(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施する形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報管理システム1を利用したサービスの全体概要を示す概念図である。本サービスにおいて、患者端末2には、患者情報管理機能を構成するための患者情報管理アプリケーションがインストールされる。患者情報管理アプリケーションは、例えば、製薬企業等の提供企業によって提供される。患者は、患者情報管理アプリケーションの利用規約に同意することによって患者情報管理アプリケーションの種々の機能を利用することができる。
【0014】
また、患者は、患者情報管理アプリケーションを用いて本サービスの利用規約に同意することによって、患者情報及び患者記録情報を医療従事者に提供することに同意する。患者情報は、患者に関する情報であり、患者記録情報は、経時的に変化する、患者の健康に関する情報である。患者が本サービスの利用規約に同意すると、患者端末2は、患者による操作に基づいて、患者情報及び患者記録情報を受け付け、情報管理装置3に送信する。情報管理装置3は、患者端末2から患者情報及び患者記録情報を受信すると、該患者情報及び該患者記録情報を記憶する。
【0015】
また、医療従事者が、情報管理装置3を介して本サービスの利用規約に同意すると、情報管理装置3は、医療機関端末5からの要求に応じて、患者情報及び患者記録情報を医療機関端末5に送信する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報管理システム1の構成例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、情報管理システム1は、患者端末2と、情報管理装置3と、医療機関端末5とを備える。情報管理装置3は、患者端末2及び医療機関端末5と通信する。
【0017】
<<患者端末の構成>>
患者端末2は、患者が所持する端末であって、患者によって操作される。患者端末2は、例えば、スマートフォン等である。患者端末2は、該患者端末2が実行する種々の機能の1つとしての患者情報管理機能を実行するための患者情報管理アプリケーションを有する。患者情報管理アプリケーションは、患者が、医療機関等から提供された患者情報管理アプリケーション紹介資材を参照して患者端末2に所定の操作を行うことによってダウンロードされる。患者端末2が備えるプロセッサは、患者情報管理プログラムに従ってディスプレイ、メモリ、通信インターフェース等を制御することにより各種の処理を実行することができる。これにより患者端末2は、患者端末入力部21と、患者端末通信部22と、患者端末表示部23と、患者端末記憶部24とを備える。
【0018】
患者端末入力部21は、患者の操作によって入力された各種情報を受け付ける。
【0019】
患者端末通信部22は、患者端末入力部21によって受け付けられた各種情報を情報管理装置3に送信する。また、患者端末通信部22は、情報管理装置3から送信された各種情報を受信する。
【0020】
患者端末表示部23は、患者端末入力部21によって受け付けられた各種情報、患者端末記憶部24に記憶されている各種情報、患者に入力させるための入力欄等をディスプレイに表示する。
【0021】
患者端末記憶部24は、患者端末入力部21によって受け付けた各種情報を記憶する。
【0022】
以降において、患者端末2が実行する機能を詳細に説明する。
【0023】
<患者情報管理アプリケーションの利用規約への同意>
患者端末入力部21が初回に操作を受け付けたとき、患者端末表示部23は、患者情報管理アプリケーションの利用規約を表示するとともに、患者が該利用規約に同意する意思を示す操作をさせるための情報を表示する。同意する意思を示す操作をさせるための情報とは、例えば、「同意する」と標記された同意ボタンと、利用規約に同意する場合には該同意ボタンを押すことを促す情報である。患者端末2は、例えば、患者による同意ボタンのクリックを受け付けることによって、患者端末入力部21が、利用規約に同意する意思を示すための操作を受け付けると、以降で説明する処理を実行する。
【0024】
<初期設定>
患者端末入力部21が、利用規約に同意する意思を示すための操作を受け付けると、患者端末表示部23は、患者情報を入力させるための入力画面を表示する。患者情報は、上述したように患者に関する情報であり、性別、生年月日、疾病、発病時期を含む。入力画面は、入力オブジェクト(入力欄、登録ボタン等)がある。
【0025】
図3は、
図1に示す患者端末表示部23が表示する初期設定画面の例を示す図である。
図3に示すように、患者端末表示部23は、性別、生年月日、疾病、発病時期をそれぞれ入力させるための入力欄をディスプレイに表示する。また、患者端末表示部23は登録ボタンをディスプレイに表示する。患者端末入力部21は、患者によって入力欄に入力された性別、生年月日、疾病、発病時期を受け付ける。また、患者端末入力部21は、患者による登録ボタンへの入力操作を受け付ける。患者端末記憶部24は、患者端末入力部21が登録ボタンへの入力操作を受け付けると、入力欄に入力された性別、生年月日、疾病、発病時期を記憶する。
【0026】
<医療機関登録>
また、医療機関を登録して医療従事者に登録した情報を共有したい患者の操作に基づき、患者端末2は、以下に詳細に説明するように、情報管理装置3の運営会社の利用規約に同意し、情報管理装置3の運営会社のサービスに会員登録をし、患者の操作により選択された医療機関を、個人情報である患者名に対応付けて登録する。
【0027】
まず、患者端末表示部23は、利用規約および該利用規約への同意ボタンを表示する。患者端末表示部23は、利用規約ではなく、利用規約を表示させるためのオブジェクト(例えば、利用規約へのリンク、利用規約表示ボタン)を表示させてもよい。このような構成において、患者端末入力部21が、患者によって利用規約を表示させるためのオブジェクトへの入力操作を受け付けると、患者端末表示部23は、利用規約を表示させる。
【0028】
図4は、
図1に示す患者端末表示部23が表示する医療機関登録画面の例を示す図である。患者端末表示部23は、患者端末入力部21が患者による同意ボタンへの操作入力を受け付けると、
図4に示すように、患者のメールアドレス、パスワード、医療機関が存在する都道府県名、及び医療機関名をそれぞれ入力させるための入力欄をディスプレイに表示する。患者端末表示部23は、例えば、都道府県名をドロップダウンリストに入力させるように入力欄を表示してもよい。また、患者端末表示部23は登録ボタンをディスプレイに表示する。患者端末入力部21は、患者によって入力欄に入力されたメールアドレス、パスワード、都道府県名、及び医療機関名を受け付ける。また、医療機関が、当該医療機関の医療機関識別情報を示すQRコード(登録商標)を発行して患者に提供してもよく、患者端末入力部21は、QRコードを読みこむことで、該当の医療機関識別情報を受け付けてもよい。
【0029】
また、患者端末入力部21は、患者による登録ボタンへの入力操作を受け付ける。患者端末記憶部24は、患者端末入力部21が登録ボタンへの入力操作を受け付けると、入力欄に入力されたメールアドレス、パスワード、都道府県名、及び医療機関名を記憶する。また、患者端末通信部22は、患者端末入力部21が登録ボタンへの入力操作を受け付けると、入力欄に入力されたメールアドレス、パスワード、都道府県名、及び医療機関名と、患者端末記憶部24に記憶されている性別、生年月日、疾病、発病時期とを含む患者情報を患者識別情報とともに情報管理装置3に送信する。患者識別情報は、患者を一意に識別するための情報であり、初期登録において、情報管理装置3によって発行されて患者端末2に送信され、患者端末記憶部24に記憶される。
【0030】
<健康記録の入力>
図5は、
図1に示す患者端末表示部23が表示する患者記録画面の例を示す図である。患者端末表示部23は、
図5に示すような、患者記録情報を入力させるための患者記録画面を表示する。患者が、現在の日付(
図5の例では、「2019年01月12日(土)」)、及び現在の時刻(
図5の例では、「10:00」)における患者記録情報を患者記録画面に入力すると、患者端末入力部21が患者記録情報を受け付け、患者端末記憶部24および患者記録情報記憶部35それぞれが患者記録情報を記憶する。患者記録情報は、上述したように経時的に変化する、患者の健康に関する情報であり、記録日及び、疾病指標を含む。疾病指標は、患者情報管理アプリケーションの提供企業が提供するアプリケーションの対象疾患によって、疾病ごとに決定されている体調管理項目である。疾病指標は、後述する疾病指標記憶部38において、アプリごとに疾病に対応付けて記憶されている。例えば、提供アプリの対象疾患が「糖尿病」の場合、疾病指標は、血糖値、血糖値の測定タイミング、インスリン投与量等を含む。なお、新たな、疾病と疾病指標との対応付けを含む疾病指標アプリ(疾病指標アプリケーション)は、患者情報管理アプリケーションの提供企業によって任意のタイミングで、情報管理装置3の疾病追加部39を介して疾病指標記憶部38に記憶される。疾病指標アプリは、情報管理装置3の疾病指標記憶部38ではなく、情報管理装置3とは別の装置に記憶されてもよい。患者は、医療機関から、資材等を用いて疾病指標アプリを紹介されると、所定の操作により情報管理装置3から自身の疾病に関す疾病指標アプリを該疾病指標アプリが記憶されている情報管理装置3又は別の装置から患者端末2にダウンロードする。患者端末表示部23は、疾病ストアがダウンロードされると、該疾病指標アプリに含まれる疾病と疾病指標との対応付けに基づいて、患者記録画面に上述した疾病指標と該疾病指標の入力欄を表示する。
【0031】
また、患者端末表示部23は、患者端末記憶部24が記憶している患者記録情報を一覧で示すためのログブック画面を表示する。また、患者端末記憶部24が記憶している患者記録情報をグラフ形式(折れ線グラフなど)で示すためのグラフ画面を表示する。また、患者端末表示部23は、患者端末記憶部24が記憶している患者記録情報をカレンダー形式で示すためのカレンダー画面を表示する。例えば、患者がカレンダー画面に表示されている日付を押下すると、患者端末表示部23は、該日付に対応して患者端末記憶部24が記憶している患者記録情報を表示することができる。
【0032】
また、患者端末表示部23は、患者記録画面、ログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面それぞれの一部(
図5の例では患者記録画面の下部)に、患者記録画面、ログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面のいずれを表示させるか選択するためのアイコン等を含む画面選択欄を表示してもよい。
【0033】
また、患者記録情報が入力されると、患者端末入力部21は、入力された患者記録情報を受け付ける。患者端末入力部21が患者記録情報を受け付けると、患者端末記憶部24が患者記録情報を記憶し、患者端末通信部22が患者記録情報を患者端末記憶部24に記憶されている患者識別情報に対応付けて情報管理装置3に送信する。
【0034】
<メッセージの管理>
患者端末入力部21は、患者によって入力された、該患者が医療行為を受ける医療機関の医療従事者に宛てたメッセージを受け付ける。患者端末入力部21がメッセージを受け付けると、患者端末通信部22は、該メッセージを患者識別情報とともに情報管理装置3に送信する。また、患者端末通信部22は、医療機関端末5から送信され、メッセージ記憶部41に記憶されている、患者の患者識別情報に対応付けられているメッセージを情報管理装置3から受信する。患者端末通信部22がメッセージを受信すると、患者端末表示部23は、該メッセージをディスプレイに表示する。
【0035】
<<情報管理装置の構成>>
情報管理装置3は、管理通信部31と、認証部32と、医療機関情報記憶部33と、患者情報記憶部34と、患者記録情報記憶部35と、通院記録情報記憶部36と、抽出部37と、疾病指標記憶部38と、疾病追加部39と、分析部40と、メッセージ記憶部41とを備える。
【0036】
管理通信部31は、医療機関端末5及び患者端末2のそれぞれから送信された各種情報を受信する。管理通信部31は、医療機関端末5及び患者端末2のそれぞれに各種情報を送信する。
【0037】
認証部32は、管理通信部31が医療機関端末5から医療機関情報を含む申込み要求を受信すると、受信された医療機関情報を医療機関情報記憶部33に記憶させ、医療機関端末5に医療機関識別情報及び初期パスワードを送信する。初期パスワードは、情報管理装置3が管理する各種情報を、医療従事者に表示させたり入力させたりすることを許可するか否かを判定するためのパスワードの初期値である。
【0038】
認証部32は、医療機関端末5から医療機関識別情報及び初期パスワードを受信すると、情報管理システム1の利用規約と、利用規約への医療従事者による同意を入力させる同意入力欄とを含む利用規約画面を生成する。認証部32は、管理通信部31が利用規約画面を医療機関端末5に送信するよう制御する。さらに、認証部32は、医療従事者による同意が入力されたことを示す同意情報を受信すると、初期パスワードを変更させるためのパスワード変更画面を生成する。認証部32は、管理通信部31がパスワード変更画面を医療機関端末5に送信するよう制御する。そして、認証部32は、管理通信部31が医療機関端末5からパスワード変更画面に入力された新しいパスワードを受信すると、新しいパスワードを医療機関識別情報に対応付けて医療機関情報記憶部33に記憶させる。
【0039】
医療機関情報記憶部33は、医療機関に関する情報である医療機関情報を記憶する。医療機関情報は、医療機関識別情報、医療機関名、パスワード、及び疾患領域を含む。医療機関識別情報は、医療機関を一意に識別するための情報である。医療機関名は、医療機関の名称である。パスワードは、情報管理装置3が管理する各種情報を医療従事者に表示させたり、入力させたりすることを許可するか否かを認証部32が判定するための情報である。パスワードは、暗号化されて記憶されてもよい。疾患領域は、医療機関が医療行為を提供する対象となる疾患の領域である。医療機関情報は、医療機関の住所、連絡先等をさらに含んでもよい。
【0040】
患者情報記憶部34は、患者端末2から送信された患者情報を患者識別情報に対応付けて記憶する。
【0041】
患者記録情報記憶部35は、患者端末2から送信された患者記録情報を患者識別情報に対応付けて記憶する。
【0042】
通院記録情報記憶部36は、患者端末2から送信された通院記録情報を患者識別情報に対応付けて記憶する。
【0043】
抽出部37は、管理通信部31が、医療機関端末5から送信された患者識別情報を含む検索要求を受信すると、患者識別情報にそれぞれ対応付けられている患者情報及び患者記録情報の少なくとも一方を抽出する。
【0044】
疾病指標記憶部38は、情報管理装置3の管理者によって入力された疾病と疾病指標とを対応付けて記憶する。例えば、上述したように、疾病が「糖尿病」である場合、血糖値、血糖値の測定タイミング、インスリン投与量等を含んでもよい。なお、疾病指標記憶部38は、「糖尿病」に限らず、任意の疾病と該疾病の疾病指標とを記憶することができる。
【0045】
疾病追加部39は、情報管理装置3の管理者によって新たに入力された疾病と疾病指標とを対応付けて疾病指標記憶部38に追加で記憶させる。
【0046】
分析部40は、患者情報記憶部34及び患者記録情報記憶部35にそれぞれ記憶されている患者情報及び患者記録情報をそれぞれ、あるいは合わせて分析する。例えば、分析部40は、所定の疾患に関する医療機関ごとの患者数又はその推移を分析することができる。また、分析部40は、所定の疾患に関する年齢層別の患者数又はその推移を分析することができる。分析部40は、分析の結果を出力することができる。
【0047】
メッセージ記憶部41は、管理通信部31が、患者端末2から患者識別情報及びメッセージを受信すると、患者識別情報に対応付けてメッセージを記憶する。また、メッセージ記憶部14は、管理通信部31が医療機関端末5から患者識別情報及びメッセージを受信すると、患者識別情報に対応付けてメッセージを記憶する。メッセージ記憶部41に記憶されているメッセージは、該メッセージに対応付けて記憶されている患者識別情報が示す患者の患者端末2、及び該患者に対応付けて患者情報記憶部34に対応付けて記憶されている医療機関の医療機関端末5からの要求に応じて、管理通信部31によって患者端末2及び医療機関端末5に送信される。
【0048】
<<医療機関端末の構成>>
医療機関端末5は、1つ以上の医療機関それぞれに設置され、医療機関に従事する医療従事者によって操作される。医療機関端末5は、医療機関入力部51と、医療機関通信部52と、医療機関表示部53とを備える。
【0049】
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された各種情報を受け付ける。
【0050】
医療機関通信部52は、医療機関入力部51によって受け付けた各種情報を情報管理装置3に送信する。また、医療機関通信部52は、情報管理装置3から送信された各種情報を受信する。
【0051】
医療機関表示部53は、医療機関入力部51によって受け付けた各種情報をディスプレイに表示する。
【0052】
以降において、医療機関端末5が実行する機能を詳細に説明する。
【0053】
<初期登録>
医療機関入力部51は、医療従事者が、患者情報管理アプリケーションを提供した製薬企業等からの利用案内資材を参考にして所定の操作を行うことによって入力された申込み要求を受け付ける。医療機関入力部51が申込み要求を受け付けると、医療機関通信部52は、該申込み要求を情報管理装置3に送信する。また、医療機関通信部52は、申込み要求を受信した情報管理装置3から送信された医療機関識別情報及び初期パスワードを受信する。医療機関表示部53は、医療機関識別情報及び初期パスワードをディスプレイに表示する。
【0054】
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された医療機関識別情報及び初期パスワードを受け付ける。医療機関通信部52は、医療機関入力部51によって受け付けられた医療機関識別情報及び初期パスワードを情報管理装置3に送信する。医療機関通信部52は、情報管理装置3から送信された利用規約画面を受信する。医療機関表示部53は、利用規約画面をディスプレイに表示する。
【0055】
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって利用規約画面に含まれる同意入力欄への入力を受け付ける。医療機関入力部51が同意入力欄への入力を受け付けると、医療機関通信部52は、同意情報を情報管理装置3に送信する。医療機関通信部52は、同意情報を受信した情報管理装置3から送信されたパスワード変更画面を受信する。
【0056】
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された新しいパスワードを受け付ける。医療機関通信部52は、医療機関入力部51によって受け付けられた新しいパスワードを情報管理装置3に送信する。
【0057】
<認証>
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された医療機関識別情報及び新しいパスワードを受け付ける。医療機関通信部52は、医療機関入力部51によって受け付けられた患者識別情報を情報管理装置3に送信する。上述したように情報管理装置3の認証部32は、医療機関識別情報及び新しいパスワードに基づいて認証を行う。認証部32の認証によって、医療従事者の正当性が認められると、医療機関端末5における以降の処理が許可される。
【0058】
<疾患領域の登録>
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された疾患領域を受け付ける。医療機関入力部51が疾患領域を受け付けると、医療機関通信部52は、疾患領域と、既に医療従事者によって入力された医療機関識別情報とを情報管理装置3に送信する。情報管理装置3において、管理通信部31が疾患領域と医療機関識別情報とを受信すると、医療機関情報記憶部33は、医療機関識別情報に対応付けて疾患領域を記憶する。
【0059】
<患者情報及び患者記録情報の表示>
医療機関入力部51は、医療従事者の操作によって入力された患者識別情報を受け付ける。医療機関通信部52は、医療機関入力部51によって受け付けられた患者識別情報を含む検索要求を情報管理装置3に送信する。上述したように情報管理装置3の抽出部37は、検索要求に含まれる患者識別情報に対応する患者情報及び患者記録情報をそれぞれ患者情報記憶部34及び患者記録情報記憶部35から抽出して、管理通信部31が抽出された患者情報及び患者記録情報を医療機関端末5に送信する。そして、医療機関通信部52は、管理通信部31から送信された患者情報及び患者記録情報を受信する。医療機関表示部53は、患者情報及び患者記録情報をディスプレイに表示する。医療機関表示部53は、患者端末表示部23と同じ患者記録情報を表示するとともに、該患者記録情報に関する患者の患者情報を表示してもよい。
【0060】
具体的には、医療機関表示部53は、患者記録情報記憶部35が記憶している患者記録情報を一覧で示すためのログブック画面を表示する。また、医療機関表示部53は、患者端末記憶部24が記憶している患者記録情報をグラフ形式(折れ線グラフなど)で示すためのグラフ画面を表示する。また、医療機関表示部53は、患者記録情報記憶部35が記憶している患者記録情報をカレンダー形式で示すためのカレンダー画面を表示する。例えば、医療従事者がカレンダー画面に表示されている日付を押下すると、医療機関表示部53は、該日付に対応して患者記録情報記憶部35が記憶している患者記録情報を表示することができる。なお、医療機関表示部53が表示するログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面は、それぞれ患者端末表示部23が表示する、ログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面と同じであってもよい。また、医療機関表示部53は、ログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面それぞれの一部に、ログブック画面、グラフ画面、及びカレンダー画面のいずれを表示させるか選択するためのアイコン等を含む画面選択欄を表示してもよい。
【0061】
また、医療機関入力部51は、患者記録情報に含まれる各種情報から、医療従事者が参照したい情報を絞り込んで表示させるための絞り込み情報の入力を受け付けてもよい。この場合、医療機関通信部52は、絞り込み情報と患者識別情報とを含む検索要求を情報管理装置3に送信する。そして、情報管理装置3の抽出部37は、検索要求に含まれる患者識別情報に対応する患者記録情報のうち絞り込み情報に対応する情報を抽出し、管理通信部31が該情報を送信する。そして、医療機関通信部52は、該情報を受信して、医療機関表示部53が該情報を表示する。
【0062】
医療機関入力部51は、医療従事者による患者一覧を表示させるための操作を受け付けてもよい。このような構成において、医療機関通信部52は、患者一覧を表示させるための検索要求を医療機関識別情報とともに情報管理装置3に送信する。情報管理装置3の管理通信部31が検索要求及び医療機関識別情報を受信すると、抽出部37は、医療機関識別情報で識別される医療機関が含まれる患者情報を抽出する。そして、管理通信部31は、抽出された患者情報を医療機関端末5に送信する。医療機関通信部52は患者情報を受信して、医療機関表示部53がディスプレイに表示する。
【0063】
また、情報管理装置3の管理通信部31が検索要求及び医療機関識別情報を受信すると、抽出部37は、医療機関情報記憶部33にて医療機関識別情報に対応付けて記憶されている疾患領域に対応する
疾病指標が含まれる患者記録情報を抽出してもよい。このような構成において、初期登録において疾患領域を入力していない医療機関は、患者の疾病に対応する疾病指標を含む患者記録情報を参照することができない。すなわち、医療機関は、上述した初期登録において入力した疾
患領域に対応するサービスに応じた情報を参照することができることになる。
【0064】
<メッセージの管理>
医療機関入力部51は、医療従事者によって入力された、該医療従事者が医療行為を提供する患者に宛てたメッセージを受け付ける。患者端末入力部21がメッセージを受け付けると、患者端末通信部22は、該メッセージを宛先となる患者の患者識別情報とともに情報管理装置3に送信する。また、医療機関通信部52は、患者端末2から送信され、情報管理装置3のメッセージ記憶部41に記憶されている、患者からからのメッセージを受信する。医療機関通信部52がメッセージを受信すると、医療機関表示部53は、該メッセージをディスプレイに表示する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、情報管理装置3は、患者情報記憶部34に記憶されている患者情報に含まれる疾病に対応する疾病指標を含む患者記録情報を受信し、受信された患者記録情報を記憶する。そのため、患者は、入力支援情報に基づいて、医療従事者が必要とする情報を入力することができる。これにより、患者が入力に要する労力は低減され、医療従事者は必要とする情報を把握することができる。したがって、情報管理装置3は、効率的に情報を管理することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態によれば、情報管理装置3は、疾病指標記憶部38に、疾病と、該疾病に対応する疾病指標との対応付けを追加して記憶させるための疾病追加部39をさらに備える。そのため、情報管理装置3の管理者は、医療機関のニーズに伴い、管理の対象とする疾病の種類が増加したときに、簡易に疾病と、該疾病に対応する疾病指標との対応付けを追加することができる。これにより、情報管理装置3の管理者は医療機関が所望するサービスを迅速に提供することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態によれば、患者情報は、患者が医療行為を受ける医療機関をさらに、含み、管理通信部31は、患者識別情報と、患者情報と、患者記録情報とを、患者情報に含まれる医療機関の医療機関端末5に送信する。そのため、医療従事者は、医療行為を提供する患者に関する患者識別情報と、患者情報と、患者記録情報とを参照することになる。すなわち、医療従事者は、医療行為を提供しない患者に関する情報を参照することができない。したがって、患者は、該患者に関する情報を、医療行為を提供する医療機関以外の医療機関に対して開示する必要がなく、これにより患者に関する情報の機密性が保たれる。
【0068】
実施形態では特に触れていないが、患者端末2及び情報管理装置3としてそれぞれ機能するコンピュータが行う各処理を実行するためのプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体をいれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMあるいはDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
【0069】
また、本実施形態において、患者端末記憶部24は、患者情報及び患者記録情報を記憶するとしたが、この限りではない。例えば、患者端末記憶部24は、患者情報及び患者記録情報を記憶しなくてもよい。このような構成において、患者端末通信部22が患者識別情報とともに患者情報及び患者記録情報の要求を情報管理装置3に送信する。そして、患者端末通信部22は、該要求に基づいて情報管理装置3が送信した患者情報及び患者記録情報を受信し、患者端末表示部23がディスプレイに表示する。
【0070】
また、本実施形態において、患者端末記憶部24は、患者識別情報を記憶するとしたが、この限りではない。例えば、患者端末記憶部24は、患者識別情報を記憶しなくてもよい。このような構成において、患者端末入力部21は、患者によって入力された患者識別情報を受け付け、患者端末表示部23は、入力された患者識別情報とともに、患者記録情報を情報管理装置3に送信する。
【0071】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形及び変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。