(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記自発光感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤および添加剤よりなる群から選択される一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の自発光感光性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0022】
本発明において任意の部分が或る構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0023】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0024】
<自発光感光性樹脂組成物>
本発明の一様態による自発光感光性樹脂組成物は、蛍光染料および顔料を含むことにより、別途のカラーフィルタ層なしに、蛍光効率に優れていて、色変換層の単一層だけでも既存のカラーフィルタ層および色変換層の役割を同時に行うカラーフィルタおよび画像表示装置を製作し得るという利点がある。また、これを利用してカラーフィルタおよび画像表示装置を製作する時、別途のカラーフィルタ層を構成するための工程の過程が不必要なので、全体的な工程の過程を簡略化して、工程時間を短縮し得るという利点がある。
【0025】
蛍光染料
本発明の一様態による自発光感光性樹脂組成物は、蛍光染料を含む。この際、前記蛍光染料は、所定の波長の範囲を有する入射光内における特定の波長領域の光を可視光に変換させることができ、蛍光特性を有するものであれば、本発明において限定せずに、必要に応じていずれでも使用可能である。本発明の一実施形態によると、前記蛍光染料は、その発光波長の範囲が520〜750nmであってもよい。
【0026】
具体的に前記蛍光染料は、クマリン系、ナフタルイミド系、キナクリドン系、シアニン系、キサンチン系、ピリジン系、低分子発光材料および高分子発光材料よりなる群から選択される1種以上であってもよく、520〜750nmの発光波長の範囲を有する蛍光染料としては、シアニン系、キサンチン系、ピリジン系、低分子発光材料および高分子発光材料よりなる群から選択される一つ以上が使用できるが、これに限らない。
【0027】
前記蛍光染料は、より具体的に3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、およびクマリン135などを含むクマリン系蛍光染料;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44などを含むナフタルイミド系蛍光染料;ジエチルキナクリドン(DEQ)等のキナクリドン系蛍光染料;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1(I))、DCM−2(II)、DCJTB(III)等を含むシアニン系蛍光染料;ローダミンB、およびローダミン6G等を含むキサンチン系蛍光染料;ピリジン1を含むピリジン系蛍光染料;4、4−ジフルオロ−1、3、5、7−テトラフェニル−4−ボラ−3a、4a−ジアザ−s−インダセン(IV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(V)等の低分子発光材料;およびポリフェニレン、ポリアリーレン、ポリフルオレン等を含む高分子発光材料;よりなる群から選択される1種以上であってもよく、520〜750nmの発光波長の範囲を有する蛍光染料としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1(I))、DCM−2(II)、DCJTB(III)等を含むシアニン系蛍光染料;ローダミンB、およびローダミン6G等を含むキサンチン系蛍光染料;ピリジン1を含むピリジン系蛍光染料;4、4−ジフルオロ−1、3、5、7−テトラフェニル−4−ボラ−3a、4a−ジアザ−s−インダセン(IV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(V)等の低分子発光材料;およびポリフェニレン、ポリアリーレン、ポリフルオレン等を含む高分子発光材料;よりなる群から選択される1種以上が使用できるが、これに限らない。
【0028】
好ましくは、前記蛍光染料としてクマリン系蛍光染料が使用できるが、その他、別の蛍光染料と共に使用する場合、青色光から赤色光への変換のような波長シフトの幅が広い場合にかなり有効に使用できる。
【0029】
また、前記蛍光染料は、カラーインデックス[The Society of Dyers and Colourists出版]でソルベント(Solvent)、アシッド(Acid)、ベーシック(Basic)、リアクティブ(reactive)、ダイレクト(Direct)、ディスパルス(Disperse)またはバット(Vat)に分類されている染料などが挙げられる。より具体的には、下記のようなカラーインテックス(C.I.)番号の染料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C.I.ソルベントイエロー25、79、81、82、83、89;
C.I.アシッドイエロー7、23、25、42、65、76;
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.ダイレクトイエロー4、28、44、86、132;
C.I.ディスパルスイエロー54、76;
C.I.ソルベントオレンジ41、54、56、99;
C.I.アシッドオレンジ56、74、95、108、149、162;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26;
C.I.ソルベントレッド24、49、90、91、118、119、122、124、125、127、130、132、160、218;
C.I.アシッドレッド73、91、92、97、138、151、211、274、289;
C.I.アシッドバイオレット102;
C.I.ソルベントグリーン1、5;
C.I.アシッドグリーン3、5、9、25、28;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1
【0030】
本発明の一実施形態によると、前記蛍光染料は、自発光感光性樹脂組成物全体100重量%に対して、0.1〜70重量%、好ましくは1〜40重量%で含まれ得る。前記蛍光染料の含量が前記範囲未満であれば、光効率を確保しないため、本発明で得ようとする色変換特性を十分に確保できず、前記範囲を超過する場合、蛍光染料の含量に比べて光効率の向上効果が十分でないため、色変換フィルターの製作費用が増加する問題が発生し得る。
【0031】
顔料
本発明の一様態による自発光感光性樹脂組成物は、顔料を含む。
【0032】
前記顔料は、当該分野において一般的に使用される有機顔料または無機顔料をユーザの目的に応じてその種類の制限なしに、共に使用される蛍光染料との多様な組合せで使用できる。
【0033】
前記顔料は、印刷インク、インクジェットインクなどに使用される各種の顔料が使用でき、具体的には、水溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアントラキノニル顔料、アントラピリミジン顔料、アンタントロン顔料、インダントロン顔料、フラバントロン顔料、ピラントロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などが挙げられる。前記無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩などの金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン、カーボンブラックなどの金属の酸化物または複合金属酸化物などが挙げられる。特に、前記有機顔料および無機顔料としては、具体的に色指数(The society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられ、より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0034】
C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、63、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、180、185、194、214;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、41、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、208、209、215、216、224、242、254、255、264、265;
C.I.ピグメントバイオレット1、14、19、23、29、32、33、36、37、38;
C.I.ピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6等)、21、28、60、64、76;
C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36、47、58、59、62、63;
C.Iピグメントブラウン23、25、28;
C.Iピグメントブラック1、7;など
【0035】
前記例示されたC.I.ピグメント顔料のうちでも、具体的にC.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59から選択される顔料が使用できる。
【0036】
本発明の一実施形態によると、前記顔料は、具体的に最大吸収波長が380〜500nmであってもよい。
【0037】
より具体的に前記最大吸収波長が380〜500nmである顔料は、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、63、83、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等が挙げられるが、その他、前記最大吸収波長の範囲を満たす顔料であれば、特別な制限なしに使用できる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、前記顔料は、共に含まれる蛍光染料全体100重量部に対して、0.1〜70重量部、好ましくは1〜40重量部で含まれてもよい。前記顔料および染料の含量が前記範囲内で含まれる場合、優れた蛍光効率の色変換層を提供し得るという利点がある。
【0039】
前記顔料は、その粒径が均一に分散した顔料分散液の形態で使用され得る。顔料の粒径を均一に分散させるための方法の一例として、分散剤および溶媒を含有させて分散処理する方法などが挙げられ、この方法によると、顔料が溶液中に均一に分散した状態の顔料分散組成物が得られる。この際、前記溶媒は、前述した本発明の溶媒であってもよい。
【0040】
前記分散剤は、前記不溶性着色剤の脱凝集および安定性の維持のために添加されるものであって、当該分野において一般的に使用されるものを制限なしに使用できる。具体的にカチオン系、アニオン系、非イオン系、陽性、ポリエステル系、ポリアミン系などの界面活性剤などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0041】
前記分散剤の市販品としては、例えば、BYK社のDISPER BYK−101、DISPER BYK−103、DISPER BYK−107、DISPER BYK−108、DISPER BYK−110、DISPER BYK−111、DISPER BYK−112、DISPER BYK−116、DISPER BYK−130、DISPER BYK−140、DISPER BYK−142、DISPER BYK−154、DISPER BYK−161、DISPER BYK−162、DISPER BYK−163、DISPER BYK−164、DISPER BYK−165、DISPER BYK−166、DISPER BYK−167、DISPER BYK−168、DISPER BYK−170、DISPER BYK−171、DISPER BYK−174、DISPER BYK−180、DISPER BYK−181、DISPER BYK−182、DISPER BYK−183、DISPER BYK−184、DISPER BYK−185、DISPER BYK−190、DISPER BYK−2000、DISPER BYK−2001、DISPER BYK−2009、DISPER BYK−2010、DISPER BYK−2020、DISPER BYK−2025、DISPER BYK−2050、DISPER BYK−2070、DISPER BYK−2095、DISPER BYK−2150、DISPER BYK−2155、DISPER BYK−2163、DISPER BYK−2164等が挙げられ、Lubrizol社のSOLSPERSE−3000、SOLSPERSE−9000、SOLSPERSE−13000、SOLSPERSE−13240、SOLSPERSE−13650、SOLSPERSE−13940、SOLSPERSE−16000、SOLSPERSE−17000、SOLSPERSE−18000、SOLSPERSE−20000、SOLSPERSE−21000、SOLSPERSE−24000、SOLSPERSE−26000、SOLSPERSE−27000、SOLSPERSE−28000、SOLSPERSE−31845、SOLSPERSE−32000、SOLSPERSE−32500、SOLSPERSE−32550、SOLSPERSE−33500、SOLSPERSE−32600、SOLSPERSE−34750、SOLSPERSE−35100、SOLSPERSE−36600、SOLSPERSE−38500、SOLSPERSE−41000、SOLSPERSE−41090、SOLSPERSE−53095、SOLSPERSE−55000、SOLSPERSE−56000、SOLSPERSE−76500等が挙げられる。
【0042】
これらは、それぞれ単独でまたは2種以上が混合されて使用され得、具体的に酸性官能基を有する分散剤である、DISPERSE BYK−2000、DISPERSE BYK−2001、SOLSPERSE−3000、SOLSPERSE−21000、SOLSPERSE−26000、SOLSPERSE−36600およびSOLSPERSE−4000よりなる群から選択される一つ以上が使用できる。
【0043】
前記分散剤は、前記着色感光性樹脂組成物内に共に含まれる不溶性着色剤の固形分100重量部に対し、5〜60重量部、具体的に15〜50重量部で含まれ得る。前記分散剤の含量が前記範囲を超過する場合、これを含む着色感光性樹脂組成物の粘度が高くなり得、前記範囲未満で含まれる場合、共に含まれる不溶性着色剤の微粒化が困難であったり、分散後にゲル化などの問題が発生し得る。
【0044】
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤および添加剤よりなる群から選択される一つ以上をさらに含むことができる。
【0045】
アルカリ可溶性樹脂
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂をさらに含むことができる。
【0046】
前記アルカリ可溶性樹脂は、通常、光や熱の作用による反応性およびアルカリ溶解性を有し、着色材料(蛍光染料、顔料など)の分散媒として作用する。前記アルカリ可溶性樹脂は、本発明の自発光感光性樹脂組成物に含まれる着色材料(蛍光染料、顔料など)に対する結合剤樹脂として作用し、カラーフィルタの製作のための現像段階で使用されるアルカリ性現像液に溶解可能なものであれば、制限なしに使用できる。
【0047】
具体的に、前記アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基含有不飽和単量体の重合体、またはこれと共重合可能な不飽和結合を有する単量体との共重合体およびこれらの組合せよりなる群から選択された1種以上を含むことができる。
【0048】
この際、前記カルボキシル基含有不飽和単量体は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などが可能である。具体的に、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、シンナム酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、酸無水物であってもよく、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルであってもよく、例えばコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等が挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0049】
また、前記カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合可能な単量体は、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、カルボン酸ビニルエステル化合物、不飽和エーテル類化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和イミド類化合物、脂肪族共役ジエン類化合物、分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体、バルキー性単量体およびこれらの組合せよりなる群から選択された1種が可能である。
【0050】
より具体的に前記共重合可能な単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエチルメタクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;マレイミド、ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド化合物;1、3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;およびポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類;比誘電率の値を低くすることができるノルボニル骨格を有する単量体、アダマンタン骨格を有する単量体、ロジン骨格を有する単量体などのバルキー性単量体が使用可能である。
【0051】
前記アルカリ可溶性樹脂は、20〜200(KOHmg/g)の酸価を有するものを選定して使用できる。前記「酸価」とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、溶解性に関与し、通常、水酸化カリウム水溶液を使用して滴定することにより求められる。前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が前記範囲を満たす場合、現像液中の溶解性が向上して、非露出部が簡単に溶解され、感度が増加し、その結果として、露出部のパターンが現像時に残っていて、残膜率(film remaining ratio)を改善し得るという利点がある。
【0052】
前記アルカリ可溶性樹脂に対してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフランを溶出溶剤とする)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「重量平均分子量」という)が3,000〜200,000、好ましくは5,000〜100,000であることが好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が前記範囲を満たす場合、残膜率を改善し得、現像液中の非露出部の溶解性に顕著に優れ、解像度を向上させることができるという利点がある。
【0053】
前記アルカリ可溶性樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.5〜6.0であってもよく、好ましくは1.8〜4.0であってもよい。前記分子量分布が前記範囲を満たす場合、現像性が向上するという利点がある。
【0054】
前記アルカリ可溶性樹脂は、これを含む自発光感光性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して、5〜85重量%、好ましくは10〜70重量%で含まれ得る。
前記アルカリ可溶性樹脂の含量が前記範囲を満たす場合、現像液への溶解性が十分であるため、非画素部分の基板上に現像残渣の発生を抑制し得、現像時に露光部の画素の部分の膜減少が発生することを防止して、非画素部分の脱落性が良好であるという利点がある。
【0055】
光重合性化合物
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、光重合性化合物をさらに含むことができる。
【0056】
本発明の自発光感光性樹脂組成物に含有される光重合性化合物は、光および後述する光重合開始剤の作用により重合し得る化合物であって、単官能単量体、二官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられる。
【0057】
前記単官能単量体の種類は、特に限定されず、例えばノニルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0058】
前記二官能単量体の種類は、特に限定されず、例えば、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0059】
前記多官能単量体の種類は、特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち二官能以上の多官能単量体が好適に使用される。
【0060】
前記光重合性化合物は、これを含む自発光感光性樹脂組成物のうち固形分全体100重量%に対して5〜50重量%、具体的に7〜45重量%で含まれ得る。前記光重合性化合物が前記範囲内で含まれる場合、画素部の強度や平滑性が良好になる利点がある。すなわち、前記光重合性化合物が前記範囲の未満で含まれる場合、画素部の強度が多少低下し得、前記光重合性化合物が前記範囲を超過して含まれる場合、平滑性が多少低下し得るので、前記範囲内で含まれることが好ましい。
【0061】
光重合開始剤
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、光重合開始剤をさらに含むことができる。
【0062】
前記光重合開始剤は、重合特性、開始効率、吸収波長、入手性、価格などの観点から、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム化合物およびチオキサントン系化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物を使用することが好ましい。
【0063】
前記アセトフェノン系化合物の具体的な例としては、ジエトキシアラトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。
【0064】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3、3’、4、4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2、4、6−トリメチルベンゾフェノンなどがある。
【0065】
前記トリアジン系化合物の具体的な例としては、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3、4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1、3、5−トリアジンなどが挙げられる。
【0066】
前記ビイミダゾール系化合物の具体的な例としては、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2、2−ビス(2、6−ジクロロフェニル)−4、4’5、5’−テトラフェニル−1、2’−ビイミダゾールまたは4、4’、5、5’位置のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物などが挙げられる。これらのうち、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2−ビス(2、6−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニル−1、2’−ビイミダゾールが好適に使用される。
【0067】
前記オキシム化合物の具体的な例としては、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられ、市販品としてバスフ社のIrgacure OXE01、OXE02が代表的である。
【0068】
前記チオキサントン系化合物としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどがある。
【0069】
前記光重合開始剤は、自発光感光性樹脂組成物の固形分全体100重量%に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%で含まれ得る。前記光重合開始剤が前記範囲内で含まれる場合、前記自発光感光性樹脂組成物が高感度化して露光時間が短縮されるので、生産性が向上し、高い解像度を維持できるため、好ましい。また、本発明による自発光感光性樹脂組成物を使用して形成した画素部の強度と前記画素部の表面における平滑性が良好になる利点がある。
【0070】
前記光重合開始剤は、本発明に自発光感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤をさらに含むことができる。前記光重合開始補助剤が含まれる場合、感度がさらに高くなって、生産性が向上するという利点がある。
【0071】
前記光重合開始補助剤は、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール基を有する有機硫黄化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物が好適に使用されるが、これに限らない。
【0072】
前記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物を使用することが好ましく、具体的には、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N、N−ジメチルパラトルイジン、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが使用できる。
【0073】
前記カルボン酸化合物は、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的にフェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などが挙げられる。
【0074】
前記チオール基を有する有機硫黄化合物の具体的な例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、1、4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1、3、5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1、3、5−トリアジン−2、4、6(1H、3H、5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
【0075】
前記光重合開始補助剤の市販品としては、例えば、商品名EAB−F(保土谷化学工業株式会社)等が挙げられ、前記光重合開始補助剤は、本発明の範囲を外れない範囲で適切に追加して使用できる。
【0076】
前記光重合開始補助剤の含量は、共に含まれる光重合開始剤1モル当たり10モル以下、好ましくは0.01〜5モルであってもよい。前記光重合開始補助剤が前記含量の範囲内で含まれる場合、これを含む自発光感光性樹脂組成物の感度が向上し、前記自発光感光性樹脂組成物を利用して製造されるカラーフィルタの生産性が向上するという利点がある。
【0077】
溶剤
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、溶剤をさらに含むことができる。
【0078】
前記溶剤は、特に限定されず、当該分野において通常使用される有機溶剤が使用ができる。
【0079】
前記溶剤は、具体的にエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセルロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルコキシアルキルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
【0080】
前記溶剤は、塗布性および乾燥性の観点から、好ましくは前記溶剤のうち沸点が100℃〜200℃である有機溶剤が挙げられ、より好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルや、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられ、より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどが挙げられる。
これらの溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上混合して使用できる。
【0081】
前記溶剤は、前記自発光感光性樹脂組成物全体100重量%に対して60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%で含まれ得る。前記溶剤の含量が前記範囲内で含まれる場合には、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう)、インクジェットなどの塗布装置で塗布したとき、塗布性が良好になり得るので好ましい。すなわち、前記溶剤の含量が前記範囲の未満で含まれる場合、塗布性が多少低下するに伴って工程が多少難しくなり得、前記範囲を超過する場合、前記自発光感光性樹脂組成物で形成されたカラーフィルタの性能が多少低下し得る問題が発生し得る。
【0082】
添加剤
本発明の一実施形態による自発光感光性樹脂組成物は、添加剤をさらに含むことができる。
【0083】
前記添加剤は、本発明の目的を損傷させない範囲内で当業者の必要に応じて添加され得、具体的に充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などが挙げられる。
【0084】
前記充填剤の具体的な例としては、ガラス、シリカ、アルミナなどが挙げられるが、これに限らない。
【0085】
前記他の高分子化合物の具体的な例としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂;などが挙げられるが、これに限らない。
【0086】
前記密着促進剤の具体的な例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これに限らない。
【0087】
前記酸化防止剤は、固形分を基準として、共に含まれる光重合開始剤100重量部に対して、1〜100重量部、具体的に2〜50重量部で含まれ得る。前記酸化防止剤の含量が前記範囲を満たす場合、前記着色感光性樹脂組成物の感度が低下することなく、透過率が向上し得る効果を期待することができる。前記酸化防止剤の含量が前記範囲の未満である場合、透過率の向上効果を期待しにくく、前記範囲を超過する場合、感度が低下して、現像工程中にパターンの短絡が発生し得る。
【0088】
前記紫外線吸収剤の具体的な例としては、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられるが、これに限らない。
【0089】
前記凝集防止剤の具体的な例としては、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられるが、これに限らない。
【0090】
前記添加剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0091】
<カラーフィルタ>
本発明の他の様態は、前述した自発光感光性樹脂組成物を利用して製造された色変換層を含むカラーフィルタに関する。
【0092】
本発明によるカラーフィルタは、蛍光染料および顔料を含む本発明の自発光感光性樹脂組成物で製造された色変換層を含むことにより、別途のカラーフィルタ層を含まなくても、優れた蛍光効率を示し、色変換層の単一層の構成だけでも既存のカラーフィルタ層および色変換層の役割を代行する利点がある。
【0093】
また、基板10上に色変換層20およびカラーフィルタ層30を積層させる従来のカラーフィルタ製造工程と比較して、本発明のカラーフィルタは、基板10上に直接色変換層20を積層させることにより、別途のカラーフィルタ層30を構成しないため、前記カラーフィルタ層30を構成するための製造工程が除外されるので、カラーフィルタの製造工程を簡略化することができ、これにより、工程時間が短縮されるという利点がある(
図1〜
図2参照)。
【0094】
前記カラーフィルタは、基板および前記基板の上部に形成されたパターン層を含む。
【0095】
前記基板は、前記カラーフィルタ自体基板であってもよく、またはディスプレイ装置などにカラーフィルタが位置する部位であってもよいのであり、特に限定されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)または高分子基板であってもよく、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)またはポリカーボネート(polycarbonate、PC)等であってもよい。
【0096】
前記パターン層は、本発明の自発光感光性樹脂組成物を含む層であり、前記自発光感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンで露光、現像および熱硬化して形成された層であってもよい。前記パターン層は、当業界で通常知られている方法を行うことにより形成し得る。
【0097】
前記のような基板およびパターン層を含むカラーフィルタは、各パターンの間に形成された隔壁をさらに含むことができ、ブラックマトリックスをさらに含むことができるが、これに限らない。
【0098】
また、前記カラーフィルタのパターン層の上部に形成された保護膜をさらに含むこともできる。
【0099】
前記カラーフィルタは、赤色パターン層、緑色パターン層および青色パターン層よりなる群から選択される1以上を含むことができる。前記赤色パターン層、緑色パターン層、青色パターン層は、それぞれ光の照射時に赤色光、緑色光、青色光を放出し得、この際、前記光源の放出光は、特に限定されないが、より優れた色再現性の観点から、青色光を放出する光源が使用できる。
【0100】
<画像表示装置>
本発明のさらに他の様態は、前述したカラーフィルタを含む画像表示装置に関する。
【0101】
本発明のカラーフィルタは、通常の液晶表示装置だけでなく、全体発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置などの各種画像表示装置に適用可能である。
【0102】
前記画像表示装置は、本発明の蛍光染料および顔料を含む自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含むカラーフィルタを含むことにより、別途のカラーフィルタ層なしに、優れた蛍光効率を示し、別途のカラーフィルタ層なしに色変換層だけでも既存のカラーフィルタ層および色変換層の役割を代行するという利点がある。また、前記画像表示装置の製造工程において別途の色変換層を構成する工程が除外されるので、画像表示装置の製造工程を簡略化することができ、これにより、工程時間が短縮されるという利点がある。
【0103】
本発明の一実施形態によると、画像表示装置は、光源をさらに含むことができ、具体的に前記光源は、青色光を放出するものであってもよい。光源を必要としない画像表示装置(例えば、OLED)の場合には関係がないが、前記のように光源を含む場合、光源から放出する光の波長(例えば、青色光の場合、400〜480nm)と色変換層内に含まれた蛍光染料から放出する波長が互いに混在して現れることにより、蛍光染料の蛍光効率が低下する問題が発生し得る。しかし、本発明の一様態による自発光感光性樹脂組成物は、顔料を蛍光染料と共に含むことにより、前記顔料が光源から放出する光の波長を吸収して前記蛍光染料の蛍光効率が向上するという利点がある。一例として、前記光源として青色光が使用される場合、本発明の一実施形態として提示された380〜550の最大吸収波長の範囲を有する顔料を共に含むことにより、光源から放出する波長を吸収して、蛍光染料により放出する波長だけが示されるように、すなわち蛍光染料の蛍光効率が低下しないようにすることができるという利点がある。それだけでなく、青色光以外の光源が使用される場合にも、前記光源から放出される光の波長条件を考慮して多様な蛍光染料および顔料の組合せが使用できる。
【0104】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例により詳細に説明する。しかし、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本発明の範囲が下記に詳述する実施例に限定されるものと解釈されない。本発明の実施例は、当業界において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下では、含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
【0105】
製造例1:アルカリ可溶性樹脂(C)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を具備したフラスコを用意し、一方、モノマー滴下ロートとして、ベンジルマレイミド74.8g(0.20モル)、アクリル酸43.2g(0.30モル)、ビニルトルエン118.0g(0.50モル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gを投入した後、撹拌混合して用意し、連鎖移動剤の滴下槽として、n−ドデカンチオール6g、PGMEA24gを入れて撹拌混合したものを用意した。その後、フラスコにPGMEA395gを導入し、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にした後、撹拌しながらフラスコの温度を90℃まで昇温した。次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下ロートから滴下し始めた。滴下は、90℃を維持しつつ、それぞれ2時間進行させ、1時間後に110℃に昇温して3時間維持した後、ガス導入管を導入させて、酸素/窒素=5/95(v/v)の混合ガスのバブリングを開始した。次に、グリシジルメタクリレート28.4g[(0.10モル)、(本反応に使用したアクリル酸のカルボキシル基に対して33モル%)]、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4g、トリエチルアミン0.8gをフラスコ内に投入して、110℃で8時間反応を継続し、固形分の酸価が70mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂(C)を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は16,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0106】
前記結合剤樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を利用して下記の条件で行った。
装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
カラム:TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相の溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
注入量:50μL
検出器:RI
測定試料の濃度:0.6質量%(溶剤=テトラヒドロフラン)
較正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー社製)
【0107】
前記で得られた重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
【0108】
実施例1〜2および比較例1〜2:自発光感光性樹脂組成物
下記表1のような組成および含量で自発光感光性樹脂組成物を製造した。
【0110】
製造例2:カラーフィルタの製造
前記実施例1〜4および比較例1〜2で製造された自発光感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルタを製造した。すなわち、前記それぞれの自発光感光性樹脂組成物をスピンコーティング法でガラス基板の上に塗布した後、加熱板の上に置き、100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成した。次に、前記薄膜の上に紫外線を照射した。この際、紫外線光源は、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を利用して大気雰囲気下に40mJ/cm
2の露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。前記紫外線が照射した薄膜をpH12.5のKOH水溶液の現像溶液にスプレイ現像器を利用して60秒間現像した後、220℃の加熱オーブンで20分間加熱してカラーフィルタを製造した。前記で製造された自発光カラーフィルタのフィルム厚さは3.0μmであった。
【0111】
実験例:発光強度(Intensity)の測定
前記製造例2で製造された自発光カラーフィルタを量子効率測定システム(QE−1000、大塚電子社製)を利用して、それぞれのコーティング基板に対する光ルミネセンス(PL、Photoluminescence)を測定して、下記表2に発光強度を記載した。この際、測定された発光強度は、高いほど優れた輝度特性を有するものと判断し得る。
【0113】
前記表2を参照すると、蛍光染料および顔料を共に含む本発明の自発光感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルタを製造する場合(実施例1〜4)、顔料を含まない自発光感光性樹脂組成物を利用する場合(比較例1〜2)より発光強度に優れていることが確認できる。