【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における光学センサユニットの構成を示す平面図である。
図2は第1の実施例における線状光源ユニットの構成を示す正面図であり、
図1におけるひとつの線状光源ユニット105を側面から見た図である。
【0010】
図1および
図2において、光源装置としての光学センサユニット101は、受光素子102と、ふたつの線状光源ユニット105とを有している。
【0011】
受光素子102は、複数の受光素子が線状に配列されたラインセンサであり、レンズアレイやフォトダイオードアレイなどを備え、紫外光および可視光を検出するものである。受光素子102は、ふたつの線状光源ユニット105の間に挟まれるように配設されている。
それぞれの線状光源ユニット105は、ふたつの紫外光発光素子としての発光素子106と、導光体103と、ふたつのホルダ104と、ふたつのケーブル部112と、ふたつのベース板110とを有している。
【0012】
発光素子106は、ケーブル部112に配設され、電気信号を光に変換する素子である。
導光体103は、発光素子106から発光された光を導くものである。この導光体103は、例えばアクリル樹脂やポリマーなどの紫外透過性媒体であり、発光素子106を収めることができる断面が形成されている。
【0013】
発光素子106は、導光体103の長手方向における両端部にそれぞれ配設され、両端部の発光素子106同士は対向する位置に配置されている。導光体103は、対向配置されたふたつの発光素子106の間に配置され、それぞれの発光素子106との間に所定の間隔が保持されている。
【0014】
図2に示すように、導光体103は、長手方向が通過する媒体(紙葉類)と平行するように配置されている。
【0015】
なお、本実施例では、媒体を紙幣として説明するが、蛍光画像が印刷されている媒体であれば、紙幣に限られることなく、コピー用紙等の紙葉類であっても良い。
【0016】
ホルダ104は、導光体103およびベース板110を固定するものである。
ベース板110は、導光体103の両端に配設され、ケーブル部112を保持するとともに、接地されているものである。
ケーブル部112は、発光素子106と接続された配線パターン等を有するものである。ケーブル部112は、ベース板110に接地されている面とは反対側の導光体103側の面上に、発光素子106が配設されている。
【0017】
図3は第1の実施例におけるケーブル部および発光素子の構成を示す説明図である。
図3は、ケーブル部および発光素子が配置された
図2における領域Aを反時計回りに90度回転させ、拡大した図である。
図3において、ケーブル部112は、ベース板110の表面上にベース接着剤109で固着されたポリイミド層108と、ポリイミド層108のベース板110が固着された面の反対面に形成された配線パターン107とを有している。
【0018】
ポリイミド層108上に配線パターン107が形成されている。また、ポリイミド層108の配線パターン107が形成された面には、発光素子106が実装されている。発光素子106のアノード端子106aおよびカソード端子106bは、ボンディングワイヤ111を用いて配線パターン107と接続されている。
さらに、ケーブル部112は、ベース接着剤109を介してポリイミド層108の面のうち配線パターン107が形成されていない面に、ベース板110を接着している。
【0019】
ここで、ポリイミド層108は、ベース接着剤109に到達する紫外光を減衰させ、また紫外蛍光しない材料である。さらに、ポリイミド層108は、配線パターン107を表面に形成するため、絶縁層としての役割も持っている。
【0020】
また、配線パターン107は、公知のメッキ、蒸着、またはスパッタによってメタル層を形成し、公知のエッチングによってポリイミド層108上に接着剤を介さずに形成することが望ましい。なお、配線パターン107は、金、銀、銅、アルミニウム等の紫外蛍光しない材料で形成されている。
【0021】
発光素子106は、375nmの紫外光を発するものであり、サファイア等の絶縁性の基板を利用したGaN系化合物半導体を利用した紫外光LED(Light Emitting Diode)チップを適用することができる。
【0022】
図4は第1の実施例における自動取引装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図4において、自動取引装置201は、例えば金融機関や流通機関等に設置される現金自動預け払い機(ATM)等であり、
図1に示す光学センサユニット101を備えたものである。自動取引装置201は、媒体としての紙葉類(例えば、紙幣や証券)に蛍光インクで形成された画像に紫外光を照射し、その画像が蛍光した蛍光画像を読み取って媒体の真贋を判定するものである。
【0024】
自動取引装置201は、制御装置202と、表示操作部203と、明細書取扱部204と、カード取扱部205と、紙幣取扱部206と、硬貨取扱部209と、電源部210とを有している。
制御装置202は、CPU(Central Processing Unit)等の制御用のコンピュータである制御手段と、メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段とを備え、記憶手段に記憶されたOS(Operating System)や取引プログラムに基づいて制御手段が以下に説明する各部を含め自動取引装置201全体の動作を制御する。
【0025】
表示操作部203は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等であり、取引画面を表示し、操作者の入力操作を受け付けるものである。
明細書取扱部204は、自動取引装置201で行われる取引の内容を明細票に印字するプリンタである。
【0026】
カード取扱部205は、金融カードに貼付された磁気テープやICチップに格納された情報を読取り、また情報を磁気テープやICチップに書き込むものである。
紙幣取扱部206は、紙幣投入口に投入された紙幣を鑑別して収納庫に格納する入金処理や収納庫に格納された紙幣を鑑別して紙幣出金口に払い出す出金処理を行うものである。ここで、紙幣は
図3に示す媒体(紙葉類)に相当する。
【0027】
紙幣取扱部206は、紙幣を鑑別する鑑別部207を備え、また鑑別部207は
図1に示す光学センサユニット101を備えたものである。
鑑別部207は、制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびCPU等の制御部を有している。
【0028】
また、鑑別部207の制御部の制御基板には、
図1に示す光学センサユニット101のケーブル部112が接続されている。
【0029】
鑑別部207の制御部は、
図1および
図2に示す複数の発光素子106と、複数の可視光発光素子と、複数の赤外発光素子とを所定のパターンで電流駆動して発光させるとともに、駆動部を介して媒体を発光素子の光軸と直交する方向に移動させる。
発光素子を発光させた鑑別部207の制御部は、
図1に示す受光素子102が紙幣の蛍光や反射光などを検出して出力した信号に基づいて媒体の蛍光画像および可視光画像を取得するように構成されている。
【0030】
特に、写真用のコピー用紙は紫外線の反射率が高いため、鑑別部207の制御部は、媒体の蛍光画像が均一な紫外線画像であることを検出した場合、当該媒体が偽造紙幣であると判定することができる。
【0031】
硬貨取扱部209は、硬貨投入口に投入された硬貨を鑑別して収納庫に格納する入金処理や収納庫に格納された硬貨を鑑別して硬貨出金口に払い出す出金処理を行うものである。
電源部210は、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して直流電力を各部に供給する電源装置である。
【0032】
上述した構成の作用について説明する。
【0033】
図4に示す自動取引装置201の紙幣取扱部206に備えられた鑑別部207の光学センサユニット101の動作を
図1、
図2および
図3に基づいて説明する。
【0034】
光学センサユニット101のケーブル部112は、
図4に示す鑑別部207の制御部の制御基板に接続されているため、制御基板から所定の信号が出力されることにより、発光素子106が所定の発光パターンで紫外光を発光する。
発光素子106から放出された紫外光UVは、配線パターン107、ポリイミド層108、ポリイミド層108を通してベース接着剤109、並びに導光体103を通して対向する発光素子106とケーブル部112に照射される。
【0035】
このとき、配線パターン107およびポリイミド層108は、蛍光性のないものを材料として形成されているため、蛍光することがなく、可視光を発することはない。
また、ベース接着剤109は、ポリイミド層108を介して紫外光UVが照射されるため、照射される紫外光UVの強度が弱まる。その結果としてベース接着剤109から発せられる紫外蛍光UVaの強度も弱くなる。
【0036】
ここで、比較例の光学センサユニットの動作を
図7に基づいて説明する。
【0037】
図7に示す光学センサユニット501は、可視光カットフィルタを備えている。ここで、可視光カットフィルタは、光源から紫外光と同時に発せられる微弱な背景可視光成分を減衰させるものであり、蛍光画像のコントラストを向上させるものである。
【0038】
なお、光学センサユニット501は、
図1および
図2に示す光学センサユニット101に相当するものであり、ケーブル部512以外の構成は
図1および
図2に示す光学センサユニット101と同様である。また、
図7は、ケーブル部および発光素子が配置された
図2における領域Aを反時計回りに90度回転させ、拡大した図である。
【0039】
図7において、ケーブル部512は、配線パターン507と、絶縁層509と、ベース板510とを有している。
【0040】
絶縁層509は、エポキシ材料で構成され、一方の面上に配線パターン507が形成されており、他方の面にはベース板510を接着している。
また、配線パターン507は、公知のメッキ、蒸着、またはスパッタによってメタル層を形成し、公知のエッチングによって絶縁層509上に形成されている。
【0041】
さらに、可視光カットフィルタ520が固定部材によって固定され、発光素子506から放出される紫外光UV50、および紫外光UV50によって発する紫外蛍光L51が、
図1に示す導光体103に入射する位置に配置され、導光体103に入射する紫外蛍光L51を遮光する。
【0042】
ここで、紫外蛍光とは、エポキシ材料(絶縁層509)に紫外光が当たることで励起されて発光する蛍光(可視光)である。比較例では、この紫外蛍光(可視光)をカットするために可視光カットフィルタ520を備える必要がある。
また、ケーブル部512上には発光素子506が配置され、発光素子506のアノード端子506aおよびカソード端子506bは、ボンディングワイヤ511を用いてワイヤボンドされている。
【0043】
このように構成された比較例の光学センサユニット501のケーブル部512は、
図4に示す鑑別部207の制御部の制御基板に接続されているため、制御基板から所定の信号が出力されることにより、発光素子506が所定の発光パターンで紫外光UV50を発光する。
【0044】
このとき、発光素子506から放出された紫外光UV50は、可視光カットフィルタ520を通して紫外光UV52となる。この紫外光UV52は、可視光カットフィルタ520を介するため、紫外光UV50より強度が弱くなる。
【0045】
また、紫外光UV50は、配線パターン507、絶縁層509、および絶縁層509を通してベース板510に放出され、紫外蛍光L51は導光体103を通して対向する発光素子506とケーブル部512に照射される。
このように、可視光カットフィルタを備えた比較例では、発光素子から放出された紫外光は、可視光カットフィルタを介して導光体に入射するため、強度が弱くなってしまう。
【0046】
しかし、
図3に示す本実施例のように、ポリイミド層108を、発光素子106から放出される紫外光UVによって蛍光する構造物としてのベース接着剤109に紫外光UVが照射されることを防ぐように、配置したことにより、可視光カットフィルタを備える必要がなく、可視光カットフィルタを用いることなく紫外蛍光(可視光)を弱めることができる。
【0047】
即ち、本実施例では、ポリイミド層108を用いているため、紫外蛍光(可視光)は殆ど発光せず、可視光カットフィルタを用いる必要がなく、紫外蛍光(可視光)を弱めることができる。
したがって、本実施例では、発光素子から放出された紫外光は可視光カットフィルタを介することなく導光体に照射され、導光体から媒体に放出される紫外光の強度は導光体を通した際の損失だけとなり、紫外光の強度の低下を抑制することができる。
【0048】
このように本実施例では、発光素子から放出される紫外光の強度を弱めることなく、導光体に照射される蛍光(可視光)成分が減少するため、蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
さらに、可視光カットフィルタのフィルタ性能に関係なく蛍光(可視光)成分を減らすことができるため、より広範囲の紫外光を扱うことができるようになる。
【0049】
以上説明したように、第1の実施例では、発光素子から放出される紫外光の強度を弱めることなく、導光体に照射される蛍光(可視光)成分を減少させることができ、蛍光画像のコントラストの低下を抑制することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0050】
第2の実施例の構成は、光学センサユニットのケーブル部の構成が第1の実施例と異なっている。その第2の実施例の構成を
図5の第2の実施例におけるケーブル部の構成を示す説明図に基づいて説明する。
図5は、ケーブル部および発光素子が配置された
図2における領域Aを反時計回りに90度回転させ、拡大した図である。なお、ケーブル部以外の構成は第1の実施例の構成と同様であり、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図5において、ケーブル部312は、配線パターン107と、ポリイミド層108と、裏面パターン108bとを有している。
【0052】
ポリイミド層108は、一方の面上に配線パターン107が形成されており、他方の面には裏面パターン108bが形成されている。
さらに、裏面パターン108bは、ポリイミド層108の反対面に、ベース接着剤109を介してベース板110を接着している。
【0053】
裏面パターン108bは、金、銀、銅、銅箔、アルミニウム等の紫外蛍光しない材料で形成されている。また、裏面パターン108bは、配線パターン107と同様の材料で形成することができる。
このように、紫外光遮断パターンとしての裏面パターン108bは、ポリイミド層108とベース接着剤109との間に形成されている。
【0054】
また、ケーブル部312のポリイミド層108上には発光素子106がボンディングワイヤ111を用いてワイヤボンドされている。
【0055】
上述した構成の作用について説明する。
【0056】
図4に示す自動取引装置201の紙幣取扱部206に備えられた鑑別部207の光学センサユニット101の動作を
図1、
図2および
図5に基づいて説明する。
【0057】
光学センサユニット101のケーブル部312は、
図4に示す鑑別部207の制御部の制御基板に接続されているため、制御基板から所定の信号が出力されることにより、発光素子106が所定の発光パターンで紫外光を発光する。
発光素子106から放出された紫外光UVは、配線パターン107、ポリイミド層108、ポリイミド層108を通して裏面パターン108b、並びに導光体103を通して対向する発光素子106とケーブル部312に照射される。
【0058】
このとき、配線パターン107、ポリイミド層108、および裏面パターン108bは、蛍光性のないものを材料として形成されているため、蛍光することはない。
【0059】
このように、本実施例では、ベース接着剤109とポリイミド層108との間に、裏面パターン108bを形成したことにより、発光素子106から放出された紫外光UVは、裏面パターン108bにより遮光され、ベース接着剤109まで到達しない。また、裏面パターン108bは、蛍光しない素材を用いているため、紫外光UVによって蛍光しない。
【0060】
したがって、導光体103に照射される可視光成分は、発光素子106から放出される可視光成分のみとなり、蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、導光体に照射される可視光成分を発光素子から放出される可視光成分のみとすることができ、さらに蛍光画像のコントラストの低下を抑制することができるという効果が得られる。
【実施例3】
【0061】
第3の実施例の構成は、光学センサユニットのケーブル部の構成が第1の実施例と異なっている。その第3の実施例の構成を
図6の第3の実施例におけるケーブル部の構成を示す説明図に基づいて説明する。
図6は、ケーブル部および発光素子が配置された
図2における領域Aを反時計回りに90度回転させ、拡大した図である。なお、ケーブル部以外の構成は第1の実施例の構成と同様であり、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図6において、ケーブル部412は、配線パターン107と、ポリイミド層108と、裏面パターン108bと、フロントパネル408と、絶縁フィルム410とを有している。
【0063】
ポリイミド層108は、一方の面上に配線パターン107が形成されており、他方の面には裏面パターン108bが形成されている。
さらに、裏面パターン108bは、ポリイミド層108の反対面に、ベース接着剤109を介してベース板110を接着している。
【0064】
裏面パターン108bは、金、銀、銅、銅箔、アルミニウム等の紫外蛍光しない材料で形成されている。また、裏面パターン108bは、配線パターン107と同様の材料で形成することができる。
【0065】
なお、ケーブル部412は、裏面パターン108bを設けない構成としても良い。
【0066】
また、ポリイミド層108に形成されている配線パターン107上、即ち配線パターン107のポリイミド層108側の面の反対面には、絶縁フィルム410が、絶縁フィルム接着剤411を介して接着され、固着されている。
【0067】
さらに、絶縁フィルム410の配線パターン107が接着されていない片面、即ち絶縁フィルム410の配線パターン107側の面の反対面には、フロントパネル408がフロントパネル接着剤409を介して接着され、固着されている。
【0068】
絶縁フィルム接着剤411は、熱硬化性であって、熱圧着によって絶縁フィルム410を接着するので、絶縁フィルム410の外側である発光素子106側に僅かにはみ出す。
フロントパネル接着剤409は、絶縁フィルム410の発光素子106側の縁部(四方の縁部、以下同様)よりも内側(発光素子106の反対側)に収まるようにし、フロントパネル408は絶縁フィルム接着剤411の発光素子106側の縁部よりも発光素子106側にはみ出している。
【0069】
このように、フロントパネル408の発光素子106側の縁部408aは、絶縁フィルム410と配線パターン107とを固着する絶縁フィルム接着剤411の発光素子106側の縁部411aよりも発光素子106に接近している。
【0070】
また、フロントパネル408の発光素子106側の縁部408aは、絶縁フィルム410の発光素子106側の縁部410aより発光素子106に接近している。
【0071】
さらに、絶縁フィルム410とフロントパネル408とは、フロントパネル接着剤409で固着され、絶縁フィルム410の発光素子106側の縁部410aおよびフロントパネル408の発光素子106側の縁部408aは、フロントパネル接着剤409の発光素子106側の縁部409aよりも発光素子106に接近している。
【0072】
また、ケーブル部412のポリイミド層108上には発光素子106がボンディングワイヤ111を用いてワイヤボンドされている。
【0073】
上述した構成の作用について説明する。
【0074】
図4に示す自動取引装置201の紙幣取扱部206に備えられた鑑別部207の光学センサユニット101の動作を
図1、
図2および
図6に基づいて説明する。
【0075】
光学センサユニット101のケーブル部312は、
図4に示す鑑別部207の制御部の制御基板に接続されているため、制御基板から所定の信号が出力されることにより、発光素子106が所定の発光パターンで紫外光を発光する。
【0076】
発光素子106から放出された紫外光UVは、配線パターン107、ポリイミド層108、絶縁フィルム410、絶縁フィルム接着剤411、フロントパネル408、フロントパネル接着剤409、ポリイミド層108を通して裏面パターン108b、並びに導光体103を通して対向する発光素子106とケーブル部412に照射される。
【0077】
このとき、配線パターン107、ポリイミド層108、裏面パターン108b、フロントパネル408、および絶縁フィルム410は、蛍光性のないものを材料として形成されているため、蛍光することはない。
【0078】
また、フロントパネル接着剤409および絶縁フィルム接着剤411に紫外光UVが照射されても、フロントパネル接着剤409および絶縁フィルム接着剤411の外周よりも大きい外周が形成されているフロントパネル408によって紫外蛍光UVdが遮光される。
【0079】
このように、本実施例では、配線パターン107上に、絶縁フィルム410およびフロントパネル408を、絶縁フィルム接着剤411およびフロントパネル接着剤409を介してそれぞれ接着した。また、フロントパネル接着剤409は、絶縁フィルム410の外周よりも小さくし、さらにフロントパネル408は、絶縁フィルム接着剤411の外周よりも大きくした。
【0080】
これにより、フロントパネル接着剤409および絶縁フィルム接着剤411から放出される紫外蛍光UVdは、フロントパネル408によって遮光される。
また、配線パターン107上に絶縁フィルム410を接着することにより、配線パターン107を保護することができる。
【0081】
したがって、本実施例では、配線パターン107を保護するとともに、フロントパネル接着剤409および絶縁フィルム接着剤411の外周よりも大きく形成したフロントパネル408でフロントパネル接着剤409および絶縁フィルム接着剤411から放出される紫外蛍光UVdを遮光するため、蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
【0082】
さらに、フロントパネル408および絶縁フィルム410によって発光素子106の周囲の高さが高くなり、例えば発光素子106の樹脂封止を行う際に、樹脂の形状を保つことができる。
【0083】
なお、本実施例においても第2の実施例と同様に、ベース接着剤109とポリイミド層108との間に、裏面パターン108bを形成したことにより、発光素子106から放出された紫外光UVは、裏面パターン108bにより遮光され、ベース接着剤109まで到達しない。また、裏面パターン108bは、蛍光しない素材を用いているため、紫外光UVによって蛍光しない。
【0084】
したがって、導光体103に照射される可視光成分は、発光素子106から放出される可視光成分のみとなり、蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
【0085】
以上説明したように、第3の実施例では、第2の実施例の効果に加え、配線パターンを保護しつつ、フロントパネルでフロントパネル接着剤および絶縁フィルム接着剤から放出される紫外蛍光を遮光することができ、蛍光画像のコントラストの低下を抑制することができるという効果が得られる。
【0086】
なお、第1の実施例から第3の実施例の光学センサユニットは、樹脂封止するとより顕著な効果が得られる。紫外光は、樹脂界面で反射するため、光源内でより多くの反射光が外部に放出されるが、この反射光には紫外光の他に微弱な可視光も含まれている。しかしながら、第1の実施例から第3の実施例の光学センサユニットを用いれば、反射光に含まれる微弱な可視光も遮光することが可能であり、蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
【0087】
また、第1の実施例から第3の実施例では、自動取引装置を現金自動預け払い機として説明したが、それに限られるものでなく、光学センサユニットを有するものであれば乗車券等を発行する自動券売機等としても良い。