(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
第1実施形態に係る自動改札機は、所定の場所への入場処理又は所定の場所からの出場処理を行う。利用者は、自動改札機の動作に従って、所定の場所へ入場し、又は所定の場所から出場する。
【0009】
ここでは、自動改札機は、駅務機器として用いられるものとする。即ち、自動改札機は、駅への入場処理又は駅からの出場処理を行う。なお、自動改札機が入出場処理を行う対象は、特定の構成に限定されるものではない。
【0010】
自動改札機は、QRコードなどのコードを読み取って入出場処理を行う。また、自動改札機は、ICカードなどのICチップからデータを読み取って入出場処理を行う。また、自動改札機は、磁気券を用いて入出場処理を行ってもよい。
【0011】
利用者は、自身が所持するスマートフォンなどの携帯端末にコードを表示させ、自動改札機に翳す。自動改札機は、翳された携帯端末からコードを読み取って入出場処理を行う。
【0012】
次に、自動改札機及び携帯端末について説明する。
図1は、自動改札機1の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1が示すように、自動改札機1は、CPU11、メモリ部12、人間検知部13、表示部14、スピーカ部15、ドア機構16、通信制御部17、ICリーダライタ18、コードリーダ19、磁気券処理部20、シャッタ21及び排出口22などを備える。
【0014】
CPU11と、メモリ部12、人間検知部13、表示部14、スピーカ部15、ドア機構16、通信制御部17、ICリーダライタ18、コードリーダ19、磁気券処理部20、シャッタ21及び排出口22とは、互いにデータバスなどで通信可能に接続する。
【0015】
CPU11(制御部)は、自動改札機1全体を制御する。CPU11は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えても良い。CPU11は、内部メモリ、又はメモリ部12に予め記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。CPU11は、たとえば、プロセッサである。
【0016】
なお、CPU11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであっても良い。この場合、CPU11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0017】
メモリ部12は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリなどから構成される。たとえば、メモリ部12は、予め制御用のプログラム及び制御データなどを格納する。また、メモリ部12は、CPU11の処理中のデータなどを一時的に格納する。たとえば、メモリ部12は、CPU11からの命令に基づき種々の実行中のアプリケーションプログラムを格納する。また、メモリ部12は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0018】
人間検知部13は、自動改札機1が形成する通行路に利用者が進入したことを検知するセンサである。たとえば、人間検知部13は、通行路の所定の位置(たとえば、通行路の中腹部)に利用者が侵入すると利用者を検知する。たとえば、人間検知部13は、赤外線の遮断を検出して、利用者の進入を検知する。人間検知部13が利用者の進入を検知する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0019】
表示部14は、CPU11からの信号に基づいて種々の情報を画像で表示する。たとえば、表示部14は、通行の可否、又は、読み取りエラーなどのエラーメッセージなどを表示する。表示部14は、たとえば、液晶ディスプレイなどである。ここでは、表示部14は、第1の表示部14a及び第2の表示部14bなどから構成される。
【0020】
スピーカ部15は、CPU11からの信号に基づいて種々の情報を音で提示する。たとえば、スピーカ部15は、通行の可否、又は、読み取りエラーなどを示す警告音又は音声などを出力する。
【0021】
ドア機構16は、自動改札機1を通過する利用者を制御するために設けられているドアである。ドア機構16は、自動改札機1が形成する通行路側に設けられる。ドア機構16は、CPU11からの信号に基づいて、通行不可と判定された利用者の通行を阻止する。
【0022】
通信制御部17は、上位装置としての管理サーバなどとの通信を行うインターフェースである。
ICリーダライタ18(ICリーダ)は、ICカード又は携帯端末などに組み込まれるICチップとデータを非接触で送受信するためのインターフェース装置である。ここで、ICチップは、改札処理に利用可能な非接触式のICカードと同様な機能を有するものとする。ICリーダライタ18は、ICチップとの無線通信を行うためのアンテナ及び通信制御部などにより構成される。ICリーダライタ18では、ICチップに対する電源供給、クロック供給、リセット制御及びデータの送受信などが行われる。ICリーダライタ18は、アンテナなどから磁界をICチップに供給し、電力を供給する。
【0023】
このような機能によってICリーダライタ18は、CPU11による制御に基づいてICチップに対する電源供給、ICチップの活性化(起動)、クロック供給、リセット制御、種々のコマンドの送信、及び送信したコマンドに対する応答(レスポンス)の受信などを行なう。
【0024】
ICリーダライタ18は、所定の通信領域内にあるICチップと非接触通信を行い、非接触通信が確立したICチップから改札処理に必要な情報(ICデータ)を読み取る。ICリーダライタ18は、ICチップから改札処理に用いる情報が読み取れた場合、読み取った情報をCPU11へ送信する。
【0025】
例えば、ICリーダライタ18は、所定の通信領域内においてICチップからの応答を受信した場合、ICチップを検知したことを示す検知信号をCPU11へ送信する。ICリーダライタ18は、所定の通信領域内においてICチップを検知したが、改札処理に必要な情報の読取りに失敗した場合に、情報の読取り失敗を示す信号(読取失敗信号)をCPU11へ送信する。
【0026】
コードリーダ19は、利用者が翳す携帯端末の画面又は券媒体などの媒体からコードを読み取る。コードリーダ19は、たとえば、光を媒体に照射してその反射光を取得することで、券媒体から二次元コードを読み取る。また、コードリーダ19は、媒体としての画面などが発する光を取得することで画像を取得する。また、コードリーダ19は、可視光などの通常光を用いて二次元コードを読み取ってもよい。また、コードリーダ19は、不可視光を用いて画像を取得することができる。即ち、コードリーダ19は、不可視光である所定の専用光を用いて画像を取得する。コードリーダ19は、コードを読み取るためのカメラ及び/又は照明などを備える。
コードリーダ19は、読み取ったコードをデコードして、コードデータを取得する。コードリーダ19は、取得したコードデータをCPU11へ送信する。
【0027】
コードは、コードデータを所定のアルゴリズムに従ってコード化したものである。コードは、コンピュータなどの機械で読取可能な画像である。たとえば、コードは、バーコードなどの一次元コード、又は、QRコードなどの二次元コードである。なお、コードの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0028】
磁気券処理部20は、磁気定期券又は切符に記録されている磁気情報を読み取り、又は、磁気定期券又は切符に磁気情報を書き込む。
シャッタ21は、磁気券の投入口に設置される。シャッタ21は、CPU11からの信号に基づいて、投入口への磁気券の投入を制御する。たとえば、シャッタ21は、投入口を閉じて磁気券の投入を阻止する。
【0029】
排出口22は、投入口に投入された磁気券を外部に放出する。
なお、自動改札機1は、適宜必要な構成を追加し、又は、不要な構成を削除してもよい。
【0030】
図2は、自動改札機1及び携帯端末100の上面図である。
携帯端末100は、利用者が予め所持する端末である。
図2が示すように携帯端末100は、表示部101及びICチップ102などを備える。
【0031】
表示部101は、コードを表示する。たとえば、表示部101は、利用者の操作に基づいて、予め携帯端末100に格納されたコードを表示する。また、表示部101は、サーバからダウンロードされたコードを表示してもよい。コードは、乗車券情報など、改札処理に必要な情報を示す。たとえば、コードは、乗車料金又は有効期限などを示す。また、コードは、定期券情報として、定期区間及び期間などを示すものであってもよい。また、コードは、入場情報として、入場駅及び入場時刻などを示すものであってもよい。
【0032】
ICチップ102は、非接触式のICカードと同等の機能を有し、ICリーダライタ18などの外部装置から電力などの供給を受けて活性化される(動作可能な状態になる)。たとえば、ICチップ102は、通信インターフェースとしてのアンテナ及び変復調回路などを介してICリーダライタ18からの電波を受信する。ICチップ102は、その電波から図示しない電源部により動作電源及び動作クロックを生成して活性化する。
【0033】
ICチップ102は、乗車券情報などの改札処理に必要な情報(改札情報)を含むICデータを格納する。たとえば、ICチップ102は、ストアードフェアに関する情報を格納してもよい。また、改札情報は、乗車料金又は有効期限などを含む情報であってもよい。また、改札情報は、定期券情報として、定期区間及び期間などを含む情報であってもよい。また、改札情報は、入場情報として、入場駅及び入場時刻などを含む情報であってもよい。
【0034】
図2が示すように、自動改札機1の上面には、利用者が進行する方向に向って、シャッタ21、ICリーダライタ18並びにコードリーダ19、第1の表示部14a、排出口22及び第2の表示部14bが形成される。
【0035】
ICリーダライタ18及びコードリーダ19は、重なって形成される。即ち、所定の領域に携帯端末100がある場合、ICリーダライタ18は、携帯端末100のICチップ102と通信可能であり、かつ、コードリーダ19は、携帯端末100の表示部101からコードを読み取ることができる。
【0036】
次に、CPU11が実現する機能について説明する。
CPU11は、ICリーダライタ18を通じてICチップ102が格納するデータ(ICデータ)を取得する機能を有する。たとえば、ICリーダライタ18は、所定の領域に進入した携帯端末100のICチップ102とペアリングを行う。ICリーダライタ18は、リードコマンドなどをICチップ102に送信し、ICチップ102からICデータを取得する。ICリーダライタ18は、取得したICデータをCPU11へ送信する。
CPU11は、ICリーダライタ18からICデータを取得する。たとえば、CPU11は、ICデータとして改札処理に必要な情報を取得する。
【0037】
また、CPU11は、コードリーダ19を通じて携帯端末100の表示部101が表示するコードからコードデータを読み取る機能を有する。たとえば、コードリーダ19は、表示部101を含む画像をラスタスキャンしてコードを特定する。コードリーダ19は、所定のアルゴリズムに従って特定されたコードをデコードしてコードデータを取得する。コードリーダ19は、取得されたコードデータをCPU11へ送信する。
【0038】
CPU11は、コードリーダ19からコードデータを取得する。たとえば、CPU11は、コードデータとして改札処理に必要な情報を取得する。
なお、CPU11は、コードをデコードしてコードデータを取得してもよい。たとえば、コードリーダ19は、コードの画像を取得しCPU11へ送信する。CPU11は、コードの画像からコードをデコードしてコードデータを取得してもよい。
【0039】
また、CPU11は、ICチップ102から取得されたICデータ又はコードをデコードして得られたコードデータに基づいて、改札処理を行う機能を有する。たとえば、CPU11は、ICデータ又はコードデータに基づいて、入出場判定を行う。CPU11は、判定結果に基づいて、利用者の通行を制御する。
【0040】
たとえば、CPU11は、ICデータ又はコードデータ、処理機3が設置される駅、及び、現日時などに基づいて、利用者が通行可能であるか判定する。CPU11は、利用者が通行可能であると判定すると、ドア機構16を開放する。また、CPU11は、通行可能であることを示すメッセージを表示部14などに表示してもよい。また、CPU11は、ストアードフェードの残代金などを表示してもよい。
【0041】
また、CPU11は、利用者が通行可能でないと判定すると、ドア機構16を閉鎖する。また、CPU11は、通行不可能であることを示すメッセージを表示部14などに表示してもよい。また、CPU11は、スピーカ部15などを通じて警告音などを出力してもよい。
【0042】
また、CPU11は、ICチップ102からICデータを取得してから所定の待機時間内にコードリーダ19からコードデータを取得した場合には、コードデータに基づいて改札処理を行う機能を有する。たとえば、CPU11は、ICデータを取得すると、タイマを開始する。CPU11は、タイマが所定の待機時間に達したかを判定する。CPU11は、タイマが所定の待機時間に達する前にコードデータを取得すると、コードデータに基づいて改札処理を行う。また、CPU11は、タイマが所定の待機時間に達するとICデータに基づいて改札処理を行う。
【0043】
なお、CPU11は、ICリーダライタ18からICチップを検知した信号を受信した場合に、タイマを開始してもよい。また、タイマが待機時間を経過した場合に、CPU11は、再翳しを要求するメッセージなどを表示部14などに表示し、又は警告音などをスピーカ部15を通じて出力してもよい。
【0044】
待機時間は、CPU11がコードデータを取得するために必要な時間である。たとえば、待機時間は、コードリーダ19がコードを読み取ってデコードしデコードされたコードデータをCPU11へ送信するために必要な時間である。たとえば、待機時間は、数十ミリ秒程度である。
【0045】
次に、自動改札機1の動作例について説明する。
図3は、自動改札機1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図3が示す例は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。即ち、利用者は、ICチップ102を備える携帯端末100の表示部101にコードを表示させて当該コードをコードリーダ19に翳す。また、同時に、携帯端末100のICチップ102は、ICリーダライタ18と通信可能な領域に進入する。
【0046】
まず、ICリーダライタ18は、ICチップ102からICデータを取得する(S11)。ICデータを取得すると、ICリーダライタ18は、ICデータをCPU11へ送信する(S12)。
【0047】
CPU11は、ICリーダライタ18からICデータを受信する。ICデータを受信すると、CPU11は、タイマを開始する(S13)。タイマを開始すると、CPU11は、シャッタ21へ閉鎖要求を送信する(S14)。
【0048】
シャッタ21は、閉鎖要求を受信すると、閉鎖する。閉鎖すると、シャッタ21は、閉鎖が完了したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S15)。
【0049】
ここで、コードリーダ19は、表示部101からコードを読み取り、コードデータを取得するものとする(S16)。コードデータを取得すると、コードリーダ19は、コードデータをCPU11へ送信する(S17)。
【0050】
CPU11は、コードリーダ19からコードデータを受信する。コードデータを受信すると、CPU11は、タイマを停止する(S18)。タイマを停止すると、CPU11は、読取禁止要求をICリーダライタ18へ送信する(S19)。読取禁止要求をICリーダライタ18へ送信すると、CPU11は、読取禁止要求をコードリーダ19へ送信する(S20)。
【0051】
ICリーダライタ18は、読取禁止要求を受信すると、新たなICチップの読み取りを停止する。読み取りを停止すると、ICリーダライタ18は、読み取りを停止したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S21)。
【0052】
コードリーダ19は、読取禁止要求を受信すると、新たなコードの読み取りを停止する。読み取りを停止すると、コードリーダ19は、読み取りを停止したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S22)。
【0053】
CPU11は、コードリーダ19から完了通知を受信すると、コードデータに基づいて改札処理を行う(S23)。改札処理を行うと、CPU11は、開放要求をシャッタ21へ送信する(S24)。開放要求をシャッタ21へ送信すると、CPU11は、読取開始要求をICリーダライタ18へ送信する(S25)。
【0054】
シャッタ21は、開放要求を受信すると、開放する。開放すると、シャッタ21は、開放したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S26)。
【0055】
ICリーダライタ18は、読取開始要求を受信すると、ICチップの読み取りを開始する。ICチップの読み取りを開始すると、ICリーダライタ18は、ICチップの読み取りを開始したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S27)。
【0056】
CPU11は、コードリーダ19から完了通知を受信すると、読取開始要求をコードリーダ19へ送信する(S28)。コードリーダ19は、読取開始要求を受信すると、コードの読み取りを開始する。コードの読み取りを開始すると、コードリーダ19は、コードの読み取りを開始したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S29)。
【0057】
CPU11がコードリーダ19から完了通知を受信すると、自動改札機1は、動作を終了する。
なお、S19とS20とは、いずれが先に行われてもよい。また、S24、S25及びS28は、いかなる順序で行われてもよい。
【0058】
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図4は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
シャッタ21から完了通知を受信すると(S15)、CPU11は、待機時間が経過するまで待機する。待機時間が経過すると(S41)、CPU11は、S19に進む。
【0060】
コードリーダ19から読み取りを停止したことを示す完了通知を受信すると(S22)、CPU11は、ICデータに基づいて改札処理を行う(S43)。改札処理を行うと、CPU11は、所定のデータをICチップ102に書き込む書込要求をICリーダライタ18へ送信する(S42)。たとえば、入場処理を行った場合、CPU11は、入場駅又は入場時刻などを示す入場情報を書き込む要求を送信する。また、出場処理を行った場合、CPU11は、出場駅、出場時刻又は乗車代金などを示す出場情報を書き込む要求を送信する。
【0061】
ICリーダライタ18は、書込要求を受信すると、書込要求に従って所定のデータをICチップ102に書き込む。所定のデータをICチップ102に書き込むと、ICリーダライタ18は、書込が完了したことを示す完了通知をCPU11へ送信する(S44)。
CPU11は、ICリーダライタ18から完了通知を受信すると、S24へ進む。
【0062】
以上のように構成された自動改札機は、ICチップからICデータを取得した後に所定の時間待機する。自動改札機は、待機中にコードを読み取った場合には、コードをデコードして得られるコードデータに基づいて改札処理を行う。従って、自動改札機は、コードに基づく改札処理を優先的に行うことができる。その結果、自動改札機は、利用者がコードを翳しているにも拘わらずICチップによって改札処理が行われてしまうことを防止することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る自動改札機1は、待機時間中にICデータに基づいた改札処理を開始する点で第1実施形態のそれと異なる。従って、同一の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図5は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。ここでは、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
シャッタ21から閉鎖が完了したことを示す完了通知を受信すると(S15)、CPU11は、ICデータに基づく改札処理の少なくとも一部を開始する(S51)。たとえば、CPU11は、内部で行われる改札処理を行う。たとば、CPU11は、待機時間が経過するまでは、ICデータに基づいて利用者が通行可能であるかの判定、又は、ICチップに書き込むデータの生成などを行う。
【0065】
コードリーダ19は、コードデータをCPU11へ送信する(S17)。CPU11は、コードデータを受信すると、ICデータに基づく改札処理のデータを破棄する(S52)。データを破棄すると、CPU11は、S18へ進む。
【0066】
なお、CPU11は、待機時間が経過するまでは、内部で行われる改札処理以外の処理を行わない。たとえば、CPU11は、待機時間が経過するまでは、ドア機構16又は表示部14などへの制御を行わない。
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図6は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図4と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
ICデータに基づく改札処理を開始すると(S51)、CPU11は、待機時間が経過するまで待機する。待機時間が経過すると(S53)、CPU11は、読取禁止要求をICリーダライタ18へ送信する(S19)。
【0068】
また、完了通知をコードリーダ19から受信すると(S22)、CPU11は、ICデータに基づく改札処理を完了する(S54)。たとえば、内部で行われる改札処理が終了していない場合には、CPU11は、当該処理を終え、その後の改札処理を行う。また、内部で行われる改札処理が終了している場合には、CPU11は、その後の改札処理を行う。
ICデータに基づく改札処理を完了すると、CPU11は、S43へ進む。
【0069】
なお、CPU11は、S52でデータを破棄しなくともよい。たとえば、CPU11は、後に取得するコードデータに不備があった場合などにおいて、ICデータに基づく改札処理を継続してもよい。
【0070】
以上のように構成された自動改札機は、ICデータを取得した時点で、ICデータに基づく改札処理を開始する。即ち、自動改札機は、待機時間中においてICデータに基づく改札処理を行う。その結果、その後にコードを読み取らなかった場合において、自動改札機は、迅速にICデータに基づく改札処理を完了することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る自動改札機1は、ICデータが携帯端末100のICチップ102から取得したものである場合に、タイマを開始する点で第1実施形態のそれと異なる。従って、同一の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
まず、CPU11が実現する機能について説明する。
CPU11は、ICデータに基づいてICデータの媒体がコードを表示する表示部を備える携帯端末であるかを判定する機能を有する。たとえば、CPU11は、ICデータの媒体がスマートフォンであるかを判定する。
【0072】
たとえば、CPU11は、ICデータが格納する識別情報(たとえば、固有識別情報(IDi))に基づいて、媒体が携帯端末であるか判定する。たとえば、CPU11は、識別情報内の所定の領域のビット列などを参照して、媒体が携帯端末であるか、他の媒体(たとえば、ICカード)であるかを判定する。
【0073】
また、CPU11は、媒体が携帯端末である場合には、タイマを開始する。即ち、CPU11は、コードデータを受信するまで所定の待機時間待機する。
また、CPU11は、媒体が携帯端末でない場合には、タイマを開始しない。即ち。CPU11は、待機時間待機することなく、ICデータに基づいて改札処理を行う。
【0074】
次に、自動改札機1の動作例について説明する。
図7は、自動改札機1の動作例について説明するためのシーケンス図である。
図7は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。ここでは、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0075】
シャッタ21から閉鎖が完了したことを示す完了通知を受信すると(S15)、CPU11は、ICデータに基づいて、媒体が携帯端末100であるかを判定する(S61)。媒体が携帯端末であると判定すると(S61、YES)、CPU11は、タイマを開始する(S62)。CPU11がタイマを開始すると、自動改札機1は、S16に進む。
媒体が携帯端末でないと判定すると(S61、NO)、CPU11は、後術する
図8のS19に進む。
【0076】
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図8は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図4と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0077】
タイマを開始すると(S62)、CPU11は、待機時間が経過するまで待機する。待機時間が経過すると(S63)、CPU11は、S19へ進む。
なお、第3実施形態に係る自動改札機1は、第2実施形態に係る自動改札機1の特徴を備えてもよい。
【0078】
以上のように構成された自動改札機は、ICデータの媒体が携帯端末である場合に所定の待機時間コードデータの取得を待つ。即ち、自動改札機は、コードを表示する可能性のある媒体からICデータを取得した場合に、コードデータの取得を待つ。
【0079】
他方、自動改札機は、媒体が携帯端末でない場合(たとえば、ICカードである場合)、には、コードデータの取得を待つことなく、改札処理を実行する。即ち、自動改札機は、コードを表示する可能性のない媒体からICデータを取得した場合には、コードデータの取得を待たない。
【0080】
その結果、自動改札機は、コードを表示する可能性のない媒体からICデータを取得した場合に迅速に改札処理を行うことができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る自動改札機1について説明する。
第4実施形態に係る自動改札機1は、CPU11がICリーダライタ18からICデータを取得するまではコードデータに基づく改札処理を停止する点で第1実施形態のそれと異なる。
【0081】
たとえば、CPU11は、ICリーダライタ18から、情報の読取り失敗を示す取得失敗信号を受信した場合、ICリーダライタ18からICデータを受信するまで待機する。即ち、CPU11は、ICリーダライタ18からICデータを受信するまでは、コードリーダ19からコードデータを取得してもコードデータに基づく改札処理を行わない。
【0082】
図9は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。ここでは、ICリーダライタ18は、ICチップ102を検知するがICデータの取得に失敗するものとする。また、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
まず、ICリーダライタ18は、ICチップ102を検知するがICデータの取得に失敗する(S71)。ICデータの取得に失敗すると、ICリーダライタ18は、読取失敗信号をCPU11へ送信する(S72)。
【0084】
CPU11は、読取失敗信号を受信すると、ICチップ102の再翳しを促す(S73)。たとえば、CPU11は、再翳しを促すメッセージを表示部14に表示し、警告音をスピーカ部15から出力する。再翳しを促すと、CPU11は、ICデータを受信するまで待機する。
【0085】
その後、ICリーダライタ18は、ICチップ102からICデータを取得するものとする。即ち、自動改札機1は、S11に進む。
【0086】
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図10は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図4と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
まず、ICリーダライタ18は、ICチップ102を検知するがICデータの取得に失敗する(S71)。ICデータの取得に失敗すると、ICリーダライタ18は、読取失敗信号をCPU11へ送信する(S72)。
【0088】
CPU11は、読取失敗信号を受信すると、ICチップ102の再翳しを促す(S73)。
【0089】
なお、第4実施形態に係る自動改札機1は、第2又は第3実施形態に係る自動改札機1の特徴を備えてもよい。
【0090】
以上のように構成された自動改札機は、ICデータの取得に失敗した場合にタイマを開始せずに利用者に再翳しを促す。そのため、自動改札機は、ICデータを取得した後にICデータに基づいてコードデータの取得を待つかを判定することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態に係る自動改札機1は、ICデータに定期券情報が含まれる場合に、タイマを開始しない点で第1実施形態のそれと異なる。従って、同一の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0091】
まず、CPU11が実現する機能について説明する。
CPU11は、ICデータに定期券情報が含まれるか判定する機能を有する。定期券情報は、定期券に関する情報である。たとえば、定期券情報は、有効区間及び有効期間などを含む。
【0092】
また、CPU11は、ICデータに定期券情報が含まれない場合には、タイマを開始する。即ち、CPU11は、コードデータを受信するまで所定の待機時間待機する。
また、CPU11は、ICデータに定期券情報が含まれる場合には、タイマを開始しない。即ち。CPU11は、待機時間待機することなく、ICデータの定期券情報に基づいて改札処理を行う。
【0093】
次に、自動改札機1の動作例について説明する。
図11は、自動改札機1の動作例について説明するためのシーケンス図である。
図11は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。ここでは、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
シャッタ21から閉鎖が完了したことを示す完了通知を受信すると(S15)、CPU11は、ICデータに定期券情報が含まれるかを判定する(S81)。ICデータに定期券情報が含まれると判定すると(S81、YES)、CPU11は、タイマを開始する(S82)。CPU11がタイマを開始すると、自動改札機1は、S16に進む。
ICデータに定期券情報が含まれないと判定すると(S81、NO)、CPU11は、後術する
図12のS19に進む。
【0095】
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図12は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図4と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0096】
タイマを開始すると(S82)、CPU11は、待機時間が経過するまで待機する。待機時間が経過すると(S83)、CPU11は、S19へ進む。
【0097】
なお、第5実施形態に係る自動改札機1は、第2乃至第4実施形態に係る自動改札機1の特徴を備えてもよい。
【0098】
以上のように構成された自動改札機は、ICデータに定期券情報が含まれる場合には、待機時間待機せずにICデータに基づいて改札処理を行う。
通常、利用者が定期券を所持していれば、定期券に基づいて改札処理を行うことが最も利用者に対して有利である。
そのため、利用者が定期券を所持する場合に、自動改札機は、適切かつ迅速に改札処理を行うことができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。
第6実施形態に係る自動改札機1は、ICデータに入場情報が含まれる場合に、タイマを開始しない点で第1実施形態のそれと異なる。従って、同一の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0099】
ここでは、自動改札機1は、出場処理を行うものとする。
まず、CPU11が実現する機能について説明する。
CPU11は、ICデータに入場情報が含まれるかを判定する機能を有する。入場情報は、自動改札機が入場処理を行った場合にICチップ102に格納する情報である。たとえば、入場情報は、入場駅及び入場日時などを示す。
【0100】
また、CPU11は、ICデータに入場情報が含まれない場合には、タイマを開始する。即ち、CPU11は、コードデータを受信するまで所定の待機時間待機する。
また、CPU11は、ICデータに入場情報が含まれる場合には、タイマを開始しない。即ち。CPU11は、待機時間待機することなく、ICデータの定期券情報に基づいて改札処理を行う。
【0101】
次に、自動改札機1の動作例について説明する。
図13は、自動改札機1の動作例について説明するためのシーケンス図である。
図13は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得する例である。ここでは、
図3と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0102】
シャッタ21から閉鎖が完了したことを示す完了通知を受信すると(S15)、CPU11は、ICデータに入場情報が含まれるかを判定する(S91)。ICデータに入場情報が含まれると判定すると(S91、YES)、CPU11は、タイマを開始する(S92)。CPU11がタイマを開始すると、自動改札機1は、S16に進む。
ICデータに入場情報が含まれないと判定すると(S91、NO)、CPU11は、後術する
図14のS19に進む。
【0103】
次に、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明する。
図14は、自動改札機1がICデータを取得した後にコードデータを取得しない場合について説明するためのシーケンス図である。ここでは、
図4と同一の動作については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0104】
タイマを開始すると(S92)、CPU11は、待機時間が経過するまで待機する。待機時間が経過すると(S93)、CPU11は、S19へ進む。
なお、第6実施形態に係る自動改札機1は、第2乃至第5実施形態に係る自動改札機1の特徴を備えてもよい。
【0105】
以上のように構成された自動改札機は、ICデータに入場情報が含まれる場合には、待機時間待機せずにICデータに基づいて改札処理を行う。
利用者がICデータに基づいて入場処理を行っていれば、ICデータには入場情報が含まれる。従って、ICデータに基づいて出場処理を行うことが適切な改札処理である。
そのため、利用者がICデータに基づいて入場処理を行った場合に、自動改札機は、適切かつ迅速に改札処理を行うことができる。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ICチップからICデータを読み取るICリーダと、
媒体からコードの画像を読み取るコードリーダと、
前記ICリーダがICデータを取得した後に所定の待機時間内で前記コードリーダによる画像の読み取りを受け付け、前記コードをデコードして得られるコードデータを取得した場合に前記コードデータに基づいて入出場処理を行い、前記コードデータを取得しない場合に前記ICデータに基づいて入出場処理を行う制御部と、
を備える自動改札機。
[C2]
前記制御部は、前記待機時間中に前記ICデータに基づく入出場処理の少なくとも一部を開始する、
前記C1に記載の自動改札機。
[C3]
前記制御部は、前記ICデータに含まれる識別情報に基づいて前記媒体がスマートフォンであるか判定し、前記媒体がスマートフォンであると判定した場合に前記待機時間内で前記コードリーダよる画像の読み取りを受け付ける、
前記C1又は2に記載の自動改札機。
[C4]
前記制御部は、前記ICデータに定期券情報が含まれる場合に、前記ICデータに基づいて入出場処理を行う、
前記C1乃至3の何れか1項に記載の自動改札機。
[C5]
前記制御部は、前記ICデータに入場情報が含まれる場合に、前記ICデータに基づいて入出場処理を行う、
前記C1乃至4の何れか1項に記載の自動改札機。
[C6]
前記制御部は、前記ICリーダからICデータを受信するまで、前記コードデータに基づく入出場処理を停止する、
前記C1乃至5の何れか1項に記載の自動改札機。
[C7]
前記制御部は、入出場処理として、駅への入場処理又は駅からの出場処理を行う、
前記C1乃至6の何れか1項に記載の自動改札機。