【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成28年7月20日付で、川上 隆士、角田 裕次、鈴木 勇輝、中村一尊、太田 勇らが2016年度大会(九州) 学術講演梗概集にて、出願に係る発明の内容について公開を行った。 2.平成28年8月26日付で、川上 隆士、角田 裕次、鈴木 勇輝、中村一尊、太田 勇らが、2016年度日本建築学会大会(九州)において、発表題目「エネルギー自家消費型住宅の実証的研究(第一報)非常時を想定した実証実験の概要」及び「エネルギー自家消費型住宅の実証的研究(第二報)非常時生活スケジュールにおける電力 推移」において、本願に係る発明について公開を行った。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[システム構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る電力管理システム1の概略構成を示す。なお、
図1において、実線は電力線を示し、破線は制御線及び信号線を示す。制御線及び信号線が示す接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。また、このような接続は、例えば「エコーネットライト」(登録商標)(ECHONET Lite)等の各種プロトコルに準拠してもよい。
【0020】
電力管理システム1は、一般家庭及びオフィス等の需要家施設に設置されるものであり、電力系統100に接続される。電力管理システム1は、電力管理装置10と、太陽光発電装置20と、蓄電装置30と、切替盤40と、分電盤50と、負荷機器60とを備える。なお、電力管理装置10の機能を蓄電装置30が備えていてもよい。
図1では、電力管理システム1は、3つの負荷機器60を備えているが、電力管理システム1が備える負荷機器の数はこれに限定されず、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0021】
電力管理装置10は、負荷機器60の消費電力を管理する。電力管理装置10の構成の詳細については後述する。
【0022】
太陽光発電装置20は、例えば、需要家施設の屋根等に設置される。太陽光発電装置20は、太陽光のエネルギーから電力を発電する。太陽光発電装置20は、発電した電力を、蓄電装置30に供給する。なお、太陽光発電装置20は、電力系統100に直接繋がっていて、発電した電力を、電力系統100に供給してもよい。
【0023】
蓄電装置30は、例えば、リチウムイオン蓄電池のような蓄電池及び電力変換器等を含む。蓄電装置30は、通常時、電力系統100との連系運転を行う。また、蓄電装置30は、例えば切替盤40から取得する電力量の情報等に基づいて、電力系統100の停電を検知可能である。なお、電力量の情報は切替盤40内に設置される電流センサ等から取得する電流値等である。蓄電装置30は、電力系統100の停電を検知すると、自立運転を行う。
【0024】
蓄電装置30は、連系運転中、太陽光発電装置20からの電力、及び電力系統100からの電力の少なくとも1つの電力によって充電される。また、蓄電装置30は、自立運転中、太陽光発電装置20からの電力のみによって充電される。
【0025】
また、蓄電装置30は、連系運転中又は自立運転中、充電された電力を放電することで、切替盤40及び分電盤50を介して、負荷機器60に電力を供給可能である。蓄電装置30の連系運転中又は自立運転中、太陽光発電装置20が発電した電力は、蓄電装置30を介して負荷機器60に供給可能である。蓄電装置30から負荷機器60へ供給可能な電力の最大値は、電力系統100から負荷機器60へ供給される電力値と同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合としては、例えば、蓄電装置30から負荷機器60へ供給可能な電力の最大値が、電力系統100から負荷機器60へ供給される電力値よりも低いときなどが想定される。また、蓄電装置30は、連系運転中と自立運転中とで、供給可能な電力の最大値を変えてもよい。なお、蓄電装置30は、連系運転中は、負荷機器60に供給する電力を、電力系統100からの電力に協調させる。
【0026】
なお、蓄電装置30は、連系運転を行っているときに、蓄電装置30が連系運転中である旨を、電力管理装置10に通知してもよい。また、蓄電装置30は、自立運転を行っているときに、蓄電装置30が自立運転中である旨を、電力管理装置10に通知してもよい。さらに、電力管理装置10が、蓄電装置30に対してどのような状態(連系運転、自立運転)かを定期的に取得しにいってもよい。
【0027】
切替盤40は、分電盤50に供給する電力を切り替える。切替盤40は、蓄電装置30が連系運転を行っているときは、蓄電装置30からの電力と、電力系統100からの電力とを、分電盤50に供給する。また、切替盤40は、電力系統100が停電すると、蓄電装置30からの電力のみを、分電盤50に供給する。
【0028】
なお、切替盤40は、通信機能を有し、電力管理装置10と通信可能なものであってもよい。この場合、切替盤40は、自機器内の接続状態を電力管理装置10に通知してもよい。例えば、切替盤40は、通常時、蓄電装置30と負荷機器60とが接続され、電力系統100と負荷機器60とが接続されていると通知してもよい。また、切替盤40は、電力系統100の停電中、蓄電装置30と負荷機器60とが接続されていると、電力管理装置10に通知してもよい。
【0029】
分電盤50は、切替盤40から供給される電力を、負荷機器60に分配する。
【0030】
負荷機器60は、需要家施設に設置される電気機器等であり、電力を消費して所望の機能を発揮させる。負荷機器60には、切替盤40及び分電盤50を介して、電力系統100及び蓄電装置30から電力が供給される。
【0031】
負荷機器60において、一部の負荷機器は、多様な動作モードを有する。多様な動作モードには、例えば、複数の可変の運転モード、待機モード及び停止モードが含まれる。
【0032】
可変の運転モードは、例えば負荷機器の特定の機能の運転強度を切替える複数の運転モードである。なお、運転強度の切替えの中には、特定の機能を停止させることも含まれ得る。待機モードは、負荷機器に主に求められる機能を停止させながら、負荷機器が有する複数の機能のうち、起動の開始から完了までに要する時間が長い一部の機能のみを動作させている運転モードである。停止モードは、負荷機器が有する複数の機能の全てを停止させている運転モード、又は、負荷機器が有する複数の機能のうち、外部のリモコン等から起動信号を受信する通信機能のみを稼働させ、その他の機能を停止させている運転モードである。
【0033】
また、負荷機器60において、一部の負荷機器は、通信機能を有し、電力管理装置10等と通信可能である。通信機能を有する負荷機器は、蓄電装置30の自立運転中に、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得する。以後、通信機能を有し、多様な動作モードを有する負荷機器を「第1負荷機器」と称する。
【0034】
通常運転時において第1負荷機器は、電力管理装置から取得する自立状態に関する情報によって、現在の動作モードを、より消費電力が低い動作モードへ移行可能である。通常運転とは、負荷機器に主に求められる機能を実行する運転状態である。現在の動作モードより消費電力が低い動作モードは、第1負荷機器において設定可能な複数の動作モードの中から定められる。
【0035】
なお、第1負荷機器は、電力管理装置から特定の動作モードへ移行する指令により、移行してもよいし、自身の判断により特定の動作モードに移行してもよい。前者の場合には、自立状態に関する情報が移行指示を含む必要がある。後者の場合には、自立状態に関する情報が自立運転中である旨であれば移行可能である。
【0036】
また、通常運転モードである第1負荷機器は、電力管理装置から取得する自立状態に関する情報によって、省電力運転モードに移行可能である。省電力運転モードとは、上述の可変の運転モードの中の特定の運転モード又は複数の特定の運転モードの組み合わせが定められた運転モードである。省電力運転モードでは、現在の動作モードに関わらず、特定の運転モードに切替えられる。特定の運転モードは予め設定されていてもよいし、運転モードの中から自立状態に関する情報を取得したときの状況に応じて設定してもよい。
【0037】
なお、省電力運転モードは、第1負荷機器内で定められていてもよいし、電力管理装置10内で定められていてもよい。前者の場合には、自立状態に関する情報が自立運転中である旨であればよい。後者の場合には、自立状態に関する情報は、第1負荷機器毎に省電力運転モードとして定められた特定の動作モードへの移行指示を含む必要がある。
【0038】
待機モードである第1負荷機器は、電力管理装置から取得する自立状態に関する情報によって、待機モードから停止モードに移行可能である。
【0039】
なお、第1負荷機器は、自立状態に関する情報によって動作モードを移行させた場合、自立状態に関する情報を取得してから所定時間内に、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得しないときは、移行後の動作モードを移行前の動作モードに戻す。又は、第1負荷機器は、自立状態に関する情報によって動作モードを移行させた場合、電力管理装置10から連系状態である旨を取得すると、移行後の動作モードを移行前の動作モードに戻す。
【0040】
また、負荷機器60において、一部の負荷機器は、駆動時間帯の予約設定が可能である。以後、通信機能を有し、駆動時間帯の予約設定が可能な負荷機器を、「第2負荷機器」と称する。
【0041】
第2負荷機器は、電力管理装置10から取得する自立状態に関する情報が駆動時間帯の指示であれば、指定された駆動時間帯に稼働する。なお、第2負荷機器は、電力管理装置10から駆動時間帯を指定されてから所定時間が経過したときに、現在稼働中でなければ、駆動時間帯の指定を解除する。又は、第2負荷機器は、電力管理装置10から駆動時間帯を指定された後、電力管理装置10から連系状態である旨を取得したときに、現在稼働中でなければ、稼働時間帯の指示を解除する。
【0042】
以上のような、第1負荷機器及び第2負荷機器として、以下の機器が例示される。
【0043】
例えば、第1負荷機器は、ハイブリット式の給湯装置である。ハイブリット式の給湯装置は、可変の動作モードとして、電力を使用した水の加熱及び当該加熱の停止の運転モードと、ガスを使用した水の加熱及び当該加熱の停止の運転モードとを有する。また、ハイブリット式の給湯装置に対して、例えば、電力を使用した水の加熱の停止の運転モードと、ガスを使用した水の加熱の運転モードとの組み合わせが省電力運転モードとして定められている。
【0044】
また、例えば、第1負荷機器は、エアコンである。エアコンは、可変の動作モードとして、例えばフラップ又はルーバの駆動及び停止の運転モードと、各設定温度での運転モードとを有する。また、エアコンに対して、例えば、フラップ及びルーバの停止の運転モード並びに特定の設定温度での運転モードの組み合わせが省電力運転モードとして定められている。
【0045】
また、例えば、第1負荷機器は、ドライヤーである。ドライヤーは、可変の動作モードとして、ファンの風量を複数段階で切替える運転モードと、熱風の各設定温度での運転モードとを有する。また、ドライヤーに対して、例えば、設定可能な最低値の風量でファンを動作させる運転モード並びに熱風の設定温度を最低値にする運転モードの組み合わせが省電力運転モードとして定められている。
【0046】
また、例えば、第1負荷機器は、電子レンジである。電子レンジは、可変の運転モードとして、出力電力を複数段階で切り替える運転モードを有する。また、電子レンジに対して、例えば、設定可能な最低値の出力電力での運転モードが省電力運転モードとして定められている。
【0047】
また、例えば、第1負荷機器は、機械換気システムである。機械換気システムは、可変の動作モードとして、例えば、送風機の送風量を複数段階で切り替える運転モードを有する。また、機械換気システムに対して、例えば、設定可能な最低値の送風量で送風機を駆動させる運転モードが省電力運転モードとして定められている。
【0048】
また、例えば、第1負荷機器は、貯湯式の温水便座である。貯湯式の温水便座は、可変の動作モードとして、例えば、温水の保温機能の設定温度を複数段階で切り替える運転モードを有する。また、貯湯式の温水便座に対して、例えば、設定可能な最低値の温度に温水を維持するよう保温機能を動作させる運転モードが省電力運転モードとして定められている。
【0049】
また、例えば、第1負荷機器は、暖房便座である。暖房便座は、可変の動作モードとして、例えば、便座の設定温度を複数段階で切り替える運転モードを有する。また、暖房便座に対して、例えば、便座の設定温度を最低値にする運転モードが省電力運転モードとして定められている。
【0050】
また、例えば、第1負荷機器は、冷蔵庫である。冷蔵庫は、可変の動作モードとして、例えば、冷蔵庫内の設定温度を複数段階で切り替える運転モードを有する。また、冷蔵庫に対して、例えば、冷蔵庫内の設定温度を特定の温度にする運転モードが省電力運転モードとして定められている。
【0051】
また、例えば、第1負荷機器は、テレビである。テレビは、可変の動作モードとして、例えばバックライトの輝度を複数段階で切替える運転モードを有する。また、テレビに対して、例えば、設定可能な最低値の輝度でバックライトを動作させる運転モードが省電力運転モードとして定められている。また、テレビは、待機モードにおいて、例えば、チューナ、揮発性メモリ及びリモコンからの起動信号を受信する通信機能のみを駆動する。また、テレビは、停止モードにおいて、例えば、リモコンからの起動信号を受信する通信機能のみを駆動する。
【0052】
また、例えば、第1負荷機器は、DVDプレイヤーである。DVDプレイヤーは、待機モードにおいて、例えば、表示窓に時刻を表示させるタイマー機能、揮発性メモリ及びリモコンからの起動信号を受信する通信機能のみを駆動する。また、DVDプレイヤーは、停止モードにおいて、例えば、リモコンからの起動信号を受信する通信機能のみを駆動する。
【0053】
また、例えば、第2負荷機器は、炊飯器である。炊飯器は、例えば、電力管理装置10から駆動時間帯として7時〜8時の時間帯を指定された場合、7時〜8時の時間帯に、炊飯器内の米等を調理する。
【0054】
また、例えば、第2負荷機器は、HP(ヒートポンプ)式の給湯装置である。HP式の給湯装置は、例えば、電力管理装置10から駆動時間帯として22時〜24時の時間帯を駆動時間帯として指定された場合、22時〜24時の時間帯に、湯を沸かす。なお、HP式の給湯装置は、第1負荷機器にも該当し、可変の運転モードとして、保温タンクに貯水されたお湯の保温を複数の時間間隔を切替えて行う運転モードを有する。
【0055】
続いて、電力管理装置10の構成の詳細について説明する。電力管理装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、制御部14とを備える。
【0056】
通信部11は、蓄電装置30、切替盤40及び負荷機器60と通信する。
【0057】
記憶部12は、電力管理装置10の処理に必要な情報及び電力管理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを記憶している。記憶部12は、例えば、移行指示等を記憶している。
【0058】
表示部13は、負荷機器60の節電状態を表示する。
【0059】
制御部14は、電力管理装置10全体を制御及び管理するものである。制御部14は、例えば各機能の処理を実行させるソフトウェアを読込んだ汎用のCPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ又は各機能の処理特化した専用のプロセッサによって構成される。
【0060】
本実施形態では、制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であると判定したときに、連系状態である旨を、負荷機器に通信部11を介して定期的に通知する。又は、制御部14は、蓄電装置30が自立運転中であると判定したときに、自立状態に関する情報を、負荷機器に通信部11を介して定期的に通知する。以下、これに関する制御部14の処理について説明する。
【0061】
制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であるか否か判定する。
【0062】
例えば、制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であるか否かの判定を、蓄電装置30から通信部11を介して取得する通知によって行うことができる。また、例えば、制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であるか否かの判定を、通信部11を介した切替盤40との通信によって行うことができる。
【0063】
制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であると判定したとき、連系状態である旨を、通信部11を介して、通信機能を有する負荷機器に定期的に通知する。制御部14は、例えば、連系状態である旨を、ブロードキャストメッセージとして、通信機能を有する負荷機器に一斉送信する。
【0064】
一方、制御部14は、蓄電装置30が連系運転中ではないと判定したとき、すなわち、蓄電装置30が自立運転中であると判定したとき、自立状態に関する情報を、通信機能を有する負荷機器に、通信部11を介して定期的(又は周期的)に通知する。なお、自立状態に関する情報を通知する定期的な時刻の間隔は、負荷機器が自立状態に関する情報を取得すると定めている所定時間に合致する。制御部14は、例えば、自立状態に関する情報を、ブロードキャストメッセージとして、通信機能を有する負荷機器に一斉送信する。
【0065】
ここで、負荷機器は、電力管理装置10から取得する自立状態に関する情報によって動作モードを移行させた後、所定時間内に電力管理装置10から自立状態に関する情報を再度取得したときは、移行後の動作モードを維持する。つまり、本実施形態では、蓄電装置30の自立運転中、制御部14によって、定期的に、自立状態に関する情報を負荷機器に通知することで、負荷機器を蓄電装置30の自立運転中は移行後の動作モードに維持させている。
【0066】
一方、電力系統100が復旧したときは、蓄電装置30は自立運転から連系運転に切り替わるため、制御部14によって、自立状態に関する情報が負荷機器へ通知されなくなる。つまり、電力系統100が普及したときは、負荷機器は、所定時間内に自立状態に関する情報を取得しなくなる。これにより、負荷機器は、移行前の動作モードに自動的に戻り得る(なお、負荷機器は、所定時間が経過する前に、連系運転中である旨を取得したときは、そのときに、移行前の動作モードに戻る。)。
【0067】
このように、本実施形態では、定期的に、自立状態に関する情報を負荷機器へ通知することで、蓄電装置30の運転状態に応じて、負荷機器の動作モードを素早く切り替えることが可能になる。
【0068】
なお、制御部14は、負荷機器側で変更する動作モードを決定可能な負荷機器に対しては、自立状態に関する情報として自立運転中である旨を、通信部11を介して定期的に通知してもよい。
【0069】
さらに、制御部14は、電力管理装置10側で負荷機器の動作モードを指示する場合、負荷機器に対して、自立状態に関する情報として移行指示を、通信部11を介して定期的に通知してもよい。
【0070】
移行指示は、負荷機器に対し、負荷機器における現在の動作モードを、負荷機器において設定可能な複数の動作モードの中で、現在の動作モードよりも消費電力が低くなる動作モードへ、移行させるよう指示することである。例えば、移行指示には、現在の動作モードが通常運転モードである負荷機器に対し、通常運転モードを、省電力運転モードへ移行させるよう指示することが含まれる。また、例えば、移行指示には、現在の動作モードが待機モードである負荷機器に対し、待機モードを停止モードに移行させるよう指示することが含まれる。
【0071】
また、制御部14は、蓄電装置30が自立運転中であると判定したとき、第2負荷機器の駆動時間帯を、第2負荷機器以外の負荷機器の全消費電力が所定値より小さくなる時間帯に選択する。さらに、制御部14は、第2負荷機器に対して、自立状態に関する情報として選択した駆動時間帯に稼働するよう指示を、通信部11を介して通知する。
【0072】
この場合、制御部14は、駆動時間帯の指示を与えて駆動させる負荷機器を選択してもよい。例えば、制御部14は、第2負荷機器に設定されている重要度に基づき、駆動時間帯の指示を与えて駆動させる負荷機器を選択する。この場合、駆動時間を変更させるとユーザの生活に影響を及ぼす負荷機器には高い重要度を設定し、駆動時間を変更させてもユーザの生活に影響しない負荷機器には低い重要度を設定する。さらに、制御部14は、低い重要度の負荷機器を、駆動時間帯の指示を与えて駆動させる負荷機器として選択する。
【0073】
図2に、需要家施設の1日における負荷機器の消費電力の変動を示す。例えば、第2負荷機器が炊飯器及びHP式の給湯装置である場合、制御部14は、炊飯器及びHP式以外の負荷機器の全消費電力が所定値より小さくなる時間帯として、0時〜8時の時間帯及び21時から24時の時間帯を選択する。このとき、制御部14は、例えば、炊飯器に対して7時〜8時の時間帯を駆動時間帯として指示し、HP式の給湯装置に対して22時〜24時の時間帯を駆動時間帯として指示する。
【0074】
また、制御部14は、第2負荷機器の重要度に基づき、駆動時間帯の指示を与える負荷機器を選択する場合に、例えば、HP式の給湯装置の重要度の方が炊飯器の重要度よりも低ければ、HP式の給湯装置を、指示を与える負荷機器として選択する。
【0075】
なお、制御部14は、蓄電装置30が自立運転中であると判定したとき、最大消費電力値が閾値を上回る負荷機器に対してのみ、自立状態に関する情報を通知してもよい。例えば、
図2に示すような最大消費電力値が比較的大きく、上述の閾値を上回るドライヤー及び電子レンジに対して、自立状態に関する情報が通知される。
【0076】
最大消費電力値が比較的大きくなる負荷機器の消費電力ほど、
図2の矢印Aで示す消費電力のピークを誘発し易い。従って、最大消費電力値が比較的大きくなる負荷機器ほど、蓄電装置30の過負荷状態の要因となりやすい。そこで、本実施形態では、最大消費電力値が比較的大きくなる負荷機器に対してのみ自立状態に関する情報を通知する。これにより、蓄電装置30の自立運転中に、蓄電装置30が過負荷状態となる可能性を低減しつつ、最大消費電力値が比較的小さい負荷機器(例えばテレビ)は、通常運転モードが使用することが可能になる。
【0077】
また、制御部14は、自立状態に関する情報を負荷機器に対して上記指示を通知した後、蓄電装置30が自立運転から連系運転に切り替わったときは、負荷機器に対し、連系状態である旨を、通信部11を介して通知する。
【0078】
[システム動作]
図3に、本発明の一実施形態に係る電力管理装置10の動作の一例を示す。なお、電力管理装置10は、
図3に示すステップS101〜S104の処理を周期的に繰り返し行う。
【0079】
制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であるか否か判定する(ステップS101)。制御部14は、蓄電装置30が連系運転中であると判定したとき(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理に進む。一方、制御部14は、蓄電装置30が連系運転中ではない、すなわち、蓄電装置30が自立運転中であると判定したとき、ステップS103の処理に進む。
【0080】
ステップS102の処理では、制御部14は、連系状態である旨を、通信機能を有する負荷機器に、通信部11を介して通知する。
【0081】
ステップS103の処理では、制御部14は、自立状態に関する情報を、通信機能を有する負荷機器に、通信部11を介して通知する。
【0082】
このようなステップS103の処理によって、本実施形態では、負荷機器の現在の動作モードを、負荷機器における設定可能な複数の動作モードの中で、現在の動作モードよりも消費電力が低く動作モードへ移行させることができる。さらに、本実施形態では、定期的に、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報を通知することで、蓄電装置30の自立運転中に、負荷機器の動作モードが移行前の動作モードに戻ることを防ぐことができる。つまり、蓄電装置30の自立運転中、負荷機器の動作モードを移行後の動作モードに維持させることが可能になる。
【0083】
ステップS104の処理では、制御部14は、蓄電装置30が自立運転から連系運転に切り替わったか否か判定する。制御部14は、蓄電装置30が自立運転から連系運転に切り替わったと判定したとき(ステップS104:Yes)、ステップS102の処理に進む。一方、制御部14は、蓄電装置30が自立運転から連系運転に切り替わっていないと判定したとき(ステップS104:No)、ステップS103からの処理を繰り返し行う。
【0084】
このように、ステップS104の処理を行うことで、本実施形態では、蓄電装置30が自立運転から連系運転に切り替わったときに、負荷機器への上述の指示が解除される。これにより、例えば運転モードの負荷機器は省電力運転モードから通常運転モードに直ぐに切り替わるため、ユーザは、直ちに、負荷機器をより快適に使用できるようになる。
【0085】
図4に、本発明の一実施形態における、通信機能を有する負荷機器の動作の一例を示す。なお、通信機能を有する負荷機器は、
図4に示すステップS201〜S207の処理を周期的に繰り返し行う。
【0086】
負荷機器は、電力管理装置10から、自立状態に関する情報を取得したか否か判定する(ステップS201)。負荷機器は、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得したと判定したとき(ステップS201:Yes)、ステップS202の処理に進む。一方、負荷機器は、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得しないと判定したとき(ステップS201:No)、ステップS201の処理を再び行う。
【0087】
ステップS202の処理では、第1負荷機器は、現在の動作モードを、設定可能な複数の動作モードの中で、現在の動作モードよりも消費電力が低く動作モードへ移行させる。
【0088】
ステップS203の処理では、負荷機器は、例えば負荷機器のカウント機能を起動させて、カウントを開始する。
【0089】
ステップS204の処理では、負荷機器は、電力管理装置10から、連系状態である旨を取得したか否か判定する。負荷機器は、電力管理装置10から連系状態である旨を取得したと判定したとき(ステップS204:Yes)、ステップS207の処理に進む。一方、負荷機器は、電力管理装置10から連系状態である旨を取得しないと判定したとき(ステップS204:No)、ステップS205の処理に進む。
【0090】
ステップS205の処理では、負荷機器は、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得したか否か判定する。負荷機器は、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得したと判定したとき(ステップS205:Yes)、ステップS203の処理に戻る。一方、負荷機器は、電力管理装置10から自立状態に関する情報を取得しないと判定したとき(ステップS205:No)、ステップS206の処理に進む。
【0091】
ステップS206の処理では、負荷機器は、ステップS203の処理で開始したカウントに基づき、所定時間が経過したか否か判定する。負荷機器は、所定時間が経過したと判定したとき(ステップS206:Yes)、ステップS207の処理に進む。一方、負荷機器は、所定時間が経過していないと判定したとき(ステップS206:No)、ステップS205の処理に戻る。
【0092】
ステップS207の処理では、第1負荷機器は、ステップS202の処理によって移行させた動作モードを、ステップS202の処理を行う前の動作モードに戻す。また、ステップS207の処理では、第2負荷機器は、現在稼働中でなければ、ステップS202の処理による設定を解除する。
【0093】
このように、負荷機器が、連系状態である旨を取得したと判定したとき(ステップS204:Yes)又は所定時間が経過したと判定したとき(ステップS206:Yes)、ステップS207の処理によって負荷機器の動作モードは戻される。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る電力管理装置10では、制御部14は、蓄電装置30が自立運転中であると判定したとき、自立状態に関する情報を、負荷機器に通信部11を介して通知する。つまり、電力管理装置10は、蓄電装置30の自立運転中、複数の動作モードを有する負荷機器に、動作モードを変更させて消費電力を低減させるトリガを提供することが可能である。従って、電力管理装置10によって、需要家施設の消費電力を低減させることができる。これにより、需要家施設の消費電力が蓄電装置30の出力電力を上回る可能性が低減するため、蓄電装置30が過負荷状態となる可能性を低減させることができる。
【0095】
さらに、本実施形態では、蓄電装置30の自立運転中、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報の通知を、定期的に行っている。これにより、蓄電装置30の自立運転中、負荷機器は、自立状態に関する情報によって動作モードを移行させた後、所定時間内に電力管理装置10から自立状態に関する情報を再度取得し、移行後の動作モードを維持し得る。一方、電力系統100が復旧したときは、蓄電装置30は自立運転から連系運転に切り替わるため、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報が通知されなくなる。つまり、電力系統100が復旧したときは、負荷機器は、所定時間内に自立状態に関する情報を取得せずに、移行前の動作モードに自動的に戻り得る。これにより、本実施形態では、蓄電装置30の運転状態に応じて、負荷機器の動作モードを素早く切り替えることが可能になる。
【0096】
さらに、本実施形態では、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報の通知を定期的に行うことで、ベース負荷の消費電力を低減させることができる。ベース負荷とは、電力を継続的に消費する負荷、及び、待機モードである負荷機器である。電力を継続的に消費する負荷は、例えば、温水便座、機械換気システム及び冷蔵庫のような常時動作機器である。また、待機モードである負荷機器は、上述のように、テレビ、DVDプレイヤー等である。上述のように、ベース負荷の消費電力は、上述の自立運転に関する情報に基づく運転モードの変更により低減し得る。
【0097】
ベース負荷の消費電力は、
図2の例では、矢印Bで示す消費電力に相当する。ベース負荷の消費電力を低減させることで、
図2の矢印Aで示すような消費電力のピークは、蓄電装置30の出力電力を上回る可能性が低減する。従って、本実施形態では、蓄電装置30が過負荷状態となる可能性を低減させることができる。
【0098】
また、本実施形態では、定期的に、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報を通知することで、例えばユーザの使用によって、負荷機器の動作モードが切り替わった場合でも、負荷機器の動作モードを適宜移行させることが可能になる。
【0099】
例えば、蓄電装置30の自立運転中に、例えばユーザが負荷機器の使用を止めることで、負荷機器の動作モードが運転モードから待機モードに切り替わることがある。この場合、待機モードである負荷機器へ自立状態に関する情報を通知することで、待機モードである負荷機器を停止モードに移行させることが可能になる。
【0100】
また、例えば、蓄電装置30の自立運転中に、例えばユーザが負荷機器の使用を開始することで、負荷機器の動作モードが停止モードから通常運転モードに切り替わることがある。この場合、通常運転モードである負荷機器へ自立状態に関する情報を通知することで、通常運転モードである負荷機器を、省電力運転モードに移行させることが可能になる。
【0101】
従って、本実施形態では、例えばユーザの使用によって、負荷機器の動作モードが切り替わった場合でも、負荷機器の動作モードを適宜移行させることが可能になる。これにより、本実施形態では、蓄電装置30からの供給電力を有効に利用することができる。
【0102】
また、本実施形態では、蓄電装置30の自立運転中、電力管理装置10によって、第2負荷機器の稼働時間帯を、第2負荷機器以外の負荷機器の全消費電力が所定値より小さくなる時間帯に設定する。これにより、負荷機器を稼働させる時間帯を分散させることができる。従って、本実施形態では、蓄電装置30が過負荷状態となる可能性を低減させることができる。
【0103】
ここで、負荷機器が、蓄電装置30が連系運転中であるか又は自立運転中であるかを判定することは困難である。従って、負荷機器が、蓄電装置30が自立運転中であると判定して動作モードを切り替えたり又は蓄電装置30が連系運転中であると判定して切り替えた動作モードを元に戻したりすることは困難である。
【0104】
これに対し、本実施形態では、蓄電装置30の自立運転中は、電力管理装置10から負荷機器へ自立状態に関する情報が通知される。また、蓄電装置30の連系運転中は、電力管理装置10から負荷機器へ連系状態である旨が通知される。
【0105】
従って、本実施形態では、負荷機器が自立状態に関する情報又は連系状態である旨を電力管理装置10から取得することで、負荷機器は、動作モードを切り替えたり又は切り替えた動作モードを元に戻したりすることできる。言い換えれば、電力系統100が停電し、蓄電装置30が自立運転を開始したときに、負荷機器の動作モードを自動的に切り替えることができる。
【0106】
さらに、電力系統100が復旧し、蓄電装置30が連系運転を開始したときに、負荷機器の動作モードを自動的に元に戻すことができる。これにより、電力系統100の停電といった非常事態が起きたときに、ユーザが手動で負荷機器の動作モードを切り替えなくてもよくなる。
【0107】
さらに、電力系統100が復旧したときに、ユーザが手動で負荷機器の動作モードを元に戻さなくてもよくなる。そのため、本実施形態に係る電力管理装置10は、ユーザの利便性に優れたものなる。
【0108】
本発明の一実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明の一実施形態について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0109】
例えば、本実施形態では、自立状態に関する情報が負荷機器に通知される頻度は、例えば連系状態である旨が負荷機器に通知される頻度よりも、高い頻度となるようにしてもよい。これにより、上述のように、例えばユーザの使用によって、負荷機器の動作モードが(例えば停止モードから通常運転モードに)切り替わった場合に、負荷機器の動作モードを速やかに移行させることが可能になる。
【0110】
また、本実施形態では、自立状態に関する情報が負荷機器に通知される頻度が、負荷機器の全消費電力が瞬間的に大きくなる頻度よりも、高い頻度となるようにしてもよい。負荷機器の全消費電力が瞬間的に大きくなる頻度とは、
図2の矢印Cで示すような、スパイク状の消費電力が発生する頻度である。
【0111】
矢印Cで示すようなスパイク状の消費電力は、例えば、貯湯式の温水便座が温水を生成することで発生する。矢印Cで示すようなスパイク状の消費電力が、負荷機器の全消費電力が大きくなる箇所(例えば矢印A)で発生すると、負荷機器の全消費電力が蓄電装置30の出力電力を上回り、結果として、蓄電装置30が過負荷状態となってしまうことがある。そこで、自立状態に関する情報が負荷機器に通知される頻度を
図2の矢印Cで示すようなスパイク状の消費電力が発生する頻度よりも高い頻度とすることで、スパイク状の消費電力の発生を防ぎ、蓄電装置30が過負荷状態となる可能性を低減させることができる。
【0112】
また、本実施形態では、自立状態に関する情報が負荷機器に通知される頻度は、可変であってもよい。この場合、自立状態に関する情報の負荷機器への通知頻度を、時間帯に応じて変化させてもよい。
【0113】
例えば、
図2では、8時〜18時半の時間帯は、ユーザの活動量が増加するため、ユーザによって負荷機器の動作モードが頻繁に切り替えられる。一方、0時〜8時の時間帯及び18時半〜24時の時間帯は、ユーザの活動量が低下するため、ユーザによる負荷機器の動作モードの切り替えは、ほぼ行われない。
【0114】
従って、自立状態に関する情報の負荷機器60への通知頻度を、8時〜18時半の時間帯は高い頻度に変化させ、0時〜8時の時間帯及び18時半〜24時の時間帯は低い頻度に変化させる。これにより、ユーザによって負荷機器の動作モードが頻繁に切り替えられる8時〜18時半の時間帯において、上述のように負荷機器の動作モードが(例えば停止モードから通常運転モードに)切り替わった場合でも、負荷機器の動作モードを速やかに移行させることが可能になる。