(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備の実施例を、図面を用いて説明する。
【0017】
<実施例1>
本発明のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備の実施例1について
図1乃至
図12を用いて説明する。
【0018】
最初に、本実施例の鋼板の燃焼設備の概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は鋼板の燃焼設備の構成の概略図である。
【0019】
図1において、鋼板5を加熱する鋼板の燃焼設備1は、空気供給ライン10、空気流量調節弁12、空気流量計14、燃料ガス供給ライン20、燃料流量調節弁22、燃料流量計24、空気燃料流量制御装置30、スタティックミキサー100,100’、混合ガス供給ライン40,40’、複数のバランス調節弁45、複数のバーナ50等を備えている。
【0020】
図1に示すような鋼板の燃焼設備1では、空気供給ライン10に接続された空気供給源(図示省略)から空気を供給する。供給する空気の流量は、空気供給ライン10上に設けられた空気流量計14で計測した流量と設定した流量との差分を空気燃料流量制御装置30によって演算し、空気流量調節弁12の開度を制御することによって行う。
【0021】
また、燃料ガス供給ライン20に接続された燃料ガス供給源(図示省略)から燃料ガスを供給する。燃料ガスが可燃性ガスであり、例えばプロパンなどである。供給する燃料ガスの流量は、燃料ガス供給ライン20上に設けられた燃料流量計24で計測した流量と設定した流量との差分を空気燃料流量制御装置30によって演算し、燃料流量調節弁22の開度を制御することによって行う。
【0022】
流量が調節された空気と燃料ガスとが二台のスタティックミキサー100,100’に流入し、スタティックミキサー100,100’内で均一に混合された後、混合ガス供給ライン40,40’に流入する。混合ガスは混合ガス供給ライン40において鋼板裏面加熱用の各々のバーナ50に分岐,供給され、バーナ50で燃焼する。また、混合ガスは混合ガス供給ライン40’において鋼板表面加熱用の各々のバーナ50’に分岐,供給され、バーナ50’で燃焼する。各々のバーナ50,50’への混合ガスの供給量は各々のバーナ50,50’の上流側に設けられた各々のバランス調節弁45の開度を調節することで行う。
【0023】
スタティックミキサー100,100’や、バーナ50,50’は、1つの鋼板の燃焼設備1に対して複数設けられており、鋼板5の表面側と裏面側、あるいは鋼板5の端部と中央部等、を加熱するために複数設けられている。
【0024】
そのため、スタティックミキサー100,100’を通過した後の混合ガス中における空気と燃料ガスとの混合比が均一でないと、バーナ50,50’毎に供給される混合ガスの混合比にむらが生じ、バーナ50,50’の燃焼状態、すなわち鋼板の加熱状態にむらが生じてしまうことから、極力均一であることが望まれる。
【0025】
また、連続焼鈍設備や連続亜鉛メッキ設備等では、
図1に示すような鋼板の燃焼設備1が、鋼板5の端部用、中央部用等と鋼板5の幅方向に複数設けられていたり、鋼板5の進行方向にも加熱量に応じて複数設けられていたりする。従って、スタティックミキサー100,100’についても、連続焼鈍設備等の中で複数設けられることになる。
【0026】
ここで、鋼板5の表面側と裏面側とでスタティックミキサー100,100’による混合ガスの混合比にむらが生じると、鋼板5の加熱状態が表面側と裏面側とで所定の要求を満たさない箇所と満たす箇所とが生じかねず、不良の発生源になる恐れがある。
【0027】
従って、スタティックミキサー100,100’には、個体差が生じることなく、燃料ガスと空気との混合比を安定して均一にすることが求められる。
【0028】
次いで、本実施例のスタティックミキサーの概要について
図2以降を用いて説明する。最初にスタティックミキサー100の構成について
図2を用いて説明する。
図2はスタティックミキサーの概略断面構成を示す図である。
【0029】
なお、本実施例では、スタティックミキサー100’はスタティックミキサー100と同じ形状であるため、
図2では代表してスタティックミキサー100を示している。
【0030】
図2に示すように、本実施例のスタティックミキサー100は、配管150、フランジ154、第1混合要素200、第2混合要素300、から構成される。
【0032】
フランジ154は、前後の配管のフランジ160とボルト170およびナット172を介して接続するための部材である。
【0033】
第1混合要素200は、配管150内を流れる燃料ガスと空気とを混合するための部材であり、
図2では配管内周面152側に合計で3つ挿入されている。
【0034】
第2混合要素300も、第1混合要素200と同様に、配管150内を流れる燃料ガスと空気とを混合するための部材であり、
図2では配管内周面152側に合計で3つ挿入されている。
【0035】
次に、スタティックミキサー100に用いられている混合要素の概略について
図3を用いて説明する。
図3は第1混合要素と第2混合要素とを接続した状態を示す図である。
【0036】
第1混合要素200,第2混合要素300は、隣接する第1混合要素200,第2混合要素300の仕切り板210,310同士が、配管150にガスと空気が流入する方向から見て平行とならないように配管150に挿入されているものであり、所定の角度(0°より大きく180°より小さい)を有する。
図2および
図3に示すように、本実施例では隣接する第1混合要素200,第2混合要素300の仕切り板210,310同士が直交するように配管150に挿入されている。
【0037】
また、
図3に示すように、流体を堰き止めて旋回させる向きが異なるように、第2混合要素300におけるプレート320,330の仕切り板310に対する接合の向きは、第1混合要素200におけるプレート220,230の仕切り板210に対する接合の向きと異なる向きとなっている。
【0038】
その上で、本実施例では、
図2および
図3に示すように、第1混合要素200と第2混合要素300は、流体を堰き止めて旋回させる向きが異なるように、同じ種類の第1混合要素200,第2混合要素300が連続することなく配管150に挿入されている。すなわち、
図3に示す第1混合要素200と第2混合要素300とを組み合わせた素子が合計で3つ配管150内に挿入されている。
【0039】
次に、混合要素のうち、第1混合要素200の概略構成について
図4および
図5を用いて説明する。
図4は第1混合要素200の概略構成を示す図、
図5は第1混合要素200を
図4中の矢印方向から見たときの様子を示す図である。
【0040】
第1混合要素200は、
図4に示すように、配管150の長手方向、すなわち配管150の中心軸方向(流体の流れ方向)に対して平行に配置された一枚の仕切り板210と、2枚のプレート220,230とから構成される。
【0041】
仕切り板210は、配管150と同材質の板であり、流体の流路となる2箇所の開口部211、切り欠き212A,212B、突起部214,216を有している。
【0042】
プレート220,230は、仕切り板210や配管150と同材質の板で構成される。
【0043】
これらプレート220,230は、本実施例では、プレート220,230に設けられている突起222(
図9参照)が仕切り板210に設けられている拘束部により拘束されることで接合されている。拘束部については
図8を用いて後述する。
【0044】
これにより、第1混合要素200の組み立て時のプレート220,230の仕切り板210に対する位置決めや、仮止めが従来に比べて容易になる、との効果が得られる。従って、作製される混合素子の形状に個体差が生じることが従来に比べて抑制され、スタティックミキサーとして完成した際の個体差も従来に比べて小さくでき、気体や流体などの混合能力のバラつきを抑制できる。
【0045】
また、プレート220,230は、仕切り板210の第1面側と第2面側とに一枚ずつ設けられ、拘束部により接合されている。プレート220,230は、仕切り板210と配管150内周面とで形成される流路を流れる流体を堰き止め、流体が仕切り板210の開口部211を介して反対の面側に旋回するように流れ方向(配管150の入口から出口に向かう方向)に対して非平行に配置されている。
【0046】
プレート220は、
図5中、仕切り板210の左側上方側から右側下方側に向けて傾いた状態で接合されている。プレート230は、
図5中、仕切り板210の左側下方側から右側上方側に向けて傾いた状態で接合されている。
【0047】
次に、混合要素のうち、第2混合要素300の概略構成について
図6および
図7を用いて説明する。
図6は第2混合要素300の概略構成を示す図、
図5は第2混合要素300を
図6中の矢印方向から見たときの様子を示す図である。
【0048】
第2混合要素300も、第1混合要素200と同様に、
図6に示すように、配管150の長手方向(配管150の中心軸方向であり、流体の流れ方向)に対して平行に配置された一枚の仕切り板310と、2枚のプレート320,330とから構成される。
【0049】
仕切り板310は、配管150と同材質の板であり、流体の流路となる2箇所の開口部311、切り欠き312A,312B、突起部314,316を有している。
【0050】
プレート320,330は、仕切り板310や配管150と同材質の板で構成される。
【0051】
これらプレート320,330も、プレート320,330に設けられている突起が仕切り板310に設けられている拘束部により拘束されることで接合されている。
【0052】
また、プレート320,330は、仕切り板310の第1面側と第2面側とに一枚ずつ設けられ、拘束部により接合されている。プレート320,330は、仕切り板310と配管150内周面とで形成される流路を流れる流体を堰き止め、流体が仕切り板310の開口部311を介して反対の面側に旋回するように流れ方向に対して非平行に設けられている。
【0053】
このうち、プレート320は、第1混合要素200のプレート220とは異なり、
図7中、仕切り板310の左側下方側から右側上方側に向けて傾いた状態で接合されている。プレート330も、第1混合要素200のプレート230とは異なり、
図7中、仕切り板310の左側上方側から右側下方側に向けて傾いた状態で接合されている。
【0054】
次に、
図8を用いて混合要素に用いられている仕切り板の概要について説明する。
図8は混合要素に用いられている仕切り板の概要を示す図である。
【0055】
なお、本実施例では、第2混合要素300に用いられている仕切り板310は第1混合要素200に用いられている仕切り板210と同じ形状であるため、
図8では代表して第1混合要素200に用いられている仕切り板210を示している。
【0056】
図8に示す仕切り板210のうち、突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dは、プレート220に設けられている突起222を挟み込むことでプレート220を拘束する拘束部として機能する。
【0057】
具体的には、仕切り板210とプレート220とを位置決めする際、突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dは、プレート220が仕切り板210上を配管150の軸方向にスライドすることを防止すると共に、プレート220が仕切り板210上を配管150の径方向にスライドすることを防止する。
【0058】
突起部216Aと突起部216Dとの間には、
図8に示すように斜線で示す補強部217Aを設けてもよい。補強部217Aは、仕切り板210がプレート220,230と接触する破線の交点において対頂角となる部分を含む。これにより仕切り板210が中央で破損することを防止できる。同様に、突起部216Bと216Cとの間には、斜線で示す補強部217Bを設けてもよい。
【0059】
開口部211は、混合ガスの流路となる部分であり、本実施例では三角形形状としている。なお、仕切り板210の開口部211は三角形形状である場合に限られず、任意の形状とすることができ、またその開口面積についても任意に定めることができる。なお、開口面積が大きいほど流量を確保でき、圧損を低減することができる。
【0060】
また、流体の流れ方向の上流側の辺と下流側の辺とに設けられている切り欠き212A,212Bは、隣接する第2混合要素300の仕切り板310の切り欠き312A,312Bと嵌め合いとなる部分である。
【0061】
直線部218は、配管150の配管内周面152に接触する部分である。特に本実施例では、隣接する第2混合要素300の仕切り板310と切り欠き212A,212Bによって嵌め合い構造となるときに、配管150の内周側の周方向4か所で配管150の内周面に接触することで第1混合要素200を強固に配管150内に固定する部分となる。
【0062】
次に、
図9を用いて混合要素に用いられているプレートの概要について説明する。
図9は混合要素に用いられているプレートの概要を示す図である。
【0063】
なお、本実施例では、第1混合要素200に用いられているプレート220,230や第2混合要素300に用いられているプレート320,330はすべて同じ形状であるため、
図9では代表して第1混合要素200に用いられているプレート220を示している。
【0064】
図9に示すプレート220は、半楕円形状の一枚の板であり、曲線部228、長軸に相当する部分に2つの突起222、長軸の中心側の凹部224と、長軸の外周側の2つの凹部226を有している。
【0065】
曲線部228は、配管150の配管内周面152に接触する部分である。
【0066】
2つの突起222は、仕切り板210の突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dに挟み込まれる部分であり、これにより仕切り板210に対してプレート220が接合・固定される。
【0067】
なお、プレート220の突起222は、
図3等に示すように仕切り板210の表面から突出する部分となるが、この突起222部分の面積が少ないほど混合ガス流の流れを妨げずに圧損を低減できる、との効果が得られる。これに対し、突起222部分の面積が多いほど突起222部分に衝突する混合ガスの量が増えて燃料ガスと空気との混合が促進される、との効果が得られる。従って、プレート220の突起222は、これら2つの反する効果のバランスから適切なサイズに設定することが望ましい。
【0068】
図9に戻り、凹部224は、突起222が仕切り板210の突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dによって拘束される際に突起部216A,216B,216C,216Dを受け止める部分である。
【0069】
凹部226は、突起222が仕切り板210の突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dによって拘束される際に突起部214A,214B,214C,214Dを受け止める部分である。
【0070】
なお、仕切り板210に対してプレート220やプレート230が、突起部214,216、突起222により拘束される場合について説明したが、突起部214,216、突起222により拘束されるとともに溶接されることで接合されても構わない。このように溶接することにより、プレート220,230が仕切り板210に強固に固定されることで振動を抑制できる、との効果が得られることから、溶接を行うことが望ましい。
【0071】
次に、
図10乃至
図12を用いて本実施例のスタティックミキサー100による燃料ガスと空気との混合の様子について説明する。
図10,
図11,
図12は混合要素による混合の過程の一例を示す概略図である。
【0072】
図10に示すように、スタティックミキサー100の配管150内に流入した燃料ガスと空気との混合ガスは、最初の第1混合要素200の仕切り板210により分割される。
【0073】
その後、
図11に示すように、第1混合要素200の仕切り板210で2分割された混合ガスのうち、流れA側の燃料ガスは、プレート220に衝突して仕切り板210の開口部211を介して仕切り板210の反対側に流れることにより旋回する。また、流れB側の燃料ガスは、プレート230に衝突して仕切り板210の開口部211を介して仕切り板210の反対側に流れることにより旋回する。
【0074】
第1混合要素200を通過し終わった燃料ガスは、流れAと流れBとが共に第2混合要素300の部分に流入すると、第1混合要素200に流入したときと同様に、仕切り板310により分割される。
図12では流れB側についてのみ説明するが、流れA側も同様である。
【0075】
第2混合要素300の仕切り板310で2分割された流れB側の混合ガスのうち、流れC側の燃料ガスは、
図12に示すように、プレート330に衝突して仕切り板310の開口部311を介して仕切り板310の反対側に流れることにより、逆位相に旋回する。
【0076】
また、流れD側の燃料ガスは、
図12に示すように、プレート320に衝突して仕切り板310の開口部311を介して仕切り板310の反対側に流れることにより逆向きに旋回する。
【0077】
すなわち、第1混合要素200ではガスの流れ方向から見て時計回りの旋回を生じさせ、第2混合要素300では反時計回りの旋回を生じさせる。この逆位相への旋回を生じさせることで気体の流れを乱して、燃料ガスと空気との混合をより促進することができる。
【0078】
これらの(1)分割、(2)旋回の作用を少なくとも2つ以上の混合素子により繰り返すことにより、燃料ガスと空気とを均一、かつ確実に混合することを実現している。
【0079】
次に、本実施例に係るスタティックミキサー100の製造方法について簡単に説明する。
【0080】
まず、第1混合要素200を作製するために、仕切り板210、プレート220,230を作製する。作製方法は特に限定されず、一枚の板から切り出しなどの方法によって作製することができる。
【0081】
その後、仕切り板210の突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dによってプレート220,230の突起222を拘束して固定する。その後、仕切り板210とプレート220,230とを溶接等の方法により固定することが望ましい。固定箇所や固定方法は特に限定されず、様々な箇所を固定することでき、また様々な固定方法を用いることができる。
【0082】
同様の方法により、第2混合要素300も作製する。この際、第2混合要素300に付いては、第1混合要素200とは流体を堰き止めて旋回させる向きが異なるようにプレート320,330を固定する。
【0083】
その後、第1混合要素200と第2混合要素300とを切り欠き212A,212B,312A,312Bにより嵌め合いによって連結する。連結する個数は、求められる混合能力に応じて調整すればよい。
【0084】
その後、第1混合要素200と第2混合要素300と配管150内に挿入することで完成する。完成したスタティックミキサー100は、使用箇所の配管に接続する。
【0085】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0086】
上述した本発明の実施例1の鋼板の燃焼設備1は、2以上の流体を混合するスタティックミキサー100を備えている。このうちスタティックミキサー100は、配管150と、配管150の長手方向に複数挿入された第1混合要素200,第2混合要素300と、を備え、第1混合要素200,第2混合要素300は、長手方向に対して平行に配置され、流体の流路となる開口部211を有する一枚の仕切り板210,310と、仕切り板210,310の第1面側と第2面側とに一枚ずつ設けられており、流体を堰き止め、流体が仕切り板210,310の開口部211を介して旋回するように長手方向に対して非平行に接合された2枚のプレート220,230,320,330と、を有し、隣接する第1混合要素200,第2混合要素300の仕切り板210,310同士が平行とならないように配管150に挿入され、仕切り板210,310は、プレート220,230,320,330に設けられている突起222を拘束する拘束部を有する。
【0087】
これにより、混合要素の組み立て時に、仕切り板210,310に対するプレート220,230,320,330の位置決めや仮止めが従来に比べて容易になり、混合素子に個体差が生じることを従来に比べて抑制することができる。従って、スタティックミキサー100として完成した際の個体差も従来に比べて小さくでき、気体や流体などの混合能力のバラつきを抑制でき、混合環境を全ての箇所で均一にすることができる。
【0088】
このような個体差が小さい本実施例のスタティックミキサー100は、一つの燃焼設備あたり複数台(通常40〜50台)も必要である鋼板の燃焼設備やそれを備えた連続焼鈍設備等に非常に好適なものとなる。
【0089】
また、拘束部は、突起222を挟み込む突起部214A,214B,214C,214D,216A,216B,216C,216Dからなるため、簡易な構成により仕切り板210,310とプレート220,230,320,330とを固定,接合することができる。
【0090】
更に、仕切り板210,310は、配管150の内周面に接触する直線部218を有していることで、第1混合要素200や第2混合要素300が配管150内に挿入された際に、直線部218と配管内周面152との接触により第1混合要素200や第2混合要素300がずれることを抑制することができ、製造の際や使用中などにおいてもスタティックミキサー100に個体差が生じることを抑制することができる。
【0091】
また、仕切り板210,310は、流体の流れ方向の上流側の辺と下流側の辺とに切り欠き212A,212Bを有しており、隣接する第1混合要素200,第2混合要素300の仕切り板210,310と切り欠き212A,212Bによって嵌め合い構造となるときに、直線部218が配管150の内周側の周方向4か所で配管150の内周面に接触することにより、より強固に第1混合要素200や第2混合要素300がずれることを抑制することができる。
【0092】
更に、第1混合要素200,第2混合要素300は、隣接する第1混合要素200,第2混合要素300の仕切り板210,310同士が直交するように配管150に挿入されていることで、1つの混合要素を通り過ぎた混合ガスなどの流体が次の混合要素に流入する際に分割する量を極力等しくすることができ、混合をより促進することができる。
【0093】
また、第1混合要素200,第2混合要素300は、流体を堰き止めて旋回させる向きが異なるようにプレート220,230,320,330が仕切り板210,310に接合された2種類以上の型があり、同じ種類の第1混合要素200,第2混合要素300が連続することなく配管150に挿入されていることにより、分割後の燃料ガスの流れを混合要素に流入するたびに逆位相に転換することができる。このため、混合要素内においても燃料ガスと空気との混合を促進することができ、更なる混合能力の向上を図ることができる。
【0094】
なお、
図2,
図3では、隣接する混合要素の仕切り板が直交している場合について説明したが、隣接する混合要素の仕切り板は同一平面上に平行に配置されなければよい。
【0095】
また、
図3に示すように流体を堰き止めて旋回させる向きが異なる第1混合要素200と第2混合要素300とが連続している場合について説明したが、混合要素の配置はこれに限定されない。
【0096】
例えば、配管150内に、第1混合要素200を、隣接する第1混合要素200の仕切り板210同士が同一平面上に平行に配置されないように連続して配置してもよい。また、第2混合要素300を、隣接する第2混合要素300の仕切り板310同士が同一平面上に平行に配置されないように連続して配置してもよい。
【0097】
また、
図8に示す仕切り板210の突起部214A乃至214Dと突起部216A乃至216Dと、プレート220の凹部224,226とは、凹凸が逆であってもよい。具体的には、
図8に示す仕切り板210の突起部214A乃至214Dと突起部216A乃至216Dの位置に凹部を設け、これら凹部の間が突起部となる。そして、プレート220の凹部224,226の位置に凸部を設け、これらが突起となる。この場合は補強部217A,217Bの部分が突起部を兼ねることになり、仕切り板の補強部と突起部とでプレートの突起(凸部)を挟み込む形とすることができる。また、配管150の配管内周面152と仕切り板の突起部(凸部)とでプレート側の突起(凸部)を挟み込む形とすることもできる。
【0098】
<実施例2>
本発明の実施例2のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備について
図13を用いて説明する。
図13は本実施例2のスタティックミキサーに用いられている仕切り板の概要を示す図である。
【0099】
図13に示す本実施例のスタティックミキサーの混合要素に用いられている仕切り板410は、開口部411、切り欠き412A,412B、スリット414A,414B,414C,414Dを有している。本実施例の仕切り板410では、プレート220の突起222が挿入されるスリット414A,414B,414C,414Dを有する。
【0100】
切り欠き412A,412Bは、上述した実施例1における切り欠き212A,212B,312A,312Bと同様の役割を担っている。
【0101】
スリット414A,414B,414C,414Dは、プレート220,230,320,330に設けられている突起222が挿入される開口部であり、突起222の断面積より開口面積が同じか少し大きいものである。このスリット414A,414B,414C,414Dとスリットを三方から取り囲む周縁部415A,415B,415C,415Dが拘束部に含まれる。周縁部415A,415B,415C,415Dは仕切り板410の一部である。スリット414A,414B,414C,414Dにプレート220,230,320,330の突起222が挿入されることにより、突起222は周縁部415A,415B,415C,415Dに挟み込まれるので、プレート220,230,320,330が拘束される。
【0102】
その他の構成・動作は前述した実施例1のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0103】
本発明の実施例2のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備においても、前述した実施例1のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備とほぼ同様な効果が得られる。
【0104】
また、仕切り板410の拘束部は、突起222が挿入されるスリット414A,414B,414C,414Dを有することによっても、簡易な構成により仕切り板410とプレート220,230,320,330とを固定,接合することができる。
【0105】
なお、本発明では、スタティックミキサーに挿入される混合要素に用いられる仕切り板は、
図7に示すような仕切り板410と
図8に示すような仕切り板210とを混合して用いることができ、いずれか一方に限定されるものではない。
【0106】
<実施例3>
本発明の実施例3のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備について
図14および
図15を用いて説明する。
図14は実施例3の混合要素の概略構成を示す図である。
図15は本実施例3のスタティックミキサーに用いられているプレートの概要を示す図である。
【0107】
上述した実施例1および実施例2では円管用の混合要素について説明したが、スタティックミキサーは円管に限らず、矩形のダクト中に設けてもよい。
【0108】
以下、矩形ダクト用のスタティックミキサーに用いられている混合要素の概略について
図14を用いて説明する。
【0109】
図14において、矩形ダクト用の混合要素は、第1混合要素500、第2混合要素600とからなる。第1混合要素500,第2混合要素600は、隣接する第1混合要素500,第2混合要素600の仕切り板510,610同士が、矩形ダクトに対してガスと空気が流入する方向から見て平行とならないように矩形ダクトに挿入されているものであり、所定の角度(0°より大きく180°より小さい)を有する。
図14に示すように、本実施例では隣接する第1混合要素500,第2混合要素600の仕切り板510,610同士が直交するように矩形ダクトに挿入されている。
【0110】
また、
図14に示すように、流体を堰き止めて旋回させる向きが異なるように、第2混合要素600におけるプレート620,630の仕切り板610に対する接合の向きは、第1混合要素500におけるプレート520,530の仕切り板510に対する接合の向きと異なる向きとなっている。
【0111】
本実施例の第1混合要素500、第2混合要素600のうち、仕切り板510,610の構造や、仕切り板510,610との位置決めの構造は、実施例1,2の仕切り板210,310の構造や、仕切り板210,310との位置決めの構造と同様となるため、詳細は省略する。
【0112】
以下、
図15を用いて混合要素に用いられているプレートの概要について説明する。なお、本実施例では、プレート520,530,620,630はすべて同じ形状であるため、
図15では代表してプレート520を示している。
【0113】
図15に示すプレート520は、長方形形状の一枚の板であり、直線部528、直線部528との反対側の長辺部分に2つの突起522と、長軸の中心側の凹部524と、長軸の外周側の2つの凹部526とを有している。
【0114】
直線部528は、矩形ダクトのダクト内周面に接触する部分である。
【0115】
2つの突起522、凹部524、凹部526は、それぞれ
図9に示したプレート220の突起222、凹部224、凹部226と同じ役割である。
【0116】
本発明の実施例3のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備においても、前述した実施例1のスタティックミキサーおよびそれを備えた鋼板の燃焼設備とほぼ同様な効果が得られる。
【0117】
なお、本実施例3のスタティックミキサーにおいても、実施例2の仕切り板410のようにスリット構造を採用することができることは言うまでもない。
【0118】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0119】
例えば、上述の実施例では、スタティックミキサー100が混合するのが燃料ガスと空気との2つの気体である場合について説明したが、本発明のスタティックミキサーが混合する流体は2つである場合に限られず、3つ以上であってもよい。また、気体に限られず、流体や流動性の固体であってもよい。
【0120】
また、スタティックミキサー100を鋼板の燃焼設備に用いる場合について説明したが、本発明のスタティックミキサーは鋼板の燃焼設備に限られず、2以上の流体を混合する箇所に適宜適用することができる。