(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のように鋼材のフランジ部を挟持するだけの接合方法では、例えば大規模地震発生時に激しい横揺れなどが発生すると、フランジ部と吊り下げ部材との接合部が鋼材の長手方向に沿って滑り易いという問題がある。接合部が鋼材の長手方向に沿って滑ることにより、フランジ部に対する接合部の位置が移動すると、例えば吊り下げ部材に取り付けられている各種配管やケーブル類を破損するおそれがある。それ故、フランジ部と各種部材との接合部は、鋼材の長手方向に沿って滑り難い構造とすることが望まれている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、H形鋼などで構成される建造物の構造体に各種部材を取り付けるための金具であって、構造体の強度をあまり低下させることなく、構造体の長手方向に沿って滑り難い構造にして接合位置を固定できるようにした構造体接合金具
、構造体接合構造、接合部材及び構造体接合方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、
構造体(9)のフランジ部(9c)に接合させた状態に取り付けられる構造体接合金具(1)であって、前記フランジ部(9c)と接合するプレート部材(10)と、前記プレート部材(10)の前記フランジ部(9c)と対向する面に設けられる
微小粒状体(7)と、を備え、
微小粒状体(7)は、前記プレート部材(10)が前記フランジ部(9c)と接合したとき
、前記プレート部材(10)及び前記フランジ部(9c)
のそれぞれに埋没することを特徴とする構成である。
【0009】
この第1の構成によれば、プレート部材がフランジ部と接合した状態になると、
微小粒状体が
プレート部材及びフランジ部
のそれぞれに埋没するため、構造体接合金具の位置ずれを未然に防止することができるようになる。
【0010】
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する構造体接合金具(1)において、前記プレート部材(10)を前記フランジ部(9c)に押圧して締着する締着手段(41,42,71)を更に備え、前記
微小粒状体(7)は、前記プレート部材(10)の前記フランジ部(9c)と対向する面において、前記締着手段(41,42,71)による押圧力が作用する位置、又は、前記締着手段(41,42,71)による押圧力が作用する位置の近傍位置に設けられることを特徴とする構成である。
【0011】
第2の構成によれば、締着手段による押圧力が
微小粒状体に作用するため、
微小粒状体を
プレート部材及びフランジ部
のそれぞれに対して適切に埋没させることができる。
【0012】
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有する構造体接合金具(1)において、前記
微小粒状体(7)は、前記プレート部材(10)の前記フランジ部(9c)と対向する面において、前記フランジ部(9c)のエッジ部分と対向する位置に設けられることを特徴とする構成である。
【0013】
第3の構成によれば、締着手段による押圧力によって仮にプレート部材が撓んだとしても、プレート部材が
微小粒状体に対して適切に押圧力を作用させることができ、
微小粒状体を
プレート部材及びフランジ部
のそれぞれに対して適切に埋没させることができる。
【0015】
第
4に、本発明は、上記第
1乃至第3のいずれかの構成を有する構造体接合金具(1)において、前記微小粒状体(7)は、鋼球であることを特徴とする構成である。
【0016】
第
5に、本発明は、上記第1乃至第
4のいずれかの構成を有する構造体接合金具(1)において、前記
微小粒状体(7)は、前記フランジ部(9c)と対向する面に複数配置されることを特徴とする構成である。
【0017】
第
6に、本発明は、
構造体(9)のフランジ部(9c)を挟み込んで固定する構造体接合金具(1)であって、前記フランジ部(9c)の一方の面側に配置される第1プレート部材(10)と、前記フランジ部(9c)の他方の面側に配置される第2プレート部材(30)と、前記フランジ部(9c)の幅方向外側において前記第1プレート部材(10)と前記第2プレート部材(30)との間に配置され、前記フランジ部(9c)と同一の厚さを有するスペーサ(20)と、を備え、前記フランジ部(9c)の幅方向外側において、前記第1プレート部材(10)、前記スペーサ(20)及び前記第2プレート部材(30)のそれぞれに設けられた孔(12,22,32)にボルト(41)が締着されることにより、前記第1プレート部材(10)が前記フランジ部(9c)の一方の面と接合すると共に、前記第2プレート部材(30)が前記フランジ部(9c)の他方の面と接合し、前記第1プレート部材(10)及び前記第2プレート部材(30)の少なくとも一方の前記フランジ部(9c)と対向する面には、
前記第1プレート部材(10)及び前記第2プレート部材(30)の少なくとも一方と、前記フランジ部(9c)とのそれぞれに埋没する微小粒状体(7)が設けられることを特徴とする構成である。
【0018】
この第
6の構成によれば、第1プレート部材(10)及び第2プレート部材(30)のそれぞれがフランジ部(9c)と接合した状態になると、
微小粒状体(7)が
第1プレート部材(10)及び第2プレート部材(30)の少なくとも一方とフランジ部(9c)
とのそれぞれに埋没するため、構造体接合金具(1)の位置ずれを未然に防止することができるようになる。
【0020】
第
7に、本発明は、上記第
6の構成を有する構造体接合金具(1)において、前記第1プレート部材(10)又は前記第2プレート部材(30)に接合する状態で前記ボルト(41)に挿通される軸力管理ワッシャー(50)を更に備え、前記軸力管理ワッシャー(50)は、第1ワッシャー(51)と、第2ワッシャー(52)と、前記第1ワッシャー(51)及び前記第2ワッシャー(52)が互いに対向する面の少なくとも一方の面に配置される剛性体(54,55,56)と、を有し、前記ボルト(41)が締着されることによって前記剛性体(54,55,56)が前記第1ワッシャー(51)及び前記第2ワッシャー(52)の少なくとも一方の表面に埋没し、前記第1ワッシャー(51)と前記第2ワッシャー(52)とを接合させることを特徴とする構成である。
【0021】
第
8に、本発明は、
構造体のフランジ部にプレート部材を接合させた状態で固定する構造体接合構造であって、前記フランジ部と前記プレート部材との間に予め
微小粒状体が設けられ、前記プレート部材が前記フランジ部に接合したときに前記
微小粒状体が
前記プレート部材及び前記フランジ部
のそれぞれの表面に埋没することを特徴とする構成である
。
第9に、本発明は、
構造体のフランジ部にプレート部材を接合させた状態で固定する構造体接合に用いられる接合部材であって、前記フランジ部と前記プレート部材との間に設けられる複数の
微小粒状体と、
前記プレート部材の表面に対して前記複数の
微小粒状体を貼り付
ける粘着テープと、を備え
、前記フランジ部に前記プレート部材を接合させたとき、前記微小粒状体が前記プレート部材及び前記フランジ部のそれぞれの表面に埋没することを特徴とする構成である。
第
10に、本発明は、
構造体のフランジ部に対してプレート部材を接合させた状態に固定する構造体接合方法であって、前記フランジ部と前記プレート部材との間に
微小粒状体を設けた状態で、前記プレート部材を前記フランジ部に対して押圧して締着することにより、前記プレート部材を前記フランジ部に接合させると共に、前記
微小粒状体を前記プレート部材及び前記フランジ部の
それぞれの表面に埋没させた状態に固定することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、H形鋼などで構成される建造物の構造体に各種部材を取り付ける際、構造体の強度をあまり低下させることなく、構造体の長手方向に沿って滑り難い構造で各種部材を取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
図1乃至
図3は、本発明の一実施形態である構造体接合金具1を示す斜視図であり、
図1は構造体接合金具1の分解斜視図を、
図2は構造体接合金具1を鋼材に取り付ける際の施工態様を、
図3は構造体接合金具1を鋼材に取り付けた状態を、それぞれ示している。この構造体接合金具1は、例えば建造物を支持する構造体の一部として設けられる鋼材のフランジ部に接合した状態に取り付けられ、吊り下げ部材やアングル部材などの各種部材を鋼材に連結するための金具である。本実施形態では、一例として、構造梁として設けられるH形鋼9の水平なフランジ部9cに対して構造体接合金具1が取り付けられる形態について説明する。
【0027】
構造体接合金具1は、
図1に示すように、第1プレート部材10と、第1プレート部材10の上部に配置されるスペーサ20と、スペーサ20の上部に配置される第2プレート部材30と、ボルト41と、ナット42と、ワッシャー43と、軸力管理ワッシャー50とを備えて構成される。ボルト41とナット42は、第1プレート部材10及び第2プレート部材30をH形鋼9のフランジ部9cに押圧して締着する締着手段である。
【0028】
第1プレート部材10は、H形鋼9の下部に位置する略水平なフランジ部9cの下面側に配置される部材であり、フランジ部9cと平行に配置される矩形状のプレートによって構成される平板状の接合部11と、その接合部11の中央下面から垂下するように設けられる連結部14とを備える。そして接合部11が、フランジ部9cの下面と接合するように取り付けられることにより、連結部14がH形鋼9の下面から垂下した状態に固定される。
【0029】
接合部11は、H形鋼9のフランジ部9cの幅方向(Y方向)においてフランジ部9cよりも長く形成される。そのため、接合部11がフランジ部9cの下面に配置されると、接合部11の幅方向両端部がフランジ部9cの両端部から突出した状態となる。そして接合部11は、フランジ部9cの幅方向両端部から突出する部分に、ボルト41を挿通するための複数の孔12を有している。また接合部11は、フランジ部9cの下面と接合する部分の表面に粘着テープ5が貼付され、その粘着テープ5の上面に複数の微小粒状体7が配置された構成である。本実施形態では、H形鋼9の長手方向(X方向)に沿って接合部11の表面上に長尺状の粘着テープ5が2本平行に貼付されており、それら2本の粘着テープ5のそれぞれに複数の微小粒状体7がH形鋼9の長手方向に沿ってほぼ均等な間隔で配置されている。
【0030】
第1プレート部材10の接合部11の表面に配置される複数の微小粒状体7は、第1プレート部材10がフランジ部9cと接合したときに第1プレート部材10とフランジ部9cのそれぞれの表面に埋没する埋没体8として設けられる。例えば複数の微小粒状体7は、フランジ部9cのエッジ部分に沿ってほぼ等間隔に配置される。これにより、複数の微小粒状体7は、第1プレート部材10のフランジ部9cと対向する面において、ボルト41とナット42からなる締着手段による押圧力が作用する位置の近傍に設けられることとなり、ボルト41の軸力を複数の微小粒状体7のそれぞれに作用させることができる。このような微小粒状体7は、粒径及び硬度が均等であることが好ましい。例えば本実施形態では、直径が2.5mm程度のベアリング球(鋼球)を微小粒状体7として粘着テープ5の上面に配置している。ただし、ベアリング球の直径は2.5mmに限られるものではなく、2〜4mm程度のものであれば良い。
【0031】
また粘着テープ5は、ベアリング球が接合部11の表面上で転がらないようにするためのものである。そのため、微小粒状体7として設けられるベアリング球が接合部11の表面上で転がらないように固定できるものであれば、粘着テープ5に限られるものではなく、例えば接着剤などを用いて微小粒状体7を接合部11の表面上に配置しても構わない。
【0032】
連結部14は、例えば接合部11の下面に対して溶接された縦板部であり、ボルトやナットなどを用いて吊り下げ部材などの各種部材を連結するためのものである。そのため、連結部14には、ボルトを挿通するための孔15が複数箇所に設けられている。
【0033】
スペーサ20は、フランジ部9cの幅方向(Y方向)両端側に配置される一対のプレート部材21,21によって構成される。それら一対のプレート部材21,21は、H形鋼9のフランジ部9cと同一厚さ又はフランジ部9cよりも薄い厚さを有しており、第1プレート部材10の幅方向両端部の上面に載置される。尚、スペーサ20は、フランジ部9cの厚さよりも1〜2mm程度薄い厚さのものを用いることが好ましい。また一対のプレート部材21,21には、第1プレート部材10の接合部11に設けられた複数の孔12と同じ位置にボルト41を挿通するための複数の孔22が設けられる。
【0034】
第2プレート部材30は、スペーサ20と同様に、フランジ部9cの幅方向(Y方向)両端側に配置される一対のプレート部材31,31によって構成される。各プレート部材31,31は、プレート部材21及びフランジ部9cの上面側において、プレート部材21とフランジ部9cとの双方に跨って配置される。それら一対のプレート部材31,31には、第1プレート部材10の接合部11に設けられた複数の孔12、及び、スペーサ20の一対のプレート部材21,21に設けられた複数の孔22と同じ位置に、ボルト41を挿通するための複数の孔32が設けられる。
【0035】
そして構造体接合金具1は、
図2及び
図3に示すように、第1プレート部材10と第2プレート部材30とがスペーサ20を介してフランジ部9cを挟み込んだ状態で、第1プレート部材10、スペーサ20及び第2プレート部材30のそれぞれに設けられた孔12,22,32にボルト41が挿通され、そのボルト41の先端にナット42が締着されることにより、H形鋼9のフランジ部9cに固定される。
【0036】
本実施形態では、例えば
図2に示すように、ボルト41の頭部と第1プレート部材10との間に軸力管理ワッシャー50が介挿され、ナット42と第2プレート部材30との間に一般的なワッシャー43が介挿される。ただし、軸力管理ワッシャー50及びワッシャー43を配置する位置はこれとは逆であっても構わない。また
図2及び
図3では、ボルト41の軸部を構造体接合金具1の下方から挿入する場合を例示しているが、これに限られるものではなく、ボルト41の軸部を構造体接合金具1の上方から挿入するようにしても構わない。
【0037】
構造体接合金具1をH形鋼9のフランジ部9cに固定するとき、作業者は、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合した状態となるようにボルト41とナット42とを強固に締着させる。ただし、第1プレート部材10の接合部11の表面上には複数の微小粒状体7が配置されているため、作業者がボルト41とナット42との締着作業を開始し、微小粒状体7の上端がフランジ部9cの下面に当接した状態になると、微小粒状体7が抵抗となるため、ボルト41とナット42とを巻き締める際のトルクが上がる。作業者はその抵抗力に抗してボルト41とナット42とを更に巻き締めると、ボルト41の軸方向(Z方向)に作用する軸力が上がり、第1プレート部材10をフランジ部9cに対して強く押圧する力が働く。この押圧力は、微小粒状体7の上端部及び下端部に集中して作用する。そのため、微小粒状体7は、第1プレート部材10の接合部11の表面を変形させると共にフランジ部9cの下面も変形させ、第1プレート部材10の接合部11及びフランジ部9cのそれぞれに埋没していく。そして第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合した状態になると、第1プレート部材10の接合部11の表面上に配置されていた複数の微小粒状体7は、フランジ部9c及び第1プレート部材10の接合部11のそれぞれの表面に埋没した状態となる。すなわち、ボルト41とナット42の締め付けによってボルト41の軸方向(Z方向)に作用する軸力が次第に上昇し、その軸力が所定値を超えると、微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに対して完全に埋没し、第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合した状態となるのである。
【0038】
また上述したように複数の微小粒状体7がフランジ部9cのエッジ部に沿って配置されることにより、ボルト41とナット42の締着による押圧力を第1プレート部材10から複数の微小粒状体7に対して良好に作用させることができる。そのため、仮に第1プレート部材10に撓みなどが生じたとしても、複数の微小粒状体7が完全に埋没するまで押圧力を良好に複数の微小粒状体7に作用させることができるのである。さらにスペーサ20の厚さをフランジ部9cよりも若干薄くすることにより、複数の微小粒状体7が完全にフランジ部9c及び第1プレート部材10の双方に埋没した状態となるまで、複数の微小粒状体7に対して押圧力を作用させることができるという利点もある。
【0039】
図4は、第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合した状態を示す断面図である。第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合した状態になると、
図4の拡大
図Aに示すように、微小粒状体7の約上半分がフランジ部9cに埋没し、約下半分が第1プレート部材10の接合部11に埋没した状態となる。
図4に示す状態になると、第1プレート部材10とフランジ部9cのそれぞれに対して微小粒状体7が約半分ずつ埋没した状態となるため、この微小粒状体7が第1プレート部材10とフランジ部9cとの滑りを抑制する機能を発揮する。それ故、例えば大規模地震発生時に激しい横揺れなどが作用する場合であっても、構造体接合金具1は、H形鋼9の長手方向(X方向)に滑ることがなく、H形鋼9に対して固定された位置が変化してしまうことを良好に防止することができる。したがって、本実施形態の構造体接合金具1を用いれば、大規模地震発生時などにおいても、連結部14に接続される吊り下げ部材などが支持する各種配管やケーブル類を破損するおそれがない。
【0040】
ところで、微小粒状体7に良好な滑り抑制効果を発揮させるためには、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合していることが好ましい。なぜなら、第1プレート部材10とフランジ部9cとの間に僅かな隙間が存在すると、第1プレート部材10又はフランジ部9cに対する微小粒状体7の埋没量が浅くなり、滑り抑制効果が低下するからである。その一方、作業者がH形鋼9に構造体接合金具1を取り付ける際には、照明光の乏しい比較的暗い場所での作業となることもあり、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合したか否かを目視で確認することが難しいことがある。そのようなケースでは、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合しているにも関わらず、作業者がボルト41及びナット42を更に巻き締めてしまい、ボルト41に作用する軸力が上述した所定値を過度に超えてしまうことがある。この場合、過度に大きな軸力によってボルト41の軸部が延びる現象が起こる。ボルト41の軸部が延びてしまうと、ボルト41の強度が低下し、構造体接合金具1の固定強度を低下させてしまうという問題が新たに発生する。
【0041】
上記問題を解決するため、例えばボルト41とナット42を締め付ける際の締め付けトルクを管理する手法が考えられる。しかし、ボルト41を締めるときのトルクと、ボルト41に作用する軸力には、大きなバラツキがある。例えば、雄螺子部にグリスが塗布されたボルトと、グリスの塗布されていないボルトでは、同じトルクで締め付けた場合でもボルトに作用する軸力は大きく異なるのが一般的である。そのため、ボルト41とナット42を締め付ける際の締め付けトルクを管理する手法では、ボルト41に作用する軸力を正確に把握することができない。
【0042】
そこで本実施形態では、軸力管理ワッシャー50を用いることにより、ボルト41に作用する軸力を軸力管理ワッシャー50の挙動で管理し、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合した状態を正確に把握できるようにしている。以下、そのような軸力管理ワッシャー50の詳細について説明する。
【0043】
図5及び
図6は軸力管理ワッシャー50の詳細な構成を示す図である。軸力管理ワッシャー50は、第1ワッシャー51と、第2ワッシャー52と、第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52が互いに対向する面の少なくとも一方の面に配置される剛性体54,55,56と、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが接合したときに破断する破断ピン57と、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とを連結する連結ピン53とを有している。
【0044】
第1ワッシャー51は、所定厚さを有する円環状の金属製ワッシャーであり、その中心にボルト41を挿通可能な孔51aが設けられている。また第1ワッシャー51には、連結ピン53を挿通するための貫通孔51bが設けられる。さらに第1ワッシャー51には、第2ワッシャー52と対向する面の一部に凹部51cが設けられており、その凹部51cの外周壁部が鋭利なカッター部51dとして構成されている。
【0045】
第2ワッシャー52は、第1ワッシャー51と同様に、所定厚さを有する円環状の金属製ワッシャーであり、その中心にボルト41を挿通可能な孔52aが設けられている。この第2ワッシャー51には、連結ピン53の端部を固定するための孔52bが設けられる。この孔52bは、接着剤などが充填され、第1ワッシャー51の貫通孔51bに挿通された連結ピン53の端部を挿入した状態で固定する。尚、連結ピン53には頭部53aが設けられており、連結ピン53の端部が第2ワッシャー52の孔52bに固定されると、頭部53aが第1ワッシャー51に設けられた貫通孔51bの縁部と係合し、第1ワッシャー51の抜け止め効果を発揮する。
【0046】
また第2ワッシャー52の第1ワッシャー51と対向する面には、所定角度間隔(例えば120度間隔)で複数の剛性体54,55,56が接着剤などによって取り付けられている。これらの剛性体54,55,56は、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが接合したときに第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52の少なくとも一方の表面に埋没する埋没体として設けられるものである。本実施形態では、微小粒状体7と同様に、ベアリング球(鋼球)を剛性体54,55,56として用いている。
【0047】
さらに第2ワッシャー52は、第1ワッシャー51の凹部51cが形成された部分に対応する位置に破断ピン57が接着剤などによって取り付けられている。破断ピン57は、例えば真鍮製のピンであり、第2ワッシャー52の外方向に延びるように設けられている。この破断ピン57が設けられた位置から孔52aを中心に180度回転した位置に剛性体54が設けられている。更に剛性体55,56は、破断ピン57が設けられた位置から孔52aを中心に±60度回転した位置にそれぞれ設けられている。したがって、破断ピン57は、2つの剛性体55,56の間に位置することとなる。
【0048】
また
図6(b)の断面図に示すように、剛性体54は、剛性体55,56よりも若干小さい直径のベアリング球が用いられる。例えば、剛性体55,56の直径が2.5mmであれば、剛性体54の直径は2.0mmのものが用いられる。このように剛性体54の直径を剛性体55,56よりも小さくすることにより、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とを互いに対向させた状態に配置すると、
図6(b)に示すように、第1ワッシャー51は、破断ピン57の設けられた位置から剛性体54の設けられた位置に向かって下降傾斜させた状態に配置されることとなる。
【0049】
尚、剛性体55,56の直径は、第1プレート部材10とフランジ部9cとの間に微小粒状体7として設けられるベアリング球(鋼球)の直径と等しいものを用いることが好ましい。これにより、後述するように第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52に作用する軸力が所定値となって第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが互いに接合した状態となるときには、第1プレート部材10及びフランジ部9cも互いに接合した状態となり、第1プレート部材10及びフランジ部9cに作用する軸力を管理し易くなる。
【0050】
そして第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52にボルト41が挿通され、ボルト41に作用する軸力が第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52に作用すると、各剛性体54,55,56が抵抗となるため、ボルト41とナット42とを巻き締める際のトルクが上がる。作業者はその抵抗力に抗してボルト41とナット42とを更に巻き締めると、ボルト41に作用する軸力が上がり、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52との間隔を狭くする押圧力が働く。この押圧力は、剛性体54,55,56の上端部及び下端部に集中して作用する。そのため、各剛性体54,55,56は、第1ワッシャー51の表面を変形させると共に、第2ワッシャー52の表面も変形させ、第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52のそれぞれに埋没していく。このとき、剛性体54の直径が他の剛性体55,56よりも小さいため、第1ワッシャー51は上述した傾斜を保持したまま第2ワッシャー52との距離を縮めていく。したがって、ボルト41に作用する軸力が上昇していくと、まず直径の小さい剛性体54が設けられている部分から第1ワッシャー51と第2ワッシャー52との接合が始まり、最後に破断ピン57が設けられている部分が接合することになる。
【0051】
第1ワッシャー51と第2ワッシャー52との距離が次第に小さくなっていくと、第1ワッシャー51に設けられたカッター部51dが破断ピン57と接触するようになる。更に第1ワッシャー51と第2ワッシャー52との距離が小さくなるに従って、第1ワッシャー51のカッター部51dが破断ピン57に対する切り込みを深くしていく。そしてボルト41に作用する軸力が所定値に達すると、各剛性体54,55,56が第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52のそれぞれに完全に埋没した状態となり、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが完全に接合した状態となる。これに伴い、第1ワッシャー51のカッター部51dが破断ピン57を破断する。そして破断ピン57の先端部は軸力管理ワッシャー50から切り離されるため、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52が完全に接合し、ボルト41に作用する軸力が所定値となったことを把握することができる。尚、破断ピン57が破断するとき、第2ワッシャー52に固定されていた破断ピン57の一部は、第1ワッシャー51の凹部51cに収容される。
【0052】
上記のような軸力管理ワッシャー50を用いれば、ボルト41に作用する軸力が所定値となったことを正確に把握することができるため、作業者によって過度な締め付け作業が行われてしまうことを防止することができる。そして破断ピン57が破断するときの軸力を、構造体接合金具1の第1プレート部材10がフランジ部9cに対して完全に接合した状態となるときの軸力に合わせておくことにより、ボルト41とナット42の過度な締め付けを防止し、ボルト41の軸部が延びてしまうことによる構造体接合金具1の固定強度の低下を抑制することができるようになる。
【0053】
尚、上記のような軸力管理ワッシャー50では、カッター部51dの位置が破断ピン57の位置からずれてしまうと、カッター部51dが破断ピン57を破断させることができなくなる。しかし、上述した軸力管理ワッシャー50は、連結ピン53によって第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とを所定位置で連結しているため、そのような位置ずれが生じない構成である。すなわち、連結ピン53は、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52の所定位置を連結しているため、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とがボルト41の軸部を中心に相対回転してしまうことを防止することが可能であり、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52のそれぞれの孔51a,52aに対してボルト41の軸部が挿入されることにより、カッター部51dが設けられた位置と破断ピン57が設けられた位置とを整合させることができるのである。それ故、連結ピン53は、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが互いに分離しないように連結するだけでなく、カッター部51dと破断ピン57の位置を互いに一致させる機能を有している。
【0054】
次に上述した軸力管理ワッシャー50を用いて構造体接合金具1をH形鋼9のフランジ部9cに固定する施工方法について説明する。
図7は、構造体接合金具1を取り付け対象となるフランジ部9cに仮止めした状態を示す断面図である。構造体接合金具1がフランジ部9cに仮止めされた状態では、第1プレート部材10の表面に配置された微小粒状体7は、第1プレート部材10及びフランジ部9cには埋没していない。また軸力管理ワッシャー50においては、第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52のそれぞれが剛性体54,55,56の上端及び下端と接触した状態である。この仮止め状態で、作業者が電動工具などをボルト41の頭部41aに装着して締め付けていくと、
図8に示すように第1プレート部材10とフランジ部9cとの間隔が次第に小さくなる。更に作業者がボルト41を締め付けていくと、第1プレート部材10の表面に設けられた微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cに埋没し始めると共に、軸力管理ワッシャー50に設けられた剛性体54,55,56も第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52に埋没し始める。すなわち、ボルト41に作用する軸力が微小粒状体7を挟んだ状態の第1プレート部材10及びフランジ部9cを圧縮するように作用するため、微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに埋没するのである。またこれと同様に、ボルト41に作用する軸力が剛性体54,55,56を挟んだ状態の第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52を圧縮するようにも作用するため、剛性体54,55,56が第1ワッシャー51及び第2ワッシャー52のそれぞれに埋没するのである。
【0055】
そしてボルト41に作用する軸力が所定値に到達すると、微小粒状体7が第1プレート部材10とフランジ部9cの間に完全に埋没した状態となり、第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合すると共に、軸力管理ワッシャー50においても剛性体54,55,56が第1ワッシャー51と第2ワッシャー52の間に完全に埋没した状態となり、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが互いに接合する。このとき、軸力管理ワッシャー50に設けられていた破断ピン57は、
図9に示すように破断する。したがって、作業者は、破断ピン57が破断したことを確認することにより、第1プレート部材10とフランジ部9cとが接合して微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに対して正常に埋没した状態に施工できたことを把握することができる。そして作業者は、破断ピン57が破断したタイミングでボルト41の締め付け作業を終えることにより、ボルト41の軸部が延びてしまうことを未然に防止することができる。
【0056】
以上のように本実施形態の構造体接合金具1は、H形鋼9のフランジ部9cの幅方向外側において、第1プレート部材10、スペーサ20及び第2プレート部材30のそれぞれに設けられた孔12,22,32にボルト41が締着されることにより、第1プレート部材10がフランジ部9cの一方の面と接合し、第2プレート部材30がフランジ部9cの他方の面と接合するように取り付けられる。そして第1プレート部材10のフランジ部9cと対向する面には、フランジ部9cと接合したときにフランジ部9cと第1プレート部材10のそれぞれに埋没する埋没体8(微小粒状体7)が設けられているため、第1プレート部材10とフランジ部9cとが互いに接合した状態になると、埋没体8が構造体接合金具1の滑りを抑制する抵抗体として機能する。
【0057】
また埋没体8がフランジ部9cに埋没する深さは、微小粒状体7の半径程度の深さであり、例えば微小粒状体7の直径が2.5mmであれば、1.25mm程度の深さである。この程度の深さであれば、建造物の構造体としての強度を低下させるものではない。
【0058】
したがって、本実施形態の構造体接合金具1は、H形鋼9などで構成される建造物の構造体に各種部材を接合させた状態において、構造体の強度をあまり低下させることなく、構造体の長手方向に沿って滑り難い取り付け構造であり、大規模地震発生時などにおいても構造体に対する接合位置を移動させることなく、固定しておくことができるようになる。
【0059】
また微小粒状体7をベアリング球などの球体として構成することにより、微小粒状体7を第1プレート部材10とフランジ部9cのそれぞれに接触させるときには、上端部及び下端部の1点だけを接触させることができる。そのため、ボルト41に作用する軸力を面と球とが接触する1点に集中させることが可能であり、球体(鋼球)である微小粒状体7を扁平させることなく、フランジ部9cや第1プレート部材10の表面に対して埋没させていくことができる。尚、微小粒状体7をフランジ部9cや第1プレート部材10に対して良好に埋没させるためには、微小粒状体7の硬度がフランジ部9cや第1プレート部材10の硬度と同程度若しくはそれ以上であれば良い。
【0060】
そして上述したように埋没体8をフランジ部9cと対向する面に複数配置しておくことにより、構造体接合金具1の滑りを抑制する抵抗力を大きくすることができるので、構造体接合金具1の滑り抑制効果をより一層高めることができる。
【0061】
また構造体接合金具1は、上述した軸力管理ワッシャー50を備えることにより、微小粒状体7が第1プレート部材10とフランジ部9cのそれぞれに埋没して第1プレート部材10とフランジ部9cとが接合した状態になるボルト41の軸力を的確に把握することができる。すなわち、軸力管理ワッシャー50の第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが完全に接合していないときには第1プレート部材10及びフランジ部9cも完全には接合していないことを把握することができ、第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが完全に接合すると、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合した状態となったことを把握することができる。そして上述した軸力管理ワッシャー50は、破断ピン57が破断したか否かによって第1ワッシャー51と第2ワッシャー52とが完全に接合したか否かを把握することができるので、ボルト41の軸力が所定値に達したことを簡単に把握することができるという利点がある。そして構造体接合金具1は、そのような軸力管理ワッシャー50を備えることにより、ボルト41の軸部が延びてしまう程に過度な締め付け作業が行われてしまうことを未然に防止することができるのである。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態で説明したものに限られない。すなわち、本発明には、上記実施形態で説明したもの以外にも種々の変形例が適用可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、第1プレート部材10のX方向に沿って貼付された2本の粘着テープ5のそれぞれに複数の微小粒状体7がほぼ均等な間隔で配置される場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、複数の微小粒状体7の配列方向は任意である。例えば
図10に示すように第1プレート部材10のX方向とY方向のそれぞれに粘着テープ5を貼付し、それら複数の粘着テープ5に対して微小粒状体7を配置するようにしても良い。ただし、この場合、フランジ部9c及び接合部11のそれぞれのエッジ部に沿って粘着テープ5が貼付されることが好ましい。また微小粒状体7の配列は規則正しいものに限られず、第1プレート部材10の表面上にランダムに配置したものであっても構わない。
【0064】
また上記実施形態においては、第1プレート部材10がフランジ部9cと対向する部分に微小粒状体7を配置する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、第2プレート部材30がフランジ部9cと対向する部分に微小粒状体7を配置するようにしても良い。すなわち、埋没体8として設けられる微小粒状体7は、第1プレート部材10及び第2プレート部材30の少なくとも一方のフランジ部9cと対向する面に配置されていれば良い。
図11は、第1プレート部材10及び第2プレート部材30の双方に微小粒状体7を配置した場合の断面図である。
図11に示すように第1プレート部材10及び第2プレート部材30の双方に微小粒状体7を配置すると、フランジ部9cの上面及び下面の双方に抵抗体を設けることができるため、構造体接合金具1の滑り止め効果をより一層高めることができる。
【0065】
また上記実施形態においては、微小粒状体7及び剛性体54,55,56をベアリング球で構成する場合を例示した。しかし、微小粒状体7及び剛性体54,55,56は、必ずしもベアリング球に限られるものではない。例えば、鋼材を粉砕して形成した微小な粒状体を、上述した微小粒状体7や剛性体54,55,56として用いるようにしても良い。
【0066】
また上述した埋没体8は、第1プレート部材10又は第2プレート部材30の表面に対して予め形成されたものであっても良い。
図12は、第1プレート部材10の表面に埋没体8を形成した例を示す図である。
図12に示す埋没体8は、第1プレート部材10の接合部11の表面から突出するように形成されている。すなわち、
図12に示す埋没体8は、第1プレート部材10に対して一体形成されているのである。このような埋没体8の場合、第1プレート部材10がフランジ部9cと接合した状態になると、埋没体8がフランジ部9cのみに埋没し、構造体接合金具1の滑り止め効果を発揮する。尚、このような埋没体8は、円錐状又は多角錐状に形成され、先端が尖っていることが好ましい。
【0067】
また上記実施形態では、ボルト41とナット42を締着手段として用いることにより、第1プレート部材10及び第2プレート部材30でフランジ部9cを挟み込むようにして構造体接合金具1がH形鋼9に取り付けられる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば
図13に示すようなC型クランプ71を締着手段として用いることにより、構造体接合金具1をH形鋼9のフランジ部9cに固定するものであっても構わない。この場合、構造体接合金具1は、上述したスペーサ20や第2プレート部材30を必ずしも備えていないものであっても構わない。
図13に示すようにC型クランプ71を締着手段として用いる場合、構造体接合金具1は、上述した第1プレート部材10と、第1プレート部材10とフランジ部9cとの間に配置される微小粒状体7(埋没体8)と、第1プレート部材10とフランジ部9cに押圧して締着するC型クランプ71とを備えて構成される。またこの場合、微小粒状体7は、C型クランプ71による押圧力が作用する位置に設けられることが好ましい。そしてC型クランプ71のボルト72を締める付けることにより、第1プレート部材10をフランジ部9cに対して押圧し、その押圧力によって微小粒状体7を第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに埋没させるのである。微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに埋没し、第1プレート部材10とフランジ部9cとが完全に接合した状態になると、H形鋼9に対する構造体接合金具1の取り付けが完了する。この場合においても、微小粒状体7が第1プレート部材10及びフランジ部9cのそれぞれに埋没した状態となることで構造体接合金具1をH形鋼9の長手方向に沿って滑りにくい状態に取り付けることができる。
【0068】
また上記実施形態では、構造体接合金具1がH形鋼9のフランジ部9cに取り付けられる場合を例示したが、これに限られるものでない。すなわち、構造体接合金具1の取り付け対象は、H形鋼9に限られず、その他の形鋼であっても構わない。
【0069】
また上記実施形態では、構造梁として設けられるH形鋼9の水平なフランジ部9cに対して構造体接合金具1が取り付けられる例を説明した。しかし、これに限られるものではなく、上述した構造体接合金具1は、垂直な構造柱などにも取り付け可能であり、大規模地震発生時に接合位置の位置ずれを防ぐという点で、上記と同様の作用効果を奏するものである。
【0070】
尚、上述した種々の変形例を互いに組み合わせた構成の構造体接合金具1を実現することも可能である。