子送信デバイスは、ホストデバイス、例えば、タブレット、スマートフォン、及びユーザのための様々な機能を実行する能力を有する任意の他のポータブル消費者電子デバイスであってもよく、電子受信デバイスは、アクセサリデバイス、例えば、ポータブルキーボード、スタイラス、スマート鉛筆、無線イヤホン、及びホストデバイスの機能を強化することができる任意の他の適切な電子デバイスであってもよい。
 
【0045】
  図1は、本開示のいくつかの実施形態に従った、誘導相互接続システム105を有する例示的な無線充電システム100を示すブロック図である。無線充電システム100は、ホストデバイス101、及びホストデバイス101から送信された電力を受信するように構成されたアクセサリデバイス103を含む。いくつかの実施形態では、ホストデバイス101は、メモリバンク104に接続されたコンピューティングシステム102を含む。コンピューティングシステム102は、デバイス101を動作させる複数の機能を実行するためのメモリバンク104に記憶された命令を実行することができる。コンピューティングシステム102は、マイクロプロセッサ、コンピュータプロセシングユニット(CPU)、グラフィックプロセシングユニット(GPU)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上の適切なコンピューティングデバイスであってもよい。
 
【0046】
  コンピューティングシステム102はまた、ホストデバイス101が1つ以上の機能を実行すること可能にするためのユーザインタフェースシステム106、通信システム108、及びセンサシステム110に接続されてもよい。例えば、ユーザインタフェースシステム106は、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、触覚フィードバックを可能にするためのアクチュエータ、並びにボタン、スイッチ、及びディスプレイをタッチ感知式にすることを可能にするための容量性スクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを含むことができる。通信システム108は、デバイス101が電話をかけ、無線アクセサリと対話し、インターネットにアクセスすることを可能にするための無線電気通信構成要素、Bluetooth構成要素、及び/又はWireless  fidelity(WiFi)構成要素を含むことができる。センサシステム110は、光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、並びに外部エンティティ及び/又は環境のパラメータを測定することができる任意の他のタイプのセンサを含むことができる。
 
【0047】
  ホストデバイス101はまた、バッテリ112を含むことができる。バッテリ112は、エネルギーを貯蔵する能力を有し、貯蔵されたエネルギーを放出する能力を有するリチウムイオンバッテリなどの任意の適切なエネルギー貯蔵デバイスであってもよい。放出されたエネルギーは、デバイス101の電気構成要素に電力を供給するために使用してもよい。
 
【0048】
  いくつかの実施形態では、バッテリ112はまた、アクセサリデバイス103に電力を送信するために放電してもよい。例えば、バッテリ112は、電力送信回路114にエネルギーを放出することができ、電力送信回路114は次いで、送信素子116を通じて電流を駆動することができる。送信素子116を通じて電流を駆動することによって、ホストデバイス101から伝播することができる時間的に変化する磁束128を生成することができる。磁束128は、受信素子118と相互作用することができ、磁束128によって、対応する電流を受信素子118において生成することができる。この誘導された電流は次いで、電力受信回路120によって受信することができ、電力受信回路120は、受信された電力(例えば、交流電流(AC)電力)を使用可能な電力(例えば、直流(DC)電力)に変換することができる。使用可能な電力は次いで、貯蔵のためにバッテリ122に提供することができ、又はアクセサリデバイス103を動作させるためにオペレーティングシステム119に提供してもよい。
 
【0049】
  本開示のいくつかの実施形態に従って、送信素子116及び受信素子118は共に、誘導相互接続システム105の一部であってもよい。本明細書で更に議論されるように、誘導相互接続システム105は、アクセサリデバイス103が様々な回転方向に配置されるときに、それがホストデバイス101から電力を受信することができるように構成することができる。いくつかの実施形態では、誘導相互接続システム105はまた、位置合わせデバイスの対、すなわちホスト位置合わせデバイス124とアクセサリ位置合わせデバイス126を含むことができる。ホスト位置合わせデバイス124は、それらが完全に相互に引き付けられるとき、2つの素子の間で効率的な電力伝達を保証するために送信素子116が受信素子118と位置合わせされるようにアクセサリ位置合わせデバイス126を引き付けることができる。誘導相互接続システム105の詳細は、本明細書で更に議論される。
  II.誘導相互接続システム
 
【0050】
  上述したように、無線充電システムのための相互接続システムは、ホストデバイスにおける送信素子及びアクセサリデバイスにおける受信素子を含むことができる。送信素子は、受信素子において対応する電流を誘導することができる、時間的に変化する磁束を生成するように構成することができる。電流は、使用可能な電力に変換してもよく、アクセサリデバイスにエネルギーとして貯蔵されるか、又はアクセサリデバイスを動作させるために即時に使用されるかのいずれかであってもよい。本開示のいくつかの実施形態に従って、送信及び受信素子の各々は、本明細書で更に議論されるように、強磁性体構造及びインダクタコイルを含む。
  A.送信素子
 
【0051】
  図2A〜2Cは、本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的な送信素子200の種々異なる斜視図を示す。特に、本開示のいくつかの実施形態に従って、
図2Aは、送信素子200の斜視図を示し、
図2Bは、送信素子200の上面図を示し、
図2Cは、送信素子200の側面図を示す。
 
【0052】
  図2Aを参照すると、送信素子200は、コイル202及び強磁性体構造204を含むことができる。コイル202は、強磁性体構造204の一部の周りに巻回された導電性撚りワイヤであってもよい。巻回されるとコイル202はインダクタコイルを形成し、インダクタコイルは、電流がコイル202を通じて駆動されるときに時間的に変化する磁束を生成することができる。強磁性体構造204は、磁束の伝播方向を変更することができる構造であってもよい。例えば、強磁性体構造204は、MnZnなどのフェライトを含む磁性材料から形成してもよい。強磁性体構造204の磁気特性は、その本体を通じてコイル202によって生成される磁束の方向を変更することができるので、強磁性体構造204は、その構造的設計に基づいて所定の方向に向かって磁束を案内するように構成することができる。例えば、強磁性体構造204は、或る方向に向かって磁束を案内するために強磁性体構造204の溝領域212の側面を越えて配置されたインタフェース面206及び208を含むことができる。送信素子200の構造的構成のより良好な例示は、
図2Bに示される上面図である。
 
【0053】
  図2Bに示されるように、送信素子200は溝領域212を含むことができ、この溝領域は、溝領域212の互いに反対側に配置された2つの端領域214及び216を定める。コイル202は、溝領域212の周りに、端領域214及び216の間(周りではない)で巻回することができる。本明細書で言及されるように、送信素子200は、2つのインタフェース面206及び208を含むことができる。インタフェース面206及び208は、同一の平面に配置された端領域214及び216のそれぞれの面であってもよい。端領域214及216は、方向Dに向かって溝領域212の面210を越えて突出することができ、その結果、端領域214及び216が配置された平面は、面210が存在する平面から距離Y
1,TXだけ離れて配置される。
図2Bにおいて把握することができるように、面210は、コイル202の背後に隠れているが、明確にするために点線によって表されている。いくつかの実施形態では、面210は、側壁218a及び218bによってインタフェース面206及び208に接続されてもよい。よって、側壁218a及び218bは、溝領域212と端領域214及び216との間に配置することができる。側壁218a及び218bは、コイル202の厚さ以上の任意の適切な距離になるように選択することができる距離Y
1,TXだけ延在してもよい。例えば、Y
1,TXは、特定の実施形態では、1ミリメートルなど、0.5〜1.5ミリメートルであってもよい。
図2Bにおいて理解することができるように、送信素子200の全体的な構造は、英語のアルファベットの文字「U」に非常に類似してもよい。
 
【0054】
  いくつかの実施形態では、送信素子200は、全体的な幅X
TX及び全体的な長さY
TXを有することができる。
図2Bに示されるように、幅X
TX及び長さY
TXは、コイル202の軸に対して垂直方向に延在する送信素子200の寸法であってもよい。加えて、端領域214及び216は、幅X
1,TXを有することができる。寸法X
TX、Y
TX、及びX
1,TXは、送信素子200と受信素子との間に所定の程度の誘導結合を達成するように選択することができ、ホストデバイス用の筐体の空間制約内で適合することができる全体的なサイズをもたらす。いくつかの例では、幅X
TX及びX
1,TXは、効率的な電力伝送のために受信素子の対応する幅に等しくなるように選択される。幅X
TXは、10ミリメートル〜20ミリメートルに及んでもよく、幅X
1,TXは、3ミリメートル〜4ミリメートルに及んでもよく、長さY
TXは、3ミリメートル〜4ミリメートルに及んでもよい。いくつかの実施形態では、溝領域212は、長さY
1、TXとY
TXとの間の差によって定められる長さ220を有することができる。よって、溝領域212の長さ220は、特定の実施形態では、長さY
TXよりも短くてもよい。したがって、溝領域212は、端領域214及び216よりも短い長さを有することができる。
 
【0055】
  更に、
図2Cにおける送信素子200の側面斜視図に示されるように、送信素子200は、高さZ
TXを有することもできる。いくつかの実施形態では、高さZ
TXはまた、送信素子200と受信素子との間に所定の程度の誘導結合を達成するように選択され、ホストデバイス用の筐体の空間制約内で適合することができる全体的なサイズをもたらす。Z
TXは、3〜4ミリメートルに及んでもよい。
図2Cにおいて更に理解することができるように、送信素子200は、長方形の形状にある断面の輪郭を有することができる。しかしながら、
図2Cにおける送信素子200の長方形の断面の輪郭は例示的なものにすぎず、他の実施形態は異なる輪郭の形状を有することができることが認識されよう。例えば、いくつかの実施形態は、実質的に正方形、円形、卵形、三角形、及び台形などである輪郭を有することができる。
 
【0056】
  端領域214及び216は、任意の所望の方向に突出することができることが認識されよう。
図2Bに示される実施形態は、端領域214及び216が方向Dに向かって突出することができることを示す。いくつかの実施形態では、方向Dは、受信素子に向かう方向であり、その結果、
図5に関して本明細書で更に議論されるように、コイル202によって生成される磁場は、強磁性体構造204によって受信素子に向かって再方向付けられる。
 
【0057】
  図3A〜3Cは、本開示のいくつかの実施形態に従った、ホストデバイスに組み込まれた送信素子を示す。特に、
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、2つの送信素子を有する例示的なホストデバイス300の上面図を示す。ホストデバイス300は、例えば、とりわけ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ラップトップコンピュータを含む、様々な異なる電子デバイスであってもよい。
 
【0058】
  図3Aを参照すると、ホストデバイス300は、筐体302、及び筐体302内に配置された1つ以上の送信素子を含むことができる。例えば、ホストデバイス300は、2つの送信素子、第1の送信素子304及び第2の送信素子306を含むことができる。第1及び第2の送信素子304及び306は、筐体の302の外面に近接して配置することができ、その結果、ホストデバイス300から電力を無線で受信するように、筐体302の外面に接触するアクセサリデバイスなどの外部デバイスに可及的に近接してそれらを配置することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の送信素子304及び306は、筐体302の互いに反対側に配置してもよい。例えば、第1の送信素子304は、筐体302の左側308に配置してもよく、第2の送信素子306は、筐体302の右側310に配置してもよい。筐体302の左側及び右側308及び310に配置することは、ホストデバイス300が筐体302の左側及び右側でアクセサリデバイスに電力を送信することを可能にする。
 
【0059】
  図3Aは、2つの送信素子304及び306を有するホストデバイス300を示すが、実施形態は、そのような構成に限定されない。追加の又は代替的な実施形態は、2つの送信素子よりも多くの又は少ない送信素子を有することができる。例えば、いくつかの実施形態は、4つの送信素子を有することができ、1つは、ホストデバイス300の4つの側面の各々に位置し、又は3つの送信素子は、ホストデバイス300の左、右、及び上面に位置する。更に、
図3Aは、筐体の302の側面のみに位置する2つの送信素子を示す。しかしながら、実施形態はそれに限定されない。いくつかの実施形態は、ホストデバイス300の表面に近接して配置された送信素子を有することができ、その結果、アクセサリデバイスは、ホストデバイス300の表面上に置くことによって、ホストデバイス300から電力を受信することができる。
 
【0060】
  図3Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、送信素子304が筐体302に組み込まれ、送信素子304のいくつかの面が露出した、
図3Aに示されるホストデバイス300の一部312の斜視図を示す。図示されるように、送信素子304は、筐体302内に配置されるが、筐体302の外面314に近接している。本開示のいくつかの実施形態に従って、送信素子304のインタフェース面316及び318は、外面314から離れて外側に面することができ、その結果、本明細書で更に議論されるように、送信素子304の送信機コイル320によって生成される磁束は、受信素子に向かって外側に方向付けることができる。
 
【0061】
  送信素子304が筐体302にどのように組み込まれるかをより良好に理解するために、
図3Cは、
図3Bに図示される切れ目に沿った例示の断面の斜視図を示す。送信素子304は、筐体302に締め付けられたブラケット322によって筐体302に固定することができる。ブラケット322は、ステンレス鋼などの剛性材料から形成された任意の適切な構造であってもよく、接着剤324又は機械的締め具(図示せず)などの任意の適切なやり方で筐体302に締め付けてもよい。締め付ける場合、ブラケット322は、筐体302に対して送信素子304を押し付けて、接着材料324の支援でそれを適切な位置に固定することができる。ブラケット322は、開口323を含むことができ、送信機コイル320は、モジュール全体によって占有される空間の量を最小化するために開口323内に延在することができる。強磁性体構造326のインタフェース面316及び318は、外側に面してもよく、無線周波数(RF)ウインドウ328によって覆われてもよい。RFウインドウ328は、磁束に対して透磁性の材料から形成することができ、また、物理的損傷からの或る程度の保護を提供するセラミック及びサファイヤなどの材料である。
  A.受信素子
 
【0062】
  本明細書で議論されるように、送信素子の強磁性体構造の構造的設計は、その突出したインタフェース面によって、それが受信素子に電力を指向的に送信することを可能にする。同様に、受信素子は、受信素子が送信素子に対向して配置される場合、送信素子のインタフェース面から伝播する時間的に変化する磁束を受信するように特に設計された強磁性体構造を含むことができる。
 
【0063】
  いくつかの実施形態では、受信素子の構造物は、それから無線電力を受信する送信素子の構造物と実質的に同様であってもよい。例えば、
図4は、本開示のいくつかの実施形態に従った、送信素子に対向して直接的に配置される場合に、送信素子から電力を受信するように構成された例示的な受信素子400を示す。或る実施形態では、受信素子400は、
図2Aにおける送信素子200のように、送信素子と実質的に同様であってもよい。よって、受信素子400は、強磁性体構造404の溝領域410の周りに巻回されたコイル402を含むことができる。端領域414及び416は、溝領域410の互いに反対側に配置することができ、強磁性体構造404の側面を越えて突出することができる。端領域414及び416はまた、インタフェース面406及び408を含むことができ、磁束は、無線電力伝送中にコイル402において対応する電流を誘導するために、インタフェース面406及び408を通って強磁性体構造404に入り、強磁性体構造404を通して方向変更することができる。いくつかの実施形態では、コイル402は、二重層構成において約85の巻きターンから形成され、それは、2つの巻きターン層を意味する。すなわち、インタフェース面406と408との間で巻回する第1の巻きターン層、並びに第1の層の上面とインタフェース面406及び408との間で巻回する第2の巻きターン層である。
 
【0064】
  図5は、本開示のいくつかの実施形態に従った、無線電力伝送中の誘導相互接続システム500における送信素子200と受信素子400との間の例示的な磁気相互作用を示す。この実施形態では、送信素子200及び受信素子400は、
図4に関して本明細書で議論されるように、構造物において実質的に同様である。更に、送信素子200は、筐体302内に収容されるとして図示される。
 
【0065】
  無線電力伝送中に、コイル202は、多くの異なる方向に伝播することができる多量の時間的に変化する磁束502を生成することができる。本開示のいくつかの実施形態に従って、実質的に大量の磁束が、強磁性体構造204によって再方向付けされ、その結果、磁束はインタフェース面208及び206を抜け出すか、又はインタフェース面208及び206に入る。本明細書で言及されるように、強磁性体構造204の形状は、突出部分によって所定の方向に向かって磁束を方向付けることができ、磁束は、この場合では、受信素子400に向かう。したがって、磁束502は、強磁性体構造204及び404の対応するインタフェース面の間の領域504に集中して存在することができる。
 
【0066】
  コイル202を通って流れる電流の方向に応じて、コイル202によって生成される実質的に大量の磁束502は、最初にインタフェース面208から強磁性体構造404のインタフェース面408に流れることができ、それは次いで、強磁性体構造404を通って伝播し、インタフェース面406から抜け出ることができ、その結果、磁束502は、インタフェース面206を通って強磁性体構造204に再度入ることができる。結果として生じる磁束の流れは、コイル402において電流を誘導する磁気ループ506を形成し、電流は、受信素子400が配置されたアクセサリデバイスに電力を提供するために使用することができる。磁気ループ506が時計回りの方向で図示されているが、磁気ループ506はまた、電流がコイル202を通じて反対方向に流れるときに反時計回りの方向に伝播することがあることが認識されよう。
 
【0067】
  図5は、受信素子400に電力を送信する送信素子200を示すが、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態は、電力の伝送を逆方向にすることができ、その結果、送信素子200は、受信素子400から電力を受信する。例として、電流は、受信素子400のコイル402に駆動してもよく、その結果、コイル402は、時間的に変化する磁束を生成する。生成された時間的に変化する磁束は、強磁性体構造404によって再方向付けしてもよく、その磁束は、強磁性体構造204によって受信することができる。強磁性体構造204において受信された磁束は、コイル202において対応する電流を誘導することができ、その電流は、送信素子200が配置されたホストデバイスに電力を提供するために使用することができる。
 
【0068】
  図5において理解することができるように、送信素子200に対する受信素子400の向きは、電力が誘導相互接続システム500において伝送される効率に実質的に影響を与えることがある。いくつかの実施形態では、最適な電力伝送は、送信素子200が受信素子400と整列される場合、並びに強磁性体構造404のインタフェース面406及び408が強磁性体構造204の対応するインタフェース面206及び208に面するように2つの素子が配向される場合に達成される。更に、送信及び受信素子200及び400の間の分離距離426が最小化されるときに最適な電力伝送を達成することができる。
 
【0069】
  本開示のいくつかの実施形態に従って、受信素子400は、ホストデバイス、例えば、
図3におけるホストデバイス300とアクセサリデバイスとの間で無線電力伝送を可能にするためにアクセサリデバイス内に組み込まれてもよい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的なアクセサリデバイス600の簡略斜視図である。
図6に示されるように、アクセサリデバイス600は、
図1におけるアクセサリデバイス103など、オペレーティングシステム、電力受信回路、及びバッテリを有する任意の適切な電子デバイスであってもよい。アクセサリデバイス600は、ホストデバイスにデータを入力するように動作してもよい。例として、アクセサリデバイス600は、ユーザがホストデバイスと接触して、ホストデバイスにデータを入力するために使用することができるスタイラス又はスマート鉛筆であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス600は、後端606、及びホストデバイスと接触するように構成された後端606とは反対側のインタフェース端604を有する筐体602を含むことができる。例えば、インタフェース端604は、鉛筆又はペンなどの従来の筆記用具の先端を真似るように先端に向かって先細る構造を有することができる。
 
【0070】
  いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス600の筐体602は、両方が筐体602のインタフェース端604の少なくとも一部と後端606との間に延在する曲面部608及び平面部610を含むことができる。平面部610は、受信面611を含むことができ、受信面611に対し、ホストデバイスについての筐体は、
図7A〜7B及び8Aに関して本明細書で議論されるように、無線電力伝達を遂行するように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態に従って、アクセサリデバイス600は、筐体602の平面部610内に配置され、平面部610に隣接する受信素子612を含むことができる。受信素子612は、
図4及び5に関して本明細書で議論される受信素子400と同一の形状及び機能を有することができる。よって、受信素子612は、インタフェース面614及び616、並びに強磁性体構造605の溝領域(図示しないが、
図4における受信素子400の溝領域410と同様の)の周りに巻回された受信機コイル618を有する強磁性体構造605を含むことができる。いくつかの実施形態では、連絡面614及び616は、筐体602の平面部610に面することができ、その結果、アクセサリデバイス600は、平面部610を通じて送信素子から伝播する磁束と相互作用することによって、電力を無線で受信することができる。筐体602の断面の輪郭は、
図7A及び7Bにより良好に示されるように、大文字「D」に類似することができる。
 
【0071】
  図7A及び7Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、異なる位置におけるアクセサリデバイス600の断面図を示す。特に、本開示のいくつかの実施形態に従って、
図7Aは、受信機素子612の受信機コイル618にわたるポイントにおけるアクセサリデバイス600の簡易断面
図700であり、
図7Bは、受信機素子612のインタフェース面616にわたるポイントにおけるアクセサリデバイス600の簡易断面
図700である。
 
【0072】
  図7Aに示されるように、筐体602は、筐体602の長さに沿って(すなわち、中心軸に対して平行に)延在する曲面部608及び平面部610を含む。曲面部608及び平面部610は、
図6に関して本明細書で議論されるように、受信機素子612など、それの中で1つ以上の電気構成要素を取り囲むことができるモノシリック構造を形成することができる。受信機素子612に加えて、筐体602はまた、それらに限定されないが、シールド702、支持フレーム704、1つ以上の電気構成要素715、及び構成要素715が搭載されるドライバボード717などの様々な他の構成要素を取り囲むことができる。シールド702は、受信素子612の周りで伝播する磁束が筐体602の筐体開口710内で電気構成要素(複数可)上に露出されることを阻止するための適切な任意の材料から形成することができる。例えば、シールド702は、銅から形成することができる。電気構成要素(複数可)715は、アクセサリデバイス600及び/又は受信機コイル618を動作させるための任意の適切な電子デバイスであってもよい。例えば、電気構成要素(複数可)715は、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブル
ゲートアレイ(FPGA)、及び特定用途向け集積回路(ASIC)などであってもよい。電気構成要素(複数可)715は、送
信素子によって生成される磁束によって誘導される電流を受信機コイル618から受信すること等によって、無線電力を受信するために受信素子612の受信機コイル618に電気的に接続してもよい。
 
【0073】
  いくつかの実施形態では、シールド702は、磁束の遮蔽を強化するやり方で構成及び配置される。例えば、シールド702は、凹部を形成する内部底面714並びに内部側面716及び718を含むことができ、凹部内に受信素子612が配置され、その結果、シールド702は、受信素子612の5つの側の周りに配置される。シールド702の斜視図が
図9に示されており、本明細書で更に議論される。受信素子612の5つの側面の周りに配置することによって、シールド702は、磁束が開口710及び/又はアクセサリデバイス600の外側に伝播することを阻止するその能力を強化することができる。いくつかの実施形態では、シールド702は、外側側面720及び722、並びに外側背面724を含むことができる。外側側面720及び722は、支持フレーム704の輪郭に従うことができ、よって、湾曲の輪郭を有することができ、外側背面724は、空間、例えば、筐体開口710を設けるために略平面であってもよく、筐体開口710の中にアクセサリデバイス600の構成要素、例えば、電気構成要素(複数可)715を配置することができる。いくつかの実施形態では、シールド702の厚さは、
図7Aに示されるように、内側側面716及び718とそれぞれの外側側面720及び722との間の領域に対する厚さより大きい。シールド702のより厚さがある部分には、更なる構造的にロバストな遮蔽構成要素を設けることができると共に、受信素子612に対する追加の構造的な保護を提供することができる。特定の実施形態では、外側背面724は、アクセサリデバイスを二等分に分ける中心の垂直線712に沿って配置される。そのような実施形態では、シールド702は、アクセサリデバイスの1つの半部の領域内に配置される。
 
【0074】
  支持フレーム704は、筐体602に対する構造的支持、及び機械的応力からの、アクセサリデバイス600の内部構成要素に対する保護をもたらす能力を有する任意の適切な構造であってもよい。或る実施形態では、支持フレーム704は、
図7Aに示されるように、筐体602の内面に接して配置され、受信素子612と筐体602の平面部610との間の領域を除き内面の領域に沿って延在する。支持フレーム704は、アルミニウム及び鋼などの任意の適切な剛性材料から形成してもよい。
 
【0075】
  いくつかの実施形態では、受信素子612とシールド702の内側側面716及び718、並びに底面との間でギャップ706が存在することがある。ギャップ706は、受信機コイル618の最適な動作効率を保証するために、受信機コイル618をシールド702から電気的に分離することを支援する空き間隔とすることができる。ギャップ706が小さすぎる場合、受信機コイル618は、シールド702に近すぎることがあり、それによって、受信コイル618が動作することができる効率性を低下させる。いくつかの実施形態では、ギャップ706は、0.2〜0.4ミリメートルであり、特に、或る実施形態では、0.3ミリメートルである。受信素子612は、機械的応力への影響を最小化するためにシールド702に物理的に結合してもよい。例えば、受信素子612は、
図7Bに示されるように、1つ以上のスペーサ726によってシールド702に結合してもよい。スペーサ726は、受信素子612の強磁性体構造605、シールド702の内側底面714、並びに内側側面716及び718の両方の少なくとも一部に直接付着してもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ726は、インタフェース面614及び616とは反対側の強磁性体構造605の面に接して配置されている。よって、スペーサ726は、受信機コイル618の反対側に配置することができる。感圧接着剤(PSA)などの任意の適切な接着剤を、強磁性体構造605とシールド702との間にスペーサ726を付着するために使用することができる。スペーサ726を利用することにより、間隔を空けて受信素子612を固定することができ、使用中にそれが周りでずれることを防止することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ726は、受信機コイル618及びシールド702の電気的な分離を保証するために、シールド702から所定の距離だけ離れて受信素子612を配置するのに適切な厚さを有するように設計される。例えば、スペーサ726は、0.5〜0.7ミリメートル、特に、いくつかの例では、約0.6ミリメートルの厚みを有することができる。
 
【0076】
  図6及び7A〜7Bは、1つの平面領域のみを含む筐体を有するアクセサリデバイスを示すが、実施形態はそのように限定されないことが認識されよう。他の実施形態は、2つ、3つ、更には6つなど、筐体の周りで更なる平面領域を有することができる。更に、アクセサリデバイスは、その筐体においていずれの湾曲領域を有さなくてもよい。代わりに、筐体は、複数の平面領域から形成してもよく、その結果、断面の輪郭は、三角形、正方形、長方形、五角形、及び六角形などの幾何学的形状である。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、任意の適切な断面の輪郭が使用されてもよいことが認識されよう。
 
【0077】
  図5に関して本明細書で議論されるように、無線充電システムの動作の間、送信素子は、磁束を生成することによって無線電力伝達を遂行するために受信素子の近くに位置付けられてもよく、磁束は、受信素子において電流を誘導してアクセサリデバイスのバッテリを充電するために、受信素子と相互作用することができる。アクセサリデバイス600を含む無線充電システムの例は、
図8A〜8Bに示されている。
 
【0078】
  図8Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的な無線充電システム800の簡略上面図であり、
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的な無線充電システム800の簡略断面図である。システム800は、
図6及び7A〜7Bに関して本明細書で議論されるように、アクセサリデバイス、例えば、アクセサリデバイス600、並びに
図3A〜3Cに関して本明細書で議論される、ホストデバイス、例えば、ホストデバイス300を含み、アクセサリデバイス600は、電力を無線で受信するためにホストデバイスに連結される。簡潔にするために、
図3A〜3C、6、及び7A〜7Bで使用される参照符号は、それらの相互関係を示すために
図8で使用される。よって、そのような構成要素の詳細は、それぞれの図において参照されてもよい。更に、理解を明確及び容易にするために、アクセサリデバイス600の筐体602及びシールド702は、点線で描かれ、ホストデバイス300の筐体302は、実線で描かれ、それぞれの筐体の部分は透明であり、よって、デバイスの内部構成要素を見ることができる。
 
【0079】
  図示されるように、アクセサリデバイス600は、無線電力伝送を可能にするためにホストデバイス300に接して配置される。配置されると、アクセサリデバイス600の受信面611は、ホストデバイス300の外面314と接触することができ、又は外面314と近接することができる。そして、受信素子612及び送信素子304の両方は、
図5における無線充電システム500に関して本明細書で議論されるように、受信素子612のインタフェース面614及び616が、送信素子304のインタフェース面316及び318に面するように配置することができ、それらの間で磁束の伝播を集中させる。そのようにして、送信機コイル320によって生成される磁束は、強磁性体構造326によって強磁性体構造605に向けて再方向付けすることができ、次いで、強磁性体構造605を通じて伝播することによって受信機コイル618において対応する電流を誘導することができる。
 
【0080】
  無線電力伝送中、シールド702は、漂遊磁束がアクセサリデバイス600内で他の内部構成要素上に露出すること、又は筐体602から抜け出ることを防止することができる。同様に、ホストデバイス300はまた、漂遊磁束がホストデバイス300内で他の内部構成要素上に露出すること、又は筐体302から抜け出ることを防止するためのシールド802を含むことができる。シールド802は、送信素子304の背後、例えば、透明なウインドウ328が配置された側面とは反対側の送信素子304の側面上で延在する、銅シート又は磁束を遮断するための任意の他の適切な材料であってもよい。いくつかの実施形態では、シールド802は、シールド802の遮蔽能力を強化するために、送信素子304の最遠の左方及び右方の縁部を越えて延在することができる。
 
【0081】
  いくつかの実施形態では、筐体602の平面部610は、磁束に対して透磁性であることができ、その結果、磁束は、その構造を自由に通ることができ、また、物理的損傷に対して或る程度の保護をもたらす。例えば、平面部610は、セラミック及びサファイヤなどの材料から形成してもよい。いくつかの実施形態では、平面部610全体は、磁束に対して透磁性であることができる。又はインタフェース面614及び616を覆っている平面部610の部分、若しくはRFウインドウ328から直接横切るように配置された平面部610の部分など、磁束の伝播経路に沿って配置された平面部610の一部のみが、磁束に対して透磁性であることができる。そのようにして、送信素子304によって生成される磁束は、無線電力伝送を遂行するために、受信素子612によって受信されるようにRFウインドウ328及び筐体602の平面部610を通って自由に移動することができる。
 
【0082】
  いくつかの実施形態では、送信素子304及び受信素子612の相対的寸法は、位置合わせの許容度を改善するために調節することができる。その結果、アクセサリデバイス600は、アクセサリデバイス600がホストデバイス300と正確に位置合わせされない場合、例えば、送信素子304及び受信素子612のそれぞれの水平軸が相互に重ならない場合でも、ホストデバイス300から電力を受信することができる。例えば、
図8Bに示されるように、送信素子304の高さZ
TXは、受信素子612の高さZ
RXよりも短くてもよい。より長い高さZ
RXを有することによって、受信素子612は、上方向又は下方向に数ミリメートルずれてもよく、それでも電力伝送の効率が著しい低下することなく、送信素子304から電力を受信するように適切に位置付けることができる。
 
【0083】
  図9及び10は、受信及び送信素子を形成する異なる構成要素をより良好に示すための、受信及び送信アセンブリ900及び1000の分解図である。特に、
図9は、受信素子612を含む受信アセンブリ900の分解図であり、
図10は、送信素子304を含む例示的な送信アセンブリ1000の分解図である。
 
【0084】
  図9に示されるように、受信アセンブリ900は、受信素子612、シールド702、及びスペーサ726を含むことができる。受信素子612は、
図6に関して本明細書で議論される強磁性体構造605及び受信機コイル618を含むことができる。それらの構成要素はまた、
図4における対応する構成要素404及び402に関して更に詳細に議論される。
図7Bに関して本明細書で議論されるように、シールド702は、磁束がアクセサリデバイス600の他の内部構成要素に伝播することを阻止することができると共に、磁束がアクセサリデバイス600を抜け出ることを阻止することができ、スペーサ726は、受信素子612を適切な位置に固定することができ、受信機コイル618がシールド702に過度に接近することを防止することができる。シールド702は、凹部910を形成する4つの側壁及び後壁から形成された
五面のボックスであってもよく、凹部910の中に受信素子612及びスペーサ726が配置されてもよい。凹部910に配置されるとき、受信素子612のインタフェース面614及び616は、凹部910の外側に面してもよい。いくつかの例では、シールド702は、アクセサリデバイス600の筐体602内にアンカーポイントを取り付けるための更なる面領域を提供するために2つの拡張部912及び914を含むことができる。拡張部912及び914は、後壁が配向される面に対して平行な方向にシールド702のそれぞれの側壁から延在することができる。拡張部912及び914は、シールド702がずれること、及び緩んでしまうことを防止するためにアンカーポイントに締め付けることができる。加えて、シールド702はまた、シールド702の背面の近傍に開口916を含むことができる。開口916は、ワイヤを通すことのできる通路を提供することができる。例えば、受信機コイル618を形成するワイヤ918は、開口916を通じてシールド702の凹部910に入ることができ、凹部910を抜け出ることができる。そのようにして、ワイヤ918は、ドライバボード(図示せず)、又は無線電力伝送中に受信コイル618を動作させるように構成された任意の他の駆動構成要素との電気的接続を行うことができる。
 
【0085】
  いくつかの実施形態では、スペーサ726は、2つの別個の部分、すなわち第1の部分902及び第2の部分904から形成することができる。各々の部分902及び904は、強磁性体構造605のそれぞれの部分に取り付けてもよく、それぞれの部分の背後に配置してもよい。例えば、第1の部分902は、インタフェース面614の背後に配置してもよく、第2の部分904は、インタフェース面616の背後に配置してもよい。スペーサ726は、2つの部分から構成してもよく、その結果、受信機コイル618は、スペーサ726の第1及び第2の部分902及び904の間に配置することができる。いくつかの実施形態では、各部分902及び904は、強磁性体構造605の部分を覆うリテーナを含むことができる。例として、第1の部分902は、背面リテーナ907に結合された個々のリテーナ906a〜cを含むことができ、第2の部分904は、背面リテーナ909に結合された個々のリテーナ908a〜cを含むことができる。個々のリテーナ906a〜c及び背面リテーナ907は、モノシリック構造を形成することができ、リテーナ908a〜c及び背面リテーナ909についても同様のことが言える。各リテーナは、強磁性体構造605と接触する面領域の部分902及び904の量を増大させるために、強磁性体構造605の上面、底面、及び側面のそれぞれの部分を覆うことができる。面領域におけるこの増大は、スペーサ726と強磁性体構造605との間のより強い結合を生じさせ、その結果、スペーサ726が、受信素子612をより良好に適切な位置に固定することができ、落下イベントを経験するときにそれが外れること、及び緩くなることを防止することができる。
図9は、リテーナ906a〜c及び908a〜cを、それぞれの背面リテーナ90
7及び908の個々の、別個の拡張部として示すが、実施形態はそのような実施形態に限定されない。いくつかの例では、複数の個々のリテーナを有する代わりに、各部分902及び904は、強磁性体構造605の3つの連続する側の周りを途切れなく包む単一のリテーナを有することができる。
 
【0086】
  図10を参照すると、送信アセンブリ1000は、送信素子304、スペーサ1002、及び補強材1004を含むことができる。送信素子304は、
図3A〜3Cに関して本明細書で議論される強磁性体構造326及び送信機コイル320を含むことができる。それらの構成要素はまた、
図2A〜2Cにおける対応する構成要素204及び202に関して更に詳細に議論される。補強材1004は、送信素子304に対して構造的な支持をもたらす硬質の構成要素であることができ、送信素子304を装着することができる構造を設けることができる。いくつかの実施形態では、補強材1004は、それに限定されないが、FR4などの剛性材料から形成された平板である。スペーサ1002は、2つの部分、すなわち送信機コイル320の任意の端に位置付けることができる第1の部分1006及び第2の部分1008から形成することができる。スペーサ1002は、強磁性体構造326を補強材1004に結合することができ、その結果、送信素子304は、実質的に適切な位置で固定される。いくつかの実施形態では、送信素子304は、補強材1004に取り付けられ、その結果、インタフェース面316及び318は、補強材1004が面している方向に対して垂直の方向に面している。そのようにして、インタフェース面316及び318は、
図3B〜3C及び5に関して本明細書で示され、かつ議論されるように、磁束を受信素子に方向付けるように配置することができる。送信機コイル320を形成するために使用されるワイヤ1010は、接触パッド1008a〜bを含むコネクタ1007に接続してもよい。送信機コイル320の各々の終端は、それぞれの接触パッドと接触することができ、その結果、ワイヤ1010は、ドライバボード(図示せず)、又は無線電力伝送中に送信機コイル320を動作させるように構成されたいずれかの他の駆動構成要素との電気的接触を行うことができる。
 
【0087】
  図5及び8Aに関して本明細書で議論される無線充電システムは、それぞれのインタフェース面が無線電力伝送のために直接対向するように配置された送信及び受信素子を有するが、実施形態は、そのような位置合わせの制約に限定されない。むしろ、本明細書におけるいくつかの実施形態は、送信及び受信素子が直接対向しない場合であっても、無線充電を可能にする。例えば、受信素子は、様々な回転可能な向きで、インタフェース面から伝播する時間的に変化する磁束を受信するように特に設計してもよい。例として、受信素子は、本明細書で更に議論されるように、制限された角回転位置に沿った任意のポイントにおいて電力伝送を可能にする設計、及び完全な360度の角回転位置に沿った任意のポイントにおいて電力伝送を可能にする別の設計を有することができる。
  1.制限された角回転位置を可能にする受信素子
 
【0088】
  ホストデバイスにおける送信素子は、その強磁性体構造のインタフェース面によって受信素子に電力を送信することができる。本開示のいくつかの実施形態に従って、受信素子は、インタフェース面から伝播する時間的に変化する磁束を受信するように特別に設計してもよく、その結果、受信素子は、それが制限された角回転に沿った任意のポイントに配置される場合でも送信素子から電力を受信することができる。
 
【0089】
  本開示のいくつかの実施形態に従って、送信及び受信素子200及び400のインタフェース面の間の磁束の集中(
図2A〜2C及び4に関して本明細書で議論される)は、分離距離426が受信素子400に対する送信素子200の角度の向きの調節に起因して増大する場合であっても、十分な電力伝送を可能にする。
図11Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、送信素子1102が受信素子1104を基準にして角度を成すように配置された誘導相互接続システム1100の斜視図を示す。送信及び受信素子1102は、
図2A〜2C及び4に関して本明細書で議論される送信及び受信素子200及び400と、機能及び構造において同様である。よって、そのような素子の詳細な説明は、それらの図を参照してもよく、簡潔にするためにここでは議論しない。
 
【0090】
  図示されるように、送信素子1102は、ホストデバイスの筐体1108内に配置され、アクセサリデバイスの筐体1106内に配置された受信素子1104に近接して配置される。いくつかの例では、筐体1108は、所定の角度だけ回転してもよく、その結果、筐体1108は、
図11Bに示される筐体1106に対して傾斜される。これは、例えば、ホストデバイスがタブレットであり、アクセサリデバイスがキーボードアクセサリであり、スクリーンがユーザの顔に向かって上方向に角度付けられるようにタブレットが傾斜される場合に行われる。
 
【0091】
  図11Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、
図11Aに示される誘導相互接続システム1100を通る点線の切れ目に沿った断面図を示す。筐体1108が軸ポイント1112の周りで筐体1106を基準にして角度1109だけ回転する場合、それぞれの送信及び受信素子1102及び1104は、対応して、角度1109に沿って回転する。したがって、送信素子1102は、受信素子1104から離れた回転分離距離1110に配置されることがある。回転は、送信及び受信素子1102及び1104の間に、回転がない場合よりも大きな正味の分離を生じさせる。よって、いくつかの例では、回転分離距離1110は、送信素子1102及び受信素子1104のちょうど底部の角の間の距離が距離508と実質的に同一であるときであっても、
図5に関して本明細書で議論される分離距離508よりも大きくなることがある。よって、送信及び受信素子の間の誘導結合の程度は、
図11Cに示されるように、少なくとも2つの要因、すなわち分離距離と回転角に依存することがある。
 
【0092】
  図11Cは、分離距離及び回転角の両方を変化することに関して、送信及び受信素子の間の電力伝送効率の度合を示すグラフ1101である。グラフ1101は、上方向に向かって増大するパーセンテージで電力伝送効率の度合を表すy軸、及び右に向かって増大するミリメートルで分離距離の大きさを表すx軸を有する。3つのプロットがグラフ1101に示されており、各々は、角回転の異なる角度を表し、プロット1120は、0度の角回転を表し、プロット1122は、20度の角回転を表し、プロット1124は、45度の角回転を表す。
 
【0093】
  グラフ1101に示されるように、電力伝送効率の度合は、分離距離が増大するにつれて減少する。グラフ1101は更に、角回転が増大するにつれて、電力伝送効率が全ての分離距離にわたって更に減少することを示す。よって、角回転によって生じる誘導結合の損失は、分離距離によって生じる誘導結合の損失に加わる。しかしながら、本明細書における実施形態では、どのような角回転の角度であっても十分な電力伝送を可能にすることができることが認識されよう。例えば、送信素子と受信素子との間で十分な無線電力伝送を行うための電力伝送効率閾値が20%の電力伝送効率である場合、分離距離が5.5ミリメートルよりも短く、角回転が45度よりも小さい誘導相互接続システムによっても、上首尾の電力伝送をなお達成することができる。しかしながら、それらの制限は例示にすぎず、それらは、所望の電力伝送効率に応じて変化することがある。
 
【0094】
  本明細書で上述した開示は、単一の軸ポイント、例えば、
図11Bにおける軸ポイント1112の周りの角回転を議論するが、実施形態は、1つの軸ポイントの周囲しか回転することができない構成に限定されない。いくつかの実施形態は、
図12A及び12Bに関して本明細書で議論されるように、延長された受信素子に沿った任意のポイントにわたって回転することができる。
 
【0095】
  図12Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、延長された受信素子1200を示す斜視図である。いくつかの実施形態では、延長された受信素子1200は、
図2Aに関して本明細書で議論される送信素子200と実質的に同様であってもよい。例えば、延長された受信素子1200は、強磁性体構造1204、及び強磁性体構造1204の中心部分1212の周りに巻回されたコイル1202を含むことができる。強磁性体構造はまた、(図示しないが、
図2Aにおける面210に同様に配置された)側面を越えて突出し、インタフェース面1206及び1208を含む端領域1214及び1216を含むことができる。よって、延長された受信素子1200が方向1220から観察されるとき、観察される構造は、
図4における受信素子400と実質的に同様であり、これは、
図2Aの送信素子200と実質的に同様である。しかしながら、延長された受信素子1200は、
図2Aにおける送信素子200の高さZ
TXよりも実質的に大きい高さ1218を含むことができる。いくつかの実施形態では、高さ1218は、中心部分1212、並びに組み合わされる端領域1214及び1216の幅よりも長い。比較的に大きい高さは、受信素子が高さ1218に沿った任意のポイントから電力を受信することを可能にし、それによって、電荷を受信するように受信素子を配置することができるより大きな面積をもたらす。
 
【0096】
  例えば、
図12Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、延長された受信素子1200を含む例示的な誘導相互接続システム1201を示す。延長された受信素子1200は、送信素子1222が高さ1218にわたる任意のポイントに沿って配置されるときに送信素子1222から十分な量の電力を無線で受信することができる。例として、延長された受信素子1200は、ポイント1224、1226、及び1228のうちのいずれか1つに配置される場合に送信素子1222から電力を受信することができる。
  2.360度の回転を可能にする受信素子
 
【0097】
  上述した図に関して議論されるように、受信素子は、制限された範囲の角回転において送信素子から電力を受信するように構成してもよい。しかしながら、以下の図と共に本明細書で更に議論されるように、受信素子は、本開示のいくつかの実施形態に従って、完全な360度の範囲の角回転に沿った任意のポイントにおいて送信素子から電力を受信するように構成することができる。したがって、中に受信素子が配置されたアクセサリデバイスは、受信素子がどのようにその軸に沿って回転するかにかかわらず、ホストデバイスから電力を受信することができる。これは、電力を受信するために、アクセサリデバイスをホストデバイスに対して容易に設置することを可能にし、それによって、ユーザ経験を実質的に強化する。
 
【0098】
  図13A〜13Cは、本開示のいくつかの実施形態に従った、360度の角回転にわたる任意の位置から電力を受信する能力を有する例示的な受信素子1300の斜視図及び平面図を示す。特に、本開示のいくつかの実施形態に従って、
図13Aは、受信素子1300の斜視図を示し、
図13Bは、受信素子1300の上面図を示し、
図13Cは、受信素子1300の側面図を示す。
 
【0099】
  図13Aを参照すると、受信素子1300は、コイル1302及び強磁性体構造1304を含むことができる。コイル1302は、強磁性体構造1304の一部の周りに巻回された導電性の撚りワイヤであってもよい。巻回されると、コイル1302は、電流がコイル1302を通じて駆動されるときに時間的に変化する磁束を生成することができるインダクタコイルを形成する。強磁性体構造1304は、磁束の伝播を再方向付けすることができる構造であってもよい。例えば、強磁性体構造1304は、MnZnなどのフェライトを含む磁気材料から形成してもよい。
 
【0100】
  強磁性体構造1304の磁気特性がその本体を通じてコイル1302によって生成される磁束を再方向付けすることができるので、強磁性体構造1304は、その構造的設計に基づいて、360度の全ての方向に向かって磁束を案内するように構成することができる。例えば、
図4Aにおける受信素子400の長方形のブロック状の構造とは異なり、受信素子1300は、形状が略円筒状とすることができる。いくつかの実施形態では、受信素子1300は、強磁性体構造1304の長さに沿って配置された中心軸209の周りで対称であってもよい。チャネル1311は、中心軸209に沿って配置してもよく、それを通してワイヤ及びケーブルなどの目的物が通り抜けることができる空き空間を設けることができる。受信素子1300は、強磁性体構造1304の溝領域の外面を越えて配置されたインタフェース面1306及び1308を含むことができる。受信素子1300の構造的構成のより良好な例示は、
図13Bの上面図に示される。
 
【0101】
  図13Bに示されるように、受信素子1300は、溝領域1312の互いに反対側に配置された2つの端領域1314及び1316を定める溝領域1312を含むことができる。コイル1302は、溝領域1312の周りに、端領域1314及び1316の間(周りではない)で巻回される。本明細書で言及されるように、受信素子1300は、2つのインタフェース面1306及び1308を含むことができ、2つのインタフェース面1306及び1308は、中心軸1309から同一の距離だけ離れて配置された端領域1314及び1316のそれぞれの面であってもよい。インタフェース面1306及び1308は、中心軸1309の周りで軸対称であってもよく、その結果、それは形状において略環状である。端領域1314及び1316は、溝領域1312の面1310を越えて突出することができ、その結果、インタフェース面1306及び1308は、面1310から距離Y
1,RXだけ離れて配置される。
図13Bにおいて把握することができるように、面1310は、コイル1302の背後に隠れているが、明確にするために破線によって表されている。いくつかの実施形態では、面1310は、側壁1318a及び1318bによってインタフェース面1306及び1308に接続してもよい。よって、側壁1318a及び1318bは、溝領域1312と端領域1314及び1316との間に配置することができる。側壁1318a及び1318bは、距離Y
1,RXだけ延在してもよく、距離Y
1,RXは、コイル1302の厚さ以上の任意の適切な距離となるように選択することができる。例えば、Y
1,RXは、特定の実施形態では、1ミリメートルなど、0.5〜1.5ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態では、端領域1314及び1316は、中心軸1309から外側に広がるフランジの形状にあってもよい。
図13Bにおいて理解することができるように、受信素子1300の全体的な構造は、ボビンの構造に非常に類似してもよい。
 
【0102】
  いくつかの実施形態では、受信素子1300は、全体的な幅X
RX及び全体的な直径d
RXを有することができる。加えて、端領域1314及び1316は、幅X
1,RXを有することができる。寸法X
RX、Y
RX、及びX
1,RXは、設計に従って選択してもよい。例えば、寸法X
RX、Y
RX、及びX
1,RXは、受信素子1300と送信素子との間に所定の程度の誘導結合を達成するように選択することができ、アクセサリデバイス用の筐体の空間制約の中で適合することができる全体的なサイズをもたらす。いくつかの例では、幅X
RX及びX
1,RXは、効率的な電力伝送のために送信素子の対応する幅に等しくなるように選択される。幅X
RXは、10ミリメートル〜80ミリメートルに及んでもよく、幅X
1,RXは、3ミリメートル〜4ミリメートルに及んでもよく、長さY
RXは、3ミリメートル〜4ミリメートルに及んでもよい。
 
【0103】
  更に、
図13Cにおける受信素子1300の側面図に示されるように、受信素子1300はまた、長さd
RX及び半径方向の厚さy
RXを有することができる。長さd
RXはまた、受信素子1300の直径として定めてもよい。いくつかの実施形態では、長さd
RX及び半径の厚さy
RXはまた、受信素子1300と受信素子との間に所定の程度の誘導結合を達成するように選択され、アクセサリデバイス用の筐体の空間制約の中で適合することができる全体的なサイズをもたらす。特定の実施形態では、d
RXは、7〜8ミリメートルに及んでもよく、半径方向の厚さy
RXは、3〜4ミリメートルに及んでもよい。いくつかの実施形態では、半径方向の厚さy
RXは、それから電力を受信する送信機コイルの全体的な長さY
TXに等しくてもよく、
図2Aを参照することができる例である。いくつかの更なる実施形態では、
図13Bにおける溝領域1312は、長さY
1,RXとd
RXとの間の差によって定められる長さ1320を有することができる。よって、溝領域1312の長さ1320は、特定の実施形態では、長さd
RXよりも短くてもよい。したがって、溝領域1312は、端領域1316及び1316よりも短い長さを有することができる。
 
【0104】
  端領域1314及び1316は、中心軸1309から離れるように、かつ中心軸1309に対して垂直方向に受信素子1300の外周全体の周りで突出することができる。よって、端領域1314及び1316は、中心軸1309の周りで連続的に突出することができる。本開示の実施形態に従って、これは、
図14A〜14Cに関して本明細書で更に議論されるように、受信素子1300が中心軸1309の周りの任意の回転方向で送信素子から電力を受信することを可能にする。
 
【0105】
  図14Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、受信素子1300が送信素子200から電力を受信する位置に移動している誘導相互接続システム1400の斜視図を示す。
図2Aに関して本明細書で言及されるように、送信素子200は、インタフェース面206及び208を有する、強磁性体構造204の中心部分の周りに巻回されたコイル202を含むことができる。電力を受信するために、受信素子1300は、受信素子1300のインタフェース面1306及び1308が送信素子200のそれぞれのインタフェース面206及び208に近接して配置されるように、送信素子200と位置合わせされ、位置合わせ状態になるように移動することができる。
 
【0106】
  図14Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、受信素子1300が電力を受信するために送信素子200と位置合わせされるときの誘導相互接続システム1400を示す。送信素子200は、任意の適切なポータブル電子デバイス(例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン、及びラップトップコンピュータなど)用の筐体とすることができ、
図3に関して本明細書で議論される筐体302内に収容されるものとして示されている。位置合わせされると、コイル202は、時間的に変化する磁束を生成することができ、時間的に変化する磁束は、受信素子1300がどのように中心軸1309の周りで回転経路1401に沿って回転するかにかかわらず、コイル1302において対応する電流を誘導することができる。これは、受信素子1300が中心軸1309の周りで軸対称であり、その結果、受信素子1300が中心軸1309の周りでどれだけ回転されているかに関係なく、それと送信素子200との間の電気的相互作用が影響を受けることがなく、電力を伝送し続けることができるからである。この概念のより良好な例示が
図14Cに示される。
 
【0107】
  図14Cは、本開示のいくつかの実施形態に従った、無線電力伝送中の送信素子200と受信素子1300との間の例示的な磁気相互作用を示す誘導相互接続システム1400の断面図を示す。送信素子200は、筐体内302内に収容されるものとして図示される。
図14Cに示される例示によって認識することができるように、中心軸1309は、受信素子1300を二等分する、すなわち第1の半部1410と第2の半部1412に分けることができる。送信素子200に最も近く配置された第1の半部1410は、
図4及び5における受信素子400と実質的に同様の断面を有することができる。よって、無線電力伝送中の電気的相互作用は、実質的に同様である。例えば、無線電力伝送中、コイル202は、時間的に変化する多量の磁束1402を生成することができ、磁束1402の実質的な部分は、強磁性体構造204によって再方向付けすることができ、その結果、磁束はインタフェース面208及び206を抜け出又は通過し、インタフェース面1306及び1308を通って強磁性体構造1304に入り又は抜け出る。よって、磁束1402は、強磁性体構造204及び1304の対応するインタフェース面/リングの間の領域1404に集中して存在することができる。いくつかの実施形態では、インタフェース面1306及び1308の面は、中心軸1309に並列する。
 
【0108】
  更に、コイル202を通って流れる電流の方向に応じて、コイル202によって生成されるかなりの量の磁束1402は、最初にインタフェース面208から強磁性体構造1304のインタフェース面1308に流れることができ、次いで、強磁性体構造1304を通って伝播することができ、インタフェース面1306から抜け出ることができ、その結果、磁束1402はインタフェース面206を通って強磁性体構造204に再度入ることができる。結果として生じる磁束の流れは、コイル1302において電流を誘導する磁気ループ1406を形成し、電流は、中に受信素子1300が配置されたアクセサリデバイスに電力を提供するために使用することができる。磁気ループ1406は時計回りの方向で図示されているが、磁気ループ1406はまた、電流が反対方向にコイル202を通って流れるときに反時計回りの方向に伝播することができる。受信素子1300が中心軸1309の周りで対称であるので、第2の半部1412は、第1の半部1410と同一であってもよく、第1の半部1410とちょうど鏡像対称に配置できることが認識されよう。よって、受信素子1300が中心軸1309の周りで回転する場合、送信素子200に最も近い半部は、
図14Cに示される第1の半部1410と同一であり、同一の電気的相互作用を有する。そのようにして、受信素子1300は、それがどのように中心軸1309の周りを回転するかに関係なく、電力を受信することができ、それによって、受信素子1300が送信素子200から電力を受信することができる容易さを著しく増大させる。
 
【0109】
  図14Cは、受信素子1300に電力を送信する送信素子200を示すが、実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、電力の伝送を逆方向にすることができ、その結果、送信素子200は、受信素子1300から電力を受信する。例として、電流は、受信素子1300のコイル1302に駆動することができ、その結果、コイル1302が、時間的に変化する磁束を生成する。生成された時間的に変化する磁束は、強磁性体構造1304によって再方向付けすることができ、強磁性体構造1304によって受信することができる。強磁性体構造1304において受信された磁束は、コイル1302において対応する電流を誘導することができ、電流は、中に送信素子200が配置されたホストデバイスに電力を提供するために使用することができる。
  III.誘導相互接続システムのための位置合わせデバイス
 
【0110】
  本明細書における開示によって理解することができるように、効率的な電力伝送は、アクセサリデバイスにおける受信素子がホストデバイスにおける送信素子と位置合わせされるときに達成される。2つの素子の間の位置合わせを達成するために、1つ以上の位置合わせデバイスを実装することができる。しかしながら、受信素子、例えば、
図13Aにおける受信素子1300がその中心軸の周りで略対称であり、その中心軸の周りで略対称でもあるアクセサリデバイス、例えば、スタイラス及びスマート鉛筆などの筐体内に収容される場合、アクセサリデバイスのための位置合わせデバイスは、角回転の任意の角度において受信素子を送信素子と位置合わせすることができることも必要となることがある。本開示のいくつかの実施形態に従って、1つ以上の位置合わせデバイスは、アクセサリデバイスが完全な360度の範囲の角回転に沿った任意のポイントにおいてホストデバイスと位置合わせすることを可能にするために、ホストデバイス及びアクセサリデバイスに実装してもよい。
 
【0111】
  図15は、本開示のいくつかの実施形態に従った、単一の中心磁石1502を有するホストデバイスのための例示的なホスト位置合わせデバイス1500の簡略図である。ホスト位置合わせデバイス1500は、アクセサリデバイスにおいてアクセサリ位置合わせデバイスに位置合わせすることによって、アクセサリデバイスをホストデバイスに位置合わせするためにホストデバイス内に収容することができる。中心磁石1502は、ネオジム磁石などの任意の適切な永久磁石であってもよい。ホスト位置合わせデバイス1500は、本明細書で更に議論されるように、アクセサリ位置合わせデバイスを引き付けるようにアクセサリ位置合わせデバイスに向かって方向付けられるインタフェース面1504を有することができる。いくつかの実施形態では、中心磁石1502は、その磁極が垂直方向に位置付けられるように配置することができ、それは、そのN極及びS極が垂直軸に沿って配置されることを意味する。例えば、
図15に示されるように、中心磁石1502は、インタフェース面1504に配置されたN極を有することができ、その結果、磁束1505は、対応するS極を有するアクセサリ位置合わせデバイスを引き付けるように外側に方向付けられる。
 
【0112】
  いくつかの実施形態に従って、中心磁石1502は、2つの強磁性体構造1506及び1508の間に配置することができる。強磁性体構造1506及び1508は、永久磁石ではないが、それを通って磁束が伝播することを可能にする強磁性体材料から形成される構造体である。例として、強磁性体構造1506及び1508は、フェライト系ステンレス鋼、鉄、ニッケル、コバルト、又は任意の他の適切な材料から形成してもよい。いくつかの実施形態では、強磁性体構造1506及び1508は、中心磁石1502の幅1514よりも長い幅1510及び1512を有する。
図18〜19に関して本明細書で更に議論されるように、より広い強磁性体構造1506及び1508を有することは、磁束が中心磁石1502から更に離れて伝播することを可能にすることができ、その結果、磁束が、中心磁石1502のすぐ横の領域に集中せず、それによって、アクセサリ位置合わせデバイスがその領域において移動するにつれて、力プロファイルを平坦にする。
 
【0113】
  図15を更に参照して、ホスト位置合わせデバイス1500はまた、中心磁石1502並びに強磁性体構造1506及び1508の両方のインタフェース部に配置された面取り領域1516及び1518を含むことができる。いくつかの実施形態では、面取り領域1516及び1518は、V字形を形成する傾斜面であり、傾斜面の最下端は、中心磁石1502と強磁性体構造1506及び1508の両方の間のインタフェース部に配置されている。面取り領域1516及び1518は、面取り領域1516及び1518において磁束の強度を減少させると共に、面取りが存在しない場合にそれらの領域において存在する高い磁束の集中に起因する磁束の漏れを最小化するために、中心磁石1502の最上部の角と強磁性体構造1506及び1508との間の分離距離を拡張することができる。本明細書で更に議論されるように、面取り領域1516及び1518の磁束強度を減少させることによって、アクセサリ位置合わせデバイスがホスト位置合わせデバイス1500との位置合わせ状態に移動するにつれて、それに影響を与える力プロファイルを平坦にすることができる。更に、面取り領域1516及び1518において磁束の漏れを最小化することによって、磁気感応デバイスを、負の相互作用を被ることなく、ホスト位置合わせデバイス1500に接近させることができる。例えば、磁束の漏れを最小化することは、クレジットカードがホスト位置合わせデバイス1500に何らかの事情で接近されるときに消磁されることを防止することができる。
 
【0114】
  いくつかの実施形態では、ホスト位置合わせデバイス1500は、アクセサリ位置合わせデバイスに影響を与える力プロファイルを更に平坦にするために外側面取り縁部1520及び1522を含むことができる。例えば、外側面取り縁部1520及び1522は、中心磁石1502から離れるように下方向に傾斜してもよく、その結果、アクセサリ位置合わせデバイスが中心磁石1502に向かって移動するにつれて、アクセサリ位置合わせデバイス上の吸引力が徐々に高まる。外側面取り縁部1520及び1522が存在しない場合、強磁性体構造1506及び1508から伝播する磁束は、アクセサリ位置合わせデバイスが強磁性体構造1506及び1508の接近するように移動するにつれて、それを劇的に引き付け始める。本開示のいくつかの実施形態に従って、1つ以上の補強磁石を、
図16に関して本明細書で議論されるように、アクセサリ位置合わせデバイスとの磁気的吸着力の強度を補強するために、ホスト位置合わせデバイスに実装することができる。
 
【0115】
  図16は、本開示のいくつかの実施形態に従った、中心磁石1602、並びに2つの補強磁石1604及び1606を有するホストデバイスのための例示的なホスト位置合わせデバイス1600の簡略図である。ホスト位置合わせデバイス1500は、アクセサリデバイスにおいてアクセサリ位置合わせデバイスに位置合わせすることによって、アクセサリデバイスをホストデバイスに位置合わせするために、ホストデバイス内に収容してもよい。位置合わせデバイス1600は、本明細書で更に議論されるように、アクセサリ位置合わせデバイスを引き付けるようにアクセサリ位置合わせデバイスに向かって方向付けられたインタフェース面1608を有することができる。中心磁石1502と同様に、中心磁石1602は、その磁極が垂直方向に位置付けられるように配置することができ、それは、そのN極及びS極が垂直軸に沿って配置されることを意味する。例えば、
図16に示されるように、中心磁石1602は、インタフェース面1608に配置されたN極を有することができ、その結果、磁束1605は、対応するS極を有するアクセサリ位置合わせデバイスを引き付けるように外側に向かって方向付けられる。
 
【0116】
  しかしながら、ホスト位置合わせデバイス1500とは異なり、ホスト位置合わせデバイス1600は、中心磁石1602の互いに反対側にある2つの補強磁石1604及び1606を含むことができる。補強磁石1604及び1606は、それらの磁極が水平軸に沿って位置付けられるように配置することができる。更に、補強磁石1604及び1606の磁極の向きは、それらの磁束が中心磁石1602によって生成される磁束を集束及び増強するように配置することができる。例えば、中心磁石が、そのN極が上方向であり、そのS極が下方向であるように配置される場合、補強磁石1604は、そのN極が右にあり、そのS極が左にあるように配置され、補強磁石1606は、そのN極が左にあり、そのS極が右にあるように配置される。したがって、補強磁石1604及び1606からの磁束は最初に、中心磁石1602に向かって伝播し、次いで、中心磁石1602によって生成される磁束と集束し、アクセサリ位置合わせデバイスに向かって上方向に伝播する増強された磁束1605を提供することができる。いくつかの実施形態では、補強磁石1604及び1606は、相互に反対の極性を有し、その結果、両方の磁石からの磁束は、中心磁石1602に向かって、又は中心磁石1602から離れるように方向付けられる。したがって、中心磁石1602の横に配置された補強磁石の極性は、アクセサリ位置合わせデバイスの方向において上方向に配向された中心磁石1602の極性と同一の極性であってもよい。
 
【0117】
  いくつかの実施形態に従って、中心磁石1602、並びに補強磁石1604及び1606は、2つの強磁性体構造1607及び1609の間に配置される。例えば、補強磁石1604は、強磁性体構造1607と中心磁石1602との間に配置することができ、補強磁石1606は、強磁性体構造1609と中心磁石1602との間に配置することができる。強磁性体構造1607及び1609は、形状及び機能において
図15における強磁性体構造1506及1508と実質的に同様であってもよい。よって、強磁性体構造1607及び1609は、それを通して磁束が伝播することを可能とする強磁性体材料から形成された構造体であり、中心磁石1602の幅1614よりも長い幅16
10及び1612を有する。
図18〜19に関して本明細書で更に議論されるように、より広い強磁性体構造1607及び1609を有することは、磁束が補強磁石1604及び1606からより離れるように伝播することを可能にすることができ、その結果、磁束が、補強磁石1604及び1606のすぐ横の領域に集中せず、それによって、アクセサリ位置合わせデバイスがその領域に移動するにつれて、力プロファイルを平坦にする。
 
【0118】
  図16を更に参照すると、ホスト位置合わせデバイス1600はまた、中心磁石1502、並びに補強磁石1604及び1606の両方のインタフェース部に配置された面取り領域1616及び1618を含むことができる。面取り領域1516及び1518と同様に、面取り領域1616及び1618は、面取り領域1616及び1618において磁束の強度を減少させることができると共に、面取りが存在しない場合にそれらの領域において存在する磁束の高い集中に起因する磁束の漏れを最小化することができる。よって、本明細書で更に議論されるように、アクセサリ位置合わせデバイスがホスト位置合わせデバイス1500との位置合わせ状態に移動するにつれて、アクセサリ位置合わせデバイスに影響を与える力プロファイルを平坦にすることができる。また、磁気感応デバイスは、
図15に関して本明細書で議論されるように、負の相互作用を被ることなく、ホスト位置合わせデバイス1600に接近させることができる。
 
【0119】
  図15及び16は、上方向に配向されたN極及び下方向に配向されたS極を有する中心磁石1502及び1602を示すが、実施形態は、そのような構成に限定されないことが認識されよう。いくつかの実施形態は、反対極性に配置された中心磁石1502及び1602を有することができる。そのような例では、補強磁石1604及び1606はまた、反対極性に配置してもよい。
 
【0120】
  ホスト位置合わせデバイス1600は、
図15における外側面取り縁部1520及び1522のような外側面取り縁部を有するとして示されないが、ホスト位置合わせデバイス1600は、いくつかの実施形態では、アクセサリ位置合わせデバイスに影響を与える力プロファイルを更に平坦にするための外側面取り縁部を含むことができることが認識されよう。
 
【0121】
  本開示のいくつかの実施形態に従って、アクセサリ位置合わせデバイスは、完全な360度の角回転に沿った任意のポイントにおいてホスト位置合わせデバイスの中心磁石に引き付けられるように構成してもよい。
図17Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った、完全な360度の角回転に沿った任意のポイントにおいてホスト位置合わせデバイスに引き付けられてもよい例示的なアクセサリ位置合わせデバイス1700を示す。アクセサリ位置合わせデバイス1700は、中心強磁性体構造1706と2つの側面強磁性体構造1
708及び1710との間に配置された磁石1702及び1704の対を含むことができる。例えば、磁石1702は、中心強磁性体構造1706と側面強磁性体構造1708との間に配置することができ、磁石1704は、中心強磁性体構造1706と側面強磁性体構造1710との間に配置することができる。磁石1702及び1704は、任意の適切な永久磁石、例えば、ネオジム磁石であってもよく、強磁性体構造1706、1708、及び1710は、任意の適切な強磁性体材料、例えば、フェライト系ステンレス鋼、鉄、ニッケル、コバルト、又は任意の他の適切な材料から形成してもよい。
 
【0122】
  磁石1702及び1704の磁極は、水平に配置してもよく、それらの磁束の両方が中心強磁性体構造1706に向かって又は中心強磁性体構造1706から離れるように伝播するよう配向してもよい。したがって、それらの磁束は、中心強磁性体構造1706において集束及び増強することができ、次いで、全ての放射方向においてその中心軸1712から離れるように(又は、極性によっては向かうように)外側に伝播することができる。例えば、磁石1702及び1704は、中心強磁性体構造1706に向かって配向されたそれらのS極を有することができ、その結果、磁束は、全ての放射方向1714から中心軸1712に向かって伝播する。いくつかの実施形態では、アクセサリ位置合わせデバイス1700は、略円筒形状を有し、その結果、その構造は中心軸1712を基準にして軸対称である。よって、アクセサリ位置合わせデバイス1700は、
図17Bにより良好に示されるように、その中心軸1712の周りの回転の任意の角度においてN極を有する任意の磁石に引き付けられる。
 
【0123】
  図17Bは、本開示のいくつかの実施形態に従った、アクセサリ位置合わせデバイス(例えば、アクセサリ位置合わせデバイス1700)及びホスト位置合わせデバイス(例えば、ホスト位置合わせデバイス1600)を含む位置合わせシステム1701の例示的な斜視図を示す。
図17Bに示されるように、アクセサリ位置合わせデバイス1700は、ホスト位置合わせデバイス1600に引き付けられている。アクセサリ位置合わせデバイス1700がホスト位置合わせデバイス1600に接近されるとき、補完的な磁束によって生成される力は、それらを位置合わせ状態に向かって引き付ける。理解を容易にするために、
図16及び17Aに関して本明細書で議論される磁極性は
図17Bにも適用される。位置合わせの間、ホスト位置合わせデバイス1600は、アクセサリ位置合わせデバイス1700の中心強磁性体構造1706のS極性を引き付けるそのインタフェース面1608において強いN極性を有する。アクセサリ位置合わせデバイス1700の略軸対称の構造は、その中心軸1712の周りの回転1716の任意の角度においてホスト位置合わせデバイス1600にそれが引き付けられることを可能にする。いくつかの実施形態では、チャネル1711は、中心軸1712に沿って配置することができ、それを通してワイヤ及びケーブルなどの目的物が通り抜けることのできる空き空間を設けることができる。
 
【0124】
  本明細書で言及されるように、アクセサリ位置合わせデバイス1700は更に、側面強磁性体構造1708及び1710を含む。側面強磁性体構造1708及び1710は、磁束の伝播を拡散することを支援することができ、その結果、磁石1702及び1704の間のインタフェース部において磁束の高い集中が存在しない。強磁性体構造1708、1710、1607、及び1609による磁束の拡散は、面取り縁部1616及び1618と共にデバイス1700及び1600の間の吸引力の力プロファイルを平坦にすることを支援し、その結果、ユーザは、それらの間にスムーズな吸引力を感じる。
 
【0125】
  図18及び19は、アクセサリ及びホスト位置合わせデバイスの間の例示的な力プロファイルを示すグラフである。特に、本開示のいくつかの実施形態に従って、
図18は、面取り縁部(例えば、
図17Bにおける面取り縁部1616及び1618)を有さないアクセサリ及びホスト位置合わせデバイスの間の力プロファイル1802を示し、
図19は、面取り縁部を有するアクセサリ及びホスト位置合わせデバイスの間の力プロファイル1902を示す。両方のグラフは、アクセサリ位置合わせデバイスの中心とホスト位置合わせデバイスの中心との間の距離を表すx軸を有し、0は、位置合わせ状態を表す。両方のグラフはまた、正の値が反発力を示し、負の値が吸引力を示す力の程度を表すy軸を有する。
 
【0126】
  図18に示されるように、面取り縁部がない場合、力プロファイル1802は、ユーザによって経験される大きい反発力のピーク1804及び1806を含むことがある。それらのピークは、中心磁石(例えば、
図16及び17Bにおける1602)と両方の補強磁石(例えば、
図16及び17Bにおける1604及び1606)との間のインタフェース部に位置付けられることがある。よって、ユーザは、2つのデバイスが位置合わせされるにつれて強い吸引力を感じる前に、アクセサリ位置合わせデバイス1700が位置合わせされた位置に向かって移動するにつれて強い抵抗を感じる。対照的に、
図19に示される力プロファイル1902は、ピーク1804及び1806を有しておらず、代わりに、ホスト位置合わせデバイスが面取り縁部を有さなかった場合にピークとなる平面領域1904及び1906を有する。面取り縁部は、その領域において磁束の集中を減少させ、よって、それらの位置においてアクセサリ位置合わせデバイスに反発する強い反発力が存在しない。面取り領域を有する結果として、力プロファイルは、実質的により平坦であり、それによって、より良好なユーザの感触をもたらす。
 
【0127】
  図20は、本開示のいくつかの実施形態に従った、例示的な
ホストデバイスを示し、ホストデバイス2000は、完全な360度の角回転に沿ったいずれかのポイントにおいて電荷を受信するように構成された例示的なアクセサリデバイス2002、及び/又はその筐体がホストデバイス2000と接触する平面部を含む例示的なアクセサリデバイス2003と位置合わせされている。ホストデバイス2000は、ホスト位置合わせデバイス2004〜2007及び送信素子2008〜2009を含むことができる。各々のホスト位置合わせデバイス2004〜2007は、
図16に関して本明細書で議論されるホスト位置合わせデバイス1600として構成してもよい。更に、各々の送信素子2008〜2009は、
図2Aに関して本明細書で議論される送信素子200として構成してもよい。ホスト位置合わせデバイス2004〜2007及び送信素子2008〜2009は、ホストデバイス2000の筐体2001内に収容してもよい。
 
【0128】
  図20に更に示されるように、アクセサリデバイス2002は、アクセサリ位置合わせデバイス2010〜2011及び受信素子2012を含むことができる。各々のアクセサリ位置合わせデバイス2010〜2011は、
図17Aに関して本明細書で議論されるアクセサリ位置合わせデバイス1700として構成してもよい。更に、受信素子2012は、
図13Aに関して本明細書で議論される受信素子1300として構成してもよい。アクセサリ位置合わせデバイス2010〜2011及び受信素子2020は、アクセサリデバイス2002の筐体2013内に収容してもよい。本開示のいくつかの実施形態に従って、筐体2013は、中心軸2014を基準にして軸対称であってもよく(例えば、略円筒状)、その受信素子2012を送信素子2009によって生成される時間的に変化する磁束と相互作用させることによって、ホストデバイス2000から電力を受信する能力を有することができる。アクセサリデバイス2002は、そのアクセサリ位置合わせデバイス2010及び2011をそれぞれのホスト位置合わせデバイス2005及び2007と相互作用させることによって、電力を受信するためにホストデバイス2000との位置合わせを達成することができる。中心軸2014の周りの角回転の任意の角度においてホストデバイス2000と位置合わせし、ホストデバイス2000から電力を受信する能力を有することによって、アクセサリデバイス2002が電力を受信する容易さが実質的に改善される。
 
【0129】
  加えて又は代わりに、ホストデバイス2000は、アクセサリデバイス2003を無線で充電するように構成してもよい。アクセサリデバイス2003は、
図5及び8A〜8Bに関して本明細書で議論される送信素子に対向して配置されるときに、電荷を受信することができる受信素子2020を含むアクセサリデバイスであってもよい。よって、受信素子2020は、
図4における受信素子400並びに
図6、7A〜7B、8A〜8B、及び9における受信素子612として構成してもよい。そのような実施形態では、アクセサリデバイス2003は、
図6、7A〜7B、及8A〜8Bに関して本明細書で議論されるように、無線電力伝送を可能にするために、ホストデバイス2000と接触する平面部を有する筐体を含むことができる。受信素子2020に加えて、アクセサリデバイス2003はまた、アクセサリ位置合わせデバイス2022及び2024を含むことができる。アクセサリデバイス2003が完全な360度の角回転に沿った任意のポイントにおいて電荷を受信することができない場合があるので、位置合わせデバイス2022及び2024は、位置合わせデバイス2010及び2011のように、円筒状に構成する必要がない場合がある。代わりに、アクセサリ位置合わせデバイス2022及び2024は、略長方形であってもよく、位置合わせデバイス2010及び2011に対して必要なように筐体全体の周りに延在する必要はなく、その代わりに、アクセサリデバイス2003の1つの側面に接して配置することができる。しかしながら、それでもアクセサリ位置合わせデバイス2022及び2024は、位置合わせデバイス2010及び2011と同一の磁気構造を有するように構成してもよく、それは、それぞれのホスト位置合わせデバイス2004及び2006を磁気的に引き付け、ホスト位置合わせデバイス2004及び2006と位置合わせするために
図17A〜17Bに関して本明細書で議論されるように、アクセサリ位置合わせデバイス2022及び2024が、中心強磁性体構造と2つの側面強磁性体構造との間に配置された磁石の対を含むことができることを意味する。
 
【0130】
  ホストデバイス2000は、
図1に関して本明細書で議論されるホストデバイス101など、コンピューティングシステム、通信システム、センサシステム、メモリバンク、ユーザインタフェースシステム、バッテリ、及び電力送信回路のうちの少なくとも1つを有する任意の適切なポータブル電子デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、ホストデバイス2002は、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、又は任意の他の適切なデバイスである。加えて、アクセサリデバイス2002は、
図1におけるアクセサリデバイス103など、オペレーティングシステム、電力受信回路、及びバッテリを有する任意の適切な電子デバイスであってもよい。アクセサリデバイス2002は、ホストデバイス2000にデータを入力するように動作してもよい。例として、アクセサリデバイス2002は、ユーザがホストデバイス101と接触してホストデバイス101にデータを入力するために使用することができるスタイラス又はスマート鉛筆であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2002は、ホストデバイス2000の筐体2001と接触するように構成されたインタフェース端2016を含むことができる。例えば、インタフェース端2016は、鉛筆又はペンなどの従来の筆記用具の先端を真似るように先端に向かって先細る構造を有することができる。
 
【0131】
  図20は、4つのホスト位置合わせデバイス2004〜2007及び2つの送信素子2008〜2009を有するとしてのホストデバイス2000を示すが、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態は、更に多くの又は少ないホスト位置合わせデバイス及び送信素子を有することができる。更に、実施形態は、ホスト位置合わせデバイス2004〜2007及び送信素子2008〜2009がホストデバイス2000の任意の側面に配置された構成に限定されない。ホスト位置合わせデバイス2004〜2007及び送信素子2008〜2009は、ホストデバイス2000の最上部及び/又は底部の縁部など、アクセサリデバイス2002との電力伝送を可能にする任意の適切な位置に配置することができることが認識されよう。
 
【0132】
  上記議論された実施形態に加えて、以下の実施形態も本明細書で想定される。特定の実施形態では、受信素子は、強磁性体構造の長さに沿って配置された中心軸の周りで軸対称の強磁性体構造を含むことができる。強磁性体構造は、溝領域の互いに反対側にある2つの端領域を定める溝領域を含むことができ、溝領域は、2つの端領域よりも短い長さを有する。受信素子はまた、強磁性体構造の溝領域の周りに、2つの端領域の間で巻回されたインダクタコイルを含むことができる。
 
【0133】
  いくつかのケースでは、受信素子は更に、中心軸に沿って配置されたチャネルを含むことができる。強磁性体構造は、円筒状の形状であってもよい。端領域は、送信素子に向かって磁束の伝播を方向付けるように構成してもよい。いくつかの実施形態では、強磁性体構造は更に、インダクタコイルの厚さ以上の距離に延在する側壁を含む。側壁は、溝領域と2つの端領域との間に配置してもよい。
 
【0134】
  追加の実施形態では、誘導相互接続システムは、送信素子及び受信素子を含む。送信素子は、送信溝領域の互いに反対側に配置された2つの送信端領域を定める送信溝領域を有する送信強磁性体構造を含むことができ、送信溝領域は、2つの送信端領域よりも短い長さを有する。送信素子はまた、送信強磁性体構造の送信溝領域の周りに、2つの送信端領域の間で巻回された送信インダクタコイルを含むことができる。送信インダクタコイルは、送信強磁性体構造を通じて時間的に変化する磁束を生成するように構成することができる。受信素子は、受信強磁性体構造の長さ方向に沿って配置された中心軸の周りで軸対称の受信強磁性体構造を含むことができる。受信強磁性体構造は、受信溝領域の互いに反対側にある2つの受信端領域を定める受信溝領域を含むことができ、受信溝領域は、2つの受信端領域よりも短い長さを有する。受信素子はまた、受信強磁性体構造の受信溝領域の周りに、2つの受信端領域の間で巻かれた受信インダクタコイルを含むことができる。受信インダクタコイルは、時間的に変化する磁束によって誘導される電流を受信するように構成することができる。
 
【0135】
  送信端領域は各々、受信素子に面したそれぞれの送信インタフェース面を含むことができ、受信端領域は各々、送信素子に面したそれぞれの受信インタフェース面を含む。送信インタフェース面は、受信インタフェース面の少なくとも一部に面することができる。受信インタフェース面は、中心軸の周りで軸対称であってもよい。受信強磁性体構造は更に、中心軸に沿って配置されたチャネルを含むことができる。受信強磁性体構造は、円筒状の形状であってもよい。
 
【0136】
  いくつかの更なる実施形態では、ホストデバイスにデータを入力するスタイラスは、円筒状筐体、円筒状筐体内に配置された電力受信回路、円筒状筐体内に配置され、電力受信回路に接続された受信素子、並びに電力受信回路及び受信素子に接続され、ホストデバイスから電力を受信するように電力受信回路及び受信素子を動作させるように構成されたオペレーティングシステムを含むことができる。受信素子は、強磁性体構造の長さ方向に沿って配置された中心軸の周りで軸対称の強磁性体構造であって、強磁性体構造は、溝領域の互いに反対側にある2つの端領域を定める溝領域を含み、溝領域は、2つの端領域よりも短い長さを有する、強磁性体構造と、強磁性体構造の溝領域の周りに、2つの端領域の間で巻かれたインダクタコイルと、を含むことができる。
 
【0137】
  強磁性体構造は更に、中心軸に沿って配置されたチャネルを含むことができる。強磁性体構造は、円筒状の形状であってもよい。端領域は、送信素子に向かって磁束の伝播を方向付けるように構成してもよい。強磁性体構造は更に、インダクタコイルの厚さ以上の距離に延在する側壁を含むことができる。側壁は、溝領域と2つの端領域との間に配置してもよい。スタイラスは更に、ホストデバイスにデータを入力するためにホストデバイスと接触するように構成されたインタフェース端を含むことができる。インタフェース端は、先端に向かって先細る構造を有することができる。
 
【0138】
  いくつかの実施形態では、位置合わせデバイスは、垂直方向に配置された極を有する中心磁石、中心磁石の互いに反対の端に配置された第1及び第2の補強磁石、水平方向に配置された極を有する第1及び第2の補強磁石、並びに対応する第1及び第2の補強磁石の外側の端に配置された第1及び第2の強磁性体構造を含み、その結果、第1の補強磁石は、第1の強磁性体構造と中心磁石との間に配置され、第2の補強磁石は、第2の強磁性体構造と中心磁石との間に配置される。
 
【0139】
  第1及び第2の補強磁石は、極性において反対であってもよい。第1及び第2の強磁性体構造は各々、第1の幅を有することができ。中心磁石は、第1の幅よりも短い第2の幅を有することができる。位置合わせデバイスは更に、中心磁石と第1及び第2の補強磁石との間のインタフェース部に配置された面取り領域を含むことができる。面取り領域は、V字形の傾斜面から形成してもよく、傾斜面の最下端は、中心磁石と第1及び第2の補強磁石との間のインタフェース部に配置される。位置合わせデバイスは更に、中心磁石から最も遠く離れた位置合わせデバイスの外側の端に配置された外側面取り縁部を含むことができ、外側面取り縁部は、中心磁石から離れて下方向に傾斜する傾斜面から形成される。いくつかの例では、中心磁石は、第1の極性を有するインタフェース面、右側に向かって配向された第2の極性を有する第1の補強磁石、及び左側に向かって配向された第3の極性を有する第2の補強磁石を含むことができ、第1、第2、及び第3の極性は、同一の極性である。
 
【0140】
  いくつかの追加の実施形態では、位置合わせデバイスは、中心強磁性体構造と、中心強磁性体構造の互いに反対にある端に配置された第1及び第2の磁石であって、第1及び第2の磁石は、水平方向に配置された極端部を有する、第1及び第2の磁石と、第1の磁石が第1の側面強磁性体構造と中心強磁性体構造との間に配置され、第2の磁石が第2の側面強磁性体構造と中心強磁性体構造との間に配置されるように第1及び第2の磁石の端に配置された第1及び第2の側面強磁性体構造と、を含む。
 
【0141】
  第1及び第2の磁石は、極性において反対にあってもよい。位置合わせデバイスは、位置合わせデバイスの長さに沿って配置された中心軸の周りで軸対称であってもよい。位置合わせデバイスは更に、中心軸に沿って配置されたチャネルを含むことができる。位置合わせデバイスは、略円筒状であってもよい。
 
【0142】
  いくつかの更なる実施形態では、ポータブル電子デバイスは、筐体、筐体内に配置されたバッテリ、筐体内に配置され、ユーザインタフェース機能を実行するように構成されたディスプレイ、筐体内に配置され、ディスプレイに接続され、ユーザインタフェース機能を実行するようにディスプレイに指示するように構成されたプロセッサ、筐体内に配置された送信素子、並びにプロセッサ及びバッテリに接続された電力送信回路を含み、電力送信回路は、バッテリから送信素子に電力を経路指定するように構成されている。送信素子は、垂直方向に配置された極を有する中心磁石、中心磁石の互いに反対にある端に配置された第1及び第2の補強磁石、水平方向に配置された極を有する第1及び第2の補強磁石、並びに対応する第1及び第2の補強磁石の外側の端に配置された第1及び第2の強磁性体構造を含むことができ、その結果、第1の補強磁石は、第1の強磁性体構造と中心磁石との間に配置され、第2の補強磁石は、第2の強磁性体構造と中心磁石との間に配置される。
 
【0143】
  第1及び第2の補強磁石は、極性において反対であってもよい。第1及び第2の強磁性体構造は各々、第1の幅を有することができ、中心磁石は、第1の幅よりも短い第2の幅を有することができる。送信素子は更に、中心磁石と第1及び第2の補強磁石との間のインタフェース部に配置された面取り領域を含むことができる。面取り領域は、V字形の傾斜面から形成してもよく、傾斜面の最下端は、中心磁石と第1及び第2の補強磁石との間のインタフェース部に配置される。送信素子は更に、中心磁石から最も遠くに離れた位置合わせデバイスの外側の端に位置付けられた外側面取り縁部を含むことができ、外側面取り縁部は、中心磁石から離れて下方向に傾斜する傾斜面から形成される。いくつかのケースでは、中心磁石は、第1の極性を有するインタフェース面を含むことができ、第1の補強磁石は、右側に向かって配向された第2の極性を有することができ、第2の補強磁石は、左側に向かって配向された第3の極性を有することができ、第1、第2、及び第3の極性は、同一の極性である。ポータブル電子デバイスは、タブレットであってもよい。
 
【0144】
  本発明が特定の実施形態に関して説明されてきたが、本発明は、以下の請求項の範囲内にある全ての修正物及び同等物に及ぶことが意図されることが認識されよう。