【課題を解決するための手段】
【0009】
解決手段
この課題は、本発明にしたがい、請求項1記載の電子ペン、および請求項14記載の方法により解決される。有利な実施形態および発展形態は、各従属請求項の対象となっている。
【0010】
本発明のペン位置検出を行う電子ペンは、例えば、少なくとも1つの電圧源と、少なくとも1つのディジタル制御ユニットと、少なくとも1つの力伝達エレメント、例えばペン芯または筆圧を伝達する類似のモジュールと、筆圧を測定する少なくとも1つの力センサまたは圧力センサとを含むことができる。
【0011】
このような力センサまたは圧力センサは、特に、例えばケーシングと当該ケーシングから突出して変位可能なピンとを備えていてよい。例えばここでは、当該ピンを、例えば電子ペンの長手軸線に沿った変位または電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な変位のために、変位可能に支持することができる。この場合、変位可能なピンは、例えばさらに、可能な力センサケーシングの表面に対して実質的に垂直に、上記ケーシングから突出していてよい。こうしたピンは測定ピンとも称されることがある。ここで、上記例示の力伝達エレメント、例えばペン芯は、例えば力センサの可能な測定ピンを押しずらしてこの測定ピンを変位させることができ、または、測定ピンを力センサと共に変位させることができる。
【0012】
筆圧を伝達する力伝達エレメントとは、ペン芯のほか、例えば回路基板もしくは回路板、または、例えば電子ペンのペン先、または、力センサに圧力を伝達する、特に筆圧を伝達するのに適した他のモジュールであってよいと理解される。またこの場合、力伝達エレメント、または、例示のペン芯、または、電子ペンの例示のペン先は、電子部品、例えば容量性の動作を行う電子部品を含んでいてよい。
【0013】
さらに、電子ペンは、少なくとも1つの弾性手段を備え、当該少なくとも1つの弾性手段は、少なくとも1つの力センサに作用する圧力から、これに対抗する力を形成することができるように構成可能である。
【0014】
ここで、力センサに作用する圧力は、例えば力伝達エレメント、例えばペン芯を介して力センサに伝達可能であり、ここで、例えば力伝達エレメント、例えばペン芯は、例えば電子ペンの使用時、例えば基板での筆記時に、ペン先、例えばペン芯頂部に生じる筆圧を、力センサへ伝達する。
【0015】
電子ペンの力伝達エレメント、例えばペン芯は、この場合、例えば電子ペンの長手軸線に沿った変位、または、電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な変位のために、変位可能に支持することができる。
【0016】
筆圧、または、少なくとも1つの力センサによって測定される圧力とは、例えば、力伝達エレメント、例えばペン芯が例えば筆記基板での筆記時に力センサに作用させ得る軸線方向圧力であってよいと理解される。
【0017】
したがって、言い換えれば、ここで例えば、少なくとも1つの力センサに作用する圧力により、例えば電子ペンでの筆記時に力伝達エレメントが筆記基板を押すまたは筆記基板に向かって押しつけられる際に、電子ペンの力伝達エレメント、例えばペン芯が、例えば電子ペンの長手軸線に沿ってまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に変位し、直接もしくは間接に少なくとも1つの力センサを押圧することになる。
【0018】
この場合、電子ペンの少なくとも1つの力センサは、同様に、電子ペンの長手軸線に沿って変位可能なように、または、電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に変位可能なように、配置可能である。
【0019】
少なくとも1つの弾性手段は、少なくとも1つの力センサの圧力負荷限界が超過されないよう、力センサに作用する力を制限または減衰または低減または弛緩させるように構成可能である。
【0020】
また、電子ペンは、例えばストッパの形態の少なくとも1つの停止手段を備えていてよい。当該停止手段は、力伝達エレメント、例えばペン芯を、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、力伝達エレメントの設定された変位路の後方で停止させるように構成可能である。
【0021】
選択的な停止手段または選択的なストッパは、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位可能域を制限する、特にペンのペン先、例えばペン芯頂部とは反対側の端部の方向での力伝達エレメントの変位可能域を制限するためのものであり、これは例えば電子ペンのケーシングのリブとして構成可能である。
【0022】
よって、停止手段またはストッパまたはリブは、力伝達エレメント、例えばペン芯の、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な変位を制限することができる。
【0023】
同時に、停止手段またはストッパまたはリブは、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、力センサの変位可能域が、当該停止手段によって制限または限定されないように構成可能である。言い換えれば、停止手段またはストッパまたはリブは、力センサの可能な変位路の可能長さが、力伝達エレメント、例えばペン芯の可能な変位路の最大可能長さよりも大きくなり得るように構成可能である。
【0024】
例えば、力伝達エレメント、例えばペン芯の直径は力センサの平均直径よりも大きくてよいので、例えば停止手段またはストッパを、中央に断部を有するリブによって電子ペンのケーシング内に実現することができる。
【0025】
代替的にまたは付加的に、停止手段を力センサに組み込み、例えば力センサケーシングの部分とすることもできる。例えば、特に、例えば例示の可能な測定ピンを押しずらしこれを変位させ得る力伝達エレメントを力センサケーシングまたはその測定ピンでない部分に載置し、これにより力伝達エレメントの可能な変位路の最大可能長さを制限することができるように、力センサケーシングおよび/または力伝達エレメントを構成可能とすることができる。この場合、こうした選択的なリブの配置または幾何学寸法の選択および/または壁厚さの選択は、例えば幾何学寸法に依存して、例えば力センサの高さもしくは幅に依存して、および/または、力伝達エレメント、例えばペン芯の設定された変位路に依存して、行うことができる。
【0026】
力センサが力伝達エレメントよりも大きい場合、例えば力伝達エレメントの、ペン先とは反対側の端部での直径内の復帰運動により、例えば復帰運動後に力伝達エレメントの一部しかリブ内へ沈み込まないことで、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位路を制限する類似の手段を提供可能である。
【0027】
ここで、力伝達エレメント、例えばペン芯の例示の設定された変位路、または、少なくとも1つの停止手段の位置は、変位路の全長にわたって、少なくとも1つの力センサに作用する圧力または少なくとも1つの弾性手段によって形成される圧力が力センサの圧力負荷限界を下回るように、選定可能である。
【0028】
少なくとも1つの力センサに作用する圧力に対抗するように少なくとも1つの弾性手段によって形成される上記力は、特に、例えば力伝達エレメント、例えばペン芯の変位によって力センサに作用する圧力が弾性手段を変形させ、その弾性に基づく変形から、少なくとも1つの力センサに作用する圧力とは反対方向に働く対抗力、例えばばね力を生じさせることで、形成可能である。
【0029】
力伝達エレメント、例えばペン芯は、圧力、例えば筆圧の作用時、力が大きくなるにしたがって、いっそう奥に向かって/弾性手段への方向で、変位し得る。典型的には、例えば、筆記時には、約2N〜3Nの筆圧または押圧力を得ることができる。ただし、電子ペンが落下後に床に衝突した場合などの例外的なケースにおいては、力伝達エレメント、例えばペン芯または力センサに著しく大きな力が生じ得る。
【0030】
したがって、弾性手段に加え、電子ペンが、例えば上記停止手段または上記ストッパとは別の力制限部を備えていてもよい。
【0031】
力伝達エレメント、例えばペン芯に作用する圧力が充分に大きく、ここから得られる力伝達エレメントの変位幅が充分である場合、例えば力伝達エレメントは、停止手段、例えばストッパまたはリブを押圧することができる。
【0032】
ここで、電子ペンは、停止手段またはストッパに到達した際に生じる力が例えば5N〜50N、特には例えば10N〜15Nとなり得るように構成可能である。
【0033】
本発明の電子ペンは、例えば、少なくとも1つの弾性手段の弾性により、少なくとも1つの力センサに作用する圧力が当該弾性手段の変位に比例するという利点を提供する。
【0034】
したがって、本発明の電子ペンは、少なくとも1つの力センサの圧力負荷限界が超過されないよう、力センサに作用する力を減衰または低減または弛緩させることができる。
【0035】
ここで、力センサの潜在的に可能な変位路は、力伝達エレメント、例えばペン芯の可能な変位路よりも大きくてよく、好ましくは大きくすべきであり、これにより、力センサに作用する力または圧力を、例えば力伝達エレメント、例えばペン芯が停止手段へ到達したときまたはストッパへ到達したときに力センサに生じる値にまで制限することができる。
【0036】
この場合、例えば、力センサの可能な変位路は、電子ペンの可能な筆記角度に対する可能な制限を回避または最小化することができるように選定可能であり、さらに、力伝達エレメント、例えばペン芯の偏倚もしくは弛緩もしくは減衰がユーザを苛つかせないように選定可能である。
【0037】
例えば、電子ペンは、力センサの可能な変位路が例えば0.2mm〜0.5mmとなり得るように形成可能である。
【0038】
これにより、電子ペンのロバスト性および壊れやすさを改善することができる。なぜなら、少なくとも1つの力センサを、例えば電子ペンが堅い地面に落下もしくは衝突した場合または電子ペンが不適切に使用された場合に生じる圧力過負荷による損傷から保護することができるためである。
【0039】
さらに、弾性手段は、例えばばね応力によって、力センサおよび力伝達エレメント、例えばペン芯を含むユニットまたはモジュール群に予バイアスを生じさせることができ、これにより、無負荷の電子ペンにおける力センサおよび/または力伝達エレメント、例えばペン芯の脱離およびずれなく、例えば寸法の製造差を容易に補償することができる。
【0040】
この場合、電子ペンの少なくとも1つの弾性手段は、例えば、ばねエレメントを含んでいてよい。
【0041】
ここで、ばねエレメントは、例えば撓みばね、例えば板ばねとして構成可能である。
【0042】
また、他の弾性手段、例えば脚状ばね、コイルばね、または、液体の充填された弾性クッションもしくは弾性フォームなどの他の弾性エレメント、または、例えばトーションばねもしくは皿ばねなどの他のばねエレメント構成も可能である。
【0043】
電子ペンの少なくとも1つの弾性手段は導電性を有していてよく、当該弾性手段の一部を、例えば少なくとも1つの電圧源の極性コンタクト、例えば負極コンタクトとして用いることができる。
【0044】
同様に、少なくとも1つの力センサの一部、例えば少なくとも1つの力センサの電気接続線路の一部は、少なくとも電圧源の極性コンタクト、例えば正極コンタクトとして用いることができる。
【0045】
これにより例えば構造スペースおよび構造部材を節約することができ、よりコンパクトでより安価な電子ペンの構造を実現することができる。
【0046】
電子ペンの少なくとも1つの力センサは、例えば少なくとも1つのフレキシブル電気導体を介して、少なくとも1つの電圧源および少なくとも1つの弾性手段に接続可能である。
【0047】
ここで、フレキシブル電気導体とは、例えばフレックス基板および/またはフレキシブルフラットバンド電気ケーブルであってよいと理解される。
【0048】
さらに、少なくとも1つの力センサおよび少なくとも1つの電圧源は、電子ペンの長手軸線に沿って共通に変位可能なように、または、電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に個々にもしくは共通に変位可能なように、配置可能である。
【0049】
共通の変位は、ここでは、少なくとも1つの弾性手段に向かってまたはその方向で行うことができる。
【0050】
力センサの変位は、例えば、反対方向すなわち弾性手段から離れる方向でも可能である。よって、特に、例えば力センサは、場合により当該力センサに接続される選択的な第2の回路板もしくは補助基板と共に、電圧源の使用時に、設定された出発位置へ移動させることができる。
【0051】
ここで、フレキシブル電気導体を使用することにより、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、力センサの変位および/または少なくとも1つの電圧源の変位を、容易に行うことができる。
【0052】
電子ペンの少なくとも1つの弾性手段は、通常、第1の回路板に接続することができ、または、第1の回路板上に配置することができる。
【0053】
当該例示の第1の回路板は、例えば電子ペンの少なくとも1つの力センサのデータを評価する例えば少なくとも1つのディジタル制御ユニットを上部に配置可能な、例えばプロセッサ回路板であってよい。
【0054】
電子ペンの少なくとも1つの力センサは、通常、第2の回路板に接続可能であり、または、第2の回路板上に配置可能である。
【0055】
当該例示の第2の回路板は、例えば電子ペンのケーシングに固定に接続可能であって、例えば電子ペンの位置測定および運動測定のためのセンサ装置を上部に配置可能な、センサ回路板であってよい。これにより、例えばセンサ装置は頂部近傍に取り付け可能となり、これによりペン先もしくはペン芯頂部の運動を特に良好に検出することができる。
【0056】
ここで、少なくとも1つの力センサは、上述したように、少なくとも1つのフレキシブル電気導体を介して、少なくとも1つの電圧源および少なくとも1つの弾性手段に接続可能である。
【0057】
また、例えば少なくとも1つの力センサは、少なくとも1つのフレキシブル電気導体のフレキシブル分岐を介して、第2の回路板に接続可能である。
【0058】
少なくとも1つのフレキシブル電気導体のフレキシブル分岐を使用して、少なくとも1つの力センサへの接続および/または少なくとも1つの力センサと選択的な第2の回路板もしくは補助基板との選択的接続を行うことにより、特に、少なくとも1つの力センサおよび/または選択的な第2の回路板もしくは補助基板を、少なくとも1つのフレキシブル電気導体の設定平面から屈曲させ、これにより例えば少なくとも1つの力センサもしくはその接触面を、ペン芯に対して実質的に垂直に配置し得る構成が可能となる。
【0059】
この場合、一方では、少なくとも1つの力センサおよび少なくとも1つの電圧源および第2の回路板は、電子ペンの長手軸線に沿って共通に変位可能でありもしくは共通に変位可能なように配置可能であり、または、電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に共通に変位可能でありもしくは共通に変位可能なように配置可能である。
【0060】
共通の変位は、ここでは、少なくとも1つの弾性手段に向かってまたはその方向で行うことができる。
【0061】
こうした例示の配置、すなわち、共通に変位可能な、少なくとも1つの力センサおよび少なくとも1つの電圧源および第2の回路板を含むモジュール群を、フレキシブル電気導体を介して相互に接続し、少なくとも1つの力センサを、フレキシブル電気導体のフレキシブル分岐を介して第2の回路板に接続する構成は、同様に、例えば停止手段、例えばストッパに向かっての変位により、例えばペン芯が力センサに作用させる圧力が吸収されることを制限することができる。
【0062】
電子ペンは、上述したように、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、力伝達エレメント、例えばペン芯の設定された変位路の後方で、力伝達エレメント、例えばペン芯を停止させるように構成可能な、少なくとも1つの停止手段を備えていてよい。
【0063】
ここで、力伝達エレメント、例えばペン芯の例示の設定された変位路、または、少なくとも1つの停止手段の位置は、変位路の全長にわたって、少なくとも1つの力センサに作用する圧力または少なくとも1つの弾性手段によって形成される圧力が力センサの圧力負荷限界を下回るように選定可能である。
【0064】
電子ペンの筆圧を測定する力センサの過負荷を回避する例示の方法であって、電子ペンは、少なくとも1つの電圧源と、少なくとも1つのディジタル制御ユニットと、1つの力伝達エレメント、例えばペン芯と、筆圧を測定する少なくとも1つの力センサと、少なくとも1つの力センサに作用する圧力からこれに対抗する力を形成するように構成された少なくとも1つの弾性手段とを含み、本方法は、例えば、
・力伝達エレメント、例えばペン芯を電子ペンの長手軸線に沿って変位させて、または、力伝達エレメントを電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に変位させて、少なくとも1つの力センサに圧力を作用させ、少なくとも1つの力センサを、電子ペンの長手軸線に沿ってまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行に、少なくとも1つの弾性手段への方向で、少なくとも1つの弾性手段によって形成可能な力、例えばばね力に対抗するように変位させるステップ、
・力伝達エレメント、例えばペン芯の上記変位によって少なくとも1つの力センサに作用する圧力を、少なくとも1つの弾性手段により、すなわち、力伝達エレメントの変位路を制限することにより、または、弾性手段が変形もしくは圧縮によって形成する力、例えばばね力であって、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位が少なくとも1つの力センサに作用させる圧力とは反対方向に働く力により、低減するステップ、
の各ステップを含む。
【0065】
ここで、例えば、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、少なくとも1つの弾性手段への方向での、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位路の長さは、変位路の全長にわたって、少なくとも1つの力センサに作用する圧力または例えば少なくとも1つの弾性手段によって形成される力、例えばばね力が力センサの圧力負荷限界を下回ることができるように選択可能または設定可能である。
【0066】
さらに、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、少なくとも1つの弾性手段への方向での、例えば力伝達エレメント、例えばペン芯の変位路の後方で、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位運動を、少なくとも1つの停止手段により停止または制限することができる。ここで、変位路においては、その全長にわたって、少なくとも1つの力センサに作用する圧力が力センサの圧力負荷限界を下回る。
【0067】
上述したように、さらに、力センサが変位可能に支持された測定ピンを備えていてもよい。当該測定ピンは、例えば、電子ペンの長手軸線に沿った変位または電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な変位のために構成される。
【0068】
この場合、上記例示の力伝達エレメント、例えばペン芯は、例えば力センサの上記例示の可能な測定ピンを押しずらしてこれを変位させ、このときに例えば当該測定ピンの少なくとも一部を力センサケーシング内へ押し込むことができ、または、測定ピンを力センサと共に変位させることができる。
【0069】
力伝達エレメント、例えばペン芯の変位可能域を制限するための、特にペンのペン先とは反対側の端部への方向での力伝達エレメントの変位可能域を制限するための選択的な停止手段または選択的なストッパは、上述したように、例えば電子ペンのケーシングのリブとして構成可能である。
【0070】
よって、停止手段またはストッパまたはリブは、電子ペンの長手軸線に沿ったまたは電子ペンの長手軸線に対して実質的に平行な、力伝達エレメント、例えばペン芯の変位を、このときに力センサの変位可能域を制限することなく、制限可能である。
【0071】
ここで、こうした選択的なリブの配置またはその幾何学寸法の選択および/または壁厚さの選択は、上述したように、例えば力センサの幾何学寸法、例えば高さもしくは幅に依存して、および/または、力伝達エレメント、例えばペン芯の設定された変位路に依存して、行うことができる。
【0072】
例えば、選択的なリブの壁厚さは、力センサの高さもしくは長さから、力伝達エレメント、例えばペン芯の所望の設定された変位路を減算した値とほぼ等しくてよい。
【0073】
また上述したように、代替的にもしくは付加的に、力センサ自体を停止手段として機能させまたは構成してもよい。
【0074】
例えば、特に、力センサケーシングおよび/または力伝達エレメントは、例えば例示の可能な測定ピンを押しずらしてこれを変位させ得る力伝達エレメントを、力センサケーシングのうち測定ピンでない部分上に載置し、これにより力伝達エレメントの可能な変位路の最大可能長さを制限することができるように形成可能であってよい。
【0075】
したがって、電子ピンの少なくとも1つの力センサを、例えば落下または不適切な使用に基づく圧力過負荷による損傷から保護することができる。
【0076】
以下の図は、次のことを例示している。