(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
端末からSIM(Subscriber Identity Module)の識別子を含む接続要求を受信した場合、該端末を、前記SIMの識別子に対応付けられている接続先のAPN(Access Point Name)に接続させる接続ノードと、
前記SIMの利用状態の変化に応じて、前記SIMの識別子に対応付ける前記接続先のAPNを変更し、前記SIMの識別子と前記接続先のAPNとの対応関係を前記接続ノードに配信する管理サーバと、
回線開通処理が行われていない前記SIMの識別子について回線開通処理を行う回線開通処理サーバと、
を具備し、
前記接続ノードは、
前記回線開通処理が行われていない前記SIMの識別子を含む接続要求を、前記回線開通処理サーバに接続する特定のAPNに送信し、
前記管理サーバは、
前記SIMの識別子とパートナーコードとの対応関係、及び、前記パートナーコードと前記接続先のAPNとの対応関係を管理し、
前記SIMの識別子の回線開通処理が行われた場合、前記SIMの識別子に対応付ける接続先を、前記SIMの識別子に対応付けられている前記パートナーコードのAPNに変更し、前記SIMの識別子と前記変更後の接続先のAPNとの対応関係を前記接続ノードに配信し、
前記変更後のAPNに接続した、前記SIMの識別子に係る端末に対して、前記パートナーコードに関連付けられている広告を配信し、
前記SIMの識別子に対して、前記配信された広告の閲覧数に応じて使用可能なデータ通信量を割り当てる、
接続制御システム。
SIM(Subscriber Identity Module)の識別子とAPN(Access Point Name)との対応関係を管理する管理サーバであって、
前記SIMの利用状態の変化を検知する利用状態変化検知部と、
前記SIMの利用状態が変化した場合、前記SIMの識別子に対応付ける接続先のAPNを変更し、前記SIMの識別子と前記接続先のAPNとの対応関係を接続ノードに配信する接続ノード制御部と、
を具備し、
前記接続ノード制御部は、
前記SIMの識別子とパートナーコードとの対応関係、及び、前記パートナーコードと前記接続先のAPNとの対応関係を管理し、
前記SIMの識別子の回線開通処理が行われた場合、前記SIMの識別子に対応付ける接続先を、前記SIMの識別子に対応付けられている前記パートナーコードのAPNに変更し、前記SIMの識別子と前記変更後の接続先のAPNとの対応関係を前記接続ノードに配信し、
前記変更後のAPNに接続した、前記SIMの識別子に係る端末に対して、前記パートナーコードに関連付けられている広告を配信し、
前記SIMの識別子に対して、前記配信された広告の閲覧数に応じて使用可能なデータ通信量を割り当てる、
管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではない。
【0012】
<接続制御システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る接続制御システム1の構成例を示すブロック図である。接続制御システム1は、ユーザ管理サーバ10、SIM−ID(Identification)管理サーバ12、回線開通処理サーバ14、接続ノード16、及び、APN#0〜#n(nは1以上の整数)を備える。
【0013】
ユーザ管理サーバ10、SIM−ID管理サーバ12、回線開通処理サーバ14、及び、接続ノード16は、通信ネットワーク8を介して互いに接続されている。
【0014】
APN#0〜#nは、端末20の接続先となる物理的又は論理的なノードであり、それぞれ、接続ノード16に接続されている。APN#0は、
図1の矢印E1に示すように、端末20からのアクセス先を回線開通処理サーバ14に論理的に限定する特別なAPNである。APN#1〜#nは、それぞれ、通信事業者によってパートナー企業に割り当てられ、特有の条件が設定される。APN#1〜#nは、それぞれ、その設定された特有の条件に基づいて、端末20からネットワーク9へのアクセスを制御する。特有の条件の詳細については後述する。ただし、APN#1〜#nは、特有の条件を提供するものに限られず、通常のAPNであってもよい。
【0015】
なお、各APNと接続ノード16との間には、GGSN(Gateway GPRS Support Node)/P−GW(PDN(Packet data network) Gateway)が配置されてもよい。また、接続ノード16はSGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Support Node)/MME(Mobility Management Entity)であってもよい。
【0016】
ユーザ管理サーバ10は、
図2に示すユーザ管理テーブル200を記憶し、ユーザの識別子(以下「ユーザID」という)と、SIMの識別子(以下「SIM−ID」という)と、パートナーコードとを対応付けて管理する。ユーザIDは、例えば、メールアドレス又は所定サービスのアカウントID等である。SIM−IDは、プリペイドSIMの識別子であり、例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、又は、MSISDN(Mobile Subscriber Intergrated Service Digital Network Number)、ICCID(Integrated Circuit Card ID)である。パートナーコードは、例えば、接続制御システム1を提供する通信事業者によって、各パートナー企業に割り当てられるコードである。
【0017】
また、ユーザ管理サーバ10は、
図3に示すパートナー管理テーブル250を記憶し、パートナーコードとAPN変換フラグ値とを対応付けて管理する。APN変換フラグ値は、回線開通後のAPNを示す値である。APN変換フラグ値は、数値、文字列、又はそれらの組み合わせである。
【0018】
また、ユーザ管理サーバ10は、機能として、利用状態変化検知部120と、接続ノード制御部122とを有する。
【0019】
利用状態変化検知部120は、回線開通処理サーバ14から入力される情報等に基づいて、SIM−IDの利用状態の変化を検知し、検知結果を接続ノード制御部122に出力する。SIM−IDの利用状態の変化とは、例えば、プリペイドSIMのSIM−IDの回線開通処理が行われる前の状態から、回線開通処理が完了した状態への変化等である。
【0020】
接続ノード制御部122は、利用状態変化検知部120が所定のSIM−IDの利用状態の変化を検知した場合、ユーザ管理テーブル200およびパートナー管理テーブル250を参照して、利用状態が変化したSIM−IDに対応するAPN変換フラグ値を特定する。そして、接続ノード制御部122は、特定したSIM−IDのAPN変換フラグ値の変更指示をSIM−ID管理サーバ12に送信する。なお、変更指示には、特定したSIM−ID及びこれに対応するAPN変換フラグ値が含まれる。
【0021】
SIM−ID管理サーバ12は、
図4に示すAPN変換テーブル300を記憶し、SIM−IDとAPN変換フラグ値とを対応付けて管理する。回線開通前のSIM−IDに対応するAPN変換フラグ値は「APN#0」となる。SIM−ID管理サーバ12は、ユーザ管理サーバ10からAPN変換フラグ値の変更指示を受信した場合、該変更指示を接続ノード16に送信するとともに、APN変換テーブル300の、変更指示に含まれるSIM−IDのAPN変換フラグ値を変更する。
【0022】
なお、ユーザ管理サーバ10とSIM−ID管理サーバ12とが1つの管理サーバである場合は、ユーザ管理サーバ10の接続ノード制御部122が、変更指示を直接、接続ノード16に送信する。
【0023】
回線開通処理サーバ14は、回線開通処理が行われていないSIM−IDについて、回線開通処理を行うためのサービスを提供する。例えば、回線開通処理サーバ14は、SIM−IDの回線開通処理が行われていないプリペイドSIMを備える端末20に対して、回線開通処理用のWEBページを提供する。また、回線開通処理サーバ14は、回線開通を要求した端末20に対して、プリペイドSIMのSIM−IDの回線開通処理を行い、回線開通処理が完了したことをユーザ管理サーバ10に通知する。
【0024】
接続ノード16は、SIM−ID管理サーバ12と同様に、
図4に示すAPN変換テーブル350を記憶し、SIM−IDとAPN変換フラグ値とを対応付けて管理する。回線開通前のプリペイドSIMのSIM−IDに対応するAPN変換フラグ値は「APN#0」となる。接続ノード16は、SIM−ID管理サーバ12から変更指示を受信した場合、APN変換テーブル350の、変更指示に含まれるSIM−IDのAPN変換フラグ値を変更する。また、接続ノード16は、端末20からSIM−IDを含む接続要求を受信すると、APN変換テーブル350を参照して、その端末20の接続先となるAPNを選択し、選択したAPNに端末20を接続させる。
【0025】
<処理フロー>
次に、接続制御システム1における処理フローについて説明する。
【0026】
まず、ユーザID「U001」のユーザを例に、プリペイドSIMの申し込みをしてからユーザ管理サーバ10にSIM−IDが登録されるまでの処理の流れについて、
図5及び
図2〜
図4を参照して説明する。
【0027】
プリペイドSIMの申し込みを行うユーザは、パートナー企業から、パートナーコード「AAA」を受け取る。そして、ユーザは、ユーザ管理サーバ10(通信事業者)に対して、SIMの申し込みを行う(ST100)。このとき、ユーザは、自分のユーザID「U001」、及び、パートナー企業から受け取ったパートナーコード「AAA」を、ユーザ管理サーバ10に提供する(ST102)。
【0028】
ユーザ管理サーバ10は、ST102で提供されたユーザID「U001」と、パートナーコード「AAA」とを対応付けて、ユーザ管理テーブル200に登録する(ST104)。この処理により、ユーザ管理テーブル200において、ユーザID「U001」と、パートナーコード「AAA」とが対応付けられる。なお、ユーザIDとSIM−IDとの対応付けは、後述のST218で行われる。
【0029】
次に、ユーザID「U001」のユーザを例に、ユーザがプリペイドSIMを受け取ってから、端末20が特有のサービスを受けることができるパートナー企業のAPNに接続するまでの処理の流れについて、
図6及び
図2〜
図4を参照して説明する。ただし、パートナー企業のAPNは、特有のサービスを提供するものに限られず、通常のサービスを提供するものであってもよい。また、SIM−ID管理サーバ12及び接続ノード16には、通信事業者によって、事前に、登録前のSIM−IDとAPN変換フラグ値「APN#0」とが対応付けられた状態のAPN変換テーブル300、350が保持される。
【0030】
ユーザは、通信事業者の店舗で、ST100で申し込んだプリペイドSIMを受け取る(ST200)。例えば、ユーザが、旅行等で一時的に国内に滞在する海外ユーザである場合、そのユーザは、海外においてWEBサイトを通じてプリペイドSIMを申し込み、国内に到着したときに、通信事業者の店舗で、申し込んだプリペイドSIMを受け取る。そして、ユーザは、スマートフォン等の端末20にそのプリペイドSIMを装着する(ST202)。
【0031】
端末20は、ユーザの操作により、接続ノード16に対して、プリペイドSIMのSIM−IDを含む接続要求を送信する(ST204)。
【0032】
接続ノード16は、ST204の接続要求を受信すると、APN変換テーブル350を参照し、該接続要求に含まれるSIM−ID「100」に対応付けられているAPN変換フラグ値を確認する。SIM−ID「100」にはAPN変換フラグ値「APN#0」が対応付けられているので、接続ノード16は、端末20をAPN#0に接続させる(ST206)。APN#0はアクセス先を回線開通処理サーバ14に論理的に限定しているので、端末20は、強制的に回線開通処理サーバ14に接続される(ST208)。接続ノード16は、端末20からの接続要求をAPN#0を介して回線開通処理サーバ14に送信する。
【0033】
回線開通処理サーバ14は、端末20からの接続要求を受信すると、APN#0及び接続ノード16を介して、端末20に回線開通処理用のWEBページを送信する(ST210)。端末20は、ST210のWEBページを受信すると、表示部の画面に該WEBページを表示し、ユーザからの入力を待つ。ユーザは、該WEBページに、プリペイドSIMの申し込みのときに提供したユーザID「U001」とプリペイドSIMのSIM−ID「100」とを入力する(ST212)。
【0034】
端末20は、ST212で入力されたユーザID「U001」及びSIM−ID「100」を含む回線開通要求を、接続ノード16及びAPN#0を介して、回線開通処理サーバ14へ送信する(ST214)。
【0035】
回線開通処理サーバ14は、ST214の回線接続要求を受信すると、回線接続要求に含まれるSIM−ID「100」の回線を開通させるために、回線開通に係る更新指示を、通信ネットワーク8を介して、ユーザ管理サーバ10へ送信する(ST216)。回線開通に係る更新指示には、ユーザID「U001」及びSIM−ID「100」が含まれる。
【0036】
ユーザ管理サーバ10は、ST216の回線開通に係る更新指示を受信すると、ユーザ管理テーブル200から、該更新指示に含まれるユーザID「U001」と一致するユーザIDを特定し、この特定したユーザID「U001」にSIM−IDが対応付けられているか否かを判定する。ユーザID「U001」にSIM−IDが対応付けられていない場合、ユーザ管理サーバ10は、ユーザ管理テーブル200において、この特定したユーザID「U001」に対して、更新指示に含まれるSIM−ID「100」を対応付ける(ST218)。この処理により、ユーザ管理サーバ10は、ユーザID「U001」のユーザに提供したプリペイドSIMの利用状態を変化させる処理を開始する。
【0037】
すなわち、ユーザ管理サーバ10は、SIM−ID「100」の接続先APNを特定する。具体的には、ユーザ管理サーバ10は、ユーザ管理テーブル200を参照し、ユーザID「U001」に対応付けられているパートナーコード「AAA」を特定する。さらに、ユーザ管理サーバ10は、パートナー管理テーブル250を参照し、パートナーコード「AAA」に対応付けられているAPN変換フラグ値「APN#1」を特定する。そして、ユーザ管理サーバ10は、APN変換フラグ値の更新指示をSIM−ID管理サーバ12へ送信する(ST220)。APN変換フラグ値の更新指示には、ユーザID「U001」、SIM−ID「100」、及び、特定したAPN変換フラグ値「APN#1」が含まれる。
【0038】
SIM−ID管理サーバ12は、ST220の更新指示を受信すると、APN変換テーブル300において、更新指示に含まれるSIM−ID「100」に対応付けるAPN変換フラグ値300を、「APN#0」から「APN#1」に変更する(ST221)。
【0039】
次に、SIM−ID管理サーバ12は、APN変換テーブル300の更新完了通知を、ユーザ管理サーバ10及び回線開通処理サーバ14へ送信する。また、SIM−ID管理サーバ12は、APN変換フラグ値の更新指示を、接続ノード16へ送信する(ST222)。APN変換フラグ値の更新指示には、SIM−ID「100」、及び、特定したAPN変換フラグ値「APN#1」が含まれる。
【0040】
接続ノード16は、ST222の指示を受信すると、APN変換テーブル350において、その受信したSIM−ID「100」に対応付けるAPN変換フラグ値を、「APN#0」から「APN#1」に変更する。さらに、接続ノード16は、端末20からの接続をいったん切断する(ST224)。
【0041】
端末20は、ST224の切断を検知すると、接続ノード16に対してSIM−IDを含む接続要求を送信し、再接続を試みる(ST226)。
【0042】
接続ノード16は、ST226の接続要求を受信すると、APN変換テーブル350において、その受信したSIM−ID「100」にAPN変換フラグ値「APN#1」が対応付けられているので、端末20をAPN#1に接続させる(ST228)。この処理により、端末20の接続先がAPN#0からAPN#1に自動的に切り換わる。
【0043】
また、回線開通処理サーバ14(又はユーザ管理サーバ10)は、SIM−ID管理サーバ12からAPN変換テーブル300の更新完了通知を受信すると、APN#1及び接続ノード14を介して、端末20に対して、回線開通処理が完了した旨を示すWEBページを送信する(ST230)。
【0044】
<効果>
以上のように、本実施の形態では、接続制御システム1は、端末20がネットワークに接続した後、端末20のプリペイドSIMの回線開通処理が完了するまで、端末20をAPN#0に接続させ、端末20のプリペイドSIMの回線開通処理が完了した後、端末20をパートナーコードに対応するAPN(APN#1等)に接続させる構成を採る。この構成により、接続制御システム1は、プリペイドSIMの利用状態の変化に応じて、ネットワークに接続中の端末の接続先APNを自動的に切り換えできる。
【0045】
<パートナーコードとAPNについて>
パートナーコードは、上述の通り、パートナー企業に割り当てられるコードである。また、APNには、特有の条件を設定できる。通信事業者は、パートナー企業に割り当てたパートナーコードに対して、そのパートナー企業が所望する特有の条件を有するAPNへのAPN変換フラグ値を対応付ける。例えば、APNには、次のような特有の条件を設定できる。なお、特有の条件は複数組み合わせて設定されてもよい。
【0046】
・APNに接続した端末に対して、パートナー企業の広告を配信する設定。
・APNに接続した端末とパートナー企業のサーバとの間のデータ通信量をカウントしない設定。
・APNに接続した端末に対してパートナー企業の広告を配信し、その広告の閲覧数に応じて、端末(プリペイドSIM)にデータ通信量を贈与する(つまり割り当てる)設定。
・APNに接続した端末とパートナー企業のサーバとの間における通信速度の制限を解除する設定。
・APNに接続した端末をパートナー企業のサーバに強制的(又は優先的)に接続させる設定。
【0047】
既出のとおり、本実施の形態では、パートナーコードとAPNとを対応付ける。この対応付けにより、通信事業者、パートナー企業、及び、ユーザの全てにメリットのあるシステムを実現することができる。
【0048】
すなわち、通信事業者は、ユーザに対する自社のプリペイドSIMの広告及び宣伝をパートナー企業に依頼できる。この広告及び宣伝により、より多くのユーザが自社の通信網を利用する可能性が高まる。特に、旅行等で一時的に国内に滞在するインバウンドのユーザに対して、海外のパートナー企業を通じて、自社のプリペイドSIMを広告及び宣伝できる。
【0049】
パートナー企業は、プリペイドSIMを利用する際に自社のパートナーコードを登録したユーザを、自社のサービスに誘導できる。例えば、パートナー企業は、そのユーザに対して、自社の広告を配信したり、自社のサービスを優先的に利用させたりできる。
【0050】
<プリペイドSIMの利用状態の変化の変形例>
上述では、プリペイドSIMの利用状態の変化の例として、SIM−IDの回線開通前から回線開通後への変化を説明した。他にも、プリペイドSIMの利用状態の変化の例には、次の(A1)〜(A3)のようなケースもある。
【0051】
(A1)プリペイドSIMの有効期限切れ
プリペイドSIMの有効期限が切れた場合、APN変換テーブル300において、その有効期限が切れたSIM−IDに対応付けるAPN変換フラグ値を、「APN#0」に変更する。例えば、
図7に示すように、パートナー管理テーブル250において、パートナーコード及びAPN変換フラグ値に、さらに有効条件が対応付けられている。有効条件は、パートナーコードに対応するAPN変換フラグ値が有効となるための条件である。ここで、パートナーコード「AAA」に有効条件「15日間」が設定されている場合、接続制御システム1は、次の処理を行う。すなわち、接続制御システム1は、ユーザ管理テーブル200においてパートナーコード「AAA」が対応付けられているSIM−ID「100」からAPN#1への接続を、回線開通後から15日間が経過するまで有効とし、その15日間を経過した時点で無効とし、「APN#0」への接続に変更する。この処理により、プリペイドSIMの有効期限が切れた場合、端末20の接続先が、自動的に回線開通処理サーバ14に切り換わる。
【0052】
(A2)パートナーコードの変更
ユーザID又はSIM−IDに対応付けられているパートナーコードが変更された場合、接続制御システム1は、APN変換テーブル300、350において、そのSIM−IDに対応付けるAPN変換フラグ値を、変更後のパートナーコードに対応付けられているAPN変換フラグ値に変更する。この処理により、パートナーコードが変更された場合、端末20の接続先のAPNが、パートナーコードの変更に合わせて自動的に切り換わる。
【0053】
(A3)データ通信量の満了
使用したデータ通信量が、パートナーコードに対応付けられているデータ通信量の上限値に達した場合、接続制御システム1は、APN変換テーブル300、350において、そのSIM−IDに対応付けるAPN変換フラグ値を、所定の(デフォルトの)APN変換フラグ値に変更する。例えば、
図7に示すように、パートナーコード「BBB」に有効条件「10GBまで」が設定されている場合、接続制御システム1は、ユーザ管理テーブル200においてパートナーコード「BBB」が対応付けられているSIM−ID「100」からAPN#2への接続を、データ通信量が10GBを超えた時点で無効にし、デフォルトのAPN変換フラグ値が示すAPNへの接続に変更する。所定のAPN変換フラグ値は「APN#0」であってもよいし、プリペイドSIMにおけるデフォルトのAPNであってもよい。この処理により、端末20の接続先が、特有の条件を有さないデフォルトのAPNに自動的に切り換わる。
【0054】
<その他の変形例>
例えば、ユーザ管理サーバ10とSIM−ID管理サーバ12とは、1つの管理サーバとして構成されてもよい。また、パートナーコードは、通信事業者から発行される場合に限られず、所定の第三者機関によって発行されてもよい。また、1つのパートナー企業に複数のパートナーコードが割り当てられてもよい。また、SIMはプリペイドSIMに限られず、ポストペイドSIM等、他のSIMであってもよい。
【0055】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0056】
例えば、本発明の一実施の形態におけるサーバ、端末などは、本発明の通信処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図8は、本発明の一実施の形態に係るサーバ及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のサーバ10、12、14及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0057】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ10、12、14及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0058】
サーバ10、12、14及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0059】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の利用状態変化検知部120、接続ノード制御部122などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0060】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ管理サーバ10の接続ノード制御部122は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0061】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0062】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0063】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0064】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0065】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0066】
また、サーバ10、12、14及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0067】
<処理手順等>
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0068】
<入出力の方向>
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0069】
<入出力された情報等の扱い>
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0070】
<判定方法>
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0071】
<態様のバリエーション>
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0072】
<ソフトウェア>
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0073】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0074】
<用語について>
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0075】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0076】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0077】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0078】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0079】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0080】
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0081】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0082】
本特許出願は2017年3月29日に出願した日本国特許出願第2017−065871号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017−065871号の全内容を本願に援用する。