(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6775883
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】鉄道車両の電気連結器
(51)【国際特許分類】
B61G 5/10 20060101AFI20201019BHJP
B61G 7/00 20060101ALI20201019BHJP
H02G 15/08 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
B61G5/10
B61G7/00 B
H02G15/08
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-208256(P2016-208256)
(22)【出願日】2016年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-69772(P2018-69772A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛
(72)【発明者】
【氏名】西見 裕介
【審査官】
森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0185364(US,A1)
【文献】
米国特許第05449295(US,A)
【文献】
特開昭56−120451(JP,A)
【文献】
特開平07−009997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61G 5/10
B61G 7/00
H02G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結器に設けられ、ピストンシリンダユニットと所定のリンク機構とによって前記連結器に対して駆動されるようになっている電気連結器であって、
前記ピストンシリンダユニットは、そのシリンダ部の端部が前記連結器に軸支されると共にそのピストンロッド部が前記連結器の後方寄りに向けられ、それによって実質的に前記連結器と並行に設けられており、
前記リンク機構は第1、2のリンクからなり、前記第1のリンクは前記連結器に固定されている所定の部材にその中央部が回動自在に軸支され、前記第1のリンクの一方の端部が前記ピストンロッド部の先端部に、そして他方の端部が前記第2のリンクの一方の端部にそれぞれ回動自在に枢着され、前記第2のリンクの他方の端部が前記電気連結器の後端部に回動自在に枢着され、
前記ピストンシリンダユニットを駆動して前記ピストンロッド部が後方に駆動されると、前記電気連結器は前記連結器と並行に前方にスライドされるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器。
【請求項2】
請求項1に記載の電気連結器において、前記電気連結器は前記連結器に対して固定的に設けられているガイド棒にガイドされて前記連結器に対して並行にスライドされるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気連結器において、前記第2のリンクには所定の弾性体を備えた衝撃吸収機構が介装され、前記第2のリンクの両端から衝撃が作用するとき前記衝撃吸収機構によって吸収されるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両の電気連結器に関するものであり、より詳しくは、互いに連結された複数台の車両からなる列車の先頭車両に設けられ、他の列車と併結されるとき、電力線や信号線を互いに接続するための電気連結器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両は一般に複数台が連結器で連結され、いわゆる列車として運行されている。列車内において給電系統はまとめられて車両間で電力が融通され、そして制御・通信用のデータが車両間で伝達されている。ところでダイヤの運行上の事情や、車両配備の必要等から、列車は他の列車と併結されて運行されることがある。互いに併結された列車間においても給電系統はまとめられて列車間で電力が融通され、そして制御・信号用のデータも相互に伝達される必要がある。つまり列車間で電力線や信号線を互いに接続する必要がある。従って列車の先頭車両には、電力線や信号線を互いに接続するための電気連結器が設けられている。
【0003】
電気連結器は、車両を連結する連結器の近傍に設けられている。一方の列車と他方の列車を併結するとき、最初に連結器同士を連結する。その後電気連結器同士を連結する。具体的に説明すると、電気連結器は複数の接点を備えたコネクタを備えており、他の電気連結器のコネクタと接続されると互いの接点同士が接触し、それによって双方の電力線と信号線が接続されることになる。このような電気連結器は、互いに連結するために軸方向に駆動する必要がある。電気連結器の軸方向への駆動は、レバー等による手動で実施するようになっているものもあるが、併結するたびに作業者が線路上で作業する必要があり危険が伴う。これに対してアクチュエータによって軸方向に駆動されるようになっている電気連結器は作業者が線路上で作業する必要がなく安全である。
図2には、アクチュエータによって駆動される電気連結器の従来例が示されている。この従来例の電気連結器52は、連結器51に対してその下方に設けられている。電気連結器52はアクチュエータであるピストンシリンダユニット54のピストン部54bに固定され、ピストンシリンダユニット54のシリンダ部54aは連結器51に対して固定されている。従ってピストン部54bを駆動すると電気連結器52が軸方向に駆動される。このような電気連結器52を備えた連結器51は、一方の列車と他方の列車のそれぞれの先頭車両に設けられている。両列車を併結するとき、最初に両列車を近接させて連結器51、51を連結する。その後それぞれのピストンシリンダユニット54、54を駆動する。そうすると両方の電気連結器52、52が互いに当接する。
図2においては、電気連結器52はその筐体部分が簡略的に示されているだけであるが、電気連結器52の内部には電力線と信号線を接続するためのコネクタが設けられている。一方の電気連結器52のコネクタと他方の電気連結器52のコネクタが結合され、電力線と信号線が両列車において接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−241673号公報
【0005】
特許文献1には、アクチュエータで駆動される他の電気連結器の例が記載されている。特許文献1に記載の電気連結器は連結器の上に設けられ、所定の筐体によって覆われている。筐体は前方の開口部が開閉可能なカバーによって閉鎖されていると共に所定のエアシリンダによって連結器に対して軸方向に駆動できるようになっている。そして、一方と他方の連結器が連結した後に一方と他方の筐体において開口部を開け、そしてエアシリンダーを駆動すると両方の筐体が開口部同士で接続される。電気連結器を構成しているコネクタは筐体内に設けられており、同様に筐体内に設けられている所定のアクチュエータによって前方に駆動できるようになっている。アクチュエータを駆動すると両方の電気連結器のコネクタ同士が接続される。すなわち電力線と信号線が接続される。ところで特許文献1に記載の電気連結器において、コネクタを駆動するアクチュエータは、ロッドレスシリンダからなる。ロッドレスシリンダはロッドが不要であるので軸方向の長さが比較的短い。従って筐体内にコンパクトに収納されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図2に示されている従来例に係る電気連結器52も、そして特許文献1に記載の電気連結器も、いずれもアクチュエータによって駆動されるようになっているので、アクチュエータを駆動すれば自動的に電気連結器が接続できる。つまり列車同士の併結時に作業員が線路上に出る必要がなく、安全であり優れいている。しかしながら、これらの電気連結器には解決すべき問題も見受けられる。近年の鉄道車両では、制御・通信用のデータが多くなっており、電気連結器に設けられているコネクタは多くの接点を設ける必要から大型化している。大型のコネクタを駆動するには駆動力の大きいアクチュエータを設けなければならない。しかしながら
図2に示されている従来例においては電気連結器52を駆動するアクチュエータはピストンシリンダユニット54であり、駆動力を大きくするにはシリンダ径を大きくする必要がある。連結器51の後方寄りの周囲には鉄道車両に必要な色々な周辺機器が設けられており、シリンダ径の大きなピストンシリンダユニット54を採用すると、このような周辺機器の配置の妨げになる。また、ピストンシリンダユニット54を大型化すると必然的に軸方向の長さも長くなる。そうするとピストン部54bのストロークの長さだけ余裕を持って連結器51に設けなければならず、連結器51の後方に軸方向にスペースが必要になる。この点でも、連結器51の周辺に必要な周辺機器の設定の妨げになってしまう。一方特許文献1に記載の電気連結器は、これを駆動するアクチュエータがロッドレスシリンダからなる。ロッドレスシリンダはピストンロッドが無いので、ストローク分の長さを確保しないでよいので軸方向の長さが短く、比較的コンパクトである。従って連結器近傍の周辺機器の設定の妨げになることはない。しかしながらロッドレスシリンダは、所定のシールを必要とし、シールは劣化し易いという問題がある。つまり耐久性の問題が見受けられる。ロッドレスシリンダにはシールが不要のマグネットタイプのものもあるが、大きな軸力を作用させることができない。そうすると大型のコネクタを駆動するのは難しいという問題がある。いずれにしてもロッドレスシリンダは採用に際して問題があると言える。
【0007】
本発明は、上記したような問題点を解決した鉄道車両の電気連結器を提供することを目的としている。具体的には、電気連結器は耐久性と駆動力に優れたピストンシリンダユニットによって駆動され、比較的大型のコネクタでも駆動できるように大型のピストンシリンダユニットが採用されても、これが連結器の周辺機器の妨げになることがない、鉄道車両の電気連結器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、ピストンシリンダユニットと所定のリンク機構とによって連結器に対して駆動されるようになっている電気連結器として構成する。ピストンシリンダユニットは、そのシリンダ部の端部が連結器に軸支されると共にそのピストンロッド部が連結器の後方寄りに向けられるようにし、実質的に連結器と並行になるように設ける。ピストンロッド部の先端部と電気連結器の後端部はリンク機構により接続する。ピストンシリンダユニットを駆動してピストンロッド部が後方に駆動されると、電気連結器は連結器と並行に前方にスライドされるように構成する。
【0009】
すなわち請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、連結器に設けられ、ピストンシリンダユニットと所定のリンク機構とによって前記連結器に対して駆動されるようになっている電気連結器であって、前記ピストンシリンダユニットは、そのシリンダ部の端部が前記連結器に軸支されると共にそのピストンロッド部が前記連結器の後方寄りに向けられ、それによって実質的に前記連結器と並行に設けられており、
前記リンク機構は第1、2のリンクからなり、前記第1のリンクは前記連結器に固定されている所定の部材にその中央部が回動自在に軸支され、前記第1のリンクの一方の端部が前記ピストンロッド部の先端部に、そして他方の端部が前記第2のリンクの一方の端部にそれぞれ回動自在に枢着され、前記第2のリンクの他方の端部が前記電気連結器の後端部に回動自在に枢着され、前記ピストンシリンダユニットを駆動して前記ピストンロッド部が後方に駆動されると、前記電気連結器は前記連結器と並行に前方にスライドされるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気連結器において、前記電気連結器は前記連結器に対して固定的に設けられているガイド棒にガイドされて前記連結器に対して並行にスライドされるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の電気連結器において、前記第2のリンクには所定の弾性体を備えた衝撃吸収機構が介装され、前記第2のリンクの両端から衝撃が作用するとき前記衝撃吸収機構によって吸収されるようになっていることを特徴とする鉄道車両の電気連結器として構成される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、連結器に設けられ、ピストンシリンダユニットと所定のリンク機構とによって連結器に対して駆動されるようになっている電気連結器として構成される。そしてピストンシリンダユニットは、そのシリンダ部の端部が連結器に軸支されると共にそのピストンロッド部が連結器の後方寄りに向けられ、それによって実質的に連結器と並行に設けられている。
リンク機構は第1、2のリンクからなり、第1のリンクは連結器に固定されている所定の部材にその中央部が回動自在に軸支され、第1のリンクの一方の端部がピストンロッド部の先端部に、そして他方の端部が第2のリンクの一方の端部にそれぞれ回動自在に枢着され、第2のリンクの他方の端部が電気連結器の後端部に回動自在に枢着され、ピストンシリンダユニットを駆動してピストンロッド部が後方に駆動されると、電気連結器は連結器と並行に前方にスライドされるようになっている。つまり電気連結器とピストンシリンダユニットは、リンク機構を介して折り曲げられたようにコンパクトに配置されていることになる。コンパクトに配置されているので、ピストンシリンダユニットが大型化しても邪魔になることはなく、連結器周辺に設けられている周辺装置の配置に支障を来すことがない。そしてピストンシリンダユニットはロッドレスシリンダに比して耐久性が高いので電気連結器の信頼性は高い。他の発明によると、電気連結器は連結器に対して固定的に設けられているガイド棒にガイドされて連結器に対して並行にスライドされるようになっている。ガイド機構はシンプルなガイド棒からなるので、安価に電気連結器を提供することができる。さらに他の発明によると、第2のリンクには所定の弾性体を備えた衝撃吸収機構が介装され、第2のリンクの両端から衝撃が作用するとき衝撃吸収機構によって吸収されるようになっている。一方と他方の列車を併結するとき、一方の列車と他方の列車のそれぞれの電気連結器同士を連結することになるが、それぞれの電気連結器においてピストンシリンダユニットを駆動すると電気連結器同士が衝撃的に当接してこれらが破損する可能性がある。しかしながらこの発明によると第2のリンクに衝撃吸収機構が設けられているので、衝撃が吸収されて破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用の電気連結器と連結器とを示す図であり、その(ア)は電気連結器が待機位置にあるときの、その(イ)は電気連結器が連結位置にあるときの、それぞれの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る電気連結器2は、
図1の(ア)に示されているように、所定の機構を介して連結器1に設けられている。連結器1はどのようなタイプの連結器であってもいいし、どのような緩衝器を備えていてもよい。例えば塑性緩衝器を備えていてもよいし、粘性緩衝器を備えていてもよいが、本実施の形態においてはゴム緩衝器を備えた連結器1からなる。連結器1は、その前方が他の連結器と連結される連結部1aになっており、後方は図において省略されている。ゴム緩衝器は連結器1の胴部1b内に設けられているが、ゴム緩衝器については従来周知であるので説明を省略する。
【0013】
本実施の形態に係る電気連結器2は、このような連結器1に対して設けられているが、連結器1には電気連結器2を設けるための取付け部材3が固定されている。取付け部材3は所定形状の鋼板からなり、連結器1の胴部1bの下部にその端部が固定され、連結器1の後方に向かって斜め下方に延びている。このような取付け部材3に、エアーにより駆動されるピストンシリンダユニット、つまりエアシリンダ5が設けられている。エアシリンダ5はエアを給排するシリンダ部5aと、エアによって駆動されるピストンロッド部5bとからなるが、シリンダ部5aの後端部が、符号6で示されているように取り付け部材3に回動可能に軸支されている。つまりエアシリンダ5は、その後端部が連結器1に対して軸支されている。エアシリンダ5のピストンロッド部5bは連結器1の後方寄りに向けられ、次に説明するリンク機構8に接続されている。エアシリンダ5はこのように設けられているので、略水平になっており、実質的に連結器1に対して並行になっていると言える。
【0014】
リンク機構8は、第1のリンク9と第2のリンク10とから構成されている。第1のリンク9は、中央部において緩やかに屈曲した形状からなり、中央部9aにおいて取り付け部材3に対して回動可能に軸支されている。第1のリンク9の一方の端部9bは、エアシリンダ5のピストンロッド部5bの先端部に回動可能にピン留めされている。すなわち枢着されている。そして他方の端部9cは、第2のリンク10の一方の端部10aに回動可能に枢着されている。第2のリンク10は、その他方の端部10bが、電気連結器2の後端部に回動可能に枢着されている。
【0015】
本実施の形態においては、第2のリンク10に衝撃吸収機構12が介装されている。衝撃吸収機構12は複数の皿バネからなる弾性体を備えており、軸方向にわずかに伸縮して衝撃を吸収するようになっている。これによって電気連結器2に作用する衝撃を吸収でき、電気連結器2を保護することになる。
【0016】
電気連結器2には、
図1の(ア)には示されていないが、電力を供給する電力線や、制御/通信用のデータを送信する通信線が接続されている。電力線と通信線は図示されないコネクタに接続されている。コネクタの端面には電力線や通信線に導通する複数の接点が設けられている。電気連結器2に設けられているこのようなコネクタは、他の車両に設けられている同様の構成からなる他の電気連結器2のコネクタと接続され、これによって車両間で電力線と通信線とが接続されるようになっている。電気連結器2の先端は開口しており、開口部から塵埃や雨水が侵入して内部のコネクタを劣化させないように、開口部を閉鎖するカバー13が設けられている。カバー13は電気連結器2を他の電気連結器2と連結するときに開かれるようになっている。連結器1に固定されている取り付け部材3には、電気連結器2をガイドするガイド棒15が設けられている。電気連結器2には所定の穴が開けられた支持部材16が固定的に設けられ、支持部材16の穴にカイド棒15が緩やかに挿通されている。従って電気連結器2はガイド棒15に沿って滑らかに軸方向にスライドすることになる。
【0017】
本実施の形態に係る鉄道車両用の電気連結器2の作用を説明する。このような電気連結器2を備えた連結器1は、複数車両が連結された一方の列車の先頭車両と、同様に複数車両が連結された他方の列車の先頭車両とに設けられている。一方と他方の列車が切り離された状態においては、本実施の形態に係る電気連結器2は待避位置にある。すなわち
図1の(ア)に示されているように、エアシリンダ5は縮んだ状態になっており、リンク機構8により電気連結器2は連結器1の連結部1aに対して十分に後方に位置している。保護用のカバー13は電気連結器2の開口部を閉鎖している。
【0018】
次のようにして、一方と他方の列車を併結する。まず一方と他方の車両を近接させ、一方の列車をゆっくりと前進させる。そうすると一方と他方の列車の先頭車両に設けられている連結器1、1が結合する。従来周知のようにして、連結器1、1をロックする。すなわち連結される。次に一方と他方の連結器1、1に設けられている電気連結器2、2においてカバー13、13を開く。一方と他方の電気連結器2、2においてエアシリンダ5、5を駆動して伸張させる。そうすると
図1の(イ)に示されているように第1のリンク9、9が回転し、第2のリンク10、10に押し出されて電気連結器2、2が駆動される。すなわちそれぞれの連結器1、1に対して連結器1、1の前方に駆動される。そうすると互いに電気連結器2、2の先端が当接し、図に示されていないコネクタ同士が接続される。すなわち電気連結器2、2同士が連結され、一方と他方の列車の電力線と信号線とが接続される。連結に際しては電気連結器2、2が当接するときに瞬間的に軸力が発生するが、衝撃吸収機構12、12によって衝撃が吸収される。
【0019】
併結されている一方と他方の列車を切り離す場合には、上で説明した手順を逆にすればよい。すなわち一方と他方の電気連結器2、2においてエアシリンダ5、5を駆動して縮ませる。電気連結器2、2がそれぞれ連結器1、1に対して後退し、互いに切り離される。保護カバー13、13を駆動して電気連結器2、2の開口部を閉鎖する。連結器1、1のロックを解除し、一方の列車を後退させる。そうすると連結器1、1が切り離される。この状態が
図1の(ア)に示されている。
【符号の説明】
【0020】
1 連結器 2 電気連結器
3 取付け部材 5 エアシリンダ
5a シリンダ部 5b ピストンロッド部
8 リンク機構 9 第1のリンク
10 第2のりんっく 12 衝撃吸収機構
15 ガイド棒