(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.第1の情報処理の概要〕
まず、
図1を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち第1の情報処理の概要を示す。
図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。第1の情報処理は、情報処理装置100によって行われる。
【0012】
なお、第1の情報処理については、後に詳述するが、ユーザの位置を示す位置情報に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定し、特定した行動に基づいて、広告効果を判定するものである。
【0013】
また、実施形態にかかる情報処理システムは、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。また、第1の情報処理は、
図1に示す情報処理装置100によって行われる。例えば、情報処理装置100は、サーバ装置やクラウドシステム等、単数または複数の装置により実現され、移動通信網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、ユーザが使用する端末装置10と通信可能な情報処理装置である。
【0014】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、端末装置10は、広告コンテンツ等の各種コンテンツを表示する。
【0015】
ここで、情報処理装置100によって第1の情報処理が行われる前提について説明する。例えば、広告主は様々な形態の広告コンテンツを提供することにより、自社の製品、サービス、人材等を広告する。広告コンテンツの形態としては、インターネット広告、テレビコマーシャル、交通広告、看板やサイネ−ジによる野外広告、配布チラシ等がある。
【0016】
例えば、広告主は、広告配信業者に対して、広告コンテンツを入稿すると共に、広告費を支払うことで、様々な形態の広告コンテンツを提供することで広告効果を高めようとする。また、広告配信業者は、入稿された広告コンテンツがユーザに対して実際にどれくらいの影響を及ぼしたかを可視化することにより、可視化したデータを広告主にフィードバックすることで広告主に対してより良い広告方法の検討材料とさせる。
【0017】
しかしながら、広告コンテンツがユーザに対して実際にどれくらいの影響を及ぼしたかや、広告コンテンツが広告主の事業KPIに直接どれくらい影響があったかを可視化することは容易ではない。例えば、インターネット広告に接触したユーザについて、その後のインターネット上(オンライン上)での行動を監視することは可能であるが、ユーザの行動はオンライン上の行動に限らず、現実世界での行動、すなわちオフラインでの行動もある。そうしたところ、例えば、広告コンテンツに接触したユーザがオフラインではどのような行動を段階的に重ねてゆくことで、最終的に広告コンテンツに関するコンバージョンに至るかや、オフラインでのどのような行動が広告コンテンツの影響を受けたものであるか、といったことを可視化することは容易ではない。
【0018】
つまり、ユーザの段階的な行動の側から広告コンテンツの影響を判定したり評価することは容易ではない。このようなことから、本実施形態では、段階的な行動のうち、各段階での行動毎にユーザの時間と位置情報とを用いて広告効果を測定する。一例を示すと、各地の現実空間には、予め広告コンテンツに関連して時間と位置を取得するための要素(アンカー)が設置される。アンカーは、オンライン行動追跡用のクッキーのオフライン版と解することができるものであり、位置としては現在地を特定し瞬間の状態を切り取るためのものである。本実施形態では、アンカーはビーコン、および、広告コンテンツに組み込まれるスクリプトであるものとするが、必ずしもビーコンである必要はない。例えば、アンカーは各種のセンサ(例えば、磁気センサ、光センサ等)であってもよい。
【0019】
アンカーであるビーコンは、例えば、広告コンテンツを配信した情報処理装置、駅、道路(道路わきの電柱)、広告コンテンツに関連する施設(例えば、実店舗)における所定箇所(例えば、廊下等の共用部、商品棚等)等、任意の場所に設置される要素である。そして、本実施形態では、アンカー単独またはアンカー間のインタラクションにより、所定の広告コンテンツに直接または間接的に関連する段階的な行動のうち、各段階での行動毎にユーザの行動を時間と位置情報の観点から特定する。具体的には、本実施形態では、広告クリエイティブ入稿からコンバージョンに至るまでの段階的な行動を定義し、段階的な行動の全フェーズを通して時間および位置情報を用いて広告効果を測定する。なお、以下の実施形態では、段階的な行動、または、各段階での行動を「ファネル」と表記する場合がある。
【0020】
そして、上記のような前提を基に、実施形態にかかる情報処理装置100は、
図1に示す第1の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、ユーザの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。そして、情報処理装置100は、特定した行動に基づいて、広告効果を判定する。
【0021】
より具体的には、情報処理装置100は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動として、ユーザが所定の広告コンテンツに接触してから当該広告コンテンツに関連するコンバージョンへ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。また、情報処理装置100は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動に基づき生成されたモデルに対して位置情報および時刻情報を入力することにより出力された確率であって、所定の行動へ至るまでの段階的な行動をユーザが行う確率に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。
【0022】
以下では、
図1を用いて、実施形態にかかる第1の情報処理の一例について説明する。なお、
図1では、モデルに対して位置情報のみを入力する例を示すが、実際には時刻情報も入力される。
【0023】
はじめに、
図1の全体像について簡単に説明する。まず、ユーザU1は端末装置10を有しており、広告コンテンツAD1に接触(広告コンテンツAD1を閲覧)した後に移動を開始するものとする。また、広告コンテンツAD1は、商品PD1を広告する広告コンテンツである。また、実店舗であるショップSH1では、商品PD1が販売されている。したがって、ショップSH1は、広告コンテンツAD1に関連する店舗といえる。
【0024】
また、ユーザU1の自宅である自宅HP1からショップSH1までの各エリアや場所にはビーコンが設置されているものとする。
図1の例では、自宅HP1を含むエリアAR1、駅ST1を含むエリアAR2、施設BLを含むエリアAR3、ショップSH1を含むエリアAR4、ショップSH1の入り口G、ショップSH1内の所定の販売エリアAR5に置かれる商品棚M1、商品棚M2およびレジM3において、ビーコンが設置されている。
【0025】
このような状態において、情報処理装置100は、まず、段階的な行動(ファネル)を定義する(ステップS11)。上記のように各地にビーコンが設置されることで、情報処理装置100は、ビーコンにより検知された行動情報であってユーザの行動を示す行動情報を、ビーコンから適宜取得して行動情報記憶部121(
図4)に記憶しておくことができる。このようなことから、情報処理装置100は、行動情報記憶部121に記憶される行動情報に基づいて機械学習を行い、機械学習(例えば、ディープラーニング)によって得られた行動傾向を1つのファネルとして定義する。より具体的には、情報処理装置100は、機械学習によって得られた行動傾向の中から、関連性のある一連の行動傾向を抽出し、抽出した各行動傾向を1つのファネルとして定義する。
【0026】
なお、ここでは情報処理装置100が機械学習によりファネルを定義する例を示したが、情報処理装置100は、任意の手法を用いてファネルを定義してよい。また、ファネルは、情報処理装置100によって定義されるのではなく、人手によって仮説的に定義されてもよい。かかる場合、人手によって定義されたファネルが情報処理装置100に入力される。
【0027】
図1の例では、情報処理装置100は、ユーザU1が広告コンテンツAD1に接触してから商品PD1の購入(コンバージョン)に至るまでの段階的な行動として、次の7つのファネルを定義したものとする。具体的には、情報処理装置100は、「自宅HP1を出て駅ST1に向かう」といった段階的な行動を示すファネルF1、「駅ST1で電車待ち」といった段階的な行動を示すファネルF2、「施設BL前に来た」といった段階的な行動を示すファネルF3、「ショップSH1に来た」といった段階的な行動を示すファネルF4、「商品棚M1前に来た」といった段階的な行動を示すファネルF41、「商品棚M2前に来た」といった段階的な行動を示すファネルF42、「レジM3前に来た」といった段階的な行動を示すファネルF43、を定義したものとする。
【0028】
続いて、情報処理装置100は、ステップS11で定義したファネル毎に予測モデルを生成する(ステップS12)。先に、情報処理装置100は、機械学習によりファネルを定義する旨説明したが、情報処理装置100は、このときの機械学習により予測モデルを生成することができる。
図1の例では、情報処理装置100は、ファネルF1に対応する予測モデルとしてモデルM1、ファネルF2に対応するモデルM2、ファネルF3に対応するモデルM3、ファネルF4に対応するモデルM4、ファネルF41に対応するモデルM41、ファネルF42に対応する予測モデルM42、ファネルF43に対応するモデルM43、をそれぞれ生成する。
【0029】
ファネルF1に対応するモデルM1を例に挙げると、モデルM1は、ユーザの現在位置を示す位置情報、および、現在位置にかかるユーザが居る時刻を示す時刻情報が入力されると、このとき「自宅HP1を出て駅ST1に向かう」といった行動をユーザが行っている確率を出力するモデルである。情報処理装置100は、行動情報記憶部121に記憶される行動情報について機械学習し行動傾向を取得することで、このようなモデルを生成する。したがって、情報処理装置100によって生成される予測モデルは、ユーザの位置および時刻に基づいて、その位置およびその時間でのユーザの行動を予測するモデルである。
【0030】
このような状態において、情報処理装置100は、ユーザU1の現在位置を示す位置情報と、この現在位置にユーザU1が居る時刻を示す時刻情報とを取得する(ステップS13)。このときユーザU1は、自宅HP1から出た先の位置PT1に居たとする。また、
図1の例では、位置PT1はエリアAR1に含まれる。よって、エリアAR1にあるビーコンによって、ユーザU1の位置情報「PT1」とこの時の時刻情報が検知される。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、位置情報「PT1」と、この時の時刻情報とをエリアAR1にあるビーコンから取得する。以下、時刻情報については省略する。
【0031】
また、ユーザU1は、位置PT1から駅ST1のある位置PT2へと移動したとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT2」をエリアAR2にあるビーコンから取得する。また、ユーザU1は、位置PT2から施設BL前の位置PT3へと移動したとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT3」をエリアAR3にあるビーコンから取得する。また、ユーザU1は、位置PT3からショップSH1の入り口Gの位置PT4へと移動したとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT4」をエリアAR4にあるビーコンから取得する。
【0032】
このあと、ユーザU1は、ショップSH1内に入り、販売エリアAR5に到達したとする。また、ユーザU1は、商品棚M1前の位置PT41に来たとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT41」を商品棚M1に設置されるビーコンから取得する。また、ユーザU1は、商品棚M2前の位置PT42に来たとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT42」を商品棚M2に設置されるビーコンから取得する。また、ユーザU1は、レジM3前に来たとする。かかる場合、情報処理装置100は、位置情報「PT43」をレジM3に設置されるビーコンから取得する。
【0033】
次に、情報処理装置100は、予測モデルに位置情報および時刻情報を入力することにより出力された確率に基づいて、ユーザU1の行動を特定する(ステップS14)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示す7つの予測モデルそれぞれに位置情報を入力し、出力された確率のうち最も高い確率が所定の確率(例えば、80%)以上であれば、その最も高い確率を出力した予測モデルに対応するファネルに基づきユーザU1の行動を特定する。例えば、情報処理装置100は、7つの予測モデルそれぞれに位置情報「PT1」を入力することで、7つの確率を算出する。例えば、情報処理装置100は、モデルM1から確率「90%」、モデルM2から確率「75%」、モデルM3から確率「50%」、モデルM4から確率「20%」、モデルM41から確率「5%」、モデルM42から確率「5%」、モデルM43から確率「5%」を算出したとする。
【0034】
そうすると、情報処理装置100は、確率「90%」(所定の確率80%以上)を出力したモデルM1がファネルF1に対応することから、ユーザU1は位置PT1において、「自宅HP1を出て駅ST1に向かう」といった行動を行っていたことを特定する。より具体的には、ユーザU1は広告コンテンツAD1に接触した前提があるため、情報処理装置100は、ユーザU1は位置PT1において、「自宅HP1を出て(商品PD1を買うために)駅ST1に向かう」といった行動を行っていたことを特定する。時間情報については省略してきたが、各予測モデルでは、広告コンテンツAD1に接触から位置PT1に到達するまでの時間が短いほど、高い確率が算出される。例えば、広告コンテンツAD1に接触してから5分後に位置PT1にユーザU1が居た場合にはモデルM1から確率「90%」が算出されたとしても、広告コンテンツAD1に接触してから24時間後に位置PT1にユーザU1が居た場合にはモデルM1から確率「10%」が算出されるといったことがある。
【0035】
さて、上記例では、情報処理装置100は、7つの予測モデルそれぞれに位置情報「PT1」を入力する例を示したが、その他の位置情報(位置情報PT2、PT3、PT4、PT41、PT42、PT43)についても同様にしてユーザU1の行動が特定される。そして、情報処理装置100は、特定した行動に基づいて、広告効果を判定する(ステップS15)。
【0036】
ここで、例えば、各予測モデルから確率「80%」以上を示す行動が特定されたとすると(パターン1)、ユーザU1は、広告コンテンツAD1に接触したことにより商品PD1を購入するために、まず「自宅HP1を出て駅ST1に向かい」、次に「駅ST1で電車を待ち」、次に「施設BLへ立ち寄り」、次に「ショップSH1前に到着し」、次に「ショップSH1内の商品棚M1で商品を閲覧し」、次に「ショップSH1内の商品棚M2で商品を閲覧し」、最後に「レジM3で商品を購入した」という段階的な行動を行ったことを特定できる。例えば、商品棚M1またはM2に商品PD1が陳列されていれば、ユーザU1が確かに商品PD1を購入したと確証が得られる。
【0037】
このような場合、情報処理装置100は、ユーザU1が商品PD1を購入(コンバージョン)に至ったのは広告コンテンツAD1への接触が原因として、例えば、広告コンテンツAD1の広告効果「高」と判定する。なお、情報処理装置100は、広告効果を所定の指標値で表してもよい。また、情報処理装置100は、広告コンテンツAD1の影響により、ユーザU1は上記のような段階的な行動を取るとの判定を下すことができる。
図1ではユーザU1のみを例示しているが、例えば、他のユーザについても同様の段階的な行動が特定された場合、情報処理装置100は、広告コンテンツAD1の影響により、ユーザは上記のような段階的な行動を取る傾向にあるとの判定を下すこともできる。例えば、情報処理装置100は、商品PD1を購入する前には施設BLに立ち寄る傾向にあると判定することもある。
【0038】
一方、例えば、モデルM1およびM2からは確率「80%」以上を示す行動が特定されたが、その他のモデルでは10%程度の低い確率しか算出されず行動を特定することができなかったとする(パターン2)。このような場合、ユーザU1は広告コンテンツAD1へ接触しても商品PD1を買いには行かず、ただ駅ST1に向かった等と予測することができる。このため、かかる場合、情報処理装置100は、広告コンテンツAD1の広告効果「低」と判定する。
【0039】
最後に、情報処理装置100は、ステップS15で判定した広告効果を広告主に通知(フィードバック)する(ステップS16)。
図1の例では、情報処理装置100は、広告コンテンツAD1の広告主に対して、広告効果を通知する。例えば、上記パターン1の場合、情報処理装置100は、広告効果「高」と、傾向を示す傾向情報とを通知する。これにより、広告主は、例えば、施設BL付近に看板広告を出せばさらなる広告効果を見込める等の広告戦略を練ることができるようになる。
【0040】
また、例えば、上記パターン2の場合、情報処理装置100は、広告効果「低」とともに、ユーザU1は駅ST1までは向かった旨を通知する。この場合、広告主は、駅ST1で広告コンテンツAD1を掲載すれば、商品PD1を買いにショップSH1に出向かせることができるとの広告戦略を練ることができるようになる。
【0041】
さて、ここまで実施形態にかかる第1の情報処理について説明してきた。
図1で説明したように、情報処理装置100は、ユーザの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。そして、情報処理装置100は、特定した行動に基づいて、広告効果を判定する。
【0042】
これにより、情報処理装置100は、広告コンテンツがユーザにどれだけ影響を与えたかを高精度に判断することができる。具体的には、情報処理装置100は、広告コンテンツがユーザのオフライン上での行動にどれだけ影響を与えたかを高精度に判断することができる。また、情報処理装置100は、広告コンテンツへの接触によりユーザがいつどこでどのような行動を起こすことで最終的にコンバージョンに至るか、あるいは広告コンテンツへ接触したとしても、どこで段階的な行動を中断してしまうかといったことを判定することができるため、広告主に対して効果的に広告戦力を立てさせることができる。
【0043】
〔2.第2の情報処理の概要〕
次に、
図2を用いて、実施形態にかかる情報処理のうち第2の情報処理の概要を示す。
図2は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。第2の情報処理も、情報処理装置100によって行われる。
【0044】
なお、第2の情報処理については、後に詳述するが、施設外からの外来の信号に基づきユーザの位置測位ができない状態において、施設内での所定の空間の特徴に基づき取得された位置情報に基づいて、施設内でユーザが行った行動を特定するものである。
【0045】
ここで、情報処理装置100によって第2の情報処理が行われる前提について説明する。例えば、FMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用品あるいは消費財)について、市場規模での広告における重要なテーマは、広告効果を測定することであると考えられている。例えば、FMCGのメーカーは、自社のFMCGに関する広告コンテンツを打た状態において、実店舗において自社のFMCGが置かれた商品棚にユーザが来たか(っ接触したか)否かを広告効果の一つの指標と定めている。
【0046】
しかしながら、商品棚にユーザが来たか否かといったユーザの行動を高精度に検知することは困難な場合がある。例えば、端末装置10のGPS機能(施設外からの外来の信号の一例)によって取得された位置情報を用いれば、ユーザが対象のFMCGが販売されている店舗に訪問したか否かの判定は行える。しかしながら、店舗内(施設内)では、GPS信号が建物によって遮られてしまうため、GPS機能を有効活用できない問題がある。具体的には、店舗内のどの位置にユーザが居るかを検知できなくなるといった問題がある。そうすると、店舗内でのユーザの行動を特定するのは難しくなる。
【0047】
そこで、店舗内の所定箇所(例えば、廊下等の共用部や商品棚等)にビーコンを設置し、ビーコンにより取得された情報に基づいて、店舗内でのユーザの位置情報を取得する手法が考えられる。しかし、多くのビーコンが必要となるため設置にかかるコストに問題が生じる。また、多くのビーコンを設置するとなると、その運用も大変になり結果的に一つ一つのビーコンの運用が煩雑となるといった問題が生じる。また、運用が煩雑になると、当然高精度な位置情報の取得は難しくなるし、そもそもビーコン自体の精度も高くないといった問題もある。このようなことから、店舗内ではGPSが有効に機能しないからといって、ビーコンを用いる手法は現実的ではない場合がある。
【0048】
このような前提を基に、第2の情報処理は、ビーコンではなく地磁気による地磁気測位を活用するものである。すなわち、上記のような前提を基に、実施形態にかかる情報処理装置100は、
図2に示す第2の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、施設外からの外来の信号に基づきユーザの位置測位ができない状態において、施設内での所定の空間の特徴に基づいて、前記施設内における前記ユーザの位置を示す位置情報を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した位置情報に基づいて、施設内でユーザが行った行動を特定する。
【0049】
具体的には、情報処理装置100は、施設内での所定の空間の特徴として、所定の空間に分布する磁気の特徴に基づいて、位置情報を取得する。より具体的には、情報処理装置100は、所定の空間に分布する磁気の特徴として、所定の空間に対象物が存在することに応じて所定の空間に分布する磁気が変化する変化パターンに基づいて、位置情報を取得する。
【0050】
以下では、
図2を用いて、実施形態にかかる第2の情報処理の一例について説明する。なお、
図1では、ショップSH1(施設の一例)内でのエリアAR5のユーザの位置情報を取得する場合、情報処理装置100は、エリアAR5に設置されたビーコンにより検知されたユーザの位置情報を取得する例を示した。そこで、
図2でも同様に、ショップSH1内におけるエリアAR5を例に説明する。ただし前提で説明したように、ビーコンの活用は様々な問題があるため、情報処理装置100は、ビーコンの代わりに地磁気測位を用いて位置情報を取得し、この位置情報に基づいてユーザU1の行動を特定する。
【0051】
図2に示すように、エリアAR5内には、通路RD1が網目状に通っており、通路RD1に沿って、各社(各メーカー)の商品が陳列される商品棚のエリアが存在する。
図2の例では、エリアAR5内には、C1社の商品が陳列される商品棚X1が置かれるエリアAR51、C2社の商品が陳列される商品棚X2が置かれるエリアAR52、C3社の商品が陳列される商品棚X3が置かれるエリアAR53、C4社の商品が陳列される商品棚X4が置かれるエリアAR54、C5社の商品が陳列される商品棚X5が置かれるエリアAR55、C6社の商品が陳列される商品棚X6が置かれるエリアAR56が存在する。
【0052】
また、
図2の例では、エリアAR5には、
図1で説明した商品棚M1およびM2が置かれるエリアや、レジM3が置かれるエリアも存在する。
【0053】
このような状態において、まず所定の調査員(例えば、情報処理装置100を管理する管理会社の社員)は、エリアAR5内の地磁気がどのような状態になっているかを調査し、磁気データを得る(ステップS21)。例えば、調査員、所定の測定器を用いて、通路RD1を歩き回ることで、通路RD1での地磁気の様子を調査し磁気データを得る。
【0054】
次に、調査員は、磁気データに基づき、磁気マップを作成する(ステップS22)。磁気マップは、
図2に示すように、地磁気の強度に応じたヒートマップで示される。
図2の例では、調査員は、通路RD1に対応する磁気マップMA1を作成する。なお、このような磁気マップは情報処理装置100によって作成されてもよい。かかる場合、情報処理装置100は、ステップS21で得られた磁気データを解析することで、磁気マップMA1を作成する。また、情報処理装置100は、作成された磁気マップMA1を磁気情報記憶部123に格納しておく。
【0055】
なお、地磁気の磁気パターンは、屋内では建物を形成する構造物や室内に置かれている物体等の影響を受けて変化する。したがって、エリアAR5内での磁気パターンは、エリアAR5固有のパターンといえる。このため、エリアAR5内での磁気パターンは、エリアAR5といった一空間の特徴、より具体的には、エリアAR5に分布する磁気の特徴の一例と解することができるものである。
【0056】
そして、ユーザU1がエリアAR5内を歩き回ったとする。端末装置10は地磁気センサを有しており、地磁気センサは、ユーザU1が歩き回ることに応じて、ユーザU1周囲の地磁気を取得する(ステップS23)。例えば、地磁気センサは、ユーザU1が移動する度にユーザU1の現在地における地磁気を取得する。言い換えれば、地磁気センサは、ユーザU1周囲の地磁気を計測または検知する。また、端末装置10は、地磁気センサによって取得された磁気を示す計測結果データを情報処理装置100に送信する(ステップS24)。
【0057】
情報処理装置100は、端末装置10から取得した計測結果データ、すなわちユーザU1の移動に応じて変化する地磁気(の強度)に基づいて、エリアAR5において地磁気が変化する変化パターンを算出する(ステップS25)。そして、情報処理装置100は、算出した変化パターンに基づいて、ユーザU1の現在地を示す位置情報を取得する(ステップS26)。例えば、情報処理装置100は、変化パターンと磁気マップMA1とのマッチングを行うことで、地磁気の時系列変化を特定する。そして、情報処理装置100は、特定した時系列変化に基づいて、ユーザU1の遷移ルートを推定することで、ユーザU1の位置情報を取得(特定)する。
【0058】
次に、情報処理装置100は、ステップS26で取得したユーザU1の位置情報に基づいて、エリアAR5内でユーザU1が行った行動を特定する(ステップS27)。かかる例では、情報処理装置100は、ユーザU1が商品棚X2の前に来た後、商品棚X1の前に来た、といった行動を行ったことを特定したものとする。より具体的には、情報処理装置100は、ユーザU1が商品棚X2の商品を閲覧した後、商品棚X1の商品を閲覧する、といった行動を行ったことを特定したものとする。
【0059】
ここで、ユーザU1は、ショップSH1に来る前に、広告主であるC1社の広告コンテンツに接触(例えば、端末装置10でC1社の広告コンテンツを閲覧する等)しているものとする。また、C1社は情報処理装置100(または情報処理装置100を管理する事業主)に対して、自社の広告コンテンツの広告効果を測定するよう依頼しているものとする。あるいは、C1社は情報処理装置100(または情報処理装置100を管理する事業主)に対して、自社の広告コンテンツを入稿しているものとする。
【0060】
かかる場合、情報処理装置100はステップS27で特定した行動に基づいて、ユーザU1が所定の行動を行ったか否かを判定する(ステップS28)。具体的には、情報処理装置100は、ユーザU1が商品棚X1の前に来たか否かを判定する。上記例によると、情報処理装置100は、ユーザU1が商品棚X1の前に来たと判定する。ユーザU1は、C1社の商品が置かれる商品棚X1に来るまでに、C1社の広告コンテンツに接触している。このようなことから、C1社の広告コンテンツに接触した影響で、ユーザU1は、C1社の商品が置かれる商品棚X1に来た可能性が高い。
【0061】
このようなことから、情報処理装置100は、C1社の広告コンテンツの広告効果「高」と判定し、この判定結果をC1社にフィードバックする。
【0062】
さて、ここまで実施形態にかかる第2の情報処理について説明してきた。
図2で説明したように、情報処理装置100は、施設外からの外来の信号に基づきユーザの位置測位ができない状態において、施設内での所定の空間の特徴に基づいて、前記施設内における前記ユーザの位置を示す位置情報を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した位置情報に基づいて、施設内でユーザが行った行動を特定する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの位置測位ができない状況下においてユーザが行った行動を高精度に特定することができる。
【0063】
また、情報処理装置100は、ユーザの行動に基づき、広告効果を判定することができるため、広告効果を広告主にフィードバックすることで、広告主に対して広告戦略の助けとすることができる。
【0064】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。
図3は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0065】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0066】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、行動情報記憶部121と、モデル情報記憶部122と、磁気情報記憶部123とを有する。
【0067】
(行動情報記憶部121について)
行動情報記憶部121は、ユーザの行動を示す行動情報を記憶する。例えば、行動情報記憶部121は、ビーコンにより検知された行動情報を記憶する。ここで、
図4に実施形態にかかる行動情報記憶部121の一例を示す。
図4の例では、行動情報記憶部121は、「ユーザID」、「エリア」、「行動情報」といった項目を有する。
【0068】
「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別する識別情報を示す。「エリア」は、ビーコンが設置されている物体(建造部)等が存在するエリアを示す。
図4の例では、エリアを示す情報として「PDA11」といった概念的な記号を用いているが、エリアは、例えば、経緯度や、〇〇丁目〜〇×丁目といったように住所によって示される。「行動情報」は、ビーコンにより検知された行動情報であってユーザの行動を示す行動情報を示す。
図4の例では、行動情報として「ADA11」といった概念的な記号を用いているが、行動情報は、例えば、「2017年7月21日15時、A駅」といったように、時刻および位置を特定可能なテキストによって示される。
【0069】
すなわち、
図4の例では、ユーザID「U11」によって識別されるユーザ(ユーザU11)が、「PDA11」によって示される位置エリアに存在するビーコンによって、行動情報「ADA11」によって示される行動を行っていたことを示す。
【0070】
(モデル情報記憶部122について)
モデル情報記憶部122は、
図1で説明した予測モデル(情報処理装置100によって生成された予測モデル)を記憶する。ここで、
図5に実施形態にかかるモデル情報記憶部122の一例を示す。
図5の例では、モデル情報記憶部122は、「ファネル」、「モデルID」、「モデル」といった項目を有する。
【0071】
「ファネル」は、段階的な行動を示す。例えば、「ファネル」は、広告クリエイティブ入稿からコンバージョンに至るまでの段階的な行動を示す。「モデルID」は、予測モデルを識別する識別情報を示す。「モデル」は、情報処理装置100により生成された予測モデルを示す。また、「モデル」は、位置情報および時刻情報を入力として、その位置情報が示す位置においてユーザが、対応する「ファネル」を行っている確率を出力するモデルを示す。また、
図5の例では、「モデル」として「MDA1」といった概念的な記号を用いているが、実際には「モデル」は、数式によって示される。
【0072】
すなわち、
図5の例では、ユーザの現在位置を示す位置情報、および、現在位置にかかるユーザが居る時刻を示す時刻情報が入力されると、このときファネル「自宅を出た」といった行動をユーザが行っている確率を出力するモデルM1が生成された例を示す。
【0073】
(磁気情報記憶部123について)
磁気情報記憶部123は、施設内における所定のエリアの地磁気から生成された磁気マップを記憶する。
図2で示したように、本実施形態では、施設は所定の店舗であるものとする。ここで、
図6に実施形態にかかる磁気情報記憶部123の一例を示す。
図6の例では、磁気情報記憶部123は、「店舗ID」、「エリア」、「磁気マップデータ」といった項目を有する。
【0074】
「店舗ID」は、店舗を識別する識別情報を示す。「エリア」は、「店舗ID」によって識別される店舗内のエリアを示す。「磁気マップデータ」は、対応するエリアの地磁気の様子(強度)の状態を示す磁気マップのデータを示す。
【0075】
すなわち、
図6の例では、店舗ID「SH1」によって識別される店舗内のエリアである「エリアAR5」における地磁気に基づいて、磁気マップMA1が生成された例を示す。
【0076】
(その他の記憶部について)
また、不図示であるが、情報処理装置100は、次の記憶部をさらに有してもよい。例えば、情報処理装置100は、広告主から入稿された広告コンテンツが記憶される記憶部や、店舗内のどのエリアのどの商品棚にどのメーカーの商品が置かれているかが記憶される記憶部を有してもよい。
【0077】
(制御部130について)
図3に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0078】
図3に示すように、制御部130は、モデル生成部131と、第1取得部132と、第1特定部133と、効果判定部134と、第2取得部135と、第2特定部136と、行動判定部137と、通知部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0079】
(モデル生成部131について)
モデル生成部131は、予測モデルを生成する。具体的には、モデル生成部131は、ユーザの位置情報および時刻情報を入力として、その位置情報が示す位置においてユーザが、対応するファネル(段階的な行動、各段階での行動)を行っている確率を出力するモデルを生成する。すなわち、モデル生成部131は、段階的な行動のうち、どの行動を行うかを予測する予測モデルを生成する。例えば、モデル生成部131は、まず、ファネルを定義し、定義したファネル毎に、当該ファネルが示す行動をユーザが行う確率を出力する予測モデルを生成する。
【0080】
図1の例では、モデル生成部131は、行動情報記憶部121に記憶される行動情報に基づいて機械学習を行い、機械学習(例えば、ディープラーニング)によって得られた行動傾向を1つのファネルとして定義する。より具体的には、モデル生成部131は、機械学習によって得られた行動傾向の中から、関連性のある一連の行動傾向を抽出し、抽出した各行動傾向を1つのファネルとして定義する。また、モデル生成部131は、ファネルを定義する機械学習により、ファネル毎に予測モデルを生成する。
【0081】
例えば、モデル生成部131は、行動情報記憶部121に記憶される行動情報について機械学習し行動傾向を取得する。そして、モデル生成部131は、ユーザの現在位置を示す位置情報、および、現在位置にかかるユーザが居る時刻を示す時刻情報が入力されると、このとき「自宅HP1を出て駅ST1に向かう」(
図1、ファネルF1)といった行動をユーザが行っている確率を出力するモデルM1を生成する。
【0082】
なお、モデル生成部131は、位置情報および時間情報が入力された場合に、どのような段階的な行動をどれくらいの確率で行っているかを出力する予測モデル、すなわち段階的な行動とその行動の確率とを出力する予測モデルを生成してもよい。また、モデル生成部131は、ユーザ毎に予測モデルを生成してもよい。例えば、モデル生成部131は、ユーザ毎に予測モデルを生成してもよい。
【0083】
(第1取得部132について)
第1取得部132は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する。例えば、第1取得部132は、位置情報として、ユーザの現在位置を示す位置情報を取得する。また、第1取得部132は、位置情報によって示される位置にユーザが居る時刻を示す時刻情報を取得する。例えば、第1取得部132は、所定の位置に設置されたセンサにより検出された情報である検出情報に基づいて、位置情報と時刻情報とを取得する。
【0084】
図1の例では、アンカーであるビーコンが各地に設置される。このため、第1取得部132は、ビーコンにより検知された行動情報および時刻情報を、ビーコンから適宜取得する。また、第1取得部132は、取得した行動情報および時刻情報を行動情報記憶部121に格納する。
【0085】
(第1特定部133について)
第1特定部133は、第1取得部132により取得された位置情報および時刻情報に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。例えば、第1特定部133は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動として、ユーザが所定の広告コンテンツに接触してから当該広告コンテンツに関連するコンバージョンへ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。
【0086】
例えば、第1特定部133は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動に基づき生成された予測モデルに対して位置情報および時刻情報を入力することにより出力された確率であって、所定の行動へ至るまでの段階的な行動をユーザが行う確率に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。具体的には、第1特定部133は、予測モデルとして、所定の行動へ至るまでの段階的な行動毎に生成されたモデルに対して位置情報および時刻情報を入力することにより出力された確率であって、当該段階的な行動をユーザが行う確率に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する。
【0087】
図1の例では、第1特定部133は、
図1に示す7つの予測モデルそれぞれに位置情報を入力し、出力された確率のうち最も高い確率が所定の確率(例えば、80%)以上であれば、その最も高い確率を出力した予測モデルに対応するファネルに基づきユーザU1の行動を特定する。
【0088】
なお、第1特定部133は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動として、ユーザが所定の広告コンテンツに接触してから当該広告コンテンツに関連する情報を任意の手段を用いて発信するまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定してもよい。任意の手段とは、例えば、SNS(Social Networking Service)である。
【0089】
(効果判定部134について)
効果判定部134は、第1特定部133により特定された行動に基づいて、広告効果を判定する。例えば、効果判定部134は、広告効果として、第1特定部133により特定された行動と、ユーザが接触した広告コンテンツとの関係性を判定する。また、効果判定部134は、広告効果として、第1特定部133により特定された行動に対する、ユーザが接触した広告コンテンツの影響力を判定する。
【0090】
例えば、効果判定部134は、第1特定部133により特定された行動と、ユーザが接触した広告コンテンツとの関係性として、
図1で説明したように、広告コンテンツに接触したからこそユーザが行った行動や、広告コンテンツへの接触に関係なくユーザが行った行動を判定(特定)する。
【0091】
(第2取得部135について)
第2取得部135は、施設外からの外来の信号に基づき、当該施設内でのユーザの位置測位ができない状態において、施設内での所定の空間の特徴に基づいて、施設内における前記ユーザの位置を示す位置情報を取得する。具体的には、第2取得部135は、施設内での所定の空間の特徴として、所定の空間に分布する地磁気の特徴に基づいて、位置情報を取得する。例えば、第2取得部135は、所定の空間に分布する磁気の特徴として、所定の空間に対象物が存在することに応じて前記所定の空間に分布する地磁気が変化する変化パターンに基づいて、位置情報を取得する。
【0092】
図2の例では、第2取得部135は、端末装置10から取得した計測結果データ、すなわちユーザU1の移動に応じて変化する地磁気(の強度)に基づいて、エリアAR5において地磁気が変化する変化パターンを算出する。そして、第2取得部135は、算出した変化パターンに基づいて、ユーザU1の現在地を示す位置情報を取得する。例えば、第2取得部135は、変化パターンと磁気マップMA1とのマッチングを行うことで、地磁気の時系列変化を特定する。そして、第2取得部135は、特定した時系列変化に基づいて、ユーザU1の遷移ルートを推定することで、ユーザU1の位置情報を取得(特定)する。
【0093】
(第2特定部136について)
第2特定部136は、第2取得部135により取得された位置情報に基づいて、施設内でユーザが行った行動を特定する。
図2の例では、第2特定部136は、第2取得部135により取得されたユーザU1の位置情報に基づいて、エリアAR5内でユーザU1が行った行動を特定する。
【0094】
(行動判定部137について)
行動判定部137は、第2特定部136により特定された行動に基づいて、施設内でユーザが所定の行動を行ったか否かを判定する。例えば、行動判定部137は、所定の行動として、所定の空間の中で取引対象(例えば、商品)が提供されている領域にユーザが訪問したか否かを判定する。また、例えば、行動判定部137は、所定の行動として、所定の空間の中で取引対象が陳列されている陳列棚(例えば、商品棚)にユーザが訪問したか否かを判定する。
【0095】
図2の例では、情報処理装置100がC1社から広告コンテンツの入稿を受け付けていることにより、ユーザU1がC1社の商品が陳列されている商品棚X1の前に来たか否かを判定する。
【0096】
(通知部138について)
通知部138は、効果判定部134により判定された広告効果を広告主に通知する(フィードバックする)。また、通知部138は、効果判定部134により判定された判定結果および判定結果に基づく広告効果を広告主に通知する(フィードバックする)。
【0097】
〔4.処理手順(1)〕
以下、
図7に示すフローチャートを用いて、実施形態にかかる情報処理装置100の各処理部が実行・実現する制御処理の内容について説明する。
図7は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示すフローチャートである。第1の情報処理については
図1を用いて説明済みのため、適宜、
図1の例を用いることにする。
【0098】
まず、モデル生成部131は、予測モデルを生成するタイミングであるか否かを判定する(ステップS101)。例えば、モデル生成部131は、行動情報記憶部121に十分な情報が蓄積されているか否かを判定し、蓄積されている場合には(ステップS101;Yes)、予測モデルを生成するタイミングであると判定し、
図1で説明したようにファネルを定義する(ステップS102)。一方、モデル生成部131は、行動情報記憶部121に十分な情報が蓄積されていない場合には(ステップS101;No)、予測モデルを生成するタイミングでないと判定し、予測モデルを生成するタイミングとなるまで待機する。また、モデル生成部131は、ステップS102で定義したファネル毎に予測モデルを生成する(ステップS103)。
【0099】
次に、第1取得部132は、ユーザの(現在)位置を示す位置情報、および、かかる位置での時刻を示す時刻情報を取得する(ステップS104)。例えば、第1取得部132は、各地のビーコンによって検知された位置情報および時刻情報をこのビーコンから取得する。
【0100】
次に、第1特定部133は、モデル生成部131により生成された予測モデルに対して、位置情報および前記時刻情報を入力することにより出力された確率であって、所定の行動へ至るまでの段階的な行動をユーザが行う確率に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する(ステップS105)。そして、効果判定部134は、第1特定部133により特定された行動に基づいて、広告効果を判定する(ステップS106)。そして、通知部138は、判定された広告効果を広告主に通知する(ステップS107)。
【0101】
なお、モデル生成部131は、行動情報記憶部121に記憶される行動情報だけでなく、第1特定部133により特定された行動を示す行動情報をさらに適用することで強化学習を行うことで、ファネル定義や予測モデルの生成を行うことができる。これにより、モデル生成部131は、より高精度な予測モデルを生成することができる。
【0102】
〔5.処理手順(2)〕
以下、
図8に示すフローチャートを用いて、実施形態にかかる情報処理装置100の各処理部が実行・実現する制御処理の内容について説明する。
図8は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示すフローチャートである。第2の情報処理については
図2を用いて説明済みのため、適宜、
図2の例を用いることにする。なお、
図8の例では、情報処理装置100は、磁気情報記憶部123において既に磁気マップのデータを有しているものとする。
【0103】
まず、第2取得部135は、エリアAR5において、ユーザU1の端末装置10により計測された地磁気の強度を示す計測結果データ(磁気データ)を端末装置10から取得できたか否かを判定する(ステップS201)。次に、第2取得部135は、計測結果データに基づいて、エリアAR5において地磁気が変化する変化パターンを算出する(ステップS202)。次に、第2取得部135は、変化パターンと磁気マップとのマッチングを行うことで、ユーザU1の位置情報を取得する(ステップS203)。例えば、第2取得部135は、マッチングにより地磁気の時系列変化を特定し、特定した時系列変化に基づいて、ユーザU1の遷移ルートを推定することで、ユーザU1の位置情報を取得する。
【0104】
次に、第2特定部136は、第2取得部135により取得された位置情報に基づいて、エリアAR5内でユーザが行った行動を特定する(ステップS204)。そして、行動判定部137は、第2特定部136により特定された行動に基づいて、エリアAR5内でユーザが所定の行動を行ったか否かを判定する(ステップS205)。そして、通知部138は、行動判定部137により判定された行動を広告主に通知する(ステップS206)。
【0105】
〔6.変形例〕
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0106】
〔6−1.属性情報〕
上記実施形態では、第1特定部133が、第1取得部132により取得された位置情報および時刻情報に基づいて、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動を特定する例を示した。しかし、第1特定部133は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動として、所定の属性情報に応じた行動を特定してもよい。かかる所定の属性情報は、例えば、ユーザ自体の属性情報(例えば、年齢、性別等)、ユーザが接触した広告コンテンツの属性情報、ユーザが接触した広告コンテンツが示す取引対象(例えば、商品やサービス等)の属性情報である。もちろん、所定の属性情報は、これらに限定されるものではない。
【0107】
かかる場合、モデル生成部131は、位置情報および時刻情報だけでなくさらに上記のような属性情報が入力された場合に、所定の行動へ至るまでの段階的な行動であって、入力された位置情報、時刻情報、属性情報に応じた段階的な行動をユーザが行う確率を出力する予測モデルを生成することになる。
【0108】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、広告コンテンツがユーザにどれだけ影響を与えたかをより高精度に判断することができる。また、情報処理装置100は、例えば、属性情報「男性」のユーザが、ある属性の広告コンテンツに接触した場合、ある施設に立ち寄ってからショップSH1に向かう、といった属性に応じた傾向を特定できるようになるため、広告主に対してより高度な広告戦略を行わせることができる。
【0109】
〔6−2.広告接触〕
また、第1特定部133は、所定の行動へ至るまでの段階的な行動のうち、ユーザが行う行動として、所定の行動へ至るまでの段階的な行動の中でユーザが接触した広告コンテンツに応じた行動を特定する。
【0110】
図1の例では、ユーザU1は、初めに端末装置10で広告コンテンツAD1に接触しているが、例えば、ショップSH1に到達するまでの間の経路や電車内において、広告コンテンツAD1に対応する(関連する)物理的な広告(例えば、看板等)にさらに接触することもある。このような物理的な広告に接触したか否かは、例えば、ビーコンによって取得可能である。そして、初めに広告コンテンツAD1に接触し、途中で、さらに広告コンテンツAD1に関連する広告コンテンツに接触するからこそ、ユーザは目的のショップに行きコンバージョンに至ったり、あるいは、それまでに特定の施設に立ち寄ったりするといった傾向が生まれるかもしれない。第1特定部133は、このような複数段階での広告コンテンツへの接触に応じた行動を特定する。かかる場合、モデル生成部131は、物理広告に対応する予測モデルを生成する。
【0111】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば、街中のどのような場所に看板広告等を出させるのがよいかの判断材料を広告主に与えることができる。
【0112】
〔6−3.音波で位置取得(1)〕
上記実施形態では、第2取得部135が、所定の空間に分布する磁気の特徴として、所定の空間に対象物が存在することに応じて所定の空間に分布する地磁気が変化する変化パターンに基づいて、位置情報を取得する例を示した。しかし、第2取得部135は、施設内での所定の空間の特徴として、所定の空間に分布する非可聴音に基づいて、位置情報を取得してもよい。具体的には、第2取得部135は、所定の空間において、異なる周波数の非可聴音で生成されたグリッドのうち、ユーザの端末装置10により検知された周波数に対応するグリッドに基づいて、位置情報を取得する。この点について、
図2の例を用いて説明する。
【0113】
例えば、エリアAR5には、非可聴音(例えば、20kHz帯)を出力するスピーカ(例えば、指向性スピーカー)が複数設置される。かかるスピーカーは、それぞれ異なる波長(周波数)の非可聴音を出力し、エリアAR5の壁等に沿って、例えば、エリアAR5を1周するように設置される。このような状態で、各スピーカーが非可聴音を出力すると、エリアAR5内に、異なる非可聴音でのグリッドが生じる。このため、エリアAR5内には、異なる波長の非可聴音が交わる点が複数生じることになる。この点では、音波の干渉が生じるため、固有の非可聴音が発生することになる。そして、情報処理装置100は、エリアAR5内のどの位置で固有の非可聴音が発生するかを示す情報を予め有しているものとする。
【0114】
ユーザU1の端末装置10に内蔵されているマイクは、非可聴音を収集可能であるため、収集した非可聴音を示す音声データを情報処理装置100に送信する。ここで、第2取得部135は、端末装置10から受信した音声データを解析し、例えば、その音声データが固有の非可聴音を示す場合には、その固有の非可聴音が発生する位置をユーザU1の位置として取得する。
【0115】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば、施設内において地磁気測位ができないような状況下においても、施設内でユーザが行った行動を高精度に特定することができる。
【0116】
〔6−4.音波で位置取得(2)〕
また、第2取得部135は、所定の空間に設置された出力装置が周期的に動作しながら出力する非可聴音をユーザの端末装置が検知したタイミングに基づいて、位置情報を取得する。この点について、
図2の例を用いて説明する。
【0117】
例えば、エリアAR5の両端(両隅)には、非可聴音(例えば、20kHz帯)を出力するスピーカー(例えば、指向性スピーカー)が1台ずつ設置される。これらのスピーカーは、自動で周期的な行動をするよう設定されている。例えば、一定の速さでスピーカー部分が首ふり行動を行うよう設定されている。一例を示すと、片方のスピーカーは、「14時00分00秒」には東方向を向き、時間経過に応じて反時計回りに首ふりし、「14時00分02秒」北方向を向く、といったものである。また、もう片方のスピーカーは、「14時00分00秒」には北方向を向き、時間経過に応じて反時計回りに首ふりし、「14時00分02秒」西方向を向く、といったものである。
【0118】
そして、ユーザU1の端末装置10のマイクは、上記のように決まった動きをする2台のスピーカーから出力される非可聴音をそれぞれ集音し、収集した非可聴音と、集音したときの時刻情報を示す音声データを情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、上記2台のスピーカーがいつどの方角を向いていたかがわかるようになっているとすると、第2取得部135は、端末装置10から受信した時刻情報に基づいて、時刻情報が示す時刻に各スピーカーがどの方角に非可聴音を出力していたかを特定することができる。このため、第2取得部135は、各スピーカーに対応する方角の交点であって、エリアAR5内に出来る交点の位置をユーザU1の位置として取得することができる。
【0119】
また、例えば、スピーカーが1台の場合には、第2取得部135は、交点を特定することはできなくなるが、その1台のスピーカーに対応する方角の延長線上にユーザU1がいると推測することができる。そして、第2取得部135は、音声データが示す音量に基づき、その延長線上のどの辺りで非可聴音が集音されたかを推測できるようになるため、推測した位置をユーザU1の位置として取得することができる。
【0120】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば、施設内において地磁気測位ができないような状況下においても、施設内でユーザが行った行動を高精度に特定することができる。
【0121】
〔6−5.光で位置取得(1)〕
また、第2取得部135は、施設内での所定の空間の特徴として、所定の空間に分布する不可視光に基づいて、位置情報を取得する。具体的には、第2取得部135は、所定の空間において、異なる波長の不可視光で生成されたグリッドのうち、ユーザの端末装置10により検知された波長に対応するグリッドに基づいて、位置情報を取得する。これは、上記「変形例6−3」で説明した例の不可視光バージョンである。
【0122】
例えば、エリアAR5には、不可視光(例えば、赤外線または紫外線)を出力する出力装置(光源)が複数設置される。かかる出力装置は、それぞれ異なる波長の不可視光を出力し、エリアAR5の壁等に沿って、例えば、エリアAR5を1周するように設置される。このような状態で、各出力装置が不可視光を出力すると、エリアAR5内に、異なる波長の不可視光でのグリッドが生じる。このため、エリアAR5内には、異なる波長の不可視光が交わる交点が複数生じることになる。この交点では、光の干渉が生じるため、固有の波長の不可視光が発生することになる。そして、情報処理装置100は、エリアAR5内のどの位置で固有の不可視光が発生するかを示す情報を予め有しているものとする。
【0123】
ユーザU1の端末装置10に内蔵されているセンサは、不可視光を検知可能であるため、検知した不可視光を示す光データを情報処理装置100に送信する。ここで、第2取得部135は、端末装置10から受信した光データを解析し、例えば、その光データが固有の波長の不可視光を示す場合には、その固有の波長の不可視光が発生する位置をユーザU1の位置として取得する。
【0124】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば、施設内において地磁気測位ができないような状況下においても、施設内でユーザが行った行動を高精度に特定することができる。
【0125】
〔6−6.光で位置取得(2)〕
また、第2取得部135は、所定の空間に設置された出力装置が周期的に動作しながら出力する不可視光をユーザの端末装置10が検知したタイミングに基づいて、位置情報を取得する。これは、上記「変形例6−4」で説明した例の不可視光バージョンである。
【0126】
例えば、エリアAR5の両端(両隅)には、不可視光(例えば、赤外線または紫外線)を出力する出力装置が1台ずつ設置される。これらの出力装置は、自動で周期的な行動をするよう設定されている。例えば、一定の速さで出力部分が首ふり行動を行うよう設定されている。一例を示すと、片方の出力装置は、「14時00分00秒」には東方向を向き、時間経過に応じて反時計回りに首ふりし、「14時00分02秒」北方向を向く、といったものである。また、もう片方の出力装置は、「14時00分00秒」には北方向を向き、時間経過に応じて反時計回りに首ふりし、「14時00分02秒」西方向を向く、といったものである。
【0127】
そして、ユーザU1の端末装置10のセンサは、上記のように決まった動きをする2台の出力装置から出力される不可視光をそれそれ検知し、検知した不可視光と、検知したときの時刻情報を示す光データを情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、上記2台の出力装置がいつどの方角を向いていたかがわかるようになっているとすると、第2取得部135は、端末装置10から受信した時刻情報に基づいて、時刻情報が示す時刻に各出力装置がどの方角に不可視光を出力していたかを特定することができる。このため、第2取得部135は、各出力装置に対応する方角の交点であって、エリアAR5内に出来る交点の位置をユーザU1の位置として取得することができる。
【0128】
また、例えば、出力装置が1台の場合には、第2取得部135は、交点を特定することはできなくなるが、その1台の出力装置に対応する方角の延長線上にユーザU1がいると推測することができる。そして、第2取得部135は、光データが示す強度に基づき、その延長線上のどの辺りで不可視光が検知されたかを推測できるようになるため、推測した位置をユーザU1の位置として取得することができる。
【0129】
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば、施設内において地磁気測位ができないような状況下においても、施設内でユーザが行った行動を高精度に特定することができる。
【0130】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。
図9は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0131】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0132】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0133】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0134】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0135】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0136】
〔8.その他〕
上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0137】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0138】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0139】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0140】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。