(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の光源の光軸方向および前記X方向に直交する方向をY方向とした時に、当該ライン状照明装置に設けられ、前記レーザー光源又は前記LED光源の照射方向を前記Y方向に調整する照射方向調整手段をさらに備える、請求項1に記載のライン状照明装置。
X方向に直線状に並ぶように設けられた複数の光源と、前記X方向に延びるように設けられ前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズとを照明装置本体に組付け、ライン状照明装置とする組付工程と、
前記ライン状照明装置を支持部によって支持する支持工程と、
前記支持工程で支持された状態で、前記各光源の光軸方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向と直交する方向をY方向とした時、前記ライン状の集光位置において、互いに前記Y方向に離れ各々前記X方向に延びる複数の仮想線上でそれぞれ複数の微小点照度又は微小点光量を測定し、これにより測定された前記複数の微小点照度又は前記複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向と対応させた測定結果データを得る測定工程と、を有するライン状照明装置の製造方法。
X方向に直線状に並ぶように設けられた複数の光源と、前記X方向に延びるように設けられ前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズとを照明装置本体に組付け、さらに、前記照明装置本体の前記X方向における両端側のそれぞれに、前記ライン状の集光位置またはその近傍に向けて光を照射するレーザー光源又は前記複数の光源よりも指向性の強いLED光源を取付ける組付工程と、
前記照明装置本体に前記複数の光源および前記集光レンズが組付けられたライン状照明装置を支持部によって支持する支持工程と、
前記ライン状照明装置が前記支持工程で支持された状態で、前記各光源の光軸方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向と直交する方向をY方向とした時、前記ライン状の集光位置において、複数の微小点照度又は複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向の測定位置と対応させて測定し、これにより測定された前記複数の微小点照度又は前記複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向と対応させた測定結果データを得る測定工程と、を有するライン状照明装置の製造方法。
X方向に直線状に並ぶように設けられた複数の光源と、前記X方向に延びるように設けられ前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズとを照明装置本体に組付け、さらに、前記照明装置本体の前記X方向における両端側のそれぞれに、前記ライン状の集光位置またはその近傍に向けて光を照射するレーザー光源又は前記複数の光源よりも指向性の強いLED光源を取付ける工程と、
前記照明装置本体に前記複数の光源および前記集光レンズが組付けられたライン状照明装置を支持部によって支持する支持工程と、
前記ライン状照明装置が前記支持工程で支持された状態で、前記各光源の光軸方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向と直交する方向をY方向とした時、前記ライン状の集光位置において、複数の微小点照度又は複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向の測定位置と対応させて測定し、これにより測定された前記複数の微小点照度又は前記複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向と対応させた測定結果データを得る工程と、を有する、ライン状照明装置の照度又は光量の測定結果データの取得方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ライン状照明装置は、直線状に並ぶように基板に実装された複数のLEDと、該複数のLEDの並設方向に延びるように設けられ、複数のLEDの光をライン状(線状)に集光するロッドレンズ(円柱状レンズ)と、前記基板およびロッドレンズを収容支持する照明装置本体とを備えている。また、ライン状の照射位置を均一に照明するために、1つ1つのLEDの精度の確保や、LEDの基板への組付精度や、基板の照明装置本体への組付精度や、ロッドレンズの照明装置本体への組付精度等に気を遣いながら製造されている。
【0005】
しかし、いかに気を遣っても、LED自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことは難しい。一方、ロッドレンズの中心軸が長さ方向に亘って蛇行している場合や、外径が長さ方向に亘って均一ではないことにより外径にうねりがある場合は、当該蛇行やうねりが図面上の許容公差範囲に対して極めて小さいものであっても、ライン状の照射位置における照度のばらつきに比較的大きな影響を及ぼす可能性がある。例えば、上記ライン状照明装置ではLEDからロッドレンズまでの距離L1が数mmであることが多く、場合によっては1mm以下であることもあるので、わずかな蛇行やうねりであっても、LEDからの光のレンズ入射角度の分布に与える影響が大きい。さらに、ロッドレンズから照射位置までの距離L2は数十mmであることが多く、L2/L1が大きいので、上記の入射角分布のずれが照射位置で増幅される。例えば、光の焦点位置が光軸方向にずれ、このため、照射位置の精度に影響が出る。なお、上記蛇行やうねりはロッドレンズの図面公差範囲内におけるものであり、上記蛇行やうねり自体を無くすためにはロッドレンズの図面公差を非常に厳密なものにすることになるので、莫大なコストがかかり好ましくない。
【0006】
また、近年では1〜3m、時には5m程度のライン状照明装置を用いた検査が多く行われるようになった。この場合に複数本のロッドレンズを軸方向に接続して使用すると、接続部がライン状の照射位置に映り込んで検査精度に影響を与えるので、1本のロッドレンズが用いられる。このため、ロッドレンズの長さ寸法が大きくなり、ロッドレンズが組付けられる照明装置本体も長くなるので、ロッドレンズ自体の精度を確保することがより難しくなり、また、ロッドレンズや照明装置本体の自重によりロッドレンズがわずかに曲がり、その曲がりが照射位置の精度に影響を及ぼす場合もある。
【0007】
また、ライン状照明装置は納入先で検査ラインに設置され使用される。一般的に、その設置は試運転をしながら行われ、検査位置をライン状照明装置でライン状に照明しながら検査用のラインセンサカメラで検査位置が撮像される。そして、撮像結果に基づいて、ラインセンサカメラの画角内の照度が均一になるように、ライン状照明装置又はラインセンサカメラの位置が調整される。納入先での設置および調整は、ライン状照明装置のライン状の照射位置に曲がりやうねりや光量のむらが無いことを前提に行われるが、上記説明したように、実際は曲がりやうねりや光量のむらが若干発生していることがある。ここで、ラインセンサカメラの画角は例えば幅1mm程度で長さは1m前後〜数m程度であり、ライン状の照射位置も幅数mmで長さ1m〜数mである。そして、この幅数mmの照射位置ラインの中に光の強弱があり、最も照度が高いラインにラインセンサカメラの画角を設定することが好ましい。このため、ライン状照明装置又はラインセンサカメラの位置をかなりの回数調整しなければ、所望の設定状態とすることができず、設置および調整に時間がかかっていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ライン状の照射位置の精度を向上することができるライン状照明装置、その製造方法および検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様に係るライン状照明装置は、X方向に直線状に並ぶように設けられた複数の光源と、前記X方向に延びるように照明装置本体に取付けられ、前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズと、を備えたライン状照明装置であって、前記X方向における両端側のそれぞれに、前記ライン状の集光位置またはその近傍に向けて光を照射する
レーザー光源又は前記複数の光源よりも指向性の強いLED光源をさらに備える。
【0010】
本発明の第2の態様に係るライン状照明装置の製造方法は、X方向に直線状に並ぶように設けられた複数の光源と、前記X方向に延びるように設けられ前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズと
を照明装置本体に組付け、ライン状照明装置とする組付工程と、前記ライン状照明装置を支持部によって支持する支持工程と、前記支持工程で支持された状態で、前記各光源の光軸方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向と直交する方向をY方向とした時、前記ライン状の集光位置において、互いに前記Y方向に離れ各々前記X方向に延びる複数の仮想線上でそれぞれ複数の微小点照度又は微小点光量を測定
し、これにより測定された前記複数の微小点照度又は前記複数の微小点光量を前記X方向および前記Y方向と対応させた測定結果データを得る測定工程と、を有する。
【0011】
本発明の第
3の態様に係るライン状照明装置は、それぞれ複数の光源がX方向に直線状に並ぶように実装され、前記複数の光源が前記X方向に一直線状に並ぶように照明装置本体に取付けられた複数の基板付きブロックと、前記X方向に延びるように前記照明装置本体に取付けられ、前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズと、前記複数の光源の光軸方向をZ方向とした時、前記複数の基板付きブロックのうち少なくとも一部を前記照明装置本体に対して前記Z方向に移動させることにより、又は、前記集光レンズの前記X方向の一部を前記照明装置本体に対して前記Z方向に移動させることにより、前記複数の光源のうち少なくとも一部と前記集光レンズとの前記Z方向の距離を調整する調整手段と、を備える。
【0012】
上記第
3の態様によれば、複数の光源のうち一部と集光レンズとのZ方向の距離を調整できるので、例えば光源自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことができないことや、集光レンズに図面上の許容公差範囲で蛇行やうねりがあることや、集光レンズや照明装置本体の自重により集光レンズにわずかな曲がりが生じていることにより、ライン状の照射位置のX方向のある位置で光のむらが生じていても、当該位置における集光レンズによる焦点位置をZ方向に調整する等して、ライン状の照射位置の精度を向上することができる。
【0013】
また、本発明の第
4の態様に係るライン状照明装置は、複数の光源がX方向に直線状に並ぶように実装されると共に照明装置本体に取付けられた基板付きブロックと、前記X方向に延びるように前記照明装置本体に取付けられ、前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズと、前記複数の光源の光軸方向をZ方向とした時、前記集光レンズの前記X方向の一部を前記照明装置本体に対して前記Z方向に移動させることにより、前記複数の光源の一部と前記集光レンズとの前記Z方向の距離を調整する調整手段と、を備える。
【0014】
第
4の態様によれば、複数の光源のうち一部と集光レンズとのZ方向の距離を調整できるので、例えば光源自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことができないことや、集光レンズに図面上の許容公差範囲で蛇行やうねりがあることや、集光レンズや照明装置本体の自重により集光レンズにわずかな曲がりが生じていることにより、ライン状の照射位置のX方向のある位置で光のむらが生じていても、当該位置における集光レンズによる焦点位置をZ方向に調整する等して、ライン状の照射位置の精度を向上することができる。
【0015】
また、本発明の第
5の態様に係るライン状照明装置の製造方法は、複数の光源がX方向に直線状に並ぶよう実装された基板付きブロックを照明装置本体に組付けると共に、前記X方向に延びるように設けられ前記複数の光源の光をライン状に集光する長尺状の集光レンズを前記照明装置本体に組付け、ライン状照明装置とする組付工程と、前記ライン状照明装置を支持部によって支持する支持工程と、前記支持工程で支持された状態で、前記各光源の光軸方向をZ方向とし、前記X方向および前記Z方向と直交する方向をY方向とした時、前記ライン状の集光位置において、互いに前記Y方向に離れ各々前記X方向に延びる複数の仮想線上でそれぞれ複数の微小点照度又は微小点光量を測定する測定工程と、コンピュータが、前記測定工程で測定された前記複数の微小点照度又は微小点光量のデータをそのX方向およびY方向の測定位置と対応させた測定結果データを作成する測定結果データ作成工程と、前記測定結果データに基づき、前記光源と集光レンズとの前記Z方向の距離の調整の要否を判断する判断工程と、前記判断工程で調整要と判断された場合、前記複数の光源のうち少なくとも一部と前記集光レンズとの前記Z方向の距離を調整する調整工程と、を有する。
【0016】
第
5の態様によれば、1本の仮想線ではなく、Y方向に位置をずらした複数の仮想線上でそれぞれ複数の微小点照度を測定し、その測定データをX方向およびY方向の測定位置と対応させた測定結果データを作成するので、ライン状の集光位置で最も照度が高くなっている位置やラインを確実に判定することができる。また、測定結果データに基づき複数の光源のうち少なくとも一部と集光レンズとのZ方向の距離を調整するので、例えば光源自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことができず、また、集光レンズに図面上の許容公差範囲で蛇行やうねりがあり、集光レンズや照明装置本体の自重により集光レンズにわずかな曲がりが生じていても、ライン状の照射位置の精度を確保することができる。例えば全製品について測定を行うことにより、納入先ではライン状照明装置の照射位置の精度に疑問を抱かずに設置作業を行うことができ、納入先での設置および調整を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ライン状の照射位置の精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態に係るライン状照明装置について図面を参照して以下に説明する。
このライン状照明装置は、ラインセンサカメラ等の検査用センサの検出位置をライン状(線状)に照明するものであり、照明装置本体10と、それぞれ複数のLED(光源)1が直線状に並ぶように実装された複数の基板付きのブロック20と、複数のLED1が一直線状に並ぶように各ブロック20をそれぞれ照明装置本体10に締結する複数のボルト(締結手段)30と、複数のLED1の並設方向に延びるように照明装置本体10に取付けられ、複数のLED1の光をライン状に集光するロッドレンズ(集光レンズ)40と、ロッドレンズ40から出た光を主にLED1の並設方向に拡散する拡散レンズ41とを備えている。集光位置の光の幅は数mm程度であっても良く、十数mmであっても良く、場合によっては数十mmであっても良く、何れの場合もライン状である。集光レンズの幅(本実施形態の場合はロッドレンズの直径)が30mm以上の場合は、集光位置の光の幅が20mm以上になることもある。以下の説明において、LED1の並設方向をX方向とし、各LED1の光軸およびX方向に直交する方向(各LEDの中心およびライン状の集光位置を含む仮想面に直交する方向)をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(光軸方向)とする。
【0020】
図1〜3のように、照明装置本体10は、X方向に延びる長尺状の金属製のヒートシンク11と、ヒートシンク11におけるY方向の両側にそれぞれボルト13で取付けられた一対の金属製の側面板12とを有する。ヒートシンク11にはZ方向に貫通する複数の取付孔11aが形成されている。各ブロック20に対して2つずつ取付孔11aが形成され、各取付孔11aにはそれぞれボルト30が挿通しており、各ボルト30は対応する調整ブロック50に設けられた孔50aを介して対応するブロック20に螺合している。これにより、各ブロック20はそれぞれ調整ブロック50を介してヒートシンク11に各ボルト30によって締結されている。各ボルト30を締付けると、対応するブロック20が調整ブロック50を介してヒートシンク11に押付けられて固定され、これにより締結状態となる。一方、各ボルト30を緩めると、対応するブロック20のヒートシンク11方向への押付け力が弱まり、対応するブロック20のヒートシンク11に対するZ方向およびY方向の移動を可能とする移動可能状態となる。各取付孔11aはX方向よりもY方向の寸法が大きい孔であり、X方向における内径D1とボルト30の外径dとの差は小さい方が良く、0.3mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましい。なお、照明装置の長手方向の寸法が1m以上の大きなものになる場合、前記X方向の径の差が0.3mmを超えることもある。一方、各取付孔11aのY方向における内径D2とボルト30の外径dとの差は、X方向における内径D1とボルト30の外径dとの差の2倍以上であり、3倍以上であることがより好ましい。つまり、X方向における前記径の差が0.3mmの時、Y方向における前記径の差が0.6mm以上であれば、上記の2倍以上になる。これにより、各ブロック20は、前記移動可能状態の際にX方向の移動量よりもY方向の移動量が2倍以上になるように、ボルト30を介して照明装置本体10のヒートシンク11に係合している。各孔50aの内径とボルト30の外径dとの差は後述する調整ブロック50のY方向移動を許容するよう数mm程度に設定されていることが好ましく、本実施形態では4mmとなっている。
【0021】
各ブロック20はアルミニウム等の金属製のブロック本体21と、ブロック本体21の上面に固定された基板22とを有し、基板22の上面に複数のLED1がX方向に直線状に並ぶように実装されている。各ブロック20のX方向の寸法は例えば30〜50mm程度であり、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましい。ブロック本体21の基板取付面にはX方向に延びる突起21aが形成され、基板22のY方向一方の辺が突起21aにY方向に当接するように、基板22がブロック本体21に固定されている。これにより、ブロック本体21と基板22との位置決め精度が向上する。各ブロック20は、上記のようにX方向に並べられてヒートシンク11に取付けられた際に、
図4のように、各ブロック20の対の間にX方向の隙間GAが設けられるように、X方向の寸法が設定されている。隙間GAは0.1mm以上となるよう設定されていることが好ましい。例えば、20個のブロック20がそれぞれ調整ブロック50を介してヒートシンク11に取付けられる時、ヒートシンク11に取付けられた状態でブロック列のX方向の寸法は、20個のブロック20を互いにX方向に接触するように並べた際の寸法よりも、1.9mm以上大きくなるような設定が好ましい。つまり、ブロック20がn個並べてヒートシンク11に締結されたブロック列のX方向の寸法は、各ブロックのX方向の寸法を加算した数値に対し、{(n−1)×0.1}mm以上大きくなるよう、設定することが好ましい。これにより、あるブロック20を締結している2本のボルト30を緩めて前記移動可能状態にすると、当該ブロック20のZ方向の軸を中心とする回転方向への移動が許容される。X方向における前記径の差があるので、各ブロック20の位置にはヒートシンク11に対するX方向の遊びがある。このため、部分的に各ブロック対20の間のX方向の隙間が0.1mm以下となったり無くなったりするが、全体として上記のようにX方向の寸法が設定されており、また、X方向における前記径の差が上記のように小さく設定されていれば、ブロック20のZ方向の軸を中心とする回転方向への移動が許容される。また、X方向における前記径の差が大きい場合、いくつかのブロック20がX方向に偏って配置され、ブロック20の対の間のX方向の隙間が部分的に大きくなる状況が発生して、その部分に対応する集光位置の照度が低下する可能性がある。しかし、本実施形態では、各取付孔11aのY方向における内径D2のボルト30の外径dとの差は、X方向における内径D1のボルト30の外径dとの差の2倍以上であり、X方向の遊びが小さいことから、部分的にブロック20がX方向に偏って配置されることが抑制される。
本実施形態では前記隙間GAの設定により各ブロック20の回転方向の移動を許容しているが、他の方向で回転方向の移動を許容することも可能である。例えば、各ブロック20のX方向の両端部のY方向の中央部を当該X方向の両端部の他の部分よりもX方向に突出させ、隣り合うブロック20同士を当該突出しているY方向の中央部のみで接触させることも可能である。この場合前記隙間GAが無くなるが、前記突出部の分だけ、ブロック20のX方向の両端部における前記他の部分ではブロック20同士の間に隙間ができ、前記回転方向の移動が許容される。前記突出部は、ブロック20のX方向の端部におけるY方向の中央部に1mm程度のフエルト生地を貼り付けることでも設けられ、ブロック20のX方向の端部をX方向に突出する円弧状に形成することでも設けられる。ブロック20の底面は、
図2のように、Y方向に延びる軸線に対して所定の角度αだけ傾斜しており、X方向に沿う軸に対しては傾斜していない。
【0022】
各調整ブロックはアルミニウムや鉄等の金属製であり、Z方向の一方の面は他方の面に対して所定の角度βだけY方向に傾斜している。当該角度βは前記角度αと同一である。また、本実施形態では、ヒートシンク11の上面(調整ブロックに当接する面)は、X方向に延びる軸線およびY方向に延びる軸線に対して傾斜していない。
【0023】
ロッドレンズ40はライン状照明装置とほぼ同じ長さを有する円柱状レンズである。直径は十数mm〜数十mmであり、アクリル樹脂等の透明なプラスチックやガラス等から成る。ライン状照明装置は長いもので数mになり、3mを超えるものも多いので、ロッドレンズ40もライン状照明装置とほぼ同じ長さの数mとなる。なお、ロッドレンズ40を短く分断して接続すると、接続部が集光位置に映り込んでしまい好ましくない。ロッドレンズ40が上記のように長くなると、ロッドレンズ40自体をその長さ方向に亘って均一に成形することは難しくなる。特に、ロッドレンズ40の外径が大きくなると、ロッドレンズ40の外径をその長さ方向に亘って均一に成形することが難しくなる。均一な製造を求めるとロッドレンズ40の製造コストが大幅に上昇する。本実施形態では、照明装置本体10の一対の側面板12の対向面にそれぞれZ方向一対のレンズ支持部12aが設けられている。各レンズ支持部12aはX方向に延設された突起を形成し、Z方向一対のレンズ支持部12aがロッドレンズ40の外周面に当接してロッドレンズ40のZ方向の移動を規制する。本実施形態では、一方の側面板12をヒートシンク11にボルト13で固定した上で、Z方向一対のレンズ支持部12aがロッドレンズ40の外周面に当接するように一対の側面板12の間にロッドレンズ40を配置し、他方の側面板12をヒートシンク11にボルト13で固定することにより、ロッドレンズ40を照明装置本体10に組付ける。ここで、組付時にロッドレンズ40のY方向やZ方向の位置が若干ずれる場合があり、また、ロッドレンズ40や側面板12が自重によって撓み、ロッドレンズ40のY方向やZ方向の位置がずれる場合がある。ロッドレンズ40を組付けた後に拡散レンズ41が照明装置本体10に取付けられる。なお、各側面板12の対向面に突起状のレンズ支持部12aではなく、X方向に延びる窪みであるレンズ支持部を設け、該窪みによってロッドレンズ40のZ方向の移動を規制することもできる。ロッドレンズ40に前記窪みに係合する凸部を設けることも可能である。
【0024】
このライン状照明装置は、X方向の両端側に基準光源としてレーザー光源2を備えている。具体的には、照明装置本体10のX方向両端の端板14にそれぞれレーザー光源2が取付けられている。各レーザー光源2はロッドレンズ40を介さずに前記集光位置に向かって直径1mm程度の平行光を照射する。
【0025】
上記のように複数のブロック20、複数の調整ブロック50、ロッドレンズ40および拡散レンズ41を照明装置本体10に組付けてライン状照明装置とした後、
図5および6のように、当該ライン状照明装置をアライメント調整装置の支持部110によって支持する。アライメント調整装置は支持部110と後述する照度測定装置を有する。本実施形態では、実際に使用する場合に用いられる照明装置本体10のねじ孔10a等の相手側取付部を用いてライン状照明装置が支持部110に取付けられるが、相手側取付部を用いずに、支持部110にライン状照明装置を専用治具で押付けて取付けても良い。支持部110は、
図6のように、支持部110の傾動取付孔111がベース112に傾動可能に支持されている。このため、支持部110の支持角度をX方向に延びる軸線(傾動取付孔111の中心を通る軸線)中心に変更し、これにより、支持部110によって支持されるライン状照明装置の支持角度をX方向に延びる軸線を中心に任意に設定することができる。本実施形態では、一例として、前記支持角度を納入先における実際の設置角度に設定している。この状態で、各LED1及び各レーザー光源2を点灯し、照度測定装置によって照度測定を行う。
【0026】
照度測定装置は、
図5および6に示すように、支持部110に沿ってX方向に延びるレール121と、ステッピングモータ等のモータを有するセンサX方向位置移動手段(図示せず)によりレール121上を移動するセンサホルダ122と、センサホルダ122に保持された微小点照度センサ123と、センサホルダ122および微小点照度センサ123に接続された処理装置124と、処理装置124に接続された表示装置125と、処理装置124に接続されたプリンター126とを有する。処理装置124はCPU、メモリ等を有する公知のコンピュータであり、照度測定および測定結果データ作成を行うように処理装置124を動作させる測定プログラムを格納している。レール121は支持部110に対してフレーム121aを介して支持され、支持部110に支持されたライン状照明装置と平行に延びるように設けられている。つまり、支持部110の配置角度が前記のように変えられると、レール121の位置も変わる。また、照度測定装置は、レール121をフレーム121a上でZ方向に移動させる図示しないステッピングモータ等の駆動手段を有し、これにより、
図6に示すように微小点照度センサ123とライン状照明装置とのZ方向の距離を調整することができる。前記センサX方向位置移動手段は前記測定プログラムに基づく処理装置124からの指令によって動作し、これにより、前記プログラムに基づいて微小点照度センサ123がセンサホルダ122と共にレール上を移動する。センサホルダ122は、
図6に示すように、前記測定プログラムに基づく処理装置124からの指令によって微小点照度センサ123の位置を前記Y方向に移動するステッピングモータ等のモータを有するセンサY方向移動手段122aを有する。
【0027】
微小点照度センサ123は、直径1mm程度の導光孔123aを有する遮蔽板123bと、支持部110に支持されたライン状照明装置からの光を遮蔽板123bの導光孔123aを通して受光部123cで受光する照度センサ123dとを有する。つまり、微小点照度センサ123は、直径1mm程度の導光孔123aを通過する光の照度を測定する。本実施形態では、直径1mm程度の導光孔123aを用いて微小点照度の測定を行うが導光孔123aの直径はロッドレンズ(集光レンズ)40のY方向寸法(本実施形態の場合は直径)の1/10以下であれば、微小点照度の測定が可能である。しかし、導光孔123aが小さいほど精度の良い測定ができるので、前記数値は1/15以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましい。
【0028】
照度測定を行うためにライン状照明装置を支持部110によって支持し、処理装置124が測定の開始の命令を受付けると、前記測定プログラムにより照度測定が開始される。この時、処理装置124は、測定するライン状照明装置の製造シリアル番号も受付ける。以下では、前記測定プログラムに基づく処理装置124からの指令によってセンサホルダ122、微小点照度センサ123、表示装置125、及びプリンター126が動作する。
先ず、支持部110に支持されたライン状照明装置の集光位置において、X方向に延びる第1の仮想線上の複数位置で微小点照度を測定する。このために、センサホルダ122が微小点照度センサ123をY方向の所定位置(Y1)に保持した状態でセンサホルダ122をX方向に移動させ、微小点照度センサ123がX方向に数mm移動する毎に微小点照度を測定する。この測定は、X方向における各レーザー光源2による照射位置の範囲まで行う。
続いて、前記第1の仮想線と平行に延び前記第1の仮想線に対してY方向に所定距離(例えば1mm)だけ離れた第2の仮想線上(Y2の位置)の複数位置で微小点照度を測定する。このために、センサY方向移動手段122aが微小点照度センサ123をY方向に前記所定距離(1mm)移動させ、微小点照度センサ123がX方向に数mm移動する毎に微小点照度を測定する。
このように、第1の仮想線上で測定を行った後、nを1ずつ増やしながら、第n−1(nは2以上の整数)の仮想線と平行に延び前記n−1の仮想線に対してY方向に所定距離だけ離れた第nの仮想線上の複数位置で微小点照度を測定する。本実施形態ではnが9になるまで(Y1〜Y9の位置で)上記の測定を行う。本実施形態ではnが9になるまで測定するが、nは2以上であれば良い。また、nが数十〜100になるまで測定を行うと、より正確な測定を行うことができる。
【0029】
上記測定が終わると、前記測定プログラムにより処理装置124は、測定された複数の微小点照度のデータをそのX方向およびY方向の測定位置と対応させた測定結果データを製造シリアル番号と関連付けて作成し、表示装置125に表示する。例えば、
図7に示すように、横軸がX方向に対応し縦軸がY方向に対応する照度の等高線図(マップデータ)を前記測定結果データとして作成する。この照度の等高線図には、レーザー光源2による照射位置2aが示されている。ここで、レーザー光源2の光の波長がLED2に対して特殊である場合、その波長に基づいて処理装置124はレーザー光源2による照射位置を求め、照度の等高線図に示す。一方、レーザー光源2を各LED1と別に点灯した上で、上記測定を行い、その測定結果に基づいてレーザー光源2による照射位置(測定したレーザー光の照度データそのものでも可)を照度の等高線図に示すことも可能である。なお、本実施形態では、照度の等高線図を用いているが、X軸がX方向に対応し、Y軸がY方向に対応し、Z軸が照度に対応する3次元グラフ(グラフデータ)や、その他のグラフで前記測定結果データを作成することも可能である。また、レーザー光源2を設けずに、複数のLED1のうちX方向の両端側のブロック20に実装されたLED1を基準光源として用いることも可能である。この場合、最初にX方向の両端側のブロック20のLED1のみを点灯して、前記測定結果データの中における両端側のブロック20のLED1による照射位置を測定しておき、その後、上記のように全てのLED1を点灯して測定を行うことにより、両端側のブロック20のLED1による照射位置が示された測定結果データを作成することができる。
【0030】
上記照度の等高線図を参照し、照度が所定値以上の範囲(例えば
図7で最も色が濃い範囲)がX方向の一部でY方向にずれて蛇行している場合等は、そのX方向位置に対応する少なくとも1つのブロック20のボルト30を緩めて前記移動可能状態とし、移動可能状態としたブロック20のY方向の位置を調整する。前記測定プログラムに基づいて、処理装置124が表示装置125に、前記Y方向のずれ(蛇行)が基準範囲外であることや、そのX方向の範囲や調整すべきブロック20の並び番号を処理装置124が前記プログラムに基づき判断し、表示させることもできる。一方、作業者が照度の等高線図を参照してブロック20のY方向の位置調整の要否を判断しても良い。
図7では、ブロック2〜8がY方向の基準範囲外であることが示されている。また、
図7に示すように、照度の等高線図にブロック20の並び番号を表示することも可能である。また、
図7におけるブロック2〜4とブロック6〜8の範囲では、照度が所定値以上の範囲が傾いているので、このX方向位置に対応するブロック20について、Z方向軸まわりの回転方向に位置を調整する。この調整もブロック20のY方向の位置調整に含まれる。
【0031】
本実施形態では、上記Y方向の調整はブロック移動部材としての押しねじ15および引きねじ16を用いて行われる。照明装置本体10の一対の側面板12のうち一方には複数の孔12b及び孔12cが設けられ、各孔12b,12cは側面板12をY方向に貫通している。孔12bの内周面には雌ねじが形成されている。また、各孔12b、12cは各ブロック20に対応した位置に設けられ、各ブロック20には1つの孔12bと2つの孔12cが対応している。孔12bは各ブロック20のX方向の略中央位置に配置され、孔12cは各ブロック20のX方向の端部側の位置に配置されている。各孔12bには押しねじ15が螺合すると共に挿通し、各孔12cには引きねじ16が挿通している。各引きねじ16はそれぞれ対応するブロック20に螺合している。つまり、前記移動可能状態としたブロック20に対し、押しねじ15および引きねじ16を回転させることにより、当該ブロック20のY方向の位置を調整することができる。
なお、押しねじ15および引きねじ16の代わりに、ブロック20のY方向の位置を調整するための調整装置(図示せず)を支持部110に取付け、当該調整装置によって前記調整を行っても良い。この場合、例えば両方の側面板12に孔12bおよび12cを設ける。また、調整装置は、各孔12b,12cに挿通するブロック移動部材としてのブロック押しロッドと、ブロック押しロッドをその軸方向に進退させるアクチュエータとを備える。
【0032】
また、上記照度の等高線図を参照し、照度が所定値以上の範囲がX方向の一部で途切れている場合等、照度がX方向に均一でない場合、均一でないX方向位置に対応する少なくとも1つのブロック20のボルト30を緩めて前記移動可能状態とし、移動可能状態としたブロック20のZ方向の位置を調整する。前記測定プログラムに基づいて、処理装置124が表示装置125に、X方向の照度のむらが基準範囲外であることや、そのX方向の範囲や調整すべきブロック20の並び番号を処理装置124が前記プログラムに基づき判断し、表示させることもできる。一方、作業者が照度の等高線図を参照してブロック20のZ方向の位置調整の要否を判断しても良い。
図7では、ブロック14〜15の範囲において照度が基準範囲外であることが示されている。
【0033】
本実施形態では、上記Z方向の調整はブロック移動部材としての押しねじ17を用いて行われる。照明装置本体10の一対の側面板12のうち一方には複数の孔12dが設けられ、各孔12dは側面板12をY方向に貫通している。孔12dの内周面には雌ねじが形成されている。また、各調整ブロック50には2つの孔12dが対応している。2つの孔12dは対応する調整ブロック50のX方向の一端側と他端側に対応する位置に配置され、各孔12dには押しねじ17が螺合すると共に挿通している。ここで、各調整ブロック50のZ方向の一方の面は他方の面に対してY方向に傾斜しているので、調整ブロック50を押しねじ17で押すことにより、当該調整ブロック50に対応するブロック20をロッドレンズ40側に移動させることができる。また、押しねじ17を調整ブロック50から離れる方向に移動させることにより、調整ブロック50も押しねじ17側に移動できるようになり、ボルト13を締め付けた際に調整ブロック50がロッドレンズ40から離れる方向に移動する。調整ブロック50を押しねじ17側に押すように、孔12dを有する側面板12側に向かって各調整ブロック50を付勢するバネ等の付勢部材を設けることも可能である。
ここで、ブロック20は押しねじ15および引きねじ16によってそのY方向の位置が規制されているので、調整ブロック50のY方向の移動によるブロック20のY方向の移動が抑制され、Y方向のアライメントの調整が崩れることが防止される。
【0034】
なお、押しねじ17の代わりに引きねじを設けることも可能であり、引きねじと押しねじを両方設けることも可能である。
また、押しねじ17や引きねじの代わりに、調整ブロック50のY方向の位置を調整するための調整装置(図示せず)を支持部110に取付け、当該調整部材によって前記調整を行っても良い。この場合、例えば両方の側面板12に孔12dを設ける。また、調整装置は、各孔12dに挿通するブロック移動部材としてのブロック押しロッドと、ブロック押しロッドをその軸方向に進退させるアクチュエータとを備える。このような場合は孔12dに雌ねじを設けなくても良い。
【0035】
これら調整が終わった後、全てのブロック20を再び締結状態にし、上記測定および上記照度の等高線図の作成および表示を再び行う。この結果、照度が所定値以上の範囲のY方向へのずれ(蛇行)が基準範囲内であり、X方向の光照度のむらが基準範囲内であれば、処理装置124の指令でプリンター126が照度の等高線図を印刷し、作業者がライン状照明装置を支持部110から取外し、他の所定の検査等を行った後、所定の梱包容器に梱包する。取外した後に完成品とするための工程を行っても良い。
前記印刷される物には前記製造シリアル番号も記載されている。上記の1回目の照度の等高線図を参照し、照度が所定値以上の範囲のY方向へのずれ(蛇行)が基準範囲内であり、X方向の光照度のむらも基準範囲内であればあれば、前記ブロック20のY方向やZ方向の位置の調整をせずに、処理装置124がプリンター126によって照度の等高線図を印刷し、作業者がライン状照明装置を支持部110から取外し、他の所定の検査や、完成品とするための工程を行った後、所定の梱包容器に梱包する。そして、梱包したライン状照明装置を前記印刷した照度の等高線図と共に納入先に送る。なお、照度の等高線図を電子データで納入先に送ることも可能である。納入先に送る測定結果データは、照度の等高線図ではなく、上記グラフであっても良く、測定した微小点照度測定値をX方向およびY方向の測定位置と対応させた数値データであっても良い。
ここで、上記調整が終わった後、照度が所定値以上の範囲のY方向のずれが完全に修正しきれない場合や、照度が所定値以上の範囲が真っ直ぐではあるが全体的にY方向にずれている場合に、レーザー光源2の照射方向を、側面板12に螺合し先端がレーザー光源2に当接するネジ等の照射方向調整手段により、Y方向に調整することも可能である。例えば、
図7では2つのレーザー光源2の照射位置2aがY5の付近にあらわれているが、各レーザー光源2の照射方向をY方向に調整し、各照射位置2aがY4の位置等にあらわれるようにしても良い。
【0036】
なお、上記の測定、測定結果データの作成、必要に応じたブロック20のY方向やZ方向の位置の調整、調整後の再度の測定、および測定結果データの再度の作成は、ロッドレンズ40が長い場合や、ロッドレンズ40の直径が大きい場合は、製造する製品の全数に対して行わないと製品を高精度とすることができない。納入先において求められる仕様にもよるが、一般的に、ロッドレンズ40の長さが1000mm以上の場合に製品全数に対して行うことが好ましく、800mm以上の場合に製品全数に対して行うことがより好ましい。また、ロッドレンズ40の直径が40mm以上の場合に製品全数に対して行うことが好ましく、30mm以上の場合に製品全数に対して行うことがより好ましい。なお、納入先で特に精度が要求される場合は、上記の長さや直径以下の場合にも、製造する製品の全数に対して上記を行うことが好ましい。
なお、上記では、拡散レンズ41を取付けた状態で上記測定を行ったが、拡散レンズ41を取付ける前に上記測定を行うことも可能である。
【0037】
本実施形態では、複数のブロック20のうち少なくとも一部を照明装置本体10に対してZ方向に移動させて、複数のLED1のうち一部(移動させるブロックのLED1)とロッドレンズ40とのZ方向の距離を調整できるので、例えばLED自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことができないことや、ロッドレンズ40に図面上の許容公差範囲で蛇行やうねりがあることや、ロッドレンズ40や照明装置本体の自重によりロッドレンズ40にわずかな曲がりが生じていることにより、ライン状の照射位置のX方向のある位置で光のむらが生じていても、当該位置におけるロッドレンズ40による焦点位置をZ方向に調整する等して、ライン状の照射位置の精度を向上することができる。
【0038】
また、締結手段である各ボルト30は、対応するブロック20を、締結状態と、照明装置本体10に対するZ方向の移動が可能な移動可能状態にすることができ、各調整ブロックにおける一方の面が他方の面に対してY方向に傾斜しており、側面板12に設けられた各孔12d(ねじ孔でも良い)に前記移動可能状態の際に対応するブロック20をY方向に押すおよび/又は引くブロック移動部材が挿通するので、複数の調整ブロックのうち対象の調整ブロックをY方向に移動させることにより、その調整ブロックに対応するLED1とロッドレンズ40との距離をライン状照明装置の分解を要せず行うことができる。従って、調整作業を容易に行うことができ、また、無用に分解および再組付けを行わないので照射位置の精度を向上することができる。
【0039】
また、本実施形態では、1本の仮想線ではなく、Y方向に位置をずらした複数の仮想線上でそれぞれ複数の微小点照度を測定し、その測定データをX方向およびY方向の測定位置と対応させた測定結果データを作成するので、ライン状の集光位置で最も照度が高くなっている位置やラインを確実に判定することができる。また、測定結果データに基づき基板付きブロック20のY方向の位置調整や前記Z方向の調整をするので、例えばLED1自体の精度のばらつきや組立の誤差を完全に無くすことができず、また、ロッドレンズ40に図面上の許容公差範囲で蛇行やうねりがあり、ロッドレンズ40や照明装置本体10の自重によりロッドレンズ40にわずかな曲がりが生じていても、ライン状の照射位置の精度を確保することができる。前記のように全製品について測定を行うことにより、納入先ではライン状照明装置の照射位置の精度に疑問を抱かずに設置作業を行うことができ、納入先での設置および調整を容易に行うことができる。
【0040】
また、基板付きブロック20のY方向の位置や前記Z方向の調整を行った後の測定結果データをライン状照明装置の製品を納入した納入先に納入するので、納入したライン状照明装置が照射位置に許容範囲内のわずかな曲がり等を有する場合であっても、納入先ではその特性を考慮しながらライン状照明装置の設置作業を行うことができる。このため、わずかな曲がり等の特性があることに気付かずに設置作業を行う場合に比べ、作業効率が大幅に向上する。
【0041】
また、ライン状照明装置が納入先における設置角度に設置された状態で測定および測定結果データの作成を行うので、納入先における設置状態での集光レンズや照明装置本体のわずかな撓みも加味した測定結果データとなり、納入先における設置作業の容易化に極めて有用である。
また、納入先でライン状照明装置の設置作業を行う時に、例えばレーザー光源2の照射位置を基準にラインセンサカメラを仮止めし、レーザー光源2の照射位置が示されたマップデータ又はグラフデータを参照しながらライン状照明装置又はラインセンサカメラの位置を微調整することができる。すなわち、レーザー光源2の照射位置を目印に設置作業を行うことができるので、作業効率がより向上する。
また、レーザー光源2の光はロッドレンズ40を介さずに集光位置に照射されるので、ロッドレンズ40のわずかなうねり等により乱されることが無く、設置作業を行う際の目印としてより信頼することができる。
【0042】
また、本実施形態では、複数の基板付きブロック20とロッドレンズ40とを照明装置本体10に取付けた後、ライン状の集光位置の精度を測定した結果、集光レンズの許容公差範囲内の蛇行やうねり等により照射位置に許容範囲内のわずかな曲がり等を有する場合、各基板付きブロック20は、移動可能状態の際にX方向の移動量よりもY方向の移動量が2倍以上となるように照明装置本体10に係合しているので、基板付きブロック20がX方向に無用にずれて光量のむらが生ずることを心配せずに、基板付きブロック20のY方向やZ方向の位置を調整し、前記曲がり等を低減又は解消することができる。このため、納入先ではライン状照明装置の照射位置の精度に疑問を抱かずに設置作業を行うことができ、納入先での設置および調整を容易に行うことができる。
【0043】
また、照明装置本体10には複数の孔12b,12cが設けられ、当該孔12b,12cは、前記移動可能状態の際に対応する基板付きブロック20をY方向に押すおよび/又は引くブロック移動部材としての押しねじや引きねじが挿通する。このため、ライン状照明装置を分解せずに基板付きブロック20のY方向の位置調整を行うことができる。従って、調整作業を容易に行うことができ、また、無用に分解および再組付けを行わないので照射位置の精度を向上することができる。
また、照射位置の最も照度が高いラインの中に斜めになっている部分がある場合、当該部分に対応する基板付きブロック20をZ方向軸まわりに回転移動させて、前記斜めになっている部分の傾斜を低減又は解消することができ、照射位置の精度をより向上することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、孔12b,12c,12dに挿通するボルトによりブロック20や調整ブロック50の位置調整をしている。これに対し、ヒートシンク11にZ方向に貫通する孔を設け、この孔に先端が円錐形状である押し治具やねじを挿入し、押し治具やねじの先端の円錐形状の斜面をブロック20や調整ブロック50の下面の角等に当接させ、押し治具やねじのZ方向の移動によりブロック20や調整ブロック50が前記円錐形状の斜面によってY方向に押される構成としても良い。
【0045】
また、上記測定、測定結果データの作成、測定結果データに基づくブロック20のY方向位置やZ方向位置の調整、再測定、および再測定データの測定結果データの作成は、前記移動可能状態の際にX方向の移動量よりもY方向の移動量が2倍以上になるように、ブロック20が照明装置本体10のヒートシンク11に係合していなくても、ブロック20のY方向位置やZ方向位置の調整で少し気を遣うが、実施することができる。
【0046】
また、レーザー光源2は、照明装置本体10のヒートシンク11等の他の場所に取付けることも可能であり、ブロック20の基板22上に実装することも可能であり、ロッドレンズ40を介して照射位置に光を照射するように設けることも可能であり、これらの場合でも上記と同様の効果を得ることは可能である。また、基準光源としてレーザー光源2の代わりに指向性の強いLED光源や他の公知の光源を設けることも可能である。また、基準光源としてのレーザー光源2を、ライン状照明装置のX方向の両端側だけではなく、中央付近にも設けることが可能である。
【0047】
また、調整ブロック50とブロック20だけではなく、ヒートシンク11の上面も角度γだけY方向に傾斜させることが可能である。この場合でも、角度β=α+γ等となるように3つの角度を設定することにより、上記と同様の効果を得ることができる。
また、孔12b,12c、押しねじ15および引きねじ16を設けずに、Z方向の調整だけを行うよう構成することも可能である。
また、
図8に示すように、各ブロック20に対しY方向一対の調整ブロック50を設けることも可能である。この場合でも、ブロック20は調整ブロック50を介して照明装置本体10に締結され、調整ブロック50のY方向の移動によってブロック20のZ方向の位置を調整できる。
図8において、1本のボルトに雌ねじと雄ねじを形成し、雌ねじをY方向一方の調整ブロック50に螺合させ、雄ねじをY方向他方の調整ブロック50に螺合させることも可能である。この場合、当該一本のボルトを回すことにより、Y方向一対の調整ブロック50の間隔を大きく又は小さくすることができる。
【0048】
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第2の実施形態では、
図9のように、第1の実施形態に対し、ブロック20とヒートシンク11との締結方法を変え、孔12b,12c、押しねじ15および引きねじ16を省き、孔12d、調整ブロック50および押しねじ17も省いたものである。
第2の実施形態では、ヒートシンク11のY方向の一端側にZ方向突出部11cが設けられ、Z方向突出部11cはヒートシンク11のX方向の全幅に亘って設けられている。Z方向突出部11cのY方向一方の面(側方対向面)は複数のブロック20の側面に対向している。また、ヒートシンク11の取付孔11aはZ方向突出部11cをY方向に貫通するように形成され、各ブロック20がそれぞれボルト30によってZ方向突出部11cに締結されている。
【0049】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に複数の仮想線上の複数位置で微小点照度を測定し、測定結果データに基づきブロック20のZ方向位置を調整することができる。具体的には、ボルト30を緩めることによりブロック20をZ方向に移動可能な移動可能状態とし、ボルト30にZ方向の力を加えてブロック20をZ方向に移動することができる。ヒートシンク11にZ方向に貫通する孔を設け、該孔に押しねじや引きねじが挿通するようにしても良い。この場合、押しねじや引きねじによりブロック20にZ方向の力を加えることができる。一方、側面板12にY方向に貫通する孔を設け、該孔に先端が円錐形状である押しねじを螺合し、当該円錐形状の先端によってブロック20のZ方向の端部を押し、これによりブロック20にZ方向の力を加えることもできる。さらに、アクチュエータによって軸方向に動く押しロッド又は引きロッドを前記孔に挿通し、当該ロッドによってブロック20にZ方向の力を加えても良い。
【0050】
本発明の第3の実施形態について以下に説明する。
第3の実施形態では、
図10のように、第1の実施形態に対し、Z方向調整のための調整ブロック50および押しねじ17を省き、代わりに、一対の側面板12のうち一方をX方向に並設された複数の板状部材12eから構成したものである。この場合、各板状部材12eはそれぞれ側面板締結部材としての2本のボルト13によってヒートシンク11のY方向の端部に締結されている。また、各板状部材12eにはそれぞれロッドレンズ40にZ方向に係合してロッドレンズ40のZ方向の移動を規制するレンズ支持部12aが設けられている。各ボルト13は、対応する板状部材12eを、ヒートシンク11に押付け固定される締結状態と、該締結状態よりも押付け力が弱められて前記対応する板状部材12eのヒートシンク11に対するZ方向の移動が可能になる移動可能状態にすることができる。
【0051】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に複数の仮想線上の複数位置で微小点照度を測定し、測定結果データに基づき複数のLED1の一部とロッドレンズ40とのZ方向の距離を調整することができる。具体的には、測定結果データに基づきロッドレンズ40との距離を調整する必要があるLED1の位置を判断し、当該調整を要するLED1に対応する板状部材12eを締結するボルト13を緩めて当該板状部材12eを移動可能状態とし、当該板状部材12eの位置をZ方向に調整する。この時、
図2に示すように、押しねじ15の外径や引きねじ16の外径と孔12b,12cとの間には隙間が設けられているので、板状部材12eは押しねじ15や引きねじと干渉することなくZ方向に移動できる。所望の量だけ移動した後、当該板状部材12eはボルト13を締付けることにより前記締結状態となる。これにより、Z方向に移動される板状部材12eのレンズ支持部12aにより支持されている部分において、ロッドレンズ40とLED1との距離が変化する。ライン状照明装置の分解を要せず当該Z方向の位置調整を行うことができるので、調整作業が容易であり、照射位置の精度を向上することができる。なお、両方の側面板12を複数の板状部材12eから構成することも可能である。
【0052】
本発明の第4の実施形態について以下に説明する。
第4の実施形態では、
図11のように、第1の実施形態に対し、Z方向調整のための調整ブロック50および押しねじ17を省き、代わりに、一対の側面板12のうち一方のレンズ支持部を側面板12に対しZ方向に移動可能に設けている。具体的には、
図11のように、一方の側面板12の他方に対する対向面に凹部12gを設け、当該凹部12g内に複数のレンズ支持部12fを設けている。各レンズ支持部12fはX方向に並ぶように凹部12g内に配置されている。また、各レンズ支持部12fに対応するように複数の支持部位置調整部材12h,12iが照明装置本体10に設けられている。各支持部位置調整部材12h,12iはZ方向の延びる円柱状部材であり、それぞれ一端が対応するレンズ支持部12fにZ方向に当接し、それぞれの他端には各支持部位置調整部材12h,12iを回転させるため六角穴等の工具係合部(図示せず)が設けられている。そして、各支持部位置調整部材12h,12iは照明装置本体10に螺合している。また、第1の実施形態で説明したように一対の側面板12の間にロッドレンズ40が配置されるように各側面板12のボルト13を締付けると、レンズ支持部材12fがロッドレンズ40と側面耐12との間に挟まれた状態になる。この状態で、各支持部位置調整部材12h,12iを回転させると、対応するレンズ支持部材12fが上下方向に移動する。
【0053】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に複数の仮想線上の複数位置で微小点照度を測定し、測定結果データに基づき複数のLED1の一部とロッドレンズ40とのZ方向の距離を調整することができる。具体的には、測定結果データに基づきロッドレンズ40との距離を調整する必要があるLED1の位置を判断し、当該調整を要するLED1に対応するレンズ支持部材12fのZ方向の位置を調整する。これにより、ロッドレンズ40において当該レンズ支持部12aにより支持されている部分のLED1との距離が変化する。ライン状照明装置の分解を要せず当該Z方向の位置調整を行うことができるので、調整作業が容易であり、照射位置の精度を向上することができる。なお、両方の側面板12に前記レンズ支持部材12fと支持部位置調整部材12h,12iを設けることも可能である。
【0054】
第3および第4の実施形態では、ヒートシンク11に複数のブロック20を取付けたものを示した。これに対し、第3および第4の実施形態において、複数のブロック20を単一のブロックとすることも可能である。この場合、複数のLED1が単一のブロック上の基板に一直線状に実装されることになる。この場合であっても、LED1の一部とロッドレンズ40とのZ方向の距離を調整することができるので、上記と同様の効果を奏する。
【0055】
前記第1〜第4の実施形態では光源としてLEDを用いたが、他の光源を用いることも可能である。
また、集光レンズとしてロッドレンズ40を用いたが、断面蒲鉾型のシリンドリカルレンズや、リニアフレネルレンズや、複数のLED1の光をY方向に集光可能なその他の集光レンズを用いることも可能である。集光レンズは1つでなく2つ以上設けてもよい。
また、照度センサ124dの代わりに、光量(光度、光束、輝度等の光の量)を測定する他のセンサを用いても良い。
また、レール121、センサホルダ122、および微小点照度センサ123の代わりに、ラインセンサカメラを設け、先ず、第1の仮想線上で集光位置の照度や輝度を測定し、続いてnが1ずつ増えるように第nの仮想線上で集光位置の照度や輝度を測定し、この測定結果に基づいて測定結果データの作成を行っても良い。ラインセンサカメラを用いる場合、ラインセンサカメラ自体の撓みの問題が発生するので、レール121、センサホルダ122、および微小点照度センサ123を用いた測定の方が正確且つ安価な測定が可能である。
【0056】
前記第1〜第4の実施形態で行う複数の仮想線上の複数位置での微小点照度の測定、測定結果データの作成、測定結果データに基づくブロック20のY方向位置の調整や前記Z方向の調整、再測定、および再測定データの測定結果データの作成は、納入先で行っても良い。この場合、納入先に上記アライメント調整装置を持ち込んで、本製品の製造の最終工程を行うことになる。現地で上記測定、測定結果データの作成、測定結果データに基づくブロック20のY方向位置の調整や前記Z方向の調整、再測定、再測定データの測定結果データの作成を行うことにより、搬送時にロッドレンズ40や各ブロック20のアライメントが変化する可能性を排除できるので、より高精度なライン状照明装置を製造し納入することができる。
なお、納入先で上記測定を行う場合、納入先でライン状照明装置を実際に取付ける取付部を本願発明の支持部として使用することができる。この場合、支持部に支持した状態で納入先に納入することが可能である。これにより、実際の使用条件に近い状態で上記測定、測定結果データの作成、測定結果データに基づくブロック20のY方向位置の調整や前記Z方向の調整、再測定、再測定データの測定結果データの作成を行うことができるので、より実機に則したライン状照明装置を製造し納入することができる。
つまり、第1〜第4の実施形態とあわせると、納入とは、記支持部に支持した状態で、又は、前記支持部から前記照明装置本体を取外し、又は、前記ライン状照明装置を取外すと共に所定の工程を行うことにより完成品として納入先に納入することを意味し、出荷も納入に含まれる。
なお、ライン状照明装置の寸法や仕様は、検査対象や納入先の要望におうじて変化し、完全に同一の製品を複数の納入先に収めることは少ない。このような製品では、上記のように納入先で製造の最終工程を行うことが好ましい場合が多い。
【0057】
また、納入先でライン状照明装置とラインセンサカメラとの位置を再調整する場合も、レーザー光源2等の基準光源の照射位置が示されたマップデータ又はグラフデータを参照しながらライン状照明装置又はラインセンサカメラの位置を微調整することにより、再調整を容易且つ確実に行うことができる。
【0058】
また、納入先において、上記のように納入された測定結果データを参照しながら、ラインセンサカメラ等の検査用センサと前記納入されたライン状照明装置との位置を調整し、このように調整された状態で前記検査用センサを用いた検査を行うことが可能である。測定結果データに基づき検査用センサとライン状照明装置との位置を調整できるので、検査用センサはライン状の照明位置において照度が高いラインを確実に狙うことができ、検査精度を向上することができる。