(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態においては、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
[1.情報提供装置の概要]
まず、実施形態に係る情報提供装置の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置の概要を示す説明図である。以下においては、実施形態に係る情報提供装置1をサーバとして、また、端末装置2を、いわゆる「スマートフォン」と呼ばれる携帯端末として説明する。なお、端末装置2は、タブレットコンピュータなどのスマートデバイスであっても構わない。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供装置1は、受付部11と記憶部12と検索部13と送信部14とを備える。
【0013】
記憶部12は、複数のオブジェクト画像の情報と、当該オブジェクト画像に含まれるオブジェクトの状態を示す状態情報とを、オブジェクト画像毎に関連付けて記憶する。ここでは、オブジェクトを、主たる被写体となる人物としており、以下では、オブジェクト画像を、単に人物画像、あるいは画像と呼ぶ場合がある。また、主たる被写体となる人物としては、各界の著名人であって、例えば、芸能人やスポーツ選手などである。また、オブジェクト画像の情報とは、端末装置2の表示画面21に画像表示するための画素情報の集合を指し、以下では、オブジェクト画像の情報を、単に画像ファイルと呼ぶ場合がある。また、状態情報とは、例えば、人物のポーズ(姿勢)、顔の向きおよび表情などを示す情報である。
【0014】
受付部11は、端末ユーザ2aが、所有する端末装置2(スマートフォン)を用いて送信した画像検索要求を受け付ける。かかる画像検索要求には、オブジェクト(主たる被写体)である人物を特定するための情報、例えば名前などが含まれる。
【0015】
検索部13は、記憶部12に記憶されている複数の画像ファイル(オブジェクト画像の情報)の中から、画像検索要求で特定されるオブジェクト(人物)に対応する特定のオブジェクト画像の情報を、状態情報に基づいて選択する。なお、以下では、特定のオブジェクト画像の情報を、特定画像ファイルと呼ぶ場合がある。
【0016】
すなわち、記憶部12には、複数の特定のオブジェクト画像である、特定人物画像A・・・Zが、それぞれ複数記憶されている。画像検索要求において、人物を示す名前が含まれている場合、その名前に相当する特定人物画像(例えばX)を選択するのであるが、このとき、検索部13は、状態情報に基づき、例えば、ポーズ違い、表情違いが含まれるように、特定人物画像を複数選択する。
【0017】
送信部14は、検索部13により選択された特定画像ファイル(特定のオブジェクト画像の情報)を含む画像検索結果3を、画像検索要求がなされた端末装置2へ送信する。すなわち、画像検索結果3としては、端末装置2の表示画面21の広さと表示する画像サイズとを勘案して決定された複数の特定画像ファイルにより構成される。例えば、図示するように、4つの特定画像ファイルが、表情違い、顔の向きの違い、ポーズ違いなどというように、バリエーションに富んだ画像表示となるようにレイアウトされて表示される。
【0018】
このように、本実施形態に係る情報提供装置1は、画像検索結果3を画像検索要求がなされた端末装置2に送信する場合、画像検索結果3として表示される複数の特定画像ファイルが、各特定画像ファイルに含まれる特定人物画像の状態情報が互いに異なる組み合わせとなるように送信する。換言すれば、情報提供装置1は、表示される複数の特定画像ファイルが、各特定画像ファイルに含まれる特定人物画像の状態情報が重複することがない組み合わせとなるように、画像検索要求がなされた端末装置2に画像検索結果3を送信する。
【0019】
したがって、端末ユーザ2aは、自身が要求した目的の画像を、限られた表示枚数の中で、可及的にバリエーションに富んだ組み合わせで閲覧することができる。すなわち、本実施形態に係る情報提供装置1は、端末ユーザ2aからの画像検索要求に対し、多様性に富んだ画像検索結果3を送信することが可能となる。
【0020】
通常、端末ユーザ2aが画像検索すると、端末装置2に表示される画像は、検索要求された特定人物画像の中で、人気の高い順(例えば、ユーザ全体におけるクリック回数の多い順)に表示されていた。その場合、限られた広さの表示画面21に表示される画像が、いずれも正面向きのものであったり、いずれも笑顔であったりと、変化に乏しいものとなることが多かった。その点、本実施形態によれば、限られた表示枚数の中でも、可及的にバリエーションに富んだ画像表示を行うことができ、画像を提供する際のサービス向上を図ることができる。
【0021】
ところで、記憶部12に記憶される人物画像の情報は、例えばクローリングなどで得られた情報に、ポーズや表情、顔の向きなどを識別するタグが付されて記憶されるものとする。なお、ポーズ、表情、顔の向きなどの検出は、画像中の境界線などを抽出し、線の形状などから自動解析可能な周知のプログラムを用いることができる。
【0022】
また、検索結果として端末装置2へ送信される複数の特定人物画像は、その中でも最も人気のある画像が先頭になるようにレイアウトするとよい。例えば、
図1であれば、笑顔の被写体が正面を向いている画像が先頭に位置するようにレイアウトされる。ここで先頭を上段、左端としているが、表示される画像における先頭の定義は特に限定するものではない。
【0023】
[2.情報提供装置1の構成]
次に、情報提供装置1の具体的な構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置1の構成例を示すブロック図、
図3は、記憶部12に記憶されるオブジェクト画像とオブジェクトの状態情報とが関連付けられた画像データ7を示す説明図である。
【0024】
図2に示すように、情報提供装置1は、制御部10(コントローラ)と、記憶部12と、通信部17とを備え、ネットワーク4を介して端末装置2と接続する。
【0025】
すなわち、情報提供装置1の通信部17は、ネットワーク4を介して端末装置2との間で通信を行うことができる。なお、通信部17とネットワーク4との接続は、有線、無線いずれでも構わないが、端末装置2は、ネットワーク4との接続を無線で行う。
【0026】
記憶部12は、複数の画像データ7が記憶される画像情報データベース(以下、「画像DB」とする)120と、制御部10に様々な処理を行わせる各種の処理プログラム121とが格納されている。
【0027】
図3に示すように、画像DB120に記憶される画像データ7には、オブジェクト画像情報である画像ファイルと、その識別番号となるIDと、状態情報とが含まれる。状態情報としては、ポーズ、向き、表情が含まれる。ポーズの種類としては、様々なポーズを示すタグがあり、例えば、走っている状態であれば「走」というタグが付される。また、向きとしては、「前」、「右」、「左」などのタグがある。さらに、表情としては、「笑」、「怒」、「悲」などのタグがある。
【0028】
例えば、ID:A0001は、怒った表情の人物Aの顔写真である画像ファイルが表示される画像データ7であるため、ポーズとしてはタグがなく、向きとしては「前」、表情としては「怒」のタグが付されている。また、ID:A0002は、笑った表情の人物Aの顔写真を示す画像データ7であり、ポーズとしてはタグがなく、向きとしては「右」、表情としては「笑」のタグが付されている。他方、ID:Zxxx9は、人物Zの走っている全身写真を示す画像データ7であり、ポーズとしては「走」のタグが付され、向きとしては、走行方向を示す「左」のタグが付される一方、表情としてのタグは付されていない。
【0029】
このように、記憶部12の画像DB120には、被写体となる人物毎に、その人物の状態に応じたタグが付されて人物の状態が特定された画像データ7が格納されている。かかる画像データ7は、制御部10によって、前述したようにクローリングなどで画像データ7を取得するとともに、ポーズや表情、顔の向きなどに応じた識別用のタグを付して記憶部12の画像DB120に格納される。
【0030】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0031】
かかる制御部10は、前述した受付部11と、検索部13と、送信部14とに加え、設定部15をさらに備える。
【0032】
そして、制御部10は、記憶部12および通信部17と協働して、以下に説明する情報提供処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部10の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報提供処理を行うことができる構成であれば他の構成であってもよい。
【0033】
受付部11は、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121のうち、受付プログラムが制御部10によって実行されることにより実現され、通信部17を介して端末装置2からの画像検索要求を受け付ける。端末装置2からの画像検索要求は、端末ユーザ2aが(
図1参照)が、端末装置2を操作する(例えば、検索用入力欄に名前を打ち込む)ことによりなされる。
【0034】
検索部13は、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121のうち、検索プログラムが制御部10によって実行されることにより実現される。また、検索部13は、記憶部12が備える画像DB120に記憶されている複数の画像ファイルの中から、画像検索要求で特定された特定画像ファイルを、状態情報に基づいて選択する。
【0035】
すなわち、検索部13は、画像検索要求の中に含まれる特定オブジェクトを示す名前などを識別子として、特定人物が含まれる特定画像ファイルを情報DB12から選択する。
【0036】
次いで、検索部13は、特定画像ファイルに対応する画像データ7に含まれる状態情報に基づき、選択した複数の特定画像ファイルを、状態情報毎に分類する。さらに、検索部13は、複数の特定画像ファイルに含まれる各人物のポーズや表情などの組み合わせが、所定の規則にしたがった組み合わせとなるように、当該特定画像ファイルを選択する。
【0037】
すなわち、記憶部12の情報DB120に、個別の人物A〜Zに関する複数の画像データ7が記憶されており(
図1を参照)、複数の画像データ7には、それぞれ、該当する人物A〜Zのポーズ、顔の向き、および表情などのうち、少なくとも一つの状態を示す状態情報タグが付与されている。
【0038】
検索部13は、例えば、特定画像ファイルを人物Aに関する画像ファイルとすると、所定の規則として、人物Aのポーズ、向き、姿勢などの状態毎の特定画像ファイルを選択する。
【0039】
設定部15は、検索部13によって選択された特定画像ファイルを、所定の規則にしたがった組み合わせに基づきレイアウトし、それを画像検索結果3(
図4参照)として送信部14へ送る。
【0040】
すなわち、検索部13で選択した特定画像ファイルは、記憶部12に記憶された全ての特定画像ファイルの中から特定人物の状態毎に分類したものであって、端末装置2に表示する特定画像ファイルの数や、そのレイアウトなどは規定されていない。
【0041】
そこで、設定部15は、例えば、すべての特定画像ファイルの中から、状態情報毎に少なくとも一つの特定画像ファイルを選択し、選択した特定画像ファイルを、表示画面21に効率よく表示されるようレイアウトして画像検索結果3とする。
【0042】
このとき、設定部15は、画像検索要求がなされた端末装置2の種別に応じて、所定の規則にしたがった組み合わせ内容を変更することができる。
【0043】
すなわち、本実施形態では、端末装置2を、いわゆるスマートフォンとしているため、表示画面21は、他のタブレット端末、またはパーソナルコンピュータ(PC)と比較すると相対的に狭い。そのため、設定部15は、端末ユーザ2aが特定画像ファイルを見易いように、表示画面21に一度に表示される画像の数を設定する。さらに、表示画面21に一度に表示される特定画像ファイルの中では、例えば、ポーズや顔の向きや表情などが重複しないように特定画像ファイルをレイアウトする。
【0044】
このように、画像検索要求がなされた端末装置2の種別に応じて、所定の規則にしたがった組み合わせ内容を変更するため、端末装置2には、適切な枚数でありながら、かつバリエーションに富んだ特定画像ファイルが送信されることになる。したがって、端末装置2に、いたずらに数が多いだけの特定画像ファイルが送信されることはなく、端末装置2のメモリなどに無用な負荷をかけることがない。
【0045】
なお、端末装置2の種別は、例えば、端末装置2が備えるブラウザが本実施形態に係る情報提供装置1にアクセスする際に報告する端末IDともなるユーザエージェント名により、端末装置2の種類を識別することができる。
【0046】
ここで、設定部15によって、所定の規則にしたがった組み合わせに基づきレイアウトされた画像検索結果3の具体例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報提供装置1による画像検索結果3を示す説明図である。図示するように、この例では、端末装置2の表示画面21に、人物Aをオブジェクト(被写体)とする特定画像ファイルが、上段、中段、下段、各3列で表示されている。
【0047】
表示された3×3の9つの特定画像ファイルのうち、上段の左位置には、人物Aを示す画像ファイルのうち、人物Aを示す代表的な画像ファイル(A−1−1)が筆頭画像として配置される。なお、「代表的」とする場合に厳格な定義はないが、例えば、広く認知された最もポピュラーな画像などが該当する。
【0048】
かかる画像ファイル(A−1−1)は、状態情報としては顔の「向き」や「表情」のカテゴリに属するものである。そのため、設定部15は、所定の規則の一例として、上段に表示される画像ファイルを「向き」または「表情」のカテゴリに属するものの中から選択してレイアウトするようにしている。ここでは、「向き」のカテゴリに属するものを上段に設定しており、中央位置には人物Aの左向きの画像ファイル(A−1−2)が、右位置には人物Aの右向きの画像ファイル(A−1−3)が配置される。なお、ここでは、「向き」のカテゴリに属するものを上段に設定したが、「表情」のカテゴリに属するものが設定される場合があってもよい。
【0049】
そして、本実施形態における設定部15は、中段には「表情」のカテゴリの属する画像ファイル(A−2−1〜A−2−3)が、下段には「ポーズ」のカテゴリの属する画像ファイル(A−3−1〜A−3−3)が表示されるようにレイアウトする。
【0050】
すなわち、図示するように、中段の左位置には、人物Aの笑っている表情の画像ファイル(A−2−1)が、中段の中央位置には、人物Aの怒っている表情の画像ファイル(A−2−2)が、中段の右位置には、人物Aの困った表情の画像ファイル(A−2−3)が配置される。
【0051】
また、下段の左位置には、人物Aの立っている姿勢の画像ファイル(A−3−1)が、下段の中央位置には、人物Aの踊っている姿の画像ファイル(A−3−2)が、下段の右位置には、人物Aの腰かけている姿の画像ファイル(A−3−3)が配置される。
【0052】
このように、設定部15は、検索部13によって選択された特定画像ファイルを、例えば端末装置2の種別に応じた所定の規則にしたがった組み合わせとなるようにレイアウトし、それを画像検索結果3として送信部14へ送ることができる。
【0053】
送信部14は、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121のうち、送信プログラムが制御部10によって実行されることにより実現され、設定部15から取得した画像検索結果3を、通信部17を介して、画像検索要求元である端末装置2へ送信する。
【0054】
こうして、端末装置2の表示画面21には、すべての特定画像ファイルの中から、状態情報毎に選択された特定画像ファイルが、互いに重複することなく同時に表示されることになる。そのため、端末装置2における表示画面21の限られた表示領域の中でも、可及的にバリエーションに富んだ画像表示を行うことができるため、ユーザに対し、情報提供装置1としてのサービス向上を図ることができる。
【0055】
なお、設定部15は、端末装置2がスマートフォンである場合、表示画面21に表示できる数を、上述したように3×3を1セットとしているが、かかるセットを複数設定して順次表示可能にレイアウトしている。
【0056】
したがって、例えば、端末ユーザ2aが、端末装置2の表示画面21をスワイプ操作あるいはフリック操作して次画面を表示させると、人物の状態がそれぞれ異なる第2セット目の3×3の9つの画像ファイルが表示される。
【0057】
ところで、制御部10は、画像検索要求を行った端末ユーザ2aを特定するユーザ特定部16をさらに備える構成とすることもできる(
図2参照)。
【0058】
ユーザ特定部16は、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121のうち、ユーザ特定プログラムが制御部10によって実行されることにより実現され、端末装置2を識別するためのユーザIDを画像検索要求から取得し、端末ユーザ2aを特定することができる。
【0059】
かかるユーザIDは、例えば、端末装置2と情報提供装置1との間で送受信されるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)に設定されるユーザ識別情報である。また、ユーザIDは、情報提供装置1が提供するネットワーク4上におけるサービス(画像提供サービスの他、例えば、メールサービス、ショッピングサービス、オークションサービスなど)のログインIDであってもよい。
【0060】
ユーザ特定部16により、端末ユーザ2aが特定されると、検索部13は、複数の特定人物画像に含まれる複数の人物(被写体)の状態の組み合わせが、特定された端末ユーザ2aに応じた組み合わせになるように、複数の特定画像ファイルを選択する。
【0061】
すなわち、図示省略としたが、記憶部12に、「ユーザID」と「ユーザ属性」、「ユーザ嗜好」などの項目に対応するデータが関連付けられたユーザ情報テーブルを備えておく。そして、検索部13は、かかるユーザ情報テーブルから、特定された端末ユーザ2aの好みを推定し、推定結果に基づいて複数の特定画像ファイルを選択するのである。
【0062】
かかる構成とすることにより、端末ユーザ2aに対し、よりきめ細やかな画像提供サービスを行うことができる。なお、かかるユーザ特定部16を備える場合の処理については、後に詳述する。
【0063】
[3.情報提供装置1による画像提供処理]
ここで、本実施形態に係る情報提供装置1が行う情報提供処理の一例、すなわち、端末ユーザ2aによる画像検索要求に対し、画像検索結果を画像検索要求元である端末装置2へ送信する処理を実行するまでの処理の流れについて説明する。
図5は、実施形態に係る情報提供装置1の処理の流れの一例を示す説明図である。なお、
図5に示す処理は、制御部10により繰り返し実行される。
【0064】
図示するように、制御部10は、画像ファイル(オブジェクト画像の情報)と、状態情報とを関連付けて取得する(ステップS110)。かかる処理は、例えば、記憶部12に記憶されている各種の処理プログラム121のうち、クローリングプログラムが制御部10によって実行されることにより実現され、クローリングで得た画像ファイルに、ポーズや表情、顔の向きなどを識別するタグを付して記憶部12に記憶する。なお、ステップS110に係る処理は、制御部10により、定期的に行われている。
【0065】
ステップS120において、制御部10は、端末ユーザ2aにより端末装置2から画像検索要求がなされたか否かを判定し、画像検索要求がなされたと判定した場合(ステップS120:Yes)、処理をステップS130に移し、画像検索要求はなされていないと判定した場合は(ステップS120:No)、処理を終了する。
【0066】
ステップS130において、制御部10は、端末装置2からの画像検索要求で特定される人物に対応する特定画像ファイルを取得する。次いで、制御部10は、画像検索要求元の端末装置2の種別を判定する(ステップS140)。すなわち、端末装置2がスマートフォンなどの携帯端末なのか、またはタブレット端末なのか、またはPCなのかを判定する。
【0067】
次いで、制御部10は、画像検索要求元の端末装置2に表示する特定画像ファイルの表示枚数を決定する(ステップS150)。決定した数は、ステップS130で取得した特定画像ファイルの数が上限となる。また、この処理において、端末装置2の表示画面21に同時に表示可能な特定画像ファイルの表示枚数についても決定される。例えば、スマートフォンであれば、
図4に示すように、特定画像ファイルの数は9つ(3×3)である。
【0068】
次いで、制御部10は、状態情報に基づき組み合わされる人物画像を選択する(ステップS160)。すなわち、制御部10は、すべての特定画像ファイルの中から、ポーズ、顔の向き、表情などを示す状態情報毎に、少なくとも一つの特定画像ファイルを選択し、選択した特定画像ファイルを、表示画面21に効率よく表示されるようレイアウトして画像検索結果3とする。
【0069】
そして、制御部10は、ステップS160でレイアウト設定された画像検索結果3(
図4参照)を、画像検索要求元の端末装置2へ送信し(ステップS170)、この情報提供処理を終える。
【0070】
次に、変形例として、情報提供装置1の制御部10が、前述したユーザ特定部16を有する場合についての処理の流れについて説明する。なお、この実施形態においては、記憶部12は、「ユーザID」と「ユーザ属性」や「ユーザ嗜好」などの項目に対応するデータが関連付けられたユーザ情報テーブルが格納されていることとする。
【0071】
図6は、変形例に係る情報提供装置1の処理の流れの一例を示す説明図であり、この処理は、
図5に示した処理に対し、ステップS160の処理に代えて、ステップS161およびステップS162を実行する点のみが異なる。したがって、
図6におけるステップS110〜ステップS150までの詳細な説明は省略する。
【0072】
図6に示すように、画像検索要求元の端末装置2に表示する特定画像ファイルの表示枚数を決定(ステップS150)した後、制御部10は、画像検索要求元である端末装置2を利用している端末ユーザ2aを特定する(ステップS161)。すなわち、制御部10は、画像検索要求から、端末装置2を識別するためのユーザIDを取得して端末ユーザ2aを特定する。
【0073】
そして、端末ユーザ2aを特定した制御部10は、特定された端末ユーザ2aの好みをユーザ情報テーブルに含まれる「ユーザ属性」や「ユーザ嗜好」などから推定し、推定結果に基づいて複数の特定画像ファイルを選択する(ステップS162)。
【0074】
例えば、制御部10は、端末ユーザ2aが、ファッションなどに興味があると推定される場合、特定画像ファイル中、顔がアップされたものではなく、人物の全体が表示される画像ファイルを優先して選択する。また、端末ユーザ2aが、芸能界のアイドルなどに興味があると推定される場合、特定画像ファイル中、顔がアップされた画像ファイルを優先して選択する。あるいは、端末ユーザ2aが、スポーツなどに興味があると推定される場合、特定画像ファイル中、顔がアップされたものや、単なる起立写真などではなく、人物が運動している画像ファイルを優先して選択する。
【0075】
このように、制御部10がユーザ特定部16を有する場合、ユーザに応じた画像提供サービスを行うことができ、サービスの質を高めることに寄与することができる。
【0076】
ところで、上述してきた例では、被写体が一人の人物画像をオブジェクト画像の情報として説明したが、人物は一人とは限らない。例えば、画像検索要求で特定されるオブジェクト(被写体)が、コンビであったり、複数人からなるグループであったりする場合もある。
【0077】
そのような場合、制御部10の設定部15は、画像に含まれるメイン被写体の数に応じて、所定の規則にしたがった組み合わせ内容を適宜変更することができる。すなわち、被写体が一人の場合、画像検出結果3は、
図4で示したように、例えば、3段3列で表示される画像ファイルを、状態情報に基づいて、上段を顔の向き、中段を表情、下段をポーズに区分して表示した。
【0078】
それに対し、メイン被写体が、例えば、人物B1と人物B2との二人である場合、設定部15は、上段に表示する画像ファイルを顔の向きで分類する際に、一方の人物(例えば人物B1)の顔の向きのみを基準とし、他方の人物B2についての分類情報については無視することもできる。こうして、上段に表示される画像ファイルが、所定の規則として顔の向きで分類されていながらも、二人の人物B1,B2の顔の向きが全く異なっていたり、あるいは二人の人物B1,B2の姿勢が互いにバラバラであったりするなど、多様な画像表示が可能となる。
【0079】
このとき、中段に表示される画像ファイルについては、表情ではなく、人物B2の顔の向きで分類され、人物B1についての分類情報については無視して画像ファイルを表示することもできる。この場合、上段と中段とを合わせて、人物B1と人物B2の顔の向きが互いに異なる画像ファイルを表示させることが可能となる。このように、複数の人物が被写体である場合、より多様な画像検索結果3を端末ユーザ2aに提供することができる。
【0080】
[4.他の実施形態]
上述してきた実施形態においては、制御部10は、画像検索結果3を端末装置2に送信するまでを一連の処理とした。しかし、例えば、画像検索結果3を送信した後、端末ユーザ2aが、画像検索結果3を構成する複数の画像ファイルの中から、いずれの画像ファイルに興味をもったかの情報を収集するまでを一連の処理とすることができる。
【0081】
端末ユーザ2aが、画像検索結果3の中におけるいずれの画像ファイルに興味をもったかの情報は、例えば、以下のような手法で実現できる。すなわち、画像検索結果3を、その中の画像ファイルをクリックすると拡大表示できるように設定しておき、情報提供装置1は、端末ユーザ2aがどの画像ファイルをクリックしたかを検出することにより、端末ユーザ2aの興味を推測することができる。
【0082】
そして、かかる情報を記憶部12に記憶させておくことで、端末ユーザ2aの好みや嗜好の推定確率が高まり、より、きめ細かい画像提供サービスを行うことが可能となる。
【0083】
[5.ハードウェア構成およびプログラム]
なお、実施形態における情報提供装置1は、例えば、
図7に示すような構成のコンピュータ100によって実現される。
図7は、情報提供装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0084】
コンピュータ100は、CPU101、RAM102、ROM(Read Only Memory)103、ハードディスク(HDD)104、通信インターフェース(I/F)105、入出力インターフェース(I/F)106、およびメディアインターフェース(I/F)107を備える。
【0085】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。
【0086】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェース(I/F)105は、通信部17に対応し、通信ネットワーク4(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、通信ネットワーク4を介して他の機器へ送信する。
【0087】
CPU101は、入出力インターフェース(I/F)106を介して、ディスプレイなどの出力装置、および、各種ボタンなどの入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェース106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェース106を介して出力装置へ出力する。
【0088】
メディアインターフェース(I/F)107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェース107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0089】
コンピュータ100が情報提供装置1として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部10の機能を実現する。すなわち、コンピュータ100のCPU101は、受付部11、検索部13、送信部14、設定部15、ユーザ特定部16の機能を実現する。また、ROM103には、記憶部12内のデータが格納される。
【0090】
コンピュータ100のCPU101は、これらのプログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
[6.効果]
(1)実施形態に係る情報提供装置1は、記憶部12と、受付部11と、検索部13と、送信部14とを備える。記憶部12は、オブジェクト画像の情報(画像ファイル)と、当該オブジェクト画像に含まれるオブジェクト(被写体)の状態を示す状態情報とをオブジェクト画像毎に関連付けて記憶する。受付部11は、オブジェクトを特定するための情報を含む画像検索要求を受け付ける。検索部13は、記憶部12に記憶されているオブジェクト画像の情報(画像ファイル)の中から、画像検索要求で特定されるオブジェクト(被写体)に対応する特定のオブジェクト画像の情報(特定画像ファイル)を、状態情報に基づいて選択する。送信部14は、検索部13により選択された特定のオブジェクト画像の情報(特定画像ファイル)を含む画像検索結果3を画像検索要求がなされた端末装置2へ送信する。かかる構成により、情報提供装置1は、端末装置2に対し、オブジェクト画像を、バリエーションに富んだ態様で表示されるように送信することが可能となり、画像提供サービスの質を向上させることができる。
【0092】
(2)また、情報提供装置1は、上記(1)の構成において、検索部13は、複数の特定のオブジェクト画像に含まれる各オブジェクト(被写体)の状態の組み合わせが、所定の規則にしたがった組み合わせとなるように、当該特定のオブジェクト画像の情報(特定画像ファイル)を選択することができる。したがって、情報提供装置1は、端末ユーザ2aが所望する特定画像ファイルを、多様な表示態様であって、なおかつ端末装置2に応じた最適な表示態様で表示することが可能となる。
【0093】
(3)また、情報提供装置1は、上記(2)の構成において、検索部13によって選択された特定のオブジェクト画像の情報(特定画像ファイル)を、所定の規則にしたがった組み合わせとなるようにレイアウトする設定部15をさらに備える。したがって、情報提供装置1は、画像検索結果3を、端末装置2の表示画面21に応じたレイアウトで表示させることが可能となる。
【0094】
(4)また、情報提供装置1は、上記(3)の構成において、設定部15は、画像検索要求がなされた端末装置2の種別に応じて、所定の規則にしたがった組み合わせ内容を変更することができる。したがって、情報提供装置1は、画像検索結果3を、端末装置2の表示画面21のサイズなどに応じた最適な表示態様で表示させることが可能となる。
【0095】
(5)また、情報提供装置1は、上記(3)または(4)の構成において設定部15は、オブジェクト画像に含まれるメインオブジェクト(主たる被写体)の数に応じて、所定の規則にしたがった組み合わせ内容を変更することができる。したがって、情報提供装置1は、複数の被写体のうちのいずれか一方の状態情報のみに基づいて特定画像ファイルを選択することもできるため、より多様な画像表示が可能となる。
【0096】
(6)また、情報提供装置1は、上記(1)〜(5)のいずれかの構成において、オブジェクトは人物であり、オブジェクト画像に含まれるオブジェクト(被写体)の状態は、向き、姿勢、および表情のうち、少なくとも一つであるとした。したがって、情報提供装置1は、端末ユーザ2aが所望する人物画像を、同じような画像の羅列ではなく、多様な表示態様とすることができ、画像提供サービスの質を向上させることが可能となる。
【0097】
(7)また、情報提供装置1は、上記(1)〜(6)のいずれかの構成において、画像検索要求を行った端末ユーザ2aを特定するユーザ特定部16をさらに備え、検索部13は、複数の特定のオブジェクト画像に含まれる複数のオブジェクトの状態の組み合わせが、ユーザ特定部16によって特定された端末ユーザ2aに応じた組み合わせになるように、複数の特定のオブジェクト画像の情報(複数の特定画像ファイル)を選択する。したがって、情報提供装置1は、端末ユーザ2aの嗜好などに応じた画像提供サービスを行うことができ、サービスの質をより向上させることが可能となる。
【0098】
[7.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0099】
例えば、画像検索結果3を、例えば9つの画像ファイルで構成するとしても、表示される各画像ファイルの下層に複数の画像ファイルをリンクさせておき、表示されている画像ファイルをクリックすると、同一の状態情報で分類された他の複数の画像ファイルが表示されるようにすることもできる。
【0100】
また、上述してきた例では、画像検索結果3として、画像ファイルをレイアウトした状態で端末装置2に送信したが、端末装置2に送信するのは、例えば、画像検索結果3が置かれるアドレスのみとし、端末装置2が取得したアドレスから画像ファイルを取得するようにしてもよい。
【0101】
なお、上述してきた例では、状態情報としては顔の向き、表情、ポーズの3つの情報で分類したが、状態情報の数や種類は何ら限定されるものではない。
【0102】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。