特許第6775791号(P6775791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6775791
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】部品受渡し装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20201019BHJP
   G01B 11/14 20060101ALI20201019BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20201019BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   H01L21/68 F
   G01B11/14 H
   H05K13/04 B
   H05K13/04 M
   H05K13/08 Q
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-92482(P2020-92482)
(22)【出願日】2020年5月27日
【審査請求日】2020年5月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591048070
【氏名又は名称】上野精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】永里 正一
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−043153(JP,A)
【文献】 特開2018−095399(JP,A)
【文献】 特開2005−050887(JP,A)
【文献】 特開2017−112286(JP,A)
【文献】 特開2017−220544(JP,A)
【文献】 特開2016−122754(JP,A)
【文献】 特開2015−023176(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/092651(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
G01B 11/14
H05K 13/04
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置される部材A、Bの少なくとも一方を仮想直線Lに平行に移動させて、該部材A、Bを接近させ、該部材A、B間にある電子部品を該部材Bに渡す部品受渡し装置において、
前記部材A、Bが非対向に配置された状態で、前記仮想直線Lに平行な方向に該部材A又は該部材Bを対向位置から撮像した第1の画像を得る第1の撮像手段と、
対向配置されている前記部材A、Bの双方を前記仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得る第2の撮像手段と
前記部材A、Bのいずれか一方と共に回転して、該部材A、Bが非対向に配置された状態及び該部材A、Bが対向配置された状態の一方から他方に切り替える回転体とを備えることを特徴とする部品受渡し装置。
【請求項2】
対向して配置される部材A、Bの少なくとも一方を仮想直線Lに平行に移動させて、該部材A、Bを接近させ、該部材A、B間にある電子部品を該部材Bに渡す部品受渡し装置において、
前記部材A、Bが非対向に配置された状態で、前記仮想直線Lに平行な方向に該部材A又は該部材Bを対向位置から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている前記部材A、Bの双方を前記仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得る撮像手段と、
前記第1、第2の画像の各被撮像物から前記撮像手段に至る光路上に設けられ、光の反射及び屈折のいずれか一方又は双方により、前記撮像手段に前記第1、第2の画像をとらえさせる光路調整手段と
前記部材A、Bのいずれか一方と共に回転して、該部材A、Bが非対向に配置された状態及び該部材A、Bが対向配置された状態の一方から他方に切り替える回転体とを備えることを特徴とする部品受渡し装置。
【請求項3】
請求項2記載の部品受渡し装置において、前記撮像手段は、前記第1の画像において該第1の画像のx軸方向中心に位置する被撮像物の部位が、前記第2の画像のx軸方向中心に位置した該第2の画像を得ることを特徴とする部品受渡し装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の部品受渡し装置において、前記撮像手段は、前記第1の画像に撮像される前記部材A又は前記部材Bを焦点が合った状態で撮像し、前記第2の画像に撮像される前記部材A及び前記部材Bを焦点が合った状態で撮像することを特徴とする部品受渡し装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の部品受渡し装置において、前記部材A、Bの対向位置に向かって色Cの光を照射する照明Dと、前記光路上に設けられた、前記色Cの光のみを透過させる光学フィルタEと、前記色Cの光とは波長が異なる色Jの光を前記部材A、Bの対向位置に向かって照射する照明Kと、前記光路上に設けられた、前記色Jの光のみを透過させる光学フィルタLとを更に備え、
前記撮像手段は、前記部材A、Bが非対向に配置された状態、かつ、前記照明Dが前記色Cの光を照射し、前記照明Kが前記色Jの光を照射していない状態と、前記部材A、Bが対向配置された状態、かつ、前記照明Dが前記色Cの光を照射しておらず、前記照明Kが前記色Jの光を照射している状態とでそれぞれ撮像することを特徴とする部品受渡し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を所定の部材に移動させる部品受渡し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を吸着している一のユニットの吸着ノズルから他のユニットの吸着ノズルに電子部品を移動させる装置や、表面に電子部品が貼り付けられたウエハシートの裏面側を針状部材で押して電子部品を表面側に移動させ、ウエハシートの表面側に配されたコレットに渡す装置(特許文献1参照)等、一の部材(以下、「部材A」と言う)と他の部材(以下、「部材B」と言う)を接近させて、部材A、B間にある電子部品を部材Bに受け渡す様々な装置が存在する。
【0003】
このような装置においては、部材A及び部材Bをそれぞれ所定の位置に配した状態から部材Aと部材Bを接近させることが、電子部品の安定的な受け渡しのために重要であり、各部材の組み立て時の調整等によって、部材A及び部材Bがそれぞれ所定の位置に配されるようにしてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−186298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子部品の微小化が進むにつれ、部材A及び部材Bをそれぞれ所定の位置に配する精度をより高める必要があった。なお、ここで言う電子部品とは、例えば、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、IC(Integrated Circuit)である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、電子部品の受け渡しの際に接近させる部材を所定の位置に正確に配置させることが可能な部品受渡し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る部品受渡し装置は、対向して配置される部材A、Bの少なくとも一方を仮想直線Lに平行に移動させて、該部材A、Bを接近させ、該部材A、B間にある電子部品を該部材Bに渡す部品受渡し装置において、前記部材A、Bが非対向に配置された状態で、前記仮想直線Lに平行な方向に該部材A又は該部材Bを対向位置から撮像した第1の画像を得る第1の撮像手段と、対向配置されている前記部材A、Bの双方を前記仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得る第2の撮像手段と、前記部材A、Bのいずれか一方と共に回転して、該部材A、Bが非対向に配置された状態及び該部材A、Bが対向配置された状態の一方から他方に切り替える回転体とを備える。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係る部品受渡し装置は、対向して配置される部材A、Bの少なくとも一方を仮想直線Lに平行に移動させて、該部材A、Bを接近させ、該部材A、B間にある電子部品を該部材Bに渡す部品受渡し装置において、前記部材A、Bが非対向に配置された状態で、前記仮想直線Lに平行な方向に該部材A又は該部材Bを対向位置から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている前記部材A、Bの双方を前記仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得る撮像手段と、前記第1、第2の画像の各被撮像物から前記撮像手段に至る光路上に設けられ、光の反射及び屈折のいずれか一方又は双方により、前記撮像手段に前記第1、第2の画像をとらえさせる光路調整手段と、前記部材A、Bのいずれか一方と共に回転して、該部材A、Bが非対向に配置された状態及び該部材A、Bが対向配置された状態の一方から他方に切り替える回転体とを備える。
【発明の効果】
【0008】
第1、第2の発明に係る部品受渡し装置は、部材A、Bが非対向に配置された状態で、仮想直線Lに平行な方向に部材A又は部材Bを対向位置から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている部材A、Bの双方を仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得るので、第1の画像から部材A又は部材Bの位置を検出して部材A又は部材Bの位置調整をし、第2の画像から部材A、B間の距離を検出して、部材A、B間の間隔を調整することができ、電子部品の受け渡しの際に接近させる部材A、Bを所定の位置に正確に配置させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る部品受渡し装置の説明図である。
図2】同部品受渡し装置における第1の画像の説明図である。
図3】同部品受渡し装置における第2の画像の説明図である。
図4】本発明の第2の実施の形態に係る部品受渡し装置の説明図である。
図5】本発明の第3の実施の形態に係る部品受渡し装置の説明図である。
図6】本発明の第4の実施の形態に係る部品受渡し装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る部品受渡し装置10は、対向して配置される部材A1(部材Aの一例)及び部材B1(部材Bの一例)の少なくとも一方を仮想直線L1(仮想直線Lの一例)に平行に移動させて、部材A1、B1を接近させ、部材A1、B1間にある電子部品Wを部材B1に渡す装置である。以下、詳細に説明する。
【0011】
部品受渡し装置10は、図1に示すように、水平配置された円盤状の回転体11と、回転体11に昇降自在に取り付けられた複数の可動ロッド12と、回転体11を回転させるモータ13を備えている。可動ロッド12は、回転体11の外周部に等間隔で配され、それぞれ鉛直に回転体11を貫通している。各可動ロッド12は、回転体11から上側に突出した部分にコイルバネ14が装着され、回転体11から下側に突出した部分にアーム15の一端部が固定されている。アーム15は回転体11の径方向に長く、他端部が回転体11から離れた位置に配されている。
【0012】
部材A1は、鉛直方向に長い吸着ノズルであり、アーム15の他端部を貫通している。部材A1は、下端部中心で真空圧によって電子部品Wを吸着し、吸着している電子部品Wを真空破壊又は大気開放によって解放する。モータ13は間欠的に作動し、可動ロッド12、アーム15及び部材A1はモータ13の間欠的な作動によって移動(回転体11の中心を基準とした回転移動)及び一時停止を繰り返す。モータ13の一度の作動により、各可動ロッド12は可動ロッド12の配置ピッチ分移動する。
【0013】
可動ロッド12が一時停止する位置のいくつかには、直上に、可動ロッド12を押し下げて可動ロッド12、アーム15及び部材A1を下降させる押下げ手段16が設けられている。押下げ手段16が可動ロッド12、アーム15及び部材A1を下降させる距離は調整可能である。可動ロッド12、アーム15及び部材A1は、可動ロッド12が押下げ手段16から下向きの力を付与されていない状態で、可動ロッド12に作用しているコイルバネ14の復元力によって押し上げられる。以下、部材A1が下降していない高さ位置を「上昇位置」といい、部材A1が下降した高さ位置を「下降位置」と言う。
【0014】
押下げ手段16が可動ロッド12の真上に配された状態で、当該可動ロッド12に対応する部材A1の直下には、電子部品Wの位置を調整する校正ユニット17が設置されている。校正ユニット17は、電子部品Wを上端部中心で真空圧により吸着し、吸着している電子部品Wを真空破壊又は大気開放によって解放する部材B1(本実施の形態では、吸着コレット)と、部材B1の水平移動及び部材B1の仮想の鉛直軸を中心とした旋回が可能な位置調整機構18とを備えている。
【0015】
部材B1の上方で上昇位置に配されている部材A1に吸着された電子部品Wは、部材A1、B1間で、部材B1まで距離を有する位置に配される。以下、特に記載がない限り、部材A1は、校正ユニット17の上方に配されているものとする。本実施の形態において、仮想直線L1は鉛直に配され、電子部品Wは、部材A1が上昇位置から仮想直線L1に平行に移動(下降)するのに伴って部材B1に接近し、部材A1が下降位置に配されて部材B1に接触する。
【0016】
部材A1は、部材B1に接近する際、等速で移動(下降)してもよいし、部材B1に接近するに従って事前に設定された位置から減速するようにしてもよい。また、部材A1が移動して電子部品Wが部材B1に接触した時点で、押下げ手段16のモータに流れる電流値等を基に押下げ手段16に生じている負荷を計測し、計測された負荷が設定値以上の負荷とならないように荷重制御を行うことができる。
【0017】
部材B1が電子部品Wを吸着した後、部材A1は、電子部品Wを解放して部材B1に電子部品Wを渡し、上昇する。
次に、部材B1が部材A1から取得した電子部品Wを、その位置を校正して部材A1に戻す。具体的には、位置調整機構18が、電子部品Wが部材A1に吸着されていた際に検出された電子部品Wの部材A1に対する相対位置を基に、適宜、部材B1の水平移動や旋回を行って電子部品Wが部材A1に対し所定の位置に配されるように位置を調整する。部材B1は位置調整が完了した電子部品Wを、下降して下降位置に配された部材A1に戻し、電子部品Wを吸着した部材A1は上昇位置まで上昇する。部材A1は、電子部品Wを吸着して上昇する際、等速で上昇してもよいし、予め設定した速度制御パターンに従って加減速を行ってもよい。
【0018】
ここで、部材A1、B1間の電子部品Wの受け渡しを安定的に行うには、上昇位置にある部材A1の下端部中心(電子部品Wを吸着する部分)及び部材B1の上端部中心(電子部品Wを吸着する部分)が仮想直線L1に平行に配されること、並びに、部材A1が下降位置に配されて、部材A1の下端部中心から部材B1の上端部中心までの距離が電子部品Wの厚み分となることが重要である。
【0019】
そのため、部品受渡し装置10は、以下に説明する撮像手段19及び光路調整手段20を具備し、部材A1、B1間で電子部品Wの受け渡しを行う前の準備工程として、部材A1、B1の位置調整を行えるように設計されている。
撮像手段19は、撮像方向が鉛直(仮想直線L1に平行な方向)となるように設置されている。平面視して、可動ロッド12、部材A1(部材B1についても同じ)及び撮像手段19は、直線的に並べられている。光路調整手段20は、撮像手段19の直下に配されたビームスプリッタ21、ビームスプリッタ21の直下で部材A1、B1間の高さ位置に配されたミラー22、及び、ビームスプリッタ21と同一高さで、部材A1、B1の真上に配されたミラー23を具備している。ここで、ビームスプリッタ21に代えて、ハーフミラーのように入射光の角度に応じて光を反射又は透過するコーティング面が設けられた光学部品を用いてもよい。
【0020】
ミラー22は、部材A1、B1が対向配置される位置(以下、「部材A1、B1の対向位置」とも言う)からミラー22に向かって水平に進んでミラー22に入射した光をビームスプリッタ21に向かって真上に反射する。ビームスプリッタ21は、ミラー22から真上に進んでビームスプリッタ21に入射した光を透過させて撮像手段19に向かわせる。
【0021】
ミラー23は、部材A1、B1の対向位置からミラー23に向かって真上に進んでミラー23に入射した光をビームスプリッタ21に向かって水平に反射する。ビームスプリッタ21は、ミラー23から水平に進んでビームスプリッタ21に入射した光の略半分を真上に反射して撮像手段19に向かわせる。
【0022】
準備工程における部材A1、B1の位置調整は以下のように行われる。
部材B1の真上に部材A1が配されていない状態(部材A1、B1が非対向に配置された状態)で、撮像手段19は、図2に示すように、仮想直線L1に平行な方向で部材B1を真上(部材B1の対向位置)から撮像した第1の画像Pを得る。第1の画像Pは、部材B1を真上から撮像した領域P1に加え、部材B1が水平に撮像された領域P2も有する。部材B1の真上に部材A1が配されないようにするには、例えば、押下げ手段16の真下に可動ロッド12が配された状態から、回転体11を可動ロッド12の配置ピッチの半分に当たる角度だけ回転させればよい。
【0023】
そして、第1の画像Pの領域P1から、第1の画像Pにおける所定の位置R(本実施の形態では、領域P1の中心)に対する部材B1の上端部中央の相対位置が検出される。本検出は、人が第1の画像Pを画面で見て行ってもよいし、撮像手段19に接続された図示しない情報処理端末が行ってもよい。本実施の形態では、人が第1の画像Pを見て、位置Rに対する部材B1の上端部中央の相対位置を容易に確認できるように、撮像手段19の光学部材(例えばレンズ)に、位置Rで直交する直線J、Kが付された図示しないガラス板が取り付けられている。
【0024】
ガラス板は、直線Jが領域P1内で位置Rを通りx軸方向に沿い、直線Kが位置Rを通り領域P1、P2に渡ってy軸方向に沿うように、撮像手段19のレンズに対して位置決めされている。当該ガラス板を用いる代わりに、撮像手段19が得た第1の画像P(後述する第2の画像Qについても同じ)に直線J、Kと同様の2本の直線をソフトウェアによって付すようにしてもよい。
第1の画像Pの領域P1において、部材B1の上端部中心が位置Rに配されるように、撮像手段19や部材B1の位置が調整される。これによって、位置調整後に撮像された第1の画像Pでは、領域P1において部材B1の上端部中心が位置R上に配され、領域P2において部材B1の上端部中心が直線K上に配されることとなる。
【0025】
次に、部材A1、B1が対向配置された状態で、撮像手段19は、図3に示すように、対向配置されている部材A1、B1の双方を水平(仮想直線L1に直交する方向)に撮像した第2の画像Qを得る。本実施の形態においては、第2の画像Qを撮像する際に、部材A1が電子部品Wを吸着しておらず上昇位置に配されているが、部材A1は、電子部品Wを吸着していてもよいし、下降位置や部材B1に接触する位置に配されていてもよい。
第2の画像Qは、部材A1、B1を水平に撮像した領域Q2に加えて部材A1、B1を真上から撮像した領域Q1も有する。領域Q1、Q2はそれぞれ領域P1、P2に対応し、第2の画像Qには、第1の画像Pと同様に直線J、Kがとらえられる。
【0026】
従って、光路調整手段20は、第1の画像Pの領域P1の被撮像物である部材B1及び第2の画像Qの領域Q2の被撮像物である部材A1、B1から撮像手段19に至る光路上に設けられ、光の反射により、撮像手段19に第1の画像P及び第2の画像Qをとらえさせるものである。なお、光の屈折のみによって、あるいは、光の反射及び屈折によって、撮像手段19に第1の画像P及び第2の画像Qをとらえさせる光路調整手段を採用してもよい。
【0027】
第2の画像Qの領域Q2を基にして、部材A1の下端部と部材B1の上端部間の距離が検出される。部材A1、B1が接触している場合は、部材A1、B1間の距離は零として検出される。
ここで、第1の画像Pを利用して行った撮像手段19や部材B1の位置調整によって、第2の画像Qの領域Q2において、部材B1の上端部中心が直線K上に配されている。
【0028】
即ち、撮像手段19は、第1の画像Pにおいて第1の画像Pの領域P1のx軸方向中心に位置する被撮像物の部位(ここでは部材B1の上端部中心)が、(第2の画像Qの)領域Q2のx軸方向中心に位置した第2の画像Qを得ている。そのため、第2の画像Qの領域Q2を基にして、部材A1の下端部中心が部材B1の上端部中心の真上(部材B1の上端部中心に対して仮想直線L1に平行)に配されていることから、部材A1の下端部中心が直線K上に配されていることを検出できる。
【0029】
また、第2の画像Qの領域Q1には部材A1の上端部が撮像される。そのため、本実施の形態では、部材A1の上端部中心及び部材A1の下端部中心が仮想直線L1に平行に配されていることを前提として、第2の画像Qの領域Q1において部材A1の上端部中心が位置R(直線K、Jの直交位置)に一致していることから、部材A1の下端部中心が部材B1の上端部中心の真上に配されていることを検出するようにしている。
第2の画像Qを利用した各検出も、人が第2の画像Qを画面で見て行ってもよいし、情報処理端末がソフトウェアを用いて行ってもよい。
【0030】
第2の画像Qにおいて、部材A1の下端部中心から部材B1の上端部中心までの距離が所定の値となり、かつ、部材A1の下端部中心が部材B1の上端部中心の真上に配されるように、部材A1の位置調整がなされる。部材A1を上昇位置に配して第2の画像Qを得た場合、部材A1の上昇位置を基準にして下降位置を決定でき、部材A1を下降位置に配して第2の画像Qを得た場合、部材A1の下降位置を基準にして上昇位置を決定でき、部材A1、B1を接触させて第2の画像Qを撮像した場合、部材A1が部材B1に接触する位置を基準にして、部材A1の上昇位置及び下降位置を決めることができる。
第2の画像Qを利用した各検出及びその検出結果を基にした部材A1の位置調整は、全ての部材A1について行われる。
【0031】
本実施の形態では、撮像手段19が単焦点式である。位置調整機構18は、撮像手段19が、第1の画像Pの被撮像物及び第2の画像Qの被撮像物を焦点が合った状態で撮像するように設計されていることから、第1の画像P及び第2の画像Qを基にした各検出を安定的になすことができる。
なお、焦点距離が可変の撮像手段を採用してもよく、その場合、第1の画像を撮像するタイミングと第2の画像を撮像するタイミングで、撮像手段の焦点距離を変えれば、第1の画像の被撮像物及び第2の画像の被撮像物を焦点が合った状態で撮像できることから、位置調整機構によって第1の画像を得るための光路長と第2の画像を得るための光路長を一致させる調整は不要である。
【0032】
部品受渡し装置10は、1つの撮像手段19で第1の画像P及び第2の画像Qを得るようにしているが、第1の画像を得る撮像手段とは別に第2の画像を得る撮像手段を設けるようにしてもよい。この場合、光路調整手段を設ける必要はなく、部品受渡し装置は、対向して配置される部材A、Bの少なくとも一方を仮想直線Lに平行に移動させて、部材A、Bを接近させ、部材A、B間にある電子部品を部材Bに渡す装置であって、部材A、Bが非対向に配置された状態で、仮想直線Lに平行な方向に部材A又は部材Bを対向位置から撮像した第1の画像を得る第1の撮像手段と、対向配置されている部材A、Bの双方を仮想直線Lに直交する方向に撮像した第2の画像を得る第2の撮像手段とを備えることとなる。
【0033】
また、第1の画像に部材B以外のものが写りこむこと、及び、第2の画像に部材A、B以外のものが写りこむことを抑制するため、特定範囲の波長の光を照射する照明と光学フィルタを設けてもよい。
以下、図4を参照して、部品受渡し装置10に対し、照明31、32及び光学フィルタ33、34が追加された本発明の第2の実施の形態に係る部品受渡し装置30について説明する。なお、部品受渡し装置30において、部品受渡し装置10と同様の構成については、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0034】
部品受渡し装置30は、図4に示すように、ミラー23と部材A1、B1の対向位置との間から部材A1、B1の対向位置に向かって青色の光を照射する照明31と、部材A1、B1の対向位置を基準にして、ミラー22の反対側から部材A1、B1の対向位置に向かって赤色の光を照射する照明32を備えている。照明31、32は共にリング状の同軸照明であり、撮像手段19は、照明31の内周を通して真上から部材A1、B1を撮像した画像を得る。
【0035】
部材A1、B1の対向位置からミラー23及びビームスプリッタ21を経由して撮像手段19に至る光路上(本実施の形態ではミラー23とビームスプリッタ21の間)には、光学フィルタ33が設けられている。部材A1、B1の対向位置からミラー22及びビームスプリッタ21を経由して撮像手段19に至る光路上(本実施の形態ではミラー22とビームスプリッタ21の間)には、光学フィルタ34が設けられている。
【0036】
光学フィルタ33は照明31に対応し青色の光のみを透過させ、光学フィルタ34は照明32に対応し赤色の光のみを透過させる。
撮像手段19は、部材B1の真上に部材A1が配されていない状態、かつ、照明31が青色光を照射し、照明32が赤色光を照射していない状態で第1の画像を撮像する。これによって、第1の画像には、青色光を照射された部材B1が他のものより強調されて撮像される。
【0037】
そして、撮像手段19は、1)部材A1、B1が対向配置された状態、かつ、照明31が青色光を照射し、照明32が赤色光を照射していない状態と、2)部材A1、B1が対向配置された状態、かつ、照明31が青色光を照射しておらず、照明32が赤色光を照射している状態とで第2の画像を得る。上記1)の状態で得られた第2の画像の部材A1、B1を真上から(仮想直線L1に平行に)撮像した領域には、部材A1、B1が強調されてとらえられる。上記2)の状態で得られた第2の画像の部材A1、B1を水平に撮像した領域には、部材A1、B1が強調されてとらえられる。
なお、青色光及び赤色光の組み合わせは一例であり、他の組み合わせであってもよいのは言うまでもない。
【0038】
ここまで説明した部品受渡し装置10、30は、部材Aが電子部品Wを部材Bに渡し、部材Bが部材Aから取得した電子部品Wの位置を校正して部材Aに戻す装置であったが、これに限定されない。
以下、図5図6を参照して、部材A、Bの役割が、部品受渡し装置10、30とは異なる部品受渡し装置40、60について説明する。
【0039】
本発明の第3の実施の形態に係る部品受渡し装置40は、図5に示すように、複数の部材A2(部材Aの一例)を有する回転ユニット41と、複数の部材B2(部材Bの一例)を有する回転ユニット42を備えている。長尺の吸着ノズルである各部材A2は、回転ユニット41の回転中心を基準にして放射状に配置され、部材A2の長手方向に進退可能である。回転ユニット41は、回転と一時停止を繰り返して、各部材A2が間欠的に移動する。
【0040】
長尺の吸着ノズルである各部材B2は、回転ユニット42の回転中心を基準にして放射状に配置され、部材B2の長手方向に進退可能である。回転ユニット42は、回転と一時停止を繰り返して、各部材B2が間欠的に移動する。
回転ユニット41、42は同じタイミングで一時停止し、回転ユニット41、42が一時停止した際、一の部材A2と一の部材B2とが距離を有して対向配置される。対向配置された部材A2、B2は、部材A2、B2の少なくとも一方が水平に配された仮想直線L2(仮想直線Lの一例)に平行に移動して、部材A2、B2を接近させ、部材A2に吸着されている図示しない電子部品を部材B2に渡す。部材A2、B2が接近する際には、予め設定されたパターンに従って減速動作を行ってもよい。また、部材A2に吸着されている電子部品が部材B2に接触する際には、設定された以上の荷重が電子部品にかからないように荷重制御を行ってもよい。
【0041】
部材A2から部材B2への電子部品の受け渡しを安定的に行うべく、部品受渡し装置40は、部材A2、B2が非対向に配置された状態で、仮想直線L2に平行な方向に部材B2を部材B2の対向位置(部材A2が一時停止する位置)から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている部材A2、B2の双方を仮想直線L2に直交する方向(鉛直)に撮像した第2の画像を得る撮像手段43と、第1の画像の被撮像物である部材B2から撮像手段43に至る光路上及び第2の画像の被撮像物である部材A2、B2から撮像手段43に至る光路上に設けられ、光の反射及び屈折のいずれか一方又は双方により、撮像手段43に第1、第2の画像をとらえさせる光路調整手段44とを備えている。
【0042】
光路調整手段44はミラー45、46及びビームスプリッタ47を有している。ミラー45、46及びビームスプリッタ47は、撮像手段43が、ビームスプリッタ47及びミラー46を介して部材B2を対向位置から撮像した第1の画像を得ること、及び、ビームスプリッタ47及びミラー45を介して対向配置された部材A2、B2を仮想直線L2に直交する方向に撮像した第2の画像を得ることができるように配置されている。
なお、部品受渡し装置40に対し、撮像手段43、ミラー45、46及びビームスプリッタ47の配置を変えることによって、部材B2ではなく部材A2を対向位置から撮像した第1の画像を得るようにすることができる。
【0043】
また、本発明の第4の実施の形態に係る部品受渡し装置60は、図6に示すように、ペパーポットである部材A3(部材Aの一例)と、複数の部材B3(部材Bの一例)を有する回転ユニット61とを備えている。部材A3は突上げニードル62が収められた円柱状の収容体63を具備している。収容体63と共に水平に配置された突上げニードル62は、水平配置された仮想直線L3に平行(水平)に進退可能であり、前進して一端部が収容体63の一端部に形成された貫通孔から突出し、後退して全体が収容体63内に収まる。部材A3は、リングホルダ64に取り付けられ多数の電子部品が表面に貼付されたウエハシートSの裏面側に配されている。
【0044】
長尺の吸着ノズルである各部材B3は、回転ユニット61の回転中心を基準にして放射状に配置され、部材B3の長手方向に進退可能である。回転ユニット61は回転と一時停止を繰り返して各部材B3が間欠的に移動する。
回転ユニット61が一時停止した際、裏面側に収容体63の一端部が近接されたウエハシートSの領域の表面に貼付された電子部品(ウエハシートS)に対し、一の部材B3が、距離を有して対向配置される。
【0045】
この状態で、突上げニードル62が仮想直線L3に平行に前進してウエハシートSの裏面を表面側に押して、突上げニードル62(部材A3)と共に電子部品を部材B3に接近させ、部材B3が電子部品を吸着する。これによって、電子部品がウエハシートSから部材B3に渡される。突上げニードル62が前進する際、突上げニードル62は、予め設定された制御パターンに従って、電子部品が部材B3に接近するのに伴い減速したり、途中で一旦停止し再度前進する二段階の前進動作を行ったりすることができる。
【0046】
ウエハシートSから部材B3へ電子部品を安定的に渡すには、部材A3が所定の位置に配置され、電子部品を間に挟んで対向配置される部材A3、B3が所定の距離を有することが重要である。そこで、部品受渡し装置60は、部材A3に部材B3が非対向な状態で、仮想直線L3に平行な方向(水平)に部材A3を対向位置から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている部材A3、B3の双方を仮想直線L3に直交する方向(鉛直)に撮像した第2の画像を得る撮像手段65と、第1の画像の被撮像物である部材A3から撮像手段65に至る光路上及び第2の画像の被撮像物である部材A3、B3から撮像手段65に至る光路上に設けられ、光の反射及び屈折のいずれか一方又は双方により、撮像手段65に第1、第2の画像をとらえさせる光路調整手段66とを備えている。本実施の形態では、部品受渡し装置60からウエハリング64を取り除いた状態で第1、第2の画像が撮像される。
【0047】
光路調整手段66は、ミラー67、68及びビームスプリッタ69を有する。ミラー67、68及びビームスプリッタ69は、撮像手段65が、ビームスプリッタ69及びミラー68を介して部材A3を対向位置から撮像した第1の画像を得ることができ、ビームスプリッタ69及びミラー67を介して対向配置された部材A3、B3を仮想直線L3に直交する方向に撮像した第2の画像を得られるように配置されている。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、第1、第2の画像に直線J、Kが存在する必要はない。
また、第1の画像において第1の画像のx軸方向中心に位置する被撮像物の部位が、第2の画像において第2の画像のx軸方向中心以外の位置にとらえられるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10:部品受渡し装置、11:回転体、12:可動ロッド、13:モータ、14:コイルバネ、15:アーム、16:押下げ手段、17:校正ユニット、18:位置調整機構、19:撮像手段、20:光路調整手段、21:ビームスプリッタ、22、23:ミラー、30:部品受渡し装置、31、32:照明、33、34:光学フィルタ、40:部品受渡し装置、41、42:回転ユニット、43:撮像手段、44:光路調整手段、45、46:ミラー、47:ビームスプリッタ、60:部品受渡し装置、61:回転ユニット、62:突上げニードル、63:収容体、64:リングホルダ、65:撮像手段、66:光路調整手段、67、68:ミラー、69:ビームスプリッタ、A1〜A3:部材A、B1〜B3:部材B、L1〜L3:仮想直線L、P:第1の画像、Q:第2の画像、S:ウエハシート、W:電子部品
【要約】
【課題】電子部品の受け渡しの際に接近させる部材を所定の位置に正確に配置させることが可能な部品受渡し装置を提供する。
【解決手段】対向して配置される部材A1、B1の少なくとも一方を仮想直線L1に平行に移動させて、部材A1、B1を接近させ、部材A1、B1間にある電子部品Wを部材B1に渡す部品受渡し装置10において、部材A1、B1が非対向に配置された状態で、仮想直線L1に平行な方向に部材A1又は部材B1を対向位置から撮像した第1の画像、及び、対向配置されている部材A1、B1の双方を仮想直線L1に直交する方向に撮像した第2の画像を得る撮像手段19と、第1、第2の画像の各被撮像物から撮像手段19に至る光路上に設けられ、光の反射及び屈折のいずれか一方又は双方により、撮像手段19に第1、第2の画像をとらえさせる光路調整手段20とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6