(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
什器設置面に接地される接地面が形成された脚部を有し、前記脚部を前記什器設置面上に配置した設置状態での前後方向に沿うように、複数台重なってスタッキング状態とすることが可能な什器であって、
前記脚部の少なくとも一部が前記スタッキング状態で重なる他の什器の脚部と前記接地面との交差方向で重なるまで、前記他の什器の脚部を収容可能な脚収容部を備え、
前記脚部の前記接地面と反対側の前記設置状態における上面には、前記他の什器の脚部を前記脚収容部に収容したとき、あるいは前記他の什器の前記脚収容部に前記脚部が収容されたとき、前記他の什器の脚部の端部を前記設置状態での前後方向で突き当て可能なストッパ突部が設けられ、
前記ストッパ突部には、前記ストッパ突部の突き当て面上で庇状に張り出し、突き当てられた前記他の什器の脚部の端部の前記上面に係合可能な外面係合部が設けられている、什器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献3に開示される構成は、椅子を前傾姿勢として前後方向に重合させるため、バックヤード内で水平方向の面積を広く占有し易く、収容効率に改善の余地がある。
上記収容効率の改善のために、椅子を90度回転させた上向き状態として、積載用什器に上下方向で積載することが考えられる。
しかし、この構成を例えば上記特許文献1の構成で実施しようとすると、前後方向の位置決め手段が上下方向に係合していないことから、90度回転させた上下方向の積載状態では、上方に位置する椅子の位置決めが困難となり、積載状態が乱れる虞がある。また、上記特許文献2の場合、積載状態の乱れは抑えられるものの、座および背凭れのクッションが上下方向の荷重を受けるので、これらのクッションに跡がついて外観を損なう虞がある。
【0005】
本願発明は、上記の技術的課題に鑑みてなされたもので、複数台重なったスタッキング状態とすることが可能な什器および什器システムにおいて、スタッキング状態での什器間の相対移動を抑止してスタッキング作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明は、什器設置面に接地される接地面が形成された脚部を有し、前記脚部を前記什器設置面上に配置した設置状態での前後方向に沿うように、複数台重なってスタッキング状態とすることが可能な什器であって、前記脚部の少なくとも一部が前記スタッキング状態で重なる他の什器の脚部と前記接地面との交差方向で重なるまで、前記他の什器の脚部を収容可能な脚収容部を備え、前記脚部の前記接地面と反対側の外面には、前記他の什器の脚部を前記脚収容部に収容したとき、あるいは前記他の什器の前記脚収容部に前記脚部が収容されたとき、前記他の什器の脚部を前記設置状態での前後方向で突き当て可能なストッパ突部が設けられ、前記ストッパ突部には、突き当てられた前記他の什器の脚部の前記外面に係合可能な外面係合部が設けられている、什器を提供する。
この構成によれば、複数の什器をスタッキング状態としたとき、ストッパ突部で複数の什器の重なり方向の位置決めを行うとともに、上下のスタッキング状態とした際には、ストッパ突部で上下方向の荷重を受けることができる。また、ストッパ突部の外面係合部が、突き当たった他の什器の脚部の外面に係合するので、特に上下のスタッキング状態において、接地面との交差方向で重なる脚部が互いに離間してスタッキング状態を乱すことを抑止することができる。
また、上下のスタッキング状態において、上方の什器の荷重を、下方に位置して重なり合った什器の脚部によって受ける構成であるので、什器同士の距離を確実に確保することができる。したがって、什器がクッションを備える構成であっても、該クッションに過大な荷重が入力されて形状を乱してしまうことを抑止することができる。さらに、スタッキング状態を乱すことを抑止するので、台車等の運搬手段での運搬作業を行い易くすることができる。
【0007】
本発明において、前記ストッパ突部には、突き当てられた前記他の什器の脚部における什器幅方向の側面に係合可能な側面係合部が設けられている構成としてもよい。
この場合、スタッキング状態で重なる什器の脚部が什器幅方向で相対移動してスタッキング状態を乱すことを抑止することができる。
【0008】
本発明において、前記ストッパ突部は、前記脚部に固定された別体の装着部材により形成されている構成としてもよい。
この場合、脚部およびストッパ突部のそれぞれの形成を容易にするとともに、脚部およびストッパ突部をそれぞれの機能に適した異なる材料で形成することができる。
【0009】
本発明において、前記設置状態で、前記脚部の前記什器設置面に対する移動を連結具で規制可能であり、前記ストッパ突部は、前記連結具における前記設置状態での前後方向の端部に係合する位置決め突部と一体形成されている構成としてもよい。
この場合、連結具の什器幅方向と交差する前後方向での位置決めを容易にするとともに、脚部の外面に設けられる連結具用の位置決め突部とスタッキング用のストッパ突部とを一体化して合理化を図ることができる。
【0010】
本発明において、前記脚部の外面には、前記設置状態での前後方向で前記位置決め突部との間に前記連結具を挟み込むように第二位置決め突部が設けられ、前記第二位置決め突部における前記設置状態での前後方向で前記位置決め突部と反対側の端部には、前記反対側に位置するほど前記脚部の外面からの突出高さを漸減させる傾斜面が形成されている構成としてもよい。
この場合、連結具の什器幅方向と交差する前後方向での位置決めをさらに容易にするとともに、スタッキング作業時に位置決め突部と一体形成されるストッパ突部に向けて、他の什器の脚部が第二位置決め突部側から接近してきた場合に、第二位置決め突部を容易に乗り超えさせることが可能となり、什器のスタッキング作業を容易にすることができる。
【0011】
また、本発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の什器を複数備えるとともに、複数の前記什器をスタッキング状態にして収容する収容部を備えている什器システムを提供する。
この構成によれば、複数の什器をスタッキング状態としたとき、ストッパ突部で複数の什器の重なり方向の位置決めを行うとともに、上下のスタッキング状態とした際には、ストッパ突部で上下方向の荷重を受けることができる。また、ストッパ突部の外面係合部が突き当たった他の什器の脚部の接地面と反対側の外面に係合するので、特に上下のスタッキング状態において、接地面との交差方向で重なる脚部が互いに離間してスタッキング状態を乱すことを抑止することができる。このため、安定したスタッキング状態で什器の収容および移動を行うことが可能となり、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数台重なったスタッキング状態とすることが可能な什器および什器システムにおいて、スタッキング状態での什器間の相対移動を抑止してスタッキング作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の向きは、床面(什器設置面)F上に設置した状態の椅子1に、正規姿勢で着座した着座者の正面側を「前」、その逆側を「後」とし、上下左右も着座者から見た向きと同一とする。また、図中において、矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、矢印LHは左方を示している。
【0015】
図1〜
図5および
図8に示すように、本実施形態の椅子1は、脚体2と、座3と、回動機構4と、背凭れ5と、肘掛6と、横連結機構7とを備えている。
本実施形態の椅子1は、座3を上方に跳ね上げた状態(
図5に鎖線で示す)で、床面F上に設置した設置状態での前後方向に沿うように、前後に複数入れ子状に重ねたスタッキング状態とすることが可能である。
【0016】
また、椅子1は、座3を上方に跳ね上げるとともに、前記設置状態での前後方向を上下に起立させた上向き姿勢として、専用の台車100上で上下に複数入れ子状に重ねたスタッキング状態とすることが可能な、可搬式の椅子として構成されている。
他、椅子1は、所定の収容場所に固定的に設置された収容具または収容場所に対しても、前後または上下のスタッキング状態で収容可能である。前記台車100、収容具および収容場所等を含む収容部と複数の椅子1とで、本実施形態における什器システム1Sが構成されている。
【0017】
脚体2は、前脚2aと、後脚2bと、連結杆(脚部)2cと、を備え、左右一対に設けられている。
前脚2aは、上端2a1が下端2a2に対して後方に位置するように後傾された例えば丸鋼管で形成され、後脚2bの略二倍程度の長さを有して直線状に延びている。
後脚2bは、上端2b1が下端2b2に対して前方に位置するように前傾され、例えば前脚2aよりも小径の丸鋼管で形成されている。後脚2bの上端2b1は、前脚2aの長手方向の略中央部に後方から溶接結合されている。
【0018】
後脚2bは、下端2b2が上端2b1よりも幅方向内側に配置されており、前後方向視で下側ほど幅方向内側に位置するように傾斜している。一方、前脚2aは、前後方向視で左右相互に平行をなして上下に延びている。すなわち、後脚2bの下端2b2側(下半部)は、前脚2aよりも幅方向内側に傾斜して配置されている。これにより、床面F上で前後に並ぶ椅子1において、前側の椅子1の一対の後脚2bを、後側の椅子1の一対の前脚2aの間に前方から進入させることが可能となり、複数の椅子1を入れ子状に重ね合わせることが可能となる。このとき、椅子1の接地面2c4を形成する連結杆2cにおける接地面2c4と反対側の上面には、後方に位置する椅子1の連結杆2cの接地面2c4が上方から重なることとなる。
【0019】
座3の下方で左右脚体2の前脚2a側の間には、前方に位置する他の椅子1の左右脚体2の後脚2b側を前方から収容可能な脚収容部8が構成されている。脚収容部8内に前方から収容された他の椅子1の左右脚体2は、それぞれの連結杆2cの接地面2c4とは反対側の外面(上面)2c5側を、脚収容部8を構成する椅子1の左右脚体2の連結杆2cの接地面2c4側(下方)にその面直方向で重ねる。このとき、前記他の椅子1の連結杆2c上のストッパ突部12は、該他の椅子1の左右脚体2を収容する椅子1の連結杆2cの前端部2c3に前方から突き当たる。
【0020】
連結杆2cは、例えば床面Fと平行な鋼板で形成され、前後方向に直線状に延設された前脚接続部2c1と、前脚接続部2c1から後脚2bの下端2b2に至る後脚接続部2c2と、を一体に有している。
【0021】
前脚接続部2c1は、平面視において、肘掛6と同様に、椅子1の左右方向の最外側に配置されている。前脚接続部2c1は、複数の椅子1が左右方向に隣接して配列されたときに、隣り合う椅子1の前脚接続部2c1と隙間なく当接可能である。
後脚接続部2c2は、前脚接続部2c1の後端から後脚2bの下端2b2まで、後側ほど幅方向内側に位置するように傾斜した直線状に延設されている。後脚接続部2c2は、前脚接続部2c1よりも延設長さが短く設定されている。
【0022】
前脚接続部2c1の前部上面には、前脚2aの下端2a2が溶接結合され、後脚接続部2c2の後部上面には、後脚2bの下端2b2が溶接結合されている。前脚接続部2c1の上面において、後脚2b下端の後方かつ前脚2a下端の前方には、後述する装着部材10が固定されている。
【0023】
脚体2は、連結杆2cの下面(接地面2c4)を、床面Fに対して例えば不織布等のパッド部材PTを介して当接(接地)させている。このとき、座3、回動機構4、背凭れ5、肘掛6及び横連結機構7が、左右の脚体2に直接的または間接的に支持される。また、脚体2は、着座者がいるときには着座者の体重を支える。なお、パッド部材PTは無くてもよい。
【0024】
座3は、回動機構4を介して脚体2に対して回動可能に支持されている。座3の上面は着座面3aとされ、座3の後端部近傍は脚体2に左右方向に沿う回動軸3bを介して軸支されている。座3は、着座面3aを上方に向けた着座姿勢(
図5に実線で示す姿勢)と、着座面3aを背凭れ5側に向けた収納姿勢(
図5に鎖線で示す姿勢)と、の間で回動可能とされている。
【0025】
背凭れ5は、脚体2の前脚2aの上端2a1側に固定されており、座3よりも上方にて脚体2に支持されている。背凭れ5は、着座者がいるときには着座者の背中を後方から支える。
【0026】
肘掛6は、肘掛本体6aと、支持部6bと、を備え、左右一対に設けられている。
肘掛本体6aは、脚体2の前脚2aの上端2a1から前方に向けて延設されており、肘掛本体6aの上面は、着座者の前腕を載せる肘置き面とされている。
支持部6bは、肘掛本体6aの後部下方で肘掛本体6aの下面に沿うように設けられており、後端部が脚体2の前脚2aに固定されている。支持部6bも肘掛本体6aと同様、前脚2aから前方に向けて延設されている。
【0027】
肘掛6は、全体として前脚2aから前方に延設されており、かつ回動機構4よりも上方に配置されている。支持部6bの前端面は、複数の椅子1が入れ子状に重ね合わされたときに前方の椅子1の肘掛本体6aの後端面(第二当接面6a1)に当接する第一当接面6b1とされている。これにより、複数の椅子1を入れ子状に重ね合わせたときに、肘掛6によって前後の椅子1間の距離が規定される。また、椅子1の連結杆2cの前端部2c3が、前方に位置する椅子1の連結杆2c上の装着部材10のストッパ突部12に後方から当接することによっても、前後の椅子1間の距離が規定される。したがって、複数の椅子1を前後に等間隔に重ね合わせることができる。
【0028】
横連結機構7は、椅子1の左右両側に設けられた回動機構4の外側面に各々取り付けられている。横連結機構7は、複数の椅子1同士が横方向に配列されたときに、隣り合う椅子1同士を接続するための機構である。
【0029】
図6、
図7を併せて参照し、本実施形態の椅子1は、例えば劇場、ホールの空きスペースおよび体育館等において、左右方向(什器幅方向)に複数配列することで、着席スペースを臨時的に増設することができる。このとき、左右に隣り合う椅子1同士は、横連結機構7同士を接続するとともに、後述する連結具21によって連結杆2c同士を連結し、この連結具21によって連結杆2cを床面Fに固定することで、床面F上の設置箇所に複数の椅子1を固定的に設置可能とされている。このとき、前記複数の椅子1によって本実施形態における組み合わせ什器1Aが構成されている。
【0030】
連結杆2cの前脚接続部2c1は、椅子1の最外側に位置して前後方向に延在しており、前述したように、複数の椅子1が左右方向に隣接して配列されたときには、隣り合う椅子1の前脚接続部2c1と当接可能である。このため、複数の椅子1を横並びに配置したときに、隣接する椅子1の連結杆2cの間に床面F上の間隔が生じない。前記間隔が生じると埃等が溜り易いが、本実施形態の椅子1では設置される床面Fの清掃が容易である。また、前脚接続部2c1が前後方向に沿う直線状であるので、複数の椅子1を幅方向に複数並設する作業にあたり、前脚接続部2c1が隣り合う椅子1を設置する際のガイドとなる。
【0031】
図8は、本実施形態の椅子1を上下方向で入れ子状に複数重ねたスタッキング状態とし、専用の台車100上に載置した状態を示している。
図8、
図9、
図14に示すように、複数の椅子1を上下のスタッキング状態とした場合には、スタッキング状態で下方に位置する椅子1の肘掛6の第一当接面6b1に、スタッキング状態で上方に位置する椅子1の肘掛6の第二当接面6a1が上方から当接する。また、スタッキング状態で下方に位置する椅子1の脚体2の連結杆2cの前端部2c3に、スタッキング状態で上方に位置する椅子1の脚体2の連結杆2c上に固定された装着部材10のストッパ突部12が上方から当接する。図中矢印F−Rは椅子1における床面F上に設置した状態での前後方向を示す。
【0032】
これにより、複数の椅子1を上下に重ねたスタッキング状態としたときに、上下に重なる椅子1間の距離が規定される。互いに当接する肘掛6および連結杆2cは、それぞれ着座者の身体を支持する強度の高い部材であり、複数の椅子1を積み重ねる際の荷重をしっかり受け止めることが可能である。
【0033】
なお、複数の椅子1を床面F上に設置した際の姿勢のまま、床面F上で前後に複数入れ子状に重ねたスタッキング状態とした場合においても、後方に位置する椅子1の第一当接面6b1に、前方に位置する椅子1の第二当接面6a1が前方から当接し、かつ、後方に位置する椅子1の連結杆2cの前端部2c3に、前方に位置する椅子1の連結杆2c上のストッパ突部12が前方から当接することで、前後に入れ子状に重なる椅子1の相対的な位置決めがなされる。
【0034】
図8、
図10に示すように、上下のスタッキング状態では、椅子1の接地面2c4を形成する連結杆2cにおける接地面2c4と反対側の上面に、スタッキング状態で下方に位置する椅子1の連結杆2cの接地面2c4が重なる。連結杆2cの上面には、前記装着部材10がボルトおよびナット等の適宜の固定手段によって固定されている。
【0035】
図11、
図12を併せて参照し、装着部材10は、連結杆2cと別体をなし、鉄鋼製の連結杆2cに対し、例えばポリアセタール等の合成樹脂材料により形成されている。装着部材10は、連結杆2cの上面に沿うベース板部11と、ベース板部11の前端部から上方に突出するように形成されるストッパ突部12と、ストッパ突部12の後部に一体形成される位置決め突部13と、ベース板部11の後端部からストッパ突部12よりも低く上方に突出するように形成される第二位置決め突部14と、を一体形成している。
【0036】
ストッパ突部12は、上下のスタッキング状態で下方に位置する椅子1の連結杆2cにおける上向きとなった前端部2c3を下方から突き当て可能である。
ストッパ突部12の後部に一体形成される位置決め突部13は、椅子1の設置状態で、後述する連結具21を後方から当接させて位置決め可能であり、第二位置決め突部14は、椅子1の設置状態で、前記連結具21を前方から当接させて位置決め可能である。すなわち、装着部材10には、椅子1の設置状態で、連結具21を前後方向(什器幅方向と交差する方向)で挟み込むように位置決めする位置決め突部13および第二位置決め突部14が一体形成されている。図中符号13aは位置決め突部13における連結具21を後方から当接させる位置決め端、符号14aは第二位置決め突部14における連結具21を前方から当接させる第二位置決め端をそれぞれ示す。
【0037】
図11〜
図13を参照し、連結杆2cには、什器幅方向で隣り合う椅子1の連結杆2cを床面F上で連結した状態で、床面Fに固定される連結具21が取り付け可能である。
連結具21は、什器幅方向に延びる幅方向延設部21a、および什器幅方向で幅方向延設部21aの端部から垂下する垂下部21b、を一体形成してなる。幅方向延設部21aは、隣接する連結杆2cからなる脚部群2cGを床面Fとの間に挟み込むように設けられている。垂下部21bは、脚部群2cGの什器幅方向一側の側縁部に係合するように設けられている。連結具21は、床面Fに対し、床面Fに穿設されたナット孔26および該ナット孔26に螺合するボルト22を含む固定手段により着脱可能に固定される。
【0038】
ボルト22は、例えば手回し操作用のダイヤルを備えている。このボルト22により、連結杆2cおよび床面Fとは別体の連結具21が、連結杆2cおよび床面Fに対して着脱可能に取り付け可能である。
【0039】
連結具21の幅方向延設部21aには、ボルト22を挿通可能なボルト挿通孔21cが形成されており、この連結具21が隣り合う連結杆2cを互いに連結した状態で、これらの連結杆2cをボルト22およびナット孔26により床面Fに固定可能である。ボルト挿通孔21cは、幅方向延設部21aにおける什器幅方向の中央よりも垂下部21bが形成されていない側に寄って形成されており、幅方向の変位規制手段の無い側の連結管2cの変位および浮き上がり等がボルト22およびナット孔26の組み合わせにより確実に規制される。連結具21は、連結杆2cに固定された装着部材10の位置決め突部13および第二位置決め突部14の間に上方から載置され、前後方向の位置決めがなされた状態で取り付けられる。
【0040】
本実施形態において、什器幅方向で隣り合う連結杆2cの一方には、ボルト22を挿通可能なボルト挿通孔2c6が形成されている。連結具21を固定するボルト22は、ボルト挿通孔2c6が形成された一方の連結杆2cを連結具21との共締めにより直接的に床面Fに固定可能である。装着部材10のベース板部11には、ボルト挿通孔2c6に対応するボルト挿通孔11aが形成されている。
【0041】
図14を併せて参照し、ストッパ突部12は、上下のスタッキング状態で下方に位置する椅子1の連結杆2cにおける上向きとなった前端部2c3を下方から入り込ませるように、スタッキング状態での下方に開放する凹状に形成されている。
連結杆2cの前端部2c3は、平面視で半円状に形成されており、ストッパ突部12は、連結杆2cの前端部2c3の形状に整合するように、凹状の円弧面を突き当て面12aとしている。
【0042】
ストッパ突部12の突出端側には、突き当て面12a上で庇状に張り出し、スタッキング状態で下方に位置する椅子1の連結杆2cにおける上向きとなった前端部2c3の外面(上面)2c5に当接して係合する外面係合部12bが形成されている。
ストッパ突部12の左右両側には、突き当て面12aの左右両側を延長するように設けられ、スタッキング状態で下方に位置する椅子1の連結杆2cにおける上向きとなった前端部2c3の左右側面に当接して係合する側面係合部12cが形成されている。本実施形態では、突き当て面12aの左右側部が側面係合部となっている。
【0043】
複数の椅子1を上下に重ねたスタッキング状態とした場合、連結杆2cには床面Fからの接地反力がないため、スタッキング状態で上方に位置する椅子1の連結杆2c上のストッパ突部12が、下方に位置する椅子1の連結杆2cの前端部2c3に対して接地面2c4側に変位する虞があり、かつ左右側方にも変位する虞がある。スタッキング状態で上方に位置する椅子1の連結杆2c上のストッパ部材が、下方に位置する椅子1の連結杆2cの前端部2c3から脱落すると、スタッキング状態が乱れることとなる。
【0044】
本実施形態では、ストッパ突部12の外面係合部12bおよび側面係合部12cにより、スタッキング状態で上方に位置する椅子1の連結杆2c上のストッパ部材が、下方に位置する椅子1の連結杆2cの前端部2c3に対して接地面2c4側および左右側方へ変位することが規制され、安定したスタッキング状態を可能としている。
【0045】
第二位置決め突部14には、スタッキング状態で下方に位置するほど連結杆2cの外面2c5からの突出高さを漸減させる傾斜面14bが形成されている。これにより、椅子1のスタッキング作業時に、下方に位置する椅子1の連結杆2cの前端部2c3が第二位置決め突部14上に容易に乗り上がり、前記前端部2c3が第二位置決め突部14に下方から突き当たってスタッキング作業の障害になることを抑止している。
【0046】
ここで、上記実施形態では、椅子1の脚収容部8は、前方に位置する他の椅子1の左右脚体2を前方から収容するが、その際、
図20(a)に示すように、連結杆2cを順次下方に重ねるように収容する。このとき、収容される側の連結杆2c上のストッパ突部12には、収容する側の連結杆2cの前端部2c3が後方から突き当たる。
一方、
図20(b)に示すように、前記他の椅子1の連結杆2cを順次上方に重ねるように収容してもよい。このとき、収容する側の連結杆2c上のストッパ突部12には、収容される側の連結杆2cの後部が前方から突き当たる。
図20の構成は、前後方向が入れ替わったり重なり方向が上下方向であったりしても援用できる。
【0047】
以上説明したように、上記実施形態における椅子1では、床面Fに接地される接地面2c4が形成された連結杆2cの少なくとも一部がスタッキング状態で重なる他の椅子1の連結杆2cと接地面2c4との交差方向で重なるまで、前記他の椅子1の連結杆2cを収容可能な脚収容部8を備え、連結杆2cの接地面2c4と反対側の外面2c5には、前記他の椅子1の連結杆2cを脚収容部8に収容したとき、あるいは前記他の椅子1の脚収容部8に連結杆2cが収容されたとき、前記他の椅子1の連結杆2cを前記設置状態での前後方向で突き当て可能なストッパ突部12が設けられ、ストッパ突部12には、突き当てられた前記他の椅子1の連結杆2cの外面2c5に係合可能な外面係合部12bが設けられている。
【0048】
この構成によれば、複数の椅子1をスタッキング状態としたとき、ストッパ突部12で複数の椅子1の重なり方向の位置決めを行うとともに、上下のスタッキング状態とした際には、ストッパ突部12で上下方向の荷重を受けることができる。また、ストッパ突部12の外面係合部12bが、突き当たった他の椅子1の連結杆2cの外面2c5に係合するので、特に上下のスタッキング状態において、接地面2c4との交差方向で重なる連結杆2cが互いに離間してスタッキング状態を乱すことを抑止することができる。
また、上下のスタッキング状態において、上方の椅子1の荷重を、下方に位置して重なり合った椅子1の連結杆2cによって受ける構成であるので、椅子1同士の距離を確実に確保することができる。したがって、椅子1の背凭れ5や座3がクッションを備える構成であっても、該クッションに過大な荷重が入力されて形状を乱してしまうことを抑止することができる。さらに、スタッキング状態を乱すことを抑止するので、台車等の運搬手段での運搬作業を行い易くすることができる。
【0049】
上記実施形態における椅子1では、ストッパ突部12には、突き当てられた他の椅子1の連結杆2cにおける什器幅方向の側面に係合可能な側面係合部12cが設けられている。
この構成によれば、スタッキング状態で重なる椅子1の連結杆2cが什器幅方向で相対移動してスタッキング状態を乱すことを抑止することができる。
【0050】
上記実施形態における椅子1では、前記ストッパ突部12は、前記連結杆2cに固定された別体の装着部材10により形成されている。
この構成によれば、連結杆2cおよびストッパ突部12のそれぞれの形成を容易にするとともに、連結杆2cおよびストッパ突部12をそれぞれの機能に適した異なる材料で形成することができる。
【0051】
上記実施形態における椅子1では、前記設置状態で、連結杆2cの床面Fに対する移動を連結具21で規制可能であり、ストッパ突部12は、連結具21における前記設置状態での前後方向の端部に係合する位置決め突部13と一体形成されている。
この構成によれば、連結具21の什器幅方向と交差する前後方向での位置決めを容易にするとともに、連結杆2cの外面2c5に設けられる連結具21用の位置決め突部13とスタッキング用のストッパ突部12とを一体化して合理化を図ることができる。
【0052】
上記実施形態における椅子1では、連結杆2cの外面2c5には、前記設置状態での前後方向で位置決め突部13との間に連結具21を挟み込むように第二位置決め突部14が設けられ、第二位置決め突部14における前記設置状態での前後方向で位置決め突部13と反対側の端部には、前記反対側に位置するほど連結杆2cの外面2c5からの突出高さを漸減させる傾斜面14bが形成されている。
この構成によれば、連結具21の什器幅方向と交差する前後方向での位置決めをさらに容易にするとともに、スタッキング作業時に位置決め突部13と一体形成されたストッパ突部12に向けて、他の椅子1の連結杆2cが第二位置決め突部14側から接近してきた場合に、第二位置決め突部14を容易に乗り超えさせることが可能となり、椅子1のスタッキング作業を容易にすることができる。
【0053】
一方、上記実施形態における什器の連結構造では、什器幅方向に並ぶ複数の椅子1の各々の連結杆2cを、連結杆2cが接地する床面Fとの間に挟み込むように配置される連結具21と、床面Fに連結具21を着脱可能に固定する固定手段(ボルト22およびナット孔26)と、を備えている。
【0054】
この構成によれば、什器幅方向に並ぶ複数の椅子1の各々の連結杆2cを、連結具21と床面Fとの間に挟み込み、この連結具21を床面Fに固定手段により固定することで、複数の椅子1を簡単に什器幅方向に連結して設置することができる。連結具21は、固定手段により床面Fに着脱可能に固定されるので、固定手段の固定を解けば各々の連結杆2cからも離脱可能となり、椅子1のデザインを損ねることなく十分な大きさの連結具21で複数の椅子1を連結状態で設置することができる。
【0055】
上記実施形態における什器の連結構造では、連結具21は、什器幅方向に延びて床面Fとの間に連結杆2cを挟み込むように設けられる幅方向延設部21aと、幅方向延設部21aから垂下して連結杆2cにおける什器幅方向の側縁部に係合する垂下部21bと、を備えている。
この構成によれば、幅方向延設部21aから垂下する垂下部21bにより、連結杆2cの什器幅方向の移動を確実に規制することができ、連結杆2cを強固な連結状態とすることができる。
【0056】
上記実施形態における什器の連結構造では、幅方向延設部21aが、複数の椅子1における什器幅方向で互いに隣接する一対の連結杆2cを、床面Fとの間に挟み込むように設けられ、垂下部21bが、幅方向延設部21aの什器幅方向の一側から垂下し、前記隣接する一対の連結杆2cからなる脚部群2cGの什器幅方向の一側の側縁部に係合し、ボルト22は、脚部群2cGにおける什器幅方向の他側の連結杆2cに挿通されてナット孔26に螺合される。
この構成によれば、隣接する一対の連結杆2cからなる脚部群2cGの内、一方の連結杆2cのずれは垂下部21bにより防止するとともに、他方の連結杆2cのずれはボルト22およびナット孔26により防止することができる。また、一対の連結杆2cの固定も一組のボルト22およびナット孔26により行うことができ、椅子1の床連結作業を効率化することができる。
【0057】
なお、幅方向延設部21aが、複数の椅子1における什器幅方向で互いに隣接する各々の連結杆2cを、床面Fとの間に挟み込むように設けられ、垂下部21bが、幅方向延設部21aの什器幅方向の両側から垂下し、前記隣接する各々の連結杆2cからなる脚部群2cGの什器幅方向の両側の側縁部にそれぞれ係合する構成としてもよい。
この場合、連結具21が脚部群2cGを什器幅方向で挟み込む門型をなすこととなり、簡易な構成で連結杆2cを強固な連結状態とすることができる。
【0058】
上記実施形態における什器の連結構造では、複数の椅子1における什器幅方向で互いに隣接する各々の連結杆2cの少なくとも一つに、前記固定手段のボルト22を挿通するボルト挿通孔2c6が形成されている。
この構成によれば、固定手段のボルト22により連結杆2cを床面Fに直接的に固定することができる。
【0059】
図15、
図16は本実施形態の変形例を示す。
図15に示す連結具21’は、幅方向に並ぶ複数の椅子1の連結杆2cに渡って設けられ、複数の連結杆2cを同時に床面Fに固定可能である。連結具21’は、例えば什器幅方向に直線状に延びる角鋼管で形成された幅方向延設部21a’を有し、この幅方向延設部21a’が例えば椅子1毎の左右連結杆2cの間でボルト22により床面Fに固定される。このとき、連結具21’によって、複数の椅子1の連結杆2cが装着部材10を介して上方から押圧された状態で床面Fに固定される。
【0060】
図16を併せて参照し、連結具21’の下面には、クッションゴム21eを備えるボス(垂下部)21dが複数立設されている。ボス21dは、例えば什器幅方向で並ぶ一対の連結杆2cの両側に隣接して設けられ、什器幅方向で並ぶ椅子1の什器幅方向の移動を規制可能である。なお、ボス21dは、ボルト22による締結荷重を受けるべくボルト22の近傍に設けられてもよい。
【0061】
図17〜
図19は本実施形態の他の変形例を示す。
図17〜
図19に示す連結杆2c’は、少なくとも前端部2c3を除き、幅方向内側を上方に変位させた凸部2c7を有するハット形の断面形状に形成されている。これに対応し、連結杆2c’に固定される装着部材10’は、ベース板部11における連結杆2c’に対向する下面部の幅方向内側に、連結杆2c’の凸部2c7に対応する凹部11bが形成されている。
【0062】
装着部材10’の下面部には、例えばストッパ突部12の内側に内蔵したナットN1に対応するナット孔11cが形成されるとともに、第二位置決め突部14の中央部を一部切り欠くように装着部材10’を貫通するボルト挿通孔11dが形成されている。連結杆2c’には、ナット孔11cに対向するボルト挿通孔2c8が形成され、かつボルト挿通孔11dに対向する雌ネジ孔2c9が形成されている。
【0063】
連結杆2c’のボルト挿通孔2c8および装着部材10’のナット孔11cには、装着部材10’の前部を連結杆2c’に固定するための第一ボルトB1が下方から装着される。この第一ボルトB1により装着部材10’の前部が連結杆2c’に固定される。第一ボルトB1の頭部は連結杆2c’の内側に収まり、床面Fに干渉することはない。
【0064】
連結杆2c’のボルト挿通孔11dおよび装着部材10’の雌ネジ孔2c9には、装着部材10’の後部を連結杆2c’に固定するための第二ボルトB2が上方から装着される。この第二ボルトB2により装着部材10’の後部が連結杆2c’に固定される。連結杆2c’のボルト挿通孔11dの上部には第二ボルトB2の頭部を沈み込ませる座刳りが形成され、雌ネジ孔2c9の内周には第二ボルトB2に対応するネジ山が刻設されている。
【0065】
装着部材10’のストッパ突部12における凹状の突き当て面12aは、位置決め突部13の前方での連結杆2c’側への型抜きにより形成されており、位置決め突部13の前方で連結杆2c’側に開放するように形成されている。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、装着部材10は、第二位置決め突部14を備えず、後部上面をフラットに形成してもよい。また、連結杆2cを避けた位置にボルト22およびナット孔26を配置して連結具21を床面Fに固定してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、椅子以外の什器にも適用可能であることはもちろん、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。