(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、
図1〜
図20を参照して、車載装置の第1の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、車載装置1が搭載される車両3の構成を示す図である。車両3は、車載装置1と、運転席61と、助手席62と、右後部座席63と、左後部座席64と、ステアリングホイール65と、右前スピーカ31と、左前スピーカ32と、右後スピーカ33と、左後スピーカ34と、ステアリングマイク35と、車速センサ36とを備える。右前スピーカ31、左前スピーカ32、右後スピーカ33、および左後スピーカ34はそれぞれ、運転席61、助手席62、右後部座席63、および左後部座席64に備えられる。ステアリングマイク35は、ステアリングホイール65の周囲、またはステアリングホイール65上に設けられる。
以下では、車載装置1または携帯端末を使用する者を「ユーザ」と呼び、ユーザの中でも運転席61に座り車両3を制御する者を「運転者」と呼ぶ。
【0009】
図2は、車載装置1および携帯端末2のハードウエア構成を示すブロック図である。車載装置1は車両3に備えられる。車載装置1は、CPU10と、ROM11と、RAM12と、記憶部13と、音声処理部14と、インタフェース15と、表示制御部16と、表示部17と、入力部18と、通信部19とを備える。
【0010】
CPU10は、ROM11に格納されたプログラムをRAM12に展開して実行することにより後述する処理を行う。記憶部13には、後述するテスト音が記録された情報、たとえばテスト音が記録された音声ファイルが格納される。音声処理部14は、右前スピーカ31、左前スピーカ32、右後スピーカ33、左後スピーカ34、およびステアリングマイク35と接続される。音声処理部14は、CPU10の動作指令に基づき前述のスピーカそれぞれに音声信号を出力してスピーカから音声を出力させる。音声処理部14は、それぞれのスピーカから同じ音声を出力させることも可能であり、それぞれのスピーカから異なる音声を出力させることも可能であり、さらに一部のスピーカのみから音声を出力させることも可能である。音声処理部14は、ステアリングマイク35から入力される音声信号をCPU10に出力する。
【0011】
インタフェース15は車両3に搭載されるセンサとの接続インタフェースであり、車速センサ36と接続される。インタフェース15は、車速センサ36と直接接続されてもよいし、車両3に備えられる車載ネットワークを介して車速センサ36と接続されてもよい。車速センサ36は、車両3の車軸の回転数に基づき車両3の速度を示す信号をインタフェース15に出力する。
【0012】
表示制御部16は、CPU10の動作指令に基づき表示部17に映像を表示させる。表示制御部16の詳細な動作は後述する。入力部18は、ユーザによる操作入力をCPU10に伝達する。以下では、表示部17と入力部18が一体化したタッチパネルとして説明するが、異なる構成、たとえば入力部18が複数のボタンからなる構成でもよい。通信部19は、携帯端末2と無線通信を行う。通信部19は、携帯端末2が所定距離以内に近づくと接続処理を行い、相互に通信が可能となる。以下ではこの状態を「接続状態」と呼ぶ。
携帯端末2は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、携帯端末記憶部24と、携帯端末スピーカ25aと、携帯端末マイク25bと、携帯端末表示部27と、携帯端末入力部28と、携帯端末通信部29とを備える。
【0013】
CPU21は、ROM22に格納されたプログラムをRAM23に展開して実行することにより以下の処理、および後述するフローチャートにより示される処理を行う。CPU21は、携帯端末入力部28から入力されるユーザの操作に基づく操作信号、携帯端末マイク25bから入力される周囲の音声を収集して生成された音声信号、および携帯端末通信部29から入力される車載装置1から受信した情報、車載装置1から受信する動作指令の少なくとも1つに基づき演算を行う。CPU21は演算結果に基づき、携帯端末スピーカ25aへの音声信号の出力、携帯端末表示部27への映像信号の出力および車載装置1への情報の送信を行う。CPU21は、後述するように車載装置1から権限を委譲されると、換言すると車載装置1の操作が許可される権限委譲状態に遷移されると、車載装置1から受信した映像信号を携帯端末表示部27に表示させ、携帯端末入力部28から入力される操作信号を携帯端末通信部29を経由して車載装置1に送信する。
【0014】
携帯端末記憶部24には、後述するテスト音が記録された情報、たとえばテスト音が記録された音声ファイルが格納される。この音声ファイルは、車載装置1の記憶部13に格納される音声ファイルと同一でもよいし異なっていてもよい。
携帯端末スピーカ25aは、CPU21の指令に基づき音声を出力する。携帯端末マイク25bは、周囲の音声を電気信号に変換してCPU21に出力する。携帯端末表示部27は、CPU21の動作指令に基づき映像を表示する。携帯端末入力部28は、携帯端末表示部27と一体に構成されたタッチパネルであり、ユーザによるタッチパネルのタッチ操作により操作信号が生成されてCPU21に伝達される。携帯端末通信部29は、車載装置1と無線通信を行う。携帯端末通信部29は、車載装置1が所定距離以内に近づくと接続処理を行い、相互に通信が可能な接続状態となる。
【0015】
図3は、車載装置1のCPU10が実行する機能を機能ブロックとして表現した機能ブロック図である。CPU10は、その機能として演算部110と、制限部120と、連携制御部130と、端末位置判断部140とを備える。
演算部110は、入力部18、または連携制御部130から伝達される入力操作に基づき各種演算を行う。この演算はたとえば、目的地への経路を案内するナビゲーション機能を実現するための演算である。演算部110は、入力操作に基づき連携制御部130へ動作指令を出力する。演算部110は、入力操作に基づき端末位置判断部140の後述する判断方式を決定し、端末位置判断部140に判断方式を設定する。演算部110は、演算結果に基づき表示制御部16に表示部17に映像を表示させる指令を出力する。
【0016】
制限部120は、車速センサ36の出力に基づき車両3の速度が所定の速度以上であると判断する場合に、車載装置1を制限状態に移行させる。制限部120は、制限状態では入力部18から演算部110への入力操作の伝達を無効化するとともに、表示制御部16へ制限指令を出力して表示制御部16の出力を情報量の少ない映像に切り替えさせる。情報量の少ない映像とは、たとえば黒の塗りつぶしであり、少なくとも運転者の注意を引かない映像である。ただし制限部120は制限状態において入力部18から演算部110への入力操作の伝達を無効化する代わりに、入力部18が入力操作を受け付けない状態に遷移させてもよい。
【0017】
連携制御部130は、演算部110の動作指令により動作を開始し、端末位置判断部140が運転席以外にあると判断する携帯端末2に権限を委譲する。連携制御部130は、いずれかの携帯端末2に権限を委譲すると、表示制御部16へ連携指令を出力する。連携指令を受けた表示制御部16は、演算部110の出力に基づき表示部17へ出力する映像信号を連携制御部130へ出力するとともに、表示部17へ黒の塗りつぶしなど運転者の注意を引かない映像を出力する。そして連携制御部130は、表示制御部16から入力される映像信号を携帯端末2に送信する。さらに連携制御部130は、映像信号を携帯端末2に送信した後に携帯端末2から操作信号を受信すると、演算部110にその操作信号を出力する。
【0018】
端末位置判断部140は、後述する3つの判断方式のいずれかを用いて携帯端末2の位置を判断する。いずれの判断方式を用いるべきかは、演算部110から設定される。端末位置判断部140の動作は後にフローチャートを用いて説明する。
表示制御部16は、演算部110から映像信号が入力され、制限部120から制限指令が入力される場合があり、連携制御部130から連携指令が入力される場合がある。表示制御部16は、制限指令および連携指令が入力されていない場合は、演算部110から入力された映像信号を表示部17に出力する。表示制御部16は、制限指令および連携指令の少なくとも一方が入力されている場合は、情報量の少ない映像、たとえば黒塗りの映像を表示部17に出力する。表示制御部16は、連携指令が入力されている場合は、演算部110から入力された映像信号を連携制御部130に出力する。ただし表示制御部16は、連携指令が入力されている場合であっても、ナビゲーション機能に基づく簡易な右左折表示は表示部17へ表示する。
【0019】
(動作例)
以下、
図4〜
図13を用いて車載装置1および携帯端末2の動作を説明する。本実施の形態では、権限の委譲とは車載装置1を操作する権限を携帯端末2に与えることである。権限の委譲は車載装置1または携帯端末2を操作することにより開始される。
図4は、未接続状態の車載装置1および携帯端末2を示す図である。車載装置1の表示部17には車載装置1が生成した画面情報Vが表示され、携帯端末2の携帯端末表示部27には携帯端末2が生成した画面情報Mが表示されている。前述のとおり、車載装置1と携帯端末2が所定の距離以内に近づくと無線により接続され相互に通信が可能な状態、すなわち接続状態となる。
【0020】
図5は、接続状態にある車載装置1および携帯端末2を示す図である。車載装置1は、接続状態になると表示部17に接続状態にあることを示すアイコンである接続アイコン901を表示する。携帯端末2は、接続状態になると携帯端末表示部27に接続状態にあることを示すアイコンである接続アイコン902を表示する。
【0021】
図6は、車載装置1の操作を起点とする権限委譲の開始を示す図である。
図6の左側に示すように、ユーザが車載装置1の表示部17に表示された接続アイコン901をタッチすると、後述する処理が行われて携帯端末2の携帯端末表示部27に
図6の右側に示す画面が表される。
図6の右側に示す画面には、携帯端末2に車載装置1の画面を表示するか否かの問い合わせが表示される。ユーザが携帯端末2を操作して携帯端末2に車載装置1の画面を表示する旨の選択、たとえば「はい」の選択を行うと、後述する端末位置判断処理が開始される。
【0022】
なお車載装置1に複数の携帯端末2が接続されている場合は、ユーザが接続アイコン901をタッチすると
図7に示すように接続されている携帯端末2の一覧が表示される。ユーザが表示されている携帯端末2の一覧からいずれか1つの携帯端末2を選択すると、選択された携帯端末2を対象として携帯端末表示部27に
図6の右側に示す画像の表示、および後述する権限委譲処理が行われる。
【0023】
図8は、携帯端末2の操作を起点とする権限委譲の開始を示す図である。
図8の左側に示すように、ユーザが携帯端末2の携帯端末表示部27に表示された接続アイコン902をタッチすると、後述する処理が行われて車載装置1の表示部17に
図8の右側に示す画面が表される。
図8の右側に示す画面には、携帯端末2へ車載装置1の画面を表示するか否かの問い合わせが表示される。ユーザが車載装置1を操作して携帯端末2に車載装置1の画面を表示する旨の選択、たとえば「はい」の選択を行うと、後述する端末位置判断処理が開始される。端末位置判断処理、および権限委譲処理については後述する。
【0024】
図9は、権限委譲処理が完了した後の車載装置1および携帯端末2を示す図である。権限委譲処理が完了すると、車載装置1の表示部17には接続アイコン901と後述する簡易な右左折表示のみが表示される。車載装置1の表示制御部16が生成する画面情報Vは、映像信号として携帯端末2に送信される。権限委譲処理が完了すると、携帯端末2の携帯端末表示部27には車載装置1から送信された映像信号に基づき画面情報Vが表示される。ただし携帯端末表示部27に表示される画面情報Vは、携帯端末表示部27の解像度にあわせて加工されてもよい。そしてユーザが携帯端末表示部27をタッチ操作すると、その操作信号が車載装置1に送信される。車載装置1は携帯端末2から受信した操作信号に基づき演算部110を動作させる。そして演算部110が動作すると、表示制御部16は演算部110の指令の基づき携帯端末2に出力する画面情報Vを更新する。
【0025】
以上
図4〜
図9を用いて説明したように、権限委譲が開始される。なお、車載装置1の制限部120による制限処理が有効な場合には、前述のとおり入力部18から演算部110への入力操作が無効化されるが、連携制御部130を経由して携帯端末2から入力される入力操作は制限部120による制限の影響を受けない。
図10は、車載装置1の制限部120による制限処理が有効な場合における、携帯端末2による車載装置1の操作を示す図である。携帯端末2が車載装置1に操作信号を出力すると、制限部120による制限処理が有効な場合であっても、車載装置1はその操作信号に基づき演算部110を動作させる。そのため、権限委譲処理が完了した携帯端末2を用いることにより、車両3の走行中でも車載装置1を操作できる。
【0026】
次に
図11〜
図13を用いて権限委譲後の動作を説明する。
図11は、車載装置1の表示部17に表示される簡易右左折表示を示す図である。車載装置1は、権限委譲後も演算部110が有するナビゲーション機能に基づき、右左折地点が近づくと
図11に示す簡易な右左折表示を表示部17に表示する。
図12は、ユーザが車載装置1を操作することにより権限委譲を終了する場合の表示部17の表示を示す図である。ユーザが車載装置1の表示部17をタッチすると、
図12に示す表示が表示部17に表示される。この表示は、「今の状態で戻す」および「切替前の状態で戻す」のいずれかを選択可能な表示である。ユーザにより「今の状態で戻す」が選択された場合は、この選択が行われた際に携帯端末2の携帯端末表示部27に表示されていた映像が車載装置1の表示部17に表示され、携帯端末2への映像信号の送信および携帯端末2から車載装置1への操作信号の出力が停止される。またユーザにより「切替前の状態で戻す」が選択された場合は、権限委譲が行われた際に車載装置1の表示部17に表示されていた映像が表示部17に表示され、携帯端末2への映像信号の送信および携帯端末2から車載装置1への操作信号の出力が停止される。
【0027】
ただしユーザが前述のいずれかを選択すると、携帯端末2の携帯端末表示部27には権限委譲の終了を承諾するか否かを選択する表示され、承諾された場合のみ権限委譲が終了される。承諾されなかった場合は車載装置1の表示部17にその旨が表示され、権限が委譲された状態が継続される。
【0028】
図13は、ユーザが携帯端末2を操作することにより権限委譲を終了する場合の携帯端末表示部27の表示を示す図である。ユーザが携帯端末2の携帯端末入力部28を操作して権限委譲を終了させる操作を行うと、
図12に示す表示が携帯端末表示部27に表示される。この表示は、「今の状態で戻す」および「最初の状態で戻す」のいずれかを選択可能な表示である。ユーザにより「今の状態で戻す」が選択された場合は、この選択が行われた際に携帯端末2の携帯端末表示部27に表示されていた情報が車載装置1の表示部17に表示され、携帯端末2への映像信号の送信および携帯端末2から車載装置1への操作信号の出力が停止される。またユーザにより「最初の状態で戻す」が選択された場合は、権限委譲が行われた際に車載装置1の表示部17に表示されていた映像が表示部17に表示され、携帯端末2への映像信号の送信および携帯端末2から車載装置1への操作信号の出力が停止される。
【0029】
権限委譲を開始するまでの車載装置1および携帯端末2の動作を
図14〜
図20に示すフローチャートを用いて説明する。
図14は、携帯端末2と接続された後であって、権限委譲が行われていない場合の車載装置1の連携制御部130の動作を表すフローチャートである。
図14に示す処理の実行主体はCPU10である。車載装置1は、携帯端末2と接続された後は権限委譲が行われるまで
図14により動作が表されるプログラムを所定時間ごと、たとえば100msごとに繰り返し実行する。
ステップS501では、CPU10は、表示部17に表示された接続アイコン901がユーザにより押された、すなわち選択されたか否かを判断する。ユーザにより接続アイコン901が押されたと判断する場合はステップS502に進み、接続アイコン901が押されていないと判断する場合はステップS508に進む。
【0030】
ステップS502では、CPU10は、携帯端末2に権限委譲確認、すなわち権限委譲の可否を問い合わせるメッセージを送信する。続くステップS503では、CPU10は、携帯端末2からの回答を判断し、OK,すなわち権限委譲を承諾する回答が得られたと判断する場合はステップS504に進み、NG,すなわち権限委譲を拒否する回答が得られたと判断する場合は
図14のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。
ステップS504では、CPU10は、端末位置判断部140に端末位置判断処理を実行させて携帯端末2の位置が推定される。本ステップの詳細は、
図15を用いて後述する。ステップS504の次に実行されるステップS505では、CPU10は、ステップS504における推定結果を判断する。携帯端末2の位置が運転席以外であると判断する場合はステップS506に進み、携帯端末2の位置が運転席であると判断する場合はステップS507に進む。
【0031】
ステップS506では、表示制御部16および連携制御部130を権限委譲状態に遷移させる。具体的には、表示制御部16は演算部110から出力される映像情報を表示部17へ出力せずに、連携制御部130を経由して携帯端末2に出力する。また連携制御部130は、携帯端末2から入力された操作信号を演算部110に出力する。
ステップS505において否定判定されると実行されるステップS507では、携帯端末2から拒否されたので権限の委譲が不可能である旨のメッセージを表示部17に表示して、
図14のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。
【0032】
ステップS501において否定判定されると実行されるステップS508では、携帯端末2から権限委譲の請求を受信したか否かを判断する。権限委譲の請求を受信したと判断する場合はステップS509に進み、権限委譲の請求を受信していないと判断する場合は
図14のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。
ステップS509では、CPU10は、表示部17に携帯端末2からの権限の委譲を求めるメッセージを表示部17に表示する。続くステップS510では、入力部18から入力されるユーザの選択が権限委譲を承諾するものであると判断する場合はステップS504に進み、ユーザの選択が権限委譲を拒否するものであると判断する場合は
図14のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。
【0033】
図15は、
図14に示すフローチャートにおけるステップS504の詳細を示すサブルーチンである。
図15に示す処理の実行主体は端末位置判断部140、すなわちCPU10である。
ステップS521では、CPUは、あらかじめ設定された判断方式が画像方式、音声出力方式、および音声入力方式のいずれであるかを判断する。CPU10は、画像方式であると判断する場合はステップS530に進み、音声出力方式であると判断する場合はステップS540に進み、音声入力方式であると判断する場合はステップS550に進む。ステップS530では、CPU10は、
図16を用いて詳述する手法により携帯端末2の位置を推定する。ステップS540では、CPU10は、
図18を用いて詳述する手法により携帯端末2の位置を推定する。ステップS550では、CPU10は、
図19を用いて詳述する手法により携帯端末2の位置を推定する。
CPU10は、ステップS530、S540、S550のいずれかを実行すると
図16に示すサブルーチンを終了して
図14に戻る。
【0034】
図16は、画像方式による携帯端末2の位置推定処理を示すサブルーチンである。
図16に示す処理の実行主体は端末位置判断部140、すなわちCPU10である。
ステップS531では、CPU10は、表示部17に被撮影用画像を表示する。被撮影用画像は、たとえば白一色でもよいし歪みの検出が容易な格子模様でもよい。続くステップS532では、CPU10は、携帯端末2に撮影指示メッセージを送信する。携帯端末2は、受信したこの撮影指示メッセージを携帯端末表示部27に表示し、ユーザに携帯端末2を用いて表示部17を撮影させる。そして携帯端末2は撮影して得られた画像を車載装置1に送信する。
【0035】
続くステップS533では、CPU10は携帯端末2から撮影画像を受信する。続くステップS534では、CPU10は携帯端末2から受信した撮影画像を解析し、車載装置1の表示部17の歪みに基づき携帯端末2の位置を推定する。車載装置1の表示部17の歪みと携帯端末2の位置との関係を
図17を参照して説明する。
【0036】
図17は携帯端末2により撮影された車載装置1の表示部17の例を示す図である。
図17(a)は車載装置1を右側から撮影して得られる表示部17の像、
図17(b)は車載装置1を正面から撮影して得られる表示部17の像、
図17(c)は車載装置1を左側から撮影して得られる表示部17の像である。
図1に示したように、車載装置1は車両3の前方であって、車両3の幅方向の略中央に設置されている。そのため、運転席61に座るユーザが携帯端末2を用いて表示部17を撮影すると、
図17(a)に示すようにユーザに近い右辺が拡大されたように表示部17が歪んで撮影される。また助手席62に座るユーザが携帯端末2を用いて表示部17を撮影すると、
図17(c)に示すようにユーザに近い左辺が拡大されたように表示部17が歪んで撮影される。さらに右後部座席63や左後部座席64に座るユーザが携帯端末2を用いて表示部17を撮影すると、表示部17は
図17(b)に示すように歪みがない像、または歪みが小さい像として撮影される。後部座席から表示部17を撮影する場合は、前方の座席が遮蔽物となるので車両3の中央部に身を乗り出して撮影すると考えられるからである。また、身を乗り出して撮影しない場合でも、後部座席にある携帯端末2は運転席61や助手席62にある携帯端末2よりも車載装置1との距離が長いので、歪みは小さくなるからである。
【0037】
以上説明したように車載装置1と携帯端末2の位置関係に基づき撮影画像における表示部17の像が歪むので、CPU10は、携帯端末2から受信した撮影画像における表示部17の歪みに基づき携帯端末2の位置がいずれの座席にあるかを推定する。ただし本ステップでは、携帯端末2の位置が運転席61にあるか運転席61以外の席にあるかを判断するだけでもよい。
CPU10は、ステップS534を実行すると
図16に示すサブルーチンを終了する。
【0038】
図18は、車載装置1がテスト音声を出力する音声出力方式による携帯端末2の位置推定処理を示すサブルーチンである。
図18に示す処理の実行主体は端末位置判断部140、すなわちCPU10である。
ステップS541では、CPU10は、携帯端末2に録音指令を送信する。この録音指令を受信した携帯端末2は、携帯端末マイク25bを用いて所定時間の録音を開始し所定時間の経過後に録音して得られたデータ(以下、「携帯端末録音データ」と呼ぶ)を車載装置1に送信する。続くステップS452では、CPU10は、音声処理部14を用いて運転席61に直近のスピーカ、すなわち右前スピーカ31のみから所定のテスト音を出力する。続くステップS543では、携帯端末2から携帯端末録音データを受信する。続くステップS544では、信号解析、すなわち携帯端末録音データを信号解析し、ステップS452において出力したテスト音を検出する。続くステップS545では、ステップS544における信号解析によりテスト音が検出されたか否かを判断する。テスト音が検出されたと判断する場合はステップS546に進み、テスト音が検出されないと判断する場合はステップS547に進む。ただしテスト音が検出されたか否かは、テスト音が所定の閾値レベル以上で検出されたか否かに基づいて判断され、所定の閾値レベルはたとえばシミュレーションや実機テストに基づき設定される。
【0039】
ステップS545において肯定判定されると実行されるステップS546では、携帯端末2が運転席61にあると推定して
図18に示すサブルーチンを終了する。ステップS545において否定判定されると実行されるステップS547では、携帯端末2が運転席61以外にあると推定して
図18に示すサブルーチンを終了する。
【0040】
図19は、車載装置1に入力されるテスト音に基づき携帯端末2の位置を推定する音声入力方式による位置推定処理を示すサブルーチンである。
図19に示す処理の実行主体は端末位置判断部140、すなわちCPU10である。
ステップS551では、CPU10は、携帯端末2にテスト音の出力指示を送信する。この出力指示を受信した携帯端末2は、携帯端末スピーカ25aを用いてテスト音を出力する。続くステップS552では、CPU10は、ステアリングマイク35から入力される音声信号を、音声処理部14を用いて録音する。以下では、ステップS552において録音して得られたデータを「車載装置録音データ」と呼ぶ。続くステップS553では、ステップS552において得られた車載装置録音データを信号解析してテスト音を検出する。続くステップS554では、ステップS553における信号解析によりテスト音が検出されたか否かを判断する。テスト音が検出されたと判断する場合はステップS555に進み、テスト音が検出されないと判断する場合はステップS556に進む。ただしテスト音が検出されたか否かは、テスト音が所定の閾値レベル以上で検出されたか否かに基づいて判断され、所定の閾値レベルはたとえばシミュレーションや実機テストに基づき設定される。
【0041】
ステップS554において肯定判定されると実行されるステップS555では、携帯端末2が運転席61にあると推定して
図19に示すサブルーチンを終了する。ステップS554において否定判定されると実行されるステップS556では、携帯端末2が運転席61以外にあると推定して
図19に示すサブルーチンを終了する。
【0042】
図20は、車載装置1と接続された後であって、権限委譲が行われていない場合の携帯端末2の連携制御部130の動作を表すフローチャートである。
図20に示す処理の実行主体はCPU21である。携帯端末2は、車載装置1と接続された後は権限委譲が行われるまで
図20により動作が表されるプログラムを所定時間ごと、たとえば100msごとに繰り返し実行する。
【0043】
ステップS601では、CPU21は、携帯端末表示部27に表示された接続アイコン902がユーザにより押された、すなわち選択されたか否かを判断する。ユーザにより接続アイコン902が押されたと判断する場合はステップS602に進み、接続アイコン902が押されていないと判断する場合はステップS611に進む。ステップS602では、CPU21は、車載装置1に権限委譲の請求を送信して
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。なおステップS602が実行されると、車載装置1では
図14のステップS508において肯定判定がされる。
【0044】
ステップS601において否定判定されると実行されるステップS611では、CPU21は、車載装置1から権限委譲の確認、すなわち権限委譲を承諾するか否かの問合せを受信したか否かを判断する。なお車載装置1による権限委譲の確認の送信は、
図14のステップS502の実行によるものである。CPU21は、権限委譲の確認を受信したと判断する場合はステップS612に進み、権限委譲の確認を受信していないと判断する場合はステップS621に進む。ステップS612では、CPU21は、権限委譲確認メッセージ、すなわち権限委譲を承諾するか否かを問い合わせるメッセージを携帯端末表示部27に表示する。続くステップS613では、CPU21は、携帯端末入力部28から入力されるユーザの回答、すなわち権限委譲を承諾するか否かの情報を車載装置1に送信し、
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。なお本ステップにおける情報の送信に基づき
図14のステップS503の判断が行われる。
【0045】
ステップS611において否定判定されると実行されるステップS621では、CPU21は、車載装置1から撮影指示メッセージを受信したか否かを判断する。なお撮影指示メッセージは、
図16のステップS532において車載装置1から送信されるものである。CPU21は、撮影指示メッセージを受信したと判断する場合はステップS622に進み、撮影指示メッセージを受信していないと判断する場合はステップS631に進む。ステップS622では、CPU21は、撮影指示メッセージ、すなわち車載装置1を撮影する指示を示すメッセージを携帯端末表示部27に表示する。続くステップS633では、CPU21は、ステップS632のメッセージ表示に基づき携帯端末2を用いてユーザが撮影した得られた画像を車載装置1に送信し、
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。なお本ステップにおける情報の送信に基づき
図16のステップS533の受信処理が行われる。
【0046】
ステップS621において否定判定されると実行されるステップS631では、CPU21は、車載装置1から録音指令を受信したか否かを判断する。なお車載装置1による録音指令の送信は、
図18のステップS541の実行によるものである。CPU21は、録音指令を受信したと判断する場合はステップS632に進み、録音指令を受信していないと判断する場合はステップS641に進む。ステップS632では、CPU21は、携帯端末マイク25bを用いて所定時間の録音を開始する。続くステップS633では、CPU21は、所定時間の録音により得られた携帯端末録音データを車載装置1に送信し、
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。なお本ステップにおける情報の送信に基づき
図18のステップS543の受信処理が行われる。
【0047】
ステップS631において否定判定されると実行されるステップS641では、CPU21は、車載装置1から音声出力指令を受信したか否かを判断する。なお車載装置1による音声出力指令の送信は、
図19のステップS551の実行によるものである。CPU21は、音声出力指令を受信したと判断する場合はステップS642に進み、音声出力指令を受信していないと判断する場合は
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。ステップS642では、CPU21は、携帯端末スピーカ25aを用いて所定のテスト音を出力し、
図20のフローチャートで動作が表されるプログラムの動作を終了する。なお本ステップにおいて出力されるテスト音は、
図19のステップS552の録音処理において録音される。
【0048】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)車載装置1は、携帯端末2と接続され車両3に搭載される。車載装置1は、操作入力を受け付ける入力部18と、入力部18への入力に基づき演算する演算部110と、車載装置1を操作可能な、すなわち権限が委譲された携帯端末2を特定し、特定した携帯端末2からの操作信号に基づき演算部110に演算させる連携制御部130とを備える。連携制御部130は、携帯端末2の車両3内の位置に基づき権限を委譲する携帯端末2を特定する。
これにより、車載装置1は、車載装置1を操作可能な携帯端末2を特定できる。
【0049】
(2)車載装置1は、携帯端末2が車両3の運転席および運転席以外のいずれの位置に存在するかを判断する端末位置判断部140を備える。連携制御部130は、端末位置判断部140が運転席以外の位置に存在すると判断する携帯端末2を、権限を委譲する対象とする携帯端末2として特定する。
携帯端末2が運転席以外の位置に存在する場合は、その携帯端末2のユーザは運転者ではない。したがって、携帯端末2に権限を委譲しても車両3の運転には支障を生じない。このように車載装置1は車両3の運転支障が生じない携帯端末2を特定することで、車載装置1を操作可能な携帯端末2を特定することができる。
【0050】
(3)車載装置1は、車両3の運動状態に基づき入力部18への入力に基づく演算部110の動作を無効化する制限部120を備える。連携制御部130は、制限部120が演算部110の動作を無効化しているときに、権限を委譲した携帯端末2からの操作信号に基づき演算部110に演算させる。換言すると連携制御部130は、車両3の運動状態によらず、権限を委譲した携帯端末2からの操作信号に基づき演算部110に演算させる。
入力部18は運転者が操作できる範囲に存在するが、車載装置1は、車両3の走行中は入力部18への入力に基づく演算部110の動作を無効化するので、運転者は走行中に入力部18を操作することがなく、車載装置1の存在が安全運転に悪影響を及ぼさない。その一方で、車載装置1は権限を委譲した携帯端末2からの操作信号に基づき演算部110に演算させるので、車両3が走行中であっても運転者以外が携帯端末2を使用することができる。
【0051】
(4)車載装置1は、情報を提示する表示部17を備える。端末位置判断部140は、携帯端末2により撮影された表示部17の形状に基づき携帯端末2の位置を推定する。
そのため車載装置1は車載装置1と携帯端末2の相対位置を簡易に推定可能である。さらに本手法による携帯端末2の位置の推定には、車両3の設備を何ら必要としないので様々な車両3に適用することができる。
【0052】
(5)車載装置1は、音声信号を出力する音声処理部14を備える。携帯端末2は、音声処理部14が出力する音声信号に基づき車両3が備えるいずれかのスピーカから出力される音声を携帯端末2において録音した録音情報、すなわち携帯端末録音データを車載装置1に送信する。端末位置判断部140は、判断方式が音声出力方式に設定されている場合に、音声処理部14に所定の音声信号を出力させ、所定の音声信号に基づき携帯端末2が送信する携帯端末録音データを用いて携帯端末2の位置を推定する。
すなわち車載装置1は、携帯端末2から受信する携帯端末録音データからテスト音が所定のレベル以上で検出されない場合に、携帯端末2が運転席以外の位置に存在すると判断して権限を委譲する。本手法によればユーザは携帯端末2を操作する必要がなく簡便である。
【0053】
(6)端末位置判断部140は、判断方式が音声入力方式に設定されている場合に、携帯端末2から出力される所定の音声に基づきステアリングマイク35から入力される音声信号を基に、携帯端末2の位置を推定する。
すなわち車載装置1は、携帯端末2から出力されるテスト音が所定のレベル以上で検出されない場合に、携帯端末2が運転席以外の位置に存在すると判断して権限を委譲する。本手法によればユーザは携帯端末2を操作する必要がなく簡便である。
【0054】
(変形例1)
車載装置1は、携帯端末2に権限を委譲している場合であっても、右左折地点に近づいた際に表示部17に詳細な表示を行ってもよい。さらに詳細な表示を行うか否かを切り替え可能に構成してもよい。
図21は、変形例1における権限委譲後の車載装置1の表示部17の表示を示す図である。
図21に示す表示部17には、「誘導タイミングは強制的に戻す」というチェックボックスが表示される。ユーザの操作に基づきこのチェックボックスにチェックが入っている場合は、誘導タイミング、すなわちナビゲーション機能に基づき設定される右左折地点に近づいたタイミングで詳細な右左折に関する情報が表示される。詳細な右左折に関する情報とは、
図11に示した簡易な右左折表示よりも詳細な情報であり、たとえば表示部17の全画面を使用して表示される、走行レーンを含む交差点の画像である。
この変形例1によれば、携帯端末2に権限を委譲している場合でも右左折時に詳細な情報が得られる。さらにチェックボックスのオン/オフにより詳細な表示の有無を簡便に切り替えることができる。
【0055】
(変形例2)
車載装置1は、判断方法が音声出力方式に設定されている場合に、左前スピーカ32と、右後スピーカ33と、左後スピーカ34とからテスト音を出力してもよい。この場合は、携帯端末2から受信する携帯端末録音データを解析した際に、所定の閾値レベル以上でテスト音が検出された場合に携帯端末2は運転席以外に存在すると判断し、所定の閾値レベル以上でテスト音が検出されなかった場合に携帯端末2は運転席に存在すると判断する。
【0056】
この変形例2によれば、上述した第1の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(7)車両3には複数のスピーカが備えられ、音声処理部14は、携帯端末2が運転席61の位置に存在する場合に携帯端末2において録音される音声の強度よりも、携帯端末2が運転席61以外の位置に存在する場合に携帯端末2において録音される音声の強度が高くなるように、複数のスピーカに音声信号をそれぞれ出力する。端末位置判断部140は、音声処理部14の出力に基づき出力される音声を携帯端末2が録音して得られる携帯端末録音データが示す音声の強度、すなわち携帯端末録音データに含まれるテスト音の信号の強度が、所定の閾値よりも大きい場合に携帯端末2が運転席以外の位置にあると推定する。
そのため、運転席に存在する携帯端末2が誤って運転席以外に存在すると判断される可能性を低減することができる。たとえば、右前スピーカ31からテスト音を出力する場合は、携帯端末2の携帯端末マイク25bが集音に適さない状態、たとえばクッション等に強く押し当られている状態ではテスト音が小さく録音され、携帯端末2が運転席61に存在するにもかかわらず運転席61以外に存在すると判断される可能性がある。しかし変形例2によればそのような恐れがない。
【0057】
(第2の実施の形態)
図22〜
図23を参照して、車載装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、車両3が自動運転モードである場合は携帯端末の位置に関係なく権限が委譲される点で、第1の実施の形態と異なる。
【0058】
(構成)
第2の実施の形態における車両3は、動作モードとして通常モードと自動運転モードを有する。通常モードでは、運転者がステアリングホイール65や不図示のアクセルやブレーキなどを用いて車両3を制御する。自動運転モードでは、運転者は車両3の制御を行わず、車両3は自動で制御される。車両3の自動制御は、たとえば不図示のカメラやレーザレンジファインダの出力に基づき実現される。車両3の動作モードはユーザの操作により切り替えられる。
図22は、第2の実施の形態における車載装置1の機能ブロック図である。第2の実施の形態における車載装置1の機能ブロック図は、第1の実施の形態における全ての機能ブロックに加えて、自動運転判断部150を備える。自動運転判断部150は、車両3の動作モードを判断して連携制御部130に動作モードを示す情報を出力する。
【0059】
(動作)
図23は、第2の実施の形態において権限委譲が行われていない場合の車載装置1の連携制御部130の動作を表すフローチャートである。以下では第1の実施の形態との相違点を説明する。
ステップS503において肯定判定された場合、またはステップS510においてユーザの選択が承諾であると判断された場合に、ステップS504に代わってステップS590が実行される。ステップS590では、自動運転判断部150の出力に基づき車両3の動作モードを判断する。車両3が通常モードであると判断する場合はステップS504に進み、車両3が自動運転モードであると判断する場合はステップS506に進む。ステップS504以降の処理、およびステップS506以降の処理は第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0060】
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(8)車載装置1は、車両3が手動運転状態および自動運転状態のいずれにあるかを判断する自動運転判断部150を備える。車載装置の情報とは自動運転判断部150による判断結果である。連携制御部130は、自動運転判断部150が自動運転状態にあると判断する場合に、いずれの携帯端末2も車載装置1を操作可能な携帯端末2、すなわち権限が委譲された携帯端末2として特定する。
自動運転モードであれば運転席に座っている者も車両3を制御しないので、車載装置1は自動運転判断部150が自動運転状態にあると判断する場合に、いずれの携帯端末2からも車載装置1を操作可能とする。
【0061】
車載装置1のプログラムはROM11に格納されるとしたが、プログラムは記憶部13に格納されていてもよい。また、車載装置1が不図示のデータ入出力インタフェースを備え、必要なときにデータ入出力インタフェースと車載装置1が利用可能な媒体を介して、他の装置からプログラムが読み込まれてもよい。ここで媒体とは、例えば入出力インタフェースに着脱可能な記憶媒体、または通信媒体、すなわち有線、無線、光などのネットワーク、または当該ネットワークを伝搬する搬送波やディジタル信号、を指す。また、プログラムにより実現される機能の一部または全部がハードウエア回路やFPGAにより実現されてもよい。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。