(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)色材(a1)、分散剤及び分散溶媒を含む顔料分散組成物と、(B)アルカリ可溶性樹脂と、(C)光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)溶剤とを含み、
前記色材(a1)は、青色(blue)顔料40〜70重量%、赤色(red)顔料10〜40重量%、黄色(yellow)顔料10〜30重量%、及び黒色顔料0超過5重量%以下のみで構成されることを特徴とする、赤外線透過感光性樹脂組成物。
波長390nmにおける透過率が10%以下であり、波長650nmにおける透過率が40%以下であり、波長720nmから1100nmまでの領域における透過率が90%以上である、請求項4に記載の赤外線透過画素。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、(A)色材(a1)を含む顔料分散組成物、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び(E)溶剤を含み、前記色材(a1)は、青色(blue)顔料、赤色(red)顔料及び黄色(yellow)顔料を含むことにより、可視光線領域では非常に低い透過率を有し、かつ赤外線領域では高い透過率を示す赤外線透過画素を形成し、光量が不十分な環境でも優れた画質の画像を得るイメージセンサに活用できるようにする赤外線透過感光性樹脂組成物に関する。
【0030】
(A)顔料分散組成物
顔料分散組成物(A)は、色材(a1)を含む。
【0031】
色材(a1)は、赤外線透過機能を行うための顔料であり、本発明による色材(a1)は、青色(blue)顔料、赤色(red)顔料及び黄色(yellow)顔料を含み、黒色顔料を5重量%以下で含むことができる。
【0032】
青色顔料、赤色顔料及び黄色顔料を全て含まない場合は、可視光透過率が高くなり、生成したパターンが色を呈するようになるので、赤外線透過画素としての使用が不可である。
【0033】
前記顔料としては、具体的には、色指数(The society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0034】
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6等)、16、21、28、60、64、76等が挙げられる。
【0035】
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、215、216、224、242、254、255、264等が挙げられる。
【0036】
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、180、185等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0037】
好ましくは、青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントブルー60等が使用できる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255等が使用できる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185等が使用できる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0038】
本発明による色材(a1)は、青色顔料、赤色顔料及び黄色顔料をそれぞれ10〜70重量%で含むことができる。それぞれの含量が前記範囲内であると、非常に低い可視光線透過率を有し、かつ高い赤外線透過率を示す赤外線透過画素を形成できる。このような観点から、より好ましくは、青色(blue)顔料40〜70重量%、赤色(red)顔料10〜40重量%、及び黄色(yellow)顔料10〜30重量%を含むことができ、最も好ましくは、青色(blue)顔料50〜70重量%、赤色(red)顔料10〜30重量%、及び黄色(yellow)顔料10〜30重量%を含むことができる。
【0039】
本発明による色材は、パターンの直線性の改善、残渣の抑制、及び赤外線透過率の改善のために、黒色顔料を含まないことが好ましい。ただし、色材の全重量に対し5重量%以下の少量で含むことは可能であるが、前記の問題点を抑える点で黒色顔料を全く含まないことが最も好ましい。
【0040】
本発明による色材(a1)は、本発明の目的を損なわない範囲内で、当分野で通常用いられる有機顔料、無機顔料、染料等をさらに含むことができる。
【0041】
有機顔料としては、印刷インキ、インクジェットインキ等に用いられる各種の顔料を用いることができる。具体的には、水溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアントラキノニル顔料、アントラピリミジン顔料、アンタントロン(anthanthrone)顔料、インダントロン(indanthrone)顔料、フラバントロン顔料、ピラントロン(pyranthrone)顔料又はジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
【0042】
前記無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩等の金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、又はアンチモン等の金属の酸化物若しくは複合金属酸化物等が挙げられる。
【0043】
特に、前記有機顔料及び無機顔料としては、具体的には、色指数(The society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0044】
例えば、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65及び71;C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、33、36、37及び38;C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36、47及び58;C.I.ピグメントブラウン28;等が挙げられる。
【0045】
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理又は不純物を除去するための有機溶剤又は水等による洗浄処理、イオン交換法等によるイオン性不純物の除去処理等が施されていてもよい。
【0046】
染料は、有機溶剤への溶解性を有するものであれば制限なく用いることができる。好ましくは、有機溶剤への溶解性を有し、且つアルカリ現像液への溶解性及び耐熱性、耐溶剤性等の信頼性を確保できる染料を用いることが好ましい。
【0047】
前記染料としては、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料と窒素含有化合物の塩、酸性染料のスルホンアミド体等とこれらの誘導体から選ばれるものを使用できる。その他にも、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料及びこれらの誘導体も選択可能である。
【0048】
好ましくは、前記染料は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
【0049】
前記染料の具体例としては、C.I.ソルベント染料として、C.I.ソルベントイエロー4、14、15、21、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162等の黄色染料;C.I.ソルベントレッド8、45、49、122、125、130等の赤色染料;C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56等の橙色染料;C.I.ソルベントブルー35、37、59、67等の青色染料;C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等の緑色染料;等が挙げられる。
【0050】
また、C.I.アシッド染料として、下記の染料が挙げられる。
【0051】
例えば、C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251等の黄色染料が挙げられる。
【0052】
また、C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426等の赤色染料が挙げられる。
【0053】
さらに、C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173等の橙色染料が挙げられる。
【0054】
さらにまた、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340等の青色染料が挙げられる。
【0055】
また、C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19等の紫色染料が挙げられる。
【0056】
また、C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109などの緑色染料等が挙げられる。
【0057】
さらに、C.I.ダイレクト染料として、下記の染料が挙げられる。
【0058】
例えば、C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141等の黄色染料が挙げられる。
【0059】
また、C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250等の赤色染料が挙げられる。
【0060】
さらに、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107等の橙色染料が挙げられる。
【0061】
さらにまた、C.I.ダイレクトブルー38、44、57、70、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293等の青色染料が挙げられる。
【0062】
また、C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104等の紫色染料が挙げられる。
【0063】
また、C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82などの緑色染料等が挙げられる。
【0064】
さらに、C.I.モルダント染料として、下記の染料が挙げられる。
【0065】
例えば、C.I.モルダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65等の黄色染料が挙げられる。
【0066】
また、C.I.モルダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95等の赤色染料が挙げられる。
【0067】
さらに、C.I.モルダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48等の橙色染料が挙げられる。
【0068】
さらにまた、C.I.モルダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84等の青色染料が挙げられる。
【0069】
また、C.I.モルダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58等の紫色染料が挙げられる。
【0070】
また、C.I.モルダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などの緑色染料等が挙げられる。
【0071】
前記顔料ないし染料は、それぞれ1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
色材(a1)は、固形分を基準として組成物の全重量に対し40〜70重量%で含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0073】
顔料分散組成物(A)は、分散剤(a2)、分散助剤(a3)又は分散溶媒(a4)を含むことができ、保存安定性及び分散のし易さのために分散樹脂(a5)をさらに含むことができる。
【0074】
(a2)分散剤
前記分散剤(a2)は、顔料の脱凝集及び安定性の維持のために添加されるものであり、当該分野において一般的に用いられるものを制限なく使用できる。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系などの界面活性剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独に又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0075】
前記分散剤(a2)は、好ましくは、ブチルメタアクリレート(BMA)又はN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート(DMAEMA)を含むアクリレート系分散剤(以下、アクリレート系分散剤という。)を含むのが良い。前記アクリレート系分散剤の市販品としては、DISPER BYK−2000、DISPER BYK−2001、DISPER BYK−2070又はDISPER BYK−2150等が挙げられる。前記アクリレート系分散剤は、それぞれ単独に又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
本発明による分散剤(a2)は、前記したアクリレート系分散剤以外に、他の樹脂タイプの顔料分散剤を用いることもできる。前記他の樹脂タイプの顔料分散剤としては、公知の樹脂タイプの顔料分散剤、特に、ポリウレタン、ポリアクリレートに代表されるポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸のアミン塩、ポリカルボン酸のアンモニウム塩、ポリカルボン酸のアルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアミドホスフェート塩、ヒドロキシル基が置換されたポリカルボン酸のエステル及びこれらの改質生成物、フリー(free)カルボキシル基を有するポリエステルとポリ(低級アルキレンイミン)との反応により形成されたアミドまたはこれらの塩、(メタ)アクリル酸−スチレンコポリマー、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレートエステルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂または水溶性ポリマー化合物;ポリエステル;改質ポリアクリレート;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの付加生成物及びリン酸エステル等が挙げられる。
【0077】
前記樹脂タイプの顔料分散剤の市販品としては、カチオン系樹脂分散剤として、例えば、BYK(ビック・ケミ)社のDISPER BYK−160、DISPER BYK−161、DISPER BYK−162、DISPER BYK−163、DISPER BYK−164、DISPER BYK−166、DISPER BYK−171、DISPER BYK−182、DISPER BYK−184;BASF社のEFKA−44、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−4010、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4020、EFKA−4015、EFKA−4060、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4400、EFKA−4406、EFKA−4510、EFKA−4800;Lubirzol社のSOLSPERS−24000、SOLSPERS−32550、NBZ−4204/10;川研ファインケミカル社のヒノアクト(HINOACT) T−6000、ヒノアクト T−7000、ヒノアクト T−8000;味の素ファインテクノ社のアジスパー(AJISPUR)PB−821、アジスパー PB−822、アジスパー PB−823;共栄社化学社のフローレン(FLORENE)DOPA−17HF、フローレン DOPA−15BHF、フローレン DOPA−33、フローレン DOPA−44等が挙げられる。
【0078】
前記したアクリレート系分散剤以外の他の樹脂タイプの顔料分散剤は、それぞれ単独に又は2種以上を混合して用いることができ、アクリレート系分散剤と併用して用いることもできる。
【0079】
分散剤(a2)は、顔料(a1)の固形分100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部で含むことができる。顔料分散剤の含量が前記範囲内であると、均一な粒径の分散した顔料が得られるので好ましい。分散剤(a2)の含量が50重量部を超えると、粘度が高くなることがあり、1重量部未満であると、顔料の微粒化が困難であり、又は分散後のゲル化等の問題が生じることがある。
【0080】
(a3)分散助剤
分散助剤とは、顔料を微細な粒子に分散してその再凝集を防止する役割を果たす製剤をいう。前記分散助剤は、コントラスト比が高く、かつ透過度に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
【0081】
分散助剤としては、特に限定されることなく、例えば、下記化学式1で表される分散化合物を用いることができる。
【0082】
【化1】
(式中、R
1〜R
4は、互いに独立して、水素、−OHまたは−NH−R
9であり、
前記R
5〜R
8は、互いに独立して、水素、ハロゲンまたはSO
3−であり、
前記R
9は、水素、炭素数1〜8の線状又は非線状のアルキル基、若しくは下記化学式2で表される置換基である。)
【0083】
【化2】
(式中、R
10〜R
14は、互いに独立して、水素原子、炭素数1〜4の線状又は非線状のアルキル基、SO
3−、若しくは化学式3で表される置換基である。)
【0084】
【化3】
(式中、R
15は、水素原子、COR
16、炭素数1〜8の線状又は非線状のアルキル基、若しくは炭素数4〜18の飽和又は不飽和環であり、
R
16は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。)
【0085】
化学式1で表される化合物は、特に限定されることなく、例えば、1,8−ジアミノ−4,5−ジヒドロキシアントラキノン、1,5−ビス{[2−(ジエチルアミノ)エチル]アミノ}アントラ−9,10−キノン、1,8−ビス(ベンズアミド)アントラキノン、1,4−ビス{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}アントラ−9,10−キノン、1,4−ビス{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−5,8−ジヒドロキシアントラ−9,10−キノン、1,8−ジヒドロキシ−4−[4−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ]−5−ニトロアントラ−9,10−キノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ビス(4−ブチルアニリノ)−5,8−ジヒドロキシアントラキノン、4’−(4−ヒドロキシ−1−アントラキノニルアミノ)−アセトアニリド、1,4−ビス[(2,6−ジエチル−4−メチルフェニル)アミノ]アントラキノン、1,4−ビス(ブチルアミノ)−9,10−アントラセンジオン、1,4−ビス(4−ブチルアニリノ)−5,8−ジヒドロキシアントラキノン、1,5−ビス[(3−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン、1,5−ジシクロヘキシルアミノアントラキノン、1,4−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノン、1,4−ビス(メチルアミノ)アントラキノン、1,4−ビス(2,6−ジエチル−4−メチルアニリノ)アントラキノン、2,2’−(9,10−ジオキソアントラセン−1,4−ジイルジイミノ)ビス(5−メチルスルホネート)、1−アニリノ−4−ヒドロキシアントラキノン、1−ヒドロキシ−4−[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン、1,4−ビス(パラ−トリルアミノ)アントラキノン、1−アミノ−4−フェニルアミノアントラキノン、N−[4−[(4−ヒドロキシ−アントラキノ−1−ニル)アミノ]フェニル]アセトアマイド、1−(メチルアミノ)−4−(4−メチルアニリノ)アントラセン−9,10−ジオン、または1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノン等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0086】
本発明による分散助剤(a3)は、市販の分散助剤をさらに含むことができる。具体的には、Lubrizol社のSOLSPERSE−5000、SOLSPERSE−12000、SOLSPERSE−22000、BYK社のBYK−SYNERGIST 2100、BYK−SINERGIST 2105;BASF社のEFKA−6745、EFKA−6750等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0087】
分散助剤(a3)は、顔料(a1)の固形分100重量部に対して1〜30重量部で含むことができる。分散助剤(a3)の含量が30重量部を超えると、顔料固有の色が変質し、カラーフィルタの製造工程時にハードベークによって変色する問題点がある。
【0088】
(a4)分散溶媒
分散溶媒(a4)は、特に制限されず、当該分野で用いられている各種の有機溶剤を用いることができる。
【0089】
具体例としては、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、環状エステル類等が挙げられる。好ましくは、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルや3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類を使用できる。より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等を使用できる。これらは単独に又は2種以上混合して使用できる。
【0090】
分散溶媒(a4)は、顔料分散組成物の全重量に対して50〜90重量%で含むことができ、好ましくは70〜85重量%で含むことができる。含量が50重量%未満であるか、又は90重量%を超えると、顔料分散組成物の保存安定性が不良になる欠点がある。
【0091】
(a5)分散樹脂
分散樹脂(a5)は、色材(a1)の分散媒として作用するものであり、選択的に添加することができる。分散剤(a2)の単独使用よりも分散樹脂(a5)との混合使用の方が、より優れた顔料分散組成物の製造が可能である。
【0092】
分散樹脂としては、分散媒として作用可能なものであれば制限なく使用できるが、顔料分散組成物から製造される着色感光性樹脂組成物の現像性を考慮して、アルカリ現像液への溶解性を有するために酸価のあるものが好ましい。ここで、酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0093】
酸価のある分散樹脂は、カルボキシル基と不飽和結合を有する化合物(b1)、及びこれと共重合が可能な不飽和結合を有する化合物(b2)を共重合して製造したものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0094】
カルボン酸基と不飽和結合を有する化合物(b1)の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;フマル酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;および、これらのジカルボン酸の無水物;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどの両末端にカルボキシル基と水酸基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類;等が挙げられるが、アクリル酸、メタアクリル酸が好ましい。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0095】
前記化合物(b1)と共重合が可能な不飽和結合を有する化合物(b2)の具体例としては下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、脂環族(メタ)アクリレート類、アリール(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−置換マレイミド系化合物、不飽和アミド化合物、不飽和オキセタン化合物等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0097】
分散樹脂(a5)は、色材(a1)の固形分100重量部に対して、例えば、1〜50重量部で含むことができ、好ましくは5〜40重量部で含むことができる。分散樹脂(a5)の含量が50重量部を超えると、粘度が高くなることがあり、1重量部未満であると、分散樹脂の量が不十分で、微粒化した顔料分散組成物を得ることができない。
【0098】
顔料分散組成物(A)は、赤外線透過感光性樹脂組成物の固形分の全重量に対して10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%の範囲で含むことができる。
【0099】
(B)アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂(B)は、下記化学式4〜7のモノマーを含んで重合したものであってもよい。
【0104】
化学式4〜7のモノマーは、アルカリ可溶性樹脂(B)に含まれて重合される全モノマーに対して3〜80モル%で含んで重合でき、好ましくは5〜70モル%で含んで重合できる。モノマーのモル%が前記範囲内であると、現像工程中にパターンの剥離がなく、感度、密着性及び耐溶剤性に優れたパターンを製造できる。
【0105】
本発明によるアルカリ可溶性樹脂(B)は、化学式4〜7のモノマーと共重合可能なモノマーをさらに含んで重合されたものであってもよい。
【0106】
例えば、芳香族ビニル化合物等のアルキル(メタ)アクリレート類;脂環族(メタ)アクリレート類;アリール(メタ)アクリレート類;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;N−置換マレイミド系化合物;不飽和アミド化合物;不飽和オキセタン化合物等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上を混合して用いることができる。
【0107】
本発明によるアルカリ可溶性樹脂(B)は、必要に応じて、当該分野で一般的に用いられる公知の様々な他のアルカリ可溶性樹脂をさらに混合して用いることができる。
【0108】
アルカリ可溶性樹脂(B)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜100,000であってもよく、好ましくは5,000〜50,000であってもよい。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が3,000未満であるか、又は100,000を超えると、現像時に膜の減少が防止されず、パターン部の欠落が起こることがある。
【0109】
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、50〜150KOH mg/gであってもよい。アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が前記範囲内であると、現像液への溶解性及び残膜率が向上するため好ましい。好ましくは60〜140KOH mg/g、より好ましくは80〜135KOH mg/gであり、さらに好ましくは80〜130KOH mg/gである。ここで、酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0110】
アルカリ可溶性樹脂(B)は、赤外線透過感光性樹脂組成物の固形分の全重量に対して10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%で含むことができる。含量が前記範囲内であると、現像液の溶解性が十分でパターン形成が容易であり、現像時に露光部の画素部の膜の減少が防止され、非画素部の欠落性が良好となるので好ましい。
【0111】
(C)光重合性化合物
光重合性化合物(C)は、後述する光重合開始剤の作用で重合可能な化合物であれば特に限定されないが、好ましくは、単官能光重合性化合物、2官能光重合性化合物、または3官能以上の多官能光重合性化合物などが挙げられる。
【0112】
単官能単量体の具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。市販品としては、アロニックス M−101(東亜合成社製)、KAYARAD TC−110S(日本化薬社製)、またはビスコート158(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
【0113】
2官能単量体の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。市販品としては、アロニックス M−210、M−1100、1200(東亜合成社製)、KAYARAD HDDA(日本化薬社製)、ビスコート260(大阪有機化学工業社製)、AH−600、AT−600、またはUA−306H(共栄社化学社製)等が挙げられる。
【0114】
3官能以上の多官能光重合性化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、 プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがある。市販品としては、アロニックス M−309、M−520(東亜合成社製)、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHAまたはKAYARAD DPHA−40H(日本化薬社製)等が挙げられる。
【0115】
3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類及びウレタン(メタ)アクリレートが、重合性に優れ、強度を向上できる点で特に好ましい。
【0116】
前記で例示した光重合性化合物(C)は、単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0117】
光重合性化合物(C)は、赤外線透過感光性樹脂組成物の固形分の全重量に対して5〜45重量%含むことができ、好ましくは7〜45重量%で含むことができる。含量が前記範囲内であると、画素部の強度や平滑性が良好となるので好ましい。
【0118】
(D)光重合開始剤
光重合開始剤(D)は、光重合性化合物(C)を重合できるものであればその種類を特に制限することなく使用できる。
【0119】
特に、前記光重合開始剤(D)は、重合特性、開始効率、吸収波長、入手性またはコスト等の観点で、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム化合物およびチオキサントン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用することが好ましい。
【0120】
また、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記以外の光重合開始剤等をさらに併用してもよい。例えば、ベンゾイン系化合物又はアントラセン系化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独に又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0121】
また、前記光重合開始剤(D)は、本発明の赤外線透過感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始助剤(C−1)をさらに含むことができる。本発明による赤外線透過感光性樹脂組成物は、光重合開始助剤(D−1)を含むことにより、感度がさらに増加し、生産性を向上できる。
【0122】
前記光重合開始助剤(D−1)としては、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物及びチオール基を有する有機硫黄化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を好ましく用いることができる。
【0123】
光重合開始剤(D)は、赤外線透過感光性樹脂組成物の固形分の全重量に対して0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含むことができる。含量が前記範囲内であると、赤外線透過感光性樹脂組成物が高感度化して露光時間が短縮するので生産性が向上し、高解像度を維持できるため好ましい。また、前述した条件の組成物を用いて形成した画素部の強度及び前記画素部の表面での平滑性が良好になり得る。
【0124】
また、前記光重合開始助剤(D−1)を追加的に使用する場合、前記光重合開始剤(D)と同じ含量の範囲内で使用することが好ましく、前述した含量で使用した場合、赤外線透過感光性樹脂組成物の感度がさらに増加し、前記組成物を用いて形成されるカラーフィルタの生産性が向上する効果をもたらす。
【0125】
(E)溶剤
溶剤(E)は、赤外線透過感光性樹脂組成物に含まれる他の成分を溶解させるのに効果的なものであれば、通常の半導体用フォトレジストにおいて用いられる溶剤を特に制限なく使用でき、特に、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、またはアミド類などが好ましい。
【0126】
溶剤(E)は、具体的には、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類等が挙げられる。
【0127】
溶剤(E)は、塗布性及び乾燥性の点で、沸点が100℃〜200℃の有機溶剤が好ましく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。これらは単独に又は2種以上混合して用いることができる。
【0128】
溶剤(E)は、赤外線透過感光性樹脂組成物の固形分100重量部に対して100〜300重量部、好ましくは150〜250重量部で含むことができる。
【0129】
<赤外線透過画素、カラーフィルタアレイ及びイメージセンサ>
本発明は、前記赤外線透過感光性樹脂組成物から製造された赤外線透過画素を提供する。
【0130】
前記赤外線透過画素は、例えば、赤外線透過感光性樹脂組成物を以下のように基材上に塗布し、光硬化及び現像してパターンを形成することにより製造したものであってもよい。
【0131】
まず、赤外線透過用感光性樹脂組成物を基板(通常は、Silicon)、又は先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層上に塗布後、加熱乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去し、平滑な塗膜を得る。
【0132】
塗布方法としては、例えば、スピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリットアンドスピンコート、又はスリットコート法等が挙げられる。塗布後、加熱乾燥(プリベーク)又は減圧乾燥後に加熱し、溶剤等の揮発成分を揮発させる。ここで、加熱温度は、通常70〜200℃、好ましくは80〜130℃である。加熱乾燥後の塗膜の厚さは、通常0.5〜1.5μm程度である。このようにして得られた塗膜に、目的とするパターンを形成するためのマスクを介して紫外線を照射する。このとき、露光部全体に均一に平行光線が照射され、またマスクと基板との正確な位置合わせが行われるように、マスクアライナーやステッパ等の装置を用いることが好ましい。紫外線を照射すると、紫外線が照射された部位の硬化が行われる。
【0133】
前記紫外線としては、g線(波長:436nm)、h線、i線(波長:365nm)等を用いることができる。紫外線の照射量は、必要に応じて適宜選択できるものであり、本発明はこれを限定しない。硬化が終了した塗膜を現像液に接触させて、非露光部を溶解させて現像すると、目的とする形状を有するパターンが得られる。
【0134】
前記現像方法は、液添加法、ディッピング法、スプレー法等のいずれであってもよい。また、現像の際に基板を任意の角度に傾斜させてもよい。前記現像液は、通常、アルカリ性化合物及び界面活性剤を含有する水溶液である。前記アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカリ性化合物のいずれであってもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
【0135】
これらの無機及び有機のアルカリ性化合物は、それぞれ単独に又は2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
【0136】
前記アルカリ現像液中の界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、又はカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
【0137】
前記ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0138】
前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム又はオレイルアルコール硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類等が挙げられる。
【0139】
前記カチオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等のアミン塩又は4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独に又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0140】
前記現像液中の界面活性剤の濃度は、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。現像後、水洗し、また必要に応じて150〜230℃で3〜10分のポストベークを行うこともできる。
【0141】
本発明の赤外線透過画素は、可視光線領域で低い透過率を示し、かつ高い赤外線透過率を示す。具体的には、赤外線透過画素の膜厚が1μmである場合、波長390nmでの透過率が10%以下であり、650nmで40%以下であり、720nm〜1100nmの領域での透過率が90%以上であり得る。
【0142】
また、本発明は、前記赤外線透過画素を含むカラーフィルタアレイ及びこれを含むイメージセンサを提供する。
【0143】
したがって、このようにして得られるパターンは、イメージセンサのカラーフィルタアレイに有用に用いることができ、可視光線の遮蔽性及びIR透過性に優れているだけでなく、低露光量でも架橋密度が高く、基板への密着性に優れ、耐熱性及び化学的安定性(耐溶媒性)に優れた利点を有する。
【0144】
以下、本発明の理解を助けるために、好適な実施例を示すが、これらの実施例は本発明を例示するに過ぎず、添付された特許請求の範囲を制限するわけではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内において実施例に対し変更が多様であること且つ修正が可能であることは、当業者にとって明らかなことであり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属するのも当然のことである。
【0145】
合成例1.アルカリ可溶性樹脂(B)の合成
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコを用意した。その一方で、モノマー滴下ロートで、3,4−エポキシトリシクロデカン−8−イル(メタ)アクリレートと3,4−エポキシトリシクロデカン−9−イル(メタ)アクリレートとの混合物(50:50のモル比)40重量部、メチルメタクリレート50重量部、アクリル酸40重量部、ビニルトルエン70重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40重量部を投入後、攪拌混合して混合液を用意した。また、連鎖移動剤の滴下槽として、n−ドデカンチオール6重量部、PGMEA24重量部を入れて撹拌混合したものを準備した。
【0146】
その後、フラスコにPGMEA395重量部を導入し、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にした後、攪拌しながらフラスコの温度を90℃まで昇温した。次いで、モノマー及び連鎖移動剤を滴下ロートからフラスコに滴下し始めた。滴下は、90℃を維持しながら、それぞれ2時間進行し、1時間後に110℃に昇温して5時間維持した。これにより、固形分の酸価が100mgKOH/gの樹脂A−1を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は15,000g/molであり、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。
【0147】
前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
注入量:50μL
検出器:RI
測定試料濃度:0.6質量%(溶媒:テトラヒドロフラン)
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
【0148】
前記で得られた重量平均分子量及び数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
【0149】
製造例.顔料分散組成物の製造
下記表1の記載に従い、製造例1〜4及び比較製造例1〜5の顔料分散組成物を調製した。具体的には、下記表1に記載の重量部で顔料分散組成物を調製した。表1に記載の重量部の色材と分散樹脂(メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体であり、メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は、モル比として31:69で、ポリスチレン換算の重量平均分子量は15,000である。)、分散剤と分散助剤としてのアジスパー PB−821(味の素ファインテクノ社製)とBYK−180(BYK社製)、及び分散溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、ビーズミルにより2時間混合及び分散し、顔料分散組成物を調製した。
【0151】
実施例及び比較例
下記表2の記載に従い、ブラックマトリックス用の感光性樹脂組成物を製造した。具体的には、前記合成例1で製造したアルカリ可溶性樹脂、前記製造例で調製した顔料分散組成物、光重合性化合物(KAYARAD DPHA、日本化薬社製)、光重合性開始剤(Irgacure OXE01、BASF社製)、および溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PGMEA)を混合し、表2の重量部で実施例及び比較例の赤外線透過感光性樹脂組成物を調製した。
【0153】
前記実施例及び比較例の赤外線透過感光性樹脂組成物により、シリコンウエハ上にパターンを形成した。具体的には、前記各々の赤外線透過感光性樹脂組成物をスピンコート法によりシリコンウエハ上に塗布した後、加熱板の上に乗せ、100℃の温度で90秒間維持し、薄膜を形成した。次いで、前記薄膜の上に、透過率を1〜100%の範囲で階段状に変化させるパターン及び1.5μm、2.0μmの正方形のパターンを有するフォトマスクを適用して紫外線を照射した。このとき、露光はi−line Stepperを用いて行った。前記紫外線が照射された薄膜を0.4〜0.1%TMAH水溶液の現像溶液に1分間浸漬して現像した。前記薄膜が塗布されたシリコンウエハを、蒸留水を用いて洗浄後、220℃の加熱炉で3分間加熱し、パターンを製造した。前記で製造されたパターンの厚さは1.0μmであった。
【0154】
実験例
前記のようにして得られたパターンに対して、下記のような物性評価を行い、その結果を下記表3に示した。
【0155】
1.可視光及び赤外線の透過率
製造されたパターンの300nm〜1100nmにおける透過率を測定した。そして、赤外線720nmにおける透過率を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0156】
2.パターン形状及び残渣
前記で得られたパターンを、CD−SEM(8100XP;KLA−Tencor製)を用いてパターンサイズを測定し、パターンの直線性、残渣、及びパターンの垂れを観察し、下記表3に示した。
<評価基準>
・パターンの直線性
1:非常に不良、2:不良、3:普通、4:良好、5:非常に良好
・残渣
1:非常に不良、2:不良、3:普通、4:良好、5:非常に良好
【0158】
前記表3から、実施例の組成物から製造された赤外線透過画素は、可視光透過率は低くなっており、赤外線透過率は高くなっていることが分かる。また、パターンの直線性に優れ、かつ残渣が生じていないことが確認できる。
【0159】
これに対し、比較例の組成物から製造された画素は、可視光透過率が高くなっているか、又は赤外線透過率が低くなっている。また、比較例4及び5の場合は、特にパターンの直線性が低く、残渣が生じている。