特許第6775983号(P6775983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6775983-液晶表示装置の駆動方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6775983
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】液晶表示装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20201019BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20201019BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 621F
   G09G3/20 624D
   G09G3/20 680V
   G02F1/133 575
   G02F1/133 550
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-71681(P2016-71681)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-181929(P2017-181929A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】両角 克也
【審査官】 橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−093717(JP,A)
【文献】 特開2004−191544(JP,A)
【文献】 特開2010−164976(JP,A)
【文献】 特開2007−178989(JP,A)
【文献】 特表2008−533519(JP,A)
【文献】 特開2002−351428(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103165063(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルを備えた液晶表示装置に対し、画像を表示する1つのフレームよりも前のタイミングで当該フレームに対応するプリチャージデータを前記液晶パネルの全ての画素に書き込む液晶表示装置の駆動方法であって、
前記フレームで前記画素に書き込まれる画像データの平均電圧値を当該画像データの予め定められた最大電圧値と最小電圧値との間の中間電圧値と比較し、
前記平均電圧値が前記中間電圧値よりも小さい場合には、前記平均電圧値に0.5〜0.9の中から選択される値を乗算することにより得られた値を前記プリチャージデータの電圧値として決定し、
前記平均電圧値が前記中間電圧値よりも大きい場合には、前記平均電圧値に1.1〜1.5の中から選択される値を乗算することにより得られた値を前記プリチャージデータの電圧値として決定する、
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤、緑、青色のフィルタを画素毎に水平方向又は垂直方向に配置しカラー画像を得る従来の液晶表示装置は倍率の大きいレンズを通して画像を見ると、赤、緑、青が画素毎に分離して見えてしまい著しく画質が劣化してしまうという問題があった。この問題を解決する為、赤、緑、青、一画面分の画像を時間分割で表示するフィールドシーケンシャル方式が注目されている。フィールドシーケンシャルを採用することにより1画素で期待する色が表現出来るので特に高精細を要求される業務用カメラのモニターなどに適している。
【0003】
しかし、1フレームの表示時間が液晶の応答速度に対して短いフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置では、液晶に印加した電圧に追従する光の透過率又は反射率が1フレームの時間内では得られないため、フレーム間で混色が発生し、結果として彩度の低い画像になってしまうという問題があった。その問題を解決する手段の1つとして、1フレームを表示する前に所定のプリチャージデータを全画素に予め書き込んでおくことで、そのフレームでの液晶の応答速度を向上させる駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図2は従来における液晶表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートの一例である。図2に示す駆動方法は所定のプリチャージデータを全画素に予め書き込んでおく従来の駆動方法であり、この駆動方法では、Nフレームの前半にNフレームの画像データを全画素に線順次で書き込む画素データ書き込み期間4が設けられ、Nフレームの後半に画像データを保持する画素データ保持期間5が設けられ、さらに画素データ保持期間5の後半にN+1フレームに対するプリチャージ動作を行う全画素アクセス期間1が設けられている。全画素アクセス期間1では、N+1フレームで画素に印加する最大電圧の1/2の電圧(2.5V)が常に一定のプリチャージデータとして全画素に書き込まれる。また、N+1フレームには、Nフレームと同様にその前半と後半にそれぞれ画素データ書き込み期間4と画素データ保持期間5が設けられ、さらに画素データ保持期間5の後半にN+2フレーム(不図示)に対するプリチャージ動作を行う全画素アクセス期間1が設けられている。この駆動方法では、Nフレームの全画素アクセス期間1で所定のプリチャージデータ(2.5V)が全画素に書き込まれているため、その分だけN+1フレームでの液晶の応答速度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−162577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図2に示した従来の駆動方法では、プリチャージデータとして常に一定の電圧が全画素に書き込まれているため、特に液晶の応答速度が遅い場合には、表示画像における彩度の低下を十分に防止することができないという問題がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、表示画像における彩度の低下を防止することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
液晶パネルを備えた液晶表示装置に対し、画像を表示する1つのフレームよりも前のタイミングで当該フレームに対応するプリチャージデータを前記液晶パネルの全ての画素に書き込む液晶表示装置の駆動方法であって、前記フレームで前記画素に書き込まれる画像データの平均電圧値を当該画像データの予め定められた最大電圧値と最小電圧値との間の中間電圧値と比較し、前記平均電圧値が前記中間電圧値よりも小さい場合には、前記平均電圧値に0.5〜0.9の中から選択される値を乗算することにより得られた値を前記プリチャージデータの電圧値として決定し、前記平均電圧値が前記中間電圧値よりも大きい場合には、前記平均電圧値に1.1〜1.5の中から選択される値を乗算することにより得られた値を前記プリチャージデータの電圧値として決定する、液晶表示装置の駆動方法とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プリチャージデータの電圧を適正化することが出来るため、表示画像における彩度の低下を効果的に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明における液晶表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートの一例
図2】従来における液晶表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートの一例
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、互いに対向する面にそれぞれ複数の画素電極と対向電極が設けられた一対の基板間に液晶が封入された液晶パネルを備えた液晶表示装置において、従来技術のように常に一定のプリチャージデータを液晶パネルの全画素に書き込むのでは無く、フレームの画像情報(輝度など)に基づいて最適な液晶の応答速度が得られる様なプリチャージデータを算出して全画素に書き込むことを特徴としている。以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0016】
図1は本発明における液晶表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートの一例である。TN液晶を用いたノーマリーホワイトモードで動作する液晶表示装置の場合、図1に示すNフレームでは液晶に印加される電圧が最小(0V)となり、透過率が100%の白い画像が表示されることになる。また、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置の場合、図1に示すNフレームでは赤色(R)の画像が表示され、次のN+1フレームでは緑色(G)の画像が表示され、さらに次のN+2フレーム(不図示)では青色(B)の画像が表示され、それら3つの画像により1つのカラー画像が表示されることになる。
【0017】
本実施例では先ず、図1に示すNフレームの全画素アクセスタイミング1よりも前のタイミングで、次のN+1フレームで全画素(画素電極)に書き込む1フレーム分の画像データの平均電圧値(2V)、言い換えると画像の平均輝度を求める。次に、求めた平均電圧値(2V)をその画像データの中間電圧値(2.5V)と比較し、平均電圧値(2V)が中間電圧値(2.5V)よりも小さい場合には、平均電圧値(2V)に0.9を乗算し、それにより得られた値(1.8V)をプリチャージデータ9としてNフレームの全画素アクセス期間1で全画素に書き込む。液晶に印加される電圧は対向電極に印加する電圧と画素に印加する電圧の差であり、この場合、プリチャージデータが1.8Vの方が2.5V(中間電圧値)の場合よりも液晶には高い電圧(3.2V)が印加されることになり、N+1フレームで液晶に印加される平均電圧値(3V)により近い値となる。従って、その分だけ、プリチャージデータが2.5V(中間電圧値)である従来技術よりも、N+1フレームでの液晶の応答速度を向上させることができる。
【0018】
画像データの平均電圧値に乗算する値(乗数)は0.9に限定されず、画像データの平均電圧値が中間電圧値よりも小さい場合には、例えば0.5〜0.9の乗数が選択され、画像データの平均電圧値が中間電圧値よりも大きい場合には、例えば1.1〜1.5の乗数が選択される。即ち、Nフレームで画素に書き込まれるプリチャージデータの電圧は、N+1フレームで画素に書き込まれる画像データの平均電圧値の大きさに応じて、その平均電圧値よりも10〜50%程度高く又は低くなるように変化する。
【0019】
液晶の応答速度は印加される電圧が高い程上がることは周知の事実であり、N+1フレームで画像データが画素に書き込まれる前に、Nフレームの全画素アクセス期間1でより高い電圧を液晶に印加しておくことで、N+1フレームで画像データを書き込んだ際に液晶を動かし易い状態にすることが出来る。
【0020】
特に本実施例では、N+1フレームの画像データの平均電圧値より10%程度高くなるような電圧をプリチャージデータとしてNフレームの全画素アクセス期間1で全画素に書き込むことで、N+1フレームでの液晶の応答速度を向上させている。
【0021】
本実施例では、N+1フレームの画像データの平均電圧値に基づいてプリチャージデータを決定しているが、N+1フレームの画像データが有するその他の情報に基づいてプリチャージデータを決定することも可能である。また、本発明は、TN液晶を用いた液晶表示装置に限らず、強誘電性液晶などのその他の液晶を用いた液晶表示装置にも適用することが可能である。また、本発明は、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置に限らず、その他の駆動方式の液晶表示装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 全画素アクセス期間
4 画素データ書き込み期間
5 画素データ保持期間
9 プリチャージデータ
図1
図2