(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0017】
<A.加工システム10の装置構成>
図1を参照して、実施の形態に従う加工システム10について説明する。
図1は、加工システム10の装置構成の一例を示す図である。
【0018】
加工システム10は、1つ以上の工作機械と、1つ以上の情報処理システムとを含む。
図1の例では、加工システム10は、工作機械100Aと、工作機械100Bと、情報処理装置200とで構成されている。
【0019】
工作機械100Aおよび工作機械100Bは、同一種類の工作機械であってもよいし、異なる種類の工作機械であってもよい。以下では、工作機械100A,100Bを特に区別しない場合には、工作機械100A,100Bのいずれか1つを工作機械100ともいう。
【0020】
工作機械100は、ワークの加工機である。一例として、工作機械100は、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing)加工)を行う工作機械である。あるいは、工作機械100は、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)を行う工作機械であってもよい。また、工作機械100は、立形のマシニングセンタや横形のマシニングセンタやターニングセンタであってもよい。あるいは、工作機械100は、旋盤であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。さらに、工作機械は、これらを複合した複合機であってもよい。
【0021】
工作機械100は、操作盤130を含む。操作盤130は、加工に関する各種情報を表示するためのディスプレイ106と、工作機械100に対する各種操作を受け付ける操作キー107とを含む。
【0022】
情報処理装置200は、たとえば、サーバー機能を有するコンピュータなどの情報処理装置である。一例として、情報処理装置200は、デスクトップ型のコンピュータであってもよいし、ノート型のコンピュータであってもよいし、タブレット端末であってもよい。情報処理装置200には、ディスプレイ206が接続され得る。
【0023】
工作機械100および情報処理装置200は、互いに通信可能に構成される。工作機械100および情報処理装置200は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。一例として、工作機械100および情報処理装置200の通信規格には、EtherNET(登録商標)が採用される。
【0024】
<B.作業者の評価機能の概要>
加工システム10は、工作機械100から収集した作業者情報に基づいて、各作業者の熟練度を評価する機能を有する。以下では、引き続き
図1を参照して、加工システム10による作業者の評価機能について説明する。
【0025】
ステップS1において、工作機械100は、作業者による作業内容をモニターし、当該作業内容を特定するための情報(以下、「作業内容情報」ともいう。)を収集する。詳細については後述するが、収集対象の作業内容は、たとえば、工作機械100内の扉の開閉動作や、操作盤130の画面の切り替え操作などである。
【0026】
ステップS2において、工作機械100は、収集した作業内容情報を作業者の個人識別情報と対応付けて評価用情報として情報処理装置200に送信する。評価用情報は、任意のタイミングで送信される。一例として、評価用情報は、定期的に送信されてもよいし、作業者が何らかの操作を行ったことに基づいて送信されてもよい。情報処理装置200は、工作機械100から受信した評価用情報を情報処理装置200内の評価用データベース222に格納する。典型的には、評価用データベース222は、情報処理装置200の記憶装置220内で管理される。
【0027】
ステップS3において、情報処理装置200は、評価対象者の指定と評価処理の実行操作とを受け付けたとする。このことに基づいて、情報処理装置200は、評価対象者の個人識別情報に対応付けられている作業内容情報を評価用データベース222から取得し、当該作業内容情報に基づいて、当該評価対象者の作業の熟練度を示す評価スコアを算出する。評価スコアの算出方法の詳細については後述する。
【0028】
ステップS4において、情報処理装置200は、算出された評価スコアを評価結果としてディスプレイ206に表示する。これにより、管理者は、作業者の熟練度を容易に把握することができ、加工工程における作業者の配置を見直したり、効率的な作業計画を立てたりすることができる。また、各作業者は、評価スコアを確認することで、自身の作業能力や自身の弱点を客観的に把握でき、作業効率を改善することができる。
【0029】
<C.機能構成>
図2〜
図7を参照して、作業者の評価機能を実現するための機能構成について説明する。
図2は、加工システム10の機能構成の一例を示す図である。
【0030】
加工システム10は、工作機械100と、情報処理装置200とを含む。工作機械100は、機能構成として、個人識別部152と、作業内容取得部154と、加工条件取得部156とを含む。情報処理装置200は、機能構成として、蓄積部252と、算出部254と、出力部256とを含む。以下では、これらの構成について順に説明する。
【0031】
なお、各機能構成の配置は、
図2の例に限定されない。一例として、工作機械100の機能構成の一部または全部は、情報処理装置200に実装されてもよいし、サーバーなどの外部装置に搭載されてもよいし、専用のハードウェアに搭載されてもよい。また、情報処理装置200の機能構成の一部または全部は、工作機械100に実装されてもよいし、サーバーなどの外部装置に搭載されてもよいし、専用のハードウェアに搭載されてもよい。
【0032】
(C1.個人識別部152)
まず、
図3を参照して、個人識別部152の機能について説明する。
図3は、作業者による作業の様子を示す図である。
【0033】
個人識別部152は、たとえば、画像を用いて作業者を識別する。より具体的には、工作機械100には、カメラ110が設けられる。カメラ110は、工作機械100の作業エリアを撮影するように設置され、工作機械100で作業を行っている作業者Uを撮影する。カメラ110は、1台だけ設置されてもよいし、複数台設置されてもよい。カメラ110は、作業エリアを撮影して得られた画像を個人識別部152に定期的に送る。
【0034】
個人識別部152は、カメラ110から得られた画像から作業者を識別する。作業者を識別するための画像処理アルゴリズムには、任意の画像処理プログラムが採用される。
【0035】
一例として、個人識別部152は、学習済みモデルを用いて画像に写る作業者を識別する。学習済みモデルは、学習用データセットを用いた学習処理により予め生成されている。学習用データセットは、作業者が写っている複数の学習用画像を含む。各学習用画像には、作業者を一意に特定するための個人識別情報がラベルとして関連付けられる。当該個人識別情報は、たとえば、作業者ID(Identification)または作業者名である。学習済みモデルの内部パラメータは、このような学習用データセットを用いた学習処理により予め最適化されている。これにより、学習済みモデルは、画像の入力を受けると、当該画像に写っている人物と、ラベルとして登録されている各作業者との類似度を出力する。
【0036】
学習済みモデルを生成するための学習手法には、種々の機械学習アルゴリズムが採用され得る。一例として、当該機械学習アルゴリズムとして、ディープラーニング、コンボリューションニューラルネットワーク(CNN)、全層畳み込みニューラルネットワーク(FCN)、サポートベクターマシンなどが採用される。
【0037】
個人識別部152は、カメラ110から得られた画像を学習済みモデルに入力する。当該学習済みモデルは、画像の入力を受け付けると、当該画像に写っている人物と、ラベルとして登録されている各作業者との類似度を出力する。その後、個人識別部152は、各類似度の中から最大値を特定し、当該最大値が所定閾値を超えている場合には、当該最大値に対応する個人識別情報を出力する。
【0038】
なお、個人識別部152による作業者の識別方法は、画像を用いた識別方法に限定されず、種々の方法が採用される。他の例として、個人識別部152は、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、声紋認証、およびその他の生体認証を用いて作業者を識別してもよい。
【0039】
さらに他の例として、個人識別部152は、操作盤130へのログイン情報を用いて作業者を識別してもよい。より具体的には、ユーザは、自身の個人識別情報を格納するハードウェアキーを工作機械100の操作盤130に差し込むことでログイン操作を行う。個人識別部152は、差し込まれたハードウェアキーからユーザの個人識別情報を読み取り、当該個人識別情報に基づいて、ログインした作業者を識別する。
【0040】
(C2.作業内容取得部154)
次に、
図4および
図5を参照して、作業内容取得部154の機能について説明する。作業内容取得部154は、作業者が行っている作業を特定するための情報(以下、「作業内容情報」ともいう。)を取得する。本明細書でいう「作業内容情報」とは、作業者の作業効率を評価するのに適した情報であり、作業者の熟練度と相関のある指標である。
【0041】
作業内容取得部154は、1種類の作業内容情報を取得するように構成されてもよいし、複数種類の作業内容情報を取得するように構成されてもよい。
【0042】
以下では、作業内容取得部154によって取得される作業内容情報の具体例1〜4について順に説明する。
【0043】
(a)作業内容情報の具体例1
まず、
図4を参照して、作業内容情報の具体例1について説明する。
図4は、作業者Uの作業の様子を示す図である。本具体例では、作業内容取得部154は、工作機械100に設けられている扉の開閉操作を作業内容情報として取得する。
【0044】
図4に示されるように、工作機械100は、操作盤130と、カバー131と、扉136とを有する。
【0045】
カバー131は、スプラッシュガードとも呼ばれ、工作機械100の外観をなすとともに、ワークの加工エリアを区画形成している。カバー131は、開口132を有する。開口132は、カバー131の前面から上面にかけて開口し、ワークの加工エリアに通じている。
【0046】
扉136は、開口132を覆うように設けられており、水平方向にスライド可能に設けられている。扉136が開閉動作することによって、開口132が扉136によって覆われていない開状態とされたり、扉136によって開口132が覆われた閉状態とされたりする。扉136は、閉状態とされた時に、カバー131とともに加工エリアを区画形成する。扉136には、作業者Uが加工エリア内を覗くための透明窓(図示しない)が設けられている。
【0047】
なお、
図4には、水平方向にスライド駆動される扉136が示されているが、扉136は、重力方向にスライド駆動されてもよい。また、扉136は、円弧上にスライド移動するように駆動される構成でもよい。
【0048】
扉136は、駆動機構(図示しない)に接続される。当該駆動機構は、工作機械100の制御装置からの駆動指令に従って、扉136を任意の位置に開閉動作させ、開口132の度合い変える。当該駆動機構を構成するモーターの種類は、特に限定されないが、一例として、サーボモータ、ステッピングモータ、またはリニアモータである。
【0049】
操作盤130のディスプレイ106には、扉136の開操作を受け付ける開ボタンと、扉136の閉操作を受け付ける閉ボタンとが表示される。作業者が開ボタンを押下すると、工作機械100は、所定の開位置に扉136を駆動する。一方で、作業者が閉ボタンを押下すると、工作機械100は、所定の閉位置に扉136を駆動する。作業内容取得部154は、操作盤130に対する開閉操作に基づいて、扉136が開かれたことを示す開情報と、扉136が閉じられたことを示す閉情報とを検知する。
【0050】
作業者が熟練者であれば、扉136の開閉回数は少なくなる。一方で、作業者が初心者であれば、扉136の開閉回数は多くなる。すなわち、扉136の開閉情報は、作業者の熟練度を測るための指標になり得る。作業内容取得部154は、扉136の開閉情報を作業内容情報として取得する。
【0051】
なお、作業内容取得部154は、開情報および閉情報の両方を必ずしも取得する必要はなく、開情報のみを取得してもよいし、閉情報のみを取得してもよい。
【0052】
また、開閉情報は、必ずしも、操作盤130の開閉ボタンの押下に基づいて検知される必要はなく、その他の操作に基づいて検知されてもよい。一例として、作業者は、扉136を閉じた後に扉136のロック操作を行い、扉136を空ける前に扉136のアンロック操作を行う。当該ロック操作および当該アンロック操作は、たとえば、後述のボタン81(
図5参照)を押下することで実現され得る。当該ロック操作および当該アンロック操作は、扉136の開閉操作とセットで行われるので、作業内容取得部154は、ボタン81の押下に基づいて、扉136の開閉情報を検知してもよい。
【0053】
(b)作業内容情報の具体例2
引き続き
図4を参照して、作業内容情報の具体例2について説明する。
【0054】
作業者は、加工対象のワークを設置する際には扉136を開き、ワークの設置作業が完了すると扉136を閉じる。その後、ワークの加工が完了すると、扉136が開き、作業者は、ワークの取り外し作業を行う。ワークの取り外し作業が完了すると、作業者は、次の加工対象のワークを設置し、扉136を閉じる。
【0055】
作業者が熟練者であれば、ワークの設置作業やワークの取り外し作業を迅速に行うことができるので、扉136が開いている時間が短くなる。反対に、作業者が初心者であれば、ワークの設置作業やワークの取り外し作業に時間がかかり、扉136が開いている時間が長くなる。すなわち、扉136の開時間は、作業者の熟練度を測るための指標になり得る。そのため、作業内容取得部154は、扉136の開時間を作業内容情報として取得する。
【0056】
より具体的には、作業内容取得部154は、操作盤130の開ボタンが押下されたことに基づいて、扉136の開時間のカウントを開始する。そして、作業内容取得部154は、操作盤130の閉ボタンが押下されたことに基づいて、扉136の開時間のカウントを停止する。作業内容取得部154は、カウントした時間を扉136の開時間として取得する。
【0057】
(c)作業内容情報の具体例3
次に、
図5を参照して、作業内容情報の具体例3について説明する。
図5は、工作機械100の操作盤130に表示される画面の一例を示す図である。
図5には、当該画面の一例として操作画面80が示されている。
【0058】
操作画面80は、モード選択領域82を含む。モード選択領域82には、複数のボタンが表示され、作業者は、各ボタンを押下することで、各動作モードに応じた画面に切り替えることができる。
【0059】
作業者が熟練者であれば、画面の切り替え回数は少なくなる。一方で、作業者が初心者であれば、画面の切り替え回数は多くなる。すなわち、操作盤130の画面の切り替え情報は、作業者の熟練度を測るための指標になり得る。そのため、作業内容取得部154は、操作盤130(表示部)の画面が切り替えられたことを示す画面切り替え情報を作業内容情報として取得する。
【0060】
(d)作業内容情報の具体例4
なお、作業内容情報は、上述の具体例1〜3に限定されず、作業者の熟練度を示す他の情報であってもよい。一例として、作業内容情報は、工具の登録画面を開いている時間、工具長の設定に要した時間、工具振れの調整回数、または、その他の情報を含んでもよい。
【0061】
(C3.加工条件取得部156)
次に、
図2に示される加工条件取得部156の機能について説明する。
【0062】
加工条件取得部156は、個人識別部152によって識別された作業者が工作機械100で作業を行っていた際における工作機械100の加工条件を取得する。後述のように、取得された加工条件は、評価項目を区別するための基準として用いられる。加工条件は、たとえば、工作機械100内の加工プログラムや加工設定などから特定される。
【0063】
一例として、当該加工条件は、工作機械の種別を含む。工作機械の種別としては、たとえば、旋盤、立形マシニングセンタ、横形マシニングセンタ、ターニングセンタ、および付加加工機などが挙げられる。工作機械の種別は、たとえば、工作機械の型番などで表わされる。
【0064】
他の例として、当該加工条件は、加工対象のワークの材質を含む。ワークの材質としては、たとえば、ステンレス、およびチタンなどが挙げられる。
【0065】
さらに他の例として、当該加工条件は、工具の種別を含む。工具の種別としては、たとえば、フライス、ドリル、バイト、フライス、およびエンドミルなどが挙げられる。工具の種別は、加工プログラムに規定される工具番号などから特定される。
【0066】
さらに他の例として、当該加工条件は、ワークの加工方法を含む。ワークの加工方法としては、たとえば、クーラントなどの液体を加工時に用いるウェット加工、および、クーラントなどの液体を加工時に用いないドライ加工などが挙げられる。
【0067】
(C4.蓄積部252)
次に、
図6を参照して、
図2に示される蓄積部252の機能について説明する。
【0068】
工作機械100は、上述の個人識別部152によって識別された作業者の個人識別情報と、上述の作業内容取得部154によって取得された作業内容情報と、上述の加工条件取得部156によって取得された加工条件とを対応付けて評価用情報として情報処理装置200に送信する。蓄積部252は、工作機械100から受信した評価用情報を評価用データベース222に蓄積する。
【0069】
図6は、評価用データベース222のデータ構造の一例を示す図である。評価用データベース222には、個人識別情報と、受信時刻と、上述の加工条件と、上述の作業内容情報とがデータID別に対応付けられている。
【0070】
(C5.算出部254)
引き続き
図6を参照して、
図2に示される算出部254の機能について説明する。
【0071】
算出部254は、評価用データベース222を参照して、評価対象者の作業の熟練度をし示す評価スコアを算出する。評価対象者の指定は、たとえば、情報処理装置200に接続される入力デバイス(たとえば、マウス)を介して行われる。一例として、管理者は、情報処理装置200のディスプレイ206に表示された評価対象の候補者の中から、一人以上の評価対象者を選択する。
【0072】
このことに基づいて、算出部254は、指定された評価対象者の個人識別情報を特定し、当該公人識別情報に対応付けられている作業内容情報を評価用データベース222から取得する。その後、算出部254は、取得した作業内容情報に基づいて、評価対象者の評価スコアを算出する。
【0073】
評価スコアは、たとえば、予め定められた算出式に基づいて算出される。当該算出式は、所定の入力値を説明変数とし、評価スコアを目的変数とする。
【0074】
一例として、上記説明変数は、所定期間当たりの扉136の開回数を含む。より具体的には、算出部254は、評価用データベース222に規定される開情報「ドア開」を扉136の開回数としてカウントする。当該開回数は、一期間の開回数であってもよいし、異なる各期間の開回数の平均値であってもよい。当該開回数が多いほど、評価対象者の評価スコアは低くなる。異なる言い方をすれば、当該開回数が少ないほど、評価対象者の評価スコアは高くなる。
【0075】
さらに他の例として、上記説明変数は、所定期間当たりの扉136の閉回数を含む。算出部254は、評価用データベース222に規定される閉情報「ドア閉」をカウントし、当該カウント値を扉136の閉回数として算出する。当該閉回数は、一期間の閉回数であってもよいし、異なる各期間の閉回数の平均値であってもよい。当該閉回数が多いほど、評価対象者の評価スコアは低くなる。異なる言い方をすれば、当該閉回数が少ないほど、評価対象者の評価スコアは高くなる。
【0076】
さらに他の例として、上記説明変数は、所定期間当たりの扉136の開時間を含む。当該開時間は、一期間の開時間であってもよいし、異なる各期間の開時間の平均値であってもよい。当該開時間が長いほど、評価対象者の評価スコアは低くなる。異なる言い方をすれば、当該開時間が短いほど、評価対象者の評価スコアは高くなる。
【0077】
さらに他の例として、上記説明変数は、所定期間当たりの画面切替回数を含む。当該画面切替回数は、一期間の画面切替回数であってもよいし、各期間の画面切替回数の平均値であってもよい。当該画面切替回数が多いほど、評価対象者の評価スコアは低くなる。異なる言い方をすれば、当該画面切替回数が少ないほど、評価対象者の評価スコアは高くなる。
【0078】
さらに他の例として、上記説明変数は、工具の登録画面を開いている時間、工具長の設定に要した時間、工具振れの調整回数などを含んでもよい。
【0079】
なお、評価スコアは、必ずしも予め定められた算出式に基づいて算出される必要はない。一例として、算出部254は、学習済みモデルを用いて評価対象者の評価スコアを算出してもよい。当該学習済みモデルは、上述の説明変数の入力を受けて、評価スコアを出力するように構成されている。学習済みモデルを生成するための学習手法には、種々の機械学習アルゴリズムが採用され得る。一例として、当該機械学習アルゴリズムとして、ディープラーニング、サポートベクターマシンなどが採用される。
【0080】
好ましくは、評価スコアは、
図6に示される「加工条件」別に算出される。一例として、評価スコアは、「工作機械種別」ごとに算出される。他の例として、評価スコアは、「ワークの種別」ごとに算出される。他の例として、評価スコアは、「工具の種別」ごとに算出される。他の例として、評価スコアは、「加工方法」ごとに算出される。
【0081】
(C6.出力部256)
次に、
図7を参照して、
図2に示される出力部256の機能について説明する。
【0082】
出力部256は、算出部254によって算出された評価対象者の評価スコア(熟練度)を種々の態様で出力する。評価スコアの出力態様は、特に限定されない。一例として、当該評価スコアは、情報処理装置200のディスプレイ206上に表示されてもよいし、音声で出力されてもよいし、レポート形式でデータとして出力されてもよい。
【0083】
以下では、評価スコアが情報処理装置200のディスプレイ206に表示される例について説明する。
図7は、情報処理装置200のディスプレイ206に表示される出力画面230を示す図である。
【0084】
出力部256は、算出部254によって算出された評価対象者の評価スコア231を出力画面230に表示する。典型的には、評価スコア231は、予め定められた評価項目別に表示される。
図7の例では、評価スコア231は、データベース22(
図6参照)に示される「工作機械種別」に応じて項目分けされてレーダーチャートとして表示されている。これにより、管理者は、評価対象者が得意または不得意とする工作機械の種別を容易に把握することができる。
【0085】
なお、
図7には、出力画面230に表示される評価項目は、必ずしも「工作機械種別」に応じて項目分けされる必要はない。他の例として、評価項目は、評価用データベース222に示される「ワーク種別」に応じて項目分けされてもよいし、評価用データベース222に示される「工具種別」に応じて項目分けされてもよいし、評価用データベース222に示される「加工方法」に応じて項目分けされてもよいし、これらの組み合わせで項目分けされてもよい。
【0086】
好ましくは、表示対象の評価項目は、選択可能に構成される。より具体的には、まず、情報処理装置200は、表示可能な評価項目の候補をディスプレイ206に表示する。評価項目の各候補は、選択可能に構成される。上述の算出部254は、評価項目が選択されたことに基づいて、評価用データベース222を参照して、選択された評価項目別に評価スコアを算出する。その後、出力部256は、算出された評価スコアを評価項目別に出力画面230に表示する。これにより、作業者は、任意の評価項目について評価スコアを確認することができる。
【0087】
なお、
図7の例では、評価項目別に評価スコアが示されているが、評価スコアは、必ずしも評価項目別に表示される必要はない。一例として、評価スコアとして、評価対象者の総合スコアが表示されてもよい。総合スコアは、評価用データベース222に示される「加工条件」を区別せずに算出される。出力画面230は、総合スコアのみを表示してもよいし、上述の評価項目別の評価スコアとともに総合スコアを表示してもよい。
【0088】
また、
図7の例では、評価スコア231がレーダーチャートで示されているが、評価スコア231の表示形式は、レーダーチャートに限定されてない。一例として、評価スコア231は、折れ線グラフで表示されてもよいし、評価項目別に評価スコアを表わしたテーブル形式で表示されてもよいし、その他の形式のグラフで表示されてもよい。
【0089】
また、
図7の例では、評価スコア231が「0」〜「5」の6段階の熟練度で示されているが、評価スコア231は、必ずしも段階的に区分される必要はない。一例として、評価スコア231は、数値(点数)で示されてもよい。あるいは、評価スコア231は、その大小が濃淡または色で区別可能な態様で表示されてもよい。
【0090】
<D.出力画面230の変形例1>
次に、
図8を参照して、
図7に示される出力画面230の変形例1について説明する。
図8は、変形例1に従う出力画面230Aを示す図である。
【0091】
本変形例に従う出力画面230Aは、評価対象者の評価スコア231に加えて、基準スコア232をさらに表示する点で、
図7に示される出力画面230とは異なる。その他の点については上述の出力画面230と同様であるので、それらの点については、説明を繰り返さない。
【0092】
基準スコア232は、作業者の評価スコアの大小を判断するための基準となる。基準スコア232が評価スコア231とともに表示されることで、管理者は、基準スコア232に対する評価対象者のレベルを容易に把握することができ、評価対象者を評価しやすくなる。
【0093】
基準スコア232は、社内基準や業界基準に適合するように予め設定されていてもよいし、動的に算出されてもよい。以下では、基準スコア232を動的に算出する場合について説明する。
【0094】
算出部254は、上述の評価用データベース222(
図6参照)に含まれている「作業内容情報」に基づいて、基準スコア232を算出する。
【0095】
より具体的には、算出部254は、評価用データベース222に含まれている「加工条件」の中から、評価対象者の個人識別情報に対応付けられている「加工条件」と一致または類似する「加工条件」を特定し、当該特定した「加工条件」に対応付けられている「作業内容情報」に基づいて、基準スコア232を算出する。
【0096】
ある局面において、算出部254は、評価用データベース222から、評価対象者を除く他の作業者の「作業内容情報」を取得する。より具体的には、「加工条件」として「立形マシニングセンタ」が評価対象者について選択されている場合には、算出部254は、「立形マシニングセンタ」に対応付けられている他の作業者の「作業内容情報」を取得する。その後、算出部254は、当該取得した作業内容情報に基づいて、基準スコア232を算出する。これにより、作業者全体の平均的な熟練度に相当する基準スコア232が、比較対象として算出される。
【0097】
他の局面において、算出部254は、評価用データベース222から、選択された比較対象者の「作業内容情報」を取得し、当該作業内容情報に基づいて、基準スコア232を算出する。一例として、管理者は、情報処理装置200に表示された比較対象の候補者の一覧の中から、一人以上の比較対象者を選択する。これにより、特定の作業者の熟練度の基準スコア232が比較対象として算出される。
【0098】
基準スコア232の算出方法は、上述の「C5.算出部254」で説明した評価スコアの算出方法と同じであるので、基準スコア232の算出方法については説明を繰り返さない。
【0099】
出力部256は、算出した基準スコア232を評価対象者の評価スコア231と比較可能な態様で表示する。
図8の例では、基準スコア232は、評価スコア231と同一のグラフ内にレーダーチャートで表示されている。
【0100】
基準スコア232は、予め定められた評価項目別に表示される。
図8の例では、基準スコア232は、データベース22(
図6参照)に示される「工作機械種別」に応じて項目分けされてレーダーチャートとして表示されている。ただし、上述で説明したように、出力画面230Aに表示される評価項目は、必ずしも「工作機械種別」に応じて項目分けされる必要はない。
【0101】
なお、
図8の例では、評価項目別に基準スコアが示されているが、基準スコアは、必ずしも評価項目別に表示される必要はない。一例として、基準スコアとして、総合基準スコアが表示されてもよい。総合基準スコアは、評価用データベース222に示される「加工条件」を区別せずに算出される。出力画面230Aは、総合スコアのみを表示してもよいし、上述の評価項目別の基準スコアとともに総合スコアを表示してもよい。
【0102】
また、
図8の例では、基準スコア232がレーダーチャートで示されているが、基準スコア232の表示形式は、レーダーチャートに限定されてない。一例として、基準スコア232は、折れ線グラフで表示されてもよいし、評価項目別に基準スコアを表わしたテーブル形式で表示されてもよいし、その他の形式のグラフで表示されてもよい。
【0103】
また、
図8の例では、基準スコア232が「0」〜「5」の6つの作業者レベルで示されているが、基準スコア232は、必ずしも作業者レベルで示される必要はない。一例として、基準スコア232は、数値(点数)で示されてもよい。あるいは、基準スコア232の大小は、濃淡または色で区別可能な態様で表示されてもよい。
【0104】
<E.出力画面230の変形例2>
次に、
図9を参照して、
図7に示される出力画面230の変形例2について説明する。
図9は、変形例2に従う出力画面230Bを示す図である。
【0105】
本変形例に従う出力画面230Bは、評価対象者の現在の評価スコア231に加えて、評価対象者の過去の評価スコア233をさらに表示する点で、上述の
図7に示される出力画面230とは異なる。その他の点については上述の出力画面230と同様であるので、それらの点については、説明を繰り返さない。
【0106】
現在の評価スコア231が過去の評価スコア233とともに表示されることで、管理者は、評価対象者の成長を容易に把握することができ、評価対象者を評価しやすくなる。
【0107】
より具体的には、まず、管理者は、情報処理装置200に対して第1期間および第2期間を入力する。第1期間は、現在を含む期間である。第2期間は、第1期間よりも過去の期間である。算出部254は、上述の評価用データベース222(
図6参照)を参照して、指定された評価対象者の個人識別情報に対応付けられている作業内容情報を評価用データベース222から取得する。算出部254は、取得した作業内容情報の内で、上記第1期間に含まれる作業内容情報を現在の評価スコア231の算出に用い、上記第2期間に含まれる作業内容情報を過去の評価スコア233の算出に用いる。
【0108】
評価スコア231,233の算出方法は、上述の「C5.算出部254」で説明した評価スコアの算出方法と同じであるので、その算出方法については説明を繰り返さない。
【0109】
出力部256は、算出した評価スコア231,233を比較可能な態様で表示する。
図9の例では、評価スコア231,233は、同一のグラフ内にレーダーチャートで示されている。
【0110】
<F.工作機械100のハードウェア構成>
図10を参照して、工作機械100のハードウェア構成について説明する。
図10は、工作機械100のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【0111】
工作機械100は、操作盤130と、NCユニット300とを含む。以下では、操作盤130のハードウェア構成と、NCユニット300のハードウェア構成とについて順に説明する。
【0112】
(F1.操作盤130のハードウェア構成)
操作盤130は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104,105と、ディスプレイ106と、操作キー107と、補助記憶装置115とを含む。これらのコンポーネントは、バスB1に接続される。
【0113】
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0114】
制御装置101は、情報処理プログラム124やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで操作盤130の動作を制御する。情報処理プログラム124は、上述の評価用情報の収集処理を担うプログラムである。制御装置101は、情報処理プログラム124の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置115からRAM103に情報処理プログラム124を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、情報処理プログラム124の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0115】
通信インターフェイス104,105には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。操作盤130は、通信インターフェイス104を介して情報処理装置200などの外部機器との通信を実現する。また、操作盤130は、通信インターフェイス105を介してNCユニット300との通信を実現する。
【0116】
ディスプレイ106は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。ディスプレイ106は、制御装置101などからの指令に従って、ディスプレイ106に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ106は、たとえば、タッチパネルで構成されており、工作機械100に対する各種操作をタッチ操作で受け付ける。
【0117】
操作キー107は、複数のハードウェアキーで構成され、操作盤130に対する各種のユーザ操作を受け付ける。押されたキーに応じた信号が制御装置101に出力される。
【0118】
補助記憶装置115は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置115は、情報処理プログラム124などを格納する。情報処理プログラム124の格納場所は、補助記憶装置115に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0119】
(F2.NCユニット300のハードウェア構成)
NCユニット300は、制御装置301と、ROM302と、RAM303と、通信インターフェイス304,305とを含む。これらのコンポーネントは、バスB3に接続される。
【0120】
制御装置301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0121】
制御装置301は、加工プログラム324やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することでNCユニット300の動作を制御する。加工プログラム324は、ワーク加工を実現するためのプログラムである。制御装置301は、加工プログラム324の実行命令を受け付けたことに基づいて、ROM302からRAM303に加工プログラム324を読み出す。RAM303は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム324の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0122】
ROM302は、加工プログラム324などを格納する。加工プログラム324の格納場所は、ROM302に限定されず、制御装置301の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、RAM303、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0123】
通信インターフェイス304,305には、LANやアンテナなどが接続される。NCユニット300は、通信インターフェイス304を介して操作盤130などの外部機器との通信を実現する。また、NCユニット300は、通信インターフェイス305を介してワーク加工を実現するための各種駆動ユニット(たとえば、主軸を駆動するサーボドライバなど)との通信を実現する。
【0124】
<G.情報処理装置200のハードウェア構成>
図11を参照して、情報処理装置200のハードウェア構成について説明する。
図11は、情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【0125】
情報処理装置200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、入力インターフェイス207と、補助記憶装置215とを含む。これらのコンポーネントは、バスB2に接続される。ROM202、RAM203、および補助記憶装置215は、上述の記憶装置220(
図1参照)の一例である。
【0126】
制御装置201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0127】
制御装置201は、情報処理プログラム224やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで情報処理装置200の動作を制御する。情報処理プログラム224は、評価スコアの算出処理の一部または全部を担うプログラムである。制御装置201は、情報処理プログラム224の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置215からRAM203に情報処理プログラム224を読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、情報処理プログラム224の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0128】
通信インターフェイス204には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。情報処理装置200は、通信インターフェイス204を介して工作機械100などの外部機器との通信を実現する。
【0129】
表示インターフェイス205には、ディスプレイ206が接続される。表示インターフェイス205は、制御装置101などからの指令に従って、ディスプレイ206に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ206は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。なお、ディスプレイ206は、情報処理装置200と一体的に構成されてもよいし、情報処理装置200とは別に構成されてもよい。
【0130】
入力インターフェイス207には、入力デバイス208が接続される。入力デバイス208は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス208は、情報処理装置200と一体的に構成されてもよいし、情報処理装置200とは別に構成されてもよい。
【0131】
補助記憶装置215は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置215は、上述の評価用データベース222、および情報処理プログラム224などを格納する。これらの格納場所は、補助記憶装置215に限定されず、制御装置201の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM202、RAM203、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0132】
<H.評価用情報の送信フロー>
図12を参照して、工作機械100が情報処理装置200に評価用情報を送信するフローについて説明する。
図12は、評価用情報の送信処理の流れを表わすフローチャートである。
図12に示される処理は、たとえば、工作機械100内の操作盤130に備えられる制御装置101によって実行される。
【0133】
図12に示される処理は、制御装置101が上述の情報処理プログラム124(
図10参照)を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0134】
ステップS110において、制御装置101は、所定のモニター対象の操作を検知したか否かを判断する。一例として、モニター対象の操作は、工作機械100内の扉の開閉操作、画面の切り替え操作などである。制御装置101は、所定のモニター対象の操作を検知したと判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS112に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、制御装置101は、
図12に示される処理を終了する。
【0135】
ステップS112において、制御装置101は、上述の個人識別部152(
図2参照)として機能し、現在作業中の人物を特定し、当該人物に係る個人識別情報を取得する。個人識別部152の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0136】
ステップS114において、制御装置101は、上述の作業内容取得部154(
図2参照)として機能し、ステップS112で識別された作業者が工作機械100で行っていた際における加工条件を取得する。作業内容取得部154の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0137】
ステップS116において、制御装置101は、上述の加工条件取得部156(
図2参照)として機能し、ステップS112で識別された作業者が工作機械100で行っていた際における加工条件を取得する。加工条件取得部156の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0138】
ステップS118において、制御装置101は、ステップS112で取得した個人識別情報と、ステップS114で取得した作業内容情報と、ステップS116で取得した加工条件とを対応付け、その対応付けた情報を評価用情報として情報処理装置200に送信する。
【0139】
<I.評価用情報の蓄積フロー>
図13を参照して、工作機械100から受信した評価用情報を蓄積するフローについて説明する。
図13は、評価用情報の蓄積処理の流れを表わすフローチャートである。
図13に示される処理は、たとえば、情報処理装置200の制御装置201によって実行される。
【0140】
図13に示される処理は、制御装置201が上述の情報処理プログラム224(
図11参照)を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0141】
ステップS130において、制御装置201は、工作機械100から評価用情報を受信したか否かを判断する。制御装置201は、工作機械100から評価用情報を受信したと判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、制御装置201は、
図13に示される処理を終了する。
【0142】
ステップS132において、制御装置201は、上述の蓄積部252(
図2参照)として機能し、受信した評価用情報に一意のデータIDを割り当てる。その後、制御装置201は、当該データIDと、当該評価用情報の受信時刻と、当該評価用情報とを対応付け、その対応付けた情報を上述の評価用データベース222(
図6参照)に格納する。
【0143】
<J.評価スコアの出力フロー>
図14を参照して、評価スコアの出力処理のフローについて説明する。
図14は、評価スコアの出力処理の流れを表わすフローチャートである。
図14に示される処理は、たとえば、情報処理装置200の制御装置201によって実行される。
【0144】
図14に示される処理は、制御装置201が上述の情報処理プログラム224(
図11参照)を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0145】
ステップS150において、制御装置201は、評価設定画面(図示しない)の表示指示を受け付けたか否かを判断する。制御装置201は、評価設定画面の表示指示を受け付けたと判断した場合(ステップS150においてYES)、制御をステップS152に切り替える。そうでない場合には(ステップS150においてNO)、制御装置201は、
図14に示される処理を終了する。
【0146】
ステップS152において、制御装置201は、情報処理装置200のディスプレイ206に評価設定画面を表示する。当該評価設定画面は、評価スコアの算出に必要な各種の情報の入力を受け付ける。一例として、当該評価設定画面は、評価対象者の指定や、評価対象期間の指定や、評価項目の指定などを受け付けるように構成されている。
【0147】
ステップS160において、制御装置201は、評価実行指示を受け付けたか否かを判断する。一例として、制御装置201は、評価設定画面に表示されている実行ボタンの押下を検知したことに基づいて、評価実行指示を受け付けたと判断する。制御装置201は、評価実行指示を受け付けたと判断した場合(ステップS160においてYES)、制御をステップS162に切り替える。そうでない場合には(ステップS160においてNO)、制御装置201は、制御をステップS170に切り替える。
【0148】
ステップS162において、制御装置201は、上述の算出部254(
図2参照)として機能し、上述の評価用データベース222(
図6参照)を参照して、評価対象者の評価スコアを算出する。算出部254の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0149】
ステップS164において、制御装置201は、上述の出力部256(
図2参照)として機能し、ステップS162で算出された評価スコアを上述の出力画面230(
図7参照)に表示する。出力部256の機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0150】
ステップS170において、制御装置201は、キャンセル指示を受け付けたか否かを判断する。一例として、制御装置201は、評価設定画面に表示されているキャンセルボタンの押下を検知したことに基づいて、キャンセル指示を受け付けたと判断する。制御装置201は、キャンセル指示を受け付けたと判断した場合(ステップS170においてYES)、
図14に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS170においてNO)、制御装置201は、ステップS160の処理を終了する。
【0151】
<K.まとめ>
以上のようにして、加工システム10は、評価用データベース222に蓄積された各作業者の作業内容情報に基づいて、評価対象者の作業の熟練度を示す評価スコアを算出する。これにより、管理者は、作業者の熟練度を容易に把握することができ、加工工程における作業者の配置を見直したり、効率的な作業計画を立てたりすることができる。また、各作業者は、評価スコアを確認することで、自身の作業能力や自身の弱点を客観的に把握でき、作業効率を改善することができる。
【0152】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【解決手段】加工システムは、工作機械で作業している作業者を識別するための個人識別部と、個人識別部によって識別された作業者が工作機械で行った作業内容を示す作業内容情報を取得するための作業情報取得部と、個人識別部によって識別された作業者の個人識別情報と、作業情報取得部によって取得された作業内容情報とを対応付けてデータベースに蓄積するための蓄積部と、評価対象者の個人識別情報に対応付けられている作業内容情報をデータベースから取得し、当該作業内容情報に基づいて、当該評価対象者の作業の熟練度を示す評価スコアを算出するための算出部と、算出部によって算出された評価スコアを出力するための出力部とを備える。