特許第6775483号(P6775483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許67754831,4−ジ置換イミダゾール誘導体からなる医薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6775483
(24)【登録日】2020年10月8日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】1,4−ジ置換イミダゾール誘導体からなる医薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/422 20060101AFI20201019BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   A61K31/422
   A61K31/427
   A61K31/4439
   A61K31/4709
   A61K31/501
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P35/04
   A61P43/00 105
【請求項の数】39
【全頁数】109
(21)【出願番号】特願2017-243970(P2017-243970)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2018-100270(P2018-100270A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】特願2016-247138(P2016-247138)
(32)【優先日】2016年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002912
【氏名又は名称】大日本住友製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】坂 仁志
(72)【発明者】
【氏名】▲草▼木 学
(72)【発明者】
【氏名】東城 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 太志
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 美紀
【審査官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6692354(JP,B2)
【文献】 国際公開第2018/117196(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/146128(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/208592(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/027253(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/073461(WO,A1)
【文献】 特表2013−532713(JP,A)
【文献】 Tetrahedron,2004年,Vol.60,p.6079-6083
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1’):
【化1】
[式中、環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
−Qは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)O−Q、−NR3aC(O)OCH−Q、−NR3aC(O)NR3b−Q、−NR3aC(O)NR3bCH−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、−NR3aC(O)CH−Q、−NR3aC(O)CHCH−Q、−C(O)NR3a−Q、−C(O)NR3aCH−Q、−C(O)NR3aCHCH−Q、または−NR3aC(O)−CR3c=CR3d−Q(ここにおいて、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表し;R3cおよびR3dは、独立して、水素原子、フッ素原子、またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Qは5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基、置換されていてもよいC3−4アルケニレン基、または置換されていてもよいC3−4アルキニレン基を表し;
nは、1、2、3、4または5を表し;
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、シアノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいアミノスルホニル基、置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノ基、置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノカルボニル基、ニトロ基、またはカルボキシル基を表し;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
は、
(1)ヒドロキシ基、
(2)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、およびC6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(3)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(該アルキルは同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
【請求項2】
式(1):
【化2】
[式中、環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
−Qは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)O−Q、−NR3aC(O)OCH−Q、−NR3aC(O)NR3b−Q、−NR3aC(O)NR3bCH−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、−NR3aC(O)CH−Q、−NR3aC(O)CHCH−Q、−C(O)NR3a−Q、−C(O)NR3aCH−Q、または−C(O)NR3aCHCH−Q(ここにおいて、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Qは5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基、置換されていてもよいC3−4アルケニレン基、または置換されていてもよいC3−4アルキニレン基を表し;
nは、1、2、3、4または5を表し;
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、シアノ基、または置換されていてもよいアミノ基を表し;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
は、
(1)ヒドロキシ基、
(2)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、およびC6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(3)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(該アルキルは同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
【請求項3】
環Qが、
(1)C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)C6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(g)C6−10アリールオキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(h)ヒドロキシ、
(i)アミノ(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、
(j)アミノカルボニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、
(k)C1−6アルコキシ−カルボニル(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(l)C1−6アルキル−カルボニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(m)C1−6アルキルスルホニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(n)C1−6アルキル−カルボニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(o)C1−6アルキルスルホニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(p)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(q)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(r)アミノスルホニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、および
(s)C3−10シクロアルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(s)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、または
(3)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(s)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)であり;
が、C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
が、
(1)C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−4アルケニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(3)C3−4アルキニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり;
が、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)であり;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよい、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
環Q
(1)フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)フェニル(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、および
(g)フェノキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−7シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(g)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、または
(3)ピリジル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(g)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項5】
環Qが、フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、および
(c)C1−6アルコキシ(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項6】
が、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項7】
−Qが、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、または−C(O)NR3a−Q(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項8】
−Qが、−NHC(O)−Q、または−C(O)NH−Qである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項9】
環Qが、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、またはキノキサリニル基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項10】
環Qが、ピリジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、またはキノリニル基である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項11】
が、メチレン基(該基は1〜2個の同種または異種のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;Rが、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項12】
式(1’)が、式(1a’):
【化3】
(式中、環Q1aは、フェニル基、ピリジル基、またはシクロヘキシル基を表し;
mは、1、2、3、4または5であり;
11は、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
およびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
1aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2a−Q2aは、−NR3aC(O)−Q2a、−NR3aC(O)CHO−Q2a、−C(O)NR3a−Q2a、または−NR3aC(O)−CH=CH−Q2a(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Q2aは5員もしくは6員のヘテロアリール基を表し;
3aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)を表し;
12およびR13は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表し;
ここにおいて、R13およびW3aが環Q2a上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員もしくは6員のシクロアルカン環を形成してもよく;
14が、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)を表す)で表される、請求項1に記載の医薬。
【請求項13】
式(1’)が、式(1a):
【化4】
(式中、環Q1aは、フェニル基、ピリジル基、またはシクロヘキシル基を表し;
mは、1、2、3、4または5であり;
11は、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
およびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
1aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2a−Q2aは、−NR3aC(O)−Q2a、−NR3aC(O)CHO−Q2a、または−C(O)NR3a−Q2a(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Q2aは5員もしくは6員のヘテロアリール基を表し;
3aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)を表し;
12およびR13は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表し;
ここにおいて、R13およびW3aが環Q2a上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員もしくは6員のシクロアルカン環を形成してもよく;
14が、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)を表す)で表される、請求項1に記載の医薬。
【請求項14】
環Q1aがフェニル基である、請求項12または13に記載の医薬。
【請求項15】
2a−Q2aが−NHC(O)−Q2aである、請求項12〜14のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項16】
環Q2aが、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、またはイソチアゾリル基である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項17】
環Q2aが、ピリジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、またはイソキサゾリル基である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項18】
環Q2aがピリジル基である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項19】
12およびR13が、独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(6)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)である、請求項12〜18のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項20】
12およびR13が、独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、または
(4)アミノ基である、請求項12〜19のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項21】
13が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、またはアミノ基であり;R12が水素原子である、請求項12〜20のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項22】
3aがメチレン基(該基は1〜2個の同種または異種のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり;R14がヒドロキシ基である、請求項12〜21の医薬。
【請求項23】
、およびRが水素原子である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項24】
式(1’)が、式(1b):
【化5】
(式中、Xは、NまたはCR26を表し;
は、NまたはCR28を表し;
ここにおいて、XおよびXのうち少なくとも一つはNであり;
21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2bは、−NHC(O)−、または−C(O)NH−を表し;
26、R27、R28およびR29は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(6)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表す)で表される、請求項1に記載の医薬。
【請求項25】
22が、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、請求項24に記載の医薬。
【請求項26】
22が、ハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基である、請求項24に記載の医薬。
【請求項27】
21、R23、R24およびR25が、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、または
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項28】
2bが−NHC(O)−である、請求項24〜27のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項29】
がNである、請求項24〜28のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項30】
がNであり;XがCHである、請求項24〜29のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項31】
27が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、またはアミノ基であり;R29が水素原子である、請求項24〜30のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項32】
27が、1〜3個のフッ素で置換されているメチル基であり;R29が水素原子である、請求項24〜31のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項33】
式(1’)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の医薬:
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド、
6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド、
6−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド、
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド、
N−[1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3−クロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド、
N−[1−(3、4−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3、5−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3−クロロ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、
N−[1−(3、5−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、および
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリダジン−3−カルボキサミド。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれか一項に記載の医薬および薬学的に許容される添加剤を含有する医薬組成物。
【請求項35】
請求項1〜33のいずれか一項に記載の医薬を含有する抗腫瘍剤。
【請求項36】
腫瘍が、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、骨髄腫、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、尿路上皮がん、腎細胞がん、前立腺がん、睾丸腫瘍、ウイルムス腫瘍、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、または軟部肉腫である、請求項35に記載の抗腫瘍剤。
【請求項37】
がんの治療剤を製造するための、請求項1〜33のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項38】
がんの治療に使用する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項39】
がんの治療に使用するための、請求項1〜33のいずれか一項に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用な1,4−ジ置換イミダゾール誘導体およびその製薬学的に許容される塩、並びにそれらを有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のがん治療は、がん腫瘍を退縮できても、悪性腫瘍の持続的増殖、がんの転移・再発及び抗腫瘍剤への耐性により、意味のある生存効果が期待できないことがあり、近年その理由の一つとして、がん幹細胞(cancer stem cell (以下、「CSC」と表記することがある)が悪性腫瘍の持続的増殖等に密接に関与していると示唆されている。現在、乳がん、結腸がん、肺がん、血液悪性腫瘍など、ヒトの主要ながん種のほぼすべてにおいてCSCが同定されている(非特許文献1)。また、CSCは、CSCから分化した通常のがん細胞とその生物学的特性が著しく異なることもあり、CSCを標的とした抗腫瘍剤の創製は、これまでにない新しいがん治療のターゲットとして期待されている(非特許文献2)。
【0003】
CSCの特性の一つは自己複製能を有することである(非特許文献3)。細胞の自己複製能の測定法として確立され信頼できる手法として、血清非存在下、非接着状態でのがん細胞スフィア形成能測定が挙げられる(非特許文献4)。
【0004】
非特許文献5には、N−イミダゾリルアミド骨格を有するPF−03084014が、CSCを阻害することで抗癌作用を有していることが開示されている。しかしながら、非特許文献5には、本発明の式(1’)で表される化合物は、一切開示されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Boman et al., Journal of Clinical Oncology 26(17): 2795-2799. 2008
【非特許文献2】Lobo et al., Annu Rev Cell Dev Biol 23: 675-99. 2007
【非特許文献3】Al-Hajj et al., Oncogene 23(43): 7274-82. 2004
【非特許文献4】Ponti et al., Cancer Res 65(13): 5506-11. 2005
【非特許文献5】Zhang et al., Stem Cells Translational Medicine 2: 233-242. 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、悪性腫瘍の持続的増殖、がんの転移、再発及び抗腫瘍剤への耐性に深く関わっていると考えられるCSCを標的とする新規抗腫瘍剤として有用な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式(1’)で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩(以下、「本発明化合物」と称することもある。)が、優れたがん細胞スフィア形成能の抑制作用を有し、新規抗腫瘍剤として非常に有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕 式(1’):
【化1】
[式中、環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
−Qは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)O−Q、−NR3aC(O)OCH−Q、−NR3aC(O)NR3b−Q、−NR3aC(O)NR3bCH−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、−NR3aC(O)CH−Q、−NR3aC(O)CHCH−Q、−C(O)NR3a−Q、−C(O)NR3aCH−Q、−C(O)NR3aCHCH−Q、または−NR3aC(O)−CR3c=CR3d−Q(ここにおいて、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表し;R3cおよびR3dは、独立して、水素原子、フッ素原子、またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Qは5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基、置換されていてもよいC3−4アルケニレン基、または置換されていてもよいC3−4アルキニレン基を表し;
nは、1、2、3、4または5を表し;
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、シアノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミノカルボニル基、置換されていてもよいアミノスルホニル基、置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノ基、置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノカルボニル基、ニトロ基、またはカルボキシル基を表し;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
は、
(1)ヒドロキシ基、
(2)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、およびC6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(3)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(該アルキルは同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
【0009】
〔2〕 式(1):
【化2】
[式中、環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
−Qは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)O−Q、−NR3aC(O)OCH−Q、−NR3aC(O)NR3b−Q、−NR3aC(O)NR3bCH−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、−NR3aC(O)CH−Q、−NR3aC(O)CHCH−Q、−C(O)NR3a−Q、−C(O)NR3aCH−Q、または−C(O)NR3aCHCH−Q(ここにおいて、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Qは、5員〜10員のヘテロアリール基を表し;
は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基、置換されていてもよいC3−4アルケニレン基、または置換されていてもよいC3−4アルキニレン基を表し;
nは、1、2、3、4または5を表し;
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、シアノ基、または置換されていてもよいアミノ基を表し;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
は、
(1)ヒドロキシ基、
(2)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、およびC6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(3)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(該アルキルは同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
【0010】
〔3〕 環Qが、
(1)C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)C6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(g)C6−10アリールオキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(h)ヒドロキシ、
(i)アミノ(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、
(j)アミノカルボニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、
(k)C1−6アルコキシ−カルボニル(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(l)C1−6アルキル−カルボニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(m)C1−6アルキルスルホニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(n)C1−6アルキル−カルボニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(o)C1−6アルキルスルホニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(p)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(q)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(r)アミノスルホニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、および
(s)C3−10シクロアルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(s)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、または
(3)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(s)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)であり;
が、C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
が、
(1)C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−4アルケニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(3)C3−4アルキニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり;
が、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)であり;
ここにおいて、RおよびWが環Q上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよい、〔1〕または〔2〕に記載の医薬。
【0011】
〔4〕 環Q
(1)フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)フェニル(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、および
(g)フェノキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−7シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(g)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、または
(3)ピリジル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(g)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に医薬。
【0012】
〔5〕 環Qが、フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、および
(c)C1−6アルコキシ(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0013】
〔6〕 Wが、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0014】
〔7〕 W−Qが、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、または−C(O)NR3a−Q(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)である、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0015】
〔8〕 W−Qが、−NHC(O)−Q、または−C(O)NH−Qである、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0016】
〔9〕 環Qが、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、またはキノキサリニル基である、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0017】
〔10〕 環Qが、ピリジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、またはキノリニル基である、〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0018】
〔11〕 Wが、メチレン基(該基は1〜2個の同種または異種のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;Rが、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)である、〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0019】
〔12〕 式(1’)が、式(1a’):
【化3】
(式中、環Q1aは、フェニル基、ピリジル基、またはシクロヘキシル基を表し;
mは、1、2、3、4または5であり;
11は、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
およびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
1aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2a−Q2aは、−NR3aC(O)−Q2a、−NR3aC(O)CHO−Q2a、−C(O)NR3a−Q2a、または−NR3aC(O)−CH=CH−Q2a(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Q2aは5員もしくは6員のヘテロアリール基を表し;
3aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)を表し;
12およびR13は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表し;
ここにおいて、R13およびW3aが環Q2a上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員もしくは6員のシクロアルカン環を形成してもよく;
14が、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)を表す)で表される、〔1〕に記載の医薬。
【0020】
〔13〕 式(1’)が、式(1a):
【化4】
(式中、環Q1aは、フェニル基、ピリジル基、またはシクロヘキシル基を表し;
mは、1、2、3、4または5であり;
11は、複数ある場合はそれぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
およびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
1aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2a−Q2aは、−NR3aC(O)−Q2a、−NR3aC(O)CHO−Q2a、または−C(O)NR3a−Q2a(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)を表し;
環Q2aは5員もしくは6員のヘテロアリール基を表し;
3aは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)を表し;
12およびR13は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表し;
ここにおいて、R13およびW3aが環Q2a上の隣接する炭素原子に結合している場合は、それらが結合する炭素原子と一緒になって5員もしくは6員のシクロアルカン環を形成してもよく;
14が、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)を表す)で表される、〔1〕に記載の医薬。
【0021】
〔14〕 環Q1aがフェニル基である、〔12〕または〔13〕に記載の医薬。
【0022】
〔15〕 W2a−Q2aが−NHC(O)−Q2aである、〔12〕〜〔14〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0023】
〔16〕 W2a−Q2aが−C(O)NH−Q2aである、〔12〕〜〔14〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0024】
〔17〕 環Q2aが、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、またはイソチアゾリル基である、〔12〕〜〔16〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0025】
〔18〕 環Q2aが、ピリジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、またはイソキサゾリル基である、〔12〕〜〔16〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0026】
〔19〕 環Q2aがピリジル基である、〔12〕〜〔16〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0027】
〔20〕 R12およびR13が、独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(6)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)である、〔12〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0028】
〔21〕 R12およびR13が、独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、または
(4)アミノ基である、〔12〕〜〔20〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0029】
〔22〕 R13が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、またはアミノ基であり;R12が水素原子である、〔12〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0030】
〔23〕 W3aがメチレン基(該基は1〜2個の同種または異種のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり;R14がヒドロキシ基である、〔12〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0031】
〔24〕 R、およびRが水素原子である、〔1〕〜〔23〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0032】
〔25〕 式(1’)が、式(1b):
【化5】
(式中、Xは、NまたはCR26を表し;
は、NまたはCR28を表し;
ここにおいて、XおよびXのうち少なくとも一つはNであり;
21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(4)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
2bは、−NHC(O)−、または−C(O)NH−を表し;
26、R27、R28およびR29は、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(6)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)を表す)で表される、〔1〕に記載の医薬。
【0033】
〔26〕 R22が、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、〔25〕に記載の医薬。
【0034】
〔27〕 R22が、ハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基である、〔25〕に記載の医薬。
【0035】
〔28〕R21、R23、R24およびR25が、それぞれ独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、または
(3)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、〔25〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0036】
〔29〕 W2bが−NHC(O)−である、〔25〕〜〔28〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0037】
〔30〕 XがNである、〔25〕〜〔29〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0038】
〔31〕 XがNであり;XがCHである、〔25〕〜〔30〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0039】
〔32〕 R27が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、またはアミノ基であり;R29が水素原子である、〔25〕〜〔31〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0040】
〔33〕 R27が、1〜3個のフッ素原子で置換されているメチル基であり;R29が水素原子である、〔25〕〜〔32〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0041】
〔34〕 R27が、2個のフッ素原子で置換されたメチル基であり;R29が水素原子である、〔25〕〜〔33〕のいずれか一項に記載の医薬。
【0042】
〔35〕 式(1’)が、式(1c):
【化6】
(式中、R32は、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
33およびR34は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子を表す)で表される、〔1〕に記載の医薬。
【0043】
〔36〕 R32が、フッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基である、〔35〕に記載の医薬。
【0044】
〔37〕 式(1’)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩から選択される、〔1〕に記載の医薬:
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例10)、
6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例12)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例17)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例18)、
6−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例19)、
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例39)、
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例42)、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例45)、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例46)、
N−[1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例54)、
N−[1−(3−クロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例55)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例57)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例60)、
N−[1−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例61)、
N−[1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例62)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例65)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例70)、
N−[1−(3、4−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例71)、
N−[1−(3、5−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例75)、
N−[1−(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例76)、
N−[1−(3−クロロ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例78)、
N−[1−(3、5−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例79)、および
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリダジン−3−カルボキサミド(実施例85)。
【0045】
〔38〕 式(1’)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩から選択される、〔1〕に記載の医薬:
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例17)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例18)、
N−[1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例54)、
N−[1−(3−クロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例55)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例57)、
N−[1−(3−ブロモベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例58)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例60)、
N−[1−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例61)、
N−[1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例62)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3−メチルベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例63)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例65)、
N−[1−(4−クロロ−3−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例66)、
N−[1−(4−ブロモ−3−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例67)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例70)、
N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例71)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例74)、
N−[1−(3,5−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例75)、
N−[1−(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例76)、
N−[1−(3−クロロ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例78)、
N−[1−(3、5−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例79)、および
N−[1−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例80)。
【0046】
〔39〕 式(1’)で表される化合物が、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩から選択される、〔1〕に記載の医薬:
6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例12)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例17)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例18)、
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例39)、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例45)、
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例46)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例57)、
5−(ジフルオロメチル)−N−{1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例60)、
N−[1−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例61)、
N−[1−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例62)、
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド(実施例70)、
N−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例71)、
N−[1−(3,5−ジクロロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例75)、
N−[1−(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例76)、
N−[1−(3−クロロ−5−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例78)、および
N−[1−(3、5−ジフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド(実施例79)。
【0047】
〔40〕 〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の医薬および薬学的に許容される添加剤を含有する医薬組成物。
【0048】
〔41〕 〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
【0049】
〔42〕 腫瘍が、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、骨髄腫、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、尿路上皮がん、腎細胞がん、前立腺がん、睾丸腫瘍、ウイルムス腫瘍、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、または軟部肉腫である、〔41〕に記載の抗腫瘍剤。
【0050】
〔43〕 治療が必要な患者に、治療上の有効量の〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の医薬を投与することを特徴とする、がんの治療方法。
【0051】
〔44〕 がんの治療剤を製造するための、〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩の使用。
【0052】
〔45〕 がんの治療に使用する、〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【0053】
〔46〕 がんの治療に使用するための、〔1〕〜〔39〕のいずれか一項に記載の医薬。
【発明の効果】
【0054】
本発明化合物は、優れたがん細胞スフィア形成能抑制作用を示す。加えて、本発明化合物のうち好ましい態様においては、経口投与時の生物学的利用率(バイオアベイラビリティー)が高い。したがって、本発明化合物は、経口投与可能な抗腫瘍剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、本発明を詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」等と表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。
【0056】
「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
【0057】
「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル基」である。「C1−6アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
【0058】
「C2−6アルケニル基」は、1〜3個の炭素−炭素二重結合を含有する、炭素数2〜6個を有する直鎖状もしくは分枝状の不飽和炭化水素基を意味する。好ましくは「C2−4アルケニル基」である。「C2−6アルケニル基」の具体例としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられる。
【0059】
「C2−6アルキニル基」は、1〜3個の炭素−炭素三重結合を含有する、炭素数2〜6個を有する直鎖状もしくは分枝状の不飽和炭化水素基を意味する。好ましくは「C2−4アルキニル基」である。「C2−6アルキニル基」の具体例としては、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
【0060】
「C1−4アルキレン基」は、炭素数1〜4個を有する直鎖状もしくは分枝状の二価の飽和炭化水素基、または炭素数3〜4個を有する環状構造を含む二価の飽和炭化水素基を意味する。
直鎖状もしくは分枝状「C1−4アルキレン基」の具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチルメチレン、1−エチルメチレン、1−プロピルメチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン等が挙げられ、好ましくは、メチレン、エチレンが挙げられる。
環状構造を含む「C1−4アルキレン基」の具体例としては、例えば、下記群で表される基等が挙げられる。
【化7】
【0061】
「C3−4アルケニレン基」は、炭素−炭素二重結合を含有する、炭素数3〜4個を有する直鎖状もしくは分枝状の二価の炭化水素基を意味する。「C3−4アルケニレン基」の具体例としては、例えば、プロペニレン、ブテニレン等が挙げられる。
【0062】
「C3−4アルキニレン基」は、炭素−炭素三重結合を含有する、炭素数3〜4個を有する直鎖状もしくは分枝状の二価の炭化水素基を意味する。「C3−4アルキニレン基」の具体例としては、例えば、プロピニレン、ブチニレン等が挙げられる。
【0063】
「C1−6アルコキシ基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ基」である。「C1−6アルコキシ基」の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
【0064】
「C3−10シクロアルキル基」は、3員〜10員の単環式もしくは多環式環状の飽和または部分不飽和の炭化水素基を意味する。好ましくは、「C3−7シクロアルキル基」であり、より好ましくはシクロヘキシル基である。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、デカリニル、アダマンチル、ノルボルニル等が挙げられる。
【0065】
「C6−10アリール基」は、炭素数6〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。好ましくは「Cアリール基」(フェニル)である。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
【0066】
「5員〜10員のヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは二環式の芳香族基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)含有する。二環式のヘテロアリール基には、前記単環式のへテロアリール基と芳香族環(ベンゼン、ピリジン等)または非芳香族環(シクロヘキシル、ピペリジン等)とが縮環したものも含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、下記式で表される基等が挙げられる。
【化8】
【0067】
前記式において環を横切る結合手は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。例えば、下記式
【化9】
のヘテロアリール基の場合には、2−ピリジル基、3-ピリジル基または4−ピリジル基であることを意味する。
【0068】
更に、「ヘテロアリール基」が二環式の基である場合において、例えば、下記式
【化10】
で表される場合には、1−ベンゾイミダゾリル、または2−ベンゾイミダゾリルの他に、4−、5−、6−または7−ベンゾイミダゾリルであってもよい。
【0069】
「アミノカルボニル基」は、ホルミル基の水素原子がアミノ基で置換された基を意味する。
【0070】
「C1−6アルキル−カルボニルアミノ基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル基」と同義である。好ましくは「C1−4アルキル−カルボニルアミノ基」が挙げられ、より好ましくはメチルカルボニルアミノ基(アセトアミド基)が挙げられる。
【0071】
「C6−10アリールオキシ基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール基」と同義である。好ましくは「Cアリールオキシ基」(フェノキシ基)が挙げられる。
【0072】
「C1−6アルコキシ−カルボニル基」の「C1−6アルコキシ」部分は、前記「C1−6アルコキシ基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ−カルボニル基」である。「C1−6アルコキシ−カルボニル基」の具体例としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等が挙げられる。
【0073】
「C1−6アルキル−カルボニル基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルキル−カルボニル基」である。「C1−6アルキル−カルボニル基」の具体例としては、例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル等が挙げられる。
【0074】
「C1−6アルキルスルホニル基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルキルスルホニル基」である。「C1−6アルキルスルホニル基」の具体例としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等が挙げられる。
【0075】
「C1−6アルキルスルホニルアミノ基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルキルスルホニルアミノ基」である。「C1−6アルキルスルホニルアミノ基」の具体例としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ等が挙げられる。
【0076】
「C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基」の「C1−6アルコキシ」部分は、前記「C1−6アルコキシ基」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ−カルボニルアミノ基」である。「C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基」の具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
【0077】
「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」は、前記「C1−6アルキル−カルボニル基」で置換されたオキシ基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル−カルボニルオキシ基」である。「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」の具体例としては、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ等が挙げられる。
【0078】
「アミノスルホニル基」は、スルホ基のヒドロキシ基がアミノ基で置換された基を意味する。
【0079】
「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC2−6アルケニル基」、「置換されていてもよいC2−6アルキニル基」、「置換されていてもよいC1−4アルキレン基」、「置換されていてもよいC3−4アルケニレン基」、「置換されていてもよいC3−4アルキニレン基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」、「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基」、「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基」、「置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ基」における置換基としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ等が挙げられ、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
【0080】
「置換されていてもよいC6−10アリール基」、「置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基」、「置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基」、「置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノ基」、「置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノカルボニル基」における置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)C6−10アリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、および
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(g)C6−10アリールオキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(h)ヒドロキシ、
(i)アミノ(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)
(j)アミノカルボニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、
(k)C1−6アルコキシ−カルボニル(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(l)C1−6アルキル−カルボニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(m)C1−6アルキルスルホニル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(n)C1−6アルキル−カルボニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(o)C1−6アルキルスルホニルアミノ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(p)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(q)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(r)アミノスルホニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、および
(s)C3−10シクロアルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)等が挙げられる。
【0081】
「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいアミノカルボニル基」、「置換されていてもよいアミノスルホニル基」における置換基としては、例えば、C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)等が挙げられ、好ましくはC1−3アルキルが挙げられる。
【0082】
式(1’)で表される本発明化合物の中でも、W、W、W、R、R、R、R、n、環Q、および環Qで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
【0083】
として好ましくは、C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は同種または異種の1〜4個のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり;更に好ましくはメチレン基である。
【0084】
−Qとして好ましくは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、または−C(O)NR3a−Q(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)が挙げられる。より好ましくは、−NHC(O)−Qまたは−C(O)NH−Qであり;更に好ましくは−NHC(O)−Qである。
【0085】
別の態様では、W−Qとして好ましくは、−NR3aC(O)−Q、−NR3aC(O)CHO−Q、−C(O)NR3a−Q、または−NR3aC(O)−CH=CH−Q(ここにおいて、R3aは、水素原子またはC1−6アルキル基を表す)が挙げられる。より好ましくは、−NHC(O)−Q、−C(O)NH−Q、または−NHC(O)−CH=CH−Qであり;更に好ましくは−NHC(O)−Qである。
【0086】
およびRとして好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、塩素原子、またはメチル基であり;更に好ましくは水素原子である。
【0087】
環Qとして好ましくは、
(1)C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)フェニル(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(g)フェノキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(h)ヒドロキシ、
(i)アミノ(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、および
(j)アミノカルボニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(j)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、または
(3)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(j)からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)が挙げられる。
【0088】
環Qとしてより好ましくは、
(1)フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)フェニル(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、および
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)、または
(2)ピリジル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(f)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)が挙げられる。
【0089】
環Qとして更に好ましくは、
フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、および
(c)C1−6アルコキシ(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)
からなる群から選択される同種または異種の1〜5個の基で置換されていてもよい)が挙げられる。
【0090】
環Qとして最も好ましくは、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されているフェニル基である。
【0091】
環Qとして好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、またはキノキサリニル基が挙げられる。より好ましくは、ピリジル基、ピリダジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、またはキノリニル基であり;更に好ましくは、ピリジル基またはピラジル基であり;最も好ましくはピリジル基である。
【0092】
として好ましくは、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C3−10シクロアルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(6)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(7)C2−6アルキニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、
(8)シアノ基、または
(9)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)が挙げられる。
【0093】
としてより好ましくは、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(4)C1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(5)C2−6アルケニル基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(6)アミノ基(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)が挙げられる。
【0094】
として更に好ましくは、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、または
(4)アミノ基が挙げられる。
【0095】
として更により好ましくは、1〜3個のフッ素で置換されたメチル基であり;最も好ましくは、2個のフッ素で置換されたメチル基である。
【0096】
として好ましくは、
(1)C1−4アルキレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(2)C3−4アルケニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、または
(3)C3−4アルキニレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)が挙げられる。
より好ましくは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)またはエチレン基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;更に好ましくは、メチレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である。
なお、Wの1つまたは2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も、好ましい態様として挙げられる。
【0097】
として好ましくは、ヒドロキシ基、またはC1−6アルコキシ基(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、ヒドロキシ基である。
【0098】
前記〔1〕のn、および前記〔12〕のmは、それぞれ独立して、1、2、3、4、および5から選択される。好ましくは1、2または3である。ただし、R4またはR11が置換する環上に置換可能な位置が5未満の場合は、nおよびmは、R4またはR11が置換可能な数を最大として選択される。例えば環Qがピリジル基の場合は、mは、1、2、3、および4から選択される。
【0099】
本発明化合物は、水和物および/または溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も本発明化合物に含まれる。さらに、本発明化合物はあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
式(1’)で表される化合物の製薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が具体例として挙げられる。
【0100】
式(1’)で表される化合物は、互変異性体として存在する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1’)で表される化合物の互変異性体も包含する。
【0101】
式(1’)で表される化合物は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1’)で表される化合物のラセミ体のみならず、これらの化合物の光学活性体も包含する。式(1’)で表される化合物が2個以上の不斉炭素原子を有する場合、立体異性を生じる場合がある。従って、本発明化合物は、これらの化合物の立体異性体およびその混合物や単離されたものも包含する。
また、式(1’)で表される化合物のいずれか1つまたは2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も式(1’)で表される化合物に包含される。
【0102】
製造法
本発明化合物は、下記に示す製造法、および公知化合物と公知の合成方法を組み合わせた方法により合成される。
原料化合物として用いられる化合物は、それぞれ塩として用いられることもある。なお、これらの反応は単なる例示であり、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜、他の方法で本発明化合物を製造することもできる。
【0103】
下記において説明する各製造法において、具体的に保護基の使用を明示していない場合であっても、保護が必要な官能基が存在する場合は、当該官能基を必要に応じて保護し、反応終了後または一連の反応を行った後に脱保護することにより目的物を得ることもある。
【0104】
保護基としては、文献(T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999))等に記載されている通常の保護基を用いることができ、更に具体的には、アミノ基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジル等を、またヒドロキシ基の保護基としては、例えば、トリアルキルシリル、アセチル、ベンジル等をそれぞれ挙げることができる。
【0105】
保護基の導入及び脱離は、有機合成化学で常用される方法(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999)に記載されている方法等)またはそれに準じた方法により行うことができる。
【0106】
製造法1
式(1’)で表される化合物のうち、式(1−7)で表される化合物は、a、bの部分でそれぞれの部分構造を結合させることにより製造される。
【化11】
[式中、W、W、R、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義である。]
【0107】
a、bの部分の結合形成方法は、下記のように例示することができるが、結合形成の順番については適宜変更することができる。
【化12】
[式中、W、W、R、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表し;Lは脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等)等)を表す。]
【0108】
化合物(1−1)は、市販品もしくは既知の合成法(例えば、新編ヘテロ環化合物応用編(講談社サイエンティフィク編))により製造したものを用いることができる。
【0109】
工程1−1:化合物(1−2)の製造工程
化合物(1−2)は、化合物(1−1)を公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)、Comprehensive Organic Transformation, R. C. ラロック著等、VCH publisher Inc., 1989等)と同様の方法で加水分解することにより製造される。
【0110】
工程1−2:化合物(1−5)の製造工程
化合物(1−5)は、不活性溶媒中、塩基存在下、化合物(1−3)と化合物(1−4)を用いたアルキル化反応によって製造される。
【0111】
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
【0112】
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;ピリジン等の塩基性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0113】
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から150℃、好ましくは20℃から100℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から48時間、好ましくは30分から10時間である。
【0114】
工程1−3:化合物(1−6)の製造工程
化合物(1−6)は、化合物(1−5)のニトロ基を還元することにより製造される。例えば、亜鉛、鉄、スズなどの金属または塩化スズ(II)などの金属塩を用いた酸性条件下での還元;亜二チオン酸ナトリウム(Na)などの硫化物を用いた還元;水素雰囲気下でのパラジウム/炭素、ラネーニッケル、酸化白金/炭素、ロジウム/炭素などの金属触媒を用いた接触還元などが適用される。
【0115】
金属または金属塩を用いた還元反応では、金属または金属塩の使用量は化合物(1−5)の1モルに対して、通常約1モル〜100モル、好ましくは約10モル〜30モルである。また、酸の使用量は、化合物(1−5)1モルに対して、通常約1モル〜100モル、好ましくは約10モル〜30モルである。還元反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、エタノール)中で行われる。反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分間から8時間である。
【0116】
接触還元反応では、金属触媒の使用量は化合物(1−5)に対して、通常0.1重量%から1000重量%、好ましくは1重量%から100重量%である。本反応は、例えば、メタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類中で行うことができる。水素圧は通常1気圧から100気圧、好ましくは1気圧から5気圧である。反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から120℃、好ましくは20℃から80℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から72時間、好ましくは1時間から48時間である。
【0117】
また本反応は、必要に応じて酸触媒の存在下で行うことができる。酸触媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸等が用いられる。酸の使用量は、化合物(1−5)の1モルに対し、0.1モル以上である。
【0118】
工程1−4:化合物(1−7)の製造工程
化合物(1−7)は、不活性溶媒中、化合物(1−2)と化合物(1−6)とを縮合剤の存在下で反応させることにより製造される。
【0119】
当該反応はさらに塩基の存在下で行ってもよい。反応温度は、特に限定されないが、通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲から選択される。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
【0120】
縮合剤の具体例としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル-3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン酸塩(BOP)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、N,N−カルボニルジミイダゾール(CDI)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、クロロリン酸ジフェニル等が挙げられる。必要に応じて、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)等の添加剤を加えて当該反応を行うことができる。
【0121】
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
【0122】
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;ピリジン等の塩基性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0123】
化合物(1−7)は、不活性溶媒中、化合物(1−2)から誘導される酸ハロゲン化物または酸無水物等と化合物(1−6)とを塩基の存在下で反応させることによっても製造される。
【0124】
製造法2
式(1−1)で表される化合物のうち、式(2−5)、(2−8)、(2−11)および(2−13)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化13】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;Aはボロン酸またはボロン酸エステルを表し;R101は、C1−6アルキル基を表し;R102は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し;Rは、1〜2個のニトロ基で置換されているベンゼンスルホニル基を表し;Xはハロゲン原子を表し、Lは脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等)等)を表す。]
【0125】
工程2−1:化合物(2−3)の製造工程
化合物(2−3)は、不活性溶媒中、パラジウム触媒および塩基の存在下、化合物(2−1)と化合物(2−2)とを反応させることにより製造される。
【0126】
パラジウム触媒の具体例としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、DMF、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常50℃から150℃、好ましくは80℃から120℃の範囲から選択され、マイクロ波照射下での反応も実施可能である。反応時間は、通常1時間から24時間、好ましくは2時間から12時間である。
【0127】
工程2−2:化合物(2−4)の製造工程
化合物(2−4)は、化合物(2−3)と四酸化オスミウムまたはカリウム オスメート(IV)二水和物とを、過ヨウ素酸ナトリウム共存下で反応させることにより製造される。
【0128】
用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、1,4−ジオキサン、THF、tert−ブタノール、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から50℃での範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは1時間から24時間である。
【0129】
また、化合物(2−4)は、ジクロロメタン、酢酸エチル、メタノール等の溶媒中、オゾンを含む酸素気流を通じた後、ジメチルスルフィド等の還元剤を反応させることによっても製造される。反応温度は、特に限定されないが、通常−78℃から室温の範囲から選択される。反応時間は、1時間から72時間、好ましくは6時間から24時間である。
【0130】
工程2−3:化合物(2−5)の製造工程
化合物(2−5)は、化合物(2−4)に有機金属試薬またはヒドリド還元剤を作用させることによって製造される。
【0131】
有機金属試薬の具体例としては、例えば、メチルリチウム試薬、メチルグリニャール試薬等が挙げられる。
ヒドリド還元剤の具体例としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
【0132】
有機金属試薬との反応に用いられる溶媒としては、THF、ジエチルエーテルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられ、ヒドリド還元剤との反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、トルエンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常−78℃から50℃、好ましくは0℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常5分から12時間、好ましくは30分から6時間である。
【0133】
工程2−4:化合物(2−6)の製造工程
化合物(2−6)のLが置換スルホニル基である場合、化合物(2−5)を塩基存在下、アルキルもしくはアリールスルホニルクロリドを不活性溶媒中で反応させることにより製造される。
【0134】
アルキルもしくはアリールスルホニルクロリドの具体例としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド等が挙げられる。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、THF、ジクロロメタン、トルエンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは1時間から24時間である。
【0135】
化合物(2−6)のLがハロゲンである場合、不活性溶媒中、化合物(2−5)にハロゲン化試薬を作用させるか、または、アルキルもしくはアリールスルホニルクロリドとアルカリ金属のハロゲン化物を作用させることにより製造される。
【0136】
ハロゲン化試薬としては、例えば、塩化チオニル、二塩化オキサリル、三臭化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等が挙げられる。
アルキルもしくはアリールスルホニルクロリドの具体例としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド等が挙げられ、アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられる。
【0137】
工程2−5:化合物(2−8)の製造工程
化合物(2−8)は、化合物(2−6)に、式(2−7)で表されるナトリウムアルコキシドを反応させることにより製造される。ナトリウムアルコキシドは、必要に応じて、金属ナトリウムと種々のアルコールから調製することができる。
【0138】
用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、THF、DMF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0139】
工程2−6:化合物(2−10)の製造工程
化合物(2−10)は、不活性溶媒中、光延試薬の存在下、化合物(2−5)と式(2−9)で表されるベンゼンスルホンアミドとの光延反応により製造される。
【0140】
光延試薬としては、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸イソプロピル(DIAD)およびトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられ、シアノメチレントリメチルホスホラン(角田試薬)も用いることが可能である。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間である。
【0141】
工程2−7:化合物(2−11)の製造工程
化合物(2−11)は、化合物(2−10)を塩基存在下、チオールと反応させて、ベンゼンスルホニル基の脱保護を行うことにより製造される。
チオールとしては、例えば、チオフェノール、ドデカンチオール等が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。
用いられる溶媒としては、DMF、トルエン、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から48時間、好ましくは3時間から12時間である。
【0142】
工程2−8:化合物(2−12)の製造工程
化合物(2−12)は、不活性溶媒中、塩基存在下、化合物(2−6)とジ−tert−ブチル イミノジカルボキシレートとを反応させることにより製造される。
【0143】
塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、DMF、THFおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から150℃、好ましくは25℃から120℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは6時間から24時間である。
【0144】
工程2−9:化合物(2−13)の製造工程
化合物(2−13)は、化合物(2−12)を酸性条件下でBoc基の脱保護を行った後、得られたアミンに、不活性溶媒中、塩基存在下、アシル化剤を作用させることにより製造される。
【0145】
脱保護工程に用いられる酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸などが挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは6時間から24時間である。
【0146】
アシル化剤としては、R102COCl、R102COBr等のカルボン酸ハロゲン化物;(R102CO)O等のカルボン酸無水物等が挙げられる。必要に応じ、DMAPなどの促進剤を用いてもよい。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THF、トルエン、酢酸エチルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0147】
製造法3
式(2−1)で表される化合物のうち、式(3−5)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化14】
[式中、環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表し;Xはハロゲン原子を表し;Yは、臭素原子またはヨウ素原子を表す]
【0148】
工程3−1:化合物(3−2)の製造工程
化合物(3−2)は、不活性溶媒中、化合物(3−1)にラジカルイニシエーター存在下、ブロモ化剤を反応させることにより製造される。
【0149】
ラジカルイニシエーターの具体例としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)等が挙げられる。
ブロモ化剤の具体例としては、例えば、N−ブロモスクシンイミド、臭素等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、四塩化炭素、クロロベンゼンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常50℃から150℃、好ましくは80℃から120℃の範囲から選択される。反応時間は、通常3時間から48時間、好ましくは4時間から12時間である。
【0150】
工程3−2:化合物(3−4)の製造工程
化合物(3−4)は、不活性溶媒中、化合物(3−2)に硝酸銀を作用させることにより製造される。
【0151】
不活性溶媒の具体例としては、例えば、アセトニトリル、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常50℃から150℃、好ましくは80℃から120℃の範囲から選択される。反応時間は、通常3時間から48時間、好ましくは4時間から12時間である。
【0152】
工程3−3:化合物(3−4)の製造工程
化合物(3−4)は、化合物(3−3)に、有機金属試薬を反応させた後、ホルミル化剤で処理することによっても製造される。
有機金属試薬としては、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルリチウム等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、THF、ジエチルエーテル、トルエンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
ホルミル化剤としては、例えば、DMF、N−ホルミルモルホリン等が挙げられる。
反応温度は、通常−78℃から50℃、好ましくは−30℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分間から24時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0153】
工程3−4:化合物(3−5)の製造工程
化合物(3−5)は、不活性溶媒中、化合物(3−4)に脱酸素的フッ素化剤を作用させることにより製造される。
脱酸素的フッ素化剤の具体例としては、例えば、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(Deoxo−Fluor(登録商標))、XtalFluor−E(登録商標)、XtalFluor−M(登録商標)、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニルサルファートリフルオリド(Fluolead(登録商標))等が挙げられる。必要に応じて、プロモーターとして、DBU、トリエチルアミン三フッ化水素塩、トリエチルアミン二フッ化水素塩等を用いることが可能である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THFおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常−20℃から50℃、好ましくは0℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常10分から12時間、好ましくは30分から3時間である。
【0154】
また、化合物(3−5)は、化合物(3−4)に四フッ化硫黄を反応させることによっても製造される。
【0155】
製造法4
式(1−1)で表される化合物のうち、式(4−3)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化15】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表す。]
【0156】
工程4−1:化合物(4−2)の製造工程
化合物(4−2)は、不活性溶媒中、化合物(4−1)をヒドロブロモ化した後、塩基で処理することにより製造される。
【0157】
ヒドロブロモ化工程に用いられるブロモ化剤としては、例えば、N−ブロモスクシンイミド、臭素等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、tert−ブタノール、水、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0158】
塩基処理工程に用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、NaHMDS、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等が挙げられる。
不活性溶媒としては、THF、1,4−ジオキサン、DMFおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から80℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から8時間、好ましくは1時間から4時間である。
【0159】
工程4−2:化合物(4−3)の製造工程
化合物(4−3)は、不活性溶媒中、パラジウム触媒を用いて化合物(4−2)を接触還元することにより製造される。
【0160】
パラジウム触媒としては、例えば、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、THF、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から80℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から12時間、好ましくは2時間から6時間である。
【0161】
製造法5
式(1−1)で表される化合物のうち、式(5−1)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化16】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表す。]
【0162】
化合物(5−1)は、適当な溶媒中、化合物(4−1)と四酸化オスミウムを、N−メチルモルホリン−N−オキシド共存下で反応させることにより製造される。
【0163】
用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、1,4−ジオキサン、THF、tert-ブタノール、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは6時間から24時間である。
【0164】
製造法6
式(1−1)で表される化合物のうち、式(6−2)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化17】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表す。]
【0165】
化合物(6−2)は、塩基存在下、化合物(6−1)とパラホルムアルデヒドとをマイクロ波照射下で加熱反応させることにより製造される。
【0166】
塩基としては、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、水、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常100℃から200℃、好ましくは120℃から180℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0167】
製造法7
式(1−1)で表される化合物のうち、式(7−2)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化18】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表す。]
【0168】
化合物(7−2)は、化合物(7−1)に塩基存在下、カルボン酸塩化物を反応させ酸無水物へと変換した後、ヒドリド還元剤を用いた還元反応を行うことにより製造される。
【0169】
酸無水物化工程に用いられる塩基としては、例えば、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等が挙げられる。
カルボン酸塩化物の具体例としては、例えば、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、アセチルクロリド等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、DME、THF、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0170】
還元工程のヒドリド還元剤の具体例としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、THF等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から50℃、好ましくは0℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から12時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0171】
製造法8
式(1’)で表される化合物のうち、式(8−3)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化19】
[式中、W、R、R、R、n、環Q、環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子またはメチル基を表す]
【0172】
工程8−1:化合物(8−2)の製造工程
化合物(8−2)は、化合物(8−1)と化合物(1−6)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0173】
工程8−2:化合物(8−3)の製造工程
化合物(8−3)は、不活性溶媒中、化合物(8−2)に有機金属試薬またはヒドリド還元剤を作用させることによって製造される。
【0174】
有機金属試薬の具体例としては、例えば、メチルリチウム試薬、メチルグリニャール試薬等が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、THF、ジエチルエーテルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0175】
ヒドリド還元剤の具体例としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、重水素化ホウ素リチウム、重水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、トルエンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0176】
反応温度は、特に限定されないが、通常−78℃から25℃、好ましくは0℃から25℃の範囲から選択される。反応時間は、通常5分から12時間、好ましくは30分から6時間である。
【0177】
製造法9
式(1’)で表される化合物のうち、式(9−2)、(9−3)および(9−4)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化20】
[式中、W、R、R、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;Xは、ハロゲン原子を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子またはメチル基を表す]
【0178】
工程9−1:化合物(9−2)の製造工程
化合物(9−2)は、不活性溶媒中、化合物(9−1)に種々のカップリング試薬を用いたパラジウム触媒的クロスカップリング反応を行うことにより製造される。
【0179】
カップリング試薬の具体例としては、例えば、メチルクロロ亜鉛、メチルブロモ亜鉛、メチルヨード亜鉛、メチルボロン酸、メチルボロン酸ピナコールエステル、メチルトリフルオロボラン−カリウム塩等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、THF、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、DMFおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。パラジウム試薬の具体的例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から150℃、好ましくは25℃から100℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から72時間、好ましくは1時間から24時間である。
【0180】
工程9−2:化合物(9−3)の製造工程
化合物(9−3)は、化合物(9−1)を用い、工程2−1に記載の方法に準じて製造される。
【0181】
工程9−3:化合物(9−4)の製造工程
化合物(9−4)は、適当な溶媒中、化合物(9−3)のビニル基を、金属触媒を用いて接触還元することにより製造される。
【0182】
金属触媒としては、例えば、パラジウム/炭素、ラネーニッケル、酸化白金/炭素、ロジウム/炭素等が挙げられる。
金属触媒の使用量は、化合物(9−2)に対して、通常0.1重量%から1000重量%、好ましくは1重量%から100重量%である。
溶媒としては、例えば、メタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。
水素圧は、通常1気圧から100気圧、好ましくは1気圧から5気圧である。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から120℃、好ましくは20℃から80℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から72時間、好ましくは1時間から48時間である。
【0183】
また、化合物(9−4)は、化合物(9−3)にヒドラジン水和物を作用させることによっても製造される。
【0184】
製造法10
式(1’)で表される化合物のうち、式(10−4)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化21】
[式中、W、R、R、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;X、Xは、前記〔25〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し、R102は、C1−6アルキル基、ベンジル基、アリル基等を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表す]
【0185】
化合物(10−1)は、例えば、製造法2に記載した方法に準じて製造したものを用いることができる。
【0186】
工程10−1:化合物(10−2)の製造工程
化合物(10−2)は、化合物(10−1)にアルカリ水溶液を反応させることにより製造される。
【0187】
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられ、それらの濃度は通常1〜10mol/L、好ましくは1〜5mol/Lである。
用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常10分から24時間、好ましくは30分から12時間である。
【0188】
工程10−2:化合物(10−3)の製造工程
化合物(10−3)は、化合物(10−2)と化合物(1−6)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0189】
工程10−3:化合物(10−4)の製造工程
化合物(10−4)は、化合物(10−3)にアルカリ水溶液を反応させることにより製造される。
【0190】
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられ、それらの濃度は通常1〜10mol/L、好ましくは1〜5mol/Lである。
用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、THF、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から24時間、好ましくは1時間から6時間である。
【0191】
製造法11
式(1’)で表される化合物のうち、式(11−4)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化22】
[式中、W、W、R、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101はC1−6アルキル基を表す。]
【0192】
化合物(11−1)は、市販品もしくは既知の合成法(例えば、国際公開第2014/125444号等)により製造したものを用いることができる。
【0193】
工程11−1:化合物(11−2)の製造工程
化合物(11−2)は、化合物(11−1)を公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)、Comprehensive Organic Transformation, R. C. ラロック著等、VCH publisher Inc., 1989等)と同様の方法で加水分解することにより製造される。
【0194】
工程11−2:化合物(11−4)の製造工程
化合物(11−4)は、化合物(11−2)と化合物(11−3)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0195】
製造法12
式(1’)で表される化合物のうち、式(12−5)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化23】
[式中、W、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子、重水素原子またはメチル基を表す]
【0196】
工程12−1:化合物(12−2)の製造工程
化合物(12−2)は、不活性溶媒中、化合物(12−1)に塩基存在下、ハロ酢酸エステルを反応させることにより製造される。
【0197】
ハロ酢酸エステルの具体例としては、例えば、クロロ酢酸−tert−ブチル、ブロモ酢酸−tert−ブチル、ヨード酢酸−tert−ブチル等が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、カリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、DMF、THF、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常25℃から150℃、好ましくは70℃から100℃の範囲から選択される。反応時間は、通常10分から12時間、好ましくは20分から6時間である。
【0198】
工程12−2:化合物(12−3)の製造工程
化合物(12−3)は、酸性条件下、化合物(12−2)のtert−ブチルエステル基を脱保護することにより製造される。
脱保護に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、HBr、HI、TFA等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から24時間、好ましくは2時間から12時間である。
【0199】
工程12−3:化合物(12−4)の製造工程
化合物(12−4)は、化合物(12−3)と化合物(1−6)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0200】
工程12−4:化合物(12−5)の製造工程
化合物(12−5)は、化合物(12−4)より、工程8−2に記載の方法に準じて製造される。
【0201】
製造法13
式(2−5)で表される化合物は、化合物(2−1)から、例えば、下記に示される方法によっても製造される。
【化24】
[式中、R、n、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し;Aはボロン酸、ボロン酸エステル、BFK、またはBFNaを表し;R103は、置換されていてもよいフェニル基を表し;Xは、ハロゲン原子を表す]
【0202】
工程13−1:化合物(13−2)の製造工程
化合物(13−2)は、不活性溶媒中、パラジウム触媒および塩基存在下、化合物(2−1)と化合物(13−1)とを反応させることにより製造される。
【0203】
パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
不活性溶媒としては、1,4−ジオキサン、THF、1,2−ジメトキシエタン、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常50℃から200℃、好ましくは80℃から150℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から48時間、好ましくは6時間から18時間である。
【0204】
工程13−2:化合物(2−5)の製造工程
化合物(2−5)は、適当な溶媒中、化合物(13−2)のベンジル基を、金属触媒を用いた接触還元によって脱保護することにより製造される。
【0205】
金属触媒としては、例えば、パラジウム/炭素、ラネーニッケル、酸化白金/炭素、ロジウム/炭素等が挙げられる。
金属触媒の使用量は、化合物(13−2)に対して、通常0.1重量%から1000重量%、好ましくは1重量%から100重量%である。
溶媒としては、例えば、メタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチルなどのエステル類等が挙げられる。
水素圧は、通常1気圧から100気圧、好ましくは1気圧から5気圧である。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から120℃、好ましくは20℃から80℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から72時間、好ましくは1時間から48時間である。
【0206】
また、R103が、4−メトキシ基、2,4−ジメトキシ基などで置換されたフェニル基である場合、化合物(2−5)は、化合物(13−2)に、酸を作用させることにより製造される。
【0207】
酸としては、例えば、TFA、ギ酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、(±)10−カンファースルホン酸等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、THF、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分間から12時間、好ましくは1時間から9時間である。
【0208】
製造法14
式(1’)で表される化合物のうち、式(14−3)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化25】
[式中、W、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し;R103は、置換されていてもよいフェニル基を表す]
【0209】
工程14−1:化合物(14−1)の製造工程
化合物(14−1)は、化合物(13−2)を公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)、Comprehensive Organic Transformation, R. C. ラロック著等、VCH publisher Inc., 1989等)と同様の方法で加水分解することにより製造される。
この場合、化合物(14−1)を単離することなく次の反応に用いることもできる。
例えば、上記の方法で加水分解して反応液を中和した後、溶液を留去したのみで、工程14−2に用いることもできる。
【0210】
工程14−2:化合物(14−2)の製造工程
化合物(14−2)は、化合物(14−1)と化合物(1−6)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0211】
工程14−3:化合物(14−3)の製造工程
化合物(14−3)は、適当な溶媒中、化合物(14−2)のベンジル基を、金属触媒を用いた接触還元によって脱保護することにより製造される。
【0212】
金属触媒としては、例えば、パラジウム/炭素、ラネーニッケル、酸化白金/炭素、ロジウム/炭素等が挙げられる。
金属触媒の使用量は、化合物(14−2)に対して、通常0.1重量%から1000重量%、好ましくは1重量%から100重量%である。
溶媒としては、例えば、メタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。
水素圧は、通常1気圧から100気圧、好ましくは1気圧から5気圧である。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から120℃、好ましくは20℃から80℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分から72時間、好ましくは1時間から48時間である。
【0213】
また、R103が、4−メトキシ基、2,4−ジメトキシ基などで置換されたフェニル基である場合、化合物(14−3)は、化合物(14−2)に、酸を作用させることにより製造される。
【0214】
酸としては、例えば、TFA、ギ酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、(±)10−カンファースルホン酸等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、THF、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から100℃、好ましくは25℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常30分間から12時間、好ましくは1時間から9時間である。
【0215】
製造法15
式(1’)で表される化合物のうち、式(14−2)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化26】
[式中、W、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R101は、C1−6アルキル基を表し;RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し;Xはハロゲン原子を表し;Aはボロン酸、ボロン酸エステル、BFK、またはBFNaを表し;R103は、置換されていてもよいフェニル基を表す]
【0216】
工程15−1:化合物(15−1)の製造工程
化合物(15−1)は、化合物(2−1)を公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)、Comprehensive Organic Transformation, R. C. ラロック著等、VCH publisher Inc., 1989等)と同様の方法で加水分解することにより製造される。
この場合、化合物(15−1)を単離することなく次の反応に用いることもできる。
例えば、上記の方法で加水分解して反応液を中和した後、溶液を留去したのみで、工程15−2に用いることもできる。
【0217】
工程15−2:化合物(15−2)の製造工程
化合物(15−2)は、化合物(15−1)と化合物(1−6)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0218】
工程15−3:化合物(14−2)の製造工程
化合物(14−2)は、不活性溶媒中、パラジウム触媒および塩基存在下、化合物(15−2)と化合物(13−1)とを反応させることにより製造される。
【0219】
パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
不活性溶媒としては、1,4−ジオキサン、THF、1,2−ジメトキシエタン、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常50℃から200℃、好ましくは80℃から150℃の範囲から選択される。反応時間は、通常1時間から48時間、好ましくは6時間から18時間である。
【0220】
製造法16
式(1’)で表される化合物のうち、式(1−7)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
【化27】
[式中、W、W、R、R、R、R、n、環Q、および環Qは、前記〔1〕と同義であり;R102は保護基を表し;Lは脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基等)等)を表す。]
【0221】
工程16−1:化合物(16−1)の製造工程
化合物(16−1)は、不活性溶媒中、化合物(1−3)のイミダゾール基の1位の窒素原子に保護基を導入することにより製造される。保護基としては、例えば、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジル等が挙げられる。
【0222】
例えば、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基を導入する反応では、不活性溶媒中、塩基存在下、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドを反応させることにより製造される。
【0223】
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、カリウム−tert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、DMF、THF、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から150℃、好ましくは0℃から100℃の範囲から選択される。反応時間は、通常10分から24時間、好ましくは20分から6時間である。
【0224】
工程16−2:化合物(16−2)の製造工程
化合物(16−2)は、化合物(16−1)より、工程1−3に記載の方法に準じて製造される。
【0225】
工程16−3:化合物(16−3)の製造工程
化合物(16−3)は、化合物(16−2)と化合物(1−2)より、工程1−4に記載の方法に準じて製造される。
【0226】
工程16−4:化合物(16−4)の製造工程
化合物(16−4)は、不活性溶媒中、化合物(16−3)のイミダゾール基の窒素原子の保護基を脱保護することにより製造される。
【0227】
例えば、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基を脱保護する反応では、不活性溶媒中、酸またはフッ素試薬を作用させることにより製造される。
【0228】
酸としては、例えば、TFA、ギ酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、(±)10−カンファースルホン酸等が挙げられる。
フッ素試薬としては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド等が挙げられる。
用いられる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、THF、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、2−プロパノールおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は、特に限定されないが、通常0℃から150℃、好ましくは0℃から50℃の範囲から選択される。反応時間は、通常5分間から24時間、好ましくは1時間から9時間である。
【0229】
工程16−5:化合物(1−7)の製造工程
化合物(1−7)は、化合物(16−4)と化合物(1−4)より、工程1−2に記載の方法に準じて製造される。
【0230】
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば、中和、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、各中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
【0231】
光学活性な出発原料や中間体を用いることにより、あるいは最終品のラセミ体を光学分割することにより、本発明化合物の光学活性体を製造することができる。光学分割の方法としては、光学活性カラムを用いた物理的な分離方法、分別結晶化法等の化学的な分離方法が挙げられる。本発明化合物のジアステレオマーは、例えば、分別結晶化法によって製造される。
【0232】
式(1’)で表される化合物の製薬学的に許容される塩は、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒中で、式(1’)で表される化合物と、製薬学的に許容される酸と混合することで製造することができる。
【0233】
本発明化合物は、例えば抗腫瘍剤(抗がん剤)として提供され、その適応されるがん種は問わないが、例えば、造血器腫瘍、固形がん等が挙げられる。具体的には、造血器腫瘍としては急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、骨髄腫を挙げることができ、固形がんとしては脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、胆のう・胆管がん、肝がん、膵がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛上皮がん、子宮体がん、子宮頸がん、尿路上皮がん、腎細胞がん、前立腺がん、睾丸腫瘍、ウイルムス腫瘍、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、軟部肉腫等が挙げられる。
抗腫瘍剤の提供は、がんを予防および/または治療する目的で、がん腫を縮小若しくは消滅させるか又はがん腫の増大を一定以下に抑制する効果を期待するものである。なお、本発明において、「予防」とは、疾患を発症していない健常人に対して本発明の有効成分を投与する行為であり、例えば、疾患の発症を防止することを目的とするものである。「治療」とは、医師により疾患を発症していると診断をされた人(患者)に対して本発明の有効成分を投与する行為であり、例えば、疾患や症状を軽減すること、がん腫を増大させないこと又は疾患発症前の状態に戻すことを目的とするものである。また、投与の目的が疾患や症状の悪化防止又はがん腫の増大防止であっても、投与されるのが患者であれば、治療行為である。
【0234】
本発明化合物は、優れたCSCの自己複製能阻害作用を有することから、CSCに起因する、悪性腫瘍の持続的増殖、転移、および再発を抑制可能な新規抗腫瘍剤として期待できる。
【0235】
本発明化合物は、経口投与または非経口投与により、適当な剤形を用いて製剤にし、投与できる。剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、注射剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられるがこれに限らない。製剤は、薬学的に許容される添加剤を用いて、公知の方法で製造される。
【0236】
添加剤は、目的に応じて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、コーティング剤、溶解剤、溶解補助剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、甘味剤、香料等を用いることができる。具体的には、例えば、乳糖、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、部分α化デンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
【0237】
用量は、患者の疾患、年齢、体重、性別、症状、投与経路等により変化するが、通常は成人(体重50kg)に対して、本発明化合物を、0.1〜1000mg/日、好ましくは0.1〜300mg/日を1日1回または2ないし3回に分けて投与する。また、数日〜数週に1回投与することもできる。
【実施例】
【0238】
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
【0239】
本明細書において、以下の略語を使用することがある。
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
(Boc)O:二炭酸ジ−tert−ブチル
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
EDCI:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDCI・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOBt・HO:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物
NBS:N−ブロモスクシンイミド
TBSCl:tert−ブチルジメチルクロロシラン
Me:メチル
Et:エチル
Ac:アセチル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
SEM:2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
Rt:保持時間
【0240】
化合物同定のLC/MS分析条件は以下の通りである。
LC/MS 測定法:
検出機器: ACQUITY(登録商標) SQ deteceter (Waters社)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標) system
Column: Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18(1.7 μm, 2.1 mm X 30 mm)
Solvent: A液:0.06%ギ酸/H2O, B液:0.06%ギ酸/MeCN
Gradient condition: 0.0-1.3 min Linear gradient from B 2% to 96%
Flow rate: 0.8 mL/min
UV: 220 nm and 254 nm
【0241】
参考例1
4−ニトロ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール
【化28】
4−ニトロ−1H−イミダゾール(35.8g)、3−トリフルオロメチルベンジルブロミド(75.7g)、ヨウ化カリウム(0.131g)、炭酸カリウム(48.1g)とアセトニトリル(270mL)を混合し、80℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた固体にジイソプロピルエーテル(300mL)を加え、室温で1時間撹拌した。析出した固体をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄後、50℃で減圧乾燥して表題化合物(69.0g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 272.1/0.835
【0242】
参考例2〜3
参考例1に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、参考例2〜3の化合物を得た。
【表1】
【0243】
参考例4
1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−アミン 塩酸塩
【化29】
参考例1の化合物(34.0g)とロジウム−活性炭素(5%,17.0g)に酢酸エチル(330mL)を加え、水素雰囲気下、室温で14時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、酢酸エチル(50mL×4)で洗浄後、ろ液に塩化水素(4mol/L in 酢酸エチル,38.0mL)を加えた。ろ液を減圧濃縮した後、得られた粗生成物に酢酸エチル(200mL)とヘキサン(200mL)を加え、室温で10分間撹拌した。析出した固体をろ取して、ヘキサン/酢酸エチル(1/1,20mL×3)で洗浄後、得られた固体を40℃で減圧乾燥し、表題化合物(31.4g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 242.1/0.548
【0244】
参考例5〜6
参考例4に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、参考例5〜6の化合物を得た。
【表2】
【0245】
参考例7
6−({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}カルバモイル)ニコチン酸メチル
【化30】
参考例4の化合物(300mg)のDMF(5mL)懸濁液に、5−(メトキシカルボニル)ピコリン酸(235mg)、EDCI・HCl(248mg)、HOBt(175mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.279mL)を加え室温にて2時間撹拌した。反応混合物に、水、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(281mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 404.9/0.901
【0246】
参考例8〜19
参考例7に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、参考例8〜19の化合物を得た。
【表3】
【表4】
【0247】
参考例20
6−エテニル−5−フルオロ−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化31】
参考例9の化合物(300mg)の1,4−ジオキサン(5mL)/水(0.5mL)混合液に、ビニルボロン酸ピナコールエステル(0.232mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(78mg)、炭酸カリウム(281mg)を加え、マイクロ波照射下、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物(122mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 391.2/0.936
【0248】
参考例21〜30
参考例20に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、参考例21〜30の化合物を得た。
【表5】
【0249】
参考例31
6−エテニル−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化32】
参考例29の化合物(200mg)のTHF(4mL)溶液に、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(23mg)、塩化メチル亜鉛(2mol/L in THF,0.69mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液と水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(135mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 373.2/0.824
【0250】
参考例32
6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−5−メトキシ−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化33】
参考例23の化合物(490mg)のアセトン(5mL)/水(2.5mL)溶液にN−メチルモルホリン−N−オキシド(285mg)、四酸化オスミウム(2.5wt% in tert−ブタノール,0.764mL)を加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(142mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 437.3/0.684
【0251】
参考例33〜38
参考例32に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、参考例33〜38の化合物を得た。
【表6】
【0252】
参考例39−1
6−(クロロメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化34】
実施例12の化合物(400mg)のTHF懸濁液に、塩化リチウム(90mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.366mL)、メタンスルホニルクロリド(0.165mL)を順に加え、室温にて4時間撹拌した。塩化リチウム(45mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.183mL)、メタンスルホニルクロリド(0.083mL)を加え、さらに室温にて17時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(269mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 395.2/0.835
【0253】
参考例39−2
6−[(ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノメチル]−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化35】
ジ−tert−ブチル イミノジカルボネート(586mg)のDMF(3mL)溶液に水素化ナトリウム(118mg)を加え、室温にて25分間撹拌した。反応混合物に上記の実験で得られた参考例39−1の化合物(213mg)のDMF(6mL)溶液を加え、室温にて2時間撹拌したのちに、50℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(119mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 576.5/1.080
【0254】
参考例40
6−(エトキシメチル)−ニコチン酸エチル
【化36】
エタノール(20mL)にナトリウム(237mg)を1時間かけて加えた後、6−(ブロモメチル)−ニコチン酸エチル(500mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮してエタノールを留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(159mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 210.3/0.800
【0255】
参考例41−1
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−クロロ−ニコチン酸メチル
【化37】
5−アミノ−6−クロロ−ニコチン酸メチル(325mg)のTHF(10mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(760mg)、DMAP(11mg)を加え、室温にて15.5時間撹拌した。さらに二炭酸ジ−tert−ブチル(38mg)を加え、60℃にて45分間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を留去した。残渣にメタノール(5mL)、炭酸カリウム(481mg)を加え、室温にて2.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(321mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 287.1/0.985
【0256】
参考例41−2
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−エテニル−ニコチン酸メチル
【化38】
参考例20に記載の方法に準じ、参考例41−1の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 279.5/0.885
【0257】
参考例41−3
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−ホルミル−ニコチン酸メチル
【化39】
参考例41−2の化合物(207mg)のアセトン(8mL)/水(4mL)混合液に過ヨウ素酸ナトリウム(659mg)、四酸化オスミウム(2.5wt% in tert−ブタノール,0.71mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(110mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 281.2/1.037
【0258】
参考例41−4
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−(ヒドロキシメチル)−ニコチン酸メチル
【化40】
参考例41−3の化合物(110mg)のメタノール溶液に水素化ホウ素ナトリウム(15mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(111mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 282.8/0.761
【0259】
参考例41−5
2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−7−カルボン酸
【化41】
参考例41−4の化合物(111mg)のTHF(2mL)/メタノール(4mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.39mL)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に2mol/L塩酸(0.25mL)を加え、pHを7に調整した。反応混合物を減圧濃縮し、表題化合物(76mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 195.1/0.325
【0260】
参考例41−6
2−オキソ−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−1,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−7−カルボキサミド
【化42】
参考例7に記載の方法に準じ、参考例41−5の化合物と参考例4の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 418.2/0.711
【0261】
参考例42
2−オキソ−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−1,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−7−カルボキサミド
【化43】
参考例7に記載の方法に準じ、参考例41−5の化合物と参考例6の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 404.2/0.670
【0262】
参考例43−1
6−クロロ−5−(ジブロモメチル)−ニコチン酸メチル
【化44】
6−クロロ−5−メチル−ニコチン酸メチル(467mg)の四塩化炭素(25mL)懸濁液にN−ブロモスクシンイミド(1.34g)、過酸化ベンゾイル(218mg)を加え、100℃にて7.5時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(833mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 341.9/1.011
【0263】
参考例43−2
6−クロロ−5−ホルミル−ニコチン酸メチル
【化45】
参考例43−1の化合物(2.71g)のアセトニトリル(40mL)/水(20mL)溶液に硝酸銀(6.70g)を加え、100℃にて3時間撹拌した。不溶物をろ過により除去し、溶媒を留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、pHを8に調整した後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮し、表題化合物(0.84g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 200.0/0.671
【0264】
参考例43−3
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−ニコチン酸メチル
【化46】
参考例43−2の化合物(0.84g)のジクロロメタン(20mL)溶液に氷冷下、DAST(1.11mL)を加え、氷冷下にて30分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整し、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(0.45g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 222.0/0.828
【0265】
参考例43−4
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−ニコチン酸メチル
【化47】
参考例20、参考例41−3、参考例41−4に記載の方法に準じ、参考例43−3の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 218.1/0.564
【0266】
参考例44
6−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチル
【化48】
参考例20、参考例41−3、参考例41−4に記載の方法に準じ、6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−ニコチン酸メチルより表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 236.1/0.649
【0267】
参考例45−1
5−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)−ピコリン酸メチル
【化49】
5−ヒドロキシ−ピコリン酸メチル(200mg)のDMF(5mL)溶液に炭酸カリウム(361mg)、ブロモ酢酸−tert−ブチルを加え、70℃で20分間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(320mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 268.2/0.777
【0268】
参考例45−2
{[6−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル]オキシ}酢酸
【化50】
参考例45−1の化合物(320mg)のジクロロメタン(4mL)溶液にTFA(2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去して表題化合物(253mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 212.1/0.394
【0269】
参考例45−3
5−(2−オキソ−2−{[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]アミノ}エトキシ)−ピコリン酸メチル
【化51】
参考例7に記載の方法に準じ、参考例45−2の化合物と参考例6の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 421.2/0.731
【0270】
参考例46−1
4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−1,3−チアゾール−2−カルボン酸
【化52】
(2−ブロモ−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メタノール(151mg)のDMF(3mL)溶液にイミダゾール(59mg)、TBSCl(131mg)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた後、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−ブロモ−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−1,3−チアゾールを得た。
得られた2−ブロモ−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−1,3−チアゾールのTHF(4mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(0.91mL)を加え、同温で1時間撹拌した。その後、粉末状のドライアイスを過剰量加え、同温で45分間、さらに室温で40分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(127mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 288.1/1.058
【0271】
参考例46−2
4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−1,3−チアゾール−2−カルボキサミド
【化53】
参考例7に記載の方法に準じ、参考例46−1の化合物と参考例6の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 497.1/1.314
【0272】
参考例47
5−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−1,3−チアゾール−2−カルボキサミド
【化54】
参考例46−1および参考例7に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 497.1/1.333
【0273】
参考例48
6−ホルミル−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化55】
実施例12(200mg)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に二酸化マンガン(2g)を加え、室温で19時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、酢酸エチル、メタノールで洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製して表題化合物(55mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 375.2/0.793
【0274】
参考例49−1
メチル 1−(3,4,5−トリフルオロベンジル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート
【化56】
メチル 1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(14.0g)のアセトニトリル(200mL)溶液に炭酸カリウム(19.9g)、ヨウ化カリウム(0.092g)を加えた後、室温にて3,4,5−トリフルオロベンジルブロミド(14.6mL)を滴下し、70℃にて6時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(1/2、60mL)で洗浄し、表題化合物(14.0g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 271.4/0.725
【0275】
参考例49−2
1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸
【化57】
参考例49−1の化合物(4.75g)のメタノール/THF(50mL/50mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(13.2mL)を加え、50℃にて5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水に溶解後、塩酸水溶液によってpHを5に調整した。沈殿した固体を濾取し、水、ヘキサンで洗浄後、50℃で減圧乾燥して表題化合物(4.52g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 257.1/0.513
【0276】
参考例50
6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピリジン−3−アミン
【化58】
(5−アミノピリジン−2−イル)メタノール(135mg)のTHF(15mL)溶液に、トリエチルアミン(0.30mL)、TBSCl(328mg)を加え室温にて6時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製して表題化合物(99mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 239.2/0.726
【0277】
参考例51
2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)キノリン−6−アミン
【化59】
参考例50に記載の方法に準じ、(6−アミノキノリン−2−イル)メタノールより表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 289.9/0.836
【0278】
参考例52〜53
参考例7に記載の方法に準じ、参考例49の化合物と対応する原料化合物を用いて、参考例52〜53の化合物を得た。
【表7】
【0279】
参考例54
6−(3−ヒドロキシプロプ−1−エン−2−イル)ニコチン酸メチル
【化60】
6−メチルニコチン酸メチル(420mg)の水溶液(2mL)に、トリエチルアミン(0.065mL)、パラホルムアルデヒド(42mg)を加えマイクロウェーブ照射下、150℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(24mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 194.1/0.532
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ9.15-9.13 (1H, m), 8.29 (1H, dd, J = 8.4, 2.0 Hz), 7.70 (1H, d, J = 8.4 Hz), 5.94 (1H, s), 5.65 (1H, s), 4.61 (2H, s), 3.97 (3H, s).
【0280】
参考例55
6−[(1E)−3−ヒドロキシプロプ−1−エン−1−イル]ニコチン酸メチル
【化61】
(2E)−3−[5−(メトキシカルボニル)ピリジン−2−イル]プロプ−2−エノイック アシッド(50mg)のDME(1mL)溶液に、N−メチルモルホリン(0.056mL)、クロロギ酸イソブチル(0.035mL)を加え、0℃にて1時間撹拌した。沈殿した固体を濾過によって除き、濾液を濃縮して混合酸無水物の粗生成物を得た。
水素化ホウ素ナトリウム(23.3mg)のTHF/水(2mL/0.5mL)懸濁液に、上記で得られた混合酸無水物のTHF溶液を0℃にて加えた。反応液を室温にて3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(19mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 194.3/0.741
【0281】
参考例56−1
6−(オキシラン−2−イル)−ニコチン酸エチル
【化62】
6−エテニル−ニコチン酸エチル(210mg)のtert−ブチルアルコール/水(6mL/3mL)溶液に、NBS(232mg)を加え、40℃にて2時間撹拌した。氷浴下、水酸化ナトリウム水溶液で反応をクエンチした後、塩酸で中和し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。
残渣をTHF(10mL)に溶解し、氷浴下水素化ナトリウム(78mg)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(125.3mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 194.1/0.654
【0282】
参考例56−2
6−(2−ヒドロキシエチル)−ニコチン酸エチル
【化63】
参考例56−1の化合物(125mg)のエタノール(10mL)溶液に、5%パラジウム炭素(138mg)、ギ酸アンモニウム(204mg)を加え、50℃にて3時間撹拌した。パラジウムをセライト濾過によって除き、濾液を濃縮して減圧下、反応液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製して表題化合物(87.3mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 196.1/0.467
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ9.12 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.23 (1H, dd, J = 8.0, 2.4 Hz), 7.26 (1H, d, J = 8.0 Hz), 4.41 (2H, q, J = 7.6 Hz), 4.06-4.03 (2H, m), 3.11-3.07 (2H, m), 1.41 (3H, t, J = 7.6 Hz).
【0283】
参考例57
メチル 5−(ヒドロキシメチル)ピラジン−2−カルボキシレート
【化64】
参考例20、参考例41−3および参考例41−4に記載の方法に準じ、メチル 5−クロロピラジン−2−カルボキシレートより表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 169.0/0.334
【0284】
参考例58
6−({メチル[(2−ニトロフェニル)スルホニル]アミノ}メチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化65】
実施例12の化合物(101mg)のクロロホルム(4mL)溶液に、N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(79mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2mol/Lトルエン溶液、159μL)及びトリフェニルホスフィン(92mg)を加え、室温にて20時間撹拌した。更にN−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(80mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2mol/Lトルエン溶液、159μL)及びトリフェニルホスフィン(93mg)を加え、60℃にて6時間撹拌した。更にN−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(157mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2mol/Lトルエン溶液、318μL)及びトリフェニルホスフィン(194mg)を加え、60℃にて2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(174mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 575.3/0.944
【0285】
参考例59−1
5−エテニル−6−ヒドロキシ−ニコチン酸メチル
【化66】
参考例20に記載の方法に準じ、5−ブロモ−6−ヒドロキシニコチン酸メチルより表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 180.0/0.541
【0286】
参考例59−2
6−クロロ−5−エテニル−ニコチン酸メチル
【化67】
参考例59−1の化合物(1.37g)のオキシ塩化リン(14.3mL)懸濁液を90℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(1.45g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 198.0/0.870
【0287】
参考例59−3
6−クロロ−5−ホルミル−ニコチン酸メチル
【化68】
参考例41−3に記載の方法に準じ、参考例59−2の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 200.0/0.671
【0288】
参考例60−1
5−ブロモ−6−クロロ−ニコチン酸イソプロピル
【化69】
5−ブロモ−6−ヒドロキシ−ニコチン酸(10g)の塩化チオニル(17mL)/DMF(0.36mL)懸濁液を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣に2−プロパノール(25mL)を加え、混合物を100℃で40分間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸ナトリウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(12.4g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 278.0/1.102
【0289】
参考例60−2
6−クロロ−5−ホルミル−ニコチン酸イソプロピル
【化70】
参考例60−1の化合物(2.0g)のTHF(30mL)溶液を−20℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体(1.3mol/L in THF,7.2mL)を加え、反応混合物を−20℃で35分間撹拌した。イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体(1.3mol/L in THF,0.55mL)を加え、反応混合物を−20℃でさらに25分間撹拌した。DMF(1.11mL)を加え、反応混合物を室温で1時間10分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(1.64g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 228.1/0.897
【0290】
参考例60−3
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−ニコチン酸イソプロピル
【化71】
参考例43−3に記載の方法に準じ、参考例60−2の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 250.1/1.014
【0291】
参考例60−4
6−ブロモ−5−(ジフルオロメチル)−ニコチン酸イソプロピル
【化72】
参考例60−3の化合物(500mg)のアセトニトリル(10mL)溶液にブロモトリメチルシラン(0.52mL)を加え、100℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(585mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 294.0/1.035
【0292】
参考例60−5
5−(ジフルオロメチル)−6−{[(4−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−ニコチン酸イソプロピル
【化73】
参考例60−4の化合物(100mg)の1,4−ジオキサン(3mL)/水(0.3mL)溶液に[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) ジクロリド ジクロロメタン アダクト(28mg)、カリウム (4−メトキシ)ベンジルオキシメチルトリフルオロボレート(114mg)、炭酸セシウム(222mg)を加え、120℃で9.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(70mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 366.5/1.129
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ9.20 (1H, s), 8.54 (1H, s), 7.27 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.16 (1H, t, J = 54.8Hz), 6.89 (2H, d, J = 8.7 Hz), 5.30 (1H, sep, J = 5.9 Hz), 4.83 (2H, s), 4.52 (2H, s), 3.81 (3H, s), 1.40 (6H, d, J = 5.9 Hz).
【0293】
参考例60−6
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−ニコチン酸イソプロピル
【化74】
参考例60−5の化合物(44mg)のジクロロメタン(1.5mL)溶液にTFA(1.5mL)を加え、室温で17時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(16mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 246.1/0.756
【0294】
参考例61
5−ブロモ−6−クロロ−ニコチン酸tert−ブチル
【化75】
5−ブロモ−6−ヒドロキシ−ニコチン酸(10g)の塩化チオニル(17mL)/DMF(0.36mL)懸濁液を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣にトルエン(50mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(16mL)、tert−ブタノール(22mL)を加え、混合物を室温で3時間、80℃で1時間撹拌した。DMAP(0.28g)を加え、さらに80℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、残渣に飽和炭酸ナトリウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(5.85g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 292.0/1.188
【0295】
参考例62
5−(ジフルオロメチル)−6−ヨード−ニコチン酸イソプロピル
【化76】
参考例60−4に記載の方法に準じ、参考例60−3の化合物とヨードトリメチルシランを用い表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 342.0/1.054
【0296】
参考例63
5−(ジフルオロメチル)−6−ヨード−ニコチン酸メチル
【化77】
参考例60−4に記載の方法に準じ、参考例43−3の化合物とヨードトリメチルシランを用い表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 314.0/0.875
【0297】
参考例64−1
4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−イミダゾール
【化78】
水素化ナトリウム(3.04g)のDMF(15mL)懸濁液を氷冷し、そこに4−ニトロイミダゾール(5.66g)のDMF(40mL)溶液を加え、混合物を氷冷下45分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(9.65mL)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌した。メタノール、氷、飽和食塩水を加え、ヘキサン/酢酸エチル(1/1)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物(8.62g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 244.1/0.927
【0298】
参考例64−2
1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−イミダゾール−4−アミン
【化79】
参考例64−1の化合物(7.84g)とロジウム炭素(3.92g)の酢酸エチル(200mL)懸濁液を水素雰囲気下、室温にて10時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、ろ液に塩化水素(4mol/L in 1,4−ジオキサン,8mL)を加え、混合物を減圧濃縮して表題化合物(6.22g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 214.2/0.665
【0299】
参考例64−3
5−(ジフルオロメチル)−6−{[(4−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−N−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−イミダゾール−4−イル)ニコチンアミド
【化80】
実施例49に記載の方法に準じ、参考例64−2の化合物と参考例60−5の化合物を用い表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 519.4/1.105
【0300】
参考例64−4
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−(1H−イミダゾール−4−イル)ニコチンアミド
【化81】
実施例50に記載の方法に準じ、参考例64−3の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 269.1/0.322
【0301】
参考例65−1
N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}プロプ−2−エナミド
【化82】
参考例4の化合物(1g)とDIEA(1.4mL)のTHF(25mL)溶液に、アクリロイルクロリド(0.32mL)をゆっくり加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、ろ過して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(0.13g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 296.2/0.718
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.56 (1H, s), 7.69-7.66 (3H, m), 7.62-7.57 (2H, m), 7.33 (1H, s), 6.44 (1H, dd, J = 17.1, 10.4 Hz), 6.15 (1H, dd, J = 17.1, 2.4 Hz), 5.63 (1H, dd, J = 10.4, 2.4 Hz), 5.27 (2H, s).
【0302】
参考例65−2
5−[(1E)−3−オキソ−3−({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}アミノ)プロプ−1−エン−1−イル]ピコリン酸メチル
【化83】
参考例65−1の化合物(60mg)のDMF(2mL)溶液に、5−ブロモ−ピコリン酸メチル(53mg)、ジクロロビス(トリ−O−トリルホスフィン)パラジウム(II)(16mg)、トリエチルアミン(0.042mL)を加え、90℃で3.5時間、さらに130℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、水、少量のメタノールを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、ろ過して減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物(42mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 431.2/0.790
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.73 (1H, s), 8.87 (1H, s), 8.14-8.08 (2H, m), 7.71-7.56 (6H, m), 7.41 (1H, s), 7.07 (1H, d, J = 15.8 Hz), 5.29 (2H, s), 3.88 (3H, s).
【0303】
参考例66
エチル (2E)−3−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]プロプ−2−エノエート
【化84】
2−エトキシカルボニルビニルボロン酸ピナコール(361mg)の1,4−ジオキサン(15mL)/水(1.5mL)溶液に、5−ブロモ−2−ヒドロキシメチルピリジン(300mg)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(122mg)、炭酸カリウム(662mg)を加え、混合物をマイクロ波照射下、130℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(204mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 208.1/0.476
【0304】
参考例67
エチル (2E)−3−[5−クロロ−6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]プロプ−2−エノエート
【化85】
参考例66に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 242.1/0.719
【0305】
参考例68−1
6−クロロ−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリダジン−3−カルボキサミド
【化86】
参考例7に記載の方法に準じ、参考例6の化合物と市販の原料化合物を用いて表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 368.2/0.820
【0306】
参考例68−2
6−エテニル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリダジン−3−カルボキサミド
【化87】
参考例20に記載の方法に準じ、参考例68−1の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 360.2/0.809
【0307】
参考例69−1
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−カルボキシリック アシッド
【化88】
参考例60−3の化合物(5g)のTHF(20mL)溶液に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(12.0mL)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。5mol/L塩酸(12.0mL)を加えて混合物を酸性にし、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮して表題化合物(4.16g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 208.1/0.649
【0308】
参考例69−2
6−ブロモ−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−カルボキシリック アシッド
【化89】
参考例69−1に記載の方法に準じ、参考例60−4の化合物より表題化合物を得た。LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 252.0/0.654
【0309】
参考例70−1
6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化90】
参考例69−1の化合物(4.16g)のTHF(30mL)懸濁液にトリエチルアミン(8.38mL)、クロロリン酸ジフェニル(4.59mL)を氷冷下で加え、反応混合物を室温で1時間20分撹拌した。参考例6の化合物(5.28g)を加え、室温で3.5時間撹拌した。トルエン(30mL)、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた固体をトルエン(10mL)に懸濁させ、超音波洗浄機にかけた。ヘキサン(10mL)を加え、再度超音波洗浄機にかけた。析出した固体をろ取し、ヘキサン/トルエン、ヘキサンで順次洗浄し、減圧乾燥して、表題化合物(4.73g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 417.6/0.925
1H-NMR (DMSO-d6): δ11.35 (1H, s), 9.08 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.64 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.72 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.52 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.40-7.11 (3H, m), 5.19 (2H, s).
【0310】
参考例70−2
6−ブロモ−5−(ジフルオロメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化91】
参考例70−1に記載の方法に準じ、参考例6と参考例69−2の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 461.1/1.142
【0311】
参考例71
5−(ジフルオロメチル)−6−エテニル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化92】
参考例20に記載の方法に準じ、参考例70−1の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 409.0/0.909
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.24 (1H, s), 9.21 (1H, s), 8.51 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.71 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.51 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.42 (1H, t, J = 54.3 Hz), 7.37-7.33 (2H, m), 7.14 (1H, dd, J = 16.5, 11.0 Hz), 6.56 (1H, dd, J = 16.5, 1.8 Hz), 5.72 (1H, dd, J = 10.4, 1.8 Hz), 5.19 (2H, s).
【0312】
参考例72
5−(ジフルオロメチル)−6−ホルミルl−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化93】
参考例71の化合物(1.03g)と過ヨウ素酸ナトリウム(2.158g)のアセトン(20mL)/水(6.7mL)懸濁液に、四酸化オスミウム(固定化触媒、77mg)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチル、水を加え、樹脂をろ過により除いた。ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル/THF/メタノール(30mL/15mL/3mL)、SiliaMetS(登録商標)Thiol(104mg)、シリカゲル(5.2g)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した後、ろ過した。ろ上物を酢酸エチル/メタノール(10/1,150mL)で洗浄し、ろ液を減圧濃縮して表題化合物(870mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 411.2/0.886
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.52 (1H, s), 10.07 (1H, s), 9.43 (1H, s), 8.74 (1H, s), 7.73 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.58 (1H, t, J = 54.2 Hz), 7.55 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.37-7.34 (2H, m), 5.20 (2H, s).
【0313】
参考例73
プロパン−2−イル 5−(ジフルオロメチル)−6−エテニルピリジン−3−カルボキシレート
【化94】
参考例20に記載の方法に準じ、参考例60−3の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 242.1/1.022
【0314】
参考例74
プロパン−2−イル 5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−カルボキシレート
【化95】
参考例73の化合物(400mg)のジクロロメタン/メタノール(1/1,24mL)溶液を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌しながらオゾンガスを10分間吹き込んだ。系内を空気で置換後、水素化ホウ素ナトリウム(63mg)を加え、反応混合物を氷冷下、50分撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(299mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 245.8/0.567
【0315】
実施例1
5−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ピコリンアミド
【化96】
参考例7の化合物(100mg)のTHF(2mL)/メタノール(1mL)溶液に水素化ホウ素リチウム(3mol/L in THF,0.08mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた固体に酢酸エチル(2mL)、ヘキサン(2mL)を加えて超音波洗浄機にかけ、固体をろ取し、ヘキサン/酢酸エチル(1/1,1mL×2)で洗浄後、40℃で減圧乾燥し、表題化合物(70mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 377.2/0733
【0316】
実施例2〜3
実施例1に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物を用いて、実施例2〜3の化合物を得た。
【表8】
【0317】
実施例4
6−[ヒドロキシ()メチル]−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化97】
重水素化リチウムアルミニウム(21mg)のTHF(3mL)懸濁液に氷冷下で参考例8の化合物(100mg)を加え、同温で30分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。重水素化リチウムアルミニウム(11mg)を加え、室温でさらに1時間撹拌した。水(0.040mL)、10%水酸化ナトリウム水溶液(0.060mL)、水(0.12mL)を順に加え、室温で20分間撹拌した。不溶物をろ過により除去した後、ろ上物を水、酢酸エチル/メタノール(1/1)、酢酸エチル、メタノールで順に洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、残渣にメタノール、水を加えて超音波洗浄機にかけた。析出した固体をろ取し、水で洗浄後、50℃で減圧乾燥し、表題化合物(53mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 379.2/0.673
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.00 (1H, s), 9.01 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.30 (1H, d, J = 8.2, 1.8 Hz), 7.73-7.68 (3H, m), 7.64-7.61 (2H, m), 7.54 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.47 (1H, d, J = 1.2 Hz), 5.48 (1H, s), 5.31 (2H, s).
【0318】
実施例5
6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化98】
参考例8の化合物(70mg)のTHF(5mL)溶液にメチルマグネシウムブロミド(0.97mol/L in THF,0.89mL)を加え、室温で20時間撹拌した。メチルマグネシウムブロミド(0.97mol/L in THF,0.45mL)を加え、室温でさらに5.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(10mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 405.2/0.742
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.97 (1H, s), 8.99 (1H, s), 8.27 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.77-7.61 (6H, m), 7.47 (1H, s), 5.31-5.30 (3H, m), 1.44 (6H, s).
【0319】
実施例6
6−(1−ヒドロキシエチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化99】
実施例5に記載の方法に準じ、参考例48の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 391.2/0.717
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.98 (1H, s), 9.00 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.29 (1H, dd, J = 8.3, 1.8 Hz), 7.73-7.72 (2H, m), 7.70-7.68 (1H, m), 7.64-7.61 (2H, m), 7.57 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.47 (1H, d, J = 1.2 Hz), 5.46 (1H, d, J = 4.9 Hz), 5.30 (2H, s), 4.75 (1H, qd, J = 6.7, 4.9 Hz), 1.36 (3H, d, J = 6.7 Hz).
【0320】
実施例7〜9
参考例7に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物より実施例7〜9の化合物を得た。
【表9】
【0321】
実施例10
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化100】
6−(ヒドロキシメチル)−ニコチン酸メチル(0.924g)のTHF(22mL)溶液に5mol/L水酸化カリウム水溶液(2.2ml)を加えた。室温にて終夜撹拌した後、溶媒を減圧濃縮により留去し、減圧乾燥した。得られた固体のDMF(25mL)溶液に参考例6で得た化合物(1.61g)、HATU(2.52g)、ジイソプロピルエチルアミン(2.38mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と水を加え、析出した固体をろ過した。水とアセトニトリル、酢酸エチルにて洗浄した後、減圧乾燥し、表題化合物(1.375g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 363.1/0.66
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.00 (1H, s), 9.01 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.30 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.69 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.48 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.38-7.30 (2H, m), 5.52 (1H, t, J = 6.1 Hz), 5.18 (2H, s), 4.60 (2H, d, J = 6.1 Hz).
【0322】
実施例11〜21
実施例10に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物より実施例11〜21の化合物を得た。
【表10】
【表11】
【0323】
実施例22
N−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]−1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化101】
参考例49−2の化合物(138mg)と参考例50の化合物(141mg)のDMF(15mL)溶液に、EDCI・HCl(124mg)、HOBt(87mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.188mL)を加え80℃にて6時間撹拌した。反応混合物に水、水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(5mL)に溶かし、2mol/L塩酸メタノール(0.81mL)を加え40℃にて5時間撹拌した。反応混合物に水、水酸化ナトリウム水溶液を順に加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(86.4mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 363.2/0.640
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.06 (1H, s), 8.84 (1H, s), 8.19-8.14 (1H, m), 7.97-7.95 (2H, m), 7.42-7.34 (3H, m), 5.31-5.26 (1H, m), 5.24 (2H, s), 4.48 (2H, d, J = 4.8 Hz).
【0324】
実施例23
N−[2−(ヒドロキシメチル)キノリン−6−イル]−1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド
【化102】
実施例22に記載の方法に準じ、参考例49−2の化合物と参考例51の化合物を用い、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 413.3/0.673
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.13 (1H, s), 8.49 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.24 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.04 (1H, dd, J = 9.2, 2.0 Hz), 8.00 (1H, s), 7.98 (1H, s), 7.85 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.57 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.44-7.38 (2H, m), 5.50-5.46 (1H, m), 5.25 (2H, s), 4.60 (2H, d, J = 5.6 Hz).
【0325】
実施例24
6−(アミノメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド 二トリフルオロ酢酸塩
【化103】
参考例45−2に記載の方法に準じ、参考例39−2の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 376.2/0.597
【0326】
実施例25
6−[(アセチルアミノ)メチル]−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化104】
実施例24の化合物(30mg)のTHF(1mL)溶液にトリエチルアミン(0.111mL)、無水酢酸(0.038mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(28mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 418.3/0.669
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.02 (1H, s), 9.01 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.48 (1H, t, J = 6.1 Hz), 8.26 (1H, dd, J = 8.3, 1.8 Hz), 7.73-7.68 (3H, m), 7.64-7.59 (2H, m), 7.46 (1H, s), 7.35 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.30 (2H, s), 4.37 (2H, d, J = 6.1 Hz), 1.90 (3H, s).
【0327】
実施例26
6−[(メチルアミノ)メチル]−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化105】
参考例58の化合物(155mg)のDMF(1mL)溶液に炭酸カリウム(59mg)、チオフェノール(30μL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、有機層を0.1mol/L塩酸にて抽出した。得られた水層に飽和重曹水を加えてpH9に調整し、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(93mg)を得た。
LC-MS ([M+2H]2+/Rt (min)): 195.7/0.628
【0328】
実施例27〜29
参考例32に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物より実施例27〜29の化合物を得た。
【表12】
【0329】
実施例30
5−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化106】
実施例27の化合物(51mg)のTHF(2mL)/水(1mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(77mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた後、ろ過、減圧濃縮した。得られた残渣のメタノール溶液(1mL)に水素化ホウ素ナトリウム(4mg)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で5分間撹拌後、減圧濃縮した。残渣に水を加え、超音波洗浄機にかけ、析出した固体をろ取した。水、メタノールで洗浄後、50℃で減圧乾燥し、表題化合物(37mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 395.3/0.739
【0330】
実施例31〜39
実施例30に記載の方法に準じ、実施例28−29の化合物および対応する参考例の化合物より実施例31〜39の化合物を得た。
【表13】
【0331】
実施例40
2−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
【化107】
参考例27の化合物(211mg)のアセトン(5mL)/水(2.5mL)溶液に、四酸化オスミウム(2.5wt% in tert−ブタノール,0.525mL)、過ヨウ素酸ナトリウム(358mg)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて粗精製した。得られた化合物にメタノール(2mL)、水素化ホウ素ナトリウム(3mg)を加え、室温で18.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(8mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 383.2/0.705
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ9.77 (1H, s), 8.31 (1H, s), 7.72-7.71 (2H, m), 7.70-7.67 (1H, m), 7.62-7.60 (2H, m), 7.40 (1H, d, J = 1.8 Hz), 6.19 (1H, t, J = 5.8 Hz), 5.30 (2H, s), 4.77 (2H, d, J = 5.8 Hz).
【0332】
実施例41
5−クロロ−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化108】
実施例40に記載の方法に準じ、参考例30の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 397.2/0.750
【0333】
実施例42
6−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化109】
参考例31に記載の方法に準じ、実施例32の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 391.3/0.671
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.96 (1H, s), 8.86 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.10 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.73-7.68 (3H, m), 7.64-7.59 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.31 (2H, s), 5.12 (1H, t, J = 5.8 Hz), 4.60 (2H, d, J = 5.8 Hz), 2.35 (3H, s).
【0334】
実施例43
5−エテニル−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化110】
参考例20に記載の方法に準じ、実施例32の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 403.3/0.744
【0335】
実施例44
5−エチル−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化111】
酸化白金(30mg)の酢酸エチル(2mL)/メタノール(1mL)懸濁液に実施例43の化合物(27mg)を加え、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル,酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物(16mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 405.3/0.708
【0336】
実施例45
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}ニコチンアミド
【化112】
参考例41−6の化合物(13mg)のTHF(0.5mL)/メタノール(0.5mL)懸濁液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.031mL)を加え、60℃で3時間撹拌し、90℃でさらに6.5時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に水を加え、室温で5分間撹拌した。析出した固体をろ取し、水で洗浄後、50℃で減圧乾燥して表題化合物(7mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 392.2/0.647
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.79 (1H, s), 8.29 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.72-7.68 (3H, m), 7.64-7.581 (2H, m), 7.43 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.42 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.36 (2H, s), 5.30 (2H, s), 5.18 (1H, t, J = 5.5 Hz), 4.52 (2H, d, J = 5.5 Hz)
【0337】
実施例46
5−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化113】
実施例45に記載の方法に準じ、参考例42の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 378.2/0.603
【0338】
実施例47
4−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−1,3−チアゾール−2−カルボキサミド
【化114】
参考例46−2の化合物(219mg)に塩化水素(2mol/L in メタノール,2mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、酢酸エチルを加えた後、室温で10分間撹拌した。析出した固体をろ取し、水、ヘキサンで洗浄後、50℃で減圧乾燥し、表題化合物(84mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 383.2/0.769
【0339】
実施例48
5−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]−1,3−チアゾール−2−カルボキサミド
【化115】
実施例47に記載の方法に準じ、参考例47の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 383.2/0.743
【0340】
実施例49
5−(ジフルオロメチル)−6−{[(4−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化116】
参考例60−5の化合物(2.49g)のメタノール(25mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(6.8mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に4mol/L塩酸(2.1mL)を加え、pHを8に調整した。反応混合物を減圧濃縮し得られた残渣のTHF(30mL)懸濁液にDIEA(1.43mL)、クロロリン酸ジフェニル(1.70mL)を加え、2時間撹拌した。DIEA(1.43mL)、クロロリン酸ジフェニル(1.70mL)を加え、さらに1時間撹拌した。DIEA(2.86mL)、参考例6の化合物(1.97g)を加え、室温で20時間撹拌した。2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え、室温で2時間撹拌した。2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、さらに1.5時間撹拌した。メタノール(15mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物(1.88g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 534.3/1.021
【0341】
実施例50
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ニコチンアミド
【化117】
実施例49の化合物(1.88g)のクロロホルム(10mL)溶液にTFA(2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液にTFA(3mL)を加え、さらに3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(0.53g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.27 (1H, s), 9.17 (1H, s), 8.54 (1H, s), 7.71 (1H, s), 7.51 (1H, s), 7.42 (1H, t, J = 54.8 Hz), 7.37-7.33 (2H, m), 5.61 (1H, t, J = 5.8 Hz), 5.19 (2H, s), 4.75 (2H, d, J = 5.8 Hz).
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 413.2/0.751
【0342】
実施例51〜52
実施例49に記載の方法に準じ、参考例4の化合物と対応する原料化合物を用いて、実施例51〜52の化合物を得た。
【表14】
【0343】
実施例53
(2E)−3−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル]−N−{1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール−4−イル}プロプ−2−エナミド
【化118】
参考例65−2の化合物(30mg)のTHF(2mL)溶液にメチルマグネシウムブロミド(0.97mol/L in THF,0.36mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。メチルマグネシウムブロミド(0.97mol/L in THF,0.36mL)を加え、室温でさらに16時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(13mg)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 431.3/0.722
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ10.62 (1H, s), 8.64 (1H, s), 7.92 (1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz), 7.70-7.57 (6H, m), 7.50 (1H, d, J = 15.9 Hz), 7.38 (1H, s), 6.92 (1H, d, J = 15.9 Hz), 5.29 (2H, s), 5.25 (1H, s), 1.43 (6H, s).
【0344】
実施例54〜55
参考例1に記載の方法に準じ、参考例64−4の化合物と対応する原料化合物を用いて、実施例54〜55の化合物を得た。
【表15】
【0345】
実施例56〜84
参考例1に記載の方法に準じ、参考例64−4の化合物と対応する原料化合物を用いて、実施例56〜84の化合物を得た。
【表16】
【0346】
実施例85
6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリダジン−3−カルボキサミド
【化119】
実施例40に記載の方法に準じ、参考例68−2の化合物より表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 364.2/0.706
【0347】
実施例86
5−(ジフルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−[1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化120】
参考例72の化合物(300mg)のt―ブタノール(6mL)/エタノール(3mL)懸濁液に水素化ホウ素ナトリウム (97mg)を加え、反応混合物を氷冷下1.5時間、室温にて2時間撹拌した。水と飽和食塩水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル/エタノール(1/1,24mL)、活性炭(300mg)を加え、80℃で1時間撹拌した。混合物をセライトでろ過し、ろ上物を酢酸エチル/エタノール(1/1,20mL)で洗浄した。ろ液を減圧濃縮して表題化合物の粗生成物(210mg)を得た。粗生成物をエタノール/酢酸エチル(1/1)より再結晶し、表題化合物を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 413.2/0.751
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.27 (1H, s), 9.17 (1H, s), 8.54 (1H, s), 7.71 (1H, s), 7.51 (1H, s), 7.42 (1H, t, J = 54.8 Hz), 7.37-7.33 (2H, m), 5.61 (1H, t, J = 5.8 Hz), 5.19 (2H, s), 4.75 (2H, d, J = 5.8 Hz).
【0348】
融点測定は、スタンフォードリサーチシステム社製Optimelt(昇温速度:1℃/分)を使用した。結果を下表に示す。
【表17】
【0349】
試験例1:がん細胞スフィア形成能抑制試験
CSCの特性の一つである、細胞の自己複製能の測定法として確立され信頼できる手法として、血清非存在下、非接着状態でのがん細胞スフィア形成能測定が挙げられる(Cancer Res 65, 5506-5511 (2005))。HCT-116細胞はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手した。HCT-116細胞は10% ウシ胎児血清(FBS)、1% ペニシリン/ストレプトマイシン含有McCoy's 5a培地を用い、37℃、5% CO2存在下にて培養した。HCT-116細胞を2% B27 supplement(GIBCO)、20 ng/mL 上皮細胞成長因子(EGF) (peprotech)、10 ng/mL 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) (peprotech)、5 μg/mL インスリン(Sigma)、1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM/F12培地にて、350-800 cells/well となるように384 Well Black Clear Bottom Ultra-Low Attachment Microplate (Corning Cat. No.3827)に播種した。DMSO終濃度が0.1%となるように被験物質を添加し4日間培養した。その後、CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて生細胞数を計測し、各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC50値;μmol/L)を算出した。
【0350】
実施例で得られた各化合物について、試験例1に示す試験を行った。各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC50値;μmol/L)について下表に示す。
【表18】
【表19】
【表20】
【0351】
試験例2:がん細胞スフィア形成能抑制試験(BSA存在下)
HCT-116細胞はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手した。HCT-116細胞は10% ウシ胎児血清(FBS)、1% ペニシリン/ストレプトマイシン含有McCoy's 5a培地を用い、37℃、5% CO2存在下にて培養した。HCT-116細胞を、2% B27 supplement(GIBCO)、20 ng/mL 上皮細胞成長因子(EGF)(peprotech)、10 ng/mL 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)(peprotech)、5 μg/mL インスリン(Sigma)、5% ウシ血清アルブミン(BSA)、1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM/F12培地にて、350-800 cells/wellとなるように384 Well Black Clear Bottom Ultra-Low Attachment Microplate (Corning Cat. No.3827)に播種した。DMSO終濃度が0.1%となるように被験物質を添加し4日間培養した。その後、CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて生細胞数を計測し、各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC50値;μmol/L)を算出した。
【0352】
実施例で得られた各化合物について、試験例2に示す試験を行った。各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC50値;μmol/L)について下表に示す。
【表21】
【表22】
【表23】
【0353】
試験例3.マウスを用いた薬物動態試験
7週齢のマウス(BALB/cAnNCrlCrlj、雌性、日本チャールス・リバー)に0.5% メチルセルロース溶液に懸濁した化合物を10 mg/kg または100 mg/kgの用量で単回経口投与する。投与後0.5、1、2、4、8、24時間後に採血し、遠心分離により血漿を得る。この濃度推移から血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を算出し、下記の式にあてはめることにより、生物学的利用率を算出することができる。
生物学的利用率(%)=経口投与後のAUC/静脈内投与後のAUC×100
なお、血漿はメタノールを終濃度80%となるように添加し、遠心分離、さらにフィルターろ過することにより、除タンパク処理を行なった後、LC−MS/MS (API4000, AB SCIEX)で化合物を検出、定量する。定量の際には、既知量の化合物を添加したマウス血漿を用いて検量線を作成し、内部標準としてBezafibrateを使用する。
【0354】
試験例4.HCT-116を細胞移植した担がんマウスを用いた薬効評価試験
本発明化合物を処置し、抗腫瘍作用を評価することができる。4〜7週齢のヌードマウス(BALB/cAnNCrj-nu/nu、雌性、日本チャールス・リバー)にHCT-116細胞(ATCC)を3×106 cells/mouseとなるように腹側部周辺に皮内移植した。移植5〜14日後にHCT-116細胞の生着を確認した後、0.5% メチルセルロース溶液等の溶媒に懸濁した化合物を1〜100 mg/kgの用量で1日1〜2回経口投与する。投与開始から経時的に腫瘍容積を測定し、化合物投与による腫瘍容積の縮小作用を評価する。腫瘍容積は電子ノギス(Mitutoyo)にて計測した腫瘍の短径、長径を用いて、次式にて算出することができる。
腫瘍容積[mm] = 0.5×短径[mm]×(長径[mm])
0.5% メチルセルロース溶液等の溶媒のみを投与した対照投与群と、本発明化合物投与群を比較し、以下の式でT/Cを算出し、抗腫瘍効果を評価した。
T/C(%)=(本発明化合物投与群の投与終了時の腫瘍容積−本発明化合物投与群の投与開始時の腫瘍容積)/(対照投与群の投与終了時の腫瘍容積−対照投与群の投与開始時の腫瘍容積)×100
以下に、本発明化合物の各投与量、投与期間における、HCT-116を細胞移植した担がんマウス対するT/C(%)を示す。
【表24】
【産業上の利用可能性】
【0355】
本発明化合物は、優れたがん細胞スフィア形成能抑制作用を示し、経口投与可能な抗腫瘍剤として有用である。