特許第6776064号(P6776064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776064
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】場に基づく位置座標の補正
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20201019BHJP
【FI】
   A61B34/20
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-171512(P2016-171512)
(22)【出願日】2016年9月2日
(65)【公開番号】特開2017-47213(P2017-47213A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2019年7月11日
(31)【優先権主張番号】62/214,257
(32)【優先日】2015年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/228,555
(32)【優先日】2016年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ドロン・モシェ・ルドウィン
(72)【発明者】
【氏名】アイタン・ペリ
(72)【発明者】
【氏名】エリアフ・ジーノ
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル−タル
(72)【発明者】
【氏名】シャウル・ハイム・ラズ
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−511737(JP,A)
【文献】 特開2007−021218(JP,A)
【文献】 特開2013−019901(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0016007(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0265054(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0015848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61B 34/00
A61B 18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御コンソールが対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用して検知する方法であって、前記パッチが、前記表面と接触したそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、前記方法が、
前記制御コンソールが、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて磁場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記磁場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を含み、
所与のパッチに関する前記第1の関係が、前記所与のパッチの前記第1のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第1の磁場に基づく位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含み、前記所与のパッチに関する前記第2の関係が、前記所与のパッチの前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第2の磁場に基づく位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含む、方法。
【請求項2】
前記所与のパッチの前記第2の磁場に基づく位置座標に対する前記磁場に基づく位置座標の補正が、前記第1の距離及び前記第1の配向を含み、前記場に基づく位置座標の補正を適用することが、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記第1の距離及び前記第1の配向とに基づいて、補正された第2の磁場に基づく位置座標を計算することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の時間の後の第3の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの、前記少なくとも1つの前記身体に印加された第3の磁場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、前記場に基づく位置座標の補正を前記第3の磁場に基づく位置座標に適用すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記磁場が、前記磁場を発生させるように構成された複数のコイルの上に前記身体を位置決めすることによって前記身体に印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パッチセンサが医療プローブ内に備えられており、前記身体内の前記電極が前記医療プローブの遠位端に配置されたプローブ電極を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記信号が第1の信号を含み、前記インピーダンスを測定することが、前記少なくとも1つのパッチから、前記プローブ電極によって前記身体に送達された電流に対するインピーダンスに応じて、第2の信号を受信することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
検知するための装置であって、
対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイであって、前記パッチが、前記表面と接触したそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含む、パッチのアレイと、
制御コンソールと、を備え、前記制御コンソールが、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて磁場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記磁場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行うように構成されており
所与のパッチに関する前記第1の関係が、前記所与のパッチの前記第1のインピーダンスに基づく前記パッチの位置座標と前記所与のパッチの前記第1の磁場に基づく前記パッチの位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含み、前記所与のパッチに関する前記第2の関係が、前記所与のパッチの前記第2のインピーダンスに基づく前記パッチの位置座標と前記所与のパッチの前記第2の磁場に基づく前記パッチの位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含む、装置。
【請求項8】
前記所与のパッチの前記第2の磁場に基づく位置座標に対する前記磁場に基づく位置座標の補正が、前記第1の距離及び前記第1の配向を含み、前記制御コンソールが、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記第1の距離及び前記第1の配向とに基づいて、補正された第2の磁場に基づく位置座標を計算することによって、前記磁場に基づく位置座標の補正を適用するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御コンソールが、前記第2の時間の後の第3の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第3の磁場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、前記磁場に基づく位置座標の補正を前記第3の磁場に基づく位置座標に適用するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記磁場が、前記磁場を発生させるように構成された複数のコイルの上に前記身体を位置決めすることによって前記身体に印加される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記パッチセンサが医療プローブ内に備えられており、前記身体内の前記電極が、前記医療プローブの遠位端に配置されたプローブ電極を備えている、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記信号が第1の信号を含み、前記制御コンソールが、前記少なくとも1つのパッチから、前記プローブ電極によって前記身体に送達された電流のインピーダンスに応じて第2の信号を受信することによって、前記インピーダンスを測定するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用して検知するためのコンピュータソフトウェア製品であって、前記パッチが、前記表面と接触するそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、前記製品が、プログラム命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読媒体を備えており、前記命令が、コンピュータによって読み取られると、前記コンピュータに、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記身体に印加された第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の場に基づく位置座標と前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記パッチのうちの前記少なくとも1つの、前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて磁場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記磁場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行わせ、
所与のパッチに関する前記第1の関係が、前記所与のパッチの前記第1のインピーダンスに基づく前記パッチの位置座標と前記所与のパッチの前記第1の磁場に基づく前記パッチの位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含み、前記所与のパッチに関する前記第2の関係が、前記所与のパッチの前記第2のインピーダンスに基づく前記パッチの位置座標と前記所与のパッチの前記第2の磁場に基づく前記パッチの位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含む、コンピュータソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月4日に出願された米国仮特許出願第62/214,257号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療イメージングに関し、具体的には、患者に貼付された皮膚パッチの場に基づく位置座標の不一致を補正する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
広範な医療処置は、センサ、管、カテーテル、調剤デバイス、及び移植片のような物体を身体内に定置することを含む。これらの医療処置中に医師が物体及びその周囲を可視化する助けとなるように、リアルタイムイメージング法がしばしば使用されている。しかしながら、多くの場合、リアルタイム三次元イメージングは不可能であり、望ましくない。その代わりに、内部物体のリアルタイム空間座標を取得するためのシステムがしばしば利用されている。
【0004】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Govariらの米国特許出願公開第2007/0016007号には、場及びインピーダンスに基づくハイブリッドポジション検知システムが記載されている。このシステムは、対象の体腔内に導入されるように適合されたプローブを含む。
【0005】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Gilboaの米国特許第6,574,498号には、不透明体の空洞内のワークピースのポジションを決定するためのシステムが記載されている。このシステムは、一次場と相互作用する1つのトランスデューサ及び二次場と相互作用する複数のトランスデューサとを使用することを主張するものである。
【0006】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Pfeifferらの米国特許第5,899,860号には、患者の体内のカテーテルのポジションを決定するためのシステムが記載されている。受信された位置信号から得られた較正ポジションと既知の真の較正ポジションとの間の差から補正関数が決定されると、受信されたポジション信号から得られたカテーテルポジションは、補正関数に従ってその後の測定段階で修正される。
【0007】
参照により本特許出願に組み込まれる文書は、これらの組み込まれた文書で定義されているあらゆる用語が、本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と相反するような場合を除いて、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0008】
上記の説明は、当該分野における関連技術の一般的な概説として提示されており、この説明に含まれる情報のいずれも本特許出願に対する先行技術を構成することを認めるものと解釈されるべきではない。
[先行技術文献]
特許文献1:特表2014−511737号公報
特許文献2:特開2007−21218号公報
[発明が解決しようとする課題]
[課題を解決するための手段]
【0009】
本発明の実施形態による、対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用してパッチを検知する方法が提供され、それらのパッチは、その表面と接触したそれぞれの電極を含み、それらのパッチのうちの少なくとも1つは、身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、本方法は、第1の時間に、信号を処理してパッチのうちのこの少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の時間の後の第2の時間に、信号を処理してパッチのうちのこの少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の場に基づく位置座標と第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び第2の場に基づく位置座標と第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算し、第2の関係と第1の関係との間に相違がある場合、その相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、場に基づく位置座標の補正を適用して、印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、身体内の磁気追跡センサのポジションを追跡することと、を含む。
【0010】
本発明の実施形態において、所与のパッチに関する第1の関係は、所与のパッチの第1のインピーダンスに基づく位置座標と所与のパッチの第1の場に基づく位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含んでもよく、所与のパッチに関する第2の関係は、所与のパッチの第2のインピーダンスに基づく位置座標と所与のパッチの第2の場に基づく位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含んでもよい。いくつかの実施形態では、所与のパッチの第2の場に基づく位置座標に対する場に基づく位置座標の補正は、第1の距離及び第1の配向を含み、場に基づく位置座標の補正を適用することは、第2のインピーダンスに基づく位置座標と第1の距離及び第1の配向とに基づいて補正された第2の場に基づく位置座標を計算することを含む。
【0011】
更なる実施形態では、本方法は、第2の時間の後の第3の時間に、信号を処理してパッチのうちの少なくとも1つの第3の場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、場に基づく位置座標の補正を、第3の場に基づく位置座標に適用することを含んでもよい。更なる実施形態では、磁場は、磁場を生成するように構成された複数のコイルの上に身体を位置決めすることによって身体に印加される。
【0012】
補足実施形態では、このセンサは、医療プローブに含まれ、身体内の電極は、医療プローブの遠位端に配置されたプローブ電極を含む。更なる実施形態では、この信号は、第1の信号を含み、インピーダンスを測定することは、少なくとも1つのパッチから、プローブ電極によって身体に送達された電流に対するインピーダンスに応じて、第2の信号を受信することを含む。
【0013】
本発明の実施形態による、検知のための装置も提供され、本装置は、対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイであって、それらのパッチがその表面と接触したそれぞれの電極を含み、パッチのうちの少なくとも1つが、身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含む、パッチのアレイと、制御コンソールと、を含み、この制御コンソールは、第1の時間に、信号を処理してパッチのうちのこの少なくとも1つの第1の場を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の時間の後の第2の時間に、信号を処理してパッチのうちのこの少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の場に基づく位置座標と第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び第2の場に基づく位置座標と第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、第2の関係と第1の関係との間に相違がある場合、その相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、場に基づく位置座標の補正を、印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、身体内の磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行うように構成されている。
【0014】
本発明の実施形態による、対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用して検知するためのコピュータソフトウェア製品が更に提供され、それらのパッチは、その表面と接触したそれぞれの電極を含み、パッチのうちの少なくとも1つが、身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、この製品は、プログラム命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでおり、この命令は、コンピュータによって読み取られると、コンピュータに、第1の時間に、信号を処理してパッチのうちの少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の時間の後の第2の時間に、信号を処理してパッチのうちのこの少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、パッチのうちのこの少なくとも1つと身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、第1の場に基づく位置座標と第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び第2の場に基づく位置座標と第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、第2の関係と第1の関係との間に相違がある場合、その相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、場に基づく位置座標の補正を、印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、身体内の磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ここで、本開示は、ほんの一例として、添付図面を参照して説明される。
図1】本発明の実施形態による、複数の粘着皮膚パッチを有し、患者の心臓にカテーテルベースの手技を実施中に所与の皮膚パッチの場に基づく位置座標を補正するためにインピーダンスに基づく位置座標を用いるように構成された、医療システムの概略描図である。
図2】本発明の実施形態による、心臓内のカテーテルの概略描図である。
図3】本発明の実施形態による、患者に適用された磁場を使用してどのように粘着皮膚パッチに関するそれぞれの場に基づく位置座標を決定することができるかを示す、概略描図である。
図4】本発明の実施形態による、患者の身体に送達された電流を使用してどのように粘着皮膚パッチに関するそれぞれのインピーダンスに基づく位置座標を決定することができるかを示す、概略描図である。
図5】本発明の実施形態による、インピーダンスに基づく位置座標を使用して所与の皮膚パッチの場に基づく位置座標を補正する方法を図示するフローチャートである。
図6A】本発明の実施形態による、粘着皮膚パッチに関する、第1及び第2の場に基づく位置座標、第1及び第2のインピーダンスに基づく位置座標、並びに補正された第2の場に基づく位置座標を図示する概略図である。
図6B】本発明の実施形態による、粘着皮膚パッチに関する、第1及び第2の場に基づく位置座標、第1及び第2のインピーダンスに基づく位置座標、並びに補正された第2の場に基づく位置座標を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概観
様々な診断及び治療手技は、心腔の内表面上の電位のマッピングを含む。電気マッピングは、例えば、医療プローブ(例えば、カテーテル)を心室腔内に挿入することによって実行することができ、その遠位端には、ポジションセンサ及びマッピング電極(本明細書ではプローブ電極とも呼ばれる)が装着される。心室腔は、内腔表面上の複数のポイントにプローブを位置決めすることによってマッピングされる。各ポイントで、電位がマッピング電極を使用して測定され、遠位端のポジションがポジションセンサを使用して測定される。測定値は、典型的には、心腔表面上の電位分布のマップとして提示される。
【0017】
医療プローブを心室腔内に位置決めする間、インピーダンス及び/又は磁場に基づく(本明細書では、場に基づくとも呼ばれる)ポジション検知システムを使用して、心室腔内のプローブの位置を決定することができる。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,456,182号に記載されるインピーダンスに基づくポジション検知システムでは、一組の粘着皮膚パッチが対象の身体に貼付され、医療プローブ(例えばカテーテル)の遠位端が対象の体腔に挿入される。
【0018】
パッチは、対象の身体の表面と接触したそれぞれの電極を含む。典型的には、この一組のパッチは、3つ又は4つ以上のパッチを備える。制御コンソールは、プローブの遠位端で位置決めされた電極(本明細書では、インピーダンスに基づく位置センサとも呼ばれる)に電流を送達する。これらのパッチは各々電流の一部を受け取り、そのそれぞれ受け取られた電流を制御コンソールに伝達し戻す。その受け取られた電流に基づいて、制御コンソールは、各パッチとマッピング電極との間のインピーダンスを決定し、そのインピーダンスに基づいて、遠位端のインピーダンスに基づく位置座標を計算することができる。インピーダンスに基づく位置座標は、インピーダンスに基づく座標を有することを前提とした本明細書のパッチによって画定される基準枠に対して測定された三次元座標であり、遠位端を体腔内のこの基準枠において追跡することを可能にする。
【0019】
場に基づくポジション検知システムでは、複数の磁場発生器が対象の下に位置決めされてもよい。本明細書において磁気追跡センサとも呼ばれる、場に基づくポジションセンサは、プローブの遠位端に位置決めされ、このセンサは、場発生器から受信した磁場に応じて制御コンソールにプローブ信号を伝達する。追跡センサからプローブ信号を受信すると、制御コンソールは、プローブ信号に基づいて遠位端の場に基づくプローブ位置座標を計算することができる。場に基づくプローブ位置座標は、磁場発生器の場に基づく位置座標によって画定される基準枠に対する三次元座標であり、また、場に基づく基準枠において遠位端を追跡することもできる。
【0020】
場に基づくポジション検知システムは、典型的には、インピーダンスに基づくポジション検知システムよりも精度が高い。例えば、場に基づくポジション検知システムが1ミリメートル以内の精度であり得る一方で、インピーダンスに基づくポジション検知システムは3ミリメートル以内の精度であり得る。しかしながら、場に基づくポジション検知システムは、典型的に、インピーダンスに基づくポジション検知システムよりも高価である。更に、場に基づくポジション検知システムがインピーダンスに基づくポジション検知システムよりも精度が高い一方で、場に基づくポジション検知システムは、金属の干渉及び患者の身体の動きに敏感である。
【0021】
医療手技中に典型的に複数のプローブを使う医療システムでは、少なくとも1つのプローブに電極及び場に基づくポジションセンサを組み込むことができる。本明細書で基準プローブと呼ぶそのようなプローブを使って、両方のシステムで体腔ボリュームをマッピングすることができ、次いで、それらの2つのマッピング間の相関を、インピーダンスに基づくシステムでプローブを追跡するために使用されるマッピング電極のみを有するその他のプローブに適用することができる。基準プローブのインピーダンスに基づく位置座標を、場に基づく位置座標に対応させるために、これら2つのシステムの基準枠を位置合わせして、これらの2つの基準枠間の関係を生成する。この関係を用いると、インピーダンスに基づくシステムの精度が典型的に増し、かつ、電極のみのプローブを場に基づくシステムで追跡することが可能になる。
【0022】
この位置合わせは、場に基づくセンサを、少なくとも1つ、典型的には全てのパッチに組み込むことによって、達成できる。この組み込みによって、パッチの場に基づく位置座標を場に基づくシステムで測定することが可能になり、次いで、パッチの場に基づく位置座標をそれらのインピーダンスに基づく座標と比較することによって、位置合わせ関係を計算することができる。
【0023】
医療手技の過程において、例えばパッチの1つが動くことによって、位置合わせ関係が変化することがある。先行技術のシステムでは、そのような変化があると、すべてのパッチの場に基づく位置座標を新たに見つけることによって2つの基準枠を再び位置合わせすることが必要である。この再位置合わせは時間がかかり、かつ、比較的厳しい計算をコンピュータに要求する。
【0024】
本発明の実施形態は、違うやり方でこの関係の変化に取り組むための方法及びシステムを提供する。以下に説明するように、第1の時間とその後の第2の時間との間の位置合わせ関係の相違を検出すると、本発明の実施形態は、その後の第2の時間のインピーダンスに基づくパッチの座標が正しいと仮定し、場に基づく位置座標の補正を計算して、その補正を適用してパッチの場に基づく位置座標を補正する。上記した先行技術のシステムとは異なり、この補正の適用にかかる時間は比較的少なく、ポジション検知システムをリセットする必要がなく、実行中の任意の医療手技を妨げることがない。
【0025】
対象に適用された生成器からの磁場に応じてセンサが受信した信号に基づいて、補正された場に基づく位置座標を対象の身体内の磁気追跡センサの追跡に使用することができる。この磁気追跡センサは、基準プローブのセンサであってもよく、その医療手技で使用される別のプローブに組み込まれた任意の他の磁気センサでもよい。
【0026】
システムの説明
本発明の実施形態による、図1は、医療システム20の概略描図であり、図2は、そのシステムで使用されるプローブの概略図である。システム20は、例えば、Biosense Webster社(カリフォルニア州Diamond Bar)が製造するCARTO(登録商標)システムをベースとすることができる。システム20は、カテーテルなどの医療用プローブ22、及び制御コンソール24を含む。以下に説明する実施形態では、プローブ22を例えば心臓26の心臓組織のアブレーションなどでの診断又は治療のために使用するものと仮定する。あるいは、心臓又は他の器官におけるその他の治療及び/又は診断目的のためにプローブ22を使用してもよい。
【0027】
操作者28は、プローブ22の遠位端32(図2)が心室26に入るようにプローブ22を患者30の血管系を通じて挿入する。図1に示す構成では、操作者28は心臓26の内部の遠位端32を可視化するために蛍光透視装置34を使用する。蛍光透視ユニット34は、患者30の上方に位置決めされ、患者を通してX線を透過させるX線源36を含む。患者30の下方に位置決めされるフラットパネル検出器38は、患者30を透過するX線を光に変換するシンチレータ層40と、光を電気信号に変換するセンサ層42とを含む。センサ層42は、典型的にはフォトダイオードの2次元アレイから構成され、各フォトダイオードは、そのフォトダイオードによって検出された光に応じた電気信号を生成する。
【0028】
制御コンソール24はプロセッサ44を備えており、このプロセッサは蛍光透視装置34からの電気信号を画像46に転換し、手技に関する情報としてそれを表示装置48に表示する。例えば、表示装置48は陰極線管(CRT)表示装置、又は液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)表示装置、若しくはプラズマ表示装置などのフラットパネル表示装置を含むものと仮定される。しかしながら、他の表示装置もまた、本発明の実施形態の実施に使用することができる。いくつかの実施形態では、表示装置48は、画像46を表示することに加えて、操作者28からの入力を受容するように構成されたタッチスクリーンを備えてもよい。
【0029】
システム20は、場に基づくポジション検知を用いて心臓26内の遠位端32のポジション座標を決定することができる。システム20が場に基づくポジション検知を用いる構成においては、コンソール24は、患者30の身体内に磁場を生成するために場発生器52を駆動する駆動回路50を備えている。典型的には、場発生器52は、患者30の外部の既知のポジションで患者の下に定置されるコイルを備えている。これらのコイルは、心臓26を含む既定の作業ボリューム内に磁場を生成する。プローブ22の遠位端32内の磁場センサ54(本明細書ではポジションセンサ54とも呼ばれる)が、コイルからの磁場に応じて電気信号を生成することによって、プロセッサ44が心室内の遠位端32のポジションを決定することが可能になる。磁場に基づくポジション追跡技法は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、及び同第6,177,792号に記載されている。
【0030】
医療手技中、粘着皮膚パッチ58のアレイが患者30の背中62又は正面64に貼付される。換言すると、アレイ内の皮膚パッチの各々が患者30の身体の表面に貼付される。それらのパッチのうちの少なくとも1つは、場発生器52が生成した磁場を測定し、それに応じて磁場測定値をコンソール24に伝達することが可能な磁場センサ(例えばコイル)を1つ又は2つ以上備えている。所与のパッチ58の磁場センサ(本明細書でパッチセンサとも呼ばれる)から受信した磁場測定値に基づいて、プロセッサ44は、場発生器に対する所与の皮膚パッチの現在の場に基づくポジションを決定することができる。
【0031】
各パッチ58は、身体の表面と接触した身体表面電極もまた含んでおり、コンソール24はケーブル56によってそれらの身体表面電極に接続されている。図2に示す構成において、遠位端32は、絶縁性の外表面76で囲まれており、遠位端に、絶縁性の外表面76の上に形成された1つ又は2つ以上の薄い金属層を典型的に含むプローブ電極72を備えている。
【0032】
動作中、プロセッサ44は、プローブ電極とパッチ58との間の測定されたインピーダンスに基づいて、心臓26内の遠位端32のインピーダンスに基づく位置座標を決定することができる。インピーダンスに基づく位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、及び同第5,944,022号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の実施形態において、プロセッサ44は、磁場センサから受信するポジションに依存する磁気信号とパッチ58から受信する電気信号(すなわちインピーダンスの測定値)との位置合わせを実行するときに、位置センサ54と電極72との間の距離79を使うことができる。
【0033】
動作中、システム20は、インピーダンスに基づく位置検知及び、心臓の電気マッピングのための電位の取得又はアブレーションのようなその他の作業の両方のために、電極72を使用することができる。コンソール24は、電極72に電力を送達する無線周波(RF)のアブレーションモジュール78もまた備えている。プロセッサ44は、電極72を介して付加されたアブレーションの力のレベルのようなアブレーションパラメータを監視及び制御するためにアブレーションモジュール78を使用する。アブレーションモジュール78は、もたらされるアブレーションの期間もまた監視し、制御することができる。
【0034】
プロセッサ44は、ポジションセンサ54によって生成された信号を受信及び処理して、典型的には場に基づく位置座標及び場に基づく配向座標の両方を含む、遠位端32の場に基づくポジション座標を決定する。遠位端32の場に基づく座標の決定のほかに、プロセッサ44は、パッチ58からのインピーダンスを受信し、処理して、遠位端の電気に基づく位置座標もまた決定することができる。上記のポジション検知方法は、上述のCARTO(登録商標)システムで実施されるものであり、上で引用された特許及び特許出願に詳細が記載されている。
【0035】
プロセッサ44は、典型的には、プローブ22からの信号を受信し、コンソール24のその他の構成要素を制御するのに適したフロントエンド回路及びインターフェース回路を有する、汎用コンピュータを含む。プロセッサ44は、本明細書に記載される機能を実行するようソフトウェアでプログラムすることが可能である。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でコンソール24にダウンロードするか、又は光学的、磁気的若しくは電子的メモリ媒体など、持続性の有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ44の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0036】
プローブ22及びシステム20のその他の構成要素から受信する信号に基づいて、プロセッサ44は表示装置48を駆動して画像46を更新し、患者の身体内の遠位端32の現在のポジションを表示するとともに、進行中の手順に関するステータス情報及びガイダンスを表示する。プロセッサ44は、画像46を表わすデータをメモリ66内に格納する。いくつかの実施形態では、操作者28は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、画像46を操作することができる。表示装置48がタッチスクリーン表示装置を備えている実施形態では、操作者28はタッチスクリーン表示装置を介して画像46を操作することができる。
【0037】
場に基づく位置座標の補正
図3は、本発明の実施形態による、場発生器52によって生成された磁場に応じて粘着皮膚パッチによって伝達された信号に基づいてプロセッサ44がどのように粘着皮膚パッチ58のそれぞれの場に基づく位置座標を決定することができるかを示す概略描図である。図3(及び以下の図4を参照した説明)において、場発生器52及び粘着皮膚パッチ58は、識別番号に文字を付すことによって差別化される場合があり、したがって、場発生器は場発生器52A〜52Cを含み、粘着皮膚パッチは58A〜58Cを含む。
【0038】
動作中、各パッチ58の1つ又は2つ以上の磁場センサは、コンソール24を制御するために、場発生器52A、52B、及び52Cからの磁場に応じてパッチにて受信される信号を送信する。信号を受信すると、プロセッサ44はそれらの信号を処理して、パッチ58のそれぞれの三次元の場に基づく、場発生器の固定されたポジションによって定められる場発生器の基準枠に対して測定される位置座標を計算することができる。
【0039】
図4は、本発明の実施形態による、電極72によって身体に印加される電流に応じて粘着皮膚パッチによって伝達された信号に基づいて粘着皮膚パッチ58のそれぞれのインピーダンスに基づく位置座標をどのようにプロセッサ44が決定することができるかを示す概略描図である。
【0040】
動作中、ポジションセンサ54は、場発生器52A、52B、及び52Cによって生成された磁場に応じて、第1の信号を制御コンソール24に送信する。第1の信号を受信すると、プロセッサ44は、第1の信号を処理して、場発生器の基準枠における遠位端74の三次元の場に基づく位置座標を計算することができる。
【0041】
更に、操作者28が患者の身体内のプローブの遠位端32を操作するにつれて、制御コンソール24は電流を電極72に伝達し、プローブ電極はその伝達された電流を患者の身体に送達する。プローブ電極が身体に送達した電流はパッチ58に分配される。つまり、各パッチ58内の身体表面電極が送達された電流のそれぞれの分量を受け取り、それらの分量の各々は、電極72と所与のパッチ58との間のインピーダンスに依存する。送達された電流からそれぞれが受け取った分量に応じて、それぞれの所与のパッチ58の身体表面電極は、コンソール24を制御するために、患者30の身体によって引き起こされるインピーダンス(すなわち、電極72が送達する電流)を示す第2の信号を送信する。
【0042】
第2の信号を受信すると、プロセッサ44はインピーダンスを測定するためにそれらの信号を処理し、その測定されたインピーダンスに基づいて、パッチのポジションによって定められるパッチの基準枠における電極72のポジションを計算することができる。場発生器の基準枠におけるパッチのポジションは既知であるので、プロセッサ44はそれら2つの基準枠を互いに位置合わせすることができる。
【0043】
図5は、1つ又は2つ以上の粘着皮膚パッチ58の場に基づく位置座標の不一致を補正する方法を図示しており、集合的に図6に記載される図6A及び6Bは、本発明の実施形態による、第1のパッチの場に基づく位置座標110、112、114と、第1のパッチのインピーダンスに基づく位置座標116、118、120と、第2のパッチの場に基づく位置座標122、124、126と、第2のパッチのインピーダンスに基づく位置座標128、130、132を図示する概略図である。図6に示す例では、位置110〜132は、X軸136とY軸138とZ軸140で構成された座標系134における三次元座標を含む。
【0044】
最初の工程80において、操作者28は、一次粘着皮膚パッチ58を患者30に貼付する。印加工程82において、それぞれの場発生器52はそれぞれの磁場を患者30の身体に印加し、制御コンソール24は電流を電極72に伝達して、電流を患者の身体に送達する。受信工程84において、プロセッサ44は、少なくとも1つのパッチ58から、磁場に応じて信号を受信し、身体に印加された電流に対するインピーダンスの測定値を受信する。信号及びインピーダンス測定値の受信については、図3及び4を参照して上で述べた。
【0045】
第1の計算工程86において、プロセッサ44は、その受信された信号を処理し、第1の時間の信号に基づいて、第1のパッチの場に基づく座標110、112、及び114を計算する。第2の計算工程88において、プロセッサは、第1の時間のインピーダンス測定値に基づいて、第1のパッチのインピーダンスに基づく位置座標116、118、及び120を計算する。図6Aに示す例では、場に基づく座標110はインピーダンスに基づく座標116に対応し、それとほぼ同じであり、場に基づく座標112はインピーダンスに基づく座標118に対応し、それとほぼ同じであり、場に基づく座標114はインピーダンスに基づく座標120に対応し、それとほぼ同じである。
【0046】
第3の計算工程90において、プロセッサ44は、第1の場に基づく位置座標110、112、114と、第1のインピーダンスに基づく位置座標116、118、120との間の第1の関係を計算する。いくつかの実施形態では、第1の関係は、第1の位置座標のそれぞれと、そのそれぞれに対応する第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の距離及び配向を含む。
【0047】
第1の関係の計算が、場発生器の基準枠をパッチの基準枠と位置合わせすることに相当することを理解されたい(後者はインピーダンスに基づくものである故)。プロセッサ44は、第1の関係を用いて、インピーダンスに基づく位置座標116と場に基づく位置座標110の対応、インピーダンスに基づく位置座標118と場に基づく位置座標112の対応、及びインピーダンスに基づく位置座標120と場に基づく位置座標114の対応を実行する。したがって(すなわち、対応によって)、図6Aに示す例においては、場に基づく位置座標110はインピーダンスに基づく位置座標116と実質的に同じであり、場に基づく位置座標112はインピーダンスに基づく位置座標118と実質的に同じであり、場に基づく位置座標114はインピーダンスに基づく位置座標120と実質的に同じである。
【0048】
第4の計算工程92において、プロセッサ44は、受信された信号を処理し、第1の時間の後の第2の時間の信号に基づいて、第2の場に基づく位置座標122、124、126を計算する。第5の計算工程94において、プロセッサは、第1の時間のインピーダンス測定値に基づいて、第1のインピーダンスに基づく位置座標128、130、132を計算する。図6Bに示す例では、場に基づく座標122はインピーダンスに基づく座標128に対応し、場に基づく座標124はインピーダンスに基づく座標130に対応し、場に基づく座標126はインピーダンスに基づく座標132に対応する。
【0049】
第6の計算工程96において、プロセッサ44は、第2の場に基づく位置座標122、124、126と、第2のインピーダンスに基づく位置座標128、130、132との間の第2の関係を計算する。いくつかの実施形態では、第2の関係は、第2の場に基づく位置座標のそれぞれと、そのそれぞれに対応する第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の距離及び配向を含む。
【0050】
検出工程98において、プロセッサ44は、第1の関係と第2の関係との間の相違を検出する。検出された相違は、典型的には、1つ又は2つ以上のパッチ58に関する対応する第2のインピーダンスに基づく位置座標と一致しない第2の場に基づく位置座標の結果として生じる。いくつかの実施形態では、第2の場に基づく位置座標の不一致は、金属干渉(すなわち、パッチ及び/又は場発生器の近くの金属の物体)又は患者の身体の動きによるものである。
【0051】
いくつかの実施形態では、プロセッサ44は、第1の関係を第2のインピーダンスに基づく位置座標に適用したときに、第1の関係と第2の関係との間の相違を検出する。図6Bに示す例では、所与のパッチ58の相違は、インピーダンスに基づく位置座標130と場に基づく位置座標124との間の距離及び配向を含む矢印142として表されている。
【0052】
検出された相違に応じて、プロセッサ44は、第7の計算工程100において、場に基づく位置座標の補正を計算する。補正工程102において、プロセッサは、一致しない場に基づく位置座標に補正を適用して、2つの基準枠を再び位置合わせし、方法を終了する。いくつかの実施形態では、所与のパッチ58に関する、場に基づく位置座標の補正は、第1の関係のそれぞれの距離及び配向を第2のインピーダンスに基づく位置座標に適用することを含む。
【0053】
図6Bに示す例では、本発明の実施形態は所与のパッチ58に関するインピーダンスに基づく位置座標124を、第1の関係(すなわち、インピーダンスに基づく位置座標118を場に基づく位置座標112と位置合わせするために用いた関係)を用いて補正して、場に基づく位置座標120をインピーダンスに基づく位置座標130と位置合わせする。矢印142が示すように、プロセッサ44は第1の関係を用いて、場に基づく位置座標124を補正して、補正された場に基づく位置座標をインピーダンスに基づく位置座標130と実質的に同じにする。
【0054】
プロセッサ44がパッチ58に関する場に基づく位置の補正を計算した後、プロセッサ44は、場に基づく位置の補正を信号及び測定されたインピーダンスに適用し、その後の粘着皮膚パッチ位置を示すことができる。したがって、プロセッサ58は、第2の時間の後の第3の時間に、信号を処理してパッチのうちの少なくとも1つの第3の場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを計算することによってパッチのうちのこの少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、場に基づく位置座標の補正を第3の場に基づく位置座標に適用することができる。
【0055】
本発明の実施形態において、プロセッサ44は、パッチ58のそれぞれの場に基づく位置座標に対する患者の身体内の物体(例えばプローブ22)を追跡する一方で、それぞれの位置の補正を、パッチのそれぞれの場に基づく位置座標に適用することができる。更に、本明細書に記載されている実施形態は3つの粘着皮膚パッチ58を使用しているが、4つ以上のパッチ58を含む構成も本発明の意図及び範囲に含まれるものと考えられる。
【0056】
上記されている実施形態は、例として列挙されており、本発明は、上記で特に示され、記載されているものに限定されないことが認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記されている種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせと、前述の説明を読むことに基づいて当業者が想起するであろう、先行技術に開示されていない変形例及び修正との両方を含む。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用して検知する方法であって、前記パッチが、前記表面と接触したそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、前記方法が、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の場に基づく位置座標と前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記第2の場に基づく位置座標と前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を含む、方法。
(2) 所与のパッチに関する前記第1の関係が、前記所与のパッチの前記第1のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第1の場に基づく位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含み、前記所与のパッチに関する前記第2の関係が、前記所与のパッチの前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第2の場に基づく位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記所与のパッチの前記第2の場に基づく位置座標に対する前記場に基づく位置座標の補正が、前記第1の距離及び前記第1の配向を含み、前記場に基づく位置座標の補正を適用することが、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記第1の距離及び前記第1の配向とに基づいて、補正された第2の場に基づく位置座標を計算することを含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記第2の時間の後の第3の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3の場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、前記場に基づく位置座標の補正を前記第3の場に基づく位置座標に適用すること、を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記磁場が、前記磁場を発生させるように構成された複数のコイルの上に前記身体を位置決めすることによって前記身体に印加される、実施態様1に記載の方法。
【0058】
(6) 前記センサが医療プローブ内に備えられており、前記身体内の前記電極が前記医療プローブの遠位端に配置されたプローブ電極を備えている、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記信号が第1の信号を含み、前記インピーダンスを測定することが、前記少なくとも1つのパッチから、前記プローブ電極によって前記身体に送達された電流に対するインピーダンスに応じて、第2の信号を受信することを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 検知するための装置であって、
対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイであって、前記パッチが、前記表面と接触したそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含む、パッチのアレイと、
制御コンソールと、を備え、前記制御コンソールが、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の場に基づく位置座標と前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記第2の場に基づく位置座標と前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行うように構成されている、装置。
(9) 所与のパッチに関する前記第1の関係が、前記所与のパッチの前記第1のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第1の場に基づく位置座標との間の第1の距離及び第1の配向を含み、前記所与のパッチに関する前記第2の関係が、前記所与のパッチの前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記所与のパッチの前記第2の場に基づく位置座標との間の第2の距離及び第2の配向を含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記所与のパッチの前記第2の場に基づく位置座標に対する前記場に基づく位置座標の補正が、前記第1の距離及び前記第1の配向を含み、前記制御コンソールが、前記第2のインピーダンスに基づく位置座標と前記第1の距離及び前記第1の配向とに基づいて、補正された第2の場に基づく位置座標を計算することによって、前記場に基づく位置座標の補正を適用するように構成されている、実施態様9に記載の装置。
【0059】
(11) 前記制御コンソールが、前記第2の時間の後の第3の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3の場に基づく位置座標を計算し、電流に対するインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第3のインピーダンスに基づく位置座標を計算し、前記場に基づく位置座標の補正を前記第3の場に基づく位置座標に適用するように構成されている、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記磁場が、前記磁場を発生させるように構成された複数のコイルの上に前記身体を位置決めすることによって前記身体に印加される、実施態様8に記載の装置。
(13) 前記センサが医療プローブ内に備えられており、前記身体内の前記電極が、前記医療プローブの遠位端に配置されたプローブ電極を備えている、実施態様8に記載の装置。
(14) 前記信号が第1の信号を含み、前記制御コンソールが、前記少なくとも1つのパッチから、前記プローブ電極によって前記身体に送達された電流のインピーダンスに応じて第2の信号を受信することによって、前記インピーダンスを測定するように構成されている、実施態様13に記載の装置。
(15) 対象の身体の表面に固定されたパッチのアレイを使用して検知するためのコンピュータソフトウェア製品であって、前記パッチが、前記表面と接触するそれぞれの電極を含み、前記パッチのうちの少なくとも1つが、前記身体に印加された磁場に応じて信号を出力するように構成されたパッチセンサを含み、前記製品が、プログラム命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読媒体を備えており、前記命令が、コンピュータによって読み取られると、前記コンピュータに、
第1の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の電極との間のインピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第1のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の時間の後の第2の時間に、前記信号を処理して前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2の場に基づく位置座標を計算し、前記パッチのうちの前記少なくとも1つと前記身体内の前記電極との間の前記インピーダンスを測定することによって前記パッチのうちの前記少なくとも1つの第2のインピーダンスに基づく位置座標を計算することと、
前記第1の場に基づく位置座標と前記第1のインピーダンスに基づく位置座標との間の第1の関係、及び前記第2の場に基づく位置座標と前記第2のインピーダンスに基づく位置座標との間の第2の関係を計算することと、
前記第2の関係と前記第1の関係との間に相違がある場合、前記相違に応じて場に基づく位置座標の補正を計算することと、
前記場に基づく位置座標の補正を、前記印加された磁場に応じて磁気追跡センサから受信された信号に基づいて、前記身体内の前記磁気追跡センサのポジションの追跡に適用することと、を行わせる、コンピュータソフトウェア製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B