特許第6776086号(P6776086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776086
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】複数目印ジグの識別及び位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
   A61B6/00 390A
   A61B6/00 370
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-198845(P2016-198845)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2017-70749(P2017-70749A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2019年8月14日
(31)【優先権主張番号】14/878,063
(32)【優先日】2015年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】タミル・デムリ
(72)【発明者】
【氏名】ピンハス・アブラモビッチ
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−016220(JP,A)
【文献】 特開2003−299642(JP,A)
【文献】 特開2014−089186(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0046718(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0290690(US,A1)
【文献】 特表2003−515829(JP,A)
【文献】 米国特許第07245958(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
G01B 7/00 − 7/34
G01B 15/00 − 15/08
G01B 21/00 − 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標系を位置合わせするための方法であって、
画像診断法に対して不透明である目印を有する校正ジグを画像化領域に配置する工程であって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える、工程と、
前記目印の画像を前記画像診断法を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された位置合わせを使用して、前記目印を前記画像上に再射影する工程と、
その後に、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることによって新しい位置合わせを確立する工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との二乗平均平方根誤差によって前記再射影された目印に点数を付ける工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
新しい位置合わせを確立する工程は、前記目印を6自由度で再射影する工程の残留誤差を最小にする工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記目印は、大きさが同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
座標系を位置合わせするための方法であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグを透視装置によって照射された領域に設置する工程であって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える、工程と、
前記目印の透視画像を前記透視装置を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記透視画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記透視画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
【請求項9】
前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記選択された位置合わせを使用して、前記目印を前記画像上に再射影する工程と、
その後に、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることによって新しい位置合わせを確立する工程と、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との二乗平均平方根誤差によって前記再射影された目印に点数を付ける工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
新しい位置合わせを確立する工程は、前記目印を6自由度で再射影する工程の残留誤差を最小にする工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記目印は、大きさが同一である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
座標系を位置合わせするための装置であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグであって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備えている、校正ジグと、
プロセッサと、
プログラム及びデータオブジェクトを中に格納する、前記プロセッサにアクセス可能なメモリと、を備え、前記プログラムの実行は、前記プロセッサに、
前記目印を透視画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を行わせる、装置。
【請求項16】
前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記目印は、単一の軸線に沿って存在する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることにより、前記選択された位置合わせを使用した、前記目印の前記画像上への再射影に関して新しい位置合わせを確立する付加的な工程を実行するように動作する、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記目印は、大きさが同一である、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
座標系を位置合わせするための方法であって、
対称軸及び画像診断法に対して不透明である目印を有する校正ジグを画像化領域に設置する工程であって、前記目印は、目印非調和比を有する共線の目印四つ組を備え、前記共線の目印四つ組は、前記対称軸上にある、工程と、
前記目印の画像を前記画像診断法を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
前記共線の目印四つ組と、少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって候補線を規定する工程であって、前記目印非調和比と画像非調和比とは、既定義の判定条件に従って適合する、工程と、
それぞれの候補線を使用して、前記画像と前記校正ジグの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
【請求項22】
座標系を位置合わせするための装置であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグであって、前記目印は、目印非調和比を有する共線の目印四つ組を備える、校正ジグと、
プロセッサと、
プログラム及びデータオブジェクトを中に格納する、前記プロセッサにアクセス可能なメモリと、を備え、前記プログラムの実行は、前記プロセッサに、
前記目印を透視画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
前記共線の目印四つ組と、少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程であって、前記目印非調和比と画像非調和比とは既定義の判定条件に従って適合する、工程と、
それぞれの候補線を使用して、前記画像と前記校正ジグの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を行わせる、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トポロジカルマッピングによる画像変換に関する。より具体的には、本発明は、2次元医用画像を3次元マップと結合することに関する。
【背景技術】
【0002】
心内膜表面の3次元幾何学的マッピング及び再構成のための方法は,当該技術分野において公知である。たとえば、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,738,096号は、プローブを心臓の壁の複数の場所と接触させ、場所のそれぞれにおけるプローブの位置座標を決定することに基づいて、心内膜をマッピングする方法について記載している。位置座標が、心臓の少なくとも一部分のマップを形成するように結合される。
【0003】
体内におけるプローブの位置を検出することに基づく商用の電気生理学的及び物理的マッピングシステムが、現在、利用可能である。それらの中で、Biosense Webster社(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)から入手可能なCARTO(登録商標)3 Systemは、局所の電気的活性をカテーテル位置と自動的に関連付けて、マッピングするシステムである。
【0004】
現在の心臓カテーテル法システムでは、操作医師は、しばしば、胸部の2次元透視画像及び心臓の3次元マップの2つの異なるスクリーン上の2つの異なる画像を同時に観察しなければならない。そのような3次元マップは、たとえば、心臓の中のカテーテル先端部の磁気追尾を用いて生成され得る。透視画像と3次元マップとの両方はこのカテーテルを表示することができるが、異なる角度及び視点からである。透視視野と3次元視野との間の自動的な位置合わせ及び調整が存在しないため、医師は、自身の視線をディスプレイの間で行ったり来たりさせて、それらが含む異なる情報を思考によって位置合わせする必要がある。
【0005】
解剖学的画像及び電子解剖学的マップを、異なる方法によって取得された3次元画像と位置合わせするためのいくつかの既存の方法は、概して、場所データに依存する。マッピングカテーテルは、対象となる器官、たとえば心臓におけるいくつかの既知の場所に置かれ、位置座標が記録される。これらの上記場所は、3次元画像の中で印を付けられるか、又は別の方法で記録される。この技術は、概して、システムのオペレータが、マッピング手順自体の一部としてとられる行動に加えて、位置合わせの目的で所望の場所を見つけ出して印をつけるのに時間をかけることを必要とする。
【0006】
3次元マップを用いて透視画像を自動的に位置合わせするため様々な方法が、特許文献において公知である。そのような方法は、たとえば、本発明の譲受人に譲渡されたBen−Haimらへの米国特許第6,314,310号に記載されており、その開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0007】
最近では、異なるアプローチが、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2014/0114173号において開示され、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。この文献は、胸部の2次元透視画像を心臓の3次元マップ機能的電子解剖学的マップと位置合わせして配置することを対象とする。座標系位置合わせモジュールは、固定の所定パターンで配置された放射線不透過性要素であって、透視画像を生成する放射線不透過性の要素に応答して、基準の透視座標系内でのモジュールの位置を規定するように構成されている放射線不透過性の要素を含む。モジュールは、モジュールを磁場伝達パッドに関して所定の位置及び向きでパッドに固定的に接続して、磁場伝達パッドによって規定された基準の磁気座標系内での位置合わせモジュールの位置を特徴付けるように構成された1つ又は2つ以上の接続部を更に含む。
【0008】
画像変換への1つアプローチが、Piluらへの米国特許第8,300,941号において提案されており、これは、表面コード化パターンについての最良のグリッド仮説を識別することによって遠近歪みを修正する工程を含む。この方法は、一組の直線仮説をコード化表面パターンから抽出する工程と、向きによって直線仮説をクラスタリングする工程と、それぞれのクラスタについて、一組の束線仮説を抽出する工程と、一組の構造格子仮説を束線仮説の対から生成する工程と、最良の構造格子仮説を決定する工程と、を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、必ずしもすべてのジグが画像中で可視であるわけではない場合に、ジグの向き及び位置を柔軟にサポートするジグ目印識別のための一般的な方法を提供する。異なる大きさの目印を使用するよりもむしろ、一定の大きさが利用される。
【0010】
本発明の実施形態によって、座標系を位置合わせするための方法が提供され、この方法は、画像診断法に対して不透明である目印を有する校正ジグを画像化領域に設置することによって実行される。目印は、それぞれの非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える。方法は、目印の画像を画像診断法を用いて作成する工程と、目印を画像において検出する工程と、画像において、検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、によって更に実行される。方法は、既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、候補線の対を使用して、画像と校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、位置合わせの残差を決定する工程と、位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、によって更に実行される。
【0011】
本方法の別の態様によると、候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する。
【0012】
本方法の更なる態様によると、目印は、単一の軸線に沿って存在している。
【0013】
本方法の更に別の態様は、選択された位置合わせを使用する工程と、目印を画像上に再射影する工程と、その後に、前記画像上で再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることによって新しい位置合わせを確立する工程と、を含む。
【0014】
本方法の更なる態様によると、再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、再射影された目印と検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む。
【0015】
本方法の1つの態様によると、再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、再射影された目印と検出された目印との二乗平均平方根誤差によって再射影された目印に点数を付ける工程を含む。
【0016】
本方法の別の態様によると、新しい位置合わせを確立する工程は、目印を6自由度で再射影する工程の残留誤差を最小にする工程を含む。
【0017】
本方法の付加的な態様によると、目印は、大きさが同一である。
【0018】
本発明の実施形態によって、座標系を位置合わせする方法が更に提供され、この方法は、放射線不透過性の目印を有する校正ジグを透視撮影装置によって照射された領域に設置する工程によって実行される。目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える。本方法は、目印の透視画像を透視装置を用いて作成する工程と、目印を画像において検出する工程と、透視画像において、検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、候補線の対を使用して、透視画像と校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、位置合わせの残差を決定する工程と、位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、によって更に実行される。
【0019】
本発明の実施形態によって、放射線不透過性の目印を有する校正ジグを含む、座標系を位置合わせするための装置が更に提供され、目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える。装置は、プロセッサと、プログラム及びデータオブジェクトを中に格納する、プロセッサにアクセス可能なメモリと、を更に備、プログラムの実行は、プロセッサに、目印を透視画像において検出する工程と、画像において、検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、候補線の対を使用して、画像と校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、位置合わせの残差を決定する工程と、位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その候補線の対は、所定の値よりも少ない限定的な残差と関連付けられている、工程と、を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明をより良く理解するために、一例として、本発明の詳細な説明について言及するが、その説明は以下の図面と併せて読まれるべきであり、図面における同様の要素には、同様の参照数字が与えられている。
図1】本発明の一実施形態による、校正段階における透視画像及び磁気マッピング統合システムを示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、校正段階において使用されるらせん校正ジグの概略斜視図である。
図3】本発明の実施形態によって適用される射影幾何学の態様を示す線図である。
図4】本発明の一実施形態による、2次元画像を用いるジグ位置合わせの方法のフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による、2次元画像上へのジグの例示的な射影である。
図6】本発明の一実施形態による、2次元画像上へのジグの例示的な射影である。
図7】本発明の代替的な実施形態による、2次元画像上に単一の線の目印を有するジグの射影である。
図8】本発明の代替的な実施形態による、2次元画像を用いるジグ位置合わせの方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、本発明の様々な原理が充分に理解されるように、多くの具体的な詳細について記載する。しかしながら、これら詳細の全てが本発明を実施するうえで必ずしも必要であるとは限らないことは当業者にとって明らかであろう。この場合、一般的な概念を無用に分かりにくくすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及びプロセスに対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0022】
参照により本特許出願に組み込まれた文書は、これらの組み込まれた文書で定義されているあらゆる用語が、本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と相反するような場合を除いて、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【0023】
後に続く説明において、透視画像が説明される。これは例であり、限定するものではない。本明細書において説明されるプロセスは、多くの方法、たとえば、磁気共鳴画像、コンピュータトモグラフィ画像、光学画像及び標準的なX線画像によって作成される2次元画像に等しく適用可能である。
【0024】
ここで、図面について、図1を最初に参照すると、この図は、本発明の実施形態による、校正段階における透視画像及び磁気マッピング統合システム20を示す概要図である。システム20は、磁気追尾システム22によって取得される人体器官の3次元マップを、透視装置24によって取得された患者の2次元透視画像と結合して、システム20の操作者に示される結合表示26をスクリーン28上に形成する。図1に示すシステム20の校正段階では、患者が存在しない。図5に示すシステム20の以降の操作段階では、患者は、システム20のテーブル30上に横たわっていると仮定され、磁気追尾システム22及び透視装置24は、以下でより詳細に説明するように、患者の3次元マップ及び2次元画像を取得する。一般的に、透視装置によって取得される2次元画像は、患者の胸部のものであり、磁気追尾システムによってマッピングされる人体器官は、患者の心臓を含んでいる。
【0025】
実際には、システム22と透視装置24とは、別々の制御装置を有する別々の物理装置として一般的に構成され得るが、本説明においては、単純化するために、システム20は、単一の制御装置32によって操作されると仮定する。
【0026】
制御装置32は、透視装置を操作する透視装置コントローラ34、及び磁気追尾システムを操作する磁気システムコントローラ36を備え、装置は、システムプロセッサ38の全体的な制御の下にあり、プロセッサは、とりわけ、結合表示26をスクリーン28上に生成する。プロセッサ38は、汎用又は組込みコンピュータプロセッサを一般的に備え、このプロセッサは、以下で説明する機能を実行するために好適なソフトウェアを用いてプログラムされる。したがって、プロセッサ38は、いくつかの別々の機能ブロックを備えていると説明されることが時にはあるが、これらのブロックは、必ずしも別々の物理実体であるわけではなく、むしろ、プロセッサにアクセス可能であるメモリに格納されている異なる演算タスク又はデータオブジェクトを示す。これらのタスクは、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサで動作するソフトウェアで実行することができる。ソフトウェアは、コンピュータシステム、たとえばディスケット、又はハードディスク、又はCD−ROMと共に使用するために、様々な公知の固定媒体のうちの任意のものに組み込まれ得る。コードは、そのような媒体上に配信されてもよく、又は、別のコンピュータシステムのメモリ又は記憶装置(図示せず)からネットワークを介してプロセッサ38に配信されてもよい。代替又は追加として、プロセッサ38は、デジタル信号プロセッサ又はハードワイヤード論理を備えてもよい。プロセッサ38は、データベース29のためのメモリ記憶装置を一般的に含む。
【0027】
透視装置24は、X線源40及び検出器42を備え、ラジエータ及び検出器が、本明細書において円弧を含むと仮定されるCアーム44の両端部に装着されている。Cアーム44は、一般的にはLアーム46の下側端部45に保持され、Lアームは、手術室の天井にその上側端部、又は手術室の床にその下側端部が取り付けられている。Cアーム44は、図において紙面内にある水平枢動軸線PAの周りで回転させられ得る。Cアーム44はまたCアーム軸線CAの周りで回転し得、軸線CAは紙面に垂直で、かつCアーム円の中心を通過する。名目上、2つの軸線は、アイソセンターとも称されるCアームの回転中心にて交差し、互いに直交する。システム20の操作者は、透視装置コントローラ34を使用して、軸線PA及びCAの周りでの透視装置24の回転、並びに透視装置の別の幾何学的パラメータを調整することができる。(以下でより詳細に説明するように、校正段階は、透視装置24の名目上の特性、たとえば上記で例示したものを調整する。)
【0028】
透視装置24の座標系又基準系を位置合わせするために、その校正段階のシステム20は、1つ又は2つ以上の位置合わせ要素を用いる。所定の位置合わせ要素は、その位置及び向きが両方の座標系において同時に決定され得るという特性を有する。本発明の実施形態は、らせん校正ジグ60を位置合わせ要素として用いる。らせん校正ジグ60は、本明細書においてジグ60とも呼ばれ、図2を参照して更に詳細に説明される。
【0029】
2つの座標系、すなわち位置決めパッド50に基づく座標系及び位置合わせモジュール62に基づく座標系が、システム20に存在する。
【0030】
ここで、本発明の一実施形態によるジグ60の概略斜視図である図2を参照する。以下の説明から明かなように、ジグ60は、透視装置システム内で、該システム内での位置が決定され得る程度まで「可視」である。ジグ60は、プラスチック製シリンダ70として形成され、このシリンダの軸線がテーブルと平行であるように、付属の支持物72を使用してテーブル30上に設置され得る。シリンダ70は、シリンダに埋め込まれた同一の金属球体74を有する。金属球体74は、良好なコントラスト透視画像を検出器42において提供する。球体74は、大きさが同一である限り、任意の都合のよい大きさを有してもよい。同一の球体を使用することによって、目印の大きさ問題が要求する制約が完全に回避されるので、ジグ設置が柔軟になる。球体74は、シリンダ内にらせんパターン76に配列され、らせんパターンは様々な周期長を有するように構成されている。更に、それぞれの周期内には異なる数の球体が存在する。らせんパターンは、らせんの球体74を接続する破線によって図示されている。更に、少なくとも2つの組の共線の目印が存在し、それぞれの組は、四つ組と呼ばれる4つの目印を備えている。ジグ60における目印間距離は、既知であり、一意的な識別を可能にするようにコード化され得る。
【0031】
本発明の開示された実施形態では、シリンダ70は、およそ120mmの直径を有し、らせんパターン76の全長は、およそ200mmである。開示された実施形態では、球体74は、6つの周期を画定するように配列され、下記の表1は、シリンダ70の軸線と平行な方向におけるそれぞれの周期の例示的な長さ、及びそれぞれの周期内の球体74の例示的な数を与える。一般に、球体74は、それぞれの周期内で一様に分布している。
【0032】
【表1】
【0033】
更なる球体74が、らせんパターン76の球体に追加されてもよい。たとえば、より多くの球体74が球体の直線78を形成するように追加され、線78は、らせん周期の終端に対応している。
【0034】
らせんパターン周期についての異なる長さは、それぞれの周期における球体74の異なる数と共に、透視装置コントローラ34が球体74のそれぞれを一意的に識別することを可能にする。らせんパターンに更なる球体を追加することは、先に説明したように、透視装置コントローラ34が球体74を識別することを更に容易にする。球体74の識別は、以下で説明するように、透視装置を用いて2次元画像を位置合わせする際に用いられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、シリンダ70は、再帰反射器90を備え、取り外し可能なボール92が配置され得る。一般的に、再帰反射器は、テーブル30に平行な平面にあるシリンダ70に対称的に配列され、テーブル30上のジグ60の位置を追跡するためのレーザーの支援と共に用いられ得る。代替的な実施形態では、球体74にほぼ類似した別の金属球体がジグ60に追加されることにより、その配置を更に支援してもよい。
【0036】
位置合わせ
ここで、本発明の実施形態によって適用される射影幾何学の態様を示す線図である図3を参照する。
【0037】
方法は、射影幾何学についての2つの特性、すなわち、
(1)空間中の線210は、画像中の線212に投影されることと、
(2)点A、B、C、Dが、線212における共線点の四つ組である場合、非調和比は、(A,B;C,D)=(ACBD)/(BCAD)として規定されることと、に基づいている。共線点の四つ組の非調和比は、射影における不変量である。図3において、点A、B、C、Dは、それぞれ、線210における点A’、B’、C’、D’の射影である。したがって、非調和比(A,B;C,D)と(A’,B’;C’,D’)とは等しい。
【0038】
本発明の原理に従う2次元画像を用いたジグの初期位置合わせは、画像の中に見える少なくとも4つの共線の目印をそれぞれが有する最低2つの線を必要とする。ここで、本発明の実施形態による、2次元画像を用いたジグ位置合わせの方法のフローチャートである図4を参照する。この図及び他の流れ図のプロセス工程は、表示を明確にするために特定の線状の順序で示されている。しかしながら、かかる工程の多くは、並行して、非同期的に、又は異なる順序で行われてもよい点は明らかであろう。当業者であれば、プロセスは、たとえば、状態図において、多数の相互に関連する状態又は事象としても代替的に表現され得ることを理解するであろう。更に、例示されているプロセスの工程のすべてが、かかる方法の実施に必要とされるわけではない。
【0039】
最初の工程214では、透視幾何学的パラメータと透視射影関数との間の関係が決定される。利用可能ならば、校正されたモデルを用いてこれを行うことができる。代替として、名目的な校正されていない透視モデルを用いることができる。このモデルは、下記の工程における更なる改良を可能にするための十分な近似を提供する。
【0040】
ここで、本発明の実施形態による、2次元画像上へのジグ60(図2)の例示的な射影216である図5を参照する。目印218は、ジグ60上の球体74の射影である。
【0041】
図4に戻ると、工程220では、目印218(図5)は、射影216上に検出される。この工程では、たとえばテンプレート適合、楕円検出又はエッジ検出のような方法が実行され得る。これらは、従来の画像処理技術であり、本明細書においては更には論じられない。工程220は、一組の検出された目印を生じさせる。
【0042】
次に、工程222では、共線の目印が、工程220で生成された一組の目印の射影216において識別される。この工程は、たとえばランダムサンプルコンセンサス(RANSAC)又はハフ変換のような公知の方法を用いる線適合によって実行され得る。工程222は、一組の線仮説、すなわち、少なくとも共線の候補である目印の四つ組を備えているサブセットを作成する。それぞれの四つ組が、非調和比を規定する。共線の候補であるすべての四つ組のリストが、符号定数を規定する。サブセットは、1つ又は2つ以上の目印が消失するすべての可能性を含み、リストは、消失する目印を特定する。たとえば、5つの目印の線においては、1つの5−目印のサブセットと5つの4−目印のサブセットとが存在する。それぞれのサブセットは、そのサブセットのメンバーのそれぞれのインデックスを特定して保存される。
【0043】
次に、工程224では、工程222で作成された線仮説が、それらの非調和比をそれぞれの線内のジグ上の既知の目印間距離の非調和比と比較することによって評価される。工程224は、いくつかの手順を備えている。
【0044】
工程226では、目印が検出されない場合又は目印が画像の外にある場合を包含するために、ジグの4つ又は5つ以上の共線の目印のすべての既知のサブセットが評価される。それぞれの四つ組が、非調和比を画定する。目印のサブセットは、1つ又は2つ以上の目印が消失しているすべての可能性のある選択をシミュレートするように作成される。消失する目印は、様々な場所に存在することができ、図6に示す視野の外側にも存在し得る。サブセットごとに、すべての可能性がある場合を説明する「符号定数」が存在する。符号定数は、効率的に実装された力づくの方法を用いて決定されることができる。そのような目印についてのすべてのサブセットについて、非調和比が、それぞれのサブセット内のすべての四つ組にわたって反復して計算され、それによって、サブセットに特有の符号定数を作成する。非調和比符号定数は、基準データベース29(図1)の中に保存される。たとえば、すべての組の4つの連続した目印についての非調和比が、保存されることができる。工程226を、ジグ設計ごとに一度だけ実行しなければならない。結果は、同一の設計を有するすべてのその後に製造されるジグに適用され得る。
【0045】
工程228では、線仮説ごとに、非調和比をその線仮説に関連する画像上の、工程222において識別された目印のそれぞれのサブセットの四つ組ごとに計算する。それぞれの四つ組が、非調和比を画定する。目印のサブセットは、同一直線上の目印のうちの任意のものが間違った内座層であり得るすべての可能性のある選択、すなわち偶然に画像上の1つの直線上にある目印が存在するが、それがジグ機械構造物上では同一直線上にない場合をシミュレートするように作成される。線仮説非調和比は、工程226で得られる基準データベースにおけるものと同じフォーマットの画像非調和比データベースに保存される符号定数である。基準データベースと画像非調和比データベースとの両方を、データベース29(図1)に含むことができる。
【0046】
適合工程230では、工程228で得られる非調和比符号定数と工程226で得られるそれらとの間の適合について検索を行う。その目的は、画像中の共線の目印とジグのそれらの対応する目印との間の潜在的適合を見つけることである。それぞれの適合は、目印のサブセット中の目印の識別についての選択である。適合は、等しいサイズのサブセットを比較することによって実行される。工程228と工程226とでの非調和比をユークリッド距離によって比較して、2組の数についての対応関係を見つける。代替として、別の距離測定法を用いてもよい。いずれにせよ、画像のサブセットとジグのサブセットとが、事前に定義された閾値距離よりも互いに近いことがわかると、適合が宣言される。
【0047】
工程232では、工程230で得られた適合は、目印の数、又は代替として符号定数適合の平均二乗誤差(RMSE)によって優先順位を付けられて、2つのジグ線に適合した線仮説の優先順位付きリストを作成する。
【0048】
工程238では、初期のジグ位置合わせ手順を実行する。工程232において選択された線仮説からの候補線についての網羅的に対をなす選択が、評価される。線の対を関連性及び可能性による順位で評価する。優先順位は、より大きなサブセットについての適合に与えられる。評価されるべき最初の対は、ジグの1つの線に適合している画像における最大のサブセット、及び別の線に適合している画像における最大のサブセットである。これが満足のいく初期位置合わせをもたらさない場合、次第により小さいサブセットを試験する。それぞれの試験は、初期位置合わせ及び最小のRMSE値による認容又は棄却を必要とする。別の考慮事項は、画像中での目印の場所を含む。Cアームの向きによって、1つの線が第2の線の左側(又は右側)にあると予想され得る。非調和比適合品質の質が、別の決定のための判定条件であってもよい。
【0049】
工程238は、1つ又は2つ以上の画像線候補をジグ線のそれぞれに付与する(1つだけが真の適合である)。2つのジグ線に適合する画像線候補のそれぞれの対を、次に、有効な位置合わせに到達するまで以下の工程において考慮して評価する。効率化のために、より長い符号定数(すなわち、より長いサブセット)を有する候補に対する優先順位が存在する。評価されるべき最初の対は、ジグの1つ線に適合した画像における最大のサブセット、及び別の線に適合した画像における最大のサブセットである。更に、画像中での目印の場所は別の考慮事項である。
【0050】
評価アルゴリズムのための終了判定条件、たとえば、閾値反復回数が望ましい。しかし、実際には、正しい適合は、ほぼ常に2、3回の反復以内で到達する。画像を用いたジグ位置合わせは、それぞれのそのような対を用いて実行され、残差が、目印を画像上に再射影すること、及び最初の射影において検出された目印と再射影におけるものとの間の距離を測定することとによって決定される。
【0051】
次に、決定工程234では、初期ジグ位置合わせが、限定的な残差、すなわち、ユーザ構成判定条件よりも小さい残差であるか否かを決定する。決定工程234での決定が否定である場合、制御は、別の線対が評価される工程232に戻る。
【0052】
決定工程234での決定が肯定である場合、制御は、工程236に進む。一旦有効な初期位置合わせが決定されと、工程236では、検出された目印の残りを初期位置合わせに基づいて識別する。このことは、工程238において、線対の初期位置合わせを用いてジグを画像上に再射影することによって達成される。近接判定条件、すなわち、検出された目印と再射影された目印との間の距離、たとえばRMSEが、残りの目印を識別するために用いられる。初期位置合わせが適切である場合、すべての残りの目印は、最小誤差で配置されていることになる。
【0053】
最終工程240では、最終ジグ位置合わせを、工程236において識別されたすべての目印を用いて実行する。このことは、(工程236で識別された)目印の再射影について最小残留誤差を与える6自由度のジグの場所と向きを見つける最小化関数によって行われる。ここで、本発明の実施形態による、2次元画像へのジグ60(図2)の完全位置合わせ射影242である図6を参照する。目印218は、ここでは、しるし、たとえば、隣接した数字によって一意的に識別される。線244、246は、工程238、240(図4)において実行された良好な初期位置合わせと以降の位置合わせ全体とにおいて選択された使用候補線の組における最良の対であった。
【0054】
代替的実施形態
本実施形態は、前述の実施形態に類似している。しかし、工程238(図4)は、6自由度の代わりに5自由度での初期ジグ位置合わせを実行するように修正されている。このことは、2つの線の代わりに単一の選択された線仮説を用いて行われる。この選択肢は、単一の軸線、たとえば対称軸上に目印を有するロッドについて対称であるジグに対して有用である。この実施形態は、画像において選択された線の軸線を決定することだけが必要な場合に、時間及びコンピュータ資源を節約する。
【0055】
ここで、本発明の代替的な実施形態による、2次元画像上への目印の単一線を有するジグの完全位置合わせ射影248である図7を参照する。目印間の距離を、様々な非調和比を可能にするために意図的に変える。
【0056】
ここで、本発明の代替的な実施形態による、2次元画像を用いたジグ位置合わせの方法のフローチャートである図8を参照する。図8における工程は、工程250まで図4に関する議論において説明したものと同一である。その詳細については、簡略にするため繰り返さない。
【0057】
工程250では、第1の実施形態において説明したような仮の位置合わせよりもむしろ、完全なジグ位置合わせが実行される。
【0058】
次に、決定工程252では、工程250において実行された位置合わせが許容可能か否かを決定する。決定が否定である場合、制御は、工程232に戻る。
【0059】
決定工程252での決定が肯定である場合、制御は、最終工程254まで進行し、そこで手順は終了する。工程236及び最終工程240(図4)で説明したような別の目印の識別及び第2の位置合わせは不必要である。工程250の位置合わせは、5自由度だけを解像するので、それ自身の軸線の周りでの線形ジグの回転は、射影に影響を及ぼさない。
【実施例】
【0060】
この例では、レーザー追尾装置を用いて、らせんジグの校正及び位置合わせについての上記のアルゴリズムの正確性及び再現性を検証した。透視システムに対して異なるらせんジグ位置についての校正及び位置合わせの結果を比較した。透視システム座標系とレーザー追尾装置座標系との間の計算された変換が一定のままであることを検証した。
【0061】
様々な校正シーケンス及び位置合わせ画像が、異なるらせんジグ位置及び向きにおけるらせんジグについてとられた。また、それぞれのらせんジグ位置をレーザー追尾装置を用いて測定した。
【0062】
レーザー追尾装置を用いて得られたらせんジグ位置測定値、及びらせんジグ座標系でのこの測定のために用いられる再帰反射器の既知の機械位置から、レーザー追尾装置座標系かららせんジグ座標系への変換を計算することができる。Laser2Helix変換をらせんジグ位置ごとに計算した。
【0063】
校正及び位置合わせアルゴリズムごとの結果は、らせん座標系から透視装置座標系への計算された変換を含む。Helix2Fluoro変換を校正結果ごとに及び位置合わせ画像ごとに計算した。
【0064】
上記の変換から、透視装置座標系からレーザー追尾装置座標系への変換は、以下のように計算され得る。
式1:Fluoro2Laser=(Laser2Helix)−1*(Helix2Fluoro)−1
このように、Fluoro2Laser変換を校正結果ごとに及び位置合わせ画像ごとに計算した。この変換は、透視装置座標系及びレーザー追尾装置座標系がこの試験を通して一定であったので、らせんジグ位置又は校正/位置合わせ画像から独立して、同一のものでなければならない。
【0065】
らせんジグ位置ごとの基準Helix2Fluoro変換から、基準Fluoro2Laserを上記の式1を用いて計算した。
【0066】
上記の計算された変換を以降の比較のために利用して、校正及び位置合わせアルゴリズムを実行する透視校正ツールの正確性及び再現性を検証した。
【0067】
校正アルゴリズム
異なる校正結果について計算したすべてのFluoro2Laser変換間の比較。
【0068】
異なる校正結果を使用して様々なCアーム位置においてとられた、透視装置座標系における同一点の同一画像への射影間の比較。
【0069】
位置合わせアルゴリズム
同一のらせんジグ位置に対して撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較。
【0070】
すべてのらせんジグ位置にわたって異なる位置でCアームを用いて撮られたすべての位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較。
【0071】
注記:理想的には、上記の比較は、ゼロ近傍の値を与えなければならず、実効値は、アルゴリズム再現性の測度である。
【0072】
試験ツール及び補助装置
透視システム
UNIVUモジュールを有するCARTOシステム
レーザー追尾装置(Faro Technologies社(250 Technology Park Lake Mary,FL 32746,米国)から入手可能)及び再帰反射器
らせんジグ
Matlab(登録商標)ソフトウェア
Microsoft Visual Studio(登録商標)Source Controlからとられた解析コード
Microsoft Visual Studio Source ControlからとられたFCT Fluoro Integrationアルゴリズム
【0073】
試験手順
校正アルゴリズム試験計画
らせんジグを透視装置CORの患者テーブル上に設置し、校正画像シーケンスを収集した、すなわち、画像を次の透視装置Cアーム位置、LAO90、LAO60、LAO30、AP、RAO30、RAO60、RAO90、CRA20、CRA40、CAU20、及びCAU40において取得した。
【0074】
データ収集を、下記の結果の章にある表2で詳述するように、患者テーブル上のいくつかのわずかに異なるらせんジグ位置について繰り返した。
【0075】
試験の概念及び方法の章で説明した方法によって、データ解析を、ツール及び設備の章で特定した解析コードを用いて実行した。
【0076】
位置合わせアルゴリズム試験計画
らせんジグをFluoroscope CORの患者テーブル上に設置し、位置合わせ画像を様々なCアーム角度でとった。
【0077】
下記の結果の章にある表6で詳述するように、データ収集を患者テーブル上のいくつかの異なる患者テーブル/らせんジグ位置について繰り返した。
【0078】
上記の試験の概念及び方法の章で述べた方法によって、データ解析を、上記のツール及び設備の章で特定した解析コードを用いて実行した。
【0079】
合格判定条件
校正アルゴリズム:
異なる校正結果について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較は、1mmを超えない平均値を与えるものとする。
【0080】
透視装置座標系での同一点の異なる校正結果を用いて様々なCアーム位置でとられた同一画像への射影間の比較は、1mmを超えない平均値を与えるものとする。
【0081】
位置合わせアルゴリズム
同一らせんジグ位置に対して撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較は、1mmを越えない平均値を与えるものとする。
【0082】
すべてのらせんジグ位置にわたって、AP位置においてCアームを用いて撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較は、1mmを超えない平均値を与えるものとする。
【0083】
すべてのらせんジグ位置にわたって、LAO90位置においてCアームを用いて撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較は、1mmを超えない平均値を与えるものとする。
【0084】
異なるらせんジグ位置に対する位置合わせ画像について計算された基準Fluoro2Laser変換間の比較は、1mmを超えない平均値を与えるものとする。
【0085】
校正アルゴリズム試験結果
以下の表2は、収集された異なる校正シーケンス画像に対するらせんジグ位置の差について詳述する。
【0086】
【表2】
【0087】
すべての校正についての患者テーブル位置は、それが[−59,−864,930]であった場合の第1の校正(T124248)を除いて、[−54,−865,930]であった。すべての校正に対する透視装置ズーム設定は42cmであった。
【0088】
下記の表3は、異なる校正についての校正パラメータ値を示す。
【0089】
【表3】
【0090】
表4は、異なる校正結果について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較を示す。
【0091】
値は、比較されたFluoro2Laser変換間の変換における差のノルムを表し、すなわち、計算を以下のように実行した。
式2:Fluoro2LaserComparison12=(Fluoro2Laser−1*Fluoro2Laser
式3:デルタ=ノルム(Fluoro2LaserComparison(1:3,4))
【0092】
デルタの値を表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】
上記の比較についての平均値は、0.28mmであり、これは、1mmの合格判定条件閾値以下であり、したがって、この試験は合格している。
【0095】
表5は、透視装置座標系における同一点の異なる校正結果を用いて様々なCアーム位置でとられた同一画像への射影を示す。表5に示す値は、ピクセルからミリメートルに変換された、射影間の平均差及び最大差を表す。
【0096】
【表5】
【0097】
上記比較の平均値は、0.18mmであり、これは、1mmの合格判定条件閾値以下である。したがって、この試験は合格している。
【0098】
位置合わせアルゴリズム試験結果
表6は、収集された異なる位置合わせ画像についてのらせんジグ位置の差を詳述する。
【0099】
【表6】
【0100】
それぞれの位置合わせに対する画像Helix2Fluoro位置合わせ結果と、そのらせんジグ位置に対する基準Helix2Fluoro全体との間の差を計算して付録グラフ中に表示しており、それは、らせんジグ位置ごとに変換マトリックスT要素[Tx、Ty、Tz]対Cアーム角度を示す。
【0101】
表7は、同一のらせんジグ位置に対して撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換についての比較を示す。
【0102】
表7に示す値は、上記の式2及び式3を用いて計算され、同一のらせんジグ位置に対して撮られた位置合わせ画像について計算されたFluoro2Laser変換間の平均及び最大差、並びにCDF95の値、すなわち、95%に対する推定上側閾値を表す。
【0103】
画像位置合わせ間の比較ごとに、デルタを両方の画像角度に垂直な方向についてだけ計算した。
【0104】
【表7】
【0105】
上記の比較についての平均値は、0.15mmであり、これは、1mmの合格判定条件閾値以下であり、したがって、この試験は合格している。
【0106】
表8は、すべてのらせんジグ位置にわたって、AP位置及びLAO90位置においてCアームを用いて撮られた異なる位置合わせ画像について計算されたすべてのFluoro2Laser変換間の比較を示す。
【0107】
表8に示す値は、上記の式2及び式3を用いて計算され、同一のCアーム位置に対して撮られた位置合わせ画像について計算されたFluoro2Laser変換間の平均及び最大差、並びにCDF95値、すなわち95%に対する推定上側閾値を表す。
【0108】
画像位置合わせ間の比較ごとに、デルタを画像Cアーム角度に垂直な方向についてだけ計算した(すなわち、z軸デルタをAP画像比較のためには考慮せず、x軸デルタをLAO90画像比較のためには考慮しなかった)。
【0109】
【表8】
【0110】
上記の比較についての平均値は、0.4mm及び0.09mmであり、これは、1mmの合格判定条件閾値以下である。したがって、この試験は合格している。
【0111】
表9は、異なるらせんジグ位置に対する位置合わせ画像について計算された基準Fluoro2Laser変換間の比較を示す。
【0112】
表9に示す値を上記の式2及び式3を用いて計算した。
【0113】
【表9】
【0114】
上記の比較についての平均値は、0.63mmであり、これは、1mmの合格判定条件閾値以下である。したがって、この試験は合格している。
【0115】
当業者であれば、本発明が上記で具体的に図示及び記載されたものに限定されない点を理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、先行技術にはない特徴の変形例及び改変例をも含むものである。
【0116】
〔実施の態様〕
(1) 座標系を位置合わせするための方法であって、
画像診断法に対して不透明である目印を有する校正ジグを画像化領域に配置する工程であって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える、工程と、
前記目印の画像を前記画像診断法を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
(2) 前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記選択された位置合わせを使用して、前記目印を前記画像上に再射影する工程と、
その後に、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることによって新しい位置合わせを確立する工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との二乗平均平方根誤差によって前記再射影された目印に点数を付ける工程を含む、実施態様3に記載の方法。
【0117】
(6) 新しい位置合わせを確立する工程は、前記目印を6自由度で再射影する工程の残留誤差を最小にする工程を含む、実施態様3に記載の方法。
(7) 前記目印は、大きさが同一である、実施態様1に記載の方法。
(8) 座標系を位置合わせするための方法であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグを透視装置によって照射された領域に設置する工程であって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備える、工程と、
前記目印の透視画像を前記透視装置を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記透視画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記透視画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
(9) 前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記選択された位置合わせを使用して、前記目印を前記画像上に再射影する工程と、
その後に、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることによって新しい位置合わせを確立する工程と、を更に含む、実施態様8に記載の方法。
【0118】
(11) 前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との二乗平均平方根誤差によって前記再射影された目印に点数を付ける工程を含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 新しい位置合わせを確立する工程は、前記目印を6自由度で再射影する工程の残留誤差を最小にする工程を含む、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記目印は、大きさが同一である、実施態様8に記載の方法。
(15) 座標系を位置合わせするための装置であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグであって、前記目印は、それぞれの目印非調和比を有する少なくとも2つの共線の目印四つ組を備えている、校正ジグと、
プロセッサと、
プログラム及びデータオブジェクトを中に格納する、前記プロセッサにアクセス可能なメモリと、を備え、前記プログラムの実行は、前記プロセッサに、
前記目印を透視画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
既定義の判定条件に従って適合する目印非調和比及び画像非調和比を有する、少なくとも1つの共線の目印四つ組と少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程と、
前記候補線の対を使用して、前記画像と前記校正ジグのそれぞれの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線の対は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を行わせる、装置。
【0119】
(16) 前記候補線のうちの少なくとも一部分は、複数の共線の画像四つ組を有する、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記目印は、単一の軸線に沿って存在する、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記プロセッサは、前記画像上で前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止めることにより、前記選択された位置合わせを使用した、前記目印の前記画像上への再射影に関して新しい位置合わせを確立する付加的な工程を実行するように動作する、実施態様15に記載の装置。
(19) 前記再射影された目印のうちの別のものの位置を突き止める工程は、前記再射影された目印と前記検出された目印との間の近接性を決定する工程を含む、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記目印は、大きさが同一である、実施態様15に記載の装置。
【0120】
(21) 座標系を位置合わせするための方法であって、
対称軸及び画像診断法に対して不透明である目印を有する校正ジグを画像化領域に設置する工程であって、前記目印は、目印非調和比を有する共線の目印四つ組を備え、前記共線の目印四つ組は、前記対称軸上にある、工程と、
前記目印の画像を前記画像診断法を用いて作成する工程と、
前記目印を前記画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
前記共線の目印四つ組と、少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって候補線を規定する工程であって、前記目印非調和比と画像非調和比とは、既定義の判定条件に従って適合する、工程と、
それぞれの候補線を使用して、前記画像と前記校正ジグの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を含む方法。
(22) 座標系を位置合わせするための装置であって、
放射線不透過性の目印を有する校正ジグであって、前記目印は、目印非調和比を有する共線の目印四つ組を備える、校正ジグと、
プロセッサと、
プログラム及びデータオブジェクトを中に格納する、前記プロセッサにアクセス可能なメモリと、を備え、前記プログラムの実行は、前記プロセッサに、
前記目印を透視画像において検出する工程と、
前記画像において、前記検出された目印の共線の画像四つ組を識別する工程と、
前記共線の画像四つ組のそれぞれの画像非調和比を計算する工程と、
前記共線の目印四つ組と、少なくとも1つの共線の画像四つ組とを関連付けることによって、候補線を規定する工程であって、前記目印非調和比と画像非調和比とは既定義の判定条件に従って適合する、工程と、
それぞれの候補線を使用して、前記画像と前記校正ジグの位置合わせを実行する工程と、
前記位置合わせについての残差を決定する工程と、
前記位置合わせのうちの1つを選択する工程であって、その前記候補線は、所定の値よりも小さい限定的な残差と関連付けられている、工程と、を行わせる、装置。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8