(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776300
(24)【登録日】2020年10月9日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】巻取装置、自動テーピング装置、及び排出装置を備える緩衝材システム、ならびに方法
(51)【国際特許分類】
B65H 19/30 20060101AFI20201019BHJP
B31D 5/00 20170101ALI20201019BHJP
B65H 18/02 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
B65H19/30
B31D5/00
B65H18/02
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-122034(P2018-122034)
(22)【出願日】2018年6月27日
(62)【分割の表示】特願2015-558118(P2015-558118)の分割
【原出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2018-184300(P2018-184300A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年6月27日
(31)【優先権主張番号】61/763,626
(32)【優先日】2013年2月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウィンケンス ペドロ エー.
(72)【発明者】
【氏名】フェルト アド ハー.
【審査官】
冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第99/21702(WO,A2)
【文献】
独国特許出願公開第10330302(DE,A1)
【文献】
実開平02−124954(JP,U)
【文献】
特開昭63−300055(JP,A)
【文献】
米国特許第5462241(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H18/00−19/30、21/00−21/02
B31B50/00−70/99
B31C1/00−99/00
B31D1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝材長尺片を製造することができ、かつ、出口を介して緩衝材長尺片を提供できる緩衝材変形機と、ロール状の緩衝材製品を製造するために緩衝材長尺片を略水平方向に延びる単一の巻取フォークの周りに巻くことができる、前記出口より下流の巻取装置と組み合わされた、自動ロール排出装置であって、
略垂直方向に延びる回動軸を有するレバーアームであって、該回動軸において、緩衝材変形機に固定された支持フレームに取り付けられている、レバーアームと、
前記回動軸から離間した位置においてレバーアームに取り付けられる押し板であって、レバーアーム及び押し板は、ロール状の緩衝材製品が巻取装置によって製造される準備位置と、ロール状の緩衝材製品が巻取装置から排出される排出位置との間で回動軸を中心に回動可能であり、押し板が前記回動軸を含む回動面と平行な表面を有し、レバーアームが準備位置にあるときに、回動面が巻取軸に垂直であり、レバーアーム及び押し板が準備位置とロール状緩衝材製品を排出することができる前記排出位置との間で回動されるときに回動面が回動される、押し板と、
ロールを巻取装置から押し出すためにレバーアームの回動を駆動するための動力装置であって、押し板がレバーアームの一端に位置し、動力装置がレバーアームの他端においてレバーアームに接続され、回動軸が押し板と動力装置との間に位置する、動力装置と
を備える、自動ロール排出装置。
【請求項2】
緩衝材長尺片をロール状に巻くために巻取軸を中心に回転する巻取装置と組み合わせた、請求項1に記載のロール排出装置。
【請求項3】
相対的に密集度が低い緩衝材製品に変形するための原材料の供給部を更に備える、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項4】
原材料は、紙及びクラフト紙のうち1つ以上を含んでいる、請求項3に記載の組み合わせ。
【請求項5】
動力装置が電気モータ及びクラッチの1つ以上を含んでいる、請求項1に記載のロール排出装置。
【請求項6】
ロール状の緩衝材製品を製造する方法であって、
緩衝材長尺片を製造し、該緩衝材長尺片を緩衝材変形機の出口から提供する工程と、
略水平方向に延び、かつ、前記出口の下流に位置する巻取軸を中心として、単一のマンドレル上で緩衝材長尺片をロール状に巻く工程と、
押し板を有するレバーアームを準備位置と排出位置との間で回動させることにより、マンドレルからロールを自動的に排出する工程であって、レバーアームが、略垂直方向に延びるとともに前記出口の近傍に位置する回動軸において、緩衝材変形機に固定された支持フレームに取り付けられており、押し板が回動軸から離間した位置においてレバーアームに取り付けられており、該押し板が、回動軸を含む回動面に平行な表面を有し、回動面は、レバーアームが準備位置にあるときに、巻取軸に垂直であり、押し板は、レバーアームが押し板とともに排出位置へ回動されたときに、巻取軸と略平行な方向にロールを押すことにより、ロールをマンドレルから排出する、工程と
を含む方法。
【請求項7】
前記提供する工程は、
シート材料を緩衝材変形機に供給する工程と、
シート材料を相対的に密集度が低い緩衝材長尺片に変形する工程と
を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、緩衝材システムと、緩衝材長尺片を巻く方法とに関し、該方法は、巻かれたロールに自動的にテープを貼ること、及び/又は、自動的に巻取器からロールを自動的に排出することを含む。
(発明の背景技術)
ある場所から別の場所へ1つ以上の物品を輸送する過程で、梱包者は、通常、ボール箱等の輸送容器内において、輸送される1つ以上の物品に沿って何らかの緩衝材を配置する。緩衝材は、コンテナ内の物品の周りの空所又は空隙体積を部分的に又は完全に埋める。緩衝材は、輸送プロセス中に破損を生じさせ得る物品の移動を防ぎ、又は最小限にする。一般に使用されている一部の緩衝材には、プラスチック製の空気袋及び変形された紙の緩衝材が含まれる。
【0002】
連続運転を促進するために、多くの緩衝材変形機は、空気袋又は紙の緩衝材のいずれを製造するかにかかわらず、所望の長さを有する複数の緩衝材部分を提供するために切断又は破断することが可能な緩衝材長尺片を生産する。輸送中に、比較的大型の、かつ/又は、重い物品の移動を妨げ、又は固定するために緩衝材を使用する場合、緩衝材長尺片はロール状に巻かれてもよい。その後、緩衝材からなるロールは、輸送容器内において、輸送される大型/重量型の物品のそば、上方あるいは下方に配置され得る。手作業で緩衝材製品のロールを製造することもできるが、そのような手法はかなりの時間及び/又はスペースを費やし得るとともに、手作業によるロール作成は、ロールの特性が不揃いとなり得る。したがって、これらの又は他の問題の1つ以上に対処するために、自動巻取装置が開発されている。
【0003】
国際公開第WO99/21702号は、緩衝材変形機により製造された緩衝材長尺片をロール状に巻くシステムについて記載している。ロールから提供されるシート材料は、相対的に密集度が低い緩衝材長尺片へと変形され、その後、ロール形状をなすようにマンドレルの周りに巻き付けられる。緩衝材長尺片の後端をロールに固定するための自動テーピング装置及び自動ロール排出装置の両方がこの公開公報において提案されているが、そのような仮想の装置の詳細は図示もされておらず、説明もされていない。
(発明の概要)
本発明は、上述された国際公開第WO99/21702号に開示されるような、緩衝材変形機及び巻取器と共に使用するための、例示的な自動ロールテーピング装置と例示的な自動緩衝材ロール排出装置とを提供する。
【0004】
より詳細には、本発明は、緩衝材変形機及び緩衝材長尺片を巻くための巻取装置と共に使用するための自動テーピング装置を提供する。テーピング装置は、テープ供給部と、緩衝材長尺片を巻取装置に案内するために緩衝材変形機の出口と巻取装置との間に配置可能なガイド面とを備える。ガイド面は、緩衝材長尺片の後端をロールに固定すべく緩衝材長尺片の後端と係合させるためのテープ長尺片も案内する。ガイド面は、テープ長尺片を受容する溝と、該溝に、テープ供給部からテープ長尺片を受容するための入口開口部とを有し、テープ供給部は溝とは反対側のガイド面に対向する側に位置している。
【0005】
テーピング装置は、緩衝材長尺片の後端に貼り付けるための一定の長さのテープを供給部から分離させるために、テープ入口の下流側で離間して配置される切断装置を更に備えていてもよい。
【0006】
テーピング装置は、緩衝材長尺片をロール状に巻くために軸を中心に回転する巻取装置と組み合せて設けられてもよい。巻取装置の軸はガイド面と平行である。
テーピング装置はまた、原材料をロール状に巻いた緩衝材長尺片に変形する緩衝材変形機と組み合せて設けられてもよい。緩衝材変形機は、出口から緩衝材長尺片を提供し、ガイド面は、変形機の出口と巻取装置との間に取り付けられる。
【0007】
テーピング装置は、テープ長尺片の端を検出するセンサをテープ入口開口部の近傍に更に備えていてもよい。
また、本発明は、(a)緩衝材長尺片を提供する工程と、(b)緩衝材長尺片をロール状に巻く工程と、(c)緩衝材長尺片の後端をロールの外表面に自動的にテープ止めする工程とを含む、緩衝材製品を製造する方法を提供する。
【0008】
(a)の提供する工程は、(i)シート材料、好ましくは紙、を緩衝材変形機に供給することと、(ii)シート材料を緩衝材の相対的に密集度が低い長尺片に変形することとを含んでいてもよい。
【0009】
テーピング装置及び方法に加えて、本発明は、緩衝材長尺片を製造可能であり、かつ、出口を介して緩衝材長尺片を提供可能である緩衝材変形機を有するシステムにおいて使用するための自動ロール排出装置と、前記出口の下流に位置し、ロール状の緩衝材製品を製造するために、緩衝材長尺片を巻取軸の周りに巻くことができる巻取装置とを提供する。ロール排出装置は、回動軸を有するレバーアームを備え、レバーアームは、準備位置と排出位置との間において、回動軸の周りを回動可能である。排出装置は、回動軸から離間した位置においてレバーアームに取り付けられた押し板も備える。押し板は、回動軸を含む回動面と平行な表面を有し、回動面は、押し板が準備位置にあるときに、巻取軸に垂直である。
【0010】
ロール排出装置は、回動軸においてレバーアームが取り付けられる支持フレームを更に備えていてもよい。
ロール排出装置は、緩衝材長尺片をロール状に巻くために巻取軸の周りを回転する巻取装置と組み合わせて、かつ/又は、原材料をロール状に巻かれた緩衝材長尺片に変形する緩衝材変形機と組み合わせて設けられてもよく、レバーアームは、変形機に固定されるフレームに取り付けられる。
【0011】
前述の組み合わせは更に、相対的に密集度が低い緩衝材製品に変形するための、紙及びクラフト紙のうち1つ以上等の原材料の供給部を更に備えていてもよい。
ロール排出装置は、略水平方向に延びる巻取軸と、略垂直方向に延びる回動軸とを有していてもよい。
【0012】
ロール排出装置は、ロールを巻取装置から押し出すために、レバーアームの回動を駆動するための動力装置を更に備えていてもよい。例示的な動力装置は、電気モータ及びクラッチの1つ以上を備える。
【0013】
また、本発明は、(a)緩衝材長尺片を提供する工程と、(b)巻取軸を中心に、マンドレル上に緩衝材長尺片をロール状に巻く工程と、(c)巻取軸と略平行な方向にロールを押すことにより、マンドレルからロールを自動的に排出する工程とを含む、緩衝材製品を製造する方法を提供する。
【0014】
該方法は更に、(i)シート材料を緩衝材変形機に供給することと、(ii)シート材料を相対的に密集度が低い緩衝材長尺片に変形することとを含む、(a)提供する工程を
含んでいてもよい。
【0015】
本発明の更なる特徴は、以下の詳細な説明を図面と併せて考察することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明により提供される、自動テーピング装置及びロール排出装置を使用する緩衝材変形システムの斜視図である。
【
図2】2−2線における
図1の緩衝材変形システムの断面図である。
【
図3】
図2とは逆側から見た、3−3線における
図1の緩衝材変形システムの断面図である。
【
図4】
図2の緩衝材変形システムの、特に
図2に示される自動テーピング装置及びロール排出装置の、拡大図である。
【
図5】
図3の緩衝材変形システムの下流側部分、特に自動テーピング装置の、拡大図である。
【
図6】自動テーピング装置と関連する分離装置の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
図面を詳細に参照すると、本発明は、緩衝材変形機(「変形機」とも称される)12と、巻取装置20と、テーピング装置22と、排出装置24とを備える緩衝材変形システム10を提供する。緩衝材変形機12は、供給部16から引き出されたシート材料14を相対的に密集度の低い緩衝材長尺片(図示しない)に変形する。長尺片は、変形機12の出口26を出て、巻取装置20によりロール状に巻かれ、又は巻回され、緩衝材長尺片の後端は、テーピング装置22によりロールに自動的に固定される。完成したロールは、ロール排出装置24によって巻取装置20から自動的に排出される。
【0018】
原材料14の例示される供給部は、シート材料14の1つ以上のロール36を支持可能な、横方向において離間された1組以上のアーム32を有する移動カート30を備える。ここでは、原材料14の単一のロール36のみが横軸38によりアーム32上に支持された状態で示されているが、2組目のアーム32が存在しており、2組目のアーム32は、対応する軸38上でシート材料の第2のロール(図示しない)を支持することができる。例示的なシート材料14はクラフト紙であり、図示されているように、クラフト紙は筒上に供給されて巻かれてもよく、扇のように折り畳まれて積み重ねられた状態で提供されてもよい。
【0019】
変形処理中、緩衝材変形機12はシート材料14を内側に寄せてしわくちゃにし、緩衝材が製造されるシート材料14よりも相対的に密集度が低い緩衝材長尺片を形成する。例示される緩衝材変形機12において、シート材料14は、シュート入口44から相対的に小さなシュート出口46へと下流方向に集束するシュート42を備える成形装置40を通って移動し、シート材料がシュート42を通過する際にシュートはシート材料を内側に寄せてしわくちゃにする。その後、しわくちゃにされた原材料は成形アセンブリ40の下流にある供給/連結装置50を通過する。供給/連結装置50は、変形機12を通して原材料を供給し、シート材料の重なり合った層を連結して、完成した緩衝材長尺片がその形状を維持することを支援する。所望の長さの緩衝材が製造されると、供給/連結装置50の下流にある分離装置54は、供給部16から延びるシート材料14から、完成した緩衝材長尺片を分離する。本発明は、例示される緩衝材変形機12に限定されるものではなく、シート材料を相対的に密集度の低い所定長さの緩衝材又は緩衝材長尺片に変形する任意の緩衝材変形機をこのシステム10に用いることができる。
【0020】
例示される緩衝材変形機12は、移動のための車輪58を有するスタンド56に取り付けられる。しかしながら、ロールを製造するために十分な高さで変形機12及び巻取装置20を支持することが必要とされる場合には、緩衝材変形機12に任意のタイプの支持部が設けられてもよい。
【0021】
巻取装置20(巻取器とも称する)は、緩衝材変形機12の下流に位置し、緩衝材変形機12のフレーム又はスタンド56に取り付けられたフレーム延長部62により支持されている。例示される巻取器20は、緩衝材長尺片が巻き付けられるマンドレルを備える。例示される実施形態では、巻取器20は、緩衝材長尺片の先端が受容される1組の実質的に平行な突条部66を有する回転可能なフォーク64を備える。緩衝材長尺片の先端がフォーク64の突条部間を通過すると、フォーク64は回転して、緩衝材長尺片が製造されるにつれて緩衝材長尺片をロール状に巻いていくことができる。緩衝材長尺片は一定の速度で製造されるが、フォーク64の回転速度は、密集度、整合性(consistency)、及びロールの他の特性を変更するように、ロールのサイズの関数として変更してもよい。
【0022】
ガイド面70は、緩衝材変形機12の出口26から巻取装置20に向かって延在し、緩衝材長尺片を出口26から巻取フォーク64に案内する。巻取フォーク64に近接するガイド面のバネ付勢部分72は、バネ付勢されており、ロールが大きくなり外方向に拡張するにつれて巻取フォーク64から離れる方向に向かって巻取フォーク64から離間した軸74を中心に回動する。上述の国際公開第WO99/21702号を参照すると、例示的な緩衝材変形機と巻取器についての更なる言及がある。このシステム10では別の巻取器設計が使用されてもよく、本発明により提供されるシステム10は、例示される巻取器20に限定されるものではない。
【0023】
所望の長さの緩衝材が製造されると、緩衝材変形機12の分離装置54は、残りの原材料から緩衝材長尺片を切断する。巻取フォーク64は停止した後、回転し続けて、緩衝材長尺片の後端をロールに引き寄せる。従来は、巻かれたロールがその形状を維持するように、緩衝材長尺片の後端をロールに固定するために、テープを緩衝材長尺片の後端に手動で貼り付けていた。これは、粘着テープを取り扱うことをオペレータに要求していたため、オペレータにとって不便であり、間違いや、一貫しないテープの使用、及び浪費に結びついていた。
【0024】
これら及び他の問題に対処するために、本発明により提供される緩衝材変形システム10は、自動テーピング装置22を備える。変形機12は、供給/連結装置50の状態に基づいて巻取フォーク64を停止及び始動するために、巻取フォーク64に信号を送る。具体的には、変形機12は、分離装置54を作動させる前に、その供給/連結装置50及び巻取フォーク64を停止する。分離装置54が、供給部に連結された原材料から緩衝材長尺片を分離した後、巻取フォーク64が再始動される。自動テーピング装置22も、例示されるパンチ要素114等の分離装置を備える。パンチ要素114は、鋭利な刃を使用することなくテープの一部を破断する。回動体112の一部であるパンチ94の反対側も、緩衝材長尺片の後端がテープ92の粘着面と係合するように緩衝材長尺片の後端を押圧するために使用される。ロールの外表面へ長尺片の後端を固定するために所望の長さのテープが前進させられると、パンチ要素114は、テープ92を穿孔することによりテープ供給部96から所定の長さのテープ92を分離することができる。
【0025】
テープ供給部96が変形機12の下に取り付けられ、テープ92が、供給部96からスロット102内に引き出され、例えば、例示される実施形態に示される方法でガイド面70の一端の上方に、又はガイド面70の開口部104を通って供給される。緩衝材変形機12を出る緩衝材長尺片とテープ92の粘着面との間の摩擦を最小限にするために、ガイ
ド面がテーピング装置22の一部を形成する場合に、ガイド面70のテープガイド部分は、溝又はスロット102を形成する中央部分より高い位置にある側方部分100を有する。このスロット102内にあるテープ92の先端は、粘着面を上にして置かれている。変形機12により信号が送られた、緩衝材長尺片の後端の到着により、回動体112上のパンチ94の他方の側が長尺片の後端を進ませて押圧し、粘着面と係合させる。その後、巻取器フォーク64は、ロール状となるように緩衝材長尺片の巻き付けを再開し、テーピング装置96からテープ92を引き出す。テープ92は製造されたロールの周りに巻き付けられ、緩衝材長尺片を巻かれた状態に維持する。
【0026】
パンチ94は、回動体112に連結されたソレノイド110又は他の動力装置を備え、回動体112からは、パンチ要素114が回動軸116から離間した位置において延びている。ソレノイド110が拡張してパンチ要素114を下方に駆動すると、パンチ要素114の先端及び回動体がテープ92を分断する。
【0027】
所定の長さのテープが、緩衝材長尺片の後端の後ろに続いて引き出される。テープ92がロール状長尺片の周りに首尾よく巻き付けられた後、パンチ94が前進してテープ92に穴を開け、パンチ要素114がガイド面70の開口部120に受容される。パンチ要素114がテープ92に穴を開けることによりテープ92を弱体化させるため、テープ92が緩衝材長尺片の後端によって引っ張られるにつれてテープ92が自動的に裂ける。テープ供給部96の軸上における張力は、テープが予定よりも早く裂けることなく裂けやすくなるように調節することができる。
【0028】
緩衝材長尺片の後端がロールに巻き付けられると、ガイド面70のバネ付勢部分はロールの隣接する表面にテープ92を押し付けて、ロールがその形を保持するようにロールに緩衝材長尺片の後端を固定する。したがって、テープを貼り付けられたロールは完成し、使用できるようになる。
【0029】
その後、ロール排出装置24はフォーク64から完成したロールを押し出す。排出装置24は、巻取フォーク64に近接する排出プレート122を備えており、排出プレート122は、ロールと係合して巻取フォーク64からロールを押し出すために、ロールに対して比較的大きな面積を提供する。巻取フォーク64に面する排出プレート122の表面は、該表面がフォーク64からロールを押し出す際に巻取突条部66を通過できる形状を与えられている。この押圧面124は、巻取フォーク64が周りを回転する巻取軸130を略横切る方向に延びる回動軸128を有するレバーアーム126に取り付けられている。回動軸128は巻取フォーク64から離間されており、変形機12の出口26に略隣接して配置されている。別のソレノイド又は他の動力装置129は、回動軸128の一方の側にあるレバーアーム126に作用して押圧面124を回動させ、回動軸128の他方の側で、巻取フォークの突条部66の先端方向に向かってロール状の緩衝材長尺片を滑らせて、巻取フォーク64の突条部66から取り外す。レバーアーム126及び排出プレート122は、巻取器20がロール状の緩衝材長尺片を製造することを許容する準備位置と、巻取軸130に略平行な方向にフォーク64の突条部66の端からロールを押し出す排出位置との間で、回動可能に移動する。その後、オペレータは、梱包目的で、箱又は他の容器にロール状の緩衝材長尺片を配置することができる。
【0030】
このため、本発明により提供されるシステムは、緩衝材長尺片をロール状に巻く従来のシステムに対して、ロールに緩衝材長尺片の後端を付着させて緩衝材長尺片をロール形状に保持するために、緩衝材長尺片の後端にテープを貼り付けるための自動テーピング装置を設けることにより改良されている。本発明は更に、従来のシステムに対して、回動可能に取り付けられた押し板を用いてロール状の緩衝材を巻取装置から取り外す、巻取装置からロール状の緩衝材長尺片を取り外すための自動ロール排出装置を提供することにより改
良されている。このシステムにより、梱包者又は他のオペレータは、テープを貼り付けて緩衝材ロールを取り外すことよりも物品を容器内に梱包することに専念できる。これは、巻取装置を使用する梱包作業の効率を上げ、浪費を削減する。まとめると、本発明は、原材料14を相対的に密集度が低い緩衝材長尺片に変形するための機械12と、ロール状に長尺片を巻くための巻取装置20と、長尺片の後端を自動的にロールに固定するためのテーピング装置22と、巻取装置20から自動的にロールを取り外すためのロール排出装置24とを備える緩衝材変形システム10を提供する。テーピング装置22は、長尺片を巻取装置20に案内するために、かつ、長尺片の後端をロールに固定すべく長尺片の後端と係合するようにテープ92を案内するために、機械12の出口26と巻取装置20との間にガイド面70を備える。ロール排出装置24は、巻取装置20から完成したロールを押し出すように回動するレバーアーム126を備える。
【0031】
本発明を、特定の好ましい1つ又は複数の実施形態に関して図示して説明してきたが、当業者であれば、本明細書及び添付の図面を読んで理解することにより、均等な変形例や改変例が想起されるであろう。上述された要素(構成部品、アセンブリ、デバイス、構成等)により発揮される様々な機能に関して、このような要素を説明するために使用される用語(「手段」を含む)は、反する記載のない限り、本発明の図示された例示的な1つ又は複数の実施形態において記載された機能を発揮する開示された構造と構造上は均等でなくとも、説明された要素の当該機能を発揮する(すなわち、機能上均等である)任意の要素に対応するものである。更に、本発明の特定の特徴が幾つかの例示される実施形態の1つ以上に関してのみ上述されてきたが、そのような特徴は、所与の又は特定の用途の要求及び利点に応じて、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。