特許第6776273号(P6776273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6776273HCV治療に対するβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N6−置換プリンヌクレオチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776273
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】HCV治療に対するβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N6−置換プリンヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/207 20060101AFI20201019BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201019BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20201019BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20201019BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 45/00 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 38/21 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/7056 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/711 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/713 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 39/395 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 38/05 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALN20201019BHJP
   A61K 31/497 20060101ALN20201019BHJP
【FI】
   C07H19/207CSP
   A61P31/14
   A61K31/7076
   A61P43/00 123
   A61K47/54
   A61P1/16
   A61P29/00
   A61P43/00 121
   !A61P35/00
   !A61K45/00
   !A61K38/21
   !A61K31/7056
   !A61K31/711
   !A61K31/7088
   !A61K31/7105
   !A61K31/713
   !A61K39/395 S
   !A61K39/395 D
   !A61K38/05
   !A61K31/4709
   !A61K31/497
【請求項の数】42
【全頁数】159
(21)【出願番号】特願2017-564781(P2017-564781)
(86)(22)【出願日】2016年3月7日
(65)【公表番号】特表2018-507261(P2018-507261A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】US2016021276
(87)【国際公開番号】WO2016144918
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2019年3月6日
(31)【優先権主張番号】62/276,597
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/129,319
(32)【優先日】2015年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/253,958
(32)【優先日】2015年11月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517311231
【氏名又は名称】アテア ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソマドッシ ジャン−ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ムサ アデル
【審査官】 高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−532747(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103980332(CN,A)
【文献】 特表2013−523765(JP,A)
【文献】 特表2011−524356(JP,A)
【文献】 特表2012−517443(JP,A)
【文献】 CHANG,W. et al.,Discovery of PSI-353661, a novel purine nucleotide prodrug for the treatment of HCV infection,ACS Medicinal Chemistry Letters,2011年,Vol.2, No.2,pp.130-135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07HCAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
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(式中、
は、水素であり、
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、又はアリールであり、
は、水素又はC1〜6アルキルであり、
9a及びR9b、独立して、水素、C1〜6アルキル、又はシクロアルキルから選択され、
10は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノアシル、アリール、又はヘテロアリールである)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
がアリールである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
がフェニルである、請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
がナフチルである、請求項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
が水素である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
がメチルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
9aがメチルであり、R9bがメチルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
9aが水素であり、R9bがメチルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
10がメチル、エチル、又はイソプロピルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
10がイソプロピルである、請求項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
がアリールであり、
が水素であり、
9aがC〜Cアルキルであり、
9bが水素であり、
10がC〜Cアルキルである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
がフェニルであり、
が水素であり、
9aがメチルであり、
9bが水素であり、
10がイソプロピルである、請求項11に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
式:
【化2】
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の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
式:
【化3】
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の化合物である、請求項13に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
式:
【化4】
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の化合物である、請求項13に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
式:
【化5】
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の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項17】
式:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物である、請求項16に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
式:
【化7】
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の化合物である、請求項16に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
分子上の1以上の位置で水素が重水素に置換されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
薬学的に許容可能な担体中に有効な量の請求項1〜12及び19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項21】
経口剤形である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
錠剤又はカプセル剤である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
任意の薬学的に許容可能な担体中に、請求項1〜12及び19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、治療を必要とする宿主におけるHCVの治療のための医薬組成物。
【請求項24】
任意の薬学的に許容可能な担体中の追加の抗HCV剤が更に投与されることを特徴とする、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記追加の抗HCV剤がNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記追加の抗HCV剤がNS5A阻害剤である、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記HCVが遺伝子型1a又は1bである、請求項2326のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記HCVが遺伝子型2aである、請求項2326のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記HCVが遺伝子型3aである、請求項2326のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記HCVが遺伝子型4a又は4dである、請求項2326のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
薬学的に許容可能な担体中に有効な量の請求項1318のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項32】
経口剤形である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
錠剤又はカプセル剤である、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
任意の薬学的に許容可能な担体中に請求項1318のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、治療を必要とする宿主におけるHCVの治療のための医薬組成物。
【請求項35】
任意の薬学的に許容可能な担体中の追加の抗HCV剤が更に投与されることを特徴とする、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記追加の抗HCV剤がNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記追加の抗HCV剤がNS5A阻害剤である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記HCVが遺伝子型1a又は1bである、請求項3437のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記HCVが遺伝子型2aである、請求項3437のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記HCVが遺伝子型3aである、請求項3437のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記HCVが遺伝子型4a又は4dである、請求項3437のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記宿主がヒトである、請求項2330及び3441のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2015年3月6日付出願の米国特許出願第62/129,319号、2015年11月11日付出願の米国特許出願第62/253,958号、及び2016年1月8日付出願の米国特許出願第62/276,597号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が各々引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、C型肝炎ウイルス(「HCV」)を治療するためのヌクレオチド化合物及び組成物、並びにそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、RNA一本鎖ウイルスであり、またヘパシウイルス属のメンバーである。肝疾患の全ての症例の75%がHCVによって引き起こされると推定されている。HCV感染は、肝硬変及び肝臓癌に結びつく場合があり、そのまま進行すれば、肝移植を必要とすることもある肝不全をもたらす可能性がある。世界中のおよそ1億7000万人〜2億人が感染し、米国では推定300万人〜400万人が感染している。
【0004】
RNAポリメラーゼは、RNA一本鎖ウイルスのターゲティングにおける主要な成分である。HCVの非構造タンパク質NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼは、ウイルスRNA合成の開始及び触媒を担う主要な酵素である。その結果、HCV NS5Bは、今のところ抗HCV剤の創薬及び開発の魅力的な標的である。NS5B阻害剤には2つの主なサブクラス、すなわちポリメラーゼに対する代替基質として作用する活性なトリホスフェートへと同化される(anabolized)ヌクレオシドアナログと、タンパク質上のアロステリックな領域に結合する非ヌクレオシド阻害剤(NNI)とがある。ヌクレオシド又はヌクレオチドの阻害剤は天然ポリメラーゼ基質を模倣し、連鎖停止剤として作用する。それらは、RNA転写の開始及び初期のRNA鎖の伸長を阻害する。
【0005】
RNAポリメラーゼをターゲッティングすることに加えて、併用療法においては、他のRNAウイルスタンパク質をターゲットとしてもよい。例えば、治療アプローチの更なる標的であるHCVタンパク質はNS3/4A(セリンプロテアーゼ)及びNS5A(HCVレプリカーゼの本質的な構成要素であり、細胞経路に対して一連の影響を及ぼす、非構造タンパク質)である。
【0006】
2013年12月に最初のヌクレオシドNS5Bポリメラーゼ阻害剤であるソホスブビル(ソバルディ(商標)、Gilead Sciences)が承認された。Sovaldi(商標)は、肝細胞によって取り入れられるウリジンホスホロアミデートプロドラッグであり、細胞内活性化を経て活性代謝産物である2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−β−C−メチルウリジン−5’−トリホスフェートを供給する。下記構造を参照されたい。
【化1】
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【0007】
ソバルディ(商標)は、インターフェロンとの同時投与を必要とせずに特定の種類のHCV感染を治療する安全性及び効力が実証された最初の薬物である。ソバルディ(商標)は、FDAから画期的治療薬指定の承認を受けた第3の薬物である。
【0008】
2014年、米国FDAは、慢性C型肝炎ウイルス遺伝子型1の感染を治療するためハーボニー(商標)(レジパスビル、NS5A阻害剤及びソホスブビル)を承認した。ハーボニー(商標)は、慢性HCV遺伝子型1の感染を治療するために承認された最初の合剤(combination pill)である。また、インターフェロン又はリバビリンを伴う投与を必要としない、最初の承認された投薬計画である。さらに、FDAは、遺伝子型1 HCV感染を伴う成人に対して毎日1回、全て経口のインターフェロン及びリバビリンを含まない治療法として、ソホスブビル(ソバルディ(商標))と組み合わせたシメプレビル(オリシオ(商標))を承認した。
【0009】
また米国FDAは、2014年、ダサブビル(非ヌクレオシドNS5Bポリメラーゼ阻害剤)と、オムビタスビル(NS5A阻害剤)と、パリタプレビル(NS3/4A阻害剤)と、リトナビルとを含む配合剤パックである、AbbVieのヴィキラ・パック(商標)を承認した。ヴィキラ・パック(商標)は、代償性肝硬変の患者を含む遺伝子型1 HCV感染患者を治療するため、リバビリンと共に、又はリバビリンなしで使用可能である。ヴィキラ・パック(商標)はインターフェロンとの併用療法を必要としない。
【0010】
2015年7月、米国FDAは、HCV遺伝子型4及びHCV遺伝子型3の治療に対してテクニヴィ(商標)及びダクルインザ(商標)をそれぞれ承認した。テクニヴィ(商標)(オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル)は、瘢痕化及び肝硬変のない患者におけるHCV遺伝子型4の治療について、リバビリンとの併用に対して承認され、これはインターフェロンとの同時投与を必要としないHCV−4感染患者に対する第1選択である。ダクルインザ(商標)は、HCV遺伝子型3感染を治療するため、ソバルディ(商標)との使用に対して承認された。ダクルインザ(商標)は、インターフェロン又はリバビリンの同時投与を必要としないHCV遺伝子型3の治療において安全性及び効力が実証された最初の薬物である。
【0011】
2015年10月、米国FDAは、HCV治療のヴィキラ・パック及びテクニヴィが、主として基礎となる進行した肝臓病を伴う患者において重篤な肝傷害を引き起こす場合があると警告し、安全性に関する追加情報をラベルに追加するよう要求した。
【0012】
現在承認されている他のHCVに対する治療法として、リバビリン(レベトール(商標)と共に投与される場合があるインターフェロンアルファ−2b又はペグ化インターフェロンアルファ−2b(ペグイントロン(商標))、NS3/4Aテラプレビル(インシベック(商標)、Vertex及びJohnson & Johnson)、ボセプレビル(ビクトレリス(商標)、Merck)、シメプレビル(オリシオ(商標)、Johnson & Johnson)、パリタプレビル(AbbVie)、オムビタスビル(AbbVie)、(NNI)ダサブビル(ABT−333)及びMerckのゼパティア(商標)(2つの薬物、グラゾプレビルとエルバスビルとの単錠の組み合わせ)が挙げられる。
【0013】
更なるNS5Bポリメラーゼ阻害剤は、現在開発中である。MerckはウリジンヌクレオチドプロドラッグMK−3682(旧IdenixのIDX21437)を開発している。該薬物は、現在、フェーズIIの組み合わせ試験(combination trials)にある。
【0014】
HCVを含むフラビウイルス科の治療のためのヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤が記載されている米国特許及びWO出願としては、Idenix Pharmaceuticalsが出願したもの(米国特許第6,812,219号、同第6,914,054号、同第7,105,493号、同第7,138,376号、同第7,148,206号、同第7,157,441号、同第7,163,929号、同第7,169,766号、同第7,192,936号、同第7,365,057号、同第7,384,924号、同第7,456,155号、同第7,547,704号、同第7,582,618号、同第7,608,597号、同第7,608,600号、同第7,625,875号、同第7,635,689号、同第7,662,798号、同第7,824,851号、同第7,902,202号、同第7,932,240号、同第7,951,789号、同第8,193,372号、同第8,299,038号、同第8,343,937号、同第8,362,068号、同第8,507,460号、同第8,637,475号、同第8,674,085号、同第8,680,071号、同第8,691,788号、同第8,742,101号、同第8,951,985号、同第9,109,001号、同第9,243,025号、米国特許出願公開第2016/0002281号、米国特許出願公開第2013/0064794号、国際公開第2015/095305号、国際公開第2015/081133号、国際公開第2015/061683号、国際公開第2013/177219号、国際公開第2013/039920号、国際公開第2014/137930号、国際公開第2014/052638号、国際公開第2012/154321号);Merckが出願したもの(米国特許第6,777,395号、同第7,105,499号、同第7,125,855号、同第7,202,224号、同第7,323,449号、同第7,339,054号、同第7,534,767号、同第7,632,821号、同第7,879,815号、同第8,071,568号、同第8,148,349号、同第8,470,834号、同第8,481,712号、同第8,541,434号、同第8,697,694号、同第8,715,638号、同第9,061,041号、同第9,156,872号、及び国際公開第2013/009737号);Emory Universityが出願したもの(米国特許第6,348,587号、同第6,911,424号、同第7,307,065号、同第7,495,006号、同第7,662,938号、同第7,772,208号、同第8,114,994号、同第8,168,583号、同第8,609,627号、米国特許出願公開第2014/0212382号、及び国際公開第2014/1244430号);Gilead Sciences/Pharmasset Inc.が出願したもの(米国特許第7,842,672号、同第7,973,013号、同第8,008,264号、同第8,012,941号、同第8,012,942号、同第8,318,682号、同第8,324,179号、同第8,415,308号、同第8,455,451号、同第8,563,530号、同第8,841,275号、同第8,853,171号、同第8,871,785号、同第8,877,733号、同第8,889,159号、同第8,906,880号、同第8,912,321号、同第8,957,045号、同第8,957,046号、同第9,045,520号、同第9,085,573号、同第9,090,642号及び同第9,139,604号)並びに(米国特許第6,908,924号、同第6,949,522号、同第7,094,770号、同第7,211,570号、同第7,429,572号、同第7,601,820号、同第7,638,502号、同第7,718,790号、同第7,772,208号、同第RE42,015号、同第7,919,247号、同第7,964,580号、同第8,093,380号、同第8,114,997号、同第8,173,621号、同第8,334,270号、同第8,415,322号、同第8,481,713号、同第8,492,539号、同第8,551,973号、同第8,580,765号、同第8,618,076号、同第8,629,263号、同第8,633,309号、同第8,642,756号、同第8,716,262号、同第8,716,263号、同第8,735,345号、同第8,735,372号、同第8,735,569号、同第8,759,510号及び同第8,765,710号);Hoffman La-Rocheが出願したもの(米国特許第6,660,721号);Rocheが出願したもの(米国特許第6,784,166号、同第7,608,599号、同第7,608,601号及び同第8,071,567号);Alios BioPharma Inc.が出願したもの(米国特許第8,895,723号、同第8,877,731号、同第8,871,737号、同第8,846,896号、同第8,772,474号、同第8,980,865号、同第9,012,427号、米国特許出願公開第2015/0105341号、米国特許出願公開第2015/0011497号、米国特許出願公開第2010/0249068号、米国特許出願公開第2012/0070411号、国際公開第2015/054465号、国際公開第2014/209979号、国際公開第2014/100505号、国際公開第2014/100498号、国際公開第2013/142159号、国際公開第2013/142157号、国際公開第2013/096680号、国際公開第2013/088155号、国際公開第2010/108135号);Enanta Pharmaceuticalsが出願したもの(米国特許第8,575,119号、同第8,846,638号、同第9,085,599号、国際公開第2013/044030号、国際公開第2012/125900号);Biotaが出願したもの(米国特許第7,268,119号、同第7,285,658号、同第7,713,941号、同第8,119,607号、同第8,415,309号、同第8,501,699号及び同第8,802,840号);Biocryst Pharmaceuticalsが出願したもの(米国特許第7,388,002号、同第7,429,571号、同第7,514,410号、同第7,560,434号、同第7,994,139号、同第8,133,870号、同第8,163,703号、同第8,242,085号及び同第8,440,813号);Alla Chem, LLCが出願したもの(米国特許第8,889,701号及び国際公開第2015/053662号);Inhibitexが出願したもの(米国特許第8,759,318号及び国際公開第2012/092484号);Janssen Productsが出願したもの(米国特許第8,399,429号、同第8,431,588号、同第8,481,510号、同第8,552,021号、同第8,933,052号、同第9,006,29号及び同第9,012,428号);the University of Georgia Foundationが出願したもの(米国特許第6,348,587号、同第7,307,065号、同第7,662,938号、同第8,168,583号、同第8,673,926号、同第8,816,074号、同第8,921,384号及び同第8,946,244号);RFS Pharma, LLCが出願したもの(米国特許第8,895,531号、同第8,859,595号、同第8,815,829号、同第8,609,627号、同第7,560,550号、米国特許第2014/0066395号、米国特許出願公開第2014/0235566号、米国特許出願公開第2010/0279969号、国際公開第2010/091386号及び国際公開第2012/158811号);University College Cardiff Consultants Limitedが出願したもの(国際公開第2014/076490号、国際公開第2010/081082号、国際公開第2008/062206号);Achillion Pharmaceuticals, Inc.が出願したもの(国際公開第2014/169278号及び国際公開第2014/169280号);Cocrystal Pharma, Inc.が出願したもの(米国特許第9,173,893号);Katholieke Universiteit Leuvenが出願したもの(国際公開第2015/158913号);Catabasisが出願したもの(国際公開第2013/090420号);及びthe Regents of the University of Minnesotaが出願したもの(国際公開第2006/004637号)が挙げられる。
【0015】
それにもかかわらず、安全、有効、かつ忍容性が良好な抗HCV療法開発が医学的に強く必要とされている。薬物耐性が予測されることからその必要性は高まっている。より強力な直接作用型抗ウイルス薬は、著しく治療期間を短縮し、全てのHCV遺伝子型に感染した患者のコンプライアンス及びSVR率を改善する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、HCVの感染を治療及び/又は予防するための化合物、医薬組成物、並びに方法及び使用を提供することは、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、及びβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−N−(モノ又はジ−メチル)プリンヌクレオチドを含む化合物が、それを必要とする宿主に有効量で投与された場合にHCVウイルスに対して非常に活性であることが発見された。宿主は、ヒト又はウイルス感染のある任意の動物であってもよい。
【0018】
開示されるヌクレオチドは、in vitroにおいてHCVに対するナノモル活性、及び25000以上に及ぶ治療指数を有するものを含む。
【0019】
驚いたことに、開示した化合物の親N−(メチル)プリンヌクレオシドは、本発明に先立って薬物候補として開発されておらず、具体的に開示もされていなかった。例えば、2010年には、3’−アジド−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンは、長期間(120分間)に亘りアデノシンデアミナーゼによって実質的に脱アミノ化されないことが報告され、また、その理由のため、薬物として誘導体化するのに不適当な化合物であるとされていた(例えば、国際公開第2010/091386号の86頁、及び対応する米国特許第8,609,627号を参照されたい)。
【0020】
しかしながら、本発明の化合物が、実質的なN脱アミノ化を伴わずにN−置換−プリンの5−モノホスフェートに同化され、そして後に、6位で同化されて優秀な活性及び治療指数が得られるように、活性なグアニントリホスフェート化合物を生成することがここで発見された。
【0021】
特に、下記の通り、β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、及びβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、また他のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドの5’安定化ホスフェートプロドラッグ又は誘導体が、HCVに対して非常に活性であることが発見された。レプリコンアッセイ(EC50=15.7マイクロモル)における親ヌクレオシドであるβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンの活性が、不十分な活性によりヒト薬物としての使用に適していないことを示すことから(N−メチル−2,6−ジアミノプリンがin vivoで脱アミノ化されないことを示唆する、国際公開第2010/091386号86頁と対応する米国特許8,609,627号の参照の組み合わせ)、これは驚くべきことであるが、安定化されたラセミホスフェートプロドラッグ(ホスホルアミデート)は、レプリコンアッセイにおいて、少なくとも600倍の活性の増加であるEC50=26ナノモル(nM)を示す。対応する(S)−ホスホルアミデートは、少なくとも3900倍の活性の増加であるEC50=4nMを示す(下記構造、及び表7の化合物5−2を参照されたい)。したがって、100マイクロモルを超えるTC50により、上記化合物は25000超の治療指数を有する。比較のため、ソホスブビルはEC50=53nM、100マイクロモル超のTC50、及び1920超の治療指数を有する。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0022】
同様に、レプリコンアッセイ(EC50=10.7マイクロモル、「μM」)における親ヌクレオシドβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンの活性もまた、不十分な活性によりヒト薬物としての使用に適していないことを示すが、安定化されたラセミホスフェートプロドラッグ(ホスホルアミデート)は、レプリコンアッセイにおいて、890倍超の活性の増加であるEC50=12nMを示す。また、対応する(S)−ホスホルアミデート(化合物25、表7)もまた、少なくとも2600倍の活性の増加であるEC50=4nMを示す(下記構造を参照されたい)。さらに、化合物25はまた、25000超の治療指数を有する。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0023】
別の例では、レプリコンアッセイにおいて、化合物イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−N−シクロプロピル−アミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニナートはEC50=7nMを示し、対応する(S)−ホスホルアミデートはEC50=5nMを示した(表7の化合物27及び下記構造を参照されたい)。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0024】
上に述べられるように、ホスホルアミデートとしてのβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドの代謝は、5’−モノホスフェートの産生、及び5’−モノホスフェートとしてβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニンヌクレオシドを生成するためのN−メチル−2,6−ジアミノプリン塩基の後の同化を含む。次いで、モノホスフェートは、活性種、すなわち5’−トリホスフェートに更に同化される。β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニントリホスフェートは、HCV遺伝子型1b NS5Bポリメラーゼに対してIC50=0.15μMを有する。
【0025】
したがって、一実施の形態において、本発明は、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
YはNRであり、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF、CFCH、及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC、及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、又は−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC、及び−C(O)OC11を含む)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、R及びRの少なくとも一方がメチル、CHF、CHF、又はCFであり、
は、水素、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
、ジホスフェート、トリホスフェート、置換されてもよいカルボニル結合型アミノ酸又は−C(O)R3Cであり、
3Aは、O、OH、−O−置換されてもよいアリール、−O−置換されてもよいヘテロアリール、又は置換されてもよいヘテロシクリルから選択されてもよく、
3Bは、O、OH、置換されてもよいN結合型アミノ酸又は置換されてもよいN結合型アミノ酸エステルから選択されてもよく、
3Cは、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、又は−O−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
は、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、又は限定されないが、ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート、又は宿主のヒト若しくは動物においてin vivoでモノホスフェート、ジホスフェート、若しくはトリホスフェートへと代謝される任意の他の部分を含む、安定化ホスフェートプロドラッグであり、
又は、R及びRは、それらが結合される酸素と共に、限定されないが、3’,5’−環状ホスフェートプロドラッグを含む3’,5’−環状プロドラッグを形成することができ、
12は、CH、CHF、CHF、CF又はエチニルである)である。
【0026】
一実施の形態において、本発明は、
【化7】
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(式中、
YはNRであり、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF、CFCH及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、置換されてもよいC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(複素環)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(アリール)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、ここで、R及びRの少なくとも一方はメチル、CHF、CHF又はCFであり、
は水素、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
、ジホスフェート、トリホスフェート、置換されてもよいカルボニル結合型アミノ酸、又は−C(O)R3Cであり、
3Aは、O、OH、−O−置換されてもよいアリール、−O−置換されてもよいヘテロアリール、又は置換されてもよいヘテロシクリルから選択されてもよく、
3Bは、O、OH、置換されてもよいN結合型アミノ酸又は任意に置換されてもよいN結合型アミノ酸エステルから選択されてもよく、
3Cは、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、−O−(C〜C)(ヘテロアリール)、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、−S−(C〜C)(シクロアルキル)、−S−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−S−(C〜C)(アリール)、若しくは−S−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
3Dは、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、若しくは−O−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
は、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、又は限定されないが、ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート、又は宿主のヒト若しくは動物においてin vivoでモノホスフェート、ジホスフェート、若しくはトリホスフェートへと代謝される任意の他の部分を含む、安定化ホスフェートプロドラッグであり、
又は、R及びRは、それらが結合される酸素と共に、限定されないが、3’,5’−環状ホスフェートプロドラッグを含む3’,5’−環状プロドラッグを形成してもよく、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、置換されてもよいC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(複素環)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(アリール)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、
又は、R及びRは、それらが結合される窒素と共に複素環を形成してもよく、
12は、CH、CHF、CHF、CF、若しくはエチニルであり、
22は、Cl、Br、F、CN、N、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−ONHC(=O)OR23、−NHOR24、−OR25、−SR25、−NH(CH1〜4N(R26、−NHNHR26、−N=NR27、−NHC(O)NHNHR27、−NHC(S)NHNHR27、−C(O)NHNHR27、−NR27SO28、−SONR2729、−C(O)NR2729、−CO29、−SO29
【化9】
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、−P(O)H(OR29)、−P(O)(OR29)(OR30)、−P(O)(OR29)(NR2930)、若しくは−NRであり、
例えば、限定されないが、下記の実施の形態:クロロ、ブロモ、フルオロ、シアノ、アジド、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びn−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ビニル、アリル、1−ブチニル、2−ブチニル、アセチレニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH)−シクロプロピル、−(CH)−シクロブチル、−(CH)−シクロペンチル、−(CH)−シクロヘキシル、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピラゾリジン、ピペリジン、オキサン、チアン、−(CH)−アジリジン、−(CH)−オキシラン、−(CH)−チイラン、−(CH)−アゼチジン、−(CH)−オキセタン、−(CH)−チエタン、−(CH)−ピロリジン、−(CH)−テトラヒドロフラン、−(CH)−チオラン、−(CH)−ピラゾリジン、−(CH)−ピペリジン、−(CH)−オキサン、−(CH)−チアン、フェニル、ピリジル、−ONHC(=O)OCH、−ONHC(=O)OCHCH、−NHOH、NHOCH、−OCH、OC、−OPh、OCHPh、−SCH、−SC、−SPh、SCHPh、−NH(CHNH、−NH(CHN(CH、−NHNH、−NHNHCH、−N=NH、−N=NCH、−N=NCHCH、−NHC(O)NHNH、−NHC(S)NHNH、−C(O)NHNH、−NHSOCH、−NHSOCHCH、−SONHCH、−SON(CH、−C(O)NH、−C(O)NHCH、−C(O)N(CH、−COCH、−COCHCH、−COPh、−COCHPh、−SOCH、−SOCHCH、−SOPh、−SOCHPh、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
、−P(O)H(OH)、−P(O)H(OCH)、−P(O)(OH)(OH)、−P(O)(OH)(OCH)、−P(O)(OCH)(OCH)、−P(O)(OH)(NH)、−P(O)(OH)(NHCH)、−P(O)(OH)N(CH、−NHC(O)CH、−NHC(O)CHCH、−NHC(O)CH(CH、−NHC(O)OCH、−NHC(O)OCHCH、−NHC(O)OCH(CH、−NHC(O)OCHCHCH、−NHC(O)OCHCHCHCH、及び−NHC(O)OCHCHCHCHCHを含み、
23は、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)−(Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
24は、水素、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
25は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
26は、水素、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)から独立して選択され、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
27は、水素又は置換されてもよいC〜Cアルキルであり、
28は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
29は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
又は、R27及びR29は、それらが結合される窒素と共に複素環を形成してもよく、
30は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
又は、R29及びR30は共に結合して複素環を形成してもよく、
xは1、2又は3である)である。
【0027】
β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドの代謝は、β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドトリホスフェートの形成、また対応するグアニンヌクレオシドトリホスフェートの生成の両方を含む。機構2及び3を参照されたい。
【0028】
2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−N−置換−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドを、親油性、薬物動態及び/又は肝臓へのヌクレオチドのターゲティングを修飾することができる、アルキル化又はアシル化によってN位で更に置換することができる。本明細書に記載されるN−アミノ基がフルオロ等の異なる部分によって完全に置換されない限り、ジアミノプリンの2位で修飾された2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−N−置換−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドを肝酵素によって脱アルキル化又は脱アシル化して、in vitro及びin vivoの両方でヌクレオチド誘導体の特異性を更に増加することができることが発見された。例えば、ヌクレオシドホスホルアミデート2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートは、ヒト肝臓S9画分と共にin vitroで最長60分間インキュベートすると、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートに脱アルキル化され、これらの条件はin vivo条件を模倣する。一実施の形態では、N修飾は、細胞透過性及び肝炎ターゲティングを増加させる。
【0029】
多くの抗ウイルス性ヌクレオシドの文献及び特許出願にもかかわらず、本明細書に記載される、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドの5’安定化ホスフェート誘導体、及び他のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオシド誘導体は、具体的には開示されておらず、それらの有利な活性も記載されていない。
【0030】
別段の規定がない限り、本明細書に記載される化合物は、β−D配置で提供される。同様に、ホスホルアミド又はチオホスホルアミデートの形態の場合、アミノ酸部分はL配置又はD配置であってもよい。代替的な実施の形態では、上記化合物はβ−L配置で提供され得る。同様に、キラリティーを示す任意の置換基が、ラセミ、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態又はそれらの任意の混合物で提供され得る。ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート又はリンがキラリティーを示す他の安定化されたリンプロドラッグをR安定化ホスフェートプロドラッグとして使用する場合、該リンプロドラッグを、ラセミ混合物を含むR若しくはSのキラルリン誘導体、又はそれらの混合物として提供することができる。これらの立体配置の組み合わせの全ては、本明細書に記載される発明に含まれる。
【0031】
したがって、本発明は、本明細書に記載される、式I〜式VIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な組成物、塩若しくはプロドラッグを含む。
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0032】
特定の一実施の形態では、親ヌクレオシド、すなわちRが水素であり、したがって5’位にヒドロキシル基を有するヌクレオシドは、実質上in vivo環境を模倣する条件(例えば、周囲温度及び水性生理学的pH)下、7分間、10分間、30分間、60分間又は120分の間アデノシンデアミナーゼによって脱アミノ化されない。別段の記述がない限り、時間は30分間である。この実施の形態では、「実質上脱アミノ化されない」の用語は、親化合物が、in vivoで治療効果を提供するのに十分な量で、対応するグアニン誘導体、すなわち6−オキソ誘導体に変換されないことを意味する。
【0033】
有効量の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の投与によるHCVウイルスに感染した宿主の治療のための化合物、方法及び組成物が提供される。
【0034】
また、抗HCV抗体陽性及び抗原陽性の状態、ウイルスに起因する慢性の肝臓炎症、進行したC型肝炎から生じる肝臓癌、肝硬変、慢性又は急性のC型肝炎、劇症C型肝炎、慢性持続性C型肝炎及び抗HCVに起因する疲労等の関連する病状を治療するため、化合物及び組成物を使用することができる。また、抗HCV抗体又は抗原陽性である、又はC型肝炎に曝露された個体において、臨床上、病気を予防するか又はその進行を抑えるために予防的に、化合物又は該化合物を含む製剤を使用することができる。
【0035】
別の実施の形態では、式Ia:
【化12】
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(式中、
Y、R及びRは上に定義される通りである)の化合物を開示する。
【0036】
式Iaの一実施の形態では、Rは水素である。
【0037】
式Iaの一実施の形態では、YがNRである場合、Rはメチルであり、Rは水素である。
【0038】
式Iaの一実施の形態では、YがNRである場合、R及びRはいずれもメチルである。
【0039】
式Iaの一実施の形態では、YがNRである場合、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルである。
【0040】
別の実施の形態では、式Ib:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y、R及びRは上に定義される通りである)の化合物を開示する。
【0041】
式Ibの一実施の形態では、Rは水素である。
【0042】
式Ibの一実施の形態では、YがNRである場合、Rはメチルであり、Rは水素である。
【0043】
式Ibの一実施の形態では、YがNRである場合、R及びRはいずれもメチルである。
【0044】
一実施の形態では、式II:
【化14】
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(式中、
Y、R、R、R12及びR22は上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0045】
別の実施の形態では、式IIa:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y、R、R及びR22は上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0046】
別の実施の形態では、式IIb:
【化16】
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(式中、
Y、R、R及びR22は上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0047】
一実施の形態では、式III:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、変数Y、R、R、R、R9a、R9b、R10、R12及びR22は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0048】
一実施の形態では、式IV:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、変数Y、R、R、R、R9a、R9b、R10及びR22は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0049】
一実施の形態では、式V:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、変数Y、R、R、R、R9a、R9b、R10及びR22は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0050】
一実施の形態では、式VI:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
41は、ハロゲン(特にF又はCl)、OR、N、NH又はCNであり、また、変数Y、R、R及びR12は本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0051】
一実施の形態では、式VII:
【化21】
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(式中、変数Y、R、R、R12及びR41は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0052】
上記の式のいずれかにおけるリンはキラルであってもよく、したがってR若しくはSのエナンチオマー、又はラセミ混合物を含むそれらの混合物として提供され得る。
【0053】
化合物5はエナンチオマー化合物5−1及び5−2へと分離された。また、化合物5−2は、キラル合成によっても作製され、化合物24と指定した。
【0054】
一実施の形態では、本明細書に記載されるC型肝炎に感染した又はそれに曝露された宿主の治療のための化合物、方法及び組成物が提供される。本発明の化合物を、感染した宿主を治療するのに有効な量で、単独で又は別の抗HCV薬と組み合わせて投与することができる。特定の実施の形態では、同じ若しくは異なった経路を調節するか、又はウイルス中の異なる標的を阻害する薬物の組み合わせを投与することが有用である。開示されるβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドはNS5Bポリメラーゼ阻害剤であることから、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤(例えばテラプレビル(インシベック(商標))、ボセプレビル(ビクトレリス(商標))、シメプレビル(オリシオ(商標))若しくはパリタプレビル)、又はNS5A阻害剤(例えばオムビタスビル)等のプロテアーゼ阻害剤と組み合わせて宿主に該化合物を投与することが有用な場合がある。また、本発明の化合物を、Gileadのソバルディ(商標)を含む本明細書又は以下に記載される別の化合物等の構造上異なるNS5Bポリメラーゼ阻害剤と組み合わせて投与することができる。また、本発明の化合物を、ペグ化、又はそうでなければ修飾されてもよいインターフェロンアルファ−2a、及び/又はリバビリンと組み合わせて投与することができる。
【0055】
本発明のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドは、典型的には、例えば丸剤又は錠剤の形態で経口投与されるが、静脈内、経皮的、皮下、局所、非経口、又は他の好適な経路を含む、主治医が適切とする他の経路により投与されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】実施例9に開示されるPhenominexのLunaカラムを使用して、化合物5の立体異性体の分離を説明する、試料の半分取(semi-prep run)クロマトグラムである。y軸はmAUの単位で示され、x軸は分単位で測定される。
図2】化合物5−2(表7)及びソホスブビルに対するHCV複製阻害曲線のグラフである。化合物5−2は、EC50=4nM、100マイクロモル超のTC50及び25000超の治療指数を有する。ソホスブビルは、EC50=53nM、100マイクロモル超のTC50及び1920超の治療指数を有する。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。
図3】化合物25(表7)及びソホスブビルに対するHCV複製阻害曲線のグラフである。実施例27に記載されるように、化合物25はEC50=4nM、100μM超のTC50及び25000超の治療指数を有する。ソホスブビルはEC50=53nM、100マイクロモル超のTC50及び1920超の治療指数を有する。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。
図4】化合物5−2、化合物25、化合物27(表7)及びソホスブビルに対する抗HCV活性のアッセイ内比較の図である。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。実施例27を参照されたい。
図5】ヒト血中における、化合物5−2、化合物5−2のN−酢酸塩、化合物5−2のN−酪酸塩、化合物5−2のN−メチル誘導体、及び化合物5−2のN−n−ペンチルカルバミン酸塩の安定性を示すグラフである。x軸は分単位で測定されたインキュベーション時間であり、y軸は残留する親化合物に対するパーセントの測定値である。
図6】ヒト肝臓S9画分の存在下における、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートの2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートへのin vitroでの経時的な脱アルキル化を示すグラフである。x軸は分単位で測定され、y軸は残留する化合物のnM単位の濃度の測定値である。
図7】ヒト肝臓S9画分の存在下における、化合物5−2、化合物5−2のN−酢酸塩、化合物5−2のN−酪酸塩、化合物5−2のN−メチル誘導体、及び化合物5−2のN−n−ペンチルカルバミン酸塩の安定性を示すグラフである。x軸は分単位で測定され、y軸は残留する化合物パーセントの測定値である。
図8】ヒト肝細胞で生成された主な化合物25の代謝産物を示す図である。x軸は時間単位のインキュベーション時間である。y軸は、pmol/10細胞単位の細胞内濃度である。実施例33を参照されたい。
図9】ヒト肝細胞で生成された主な化合物27の代謝産物を示す図である。x軸は時間単位のインキュベーション時間である。y軸は、pmol/10細胞単位の細胞内濃度である。実施例33を参照されたい。
図10】ヒト肝細胞で生成された主な化合物5−2の代謝産物を示す図である。x軸は時間単位のインキュベーション時間である。y軸は、pmol/10細胞単位の細胞内濃度である。実施例33を参照されたい。
図11】化合物25、化合物27及び化合物5−2に対する活性化経路を示すグラフである。図からわかるように、化合物25、化合物27及び化合物5−2は、それらの対応するモノホスフェートアナログに変換された後、共通のMPアナログ、すなわちβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニン−モノホスフェートへと代謝される。モノホスフェートは、その後、活性なトリホスフェート、すなわちβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニントリホスフェートに段階的にリン酸化される。実施例33を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本明細書に開示される発明は、任意に薬学的に許容可能な担体中の、有効量の本明細書に記載される式I〜式VIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩若しくはプロドラッグの投与を含む、ヒト及び他の宿主動物におけるHCVウイルスの感染又はそれらに対するHCVウイルスの曝露の治療に対する化合物、方法、及び組成物である。本発明の化合物は、抗ウイルス活性を持つか、又はかかる活性を示す化合物へと代謝されるかのいずれかである。
【0058】
また、上記化合物及び組成物を、HCVウイルス曝露に関連する、又はその結果として起こる病状を治療するため使用することができる。例えば、活性な化合物を、HCV抗体陽性及びHCV抗原陽性の状態、ウイルスに起因する慢性の肝臓炎症、重度のC型肝炎から生じる肝臓癌、肝硬変、急性C型肝炎、劇症C型肝炎、慢性持続性C型肝炎、及び抗HCVに起因する疲労を治療するために使用することができる。また、一実施形態では、化合物又は該化合物を含む製剤を、HCV抗体又はHCV抗原陽性であるか、又はC型肝炎に曝露された個体において、臨床上の病気を予防するか又は進行を遅らせるために予防的に使用することができる。
【0059】
特に、下記の通り、β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、及びβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、また他のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドの5’安定化ホスフェートプロドラッグ又は誘導体が、HCVに対して非常に活性であることが発見された。レプリコンアッセイにおける親ヌクレオシドであるβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンの活性(EC50=15.7マイクロモル)は、不十分な活性のためヒト薬物としての使用に適していないことを示すのに対し、安定化ホスフェートプロドラッグ(ホスホルアミデート)は、レプリコンアッセイにおいて、少なくとも870倍の活性の増加であるEC50=26ナノモルを示すことから、これは驚くべきことである。同様に、レプリコンアッセイにおける親ヌクレオシドであるβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンの活性(EC50=10.7マイクロモル、「μM」)は、それも不十分な活性のためヒト薬物として使用に適していないことを示すのに対し、安定化ホスフェートプロドラッグ(ホスホルアミデート)は、レプリコンアッセイにおいて、1300倍超の活性の増加であるEC50=12ナノモル(「nM」)を示す。
【0060】
多くの抗ウイルス性ヌクレオシドの文献及び特許出願にもかかわらず、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチド、及び他のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドの5’安定化ホスフェート誘導体は具体的には開示されていない。
【0061】
別段の定めがない限り、本明細書に記載される化合物は、β−D配置で提供される。代替的な実施形態では、化合物をβ−L配置で提供してもよい。同様に、キラリティーを示す任意の置換基は、ラセミ、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態又はそれらの任意の混合物で提供され得る。リンがキラリティーを示すホスホルアミデート、チオホスホルアミデート又は他の安定化リンプロドラッグがR安定化ホスフェートプロドラッグとして使用される場合、それはラセミ混合物を含むR若しくはSのキラルリン誘導体、又はそれらの混合物として提供され得る。ホスホルアミデート又はチオホスホルアミデートのアミノ酸は、ラセミ混合物を含むD配置若しくはL配置、又はそれらの混合物であってもよい。これらのステレオ配置の組み合わせはいずれも、本明細書に記載される発明に含まれる。
【0062】
本発明は以下の特徴を含む。
(a)本明細書に記載される式I〜式VIIの化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグ、
(b)C型肝炎ウイルス感染の治療又は予防における使用に対する、本明細書に記載される式I〜式VII、並びにその薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグ、
(c)C型肝炎ウイルス感染の治療に対する医薬の製造における、式I〜式VII、並びにその薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグの使用、
(d)C型肝炎ウイルス感染を治療するための治療的使用が意図される医薬を製造する方法であって、本明細書に記載される式I〜式VIIを該製造において使用することを特徴とする、方法、
(e)薬学的に許容可能な担体又は希釈剤と共に、宿主を治療するのに有効な量の式I〜式VII、又はその薬学的に許容可能な塩若しくはプロドラッグを含む医薬製剤、
(f)記載される化合物の立体異性体が実質的に不在の状態の、又は他の化学成分から実質的に分離された本明細書に記載される式I〜式VII、並びに、
(g)有効量の本明細書に記載される式I〜式VIIを含む治療製品の作製方法。
【0063】
I.本発明の2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド
本発明の活性化合物は、その薬学的に許容可能な組成物、塩又はプロドラッグで提供されてもよい、例えば式Iで表されるものである:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
YはNRであり、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む)、
〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF、CFCH、及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、又は−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、置換されてもよいC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(複素環)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(アリール)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D又は−SO28であり、ここで、R及びRの少なくとも一方はメチル、CHF、CHF又はCFであり、
は、水素、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
、ジホスフェート、トリホスフェート、置換されてもよいカルボニル結合型アミノ酸、又は−C(O)R3Cであり、
3Aは、O、OH、−O−置換されてもよいアリール、−O−置換されてもよいヘテロアリール、又は置換されてもよいヘテロシクリルから選択されてもよく、
3Bは、O、OH、置換されてもよいN結合型アミノ酸、又は置換されてもよいN結合型アミノ酸エステルから選択されてもよく、
3Cはアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、又は−O−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
は、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、又は限定されないが、ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート、又は宿主のヒト若しくは動物においてモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートへとin vivoで代謝される任意の他の部分を含む、安定化ホスフェートプロドラッグであり、
又は、R及びRは、それらが結合される酸素と共に、限定されないが3’,5’−環状ホスフェートプロドラッグを含む3’,5’−環状プロドラッグを形成してもよく、
12はCH、CHF、CHF、CF又はエチニルである)。
【0064】
安定化ホスフェートプロドラッグは、モノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートを送達することができる任意の部分である。
【0065】
別の実施形態では、式Ia:
【化24】
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(式中、Y、R及びRは上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0066】
別の実施形態では、式Ib:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Y、R及びRは上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0067】
別の実施形態では、上記化合物は式Ic:
【化26】
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(式中、
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環基(heterocyclic)、又は限定されないが、フェニル、若しくはナフチルを含むアリールであり、ここで、フェニル又はナフチルは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1〜6ハロアルキル、−N(R7’、C1〜6アシルアミノ、NHSO1〜6アルキル、−SON(R7’、COR7’’、及び−SO1〜6アルキルで置換されてもよく(R7’は、独立して、水素又はC1〜6アルキルであり、R7’’は−OR11又はN(Rである)、
は水素、C1〜6アルキルであり、又はR9a若しくはR9b及びRは共に隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、ここでnは2〜4であり、
9a及びR9bは、
(i)水素、C1〜6アルキル、シクロアルキル、−(CH(NR9’、C1〜6ヒドロキシアルキル、−−CHSH、−(CHS(O)(Me、−(CHNHC(=NH)NH、(1H−インドール−3−イル)メチル、(1H−イミダゾール−4−イル)メチル、−(CHCOR9’’、アリール及びアリール(C1〜3アルキル)−から独立して選択され、アリール基は、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、ニトロ及びシアノから選択される基で置換されてもよく、
(ii)R9a及びR9bはいずれもC1〜6アルキルであり、
(iii)R9a及びR9bは共にスピロ環を形成するように(CHであり、
(iv)R9aは水素であり、R9b及びRは共に、隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、
(v)R9bは水素であり、R9a及びRは共に、隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、ここで、cは1〜6であり、nは2〜4であり、rは2〜5であり、またR9’は独立して水素又はC1〜6アルキルであり、R9’’は−OR11又は−N(R11’)であり、
(vi)R9aは水素であり、R9bは、水素、CH、CHCH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、CHPh、CH−インドール−3−イル、−CHCHSCH、CHCOH、CHC(O)NH、CHCHCOOH、CHCHC(O)NH、CHCHCHCHNH、−CHCHCHNHC(NH)NH、CH−イミダゾール−4−イル、CHOH、CH(OH)CH、CH((4’−OH)−Ph)、CHSH、又は低級シクロアルキルであり、
又は、(vii)R9aは、CH、CHCH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、CHPh、CH−インドール−3−イル、−CHCHSCH、CHCOH、CHC(O)NH、CHCHCOOH、CHCHC(O)NH、CHCHCHCHNH、−CHCHCHNHC(NH)NH、CH−イミダゾール−4−イル、CHOH、CH(OH)CH、CH((4’−OH)Ph)、CHSH又は低級シクロアルキルであり、R9bは水素であり、
10は、水素、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、又はハロゲンによって置換されてもよいC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノアシル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールであり、
11は、置換されてもよいC1〜6アルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されてもよいC2〜6アルキニル、置換されてもよいC2〜6アルケニル、又は置換されてもよいアシルであり、限定されないがC(O)(C1〜6アルキル)を含み、
Y、R及びR12は本明細書に定義される通りである)によるものである。
【0068】
一実施形態において、式II:
【化27】
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(式中、
YはNRであり、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF、CFCH及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、置換されてもよいC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(複素環)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(アリール)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、ここで、R及びRの少なくとも一方はメチル、CHF、CHF又はCFであり、
は水素、
【化28】
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、ジホスフェート、トリホスフェート、置換されてもよいカルボニル結合型アミノ酸、又は−C(O)R3Cであり、
3Aは、O、OH、−O−置換されてもよいアリール、−O−置換されてもよいヘテロアリール、又は置換されてもよいヘテロシクリルから選択されてもよく、
3Bは、O、OH、置換されてもよいN結合型アミノ酸又は任意に置換されてもよいN結合型アミノ酸エステルから選択されてもよく、
3Cは、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、−O−(C〜C)(ヘテロアリール)、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、−S−(C〜C)(シクロアルキル)、−S−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−S−(C〜C)(アリール)、若しくは−S−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
3Dは、アルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C)(シクロアルキル)、−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−(C〜C)(アリール)、−(C〜C)(ヘテロアリール)、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、若しくは−O−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
は、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、又は限定されないが、ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート、又は宿主のヒト若しくは動物においてin vivoでモノホスフェート、ジホスフェート、若しくはトリホスフェートへと代謝される任意の他の部分を含む、安定化ホスフェートプロドラッグであり、
又は、R及びRは、それらが結合される酸素と共に、限定されないが、3’,5’−環状ホスフェートプロドラッグを含む3’,5’−環状プロドラッグを形成してもよく、
は、C〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−OR25、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、各々置換されてもよく、
は、水素、置換されてもよいC〜Cアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む)、C〜Cハロアルキル(CHF、CHF、CF、CHCF及びCFCFを含む)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(複素環)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(アリール)、置換されてもよい−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−C(O)R3C(−C(O)CH、−C(O)CHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)OCH、−C(O)OC、−C(O)OC、−C(O)OC及び−C(O)OC11を含む)、−C(S)R3D、若しくは−SO28であり、
又は、R及びRは、それらが結合される窒素と共に複素環を形成してもよく、
12は、CH、CHF、CHF、CF、若しくはエチニルであり、
22は、Cl、Br、F、CN、N、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)、−ONHC(=O)OR23、−NHOR24、−OR25、−SR25、−NH(CH1〜4N(R26、−NHNHR26、−N=NR27、−NHC(O)NHNHR27、−NHC(S)NHNHR27、−C(O)NHNHR27、−NR27SO28、−SONR2729、−C(O)NR2729、−CO29、−SO29
【化29】
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、−P(O)H(OR29)、−P(O)(OR29)(OR30)、−P(O)(OR29)(NR2930)、若しくは−NRであり、
例えば、限定されないが、下記の実施の形態:クロロ、ブロモ、フルオロ、シアノ、アジド、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びn−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ビニル、アリル、1−ブチニル、2−ブチニル、アセチレニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH)−シクロプロピル、−(CH)−シクロブチル、−(CH)−シクロペンチル、−(CH)−シクロヘキシル、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピラゾリジン、ピペリジン、オキサン、チアン、−(CH)−アジリジン、−(CH)−オキシラン、−(CH)−チイラン、−(CH)−アゼチジン、−(CH)−オキセタン、−(CH)−チエタン、−(CH)−ピロリジン、−(CH)−テトラヒドロフラン、−(CH)−チオラン、−(CH)−ピラゾリジン、−(CH)−ピペリジン、−(CH)−オキサン、−(CH)−チアン、フェニル、ピリジル、−ONHC(=O)OCH、−ONHC(=O)OCHCH、−NHOH、NHOCH、−OCH、OC、−OPh、OCHPh、−SCH、−SC、−SPh、SCHPh、−NH(CHNH、−NH(CHN(CH、−NHNH、−NHNHCH、−N=NH、−N=NCH、−N=NCHCH、−NHC(O)NHNH、−NHC(S)NHNH、−C(O)NHNH、−NHSOCH、−NHSOCHCH、−SONHCH、−SON(CH、−C(O)NH、−C(O)NHCH、−C(O)N(CH、−COCH、−COCHCH、−COPh、−COCHPh、−SOCH、−SOCHCH、−SOPh、−SOCHPh、
【化30】
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、−P(O)H(OH)、−P(O)H(OCH)、−P(O)(OH)(OH)、−P(O)(OH)(OCH)、−P(O)(OCH)(OCH)、−P(O)(OH)(NH)、−P(O)(OH)(NHCH)、−P(O)(OH)N(CH、−NHC(O)CH、−NHC(O)CHCH、−NHC(O)CH(CH、−NHC(O)OCH、−NHC(O)OCHCH、−NHC(O)OCH(CH、−NHC(O)OCHCHCH、−NHC(O)OCHCHCHCH、及び−NHC(O)OCHCHCHCHCHを含み、
23は、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
24は、水素、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
25は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
26は、水素、C〜Cアルキル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)から独立して選択され、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
27は、水素又は置換されてもよいC〜Cアルキルであり、
28は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよく、
29は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
又は、R27及びR29は、それらが結合される窒素と共に複素環を形成してもよく、
30は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−(C〜Cアルキル)(アリール)、若しくは−(C〜Cアルキル)(ヘテロアリール)であり、ここで、水素を除いて、各々置換されてもよく、
又は、R29及びR30は共に結合して複素環を形成してもよく、
xは1、2又は3である)の化合物を開示する。
【0069】
別の実施形態では、式IIa:
【化31】
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(式中、Y、R、R及びR22は上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0070】
別の実施形態では、式IIb:
【化32】
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(式中、Y、R、R及びR22は上に定義された通りである)の化合物を開示する。
【0071】
典型的な実施形態では、化合物は対応するヌクレオシドに関してβ−D異性体(すなわち、天然起源の配置)である。代替的な配置では、上記化合物はβ−L異性体として提供される。上記化合物は、典型的には反対のエナンチオマーを少なくとも90%含まず、少なくとも98%、99%又は更には100%反対のエナンチオマーを含まない場合もある。別段の記載がない限り、上記化合物は反対のエナンチオマーを少なくとも90%含まない。
【0072】
別の実施形態では、上記化合物は式III:
【化33】
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(式中、
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環基、又は限定されないが、フェニル、若しくはナフチルを含むアリールであり、ここで、フェニル又はナフチルは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1〜6ハロアルキル、−N(R7’、C1〜6アシルアミノ、NHSO1〜6アルキル、−SON(R7’、COR7’’、及び−SO1〜6アルキルで置換されてもよく(R7’は、独立して、水素又はC1〜6アルキルであり、R7’’は−OR11又はN(Rである)、
は水素、C1〜6アルキルであり、又はR9a若しくはR9b及びRは共に隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、ここでnは2〜4であり、
9a及びR9bは、
(i)水素、C1〜6アルキル、シクロアルキル、−(CH(NR9’、C1〜6ヒドロキシアルキル、−−CHSH、−(CHS(O)(Me、−(CHNHC(=NH)NH、(1H−インドール−3−イル)メチル、(1H−イミダゾール−4−イル)メチル、−(CHCOR9’’、アリール及びアリール(C1〜3アルキル)−から独立して選択され、アリール基は、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、ニトロ及びシアノから選択される基で置換されてもよく、
(ii)R9a及びR9bはいずれもC1〜6アルキルであり、
(iii)R9a及びR9bは共にスピロ環を形成するように(CHであり、
(iv)R9aは水素であり、R9b及びRは共に、隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、
(v)R9bは水素であり、R9a及びRは共に、隣接するN原子及びC原子を含む環状環を形成するように(CHであり、ここで、cは1〜6であり、nは2〜4であり、rは2〜5であり、またR9’は独立して水素又はC1〜6アルキルであり、R9’’は−OR11又は−N(R11’)であり、
(vi)R9aは水素であり、R9bは、水素、CH、CHCH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、CHPh、CH−インドール−3−イル、−CHCHSCH、CHCOH、CHC(O)NH、CHCHCOOH、CHCHC(O)NH、CHCHCHCHNH、−CHCHCHNHC(NH)NH、CH−イミダゾール−4−イル、CHOH、CH(OH)CH、CH((4’−OH)−Ph)、CHSH、又は低級シクロアルキルであり、
又は、(vii)R9aは、CH、CHCH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、CHPh、CH−インドール−3−イル、−CHCHSCH、CHCOH、CHC(O)NH、CHCHCOOH、CHCHC(O)NH、CHCHCHCHNH、−CHCHCHNHC(NH)NH、CH−イミダゾール−4−イル、CHOH、CH(OH)CH、CH((4’−OH)Ph)、CHSH又は低級シクロアルキルであり、R9bは水素であり、
10は、水素、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、又はハロゲンによって置換されてもよいC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノアシル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールであり、
11は、置換されてもよいC1〜6アルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されてもよいC2〜6アルキニル、置換されてもよいC2〜6アルケニル、又は置換されてもよいアシルであり、限定されないがC(O)(C1〜6アルキル)を含み、
Y、R、R12及びR22は本明細書に定義される通りである)によるものである。
【0073】
一実施形態では、式IV:
【化34】
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(式中、変数Y、R、R、R、R9a、R9b、R10及びR22は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0074】
一実施形態では、式V:
【化35】
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(式中、変数Y、R、R、R、R9a、R9b、R10及びR22は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0075】
代替的な実施形態では、C型肝炎に感染した又はそれに曝露された宿主の治療のための化合物、方法及び組成物が提供される。
【0076】
一実施形態では、式VI:
【化36】
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(式中、
41は、ハロゲン(特にF又はCl)、OR(OHを含む)、N、NH又はCNであり、また、変数Y、R、R及びR12は本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0077】
一実施形態では、式VII:
【化37】
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(式中、変数Y、R、R、R12及びR41は、本明細書に記載される)の化合物を開示する。
【0078】
β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−N−置換−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドの代謝
ホスホルアミデートとしてのβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドの代謝は、5’−モノホスフェートの産生、及び5’−モノホスフェートとしてβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニンヌクレオシドを生成するためのN−メチル−2,6−ジアミノプリン塩基の後の同化を含む。モノホスフェートは、活性種、すなわち5’−トリホスフェートに更に同化される。ここで、β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニントリホスフェートは、HCV遺伝子型1b NS5Bポリメラーゼに対してIC50=0.15μMを有する。β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートに対する代謝経路を下記の機構1において説明する。
【化38】
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【0079】
β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドの代謝は、β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−ジメチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドトリホスフェートの形成、また対応するグアニンヌクレオシドトリホスフェートの生成の両方を含む。代謝経路を下記の機構2及び3に示す。
【化39】
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【0080】
安定化ホスフェートプロドラッグ
安定化ホスフェートプロドラッグはモノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートをin vivoで送達することができる部分である。例えば、McGuiganは、米国特許第8,933,053号、同第8,759,318号、同第8,658,616号、同第8,263,575号、同第8,119,779号、同第7,951,787号及び同第7,115,590号においてホスホルアミデートを開示した。Aliosは、引用することによって本明細書の一部をなす米国特許第8,895,723号及び同第8,871,737号においてチオホスホルアミデートを開示した。またAliosは、引用することによって本明細書の一部をなす米国特許第8,772,474号において環状ヌクレオチドを開示した。Idenixは、引用することによって本明細書の一部をなす国際公開第2013/177219号において環状ホスホルアミデート及びホスホルアミデート/SATE誘導体を開示した。またIdenixは、引用することによって本明細書の一部をなす国際公開第2013/039920号において置換されたカルボニルオキシメチルホスホルアミデート化合物を開示した。Hostetlerは脂質ホスフェートプロドラッグを開示した。例えば、米国特許第7,517,858号を参照されたい。またHostetlerは、ホスホネートプロドラッグの脂質複合体を開示した。例えば、米国特許第8,889,658号、同第8,846,643号、同第8,710,030号、同第8,309,565号、同第8,008,308号、及び同第7,790,703号を参照されたい。エモリー大学は、国際公開第2014/124430号においてヌクレオチドスフィンゴイド及び脂質誘導体を開示した。RFS Pharmaは、国際公開第2010/091386号においてプリンヌクレオシドモノホスフェートプロドラッグを開示した。また、Cocrystal Pharma Inc.は、引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許第9,173,893号においてプリンヌクレオシドモノホスフェートプロドラッグを開示した。HepDirect(商標)技術は、"Design, Synthesis, and Characterization of a Series of Cytochrome P(450) 3A-Activated Prodrugs (HepDirect Prodrugs) Useful for Targeting Phosph(on)ate-Based Drugs to the Liver,"(J. Am. Chem. SoC.126, 5154-5163 (2004)の論文において開示された。更なるホスフェートプロドラッグとして、限定されないが、リン酸エステル、CycloSALを含む3’,5’−環状ホスフェート、SATE誘導体(S−アシル−2チオエステル)プロドラッグ、及びDTE(ジチオジエチル)プロドラッグが挙げられる。非限定的な例を開示する文献の総説については、A. Ray and K. Hostetler, "Application of kinase bypass strategies to nucleoside antivirals," Antiviral Research (2011)277-291、M. Sofia, "Nucleotide prodrugs for HCV therapy," Antiviral Chemistry and Chemotherapy 2011; 22-23-49、及びS. Peyrottes et al., "SATE Pronucleotide Approaches: An Overview," Mini Reviews in Medicinal Chemistry 2004, 4, 395を参照されたい。一実施形態では、これらの特許出願又は文献のいずれかに記載される5’−プロドラッグを、提示される化合物のR位に使用することができる。
【0081】
代替的な一実施形態では、安定化ホスフェートプロドラッグとして、限定されないが、引用することにより本明細書の一部をなす米国特許第9,173,893号及び米国特許第8,609,627号に記載されるもの(作製方法を含む)が挙げられる。例えば、式I〜式Vの5’−プロドラッグは下記の基によって表され得る。
【化40】
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【0082】
代替的な実施形態では、式I〜式Vの3’,5’−プロドラッグは、下記の基によって表され得る:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
キラリティーがリンの中心に存在する場合、それは、全体的に若しくは部分的にR若しくはSであってもよく、又はそれらの任意の混合物であってもよく、
ZはO又はSであり、
33は、OR34
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
及び誘導される脂肪アルコール(例えば、限定されないが、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
式中、R34、R35及びR36は以下に定義され、
31及びR32は、in vivoで投与された場合、ヌクレオシドモノホスフェート又はチオモノホスフェートを提供することができ、生体系における6−NH脱アミノ化に部分的に又は完全に抵抗性であってもよく、又はそうでなくてもよい)。代表的なR31及びR32は、以下から独立して選択される。
(a)OR34、ここで、R34がH、Li、Na、K、フェニル及びピリジニルから選択される場合、フェニル及びピリジニルは、(CH0〜6CO37及び(CH0〜6CON(R37からなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基で置換され、
37は独立して、H、C1〜20アルキル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール若しくは置換されたヘテロアリールで置換されたC1〜20アルキルであり、
ここで、置換基はC1〜5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、若しくはシクロアルキルで置換されたC1〜5アルキルである。
(b)
【化44】
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(c)D−アミノ酸又はL−アミノ酸のエステル
【化45】
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式中、R36は天然L−アミノ酸において生じる側鎖に限定され、
35はH、C1〜20アルキル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール若しくは置換されたヘテロアリールで置換されたC1〜20アルキルであり、
ここで、置換基はC1〜5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC1〜5アルキルである。
(d)R31及びR32は共に環を形成してもよく、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R38はH、C1〜20アルキル、C1〜20アルケニル、脂肪アルコール(オレイルアルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール、リノレイルアルコール等)に由来する炭素鎖、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール、若しくは置換されたヘテロアリールで置換されたC1〜20アルキルであり、
ここで、置換基はC1〜5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、若しくはシクロアルキルで置換されたC1〜5アルキルである。
(e)R31及びR32は共に、下記から選択される環を形成してもよく、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
39はO又はNHであり、
40はH、C1〜20アルキル、C1〜20アルケニル、脂肪酸(オレイン酸、リノール酸等)に由来する炭素鎖、及び低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル等のアリール、ピリジニル等のヘテロアリール、置換されたアリール若しくは置換されたヘテロアリールで置換されたC1〜20アルキルであり、
ここで、置換基はC1〜5アルキル、又は低級アルキル、アルコキシ、ジ(低級アルキル)−アミノ、フルオロ、C3〜10シクロアルキル若しくはシクロアルキルで置換されたC1〜5アルキルである。
【0083】
上記化合物は、例えば5’−OHアナログを調製し、その後これらをモノホスフェートアナログへと変換することにより、調製することができる。
【0084】
実施形態
特定の実施形態において、
(i)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(ii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(iii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(iv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(v)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(vi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(vii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(viii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(ix)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(x)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xiii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(xiv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(xv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(xvi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(xvii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xviii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xix)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xx)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rはメチルであり、Rはジホスフェートである。
(xxi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(xxii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(xxiii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(xxiv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xxv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xxvi)式Iaでは、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xxvii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(xxviii)式Iaにおいて、YはNRであり、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(xxix)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(xxx)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(xxxi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xxxii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xxxiii)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xxxiv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(xxxv)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはエチルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(xxxvi)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(xxxvii)式Ibでは、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(xxxviii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xxxix)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xl)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xli)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(xlii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(xliii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(xliv)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(xlv)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(xlvi)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(xlvii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(xlviii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはジホスフェートである。
(xlix)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
(l)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化ホスフェートプロドラッグである。
(li)式Ibでは、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rは安定化チオホスフェートプロドラッグである。
(lii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはホスホルアミデートである。
(liii)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはチオホスホルアミデートである。
(liv)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはモノホスフェートである。
(lv)式Ibにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rはメチルであり、Rはジホスフェートである。
(lvi)式Iaにおいて、YはNRであり、Rはメチルであり、Rはシクロプロピルであり、Rは水素であり、Rはトリホスフェートである。
【0085】
上記のもののうちのいずれかの代替的な実施形態では、化合物はR22置換基を有する。これらの特定の実施形態のいずれかでは、R22はF、アミド又はカルバメートである。上記の実施形態の他の特定の態様では、R22はクロロ、ブロモ、シアノ、アジド、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びn−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ビニル、アリル、1−ブチニル、2−ブチニル、アセチレニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−(CH)−シクロプロピル、−(CH)−シクロブチル、−(CH)−シクロペンチル、−(CH)−シクロヘキシル、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピラゾリジン、ピペリジン、オキサン、チアン、−(CH)−アジリジン、−(CH)−オキシラン、−(CH)−チイラン、−(CH)−アゼチジン、−(CH)−オキセタン、−(CH)−チエタン、−(CH)−ピロリジン、−(CH)−テトラヒドロフラン、−(CH)−チオラン、−(CH)−ピラゾリジン、−(CH)−ピペリジン、−(CH)−オキサン、−(CH)−チアン、フェニル、ピリジル、−ONHC(=O)OCH、−ONHC(=O)OCHCH、−NHOH、NHOCH、−OCH、OC、−OPh、OCHPh、−SCH、−SC、−SPh、SCHPh、−NH(CHNH、−NH(CHN(CH、−NHNH、−NHNHCH、−N=NH、−N=NCH、−N=NCHCH、−NHC(O)NHNH、−NHC(S)NHNH、−C(O)NHNH、−NHSOCH、−NHSOCHCH、−SONHCH、−SON(CH、−C(O)NH、−C(O)NHCH、−C(O)N(CH、−COCH、−COCHCH、−COPh、COCHPh、−SOCH、−SOCHCH、−SOPh、−SOCHPh、
【化48】
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、−P(O)H(OH)、−P(O)H(OCH)、−P(O)(OH)(OH)、−P(O)(OH)(OCH)、−P(O)(OCH)(OCH)、−P(O)(OH)(NH)、−P(O)(OH)(NHCH)、−P(O)(OH)N(CH、−NHC(O)CH、−NHC(O)CHCH、−NHC(O)CH(CH、−NHC(O)OCH、−NHC(O)OCHCH、−NHC(O)OCH(CH、−NHC(O)OCHCHCH、−NHC(O)OCHCHCHCH及び−NHC(O)OCHCHCHCHCHである。
【0086】
化合物(i)〜化合物(lvi)の代替的な実施形態では、式I〜式VIIにおいてL−ヌクレオシドを使用する。
【0087】
代替的な実施形態では、式IのR12の変数はCHFである。
【0088】
代替的な実施形態では、式IのR12の変数はCHFである。
【0089】
代替的な実施形態では、式IのR12の変数はCFである。
【0090】
一実施形態では、式Iaの化合物が提供される。式Iaの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化49】
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【0091】
一実施形態では、式Iaのチオホスホルアミデートが提供される。式Iaのチオホスホルアミデートの非限定的な例として限定されないが、以下が挙げられる。
【化50】
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【0092】
一実施形態では、式Iaの安定化ホスフェートプロドラッグが提供される。式Iaの安定化ホスフェートプロドラッグの非限定的な例として以下が挙げられる。
【化51】
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【0093】
別の実施形態では、式Iaの化合物が提供される。式Iaの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化52】
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【0094】
一実施形態では、式Iaのチオホスホルアミデートが提供される。式Iaのチオホスホルアミデートの非限定的な例として限定されないが、以下が挙げられる。
【化53】
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【0095】
一実施形態では、式Iaの安定化ホスフェートプロドラッグが提供される。式Iaの安定化ホスフェートプロドラッグの非限定的な例として以下が挙げられる。
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0096】
一実施形態では、式IIの化合物が提供される。式IIの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化55】
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【0097】
一実施形態では、式Iの化合物が提供される。式Iの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化56】
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【0098】
一実施形態では、式IIの化合物が提供される。式IIの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化57】
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【0099】
一実施形態において、Rは、
【化58】
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である。
【0100】
一実施形態では、式IIの化合物が提供される。式IIの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化59】
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【0101】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化60】
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である。
【0102】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0103】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0104】
一実施形態では、式IIの化合物が提供される。式IIの化合物の非限定的な例として以下が挙げられる。
【化63】
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【0105】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0106】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0107】
幾つかの実施形態において、RはHであり、Rは、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0108】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、Rは、
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0109】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、Rは、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0110】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、Rは、
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0111】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0112】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0113】
幾つかの実施形態において、RはCHであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0114】
幾つかの実施形態において、Rはシクロプロピルであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0115】
幾つかの実施形態において、Rはシクロプロピルであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0116】
幾つかの実施形態において、Rはシクロプロピルであり、RはCHであり、RはHであり、Rは、
【化75】
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である。
【0117】
II.定義
以下の用語は、本発明を説明するため使用される。或る用語が本明細書に具体的に定義されない場合、その用語は、本発明を説明する際にその使用の状況にその用語を適用する当業者に認識される意味が与えられる。
【0118】
「アルキル」の用語は、その文脈において、直鎖又は分岐鎖の完全に飽和された、置換されてもよい(例えば、Fを含むハロゲンにより)炭化水素ラジカル又はアルキル基を意味する。例えば、アルキル基は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)、1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)、又は1個〜4個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)を有してもよい。好適なアルキル基の例として、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル及び2,3−ジメチルブチルが挙げられる。
【0119】
「アルケニル」の用語は、隣接する炭素原子間の少なくとも1つの二重結合、及び本明細書において別段の記載がなければ、アルキル基に類似の構造を含む非芳香族炭化水素基を指す。例えば、アルケニル基は、2個〜8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルケニル)、又は2個〜4個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルケニル)を有してもよい。好適なアルケニル基の例として、限定されないが、エテニル又はビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、1−ブテニル(−C=CH−CHCH)、及び2−ブテニル(−CHCH=CHCH)が挙げられる。本明細書に記載されるように、アルケニル基は、置換されてもよい。
【0120】
「アルキニル」の用語は、隣接する炭素原子間の少なくとも1つの三重結合、及び本明細書において別段の記載がなければ、アルキル基に類似の構造を含む非芳香族炭化水素基を指す。例えば、アルキニル基は、2個〜8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキン)、又は2個〜4個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキニル)を有してもよい。アルキニル基の例として、限定されないが、アセチレニル(acetylenic)、又はエチニル及びプロパルギルが挙げられる。本明細書に記載されるように、アルキニル基は置換されてもよい。
【0121】
「アシル」の用語は、カルボニル部分がR、例えば−C(O)アルキルに結合される部分−C(O)Rを指す。Rは、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、低級アルキル(すなわち、C〜C)、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアラルキル、フェノキシメチル等を含むアリールオキシアルキル、ハロゲン、C〜Cアルキル、又はC〜Cアルコキシで置換されてもよいフェニルを含むアリールから選択されてもよい。一実施形態では、「アシル」の用語は、モノホスフェート、ジホスフェート又はトリホスフェートを指す。
【0122】
「低級アシル」の用語は、カルボニル部分が低級アルキル(すなわち、C〜C)であるアシル基を指す。
【0123】
「アルコキシ」の用語は、基−OR’を指し、ここで、−OR’は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(C〜C)(シクロアルキル)、−O−(C〜C)(ヘテロシクロ)、−O−(C〜C)(アリール)、又は−O−(C〜C)(ヘテロアリール)であり、各々置換されてもよい。
【0124】
「アミノ」の用語は、基−NHを指す。
【0125】
「アミノ酸」又は「アミノ酸残基」の用語は、D−又はL−の天然又は非天然起源のアミノ酸を指す。代表的なアミノ酸として、限定されないが、特にアラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、又はチロシンが挙げられる。
【0126】
「アジド」の用語は、基−Nを指す。
【0127】
「アリール」又は「芳香族」の用語は、文脈では、置換(本明細書に別段の記載がない限り)又は非置換の単一の環を有する1価の芳香族ラジカル(例えば、フェニル又はベンジル)、又は縮合環(例えば、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル等)を指し、本発明による化合物に、環(複数の場合がある)上の任意の利用可能な安定位置で、又はそうでなければ、提示される化学構造において示されるように結合されてもよい。本明細書に記載されるように、アリール基は置換されてもよい。
【0128】
「シクロアルキル」、「炭素環」又は「カルボシクリル(carbocyclyl)」は、飽和(すなわち、シクロアルキル)、又は部分的に不飽和(例えばシクロアルケニル、シクロアルカジエニル等)の単環として3個〜7個の炭素原子を有する環を指す。単環式の炭素環は、3個〜7個の環原子、より典型的には5個又は6個の環原子を有する。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、及び1−シクロヘキサ−3−エニルが挙げられる。
【0129】
「シアノ」の用語は、基−CNを指す。
【0130】
「ハロゲン」又は「ハロ」の用語は、クロロ、ブロモ、フルオロ又はヨードを指す。
【0131】
ヘテロアリール環系は、(単)環に1つ以上の窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を有する飽和又は不飽和環であり、これには限定されないが、特にイミダゾール、フリル、ピロール、フラニル、チエン、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、又はインドール、キノリン等の縮合環系等が挙げられ、これらは上記のように任意に置換されていてもよい。ヘテロアリール基としては、含窒素ヘテロアリール基、例えば特にピロール、ピリジン、ピリドン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、プリン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、イミダゾピリジン、イミダゾトリアジン、ピラジノピリダジン、アクリジン、フェナントリジン、カルバゾール、カルバゾリン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナセン、オキサジアゾール、ベンズイミダゾール、ピロロピリジン、ピロロピリミジン及びピリドピリミジン;含硫黄芳香族複素環、例えばチオフェン及びベンゾチオフェン;含酸素芳香族複素環、例えばフラン、ピラン、シクロペンタピラン、ベンゾフラン及びイソベンゾフラン;並び窒素、硫黄及び酸素から選択される2種以上のヘテロ原子を含む芳香族複素環、例えばチアゾール、チアジゾール(thiadizole)、イソチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、ピラゾロオキサゾール、イミダゾチアゾール、チエノフラン、フロピロール(furopyrrole)、ピリドオキサジン(pyridoxazine)、フロピリジン、フロピリミジン、チエノピリミジン及びオキサゾール等が挙げられ、これらは全て任意に置換されていてもよい。
【0132】
「複素環」又は「ヘテロシクロ」の用語は、少なくとも1つのヘテロ原子、すなわちO、N又はSを含む環状基を指し、芳香族(ヘテロアリール)であってもよく、又は非芳香族であってもよい。本発明に使用される非芳香族複素環基の例としては、例えば特にピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、オキセタニル、オキサチオラニル、ピリドン、2−ピロリドン、エチレン尿素、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フタルイミド、及びスクシンイミドが挙げられ、これらは全て任意に置換されていてもよい。
【0133】
「ヒドロキシル」の用語は、基−OHを指す。
【0134】
「ニトロ」の用語は、基−NOを指す。
【0135】
「薬学的に許容可能な塩」又は「プロドラッグ」の用語は、患者への投与により所望の活性化合物を提供する、β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドの任意の薬学的に許容可能な形態(エステル、ホスホルアミデート、チオホスホルアミデート、リン酸エステル、エステルの塩又は関連する群等)を記載するため明細書を通して使用される。薬学的に許容可能な塩の例は、生理学的に許容可能なアニオンを形成する酸によって形成された有機酸付加塩、例えば、トシレート(tosylate)、メタンスルスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、及びα−グリセロリン酸塩である。また、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩及び炭酸塩の塩を含む、好適な無機塩が形成され得る。薬学的に許容可能な塩を、当該技術分野においてよく知られている標準的な手法を使用して、例えば、アミン等の十分な塩基性化合物を生理学的に許容可能なアニオンとなる好適な酸と反応させることにより得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はリチウム)、又はアルカリ土類金属(例えばカルシウム)の塩を作ることもできる。
【0136】
「薬学的に許容可能なプロドラッグ」は、宿主において代謝されて、例えば加水分解されるか、酸化されて本発明の化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例として、活性化合物の官能性部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が挙げられる。プロドラッグとして、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化、チオホスホルアミド化、脱チオホスホルアミド化、ホスホルアミド化、又は脱ホスホルアミド化されて活性化合物を産生することができる化合物が挙げられる。本発明の化合物は、HCVに対する抗ウイルス活性を持つか、又はかかる活性を示す化合物へと代謝される。β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオシドもまた、5’−ホスホエーテル脂質、ビスホスホルアミデート、3’,5’−環状ホスホルアミデート、3’,5’−環状チオホスホルアミデート、DTE複合体、混合ホスホルアミデート−SATE誘導体、又は「SATE」誘導体として投与され得る。
【0137】
「リン酸」の用語は、基−P(O)(OH)を指す。
【0138】
一実施形態では、プリン又はピリミジン塩基の用語には、限定されないが、アデニン、N−アルキルプリン、N−アシルプリン(ここでアシルは、−C(O)アルキル、−C(O)(アリール)C〜Cアルキル、又は−C(O)(C〜Cアルキル)アリールである)、N−ベンジルプリン、N−ハロプリン、N−ビニルプリン、N−アセチレンプリン、N−アシルプリン、N−ヒドロキシアルキルプリン、N−チオアルキルプリン、N−アルキルプリン、N−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン、6−アザシトシンを含む6−アザピリミジン、2−及び/又は4−メルカプトピリミジン、ウラシル、5−フルオロウラシルを含む5−ハロウラシル、C−アルキルピリミジン、C−ベンジルピリミジン、C−ハロピリミジン、C−ビニルピリミジン、C−アセチレンピリミジン、C−アシルピリミジン、C−ヒドロキシアルキルプリン、C−アミドピリミジン、C−シアノピリミジン、C−ニトロピリミジン、C−アミノピリミジン、N−アルキルプリン、N−アルキル−6−チオプリン、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、及びピラゾロ−ピリミジニルが含まれる。プリン塩基として、限定されないが、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、及び6−クロロプリンが挙げられる。必要又は所望に応じて、塩基上の官能性の酸素及び窒素の基を保護することができる。好適な保護基は、当業者によく知られており、ベンジル、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキルの基、並びにアセチル及びプロピオニル等のアシル基、メタンスルホニル及びp−トルエンスルホニルが挙げられる。代替的には、プリン又はピリミジンの塩基は、in vivoで開裂され得る、実行可能なプロドラッグを形成するように置換されてもよい。適切な置換基の例として、アシル部分が挙げられる。
【0139】
「置換された」、又は「置換されてもよい」の用語は、当該部分が、限定されないが、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、OH、フェニル、ベンジル、N、CN、アシル、メチルを含むアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、CHF、CHF及びCFを含むハロアルキル等を含む少なくとも1つの追加の置換基を有し得ることを示す。一実施形態では、「置換された」、又は「置換されてもよい」の用語は、当該部分が、限定されないが、アジド、シアノ、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード)、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、−NH(C〜C非置換アルキル)、−NH(C〜C置換アルキル)、−NH−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−NH−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−NH−(C〜Cアルキル)(アリール)、−N(C〜C非置換アルキル)、−N(C〜C非置換アルキル)(C〜C置換アルキル)、−N(C〜C置換アルキル)、−NH−(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、−NH−(C〜Cアルキル)(C〜C複素環)、−NH−(C〜Cアルキル)(アリール)、アシル、ニトロ、スルホン酸、スルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、ホスホネート又はチオールを含む、少なくとも1つの追加の置換基を有し得ることを示す。
【0140】
式R14S(O)OR15によって表わされる「スルホン酸エステル」の用語は、R14を含み、ここで、R14はアルキル、ハロアルキル、アラルキル又はアリールである。R15は、アルキル、アリール、又はアラルキルである。
【0141】
「スルホン酸」の用語は、基−SOOHを指す。
【0142】
「チオール」の用語は、基−SHを指す。
【0143】
本明細書で使用される「窒素保護基」の用語は、窒素に共有結合され、除去することが可能である、典型的には、適切な場合水素で置換される部分を指す。例えば、窒素保護基は、宿主への投与後にin vivoで、細胞によってin vitroで除去される基であってもよく、又は製造工程中に除去されてもよい。本発明において有用な好適な窒素保護基は、Greene and Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis (1991) New York, John Wiley and Sons, Inc.によって記載される。
【0144】
本明細書で使用される「酸素保護基」の用語は、酸素に共有結合され、除去することが可能であり、典型的には、適切な場合水素で置換される部分を指す。例えば、酸素保護基は、宿主への投与後にin vivoで、細胞によってin vitroで除去される基であってもよく、又は製造工程中に除去されてもよい。本発明において有用な好適な酸素保護基は、Greene and Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis (1991) New York, John Wiley and Sons, Inc.によって記載される。
【0145】
「ホスフェート」は、基−OP(O)(OH)を指す。
【0146】
「リン酸エステル」は、別段の指示がない限り、モノホスフェート、ジホスフェート及びトリホスフェートを指す。
【0147】
「ホスホアミデート」、「ホスホルアミデート」又は「ホスホロアミデート」の用語は、3つの酸素基及びアミン(置換されてもよい)に結合されたリンを有する部分である。本発明に有用な好適なホスホルアミデートは、Madela, Karolina and McGuigan in 2012, "Progress in the development of anti-hepatitis C virus nucleoside and nucleotide prodrugs", Future Medicinal Chemistry 4(5), pages 625-650 10:1021/jm300074y、及びDominique, McGuigan and Balzarini in 2004, "Aryloxy Phosphoramidate Triesters as Pro-Tides", Mini Reviews in Medicinal Chemistry 4(4), pages 371-381によって記載される。本発明に有用な更なるホスホルアミデートは、米国特許第5,233,031号、同第7,115,590号、同第7,547,704号、同第7,879,815号、同第7,888,330号、同第7,902,202号、同第7,951,789号、同第7,964,580号、同第8,071,568号、同第8,148,349号、同第8,263,575号、同第8,324,179号、同第8,334,270号、同第8,552,021号、同第8,563,530号、同第8,580,765号、同第8,735,372号、同第8,759,318号、欧州特許第2120565号、欧州特許第1143995号、米国特許第6,455,513号、及び同第8,334,270号に記載される。他のホスホルアミデートは、本発明の背景技術に記載されるヌクレオシド特許に記載される。
【0148】
本発明で使用されるホスホルアミデート基は、下記構造のものを含む。
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
本発明で使用される他のホスホルアミデートは、下記構造のものを含む。
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
P1は、置換されてもよい直鎖、分岐鎖、若しくは環状のアルキル基、又は置換されてもよいアリール、ヘテロアリール若しくは複素環基、又はそれらの連結された組み合わせであり、
P2は、−NRN1N2基又はB’基であり、
式中、
N1及びRN2は、各々独立して、H、C1〜8アルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、又は(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、これらは置換されてもよく、又は、
N1及びRN2は、それが付着される窒素原子と共に連結して3員〜7員の複素環を形成し、
B’は、
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
基であり、
式中、
16は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−、又はアミノ酸の側鎖、例えば、(本明細書に別段の記載がない限り)アラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシンからなる群からしばしば選択される、アミノ酸の側鎖であり(しばしば、R16は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
17は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−、又はアミノ酸の側鎖、例えば、(本明細書に別段の記載がない限り)アラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシンからなる群からしばしば選択される、アミノ酸の側鎖であり(しばしば、R17は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
18は水素又はC〜Cアルキルであり、又は、
16及びR17は(C〜C)シクロアルキル、若しくは(C〜C)複素環基を形成してもよく、
又は、R18及びR16若しくはR17は(C〜C)複素環基を形成してもよく、
19は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、
又は、B’は、
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
基であり、
式中、
20は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、又は(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、
21は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、又は(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、
18及びR19は上に定義される。
【0150】
好ましいRP1基として、置換されてもよい、フェニル基、ナフチル基、及び単環式ヘテロアリール基、特に患者の細胞において該化合物のバイオアベイラビリティーを増強する基(特に親油基)であって、毒性の減少、治療指数の増強、及び薬物動態の増強(化合物は、代謝されて、よりゆっくりと排泄される)を示す基が挙げられる。
【0151】
ホスホルアミデートの用語は、ヌクレオシド化合物のフラノース環の5’位又は3’位に見られ、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成する基を記載するため、本明細書を通して使用される。一実施形態では、ホスホルアミデートは、ヌクレオシド化合物のフラノース環の5’位及び3’位の両方で見られ、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成することができる。別の実施形態では、ヌクレオシドのフラノース環の5’位で見られるホスホルアミデートは、ヌクレオシド化合物のフラノース環の3’位の3’−ヒドロキシル置換基と結合を形成し、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成することによって、環状ホスホルアミデート化合物を形成することができる。
【0152】
「チオホスホアミデート」、「チオホスホルアミデート」又は「チオホスホロアミデート」の用語は、硫黄に結合したリン、2個の酸素基及びアミン(置換されてもよい)を有する部分である。本発明において有用なチオホスホルアミデートは、米国特許第8,772,474号及び国際公開第2012/040124号に記載される。
【0153】
本発明で使用されるチオホスホルアミデート基は、以下の構造のものを含む。
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
他のチオホスホルアミデートは、下記構造のものを含む。
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
P1は、置換されてもよい直鎖、分岐鎖、若しくは環状のアルキル基、又は置換されてもよいアリール、ヘテロアリール若しくは複素環基、又はそれらの連結された組み合わせであり、
P2は、−NRN1N2基又はB’基であり、
式中、
N1及びRN2は、各々独立して、H、C1〜アルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、又は(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、又は、
N1及びRN2は、それが付着される窒素原子と共に連結して3員〜7員の複素環を形成し、
B’は、
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
基であり、
式中、
16は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−、又はアミノ酸の側鎖、例えば、(本明細書に別段の記載がない限り)アラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシンからなる群からしばしば選択される、アミノ酸の側鎖であり(しばしば、R16は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
17は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−、又はアミノ酸の側鎖、例えば、(本明細書に別段の記載がない限り)アラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシンからなる群からしばしば選択される、アミノ酸の側鎖であり(しばしば、R17は水素、メチル、イソプロピル又はイソブチルである)、
18は水素又はC〜Cアルキルであり、又は、
16及びR17は(C〜C)シクロアルキル、若しくは(C〜C)複素環基を形成してもよく、
又は、R18及びR16若しくはR17は(C〜C)複素環基を形成してもよく、
19は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル−、(アリール)C〜Cアルキル−、(C〜Cヘテロシクロ)C〜Cアルキル−、(ヘテロアリール)C〜Cアルキル−であり、
又は、B’は、
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
基であり、
18、R19、R20及びR21は上に定義される通りである。
【0155】
好ましいRP1基として、置換されてもよい、フェニル基、ナフチル基、及び単環式ヘテロアリール基、特に患者の細胞において該化合物のバイオアベイラビリティーを増強する基(特に親油基)であって、毒性の減少、治療指数の増強、及び薬物動態の増強(化合物は、代謝されて、よりゆっくりと排泄される)を示す基が挙げられる。
【0156】
チオホスホルアミデートは、ヌクレオシド化合物のフラノース環の5’位又は3’位に見られ、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成することができる。一実施形態では、チオホスホルアミデートは、ヌクレオシド化合物のフラノース環の5’位及び3’位の両方で見られ、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成することができる。別の実施形態では、ヌクレオシドのフラノース環の5’位で見られるチオホスホルアミデートは、ヌクレオシド化合物のフラノース環の3’位の3’−ヒドロキシル置換基と結合を形成し、ヌクレオシド化合物のプロドラッグ形態を形成することによって、環状チオホスホルアミデート化合物を形成することができる。
【0157】
本発明の文脈で使用される「D配置」の用語は、非天然起源ヌクレオシド又は「L」配置に対立する、糖部分の天然配置を模倣する原理配置を指す。「β」又は「βアノマー」の用語は、ヌクレオシドアナログ中のフラノース部分の平面の上にヌクレオシド塩基が形成される(配置される)ヌクレオシドアナログに関して使用される。
【0158】
「同時投与する」及び「同時投与」、又は併用療法の用語は、少なくとも1つの他の活性剤、例えば適切な場合、本明細書に開示される他の2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−ヌクレオシド剤を含む、少なくとも1つの追加の抗HCV剤と組み合わせた、少なくとも1つの本発明による2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−C−ヌクレオシド化合物の投与を記載するため使用される。同時投与のタイミングは、患者を治療する専門医によって最適に決定される。時には、薬剤が同時に投与されることが好ましい。代替的には、併用療法に対して選択された薬物は、異なる時に患者に投与されてもよい。もちろん、2以上のウイルス若しくは他の感染、又は他の病状が存在する場合、本発明の化合物を必要に応じて他の感染又は病状を治療するために他の薬剤と組み合わせてもよい。
【0159】
本明細書で使用される「宿主」の用語は、そこでHCVウイルスが複製することができる、細胞株及び動物を含む、単細胞又は多細胞の生物、典型的にヒトを指す。宿主の用語は、具体的には、感染細胞、HCVゲノムの全て又は一部を用いてトランスフェクトされた細胞、並びに動物、特に霊長動物(チンパンジーを含む)及びヒトを指す。本発明の大半の動物の適用において、宿主はヒト患者である。しかしながら、獣医学的用途は、特定の適応では、本発明によって明確に予想される(チンパンジー等)。宿主は、例えば、ウシ、ウマ、トリ、イヌ、ネコ等であってもよい。
【0160】
アイソトープ置換
本発明は、天然存在度を上回る、すなわち濃縮されたアイソトープの量で原子の所望のアイソトープの置換を伴う化合物及び化合物の使用を含む。アイソトープは、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する、すなわち同数の陽子であるが中性子の数が異なる原子である。一般的な例として、またこれに限定されず、例えば、水素のアイソトープである重水素(H)及びトリチウム(H)を、記載される構造の任意の場所に使用してもよい。代替的には、又は追加的には、炭素のアイソトープ、例えば13C及び14Cを使用してもよい。好ましいアイソトープの置換は、薬物の性能を改善するため、分子上の1以上の位置における水素の重水素への置換である。重水素は、代謝中に結合切断の位置で(α−重水素速度同位体効果)、又は結合切断部位に隣接して若しくはその部位近くに(β−重水素速度同位体効果)結合され得る。Achillion Pharmaceuticals, Inc.(国際公開第2014/169278号、及び国際公開第2014/169280号)は、分子の5位を含む、それらの薬物動態又は薬効を改善するためのヌクレオチドの重水素化を記載する。
【0161】
重水素等のアイソトープによる置換は、例えばin vivo半減期の増加、又は必要な投薬量の減少等のより大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点を与えることができる。代謝性分解の部位における水素の重水素への置換は、代謝の速度を減少させるか、又はその結合において代謝を排除することができる。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、プロチウム(H)、重水素(H)及びトリチウム(H)を含む水素の任意のアイソトープであってもよい。したがって、文脈に明確な別段の指示がない限り、本明細書における化合物に対する参照は、全ての可能性のあるアイソトープの形態を包含する。
【0162】
「アイソトープ標識化」アナログの用語は、「重水素化アナログ」、「13C標識化アナログ」又は「重水素化/13C標識化アナログ」であるアナログを指す。「重水素化アナログ」の用語は、本明細書に記載される化合物、H−アイソトープ、すなわち水素/プロチウム(H)が、H−アイソトープ、すなわち重水素(H)によって置換されることを意味する。重水素置換は、部分的であってもよく、完全であってもよい。部分的な重水素置換は、少なくとも1つの水素が少なくとも1つの重水素によって置換されることを意味する。特定の実施形態では、アイソトープは任意の目的の位置のアイソトープ中に90%、95%又は99%以上に濃縮される。幾つかの実施形態では、所望の位置で90%、95%又は99%に濃縮されるのは重水素である。これに反する指定がなければ、重水素化は選択された位置において少なくとも80%である。ヌクレオシドの重水素化が、所望の結果を提供する任意の置換可能な水素において起こる場合がある。
【0163】
III.治療又は予防の方法
本明細書で使用される治療は、HCVウイルスに感染される宿主に対する活性化合物の投与を指す。
【0164】
「予防の(prophylactic)」又は阻止(preventative)の用語は、使用された場合、ウイルス性の障害の発生可能性を予防するか、又は減少させるための活性化合物の投与を指す。本発明は治療法及び予防療法(prophylactic)又は阻止療法(preventative)の両方を含む。一実施形態では、活性化合物は、C型肝炎ウイルスに曝露されたため、それによる感染症のリスクにある宿主に投与される。本発明は、HCVの薬物耐性及び多剤耐性の形態を含むC型肝炎ウイルス、並びに肝硬変及び関連する肝毒性を含む、HCV感染の関連する疾患の状態、病状又は合併症、また同様に、特に、虚弱、食欲不振、体重減少、乳房腫大(特に男性において)、発疹(特に手のひらの)、血液凝固の問題、皮膚のクモ状血管、錯乱、昏睡(脳症)、腹腔の体液貯留(腹水)、食道静脈瘤、門脈圧亢進、腎不全、脾腫、血球の減少、貧血、血小板減少症、黄疸、及び肝細胞癌等のHCV感染の二次的な他の病状の治療又は予防の方法に関する。上記方法は、有効量の本明細書に記載される少なくとも1つのβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドを、任意に少なくとも1つの追加の生理活性剤、例えば追加の抗HCV剤と組み合わせて、また薬学的に許容可能な担体添加剤及び/又は賦形剤と更に組み合わせて、それを必要とする宿主に投与することを含む。
【0165】
更に別の態様では、本発明は、HCV感染、又は特に、肝硬変及び関連する肝毒性、虚弱、食欲不振、体重減少、乳房腫大(特に男性における)、発疹(特に手のひらの)、血液凝固の問題、皮膚のクモ状血管、錯乱、昏睡(脳症)、腹腔の体液貯留(腹水)、食道静脈瘤、門脈圧亢進、腎不全、脾腫、血球の減少、貧血、血小板減少症、黄疸、及び肝細胞(肝臓)癌を含む、関連する疾患状態若しくは後続する疾患状態、病状又は合併症の阻止又は予防の方法であり、上記方法は、有効量の上に記載されるような本発明による少なくとも1つの化合物を、薬学的に許容可能な担体、添加剤又は賦形剤と組み合わせて、また、任意に別の抗HCV剤と組み合わせて、リスクのある患者に投与することを含む。別の実施形態では、本発明の活性化合物を、肝炎に関連する肝臓移植の後、新たな臓器を保護するために患者に投与することができる。
【0166】
所望に応じて、レシピエントへの投与により、直接又は間接に親化合物を提供することができる、又はそれ自体が活性を示す任意の塩又はプロドラッグとして、5’安定化β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドを投与することができる。非限定的な例は、上記化合物の生物活性、薬物動態、半減期、制御送達、親油性、吸収速度、活性5’−トリホスフェートへの易リン酸化、又は所望の投与経路を使用する送達の効率を修飾するため、ヒドロキシル官能基又はアミン官能基等の官能基において修飾された薬学的に許容可能な塩類及び化合物である。標的の特性を達成するために活性化合物の特性を修飾する方法は当業者に知られているか、又は標準的な方法、例えばアシル化、リン酸化、チオホスホルアミド化、ホスホルアミド化、ホスホン化、アルキル化、又はペグ化によって容易に判断することができる。
【0167】
IV.医薬組成物
本発明の態様では、本発明による医薬組成物は、任意に薬学的に許容可能な担体、添加剤又は賦形剤と組み合わせて、また少なくとも1つの他の活性化合物と更に任意に組み合わせて、若しくはそれと交互に(alternation with)、抗HCVウイルスに有効な量の本明細書に記載される少なくとも1つの5’安定化β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド化合物を含む。
【0168】
本発明の態様では、本発明による医薬組成物は、任意に薬学的に許容可能な担体、添加剤又は賦形剤と組み合わせて、また抗HCV剤等の少なくとも1つの他の抗ウイルス薬と更に任意に組み合わせて、抗HCVに有効な量の本明細書に記載される少なくとも1つの活性なβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド化合物を含む。
【0169】
本発明は、C型肝炎ウイルス感染を治療するのに有効な量の本発明のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド化合物の1つ、又はその塩若しくはプロドラッグを薬学的に許容可能な担体又は賦形剤中に含む医薬組成物を含む。代替的な実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染を予防するのに有効な量の本発明のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド化合物の1つ、又はその塩若しくはプロドラッグを薬学的に許容可能な担体又は賦形剤中に含む医薬組成物を含む。
【0170】
当業者は、治療的有効量は、治療される感染又は病状、その重症度、採用される治療計画、使用される薬剤の薬物動態、また同じく、治療される患者又は被験体(動物又はヒト)に応じて変化し、またかかる治療量は主治医又は専門家によって決定可能であることを認識する。
【0171】
本発明による5’安定化β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチド化合物を、薬学的に許容可能な担体との混合物に製剤化してもよい。一般に、経口投与用形態の医薬組成物を投与することが望ましいが、特定の製剤は、非経口、静脈内、筋肉内、局所、経皮、バッカル、皮下、坐剤、鼻腔スプレーを含む他の経路により投与されてもよい。静脈内及び筋肉内の製剤は、しばしば、無菌の生理食塩水中で投与される。当業者は、製剤を水又は他のビヒクルにより可溶性にするため製剤を変更してもよく、例えば、これは、十分に当該技術分野の通常の知識である、わずかな変更(塩製剤、エステル化等)によって、容易に遂行され得る。また、患者における最大の有益な効果に対する本発明の化合物の薬物動態を管理するため、特定の化合物の投与経路及び投薬計画を修正することも、当業者の通常の作業に含まれる。
【0172】
特定の薬学的剤形においては、特にアシル化(アセチル化又はその他)、及びエーテル(アルキル及び関連する)誘導体、リン酸エステル、チオホスホルアミデート、ホスホルアミデート、及び本発明の化合物の様々な塩の形態を含む、上記化合物のプロドラッグ形態が好ましい。当業者は、宿主生物又は患者の標的部位への活性化合物の送達を容易にするため、如何にして本発明の化合物をプロドラッグ形態へと容易に変更するかを認識する。上記化合物の意図される効果を最大化するための宿主生物又は患者の標的部位への活性化合物の送達において、適用可能である場合は、プロドラッグ形態の好都合な薬物動態学のパラメーターを利用する。
【0173】
本発明による治療的に活性な製剤に含まれる化合物の量は、HCV感染を治療する、HCV感染の可能性を減少する、若しくはHCVを阻害、減少、及び/又は消滅する、又はHCVに続いて起こる疾患状態、病状、及び/又は合併症を含むその二次的効果に有効な量である。一般に、薬学的剤形における本発明の化合物の治療的有効量は、通常、使用される化合物、治療される病状又は感染、及び投与経路に応じて、患者に対して1日当たり約0.001mg/kg〜約100mg/kg以上、多くの場合、1日当たり約0.1mg/kgよりわずかに少ない量〜約25mg/kgより相当多い量の範囲である。本発明による活性なヌクレオシド化合物は、患者における薬剤の薬物動態に応じて、患者に対して1日当たり約0.1mg/kg〜約15mg/kgの範囲の量でしばしば投与される。この投薬範囲は、一般に、患者の血液1cc当たり約0.001マイクログラム〜約100マイクログラム、約0.05マイクログラム〜約100マイクログラムの範囲に及ぶ場合がある活性化合物の有効血中濃度をもたらす。
【0174】
しばしば、これらの感染を治療、予防、若しくはその発症を遅延するため、及び/又はHCVウイルス感染の可能性、又はHCVの二次的な疾患状態、病状若しくは合併症を減少するため、上記組成物は、経口剤形で、少なくとも1日に1回、約250マイクログラム〜最大約500mg以上の範囲、例えば、1日に最大4回、少なくとも25ミリグラム、50ミリグラム、100ミリグラム、150ミリグラム、250ミリグラム又は500ミリグラムの量で投与される。本発明の化合物は、しばしば経口で投与されるが、非経口的に、局所的に又は坐剤形態で、及び点鼻薬として鼻腔内に又はそれ以外に本明細書に記載されるように投与されてもよい。
【0175】
本明細書に別記されるような別の抗HCV化合物と組み合わせた本発明の化合物の同時投与の場合、投与される本発明による化合物の量は、同時投与される第2の薬剤、並びにウイルスに対する効力、患者の病状及び治療される疾患又は感染の重症度及び投与経路に応じて、患者に対して約0.01mg/kg〜患者に対して約500mg/kgより相当多い量である。他の抗HCV剤は、例えば約0.01mg/kg〜約500mg/kgの範囲の量で投与されてもよい。特定の好ましい実施形態では、これらの化合物は、一般に、患者における2つの薬剤の薬物動態に応じて、しばしば、約0.5mg/kg〜約50mg/kg以上(通常、最大約100mg/kg)の範囲の量で投与され得る。これらの投薬範囲は、一般に、患者において活性化合物の有効血中濃度をもたらす。
【0176】
本発明の目的について、本発明による組成物の予防的又は阻止的な有効量は、治療的有効量について上に述べられたものと同じ濃度範囲に含まれ、通常、治療的有効量と同じである。
【0177】
活性化合物の投与は、連続的(静脈内点滴)から1日当たり数回の経口若しくは経鼻投与(例えばQ.I.D.)、又は経皮投与を含んでもよく、また、他の投与経路のうち、経口、局所、非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透増強剤を含んでもよい)、バッカル及び坐剤による投与を含んでもよい。また、経口投与経路に対する化合物のバイオアベイラビリティーを増強するため、腸溶性経口錠剤を使用してもよい。最も有効な剤形は、選択される特定の薬剤のバイオアベイラビリティー/薬物動態、また同様に患者の疾患の重症度に依存する。経口剤形は、投与の容易さ、及び予期される好都合な患者コンプライアンスのため、特に好ましい。
【0178】
本発明による医薬組成物を調製するため、しばしば、治療的有効量の1以上の本発明による化合物を、従来の薬学的配合技術に従って薬学的に許容可能な担体と本質的に混合して服用量を生じる。担体は、例えば、経口又は非経口の投与に望ましい調剤形態に応じて多様な形態をとってもよい。経口剤形への医薬組成物の調製において、通常の薬学的媒質のいずれを使用してもよい。したがって、懸濁液、エリキシル剤及び溶液等の液体経口調剤に対し、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、着色剤等を含む好適な担体及び添加物を使用してもよい。粉体、錠剤、カプセル剤等の固体経口調剤、及び坐剤等の固形調剤に対し、デンプン、デキストロース等の糖担体、マニホールド、ラクトース、及び関連する担体、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を含む、好適な担体及び添加剤を使用してもよい。所望に応じて、錠剤又はカプセル剤は、標準的な技術によって腸溶性であってもよく、徐放性であってもよい。これらの剤形の使用は、患者における化合物のバイオアベイラビリティーを著しく増強し得る。
【0179】
非経口製剤について、担体は、通常、無菌の水又は塩化ナトリウム水溶液を含むが、分散液を補助するものを含む他の成分を含んでもよい。滅菌水が無菌として使用され維持されることになっている場合、当然に、組成物及び担体も滅菌されなければならない。また、注射用懸濁液を調製してもよく、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤等を利用してもよい。
【0180】
また、薬学的に許容可能な担体を産生するため、リポソーム懸濁液(ウイルス性抗原に標的化されたリポソームを含む)を従来の方法によって作製してもよい。これは、本発明によるヌクレオシド化合物の遊離ヌクレオシド、アシル/アルキルヌクレオシド又はリン酸エステルプロドラッグの形態の送達に適切な場合がある。
【0181】
本発明による典型的な実施形態では、上記化合物及び組成物は、HCV感染、又はHCVの二次的な疾患状態、病状又は合併症を治療、予防、又は遅延するために使用される。
【0182】
V.併用療法及び交互療法(alternation therapy)
ウイルスの薬剤耐性変異体が、抗ウイルス剤による長期の治療の後に出現する場合があることは十分認識される。薬剤抵抗性は、最も典型的には、ウイルス複製で使用される酵素をコードする遺伝子の突然変異によって生じる。HCV感染に対する薬物の効力は、異なる突然変異を誘導するか、又は原則の薬物のそれとは異なる経路を通って作用する、別の(おそらくは更に2種又は3種の他の)抗ウイルス化合物と組み合わせて、又は該抗ウイルス剤と交互に上記化合物を投与することにより、延長、増大、又は回復され得る。代替的には、薬物動態、体内分布、半減期又は薬物の他のパラメーターは、かかる併用療法(協調するとされる場合は、交互療法を含む場合がある)によって変更され得る。開示されるβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドは、NS5Bポリメラーゼ阻害剤であり、例えば以下と組み合わせて宿主に上記化合物を投与することが有用な場合がある。
(1)プロテアーゼ阻害剤(NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤等)、
(2)NS5A阻害剤、
(3)別のNS5Bポリメラーゼ阻害剤、
(4)NS5B非基質阻害剤、
(5)ペグ化されてもよく、そうでない場合は修飾されてもよい、インターフェロンアルファ−2a、及び/又はリバビリン、
(6)非基質系阻害剤、
(7)ヘリカーゼ阻害剤、
(8)アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)、
(9)アプタマー、
(10)ヌクレアーゼ耐性リボザイム、
(11)microRNA及びSiRNAを含むiRNA、
(12)ウイルスに対する抗体、部分抗体、若しくはドメイン抗体、又は、
(13)宿主抗体応答を誘導するウイルス性抗原若しくは部分抗原。
【0183】
本発明のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドと組み合わせて投与することができる、抗HCV剤の非限定的な例は、以下の通りである。
(i)テラプレビル(インシベック(商標))、ボセプレビル(ビクトレリス(商標))、シメプレビル(オリシオ(商標))、パリタプレビル(ABT−450)、ACH−2684、AZD−7295、BMS−791325、ダノプレビル、フィリブビル、GS−9256、GS−9451、MK−5172、セトロブビル、ソバプレビル、テゴブビル、VX−135、VX−222及びAL−220等のプロテアーゼ阻害剤、
(ii)ACH−2928、ACH−3102、IDX−719、ダクラタスビル、レジパスビル及びオムビタスビル(ABT−267)等のNS5A阻害剤
(iii)ACH−3422、AZD−7295、クレミゾール、ITX−5061、PPI−461、PPI−688、ソバルディ(商標)、MK−3682及びメリシタビン等のNS5B阻害剤、
(iv)ABT−333、MBX−700等のNS5B阻害剤、並びに、
(v)GS−6624等の抗体である。
【0184】
β−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドが、肝臓癌又は肝硬変に結びつく重度のC型肝炎ウイルスを治療するため投与される場合、或る1つの実施形態では、例えば、Andrew Zhu in "New Agents on the Horizon in Hepatocellular Carcinoma" Therapeutic Advances in Medical Oncology, V 5(1), (January 2013), 41-50に記載される、肝細胞癌(HCC)を治療するために典型的に使用される別の薬物と、上記化合物を組み合わせて、又は該化合物と交互に投与することができる。宿主がHCCを有するか、又はそのリスクにある場合の併用療法に適した化合物の例として、抗血管形成剤、スニチニブ、ブリバニブ、リニファニブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、セジラニブ、パゾパニブ、TSU−68、レンバチニブ、EGFRに対する抗体、mTor阻害剤、MEK阻害剤、及びヒストンデアセチラーゼ阻害剤が挙げられる。
【0185】
インフルエンザに対して現在承認されている薬物は、アマンタジン、リマンタジン及びオセルタミビルである。これらの薬物のいずれかを、本明細書で提示される活性化合物と組み合わせて、又はそれと交互に使用し、それらに感受性のウイルス感染を治療することができる。リバビリンは、麻疹、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、パラインフルエンザ、重篤なRSV細気管支炎及びSARS、また同様に他のウイルス感染を治療するために使用され、したがって、一本鎖RNAウイルスに感染した宿主の治療に対し、本発明の化合物と組み合わせると特に有用である。パリビズマブはRSV感染に対するリスクの高い乳児における使用に対して承認されている。
【0186】
現在、西ナイルウイルスに対して承認された薬物はない。医師は、入院、経静脈輸液、呼吸を支援する人工呼吸器の使用、発作を管理するための医薬、脳腫脹、悪心及び嘔吐、並びにその疾患を更に悪化させないための細菌感染の予防用抗生物質の使用を含むことがある、集中的な支持療法を提供するように勧められる。これは、ウイルス医薬療法に対する本発明の化合物の重要性を強調する。
【0187】
VI.本発明のβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドの作製過程
本発明の化合物を提供する一般的な方法は、当該技術分野おいて知られているか、又は本明細書に記載される。2’−クロロヌクレオチドの合成は、米国特許出願公開第20150366888号、国際公開第2014058801号、国際公開第2015/066370号、及び国際公開第2015200219号に記載される。
【0188】
以下の略語を合成機構で使用する。
CBr:四臭化炭素
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM:ジクロロメタン
THF:テトラヒドロフラン(THF)、無水
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
Li(OtBu)AlH:水素化リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウム
NaSO:硫酸ナトリウム(無水)
MeCN:アセトニトリル
MeNH:メチルアミン
MeOH:メタノール
NaSO:硫酸ナトリウム
NaHCO:重炭酸ナトリウム
NHCl:塩化アンモニウム
NHOH:水酸化アンモニウム
PE:石油エーテル
PhP:トリフェニルホスフィン
シリカゲル(230〜400メッシュ、Sorbent)
t−BuMgCl:t−ブチルマグネシウムクロリド
t−BuOK:ナトリウムtert−ブトキシド
t−BuOH:tert−ブタノール
【実施例】
【0189】
一般法
H、19F及び31PのNMRスペクトルを、300MHzのフーリエ変換ブルカースペクトロメータに記録した。CDCl、CDOD又はDMSO−d中、直径5mmのチューブに作製された試料からスペクトルを得た。スピン多重度は、記号s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(多重項)、及びbr(ブロード)によって示される。結合定数(J)は、Hzの単位で報告される。MSのスペクトルを、Agilent Technologiesの6120四極子MS装置上のエレクトロスプレイイオン化(ESI)を使用して得た。上記反応を、通常、Sigma-Aldrichの無水溶媒を使用する、乾燥窒素雰囲気下で行った。全ての一般的な化学薬品を商用の供給元から購入した。
【化84】
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i)Li(OtBu)AlH、THF、−30℃→−15℃;ii)PPh、CBr、DCM、−20℃→0℃;iii)2−アミノ−6−クロロプリン、tBuOK、tBuOH/MeCN 9:1、65℃;iv)MeNH(33%)、MeOH、85℃;v)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃→室温。
【0190】
実施例1.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製
【0191】
工程1.((2R,3R,4R,5R)−3−(ベンゾイルオキシ)−5−ブロモ−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチルベンゾエート(2)の調製。
(2R)−3,5−ジ−O−ベンゾイル−2−フルオロ−2−C−メチル−D−リボノ−γ−ラクトン(24.8g、66.6mmol)の乾燥THF(333mL)溶液に、窒素雰囲気の下、−30℃に冷却して、リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウムヒドリド(THF中1.0M、22.6mL、22.6mmol)を滴加した。添加の完了後、反応混合物を90分に亘って−15℃までゆっくりと温めた後、EtOAcを添加し(300mL)、混合物を飽和NHCl水溶液(200mL)でクエンチした。得られた溶液を、Celite(商標)上で濾過し、濾液をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機物を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物を窒素雰囲気下、乾燥DCM(225mL)に取り、−20℃まで冷却した後、PPh(19.1g、72.8mmol)を添加した。−20℃で10分間撹拌した後、CBr(26.0g、78.4mmol)を添加し、反応混合物を2時間に亘り0℃までゆっくり温めた。得られた混合物をシリカゲルカラム上に注ぎ、PE/EtOAc(100:0から80:20の勾配)で溶出した。α−ブロモフラノシドを含む画分を収集し、濃縮して、粘度の高い無色油として生成物2(18.1g、41.3mmol、2工程に亘り62%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ 8.15〜8.11(m,2H)、8.04〜8.01(m,2H)、7.64〜7.55(m,2H)、7.51〜7.41(m,4H)、6.34(d,J=1.6Hz,1H)、5.29(dd,J=5.5,3.1Hz,1H)、4.89〜4.85(m,1H)、4.78(dd,J=12.5,3.2Hz,1H)、4.63(dd,J=12.5,4.5Hz,1H)、1.72(d,J=21.6Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDCl)δ −150.0。
【0192】
工程2.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート(3)の調製。
2−アミノ−6−クロロプリン(2.63g、15.5mmol)を窒素雰囲気下、t−BuOH(54mL)に懸濁した。反応混合物を30℃に加熱した後、カリウムtert−ブトキシド(1.69g、15.1mmol)を添加した。45分後、無水MeCN(6mL)に溶解したブロモフラノシド2(2.24g、5.12mmol)の溶液を添加し、反応混合物を16時間に亘って65℃に加熱した後、室温まで冷却した。飽和NHCl水溶液(70mL)を添加し、得られた溶液をEtOAc(60mLで3回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥し(NaSO)、濾過して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 80:20から0:100の後、60:40から20:80の勾配)によって2度精製し、白色固体として生成物3(1.56g、2.96mmol、57%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ 8.05〜8.02(m,2H)、7.95〜7.92(m,2H)、7.88(s,1H)、7.63〜7.57(m,1H)、7.53〜7.41(m,3H)、7.35〜7.30(m,2H)、6.43(dd,J=22.6,9.1Hz,1H)、6.12(d,J=18.3Hz,1H)、5.34(brs,2H)、5.00(dd,J=11.9,4.5Hz,1H)、4.79〜4.73(m,1H)、4.60(dd,J=11.9,5.3Hz,1H)、1.34(d,J=22.6Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDCl)δ −157.0。C2522FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値526.9;実測値527.0。
【0193】
工程3.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(4)の調製。
化合物3(575mg、1.09mmol)のMeOH(9mL)溶液にメチルアミン(無水EtOH中33%、1.7mL、1.81mmol)を添加した。反応混合物を16時間封管において85℃まで加熱し、室温に冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から85:15の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物4(286mg、0.91mmol、84%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.06(s,1H)、6.11(d,J=18.1Hz,1H)、4.41(dd,J=24.4,9.1Hz,1H)、4.07〜4.01(m,2H)、3.86(dd,J=12.9,3.3Hz,1H)、3.04(brs,3H)、1.16(d,J=22.3Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.7。C1219FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値313.1;実測値313.2。
【0194】
工程4.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(5)の調製。
化合物4(114mg、365μmol)の乾燥THF(4mL)溶液に、窒素雰囲気下、0℃に冷却して、10分間に亘り、t−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、0.66mL、660μmol)を添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した後、乾燥THF(1mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの溶液、Ross, B.S., Reddy, P.G., Zhang, H.R., Rachakonda, S., and Sofia, M.J., J. Org, Chem., (2011)、(253mg、558μmol)を10分間に亘って滴加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で18時間撹拌し、その後、飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥し濾過して(NaSO)、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物5(ジアステレオマーの混合物、101mg、174μmol、48%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.83(s,0.55H)、7.82(s,0.45H)、7.38〜7.16(m,5H)、6.15(d,J=18.5Hz,0.45H)、(d,J=18.8Hz,0.55H)、4.99〜4.88(HOと重複,m,1H)、4.65〜4.36(m,3H)、4.25〜4.17(m,1H)、3.97〜3.85(m,1H)、3.05(brs,3H)、1.32〜1.28(m,3H)、1.25〜1.15(m,9H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −162.8(s)、−163.3(s)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.10(s)、3.99(s)。C2434FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値582.2;実測値582.2。
【化85】
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i)MeNH:HCl、DBU、MeOH、85℃;v)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0195】
実施例2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(7)の調製。
【0196】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(6)の調製。
実施例1による化合物3(500mg、0.95mmol)のMeOH(6mL)溶液にジメチルアミンヒドロクロリド(783mg、9.6mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.43mL、9.6mmol)を添加した。反応混合物を6時間封管において85℃で加熱し、室温に冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から85:15の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物6(200mg、0.61mmol、64%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.07(s,1H)、6.14(d,J=18.1Hz,1H)、4.41(dd,J=24.4,9.2Hz,1H)、4.08〜4.02(m,2H)、3.87(dd,J=12.8,2.9Hz,1H)、3.42(brs,6H)、1.16(d,J=22.0Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.8。C1320FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値327.2;実測値327.2。
【0197】
工程2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(7)の調製。
化合物6(80mg、245μmol)の乾燥THF(4mL)溶液に、窒素雰囲気下、0℃に冷却して、10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、0.64mL、640μmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した後、乾燥THF(4mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(167mg、367μmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥し濾過して(NaSO)、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物7(ジアステレオマーの混合物、35mg、58μmol、24%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.83(s,0.5H)、7.82(s,0.5H)、7.34〜7.16(m,5H)、6.15(d,J=18.7Hz,0.5H)、6.13(d,J=18.8Hz,0.5H)、4.99〜4.85(HOと重複,m,1H)、4.65〜4.26(m,3H)、4.27〜4.12(m,1H)、3.99〜3.81(m,1H)、3.42,3.41(2brs,6H)、1.36〜1.25(m,3H)、1.24〜1.11(m,9H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −162.7(s)、−163.2(s)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.08(s)、4.00(s)。C2536FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値596.5;実測値596.2。
【化86】
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i)a)N−メチルシクロプロピルアミンヒドロクロリド、EtN、MeOH、100℃;b)NHOH、MeOH、100℃;ii)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0198】
実施例3.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(9)の調製。
【0199】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(8)の調製。
化合物3(600mg、1.14mmol)のMeOH(10mL)溶液に、N−メチルシクロプロピルアミンヒドロクロリド(366mg、3.40mmol)及びトリエチルアミン(470μL、3.40mmol)を添加した。反応混合物を、15時間に亘り封管において100℃で加熱し、室温まで冷却した。30% NHOH(4mL)を含む水溶液を添加し、反応混合物を2時間に亘り封管において100℃で加熱し、冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物8(351mg、0.99mmol、87%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.13(s,1H)、6.15(d,J=18.0Hz,1H)、4.40(dd,J=24.3,9.0Hz,1H)、4.06〜4.02(m,2H)、3.89〜3.83(m,1H)、3.32(m,3H)、3.18〜3.11(m,1H)、1.16(d,J=22.2Hz,3H)、0.96〜0.89(m,2H)、0.74〜0.69(m,2H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.8。C1522FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値353.2;実測値353.2。
【0200】
工程2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(9)の調製。
0℃の化合物8(200mg、0.57mmol)の乾燥THF(15mL)溶液に、10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、680μL、0.68mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(4mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(283mg、0.62mmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物9(2つのジアステレオ異性体の混合物、160mg、0.26mmol、45%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.85(m,1H)、7.38−7.16(m,5H)、6.18(d,J=18.6Hz)及び6.16(d,J=18.9Hz,1H)、4.95〜4.90(HOと重複,m,1H)、4.58〜4.47(m,3H)、4.22〜4.19(m,1H)、3.95〜3.87(m,1H)、3.36〜3.34(MeOHと重複,m,3H)、3.19〜3.12(m,1H)、1.32〜1.22(m,12H)、0.96〜0.89(m,2H)、0.74〜0.69(m,2H)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.11(s)、4.02(s)。C2738FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値622.2;実測値622.2。
【化87】
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i)2,6−ジクロロプリン、tBuOK、tBuOH/MeCN、65℃;ii)MeNH、MeOH、130℃;iii)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃から室温
【0201】
実施例4.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ビス−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(12)の調製。
【0202】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ジクロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート(10)の調製。
化合物2,6−ジクロロプリン(1.30g、6.86mmol)を窒素雰囲気下でt−BuOH(25mL)中に懸濁した。カリウムtert−ブトキシド(778mg、6.92mmol)を一部ずつ添加した後、反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、無水MeCN(20mL)に溶解したブロモフラノシド2(1.0g、2.29mmol)の溶液を添加し、反応混合物を65℃で一晩加熱した後、室温まで冷却した。飽和NHCl水溶液を添加し、得られた溶液をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 100:0から0:100の勾配)によって精製し、粘着質の固体として生成物10(148mg、0.27mmol、12%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ 8.31(s,1H)、8.12〜8.09(m,2H)、8.02〜7.99(m,2H)、7.64〜7.39(m,6H)、6.38(d,J=17.2Hz,1H)、6.02(dd,J=21.2,8.9Hz,1H)、4.90〜4.68(m,3H)、1.33(d,J=22.4Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDCl)δ −158.0。C2520ClFN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値546.4;実測値546.3。
【0203】
工程2.(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ビス−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(11)の調製。
化合物10(148mg、0.27mmol)のメチルアミン(EtOH中33%、30mL)溶液を封管において130℃で4日間加熱し、室温まで冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から50:50の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物11(33mg、0.10mmol、37%)を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.00(s,1H)、6.12(d,J=18.5Hz,1H)、4.51(dd,J=24.4,9.5Hz,1H)、4.06〜3.85(m,3H)、3.04(s,3H)、2.93(s,3H)、1.20(d,J=22.4Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.2。C1320FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値327.2;実測値327.2。
【0204】
工程3.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ビス−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(12)の調製。
0℃の化合物11(55mg、0.17mmol)の乾燥THF(2mL)溶液にtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1M、304 L、0.30mmol)を10分間に亘って滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。溶液を0℃まで冷却し、乾燥THF(1mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(115mg、0.25mmol)の溶液を10分間に亘って滴加した。混合物を室温までゆっくりと温め、4日間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から50:50の勾配)によって精製し、白色固体として生成物12(ジアステレオマーの混合物、13mg、0.02mmol、13%)を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.78(s,1H)、7.35〜7.12(m,5H)、6.13(d,J=19.1Hz,0.53H)、6.10(d,J=19.2Hz,0.47H)、4.99〜4.78(HOと重複,m,1H)、4.72〜4.46(m,3H)、4.24〜4.15(m,1H)、3.79〜3.92(m,1H)、3.02(brs,3H)、2.92(s+s,3H)、1.29〜1.11(m,12H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −162.0(s)、−162.3(s)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 3.97(s)、3.89(s)。C2536FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値596.6;実測値596.2。
【化88】
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i)TIPDSCl、イミダゾール、DMF;ii)イソブチリルクロリド、ピリジン;iii)TBAF、THF;iv)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0205】
実施例5.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−イソブチルアミド−6−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(16)の調製。
【0206】
工程1.化合物13の調製。
0℃の化合物4(286mg、0.92mmol)及びイミダゾール(370mg、5.43mmol)の乾燥DMF(6mL)溶液に1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(300μL、0.94mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、懸濁液を飽和NHCl水溶液、及びブラインで洗浄した(各40mL)。有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 7:3から3:7の勾配)によって精製し、白色固体として生成物13(283mg、0.51mmol、56%)を得た。C2444FNSi[M+H]のMS(ESI)m/z算出値555.8;実測値555.2。
【0207】
工程2.化合物14の調製。
0℃の化合物13(200mg、0.36mmol)の乾燥ピリジン(3mL)溶液にイソブチリルクロリド(38μL、0.36mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。水(500μL)を添加することによって反応物をクエンチした。混合物を濃縮し、トルエン(10mLで3回)と同時蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 1:0から1:1の勾配)によって精製し、白色固体として生成物14(99mg、0.16mmol、44%)を得た。C2850FNSi[M+H]のMS(ESI)m/z算出値625.9;実測値625.3。
【0208】
工程3.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−イソブチルアミド−6−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(15)の調製。
化合物14(90mg、0.14mmol)の乾燥THF(2mL)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M、38μL、0.38mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 10:0から9:1の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物15(42mg、0.11mmol、77%)を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.31(s,1H)、6.29(d,J=17.9Hz,1H)、4.70〜4.60(m,1H)、4.07〜3.98(m,2H)、3.89(dd,J=12.5,3.4Hz,1H)、3.10(brs,3H)、2.87(brs,1H)、1.23〜1.16(m,9H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.8。C1624FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値383.4;実測値383.2。
【0209】
工程4.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−イソブチルアミド−6−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(16)の調製。
0℃の化合物15(27mg、0.07mmol)の乾燥THF(1mL)溶液に、10分間に亘りt−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、130μL、0.13mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(1mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(50mg、0.11mmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で18時間撹拌し、その後、飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から95:5の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物16(2つのジアステレオ異性体の混合物、25mg、0.04mmol、54%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.05(s,1H)、7.33〜7.13(m,5H)、6.27(d,J=18.6Hz)及び6.21(d,J=19.1Hz,1H)、5.10〜4.95(m,1H)、4.93〜4.78(HOと重複,m,1H)、4.60〜4.42(m,2H)、4.26〜4.18(m,1H)、3.90〜3.80(m,1H)、3.09(brs,3H)、2.84〜2.80(m,1H)、1.33〜1.15(m,18H)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 3.69(s)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.11(s)、3.99(s)。C2840FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値652.6;実測値652.3。
【化89】
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i)N−メチルエチルアミン、MeOH、100℃;ii)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0210】
実施例6.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−エチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(18)の調製。
【0211】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−エチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(17)の調製。
化合物3(150mg、0.29mmol)のMeOH(4mL)溶液にN−メチルエチルアミン(245μL、2.90mmol)を添加した。反応混合物を15時間に亘り封管において100℃で加熱し、室温まで冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物31(89mg、0.26mmol、89%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.06(s,1H)、6.13(d,J=18.0Hz,1H)、4.40(dd,J=24.9,8.7Hz,1H)、4.11〜4.01(m,4H)、3.98〜3.83(m,1H)、3.34(br.s,3H)、1.24〜1.11(m,6H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.7。C1422FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値341.2;実測値341.2。
【0212】
工程2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−エチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(18)の調製。
0℃の化合物17(30mg、0.09mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に、10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、110μL、0.11mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(1mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(48mg、0.11mmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間、及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物18(2つのジアステレオ異性体の混合物、22mg、0.04mmol、40%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.69(m,1H)、7.26〜7.04(m,5H)、6.05(d,J=18.6Hz)及び6.03(d,J=18.9Hz,1H)、4.86〜4.79(HOと重複,m,1H)、4.50〜4.32(m,3H)、4.12〜4.06(m,1H)、3.96〜3.79(m,3H)、3.25(br.s,3H)、1.24〜1.02(m,15H)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.07(s)、4.00(s)。C2638FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値609.3;実測値609.2。
【化90】
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i)N−メチルプロピルアミン、MeOH、100℃;ii)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0213】
実施例7.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−プロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(20)の調製。
【0214】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−プロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(19)の調製。
化合物3(150mg、0.29mmol)のMeOH(4mL)溶液にN−メチルプロピルアミン(295μL、2.90mmol)を添加した。反応混合物を15時間に亘り封管において100℃で加熱し、室温まで冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物19(80mg、0.23mmol、78%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.04(s,1H)、6.13(d,J=18.3,1H)、4.40(dd,J=24.2,9.2Hz,1H)、m,4.06〜3.84(m,5H)、1.68(sept,J=7.5Hz,2H)、1.15(d,J=22.2Hz,3H)、0.93(t,J=7.5Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.8。C1524FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値355.2;実測値355.2。
【0215】
工程2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−プロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(20)の調製。
0℃の化合物19(30mg、0.09mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に、10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、110μL、0.11mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(1mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(46mg、0.11mmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物20(2つのジアステレオ異性体の混合物、22mg、0.03mmol、33%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.78,7.77(s+s,1H)、7.37〜7.13(m,5H)、6.15(d,J=18.6Hz)及び6.13(d,J=18.9Hz,1H)、4.97〜4.89(HOと重複,m,1H)、4.63〜4.30(m,3H)、4.22〜4.14(m,1H)、4.02〜3.84(m,2H)、1.74〜1.63(3H,m)、1.32〜1.27(m,3H)、1.23〜1.13(m,9H)、0.94(t,J=7.4Hz)及び0.93(t,J=7.4Hz,3H)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.05(s)、4.00(s)。C2740FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値623.3;実測値623.2。
【化91】
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i)a)N−メチルシクロブチルアミンヒドロクロリド、EtN、MeOH、100℃;b)NHOH、MeOH、100℃;ii)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0216】
実施例8.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロブチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(22)の調製。
【0217】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロブチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(21)の調製。
化合物3(150mg、0.29mmol)のMeOH(4mL)溶液にN−メチルシクロブチルアミンヒドロクロリド(105mg、0.90mmol)及びトリエチルアミン(190μL、1.00mmol)を添加した。反応混合物を15時間に亘り封管において100℃で加熱し、室温まで冷却した。30%NHOH(1mL)を含む水溶液を添加し、反応混合物を2時間に亘り封管において100℃で加熱し、冷却して濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、淡黄色固体として生成物21(90mg、0.25mmol、86%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.09(s,1H)、6.14(d,J=18.0Hz,1H)、5.80〜5.70(m,1H)、4.44〜4.33(m,1H)、4.06〜4.02(m,2H)、3.88〜3.84(m,1H)、3.34(s,3H)、2.38〜2.19(m,4H)、1.79〜1.71(m,2H)、1.17(d,J=22.2Hz,3H)。19F NMR(282MHz,CDOD)δ −163.8。C1624FN[M+H]のMS(ESI)m/z算出値367.2;実測値367.2。
【0218】
工程2.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチル−シクロブチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(22)の調製。
0℃の化合物21(50mg、0.14mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に、10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、210μL、0.21mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、乾燥THF(2mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(74mg、0.16mmol)の溶液を10分間に亘り滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)の後、逆相カラムクロマトグラフィー(HO/MeOH 100:0から0:100の勾配)によって精製し、白色固体として生成物22(2つのジアステレオ異性体の混合物、24mg、0.04mmol、28%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.79(s,0.2H)、7.77(s,0.8H)、7.38〜7.12(m,5H)、6.18(d,J=17.6Hz)及び6.16(d,J=17.5Hz,1H)、4.95〜4.81(m,2H)、4.62〜4.43(m,3H)、4.25〜4.18(m,1H)、3.96〜3.83(m,1H)、3.38(s)及び3.36(s,3H)、2.38〜2.21(m,4H)、1.75〜1.63(m,2H)、1.32〜1.16(m,12H)。31PNMR(121MHz,CDOD)δ 4.04(s)、3.97(s)。C2840FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値636.3;実測値636.2。
【0219】
活性化合物中の2−アミノ部分の修飾
当業者は、当業者によく知られている方法によって置換基を2−アミノプリン部分に付加することができる。非限定的な一プロセスがここに提供され、また他のものを容易に適合させることができる。((2R,3R,4R,5R)−3−(ベンゾイルオキシ)−5−ブロモ−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチルベンゾエートを、商業的に入手可能な2,6−ジクロロプリン、塩基及び有機溶媒の混合物によって高温で処理し、(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ジクロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエートを生成する。一実施形態では、塩基はカリウムtert−ブトキシドである。一実施形態では、有機溶媒混合物は、tert−ブタノール及びアセトニトリルを含む。化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2,6−ジクロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエートを、周囲温度でアミン、塩基及び有機溶媒で処理し、2−クロロ−N−置換プリンを生成する。一実施形態では、アミンはメチルアミンである。一実施形態では、塩基はトリエチルアミンである。一実施形態では、有機溶媒はエタノールである。当業者は、アミン及び塩基による処理によって、ヌクレオシドのベンゾエート基が同時に除去されて脱保護されたフラノース部分が生成されることを認識する。その後、封管において約100℃の高温にて2−クロロ−N−置換プリンをアミン及び約有機溶媒で処理し、本発明のN,N−二置換プリンヌクレオシドを生成することができる。一実施形態では、アミンはメチルアミンである。一実施形態では、有機溶媒はエタノールである。本発明のN,N−二置換プリンヌクレオシドを、低温で塩基、イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート及び有機溶媒で処理して式I〜式Vの化合物を生成することができる。一実施形態では、塩基はtert−ブチル塩化マグネシウムである。一実施形態では、有機溶媒はテトラヒドロフランである。
【0220】
立体特異性リンエナンチオマーの調製
本明細書に記載される特定の活性化合物は、キラルリン部分を有する。本明細書に記載される活性化合物のうちいずれかを、当業者に知られている方法を使用して、単離したリンエナンチオマー形態、例えば、少なくとも80%、90%、95%又は98%のR又はSのエナンチオマーとして提供することができる。例えば、限定されないが、例えば、下記実施例17及びRoss, et al.に対する米国特許第8,859,756号、同第8,642,756号及び同第8,333,309号に記載されるように、カラムクロマトグラフィーを含む、かかる化合物を得る方法を記載する多くの出版物が存在する。
【0221】
実施例9.化合物5の立体異性体の分離。
下記条件を使用して、Phenominex Lunaカラム上で化合物5の立体異性体を分離した。
カラム:Phenominex Luna 5ミクロン C18(2) 250×10mm 部品番号OOG−4252−BO
試料濃度:アセトニトリル中およそ50mg/ml
注入量:50μl
移動相A:HPLCグレード水
移動相B:HPLCグレードアセトニトリル
流量:5ml/分
UV:283nm
勾配:
【0222】
【表1】
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実行時間:45分間
カラム温度:40℃
【0223】
試料の半分取クロマトグラムを図1に示す。
【0224】
合わせた画分を下記条件により分析カラムを使用して評価した。
カラム:Phenominex Luna 5ミクロン C18(2) 250×2mm 部品番号OOG−4252−BO
注入量:10μl
移動相A:HPLCグレード水
移動相B:HPLCグレードアセトニトリル
流量:0.2ml/分
UV:283nm
勾配:
【0225】
【表2】
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実行時間:45分間
カラム温度:40℃
【0226】
各立体異性体について合わせた画分を、浴温30℃でロータリーエバポレーター(rotovap)を使用して蒸発乾固させた。得られた固体を1mlのアセトニトリルに溶解し、1.7ml容の微量遠心機チューブへ移し、温度30℃にて真空遠心分離により溶媒を蒸発させた。
【0227】
最終試料に対するデータは以下の通りである。
1.第1溶出ピーク:化合物5 番号1(5−1)(21.7mg−97.8%ee)。
2.第2溶出ピーク:化合物5 番号2(5−2)(13.2mg−95.9%ee)。
【0228】
第1及び第2のピークの最終重量は、元の混合物におけるそれらのパーセンテージに十分対応する(それぞれ62.2%及び37.8%)。
【0229】
式I〜式VIIの化合物の立体特異的合成
【化92】
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【0230】
実施例10.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(23)の調製。
【0231】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(23)の調製。
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート、3(80g、140mmol)を、トリメチルアミンのメタノール(7M、800mL)溶液に添加し、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)によって精製して(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−オール(23)(40g、90%)を得た。
【化93】
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【0232】
実施例11.((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
【化94】
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【0233】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(4)の調製。
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−オール(2.0g、1.0当量)のジオキサン(15mL)溶液にMeNH水溶液(5.0当量)を添加した。室温で一晩撹拌した後、TLCは、出発原料が消費されたことを示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1から30:1)によって精製して白色粉体として(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(1.6g、81.6%)を得た。
[M+H]=313.5
【化95】
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【0234】
工程2.((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(1.47g、1.0当量)及びPPAL−S(2.35g、1.1当量)を、無水THF(29mL)に溶解した。混合物を−10℃まで冷却した後、t−BuMgCl(5.8mL、1.7M、2.1当量)をNブランケットの下でゆっくり添加した。室温で45分間撹拌した後、混合物を飽和NHCl水でクエンチし、EtOAc(20mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1〜20:1)によって精製し、白色粉体として((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチル−テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(1.1g、40.3%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.81(s,1H)、7.33〜7.16(m,5H)、6.10(d,J=18.4Hz,1H)、4.90〜4.84(m,5H)、4.55〜4.46(m,3H)、4.20〜4.16(m,1H)、3.91〜3.87(m,1H)、3.30(m,1H)、3.03(s,3H)、1.30〜1.20(m,12H)。[M+H]=582.8。
【化96】
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【0235】
実施例12.イソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(25)の調製。
【化97】
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【0236】
工程1.(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オールの調製。
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−オール(2.8g、8mmol)のジオキサン(20mL)溶液にジメチルアミン水溶液(5mL)を添加した。室温で3時間撹拌した後、TLCは、出発原料が消費されたことを示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=60:1)によって精製して(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(2.2g)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.08(s,1H)、6.13(d,J=18.0Hz,1H)、4.43(dd,J=9.2,9.2Hz,1H)、4.06(d,J=10.8Hz,2H)、3.90(m,1H)、3.37(s,3H)、3.06(s,3H)、1.18(d,J=22Hz,3H)。
【化98】
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【0237】
工程2.イソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(25)の調製。
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(8g、1.0当量)及びPPAL−S(11.1g、1当量)を、無水THF(100mL)に溶解した。混合物を−5℃〜0℃に冷却し、t−BuMgCl(30.5mL、1.7M、2.1当量)をN雰囲気下でゆっくりと添加した。2時間室温で撹拌した後、混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(70mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)によって精製し、白色粉体としてイソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(9.5g、65%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.81(s,1H)、7.35〜7.19(m,5H)、6.15(d,J=18.8Hz,1H)、4.90(m,1H)、4.54〜4.49(m,3H)、4.22〜4.19(m,1H)、3.90(m,1H)、3.43(s,3H)、1.32(d,J=7.2Hz,3H)、1.24〜1.17(m,9H)。31P NMR(160MHz,CDOD)δ 3.89。
【化99】
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【0238】
実施例13.イソプロピル((((R)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(26)の調製。
【0239】
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(3g、1.0当量)及びPPAL−R(4.17g、1当量)を、無水THF(60mL)に溶解した。混合物を−5℃〜0℃に冷却し、t−BuMgCl(11.4mL、1.7M、2.1当量)をN雰囲気下でゆっくりと添加した。16時間室温で撹拌した後、混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(50mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)によって精製し、白色粉体としてイソプロピル((((R)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(2.2g、41%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.8(s,1H)、7.35〜7.29(m,5H)、6.18(d,J=18.8Hz,1H)、4.92(m,1H)、4.60(m,1H)、4.51〜4.23(m,3H)、3.90(m,1H)、3.44(s,6H)、1.29(d,J=6Hz,3H)、1.22〜1.16(m,10H)。31P NMR(160MHz,CDOD)δ 3.98。
【化100】
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【0240】
実施例14.イソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
【化101】
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【0241】
工程1:(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(8)の調製。
CO(53g、500mmol)を、N−メチルシクロプロパンアミンヒドロクロリドの水溶液(100mL)に添加した。室温で10分間撹拌した後、(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−フルオロ−4−メチル−テトラヒドロフラン−3−オール(35g、109mmol)のジオキサン(300mL)溶液を添加した。混合物を室温で16時間撹拌したところ、HPLCは上記反応が完了したことを示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=60:1)によって精製して(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(30g、82%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.16(s,1H)、6.17(d,J=18.0Hz,1H)、4.41(dd,J=9.2,9.2Hz,1H)、4.06(m,2H)、3.90(m,1H)、3.37(s,3H)、3.16(m,1H)、1.18(d,J=22.4Hz,3H)、0.94(m,2H)、0.74(m,2H)。[M+H]=353.2。
【化102】
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【0242】
工程2:イソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(8g、1.0当量)及びPPAL−S(10.3g、1当量)を無水THF(100mL)に溶解した。混合物を−5℃〜0℃まで冷却した後、t−BuMgCl(28mL、1.7M、2.1当量)をN雰囲気下でゆっくりと添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(70mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1から50:1)によって精製して、白色粉体としてイソプロピル((((S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(9.5g、65%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.86(s,1H)、7.35〜7.19(m,5H)、6.17(d,J=19.2Hz,1H)、4.91(m,1H)、4.52(m,3H)、4.21(m,1H)、3.93(m,1H)、3.35(s,3H)、3.16(m,1H)、2.0(s,1H)、1.26〜1.16(m,12H)、0.93(m,2H)、0.73(m,2H)。31P NMR(160MHz,CDOD)δ 3.90
【化103】
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【0243】
実施例15.イソプロピル((((R)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
【0244】
化合物(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(メチルシクロプロパンアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(3g、1.0当量)及びPPAL−R(2.8g、1当量)を無水THF(60mL)に溶解した。混合物を−5℃〜0℃まで冷却した後、t−BuMgCl(7.6mL、1.7M、2.1当量)をN下でゆっくりと添加した。その後、混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(50mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1から50:1)によって精製して、白色粉体として生成物(3g、55%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.81(s,1H)、7.30〜7.25(m,5H)、6.16(d,J=24.8Hz,1H)、4.84(m,1H)、4.84〜4.50(m,3H)、4.22〜4.19(m,1H)、3.88(m,1H)、3.33(s,3H)、3.14(m,1H)、2.0(s,1H)、1.28〜1.13(m,12H)、0.92(m,2H)、0.90(m,2H)。31P NMR(160MHz,CDOD)δ 3.99。
【化104】
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【0245】
実施例16.化合物32の調製。
【化105】
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【0246】
工程1.化合物29の調製。
6(3.0g、1.0当量)のピリジン(30mL)溶液に0℃でTIPDSCl(4.35g、1.5当量)を添加した。室温で4時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。混合物をEtOAcで希釈し、1MのHCl水溶液、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、黄色の油として29(6.3g、100%)を得た。
【化106】
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【0247】
工程2.化合物30の調製。
化合物29(800mg、1.0当量)、DMAP(16mg、0.1当量)、ピリジン(1.6mL)及びDCM(10mL)の混合物に0℃でイソブチリルクロリド(209mg、1.5当量)を添加した。室温で2時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。混合物を水でクエンチし、1MのHCl水溶液、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色の油として生成物30(563.mg、62.3%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.98(s,1H)、787(s,1H)、6.20(d,J=16.0Hz,1H)、4.32〜4.07(m,4H)、3.50(s,6H)、2.3(m,1H)、1.29〜1.05(m,45H)。
【化107】
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【0248】
工程3.化合物31の調製。
THF(10mL)中の30(560mg、1.0当量)の混合物に室温でEtN・3HF(706mg、5当量)及びEtN(890mg、10当量)を添加した。室温で1.5時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、白色粉体として31(288mg、83%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.72(s,1H)、5.96(d,J=44.0Hz,1H)、5.22(m,1H)、4.13〜3.99(m,4H)、3.42(s,6H)、2.83〜2.63(m,2H)、1.29〜1.17(m,9H)。
【化108】
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【0249】
工程4.化合物32の調製。
化合物31(280mg、1.0当量)及びPPAL−S(320mg、1当量)を無水THF(10mL)に溶解した。混合物を−5℃まで冷却した後、t−BuMgCl(0.87mL、1.7M、2.1当量)をN雰囲気下でゆっくり添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(10mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色粉体として生成物(260mg、50%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.98(s,1H)、7.25(m,5H)、6.23(d,J=18.8Hz,1H)、4.52(m,3H)、4.38(m,1H)、3.81(m,1H)、3.75(m,1H)、3.48(s,6H)、2.81(m,1H)、1.32(m,18H)。[M+H=666.9.
【化109】
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【0250】
実施例17.化合物35の調製。
【化110】
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【0251】
工程1.化合物33の調製。
29(2.0g、1.0当量)、DMAP(0.04g、0.1当量)、ピリジン(4mL)及びDCM(20mL)の混合物にAcCl(0.414g、1.5当量)を0℃で添加した。室温で2時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。混合物を水でクエンチし、1M HCl水溶液、飽和NaHCO水溶液、その後ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色の油として生成物33(1.73g、80.8%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.99(s,1H)、7.74(s,1H)、6.20(d,J=20.0Hz,1H)、4.33〜4.11(m,4H)、3.50(s,6H)、2.63(s,3H)、2.3(m,1H)、1.26〜1.05(m,29H)。[M+H]=611.9。
【化111】
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【0252】
工程2.化合物34の調製。
THF(20mL)中の33(1.58g、1.0当量)の混合物に室温でEtN・3HF(2.1g、5当量)及びEtN(2.6g、10当量)を添加した。室温で1.5時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、白色粉体として34(782mg、82%)を得た。
[M+H]=369.6。
【化112】
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【0253】
工程3.化合物35の調製。
化合物34(136mg、1.0当量)及びPPAL−S(184mg、1.1当量)を無水THF(3mL)に溶解した。混合物を−5℃まで冷却した後、t−BuMgCl(0.5mL、1.7M、2.1当量)をN雰囲気下でゆっくり添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(10mLで3回)で抽出した。合わせた有機相を水、ブライン(20mL)で洗浄し、無水で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1から20:1)によって精製し、白色粉体としてホスホルアミデート35(150mg、63.8%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.81(s,1H)、7.35〜7.16(m,5H)、6.10(d,J=18.4Hz,1H)、4.87(m,1H)、4.52〜4.46(m,3H)、4.21(m,1H)、3.91〜3.87(m,1H)、3.03(s,3H)、1.30〜1.13(m,12H)。31P NMR(160MHz,CDOD)δ 3.84。19F NMR(376MHz,CDOD)δ −162.79。
【0254】
β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−エチニル−N−置換−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドの合成
【化113】
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【0255】
実施例18.β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−エチニル−N−置換−2,6−ジアミノプリンヌクレオチドへの一般経路
【化114】
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【0256】
工程1.化合物36の調製。
6−クロログアノシン(100g、332mmol)のピリジン(400mL)溶液に、TPDSCl(110mL、1.05当量)をN雰囲気下−5℃〜5℃で滴加した。その温度で2時間撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。DCM(600mL)を添加した後、TMSCl(85mL、2当量)を0℃〜5℃で滴加した。その温度で2時間撹拌した後、TLCは中間体が消費されたことを示した。
【0257】
イソブチリルクロリドを0℃〜5℃で滴加した。その温度で2時間撹拌した後、TLCは中間体が消費されたことを示した。水を添加し、内容物をDCMで抽出した。その後、有機相を0.5NのHClで洗浄してピリジンを除去した。内容物を洗浄してpHを5〜6にした後、0℃〜5℃でpTSA・HO(9.2g、484.5mmol)を添加した。その温度で1時間撹拌した後、TLCは中間体が消費されたことを示した。その後、水を添加し、有機相を水、飽和NaHCO水、及びブラインで洗浄した。NaSOで乾燥させた後、真空で溶媒を除去した。その後、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=100から10/1)によって精製し、明黄色の固体として生成物(82g、40%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 10.88(s,1H)、8.55(s,1H)、5.91(d,J=1.6Hz,1H)、5.53(d,J=4.6Hz,1H)、4.72〜4.58(m,2H)、4.16(dd,J=12.4,4.8Hz,1H)、4.00(ddd,J=7.7,4.8,2.6Hz,1H)、3.93(dd,J=12.4,2.7Hz,1H)、2.78(h,J=6.9Hz,1H)、1.26〜1.12(m,3H)、1.10(d,J=6.7Hz,6H)、1.09〜0.88(m,24H)。
【化115】
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【0258】
工程2.化合物37の調製。
36(10.0g、16.3mmol)のDCM(100mL)溶液に室温でデスマーチンペルヨージナンを添加し、反応物を12時間撹拌した。TLCは、出発原料が消費されたことを示した。その後、反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、飽和Na水及びブラインで洗浄した。その後、有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮して、明黄色の固体として粗37(12g)を得た。粗53を精製せずに次の工程で直接使用することができる。
【化116】
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【0259】
工程3.化合物38の調製。
エチニルトリメチルシラン(18.6mL、142.7mmol)のTHF(240mL)溶液にN雰囲気下、−15℃〜−20℃でn−BuLi(46mL、2.5M、115.0mmol)を滴加した。30分間撹拌した後、反応物を−70℃まで冷却し、THF(60mL)中の37(粗、16.3mmol)をその温度で添加した。その後、内容物を0℃まで温めた。TLCは出発原料が消費されたことを示した。飽和NHCl水を添加し、反応物をEA(100mL)で3回抽出した。有機相を合わせた後、ブラインで洗浄し、その後、NaSOで更に乾燥した。真空で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=100→10/1)によって精製し、明黄色の固体(6.0g、52%)を得た。
【化117】
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【0260】
工程4.化合物39の調製。
38(6.0g、8.4mmol)のDCM(240mL)溶液にN雰囲気下でピリジン(4.2mL、52.9mmol)を添加した。反応物を−70℃まで冷却し、DAST(12mL、90.4mmol)を添加した。その後、内容物を−30℃まで温めた。TLCは出発原料が消費されたことを示した。反応物を飽和NaHCO水に注いだ後、DCM(200mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=100→10/1)によって精製し、明黄色の固体(3.8g、63%)を得た。
【化118】
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【0261】
工程5.化合物40の調製。
39(3.8g、5.3mmol)のTHF(120mL)溶液に室温でAcOH(1.3g、22mmol)及びTBAF(4.2g、15.9mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。TLCは出発原料が消費されたことを示した。真空で濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(EA)によって精製し、白色固体として生成物(2.0g、95%)を得た。
【化119】
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【0262】
アミノ置換及び脱保護に関する一般的な手順:
40(350mg、0.88mmol)のジオキサン(20mL)溶液に室温で、メタノール又は対応するアミンの水溶液(ヒドロクロリドとして遊離塩基又は塩及びDIEA)を添加した。内容物を室温で1時間〜12時間撹拌した。TLCは、出発原料が消費されたことを示した。真空で濃縮した後、残留物を精製せずに次の工程で直接使用した。上で言及された残留物をメタノール(10mL)に溶解した。NaOH水(2.5N、10mL)を添加した。室温で一晩撹拌した後、TLCは出発原料が消費されたことを示した。内容物のpHを、1NのHClで7〜8に調整した。溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100→20/1)によって精製して灰白色の固体として生成物(収率:2工程に対して40%〜80%)を得た。表1は、化合物57〜化合物63の構造、及び対応する質量スペクトル、及び各化合物に対するH NMRを示す。
【0263】
【表3】
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【0264】
実施例19.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−ジメチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製
【化120】
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i)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0265】
工程1.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−ジメチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
0℃の化合物41(30mg、0.09mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、125μL、0.13mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(2mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(49mg、0.11mmol)の溶液を10分間に亘って滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物(2つのジアステレオ異性体の混合物、12mg、0.02mmol、24%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.79(s,0.45H)、7.77(s,0.55H)、7.36〜7.14(m,5H)、6.28(d,J=17.4Hz)及び6.26(d,J=17.5Hz,1H)、5.00〜4.44(m,5H)、4.23〜4.16(m,1H)、3.69〜3.81(m,1H)、3.42(bs,3H)、3.40(bs,3H)、1.32〜1.26(m,3H)、1.20〜1.15(m,6H)。31P NMR(121MHz,CDOD)δ 4.04(s)、3.98(s)。C2634FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値606.2;実測値606.2。
【0266】
実施例20.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
【化121】
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i)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0267】
工程1.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−メチルアミノ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
0℃の化合物42(30mg、0.09mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、125μL、0.13mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(2mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(49mg、0.11mmol)の溶液を10分間に亘って滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物(2つのジアステレオ異性体の混合物、9mg、0.02mmol、18%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.81,7.79(0.9s+0.1s,1H)、7.36〜7.14(m,5H)、6.26(d,J=17.4Hz,0.1H)及び6.24(d,J=17.4Hz,0.9H)、4.93〜4.89(HOと重複,m,1H)、4.80〜4.78(m,1H)、4.53〜4.49(m,2H)、4.21〜4.18(m,1H)、3.95〜3.84(m,1H)、3.23〜3.20(m,1H)、3.04(bs,1H)、1.31〜1.14(m,9H)。31P NMR(121MHz,CDOD)δ 4.06(s)、3.97(s)。C2532FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値592.2;実測値592.2。
【0268】
実施例21.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチルシクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製
【化122】
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i)イソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート、tBuMgCl、THF、0℃。
【0269】
工程1.イソプロピル((((R,S)−(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(N−メチルシクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネートの調製。
0℃の化合物43(40mg、0.11mmol)の乾燥THF(2mL)溶液に10分間に亘りtert−ブチル塩化マグネシウム(THF中1.0M、160μL、0.16mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、更に15分間室温で撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、乾燥THF(2mL)に溶解したイソプロピル((R,S)−(ペンタフルオロフェノキシ)−フェノキシ−ホスホリル)−L−アラニネート(55mg、0.12mmol)の溶液を10分間に亘って滴加した。反応混合物を0℃で30分間及び室温で18時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(5mLで3回)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0から90:10の勾配)によって精製し、白色固体として生成物(2つのジアステレオ異性体の混合物、18mg、0.03mmol、26%)を得た。
H NMR(300MHz,CDOD)δ 7.84,7.82(s+s,1H)、7.35〜7.14(m,5H)、6.30(d,J=17.4Hz)及び6.26(d,J=17.6Hz,1H)、4.99〜4.89(HOと重複,m,1H)、4.82〜4.69(m,1H)、4.59〜4.46(m,2H)、4.21(m,1H)、3.96〜3.82(m,1H)、3.24〜3.22(m,1H)、3.17〜3.11(m,1H)1.31〜1.26(m,3H)、1.20〜1.15(m,6H)、0.93〜0.89(m,2H)、0.75〜0.68(m,2H)。31P NMR(121MHz,CDOD)δ 4.06(s)、3.98(s)。C2836FNP[M+H]のMS(ESI)m/z算出値632.2;実測値632.2。
【0270】
実施例22.PPAL−Sの調製
【化123】
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【0271】
工程1.ラセミPPALの調製
フェニルジクロロホスフェート(250g)のEtOAc(800mL)撹拌溶液に−10℃にてトリエチルアミン(120g)中のイソプロピルL−アラニネート(200g)を添加した。反応物を−10℃で1時間撹拌した。トリエチルアミン(120g)及びEtOAc(400mL)中の化合物2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノール(220g)を、−5℃で添加し、その温度で0.5時間撹拌した。反応混合物を25℃まで温め、室温で2時間撹拌した。溶液を濾過し、EtOAc(200mLで2回)で洗浄し、合わせた有機相を真空下で蒸発させて固体のPPAL−RS(ラセミ体)を得た。
【0272】
工程2.PPAL−RSの調製
PPAL−RSのEtOAc(200mL)及びn−ヘプタン(1.4L)撹拌溶液にトリエチルアミン(6g)中の2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノール(10.1g)を添加し、約4時間〜8時間撹拌を継続した。固体のR異性体が0.5%未満になった後、その固体を濾過した。該固体をEtOAc(4L)に溶解し、水(100mLで2回)、ブライン(1L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を真空下で除去し、PPAL−S(350g)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=7.42〜7.40(m,2H)、7.24〜7.22(m,3H)、6.87(dd,J=14.1,9.9Hz,1H)、4.90〜4.84(m,1H)、3.94〜3.88(m,1H)、1.27(dd,J=7.1,1.1Hz,3H)、1.15(dd,J=6.2,1.2Hz,6H)ppm。13P NMR(160MHz,DMSO−d6)δ=0.37ppm。
【0273】
実施例23.PPAL−Rの調製
【化124】
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【0274】
機械撹拌機が取り付けられた三つ口丸底フラスコにフェニルジクロロホスフェート(189.6g、0.90mol)及び無水EtOAc(750mL)を添加した。溶液を窒素雰囲気下で−10℃まで冷却した。イソプロピルL−アラニネート(118g、0.90mmol)及びトリエチルアミン(100g、1.1当量)を上記溶液に添加した。EtOAc(300mL)中の2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノール(165g、1当量)及びトリエチルアミン(90.5g、1当量)の予め冷却した(10℃未満)混合物を上記混合物に−5℃にて添加漏斗により添加し、得られた混合物を20℃〜25℃の間で1時間撹拌した。白色沈澱物(TEA・HCl)を濾過して除き、EtOAcで濯いだ。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体として約280gのPPAL−RS(S/R=1/1)を得た。PPAL−RS(280g)を室温で5分間、300mLのヘプタン/EtOAc(20:1)中に粉砕した。白色懸濁液を濾過し、固体をヘプタン/EtOAc(20:1)の混合物で濯いだ。濾液を8℃に冷却し、固体を濾過によって収集した。粗PPAL−R(10g)を95%のキラル純度で得た。粗生成物を上記工程に従って精製した。PPAL−R(5g)をNLT98%のキラル純度で得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=7.43〜7.39(m,2H)、7.27〜7.22(m,3H)、6.87(dd,J=14.1,9.9Hz,1H)、4.89〜4.85(m,1H)、3.95〜3.90(m,1H)、1.27(dd,J=7.1,1.1Hz,3H)、1.14(dd,J=6.2,1.2Hz,6H)。13P NMR(160MHz,DMSO−d)δ=0.35。
【0275】
実施例24:化合物52の調製。
【化125】
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【0276】
工程1.化合物49の調製。
48(1.81g、3.23mmol)のジオキサン(18mL)溶液に40%のCHNH水溶液(16.2mmol)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOAc(50mL)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し濃縮して白色固体49(1.66g、92%)を得た。
【化126】
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【0277】
工程2.化合物50の調製。
49(1.34g、2.42mmol)及び1−メチルイミダゾール(794mg、9.68mmol)のDCM(14mL)溶液に0℃でペンチルクロロホルメート(547mg、3.63mmol)をゆっくりと添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1から2:1)によって精製して、白色固体として50(1.01g、62%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO)δ 7.96(s,1H)、6.73(s,1H)、6.06〜6.10(d,J=16.0Hz,1H)、4.09〜4.30(m,2H)、3.97〜4.09(m,4H)、3.28(s,3H)、1.39〜1.46(m,2H)、1.0〜1.2(m,35H)、0.73〜0.76(t,J=8.0Hz,3H)。
【化127】
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【0278】
工程3.化合物51の調製。
50(1.00g、1.5mmol)のTHF(11mL)溶液に0℃でEtN(2.0mL、15mmol)及びEtN.3HF(1.21g、7.5mmol)を添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=50:1)によって精製して、白色粉体として75(460mg、72.2%)を得た。
【化128】
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【0279】
工程4.化合物52の調製。
51(460mg、1.08mmol)及びPPAL−S(538mg、1.19mmol)の無水THF(9mL)溶液に、N下で5℃〜10℃にてt−BuMgCl(2.27mmol)をゆっくりと添加した。反応物を室温で40分間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、5%KCO水溶液及びブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=15:1)によって精製し、白色粉体として52(280mg、37.3%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.12(s,1H)、7.34〜7.38(m,2H)、7.18〜7.23(m,3H)、6.74(s,2H)、6.11〜6.16(d,J=16.0Hz,1H)、5.99〜6.05(m,1H)、5.84(m,1H)、4.77〜4.81(m,1H)、4.30〜4.41(m,3H)、4.03〜4.11(m,3H)、3.78〜3.80(m,1H)、3.3(s,3H)、1.44〜1.51(m,2H)、1.00〜1.21(m,16H)、0.76〜0.80(t,J=8.0Hz,3H)。[M+H]=696.6。
【0280】
実施例25:化合物56の調製。
【化129】
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【0281】
工程1.化合物48の調製。
23(600mg、1当量)のピリジン(30mL)溶液に0℃にてTIPDSCl(1.5当量)を添加した。得られた溶液を室温で2時間放置した。混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を1MのHCl水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水、及び飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗残留物を得た。残留物をクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=1:50)によって精製し、白色固体の泡として48(998mg、94.4%)を得た。
【化130】
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【0282】
工程2.化合物53の調製。
DCM(20mL)中の48(800mg、1当量)、ピリジン(3.2mL)、DMAP(34.9mg、0.2当量)の混合物を室温で撹拌した。N−アミルクロロホルメート(3.2mL)を0℃で滴加し、混合物を室温で1日撹拌した。有機層を1MのHCl水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水、及び飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で蒸発させた。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=1:50)によって精製し、白色固体の泡として53(255mg、26%)を得た。
【化131】
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【0283】
工程3.化合物54の調製。
53(270mg、1当量)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液に、40%のCHNH水溶液(225.7mg、5当量)を滴加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:40)に供し、白色固体の泡として54(220mg、81.7%)を得た。
【化132】
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【0284】
工程4.化合物55の調製。
トリエチルアミン(1011.9mg、10当量)及びEtN・3HF(806.05mg、5当量)を、54(668mg、1当量)のTHF(10mL)氷冷溶液に添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=1:30)に供し、白色固体の泡として55(492mg、84%)を得た。
【化133】
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【0285】
工程5.化合物56の調製。
THF(4mL)中の55(113mg、1当量)及びPPAL−S(120mg、1当量)の混合物に−10℃でTHF(0.327mL、2.1当量)中の1.7Mのt−BuMgClを滴加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、飽和NHCl水溶液でクエンチした。水相をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して粗残留物を得た。残留物をフラッシュクロマトグラフィーに供し、白色固体として56(126mg、68.5%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.00(s,1H)、7.10〜7.45(m,5H)、6.15〜6.20(d,J=20.0Hz,1H)、5.00〜5.25(s,1H)、4.80〜4.86(m,1H)、4.45〜4.70(m,2H)、4.12〜4.19(m,3H)、3.80〜3.85(m,1H)、3.04(s,3H)、1.60〜1.75(m,2H)、1.10〜1.40(m,16H)、0.76〜0.80(t,J=8.0Hz,3H)。
31P NMR(160MHz,DMSO)δ 3.57.[M+H]=696.5。
【0286】
実施例26:化合物60の調製。
【化134】
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【0287】
工程1.化合物57の調製。
6(20g、1当量)のCHCN(100mL)溶液に5±5℃で順にイミダゾール(16.6g)、TIPDSCl(28.9g、1.5当量)を添加した。得られた溶液を室温で4時間放置した。混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和重炭酸ナトリウム水、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗残留物(32g)を得た。
【化135】
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【0288】
工程2.化合物58の調製。
57(9.8g、1当量)のTHF(4mL)溶液に、THF(50mL、4.8当量)中の1.7Mのt−BuMgClを0℃〜5℃で滴加した。混合物を室温で0.5時間撹拌し、n−アミルクロロホルメート(2.7g、1.05当量)をゆっくりと添加した。混合物を0℃〜5℃で3時間〜4時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチした。水相をEtOAc(200mL)で抽出し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して油として58(10.7g)を得た。
【化136】
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【0289】
工程3.化合物59の調製。
トリエチルアミン(10.119g)及びEtN・3HF(8.6g、5当量)を、58(7.3g、1当量)のTHF(100mL)氷冷溶液に添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=1:30)に供して白色固体として59(4.3g、91%)を得た。
【化137】
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【0290】
工程4.化合物60の調製。
THF(40mL)中の59(2g、1当量)及びPPAL−S(2.3g、1.1当量)の混合物に−5℃でTHF(5.6mL、2.1当量)中の1.7Mのt−BuMgClを滴加した。混合物を−20±5℃で1時間撹拌した後、飽和NHCl水溶液でクエンチした。水相をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して粗残留物を得た。残留物をフラッシュクロマトグラフィーに供し、白色固体として60(1.5g、47%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.9(s,1H)、7.1〜7.2(m,5H)、6.2(d,J=20Hz,1H)、5.1(br,1H)、4.84(m,1H)、4.49(m,,2H)、4.16(m,1H)、4.13(m,2H)、3.86(m,1H)、3.45(br,6H)、1.70(m,2H)、1.26(m,4H)、1.20(m,6H)、1.14(m,6H)、0.93(m,3H)。[M+H]=710.5。
【0291】
生物学的データ
実施例27.アッセイ方法論及び追加の生物学的データ
抗ウイルス効力(EC50)及び細胞毒性(TC50)の並行決定のため、ジシストロニックなHCV遺伝子型1bルシフェラーゼレポーターレプリコンを持つHuh−7 luc/neo ET細胞を、2連の96ウェルプレートに7.5×10細胞/mlで蒔いた。プレートを化合物の添加に先立って24時間培養した。被験物質の連続する6つの3.2倍(one half log:1/2log)希釈系列(100.0μMの高試験濃度又は1.0μMの高試験濃度)、及びヒトインターフェロン−アルファ2b(高試験10.0U/ml)を細胞培養培地中に用意し、各希釈について3連のウェルで培養した細胞に添加した。試験プレート中6個のウェルは、処理していない対照として培地のみを加えた。化合物の存在下での72時間の培養の後、XTTで染色することによる細胞毒性の判定のためプレートの1つを使用し、その他をルシフェラーゼレポーター活性の判定による抗ウイルス効力に対し使用した。TC50及びEC50の値を決定するため、細胞毒性及び効力のデータを収集し、カスタマイズしたExcelワークブックに取り込んだ。式I〜式VIIの化合物に対するデータを下記表7に示す。さらに、図2は、化合物5−2及びソホスブビルに対するHCV複製阻害曲線を示す。図2からわかるように、化合物5−2はEC50=4nMを有するのに対し、ソホスブビルはEC50=53nMを有する。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。図3は、化合物25及びソホスブビルに対するHCV複製阻害曲線を示す。化合物25はEC50=4nMを有し、ソホスブビルはEC50=53nMを有する。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。図4は、化合物5−2、化合物25、化合物27及びソホスブビルに対する抗HCV活性のアッセイ内比較を示す。y軸はウイルス対照に対するパーセントであり、x軸はμM単位の薬物の濃度である。
【0292】
野生型及び抵抗性に関連する変異体を含む様々な患者に由来するHCV遺伝子型を使用して、試験化合物に対するそれらの相対的な複製感受性を判定した。HCV患者の血漿から単離したウイルスRNAを使用して、NS5Bゲノム領域を含むレプリコン耐性試験ベクター(RTV)を用意した。NS5B領域をそれぞれ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅し、HCVレプリコンRTVへクローニングした後、Huh−7細胞中への電気穿孔によって移された。段階希釈した試験化合物がない状態及びその存在下での72時間〜96時間のインキュベーションの後に、ウイルス複製をルシフェラーゼ活性によって測定し、50%阻害濃度(IC50値)を決定した。
【0293】
表2は、野生型、及び抵抗性に関連する変異体を含む様々な臨床分離株に対する、化合物25、化合物27、化合物5−2及びソホスブビルに対するIC50及びIC95の値を報告する。
【0294】
全ての化合物は、ソホスブビルよりもHCV複製に対して著しく有効であり、25、27、及び5−2の化合物はいずれも、L159F、L159F、S282T、及びC316Nの突然変異体に対する交差耐性の何らの証拠も示さなかった。
【0295】
【表4】
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【0296】
試験化合物に対するHCVの野生型S282T突然変異体の感受性を判定するため、一過性トランスフェクトアッセイを行った。Huh−7細胞を、T7プロモーターから、野生型又はS282TのHCVレプリコンプラスミドから転写されたRNAの存在下で電気穿孔した。トランスフェクトした細胞を、ダルベッコ変法イーグル培地中、1ウェル当たり7.5×10細胞で96ウェルプレートに蒔いた。24時間のインキュベーションの後、培地を除去して、試験化合物を含まない、又は様々な濃度の試験化合物を含む新しい培地で置き換えた。更に96時間のインキュベーションの後、Britelite(商標)Plusルミネセンスレポーター遺伝子キット(コネチカット州シェルトンのPerkin Elmer)を用いてルシフェラーゼエンドポイントにより抗HCV活性を測定した。2連のプレートを処理し、テトラゾリウム色素XTTによって染色することによる細胞毒性の評価のため並行してインキュベートした。
【0297】
表3は、HCV野生型及びS282Tレプリコンに対する、化合物25、化合物27、化合物5−2及びソホスブビルに対するIC50及びIC95の値を報告する。
【0298】
全ての化合物はソホスブビルよりもHCV複製に対して著しく有効であり、25、27、又は5−2の化合物はいずれもS282T変異体に対する交差耐性の証拠を何ら示さなかった。
【0299】
【表5】
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【0300】
新鮮なヒト全血、及びヒト肝臓S9画分中の選択された化合物の安定性を、10μMの試験化合物を含むインキュベーションにおいて判定した。0分、30分及び60分、及び最長120分間のインキュベーションの後、アリコートを取り出し、直ちに3容量の氷冷メタノール/アセトニトリル(1:1、体積/体積)で抽出した。抽出物を遠心分離機にかけ、変化していない試験化合物及び可能性のある代謝産物の濃度についてLC−MS/MSにより上清を分析した。
【0301】
図5は、ヒト血液中の化合物5−2及び全ての2−アミノ誘導体の優れた安定性を示す。
【0302】
興味深いことに、図6は、ヒト肝臓S9画分による、2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートの2’−デオキシ−2’−αーフルオロ−2’−β−メチル−N−メチル−2,6−ジアミノプリンヌクレオシドホスホルアミデートへのin vitroでの経時的な脱アルキル化を示す。さらに、化合物5−2及びその他の2−アミノ誘導体と比較して、予期されていない、より速くより広範囲な比率のヒト肝臓S9画分によるカルバメート部分の開裂が観察された(図7)。
【0303】
実施例28.HCV(gt1b)NS5Bポリメラーゼアッセイ
HCV(gt1b)NS5Bポリメラーゼの阻害を、希釈系列のTA、HCV(−)鎖3’UTR領域に相補的なin vitroで転写されたウイルスRNA、ポリメラーゼ、放射性同位体識別リボヌクレオチド、250μMの非競合rNTP、及び1μMの競合rNTPを含む反応混合物中におけるde novo重合を測定することにより、3回繰り返して判定した。50%阻害(IC50)をもたらしたTA濃度を、得られた阻害曲線から決定した。
【0304】
実施例29.ヒト骨髄始原細胞アッセイ
新鮮なヒト骨髄始原細胞(Invitrogen)を、BFU−E又はGM−CSFに特異的な培養培地のいずれかに懸濁し、6ウェルプレート中、三連のTAの希釈系列に対して10細胞/ウェルで添加した。14日間のインキュベーションの後、CC50値を決定するためにコロニー数を使用した。BFU−Eコロニーをベンジジン技術を使用して確認した。
【0305】
化合物25、化合物27及び化合物5−2は、骨髄幹細胞に対してin vitroで細胞毒性を示さない。
【0306】
実施例30.iPS心筋細胞アッセイ
iPS心筋細胞(Cellular Dynamics)を1ウェル当たり1.5×10細胞でマイクロリットルプレートに蒔いた。48時間のインキュベーションの後、細胞を洗浄し、段階希釈したTAを含む維持培地を3連で添加した。更に3日間インキュベートした後、細胞の生存率をXTTで染色することにより測定し、CC50値を計算した。
【0307】
化合物25、化合物27及び化合物5−2は、in vitroにおいてiPS心筋細胞に対して細胞毒性を示さない。
【0308】
実施例31.ヒトDNAポリメラーゼアッセイ
ヒトDNAポリメラーゼα、β及びγ(CHIMERx)の阻害を、段階希釈したTA、0.05mM dCTP、dTTP、及びdATP、10μCi[32P]−α−dGTP(800Ci/mmol)、20μgの活性化仔ウシ胸腺DNA及び各ポリメラーゼに対して特異的な追加の試薬の反応混合物中において3回繰り返して判定した。30分間のインキュベーションの後、[α−32P]−GTPの組み込みを測定し、得られたインキュベーション曲線を、IC50値を計算するために使用した。
【0309】
トリホスフェートであるβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチルグアニントリホスフェートだけでなく、化合物25、化合物27、及び化合物5−2のトリホスフェートアナログも、ヒトDNAポリメラーゼα、β又はγを阻害しない。
【0310】
実施例32.ヒト肝細胞共培養物
Hepregenによって確立された手順に従い、マイクロタイタープレート中に凍結保存された雌性ヒト肝細胞(単一のドナー)及び3T3 J2マウス線維芽細胞を蒔いて作製した、マイクロパターン化ヒト肝細胞共培養物(HepatoPac(商標)、Hepregen Corporation)におけるALT漏出、尿素産生、アルブミン分泌及び細胞ATPの含有量の測定を3回繰り返して、細胞毒性及び肝細胞の健康を評価した。培養培地を、TA、試験物質(0μM、1μM、10μM又は30μM)を含む新鮮な培地で16日間に亘り2日又は3日毎に交換した。ALT及び尿素含有量について2日目、5日目、7日目、9日目、12日目、16日目及び21日目に、またアルブミン含有量については2日目、5日目、7日目及び9日目に使用済み培養培地をアッセイした。細胞ATPレベルを9日目及び21日目に測定した。間質細胞のみ(stromal-only)の対照培養物(ネズミ科3T3線維芽細胞)中のATPシグナルをヒトHepatoPac共培養物のものから引いて、肝細胞特異的な効果を得た。下記表4、表5及び表6を参照されたい。
【0311】
最大30μMの濃度の化合物5−2は、マイクロパターン化共培養ヒト肝細胞で最長12日間インキュベートした場合に、ALT漏出、アルブミン分泌、尿素産生及び細胞ATPの含有量によって測定される細胞毒性の徴候を示さなかった。延長曝露(最長21日の培養)で検出された細胞毒性のわずかな兆候は、ソホスブビルで観察されたものよりも著しく下回った。下記表4、表5及び表6を参照されたい。
【0312】
INX−189は、ヒト共培養肝細胞に対して細胞毒性が高く、全ての測定によって、早くも2日目にアルブミン分泌の減少及び細胞毒性を示した。ソホスブビルは、同じ条件下でAT−511よりも高い細胞毒性を示した。
【0313】
【表6】
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【0314】
【表7】
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【0315】
【表8】
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【0316】
実施例33.代謝研究
化合物25、化合物27及び化合物5−2の代謝を、10μMの濃度で、ヒト、イヌ及びマウスの肝細胞の新鮮な初代培養物において調査した。マトリゲルを上塗りした6ウェルプレートに播種した、ヒト(XenoTech、性別混合、10名のドナーより収集)、雄性ビーグル犬(BioreclamationIVT)、及び雄性ICR/CD−1マウス(BioreclamationIVT、8匹のドナー)に由来する肝細胞を、10μM TAと共に、シングレット(singlet)でインキュベートした。2時間、4時間、6時間、8時間又は24時間の後に、ヌクレオチドプロドラッグ、及びそれらの可能性のある代謝産物(プロドラッグ、モノホスフェート、トリホスフェート及びヌクレオシド)の細胞内レベルを、LC−MS/MSによって定量した。定量限界を下回る濃度(プロドラッグ、モノホスフェート及びヌクレオシドについて1.5pmol/10細胞、並びにトリホスフェートに対して12pmol/10細胞)を標準曲線から推定した。
【0317】
化合物β−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニントリホスフェートは、培養ヒト肝細胞で観察される化合物25、化合物27及び化合物5−2の主な代謝産物であり、0.15μMのIC50を有する、HCV(gt1b)NS5Bポリメラーゼの強力な阻害剤である。
【0318】
図8は、ヒト肝細胞において主な化合物25の代謝産物を示す。
【0319】
図9は、ヒト肝細胞において主な化合物27の代謝産物を示す。
【0320】
図10は、ヒト肝細胞において主な化合物5−2の代謝産物を示す。
【0321】
図11は、化合物25、化合物27及び化合物5−2に対する活性化経路を示す。図からわかるように、化合物25、化合物27及び化合物5−2は、それらの対応するモノホスフェートアナログに変換された後、共通のMPアナログ、すなわちβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニンモノホスフェート(化合物61)へと代謝される。その後、モノホスフェートは、活性なトリホスフェート、すなわちβ−D−2’−デオキシ−2’−α−フルオロ−2’−β−メチル−グアニントリホスフェート(化合物62)へと段階的にリン酸化される。
【0322】
実施例34.対照
INX−189(INX−08189/BMS−986094)及びソホスブビルを上記実施例において対照として使用した。
【0323】
2つの最も強力なヌクレオチドプロドラッグ、化合物25及び化合物27は、Huh−7細胞、ヒト骨髄幹細胞及びヒト心筋細胞において100μM超のCC50値と共に、優れた選択性を実証した。全ての宿主細胞株において、ヒトDNAポリメラーゼα、β又はγの阻害、他のRNAウイルス又はDNAウイルスに対する活性、及び毒性は最大100μMの濃度まで観察されなかった。
【0324】
表7は、EC50/EC95(μM)及びCC50(μM)の結果と共に、HCVレプリコンアッセイで試験した化合物を説明する表である。
【0325】
【表9】
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【0326】
本明細書に記載されるβ−D−2’−D−2’−α−フルオロ−2’−β−C−置換−2−修飾−N−置換プリンヌクレオチドは、HCVウイルスに対して顕著な活性を示す。本発明による化合物を、よく知られており文献で見られる従来のアッセイを使用して、所望の相対活性についてアッセイする。
【0327】
例えば、上記化合物の抗HCV活性及び細胞毒性は、Huh7 ET細胞におけるHCVサブゲノムRNAレプリコンアッセイシステムで測定されてもよい。(Korba, et al., Antiviral Research 2008, 77, 56を参照されたい)。結果は、陽性対照、2’−C−Meシトシン{2’−C−Me−C}(Pierra, et al., Journal of Medicinal Chemistry 2006, 49, 6614.)と比較して要約することができる。
【0328】
抗C型肝炎ウイルス活性に対する別のin−vitroのアッセイは、Stuyver, et al.による米国特許であり、更にPharmasset, Inc.に譲渡された米国特許第7,718,790号に記載される。
【0329】
本明細書は、本発明の実施形態を参照して記載される。本明細書における教示により、当業者は、所望の目的に対して本発明を修正することができ、かかる変形は本発明の範囲に含まれるものとされる。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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