(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の眼用レンズシステムにあっては、外界に設置された外部デバイスと無線伝送を行うため、無線伝送に必要な電力が大きいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、低電力で無線伝送を行うのに好適な眼用器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の眼用器具は、眼に装着可能な第1装着部及び第2装着部を備え、前記第1装着部は、電気又は電磁波を無線で送る送信手段を有し、前記第2装着部は、前記送信手段から電気又は電磁波を無線で受ける受信手段を有する。
【0008】
このような構成であれば、第1装着部及び第2装着部が眼に装着されると、送信手段及び受信手段により、第1装着部と第2装着部との間で無線伝送が行われる。
【0009】
ここで、第1装着部を眼に装着する態様としては、第1装着部を眼に直接装着すること、眼との間に1又は複数の媒体(例えば、部材)を介在させて第1装着部を眼に間接的に装着することが含まれる。第2装着部についても同様である。以下、発明10及び11の眼用器具において同じである。
【0010】
また、第1装着部は、人又は動物の眼球に装着可能なものとして、より具体的には、眼球に形状適合性を有する曲面状又は眼球の表面形状に沿った球面形状のものとして構成することができる。第2装着部についても同様である。以下、発明10及び11の眼用器具において同じである。
【0011】
また、送信手段としては、例えば、無線で信号を送信する信号送信機若しくはアンテナ、又は無線で給電を行う電力送信機若しくはアンテナが含まれる。また、受信手段としては、例えば、無線で信号を受信する信号受信機若しくはアンテナ、又は無線で給電を行う電力受信機若しくはアンテナが含まれる。以下、発明10及び11の眼用器具において同じである。
【0012】
また、眼用器具としては、例えば、眼用デバイス、薬剤供給補助具及び矯正具が含まれる。眼用デバイスとしては、例えば、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス、及び(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイスが含まれる。これらのうち(3)の機能としては、例えば、認証装置等に対し認証情報を投影する機能が挙げられる。また、眼用デバイスとしては、例えば、(1)光学デバイス(例えば、レンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ)、及び(2)電子デバイス(例えば、カメラ、投影機、センサ)が含まれる。以下、発明10及び11の眼用器具において同じである。
【0013】
〔発明2〕 さらに、発明2の眼用器具は、発明1の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部は、眼球の表面に装着可能なものである。
【0014】
〔発明3〕 さらに、発明3の眼用器具は、発明2の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部の一方は、他方よりも結膜外縁側に配置される。
【0015】
〔発明4〕 さらに、発明4の眼用器具は、発明2及び3のいずれか1の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部は、眼球の面方向に配置される。
【0016】
〔発明5〕 さらに、発明5の眼用器具は、発明1乃至3のいずれか1の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部は、眼球の径方向に配置される。
【0017】
〔発明6〕 さらに、発明6の眼用器具は、発明1の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部の一方は、眼球の表面に装着可能なものであり、他方は眼球内に装着可能なものである。
【0018】
〔発明7〕 さらに、発明7の眼用器具は、発明1の眼用器具において、前記第1装着部及び前記第2装着部は、眼球内に装着可能なものである。
【0019】
〔発明8〕 さらに、発明8の眼用器具は、発明1乃至7のいずれか1の眼用器具において、前記受信手段は、所定以上の出力の無線については受信を拒否する。
【0020】
〔発明9〕 さらに、発明9の眼用器具は、眼に装着可能な第1装着部及び第2装着部を備え、前記第1装着部は、電気又は電磁波を伝送するための第1接続端子を有し、前記第2装着部は、前記第1接続端子と電気的に接続可能な第2接続端子を有する。
【0021】
〔発明10〕 さらに、発明10の眼用器具は、発明1乃至9のいずれか1の眼用器具における前記第1装着部である。
【0022】
〔発明11〕 さらに、発明11の眼用器具は、発明1乃至9のいずれか1の眼用器具における前記第2装着部である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、発明1の眼用器具によれば、眼に装着される第1装着部と第2装着部との間の近距離で無線伝送が実現できればよいので、従来に比して、低電力で無線伝送を行うことができる。
【0024】
さらに、発明3の眼用器具によれば、眼球の動作によって第1装着部及び第2装着部が動き、その動きに差が生じても伝送が阻害される可能性又は度合いを低減することができる。
【0025】
さらに、発明8の眼用器具によれば、所定以上の出力では無線伝送を行うことが困難となるので、第1装着部及び第2装着部との間の無線伝送についてセキュリティを向上することができる。
【0026】
さらに、発明9の眼用器具によれば、第1装着部と第2装着部との間で有線伝送が行われるので、無線伝送に比して、伝送効率を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1及び
図2は、本実施の形態を示す図である。
【0029】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、コンタクトレンズ10の正面図である。
【0030】
コンタクトレンズ10は、
図1に示すように、眼球の表面に装着可能な内装着部12と、眼球の表面に装着可能な外装着部14とを有して構成されている。内装着部12及び外装着部14は眼球の面方向に配置され、外装着部14は、内装着部12よりも外側(結膜外縁側)に配置される。
【0031】
内装着部12は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成されている。内装着部12は、公知のソフトコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状であり、全体として球殻形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。また、平面形状が全体として円形状となっている。内装着部12は角膜領域(装着時に角膜に位置する領域)を覆い、その外径は角膜領域よりもやや大径となっている。
【0032】
内装着部12には、電子デバイス30が内蔵されている。電子デバイス30は、内装着部12の厚さよりも薄く形成され、瞳孔領域(装着時に瞳孔に位置する領域)を避け内装着部12の同心円上に環状に形成されている。
【0033】
内装着部12には、ループアンテナ16aが内蔵されている。ループアンテナ16aは、電子デバイス30よりも外側に形成され、内装着部12の周縁に沿って全周にわたって形成されている。ループアンテナ16aには、電子デバイス30が接続されている。
【0034】
電子デバイス30は、外装着部14のループアンテナ16bから無線送信される信号をループアンテナ16aを介して受信する受信部と、受信部で受信した信号に基づいて情報処理を行う情報処理部とを有して構成されている。電子デバイス30としては、例えば、特開2017−198984に開示される電子デバイスを採用することができる。
【0035】
外装着部14は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成されている。外装着部14は、公知のソフトコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状であり、全体として球殻形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。また、平面形状が全体として円形状となっている。外装着部14の中央には、内装着部12の装着領域を開口する貫通孔が形成されている。公知のソフトコンタクトレンズと異なる点の一つはサイズが大きい点であり、装着時に眼瞼裏側の深部にまで及ぶ領域を有している。
【0036】
外装着部14には、ループアンテナ16bが内蔵されている。ループアンテナ16bは、外装着部14の周縁に沿って全周にわたって形成されている。外装着部14は、さらに、信号を伝送するためのケーブル16cを有して構成されている。ケーブル16cは、絶縁性の素材で形成され、信号線32が同軸上に配線されている。信号線32は、ループアンテナ16bに接続されている。ケーブル16cの一端は、外装着部14のうち装着時に右眼角(右目の場合は内眼角をいい、左目の場合は外眼角をいう。)に臨む周縁に接続され、他端は、眼の外側に設置されるコントロールデバイス(不図示)に接続されている。コントロールデバイスは、例えば、眼鏡、ゴーグル、帽子、マスク、フェイスマスク、鼻当て、耳などに取り付けることができる。
【0037】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図2は、コンタクトレンズ10の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図2(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0038】
使用者は、
図2に示すように、内装着部12及び外装着部14を装着する。ケーブル16cは、外装着部14のうち右眼角に臨む周縁に接続されているので、上眼瞼26a及び下眼瞼26bの軌道をなるべく避け右眼角から引き出すことができる。右眼角から引き出したケーブル16cは、眼20の外側で安定して維持できるようシール18で固定する。内装着部12は、角膜24上に重ね合わされて装用されることにより使用者の眼光学系に光学特性を与える。また、装用時は、電子デバイス30により眼20に関する情報の収集等が行われる。
【0039】
眼20の外側に設置されるコントロールデバイスでは、電子デバイス30を制御するための信号、電子デバイス30の情報処理部で情報処理に必要な信号その他の信号が送信される。コントロールデバイスからの信号は、ケーブル16cの信号線32を介してループアンテナ16bに伝送される。外装着部14では、ループアンテナ16bを介してコントロールデバイスからの信号が無線で送信される。内装着部12では、ループアンテナ16bから無線送信された信号がループアンテナ16aで受信される。電子デバイス30では、ループアンテナ16aを介して受信部により信号を受信し、受信した信号に基づいて情報処理部により情報処理が行われる。
【0040】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、コンタクトレンズ10は、眼球の表面に装着可能な内装着部12と、眼球の表面に装着可能な外装着部14とを備え、内装着部12及び外装着部14には、無線伝送を行うためのループアンテナ16a、16bがそれぞれ内蔵されている。
【0041】
これにより、眼球の表面に装着される内装着部12と外装着部14との間の近距離で無線伝送が実現できればよいので、従来に比して、低電力で無線伝送を行うことができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、外装着部14は、内装着部12よりも外側(結膜外縁側)に配置される。
【0043】
これにより、眼球の動作によって内装着部12及び外装着部14が動き、その動きに差が生じても伝送が阻害される可能性又は度合いを低減することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、外装着部14は、信号を伝送するためのケーブル16cを備え、ケーブル16cは、外装着部14のうち装着時に右眼角に臨む縁部に接続する。
【0045】
これにより、上眼瞼26a及び下眼瞼26bの軌道をなるべく避けケーブル16cを右眼角から引き出すことができるので、上眼瞼26a又は下眼瞼26bとの干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0046】
さらに、本実施の形態では、ケーブル16cは、外装着部14の周縁に接続する。
これにより、上眼瞼26a又は下眼瞼26bとの干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
【0047】
さらに、本実施の形態では、コンタクトレンズ10は、ケーブル16cを眼20の外側で固定するシール18を備える。
【0048】
これにより、ケーブル16cを眼20の外側で安定して維持することができる。
本実施の形態において、内装着部12は、発明1乃至4又は11の第2装着部に対応し、外装着部14は、発明1乃至4又は10の第1装着部に対応し、ループアンテナ16aは、発明1の受信手段に対応し、ループアンテナ16bは、発明1の送信手段に対応している。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図3及び
図4は、本実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図3は、コンタクトレンズ10の正面図である。
【0051】
図4は、コンタクトレンズ10の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図4(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0052】
コンタクトレンズ10は、
図3に示すように、内装着部12と、外装着部14とを有して構成されている。上記第1の実施の形態と異なる点は、内装着部12に電子デバイス30が内蔵されていない点である。
【0053】
眼球内には、
図4に示すように、角膜に代えて人工角膜24aが装着されている。人工角膜24aは、角膜とほぼ同じ形状であり、全体として球殻形状となっている。また、平面形状が全体として円形状となっている。人工角膜24a及び内装着部12は眼球の径方向に配置される。
【0054】
人工角膜24aには、電子デバイス30が内蔵されている。電子デバイス30は、透光性の部材で部材からなり、人工角膜24aの厚さよりも薄く形成されている。電子デバイス30は瞳孔領域を覆い、その外径は瞳孔領域よりもやや大径となっている。
【0055】
人工角膜24aには、アンテナ16dが内蔵されている。アンテナ16dは、電子デバイス30の上方に形成されている。アンテナ16dには、電子デバイス30が接続されている。
【0056】
電子デバイス30は、内装着部12のループアンテナ16aから無線送信される信号をアンテナ16dを介して受信する受信部と、受信部で受信した信号に基づいて情報処理を行う情報処理部とを有して構成されている。
【0057】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
眼20の外側に設置されるコントロールデバイスでは、電子デバイス30を制御するための信号、電子デバイス30の情報処理部で情報処理に必要な信号その他の信号が送信される。コントロールデバイスからの信号は、ケーブル16cの信号線32を介してループアンテナ16bに伝送される。外装着部14では、ループアンテナ16bを介してコントロールデバイスからの信号が無線で送信される。内装着部12では、ループアンテナ16bから無線送信された信号がループアンテナ16aで受信され、ループアンテナ16aを介して再び無線で送信される。人工角膜24aでは、ループアンテナ16aから無線送信された信号がアンテナ16dで受信される。電子デバイス30では、アンテナ16dを介して受信部により信号を受信し、受信した信号に基づいて情報処理部により情報処理が行われる。
【0058】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、眼球の表面に装着可能な内装着部12と、眼球内に装着された人工角膜24aとを備え、内装着部12及び人工角膜24aには、無線伝送を行うためのループアンテナ16a及びアンテナ16dがそれぞれ内蔵されている。
【0059】
これにより、内装着部12と人工角膜24aとの間の近距離で無線伝送が実現できればよいので、従来に比して、低電力で無線伝送を行うことができる。
【0060】
本実施の形態において、内装着部12は、発明1、6又は10の第1装着部に対応し、人工角膜24aは、発明1、6又は11の第2装着部に対応し、ループアンテナ16aは、発明1の送信手段に対応し、アンテナ16dは、発明1の受信手段に対応している。
【0061】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図5及び
図6は、本実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図5は、コンタクトレンズ10の正面図である。
【0063】
図6は、コンタクトレンズ10の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図6(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0064】
コンタクトレンズ10は、
図5に示すように、眼球の表面に装着可能な装着部12aを有して構成されている。装着部12aは、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成されている。装着部12aは、公知のソフトコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状であり、全体として球殻形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。また、平面形状が全体として横に涙型となっている。
【0065】
装着部12aには、ループアンテナ16aが内蔵されている。ループアンテナ16aは、装着部12aの周縁に沿って全周にわたって形成されている。装着部12aは、さらにケーブル16cを有して構成されている。信号線32は、ループアンテナ16aに接続されている。ケーブル16cの一端は、装着部12aのうち装着時に右眼角に臨む周縁に接続されている。ケーブル16cの基端(装着部12aとの接点)は、上下方向に幅広となっており、他端に向かうほど先細りになっている。
【0066】
眼球内には、
図6に示すように、水晶体に代えて人工水晶体28が装着されている。人工水晶体28は、水晶体とほぼ同じ形状であり、全体として凸レンズ状となっている。また、平面形状が全体として円形状となっている。人工水晶体28及び装着部12aは眼球の径方向に配置される。
【0067】
人工水晶体28には、電子デバイス30が内蔵されている。電子デバイス30は、透光性の部材で部材からなり、人工水晶体28の厚さよりも薄く形成されている。電子デバイス30は瞳孔領域の中心付近に位置し、その外径は瞳孔領域よりも小径となっている。
【0068】
人工水晶体28には、アンテナ16eが内蔵されている。アンテナ16eは、電子デバイス30の上方に形成されている。アンテナ16eには、電子デバイス30が接続されている。
【0069】
電子デバイス30は、装着部12aのループアンテナ16aから無線送信される信号をアンテナ16eを介して受信する受信部と、受信部で受信した信号に基づいて情報処理を行う情報処理部とを有して構成されている。
【0070】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
眼20の外側に設置されるコントロールデバイスでは、電子デバイス30を制御するための信号、電子デバイス30の情報処理部で情報処理に必要な信号その他の信号が送信される。コントロールデバイスからの信号は、ケーブル16cの信号線32を介してループアンテナ16aに伝送される。装着部12aでは、ループアンテナ16aを介してコントロールデバイスからの信号が無線で送信される。人工水晶体28では、ループアンテナ16aから無線送信された信号がアンテナ16eで受信される。電子デバイス30では、アンテナ16eを介して受信部により信号を受信し、受信した信号に基づいて情報処理部により情報処理が行われる。
【0071】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、眼球の表面に装着可能な装着部12aと、眼球内に装着された人工水晶体28とを備え、装着部12a及び人工水晶体28には、無線伝送を行うためのループアンテナ16a及びアンテナ16eがそれぞれ内蔵されている。
【0072】
これにより、装着部12aと人工水晶体28との間の近距離で無線伝送が実現できればよいので、従来に比して、低電力で無線伝送を行うことができる。
【0073】
さらに、本実施の形態では、ケーブル16cの基端は、上下方向に幅広となっている。
これにより、ケーブル16cの基端を丈夫にすることができる。
【0074】
さらに、本実施の形態では、装着部12aは、平面形状が全体として横に涙型となっている。
【0075】
これにより、眼瞼や眼球の動き等によりコンタクトレンズ10が眼球の表面上で回転する可能性又は度合いを低減することができる。
【0076】
本実施の形態において、装着部12aは、発明1、6又は10の第1装着部に対応し、人工水晶体28は、発明1、6又は11の第2装着部に対応し、ループアンテナ16aは、発明1の送信手段に対応し、アンテナ16eは、発明1の受信手段に対応している。
【0077】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
図7は、本実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第2の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図7は、コンタクトレンズ10の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図7(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0079】
人工角膜24aには、
図7に示すように、電子デバイス30a(上記第2の実施の形態における電子デバイス30に相当)が内蔵されている。
【0080】
眼球内には、水晶体に代えて、上記第3の実施の形態における人工水晶体28が装着されている。人工水晶体28には、電子デバイス30b(上記第3の実施の形態における電子デバイス30に相当)が内蔵されている。人工水晶体28、人工角膜24a及び内装着部12は眼球の径方向に配置される。
【0081】
内装着部12の後面には、接続端子18aが設けられている。接続端子18aは、ループアンテナ16aに接続されている。また、人工角膜24aの前面のうち接続端子18aに対向する位置には、接続端子18aと電気的に接続可能な接続端子18bが設けられている。接続端子18bは、電子デバイス30aに接続されている。
【0082】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
使用者は、内装着部12及び外装着部14を装着する。内装着部12が装着されると、接続端子18a、18bが接触し電気的に接続される。
【0083】
眼20の外側に設置されるコントロールデバイスでは、電子デバイス30aを制御するための信号、電子デバイス30aの情報処理部で情報処理に必要な信号その他の信号が送信される。コントロールデバイスからの信号は、ケーブル16cの信号線32を介してループアンテナ16bに伝送される。外装着部14では、ループアンテナ16bを介してコントロールデバイスからの信号が無線で送信される。内装着部12では、ループアンテナ16bから無線送信された信号がループアンテナ16aで受信され、接続端子18aから出力される。人工角膜24aでは、接続端子18bから入力された信号が電子デバイス30aの受信部で受信される。電子デバイス30aでは、信号を受信すると、受信した信号に基づいて情報処理部により情報処理が行われる。
【0084】
電子デバイス30aでは、情報処理部により、電子デバイス30bを制御するための信号、電子デバイス30bの情報処理部で情報処理に必要な信号その他の信号がアンテナ16dを介して無線で送信される。人工水晶体28では、アンテナ16dから無線送信された信号がアンテナ16eで受信される。電子デバイス30bでは、アンテナ16eを介して受信部により信号を受信し、受信した信号に基づいて情報処理部により情報処理が行われる。
【0085】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、眼球内に装着された人工角膜24aと、眼球内に装着された人工水晶体28とを備え、人工角膜24a及び人工水晶体28には、無線伝送を行うためのアンテナ16d、16eがそれぞれ内蔵されている。
【0086】
これにより、人工角膜24aと人工水晶体28との間の近距離で無線伝送が実現できればよいので、従来に比して、低電力で無線伝送を行うことができる。
【0087】
さらに、本実施の形態では、内装着部12及び人工角膜24aは、接続端子18a、18bにより電気的に接続可能となっている。
【0088】
これにより、内装着部12と人工角膜24aとの間で有線伝送が行われるので、伝送効率を向上することができる。
【0089】
本実施の形態において、人工角膜24aは、発明1、7又は10の第1装着部に対応し、人工水晶体28は、発明1、7又は11の第2装着部に対応し、アンテナ16dは、発明1の送信手段に対応し、アンテナ16eは、発明1の受信手段に対応している。
【0090】
本実施の形態において、内装着部12は、発明9又は10の第1装着部に対応し、人工角膜24aは、発明9又は11の第2装着部に対応している。
【0091】
〔変形例〕
なお、上記第1乃至第4の実施の形態においては、信号を無線で伝送するように構成したが、これに限らず、電力を無線で伝送するように構成することもできる。電力を無線で伝送する方式としては、例えば、給電側と受電側の2つのコイルが起こす磁束によって電力を伝送する電磁誘導方式、給電側と受電側の2つのコイルが起こす磁気共鳴によって電力を伝送する磁気共鳴方式、又は電気をマイクロ波に変換して電力を伝送するマイクロ波方式を採用することができる。
【0092】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、信号を電波で伝送するように構成したが、これに限らず、光信号を無線で伝送するように構成することもできる。
【0093】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例において、内装着部12、外装着部14、装着部12a、人工角膜24a又は人工水晶体28に対しては送信機能又は受信機能を任意に設定することができる。上記第1の実施の形態を例にとれば、信号を伝送する場合は、(1)無線で信号を送信する信号送信機を内装着部12に、信号送信機からの無線信号を受信する信号受信機を外装着部14に設ける構成、(2)信号送信機を外装着部14に、信号受信機を内装着部12に設ける構成、又は(3)信号送信機の送信機能及び信号受信機の受信機能を有する信号送受信機を内装着部12に、内装着部12の信号送受信機との間で無線信号を送受信する信号送受信機を外装着部14に設ける構成を採用することができる。構成(1)〜(3)において、外装着部14と眼20の外側との間は、ケーブル16cを用いて有線接続してもよいし、本変形例と同様にケーブル16cを用いず無線接続してもよい。
【0094】
電力を伝送する場合は、(1)ループコイル等を用いて無線で給電を行う電力送信機を外装着部14に、ループコイル等を用いて電力送信機から無線で受電を行う電力受信機を内装着部12に設ける構成、(2)電力送信機を内装着部12に、電力受信機を外装着部14に設ける構成、(3)電力送信機の給電機能及び電力受信機の受電機能を有する電力送受信機を外装着部14に、外装着部14の電力送受信機との間で無線で給電及び受電を行う電力送受信機を内装着部12に設ける構成を採用することができる。構成(1)〜(3)において、外装着部14と眼20の外側との間は、ケーブル16cを用いて有線接続してもよいし、本変形例と同様にケーブル16cを用いず無線接続してもよい。
【0095】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、信号の伝送方向について特に説明しなかったが、伝送方向は任意である。例えば、コントロールデバイスから電子デバイス30、30a、30bに信号又は電力を伝送する方向(内向き方向)、電子デバイス30、30a、30bからコントロールデバイスに信号又は電力を伝送する方向(外向き方向)、並びに内向き方向及び外向き方向の双方向が挙げられる。
【0096】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、ループアンテナ16bとループアンテナ16aとの間で無線伝送を行い、ループアンテナ16aとアンテナ16dとの間で無線伝送を行うように構成したが、これに限らず、ループアンテナ16a、16b及びアンテナ16dとの間で相互に無線伝送を行うように構成することもできる。また、外部の通信機器並びにループアンテナ16a、16b及びアンテナ16dとの間で相互に無線伝送を行うように構成することもできる。これらの構成において、無線伝送を行う対象の組み合わせは任意である。
【0097】
また、上記第4の実施の形態及びその変形例においては、ループアンテナ16bとループアンテナ16aとの間で無線伝送を行い、アンテナ16dとアンテナ16eとの間で無線伝送を行うように構成したが、これに限らず、ループアンテナ16a、16b及びアンテナ16d、16eとの間で相互に無線伝送を行うように構成することもできる。また、外部の通信機器並びにループアンテナ16a、16b及びアンテナ16d、16eとの間で相互に無線伝送を行うように構成することもできる。これらの構成において、無線伝送を行う対象の組み合わせは任意である。
【0098】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、無線伝送のセキュリティについて特に説明しなかったが、セキュリティを向上する観点から、例えば、所定以上の出力の無線については受信を拒否するように構成することもできる。また、所定以上の出力の無線を受信し、それが復号可能なアクセスである場合は、不正なアクセスである可能性があることから一定期間受信を受け付けないように構成することもできる。すなわち、無線出力をキーとして無線伝送を制御することができる。この機能は、例えば、電子デバイス30、30a、30bに設けることができる。
【0099】
また、上記第4の実施の形態及びその変形例においては、内装着部12及び人工角膜24aを接続端子18a、18bで眼球の径方向に電気的に接続したが、これに限らず、接続端子で眼球の面方向に接続してもよい。接続端子で接続する方向は任意である。例えば、上記第1の実施の形態のように内装着部12及び外装着部14を眼球の面方向に配置する場合は、内装着部12及び外装着部14を接続端子で眼球の面方向に電気的に接続することができる。
【0100】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、ループアンテナ16a、16b又はアンテナ16d、16eの形状等を例示したが、これに限らず、ループアンテナ16a、16b又はアンテナ16d、16eは、任意の数、任意の方向、任意の大きさ、任意の形状、任意の材質で形成することができる。
【0101】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、ケーブル16cの接続位置等を例示したが、これに限らず、ケーブル16cは、任意の数、任意の方向、任意の大きさ、任意の形状、任意の材質で形成することができ、外装着部14又は装着部12aの任意の箇所に接続することができる。
【0102】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、ケーブル16cを外装着部14又は装着部12aに一体に接続したが、これに限らず、コネクタ等の連結部を設け、ケーブル16cを外装着部14又は装着部12aから着脱可能とする構成を採用することもできる。この場合、連結部は、外装着部14又は装着部12aに設けてもよいし、ケーブル16cの途中に設けてもよい。
【0103】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、ケーブル16cの幅について特に説明しなかったが、ケーブル16cの幅は任意であり、例えば、伸長方向に一定であってもよいし、伸長方向に変化していてもよい。
【0104】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、ケーブル16cは、絶縁性の素材で構成したが、これに限らず、ケーブル16cの材質は任意であり、例えば、信号線32が絶縁性の素材で被覆されている場合は、ケーブル16cは必ずしも絶縁性の素材で構成する必要はない。また、ケーブル16cの素材は、外装着部14又は装着部12aの素材と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0105】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例において、ケーブル16cは、シール18で固定したが、これに限らず、眼鏡、ゴーグル、帽子、マスク、フェイスマスク、鼻当てその他の固定手段で固定することもできる。
【0106】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例において、ケーブル16cは、他端をコントロールデバイスに接続したが、これに限らず、コンタクトレンズ10との間でケーブル16cを介して電気又は電磁波の伝送を行うものであれば任意の機器、装置、器具、治具に接続することができる。例えば、他方の眼に装着されたコンタクトレンズ10の電子デバイス30、中継器(無線中継器、リピータ、スイッチ、ハブ、ブリッジ、ルータ等)、バッテリーなどに接続することができる。
【0107】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、内装着部12、外装着部14又は装着部12aに薬剤シート等を付着させて薬剤供給補助具として使用することもできる。
【0108】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、内装着部12、外装着部14又は装着部12aの形状等を例示したが、これに限らず、内装着部12、外装着部14又は装着部12aは、任意の大きさ、任意の形状、任意の材質で形成することができる。
【0109】
また、上記第1、第2及び第4の実施の形態並びにその変形例において、内装着部12又は外装着部14は、平面形状を全体として円形状に形成したが、これに限らず、任意の形状を採用することができる。例えば、全体として縦長楕円形状に形成すれば、内装着部12又は外装着部14に薬剤シート等を付着させて薬剤供給補助具として使用する場合は、結膜の深部まで薬剤を供給しやすい。また、全体として横長楕円形状に形成すれば、結膜炎等の症状時に眼瞼結膜への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0110】
また、上記第3の実施の形態及びその変形例において、装着部12aは、平面形状を全体として横に涙型に形成したが、これに限らず、任意の形状を採用することができる。例えば、全体として縦長楕円形状に形成すれば、装着部12aに薬剤シート等を付着させて薬剤供給補助具として使用する場合は、結膜の深部まで薬剤を供給しやすい。また、全体として横長楕円形状に形成すれば、結膜炎等の症状時に眼瞼結膜への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0111】
また、上記第1、第2及び第4の実施の形態及びその変形例において、外装着部14は、眼瞼結膜円蓋部に接触しない程度の大きさとして構成したが、これに限らず、眼瞼結膜円蓋部に位置(接触又は近接)するように構成することもできる。
【0112】
また、上記第3の実施の形態及びその変形例において、装着部12aは、眼瞼結膜円蓋部に接触しない程度の大きさとして構成したが、これに限らず、眼瞼結膜円蓋部に位置(接触又は近接)するように構成することもできる。
【0113】
また、上記第1の実施の形態及びその変形例においては、電子デバイス30を内装着部12に内蔵して構成したが、これに限らず、例えば、2枚のコンタクトレンズで内装着部12を構成し、2枚のコンタクトレンズの間に電子デバイス30を挟持してもよい。この場合、2枚のコンタクトレンズは、一部を結合してもよいし、結合可能な結合構造(ねじ構造や嵌合構造等)を設けてもよい。また、他の構成として、電子デバイス30に吸盤等の吸着手段を設け、吸着手段により内装着部12に吸着させてもよい。この変形例は、上記第2乃至第4の実施の形態並びにその変形例についても同様に適用することができる。
【0114】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、コンタクトレンズ10を眼球に直接装着したが、これに限らず、1又は複数の媒体(例えば、部材)を介してコンタクトレンズ10を間接的に眼球に装着することもできる。
【0115】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例において、コンタクトレンズ10は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成したが、これに限らず、ハードコンタクトレンズと同一の材質その他の材質で構成することもできる。例えば、薬剤その他の眼用装着物として構成することができる。
【0116】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例において、内装着部12又は装着部12aは、角膜領域を開口する貫通孔を形成しなかったが、これに限らず、角膜領域を開口する貫通孔を形成することもできる。貫通孔は、角膜領域を開口する孔に限定されることなく、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に形成することができる。例えば、貫通孔は、少なくとも瞳孔領域(装着時に瞳孔22に位置する領域)を開口する孔として形成することもできるし、内装着部12又は装着部12aの面方向に開口させることもできる。また、眼球の動き量は上下方向よりも左右方向の方が大きいので、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減する観点からは、貫通孔の幅(横方向の長さ)は貫通孔の高さ(縦方向の長さ)よりも大きくする構成を採用することができる。同様の観点から、眼球の上下方向の動き量は下方向よりも上方向の方が大きいので、貫通孔において装着時に正面を向いた角膜24の中心に位置する基準点から上端までの長さは、同基準点から下端までの長さよりも大きくする構成を採用することができる。この2点を考慮すると、貫通孔は、例えば、上部が膨張する横長楕円形状(幅が高さよりも大きく、基準点から上端までの長さが下端までの長さよりも大きい形状)とする構成を採用することができる。この場合、眼瞼や眼球の動き等により内装着部12又は装着部12aが眼球の表面上で回転すると、角膜24に対する貫通孔の相対位置が変化してしまうので、内装着部12又は装着部12aが回転する可能性又は度合いを低減する観点からは、例えば、装着部12aの上縁が上眼瞼結膜円蓋部に、下縁が眼瞼結膜円蓋部に位置(接触又は近接)するように装着部12aの大きさを設定する構成を採用することができる。また、内装着部12又は装着部12aに形成する孔は、貫通孔に限らず、前面を開口とする凹部(一部又は全部が底となる場合を含む。以下、同様である。)又は後面を開口とする凹部(以下これらを総称して「凹部」という。)として形成することもできる。
【0117】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、本発明をコンタクトレンズ10に適用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用装着物であれば任意の眼用装着物に適用することができる。眼用装着物としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、(5)薬剤、(6)サプリメント、(7)磁性流体、又は(8)その他の眼用装着物を採用することができる。ここで、眼用装着物が電子デバイスの場合、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、投影機)、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、ディスプレイ)、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)、又は(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)を採用することができる。また、電子デバイスに代えて光学デバイスその他の眼用デバイスを採用する場合も、同様に上記(1)〜(6)の機能を備えるデバイスを採用することができる。また、眼用装着物がハードコンタクトレンズの場合、ハードコンタクトレンズが眼球に直接接触しにくいので装用感を向上することができる。
【0118】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、コンタクトレンズ10を眼用器具として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用器具であれば任意の眼用器具を採用することができる。眼用器具としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、又は(5)その他の眼用器具を採用することができる。また、コンタクトレンズ10としては、これら(1)〜(5)以外に、眼に装着可能な眼用装着物を採用することができる。眼用装着物としては、例えば、これら(1)〜(5)以外に、(6)薬剤、(7)サプリメント、(8)磁性流体、又は(9)その他の眼用装着物を採用することができる。
【0119】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、本発明に係る眼用器具を眼球の表面又は眼球内に装着したが、さらに例えば、人工虹彩、人工硝子体、人工網膜、眼内デバイス(例えば、虹彩の前側又は後側に留置される眼用デバイス、その他眼球内に留置される眼用デバイスを含む。)又はその機能を補完するものとして構成し、眼球内に装着することもできる。
【0120】
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例は相互に適用することができる。
また、上記第1乃至第4の実施の形態及びその変形例においては、コンタクトレンズ10に本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。