(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ以上のHVACシステムが異なる予測される室内温度プロファイルまたはHVACデューティサイクルスケジュールに従って制御されるべきであるかどうかを判断することは、前記DRイベント期間中において周期的に実行される、請求項5に記載の方法。
前記1つ以上のHVACシステムが異なる予測される室内温度プロファイルまたはHVACデューティサイクルスケジュールに従って制御されるべきであるかどうかを判断することは、前記DRイベント期間中において周期的に実行される、請求項13に記載の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
この発明の実施の形態は、一般的に、需要応答イベント中にHVACシステムを制御するための技術に関する。需要応答イベント中にHVACシステムを制御するためのあるシステムにおけるエンティティは、典型的には電源(たとえば発電機)から個々の家または事業所に電気的または他の形態のエネルギを与えるユーティリティプロバイダを含む。個人は、典型的には彼らが周期的、たとえば月ベースで消費するエネルギ量の代価を支払う。多くの実施の形態において、エネルギ管理システムはユーティリティプロバイダと個人との間に配置される。エネルギ管理システムは、個人のエネルギ消費を1つの特定に時間期間から他の時間期間に知的かつ効果的にシフトするよう動作する。そのようなエネルギシフトは、通常は、エネルギ消費を高いエネルギコスト期間から低いエネルギコスト期間にシフトするよう実行される。DRイベントの場合では、エネルギは、DRイベント期間から、DRイベント期間外の時間期間にシフトされる。いくつかの場合では、そのようなエネルギシフトは、送電網上におけるピーク負荷を低減する努力によって動機付けられてもよい。他の場合では、そのようなエネルギシフトは、ある特定の(たとえば高いコストの)期間中においてエネルギ供給を自身の消費者に対してよりも他のユーティリティ供給会社に売却したいというユーティリティ供給会社の要望によって動機付けられてもよい。
【0022】
いずれの場合にしても、多くの実施の形態では、エンドユーザ(つまりエネルギ消費者)は、どのようにして彼らのエネルギ消費装置(たとえば彼らのHVACシステム)がDRイベント期間中において制御されるかについての未曾有の制御レベルを与えられてもよい。エネルギ消費者は、エネルギ消費における最小の低減をもたらす結果となり得る居住者(占有者)不快に対する最小の外乱を選択してもよく、または居住者不快に対するより大きな外乱をもたらす結果となり得るエネルギ消費における最大の低減を選択してもよく、またはそれらの間の何らかのものを選択してもよい。そのような選択は、DRイベントの開始前、またはDRイベント期間中になされてもよく、いくつかの場合ではDRイベント中に修正されてもよい。ユーザの選択に基づいて、最も好適なHVAC制御軌跡を生成して、そのようなユーザにより規定される目的を達成してもよい。さらに、多くの実施の形態では、最も好適なHVAC制御軌跡は、冷却前期間のような継続期間、DRイベント期間中に亘って適用可能な温度セットバックの量、およびHVACの最大デューティサイクルなどのような、さまざまなHVAC制御特性を最適化してもよい。そのようなHVAC制御特性の、独立した、および組合された制御は、さらに、2013年3月15日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号13/842,213(リファレンス番号NES0253−US)に記載されており、その全体の内容をここにその全体においてすべての目的のために引用により援用し、ここに記載される実施の形態は、快適さに対するエネルギ消費におけるユーザの低減の好みを含むがそれに限定はされない大量のデータに基づ
いてそのようなHVAC制御特性の最適な選択を判断するための技術を含む。
【0023】
多くの実施の形態に従うエネルギ管理システムは、個々の家または事業所にあるインテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットを含む。そのようなサーモスタットは、居所の熱保持特性、居所を冷房または暖房する、居所に関連付けられるHVACの容量、(時間に亘って占有(在宅)確率プロファイルを構築することができる占有センサを介しての)居所が占有される見込み、予測された天候、実時間天候、実時間占有などのような、居所についての諸情報を得ることができる。さらに、サーモスタットは、そのユーザによってプログラムされることができるか、または、そのユーザの好みおよび習慣を時間に亘って学習して、スケジューリングされた温度設定点を設定してもよい。例示的な実施の形態において、個々の家および事業所のそれぞれの集団と関連付けられるそのようなネットワーク接続されたサーモスタットの集団は、1つ以上のクラウドサービスプロバイダによって管理される1つ以上の中央サーバと通信するよう構成される。各ネットワーク接続されたサーモスタットはクラウドサービスプロバイダによって管理される1つ以上のアカウントに関連付けられ、データは、ここに記載したDR関連の、使用時間(TOU)関連の、および/または実時間価格付け機能を実行するのに有用な、遠隔制御の容易化、気象データの報告、HVAC制御データおよびステータス情報の報告、ならびに中央制御および/または部分的中央制御およびデータ通信の提供のようなさまざまな有利な機能を与えるために、各ネットワーク接続されたサーモスタットと中央サーバとの間において必要なように行き来して送られる。
【0024】
ここにおけるいくつかの実施の形態は、(i)ネットワーク接続されたサーモスタットの集団と関連付けられるクラウドサービスプロバイダは、記載されたエネルギ管理システムのプロバイダでもある、(ii)エネルギ管理システムのプロバイダはユーティリティ自体とは別個および異なる事業実体である、および(iii)エネルギ管理システムはユーティリティに対する付加価値サービスとして提供される、営利的な筋書に対して特に好適であり有利であってもよいが、この記載の範囲はそのような筋書に対して如何様にも限定されないことが理解されるべきである。他の適用可能な筋書では、たとえば、要素はすべてユーティリティによって与えることができる。他の適用可能な筋書では、要素のいくつかはユーティリティによって提供することができ、一方、他の要素は行政実体によって、または異なる協働する事業体もしくは組合のさまざまな組合せによって提供することができる。DRイベントに先立って、エネルギ管理システムが、それが管理している居所に関して所有する豊富な情報に基づいて、エネルギ管理システムはどれくらいの量のエネルギを居所がDRイベントに亘ってのような所与の期間に亘って消費しそうであるかを効果的に予測し得る。さらに、居所に関する豊富な情報が与えられるとして、エネルギ管理システムはDRイベント期間中に実現され得る居所の元のサーモスタット設定点に対する変動を生成してもよい。変動はその居所がDRイベント期間中により少ないエネルギを消費するようになされ得る。さらに、エネルギ管理システムがその居所に関して有するこの豊富な情報のため、エネルギ管理システムは、さらに、DRイベントに亘って低減されそうな、つまりDRイベント期間からDRイベント期間外の(たとえば引受ける)1つ以上の時間期間にシフトされそうなエネルギの量を正確に予測してもよい。
【0025】
そのようなエネルギ消費予測および管理に対する記載された規定はさらにここに記載されるような多くの利点を生じさせる。たとえば、それらは、エネルギ管理システムが多くの接続された居所のエネルギ消費を効果的に管理することを可能にするのみならず、さらに、それらは、エネルギ管理システムがDRプログラムまたはイベントにおける参加のために大きなプールから居所の部分集合を知的に選択することを可能にする。居所の物理的な特性、居所の地理的な特性、およびそれらの居所の居住者の習慣的な傾向は、地域に亘って広く変動し、したがって、可能性のあるエネルギ節約/シフトも広く変動する。ここに開示されたエネルギ管理システムは、省エネルギプログラムにおける参加者を知的に選
択して、効率を最大限にし、コストを最小限にしてもよい。さまざまなエネルギ管理システムが、さらに、共通して譲渡された上記米国連続番号第13/842,213号に記載されている。
【0026】
ここに開示されるエネルギ管理システムは、個々のレベルおよび総計レベルの両方においてさまざまな居所のエネルギ関連特性への有利な洞察を与えるので、エネルギ管理システムは、さらに、ユーティリティ供給会社のような他の利害関係者が同様にそのような情報に対するアクセスを有するようにポータルを与えてもよい。ある特定の時間期間に亘ってエネルギ消費を低減することは、一般的にユーティリティ供給会社の関心事であるため、ユーティリティ供給会社は、同様に、DRイベントを効率よくかつ効果的に生成および管理するようにさまざまな居所のそのようなエネルギ関連特性を個々に、および総計においてアクセスすることにおいて関心を有する。したがって、ある実施の形態では、資源計画および利用に対する経済的にスマートでありかつ環境的に責任を担う判断を容易にするために、さまざまなレベルの詳細および複雑さにおける消費者レベルのエネルギ関連情報に対するユーティリティプロバイダアクセスを可能にするユーティリティポータルが設けられてもよい。さまざまなユーティリティポータルが、さらに、「需要応答イベントを管理するためのユーティリティポータル(Utility Portals For Managing Demand-Response
Events)」と題される、共通に譲渡された現在継続中の米国連続番号(参照番号NES
0335−US)にさらに記載されており、その全体の内容をここにその全体においてすべての目的のために引用により援用し、さらに、上記の米国連続番号13/842,213にさらに記載されている。
【0027】
さらに、ここに記載される数多くの実施の形態は、「需要応答イベント期間」として識別される期間中においてエネルギ消費を(ある時間期間中において)低減するかまたはそうでなければ(1つの時間期間から他の時間期間に)シフトするよう動作可能であるインテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットを含むエネルギ管理システムを指す一方で、同様の技術が「供給応答イベント期間」中に適用されてもよく、その場合には、供給応答イベント期間は、(エネルギ消費を低減することとは対照的に)エネルギ消費を増大させることが所望される(不十分な供給とは対照的な)過剰なエネルギ供給の期間を示すことが理解される。そのようなイベント期間中においては、エネルギ消費を最小にするよう制御軌跡を最適化する代わりに、その反対が実現され、それによって、制御軌跡はエネルギ消費を最大にするよう最適化されてもよい。ある実施の形態では、過剰なエネルギ供給は、ソーラーパネル、風力タービン、ガスにより動力を供給される発電機、または他の電力源などのような、1つ以上のエネルギ生成要素により、エネルギ消費者によって供給されるエネルギを含んでもよい。エネルギが(たとえば晴天期間中において)エネルギ消費者によって供給される状況においては、そのような期間は「供給応答イベント期間」と考えられてもよい。
【0028】
これらおよび他の実施の形態の詳細はさらにここに開示され、そのさらなる理解は図を参照して十分に理解することができる。ここで、次いで図を見て、
図1は、実施の形態に従って、需要応答プログラム及びイベントを管理するためのシステム100を示す。システム100は複数の発電機110A〜110N、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120、エネルギ管理システム130、通信ネットワーク140、複数のエネルギ消費者の居所150A〜150N、および配電網160を含む。
【0029】
発電機110A〜110Nは、当該技術分野において公知のさまざまな技術のうちの1つ以上を用いて電気または他のタイプのエネルギ(たとえばガス)を生成するよう動作可能である。たとえば、発電機110A〜110Nは、水力発電システム、原子力発電所、化石燃料に基づく発電所、太陽光による発電所、風力発電所、ガス処理プラントなどを含んでもよい。所与の時間において生成されてもよい電気の量は、発電機110A〜110
Nによって決められる、供給されるある最大エネルギに制限されてもよい。さらに、発電機110A〜110Nは、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120を実現するユーティリティプロバイダによって所有および管理されてもよく、または源エネルギをユーティリティプロバイダの顧客に提供するようユーティリティプロバイダと契約を結んでいる1つ以上の第三者エンティティによって所有および/または管理されてもよい。
【0030】
ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120は、発電機110A〜110N、エネルギ管理システム130、およびある実施の形態においては居所150A〜150Nのうちの1つ以上における電子システムのうちの1つ以上と通信するよう動作可能であるコンピューティングシステムである。ユーティリティプロバイダ会社システム120と関連付けられるユーティリティプロバイダは、典型的には、発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nにおけるエネルギ消費者への配電を管理する。この管理は、電気が発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nに成功裏に伝送されることを確実にすること、居所150A〜150Nの各々におけるエネルギ消費量を監視すること、および居所150A〜150Nのそれぞれの監視されるエネルギ消費量に従ってそれらの居住者から料金を回収すること、を含む。ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120は、ここに記載される動作の1つ以上を実行してもよく、ここにさらに記載されるように、および記載される動作を容易にするよう必要とされるように、さまざまなコンピュータプロセッサ、記憶素子、通信機構などを含んでもよい。
【0031】
エネルギ管理システム130は、選択肢的に報告および制御機構をユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120に提供しながら、居所150A〜150Nの1つ以上におけるエネルギ消費を知的かつ効率よく管理するよう動作可能であるコンピューティングシステムである。エネルギ管理システム130は、居所150A〜150Nに関連付けられる電子装置との実時間の双方向通信にネットワーク140を介して従事し、およびユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120との実時間の双方向通信に従事するよう動作可能であってもよい。1つの特定の実施の形態では、エネルギ管理システム130は、総計のエネルギ需要が発電機110A〜110Nの最大エネルギ供給限界を超えないように、居所150A〜150Nにおいて消費される総計のエネルギ量を低減するよう動作可能であってもよい。そのような低減は1日を通して任意の好適な時間期間中において達成されてもよい。たとえば、そのような低減は、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120によって通信される需要応答(DR)イベント中に達成されてもよい。エネルギ管理システム130は、ここに記載される動作の1つ以上を実行してもよく、ここにさらに記載され、および記載される動作を容易にするよう必要とされるように、さまざまなコンピュータプロセッサ、記憶素子、通信機構などを含んでもよい。
【0032】
ネットワーク140は、エネルギ管理システム130の1つ以上のコンポーネントと居所150A〜150Nの1つ以上と関連付けられる1つ以上の電子装置との間におけるような、さまざまなエンティティ間において通信を可能にするための任意の好適なネットワークである。そのようなネットワークは、たとえば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、仮想私設網、インターネット(登録商標)、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク、無線データ通信ネットワーク、セルラーネットワーク、もしくは任意の他のそのような有線もしくは無線ネットワーク、またはそれらの組合せを含んでもよい。ネットワーク140は、さらに、任意の好適なネットワークトポロジを組込んでもよい。ネットワーク140は任意の好適なプロトコルを利用してもよく、ネットワーク140を介する通信は、有線または無線接続およびそれらの組合せによって可能にされてもよい。
【0033】
居所150A〜150Nは、エネルギ消費に関連付けられるさまざまな構造物または構内である。構造物は、個人の宅地、家屋、アパート、コンドミニアム、学校、商業用不動産、平屋もしくは複数階オフィスビルディングおよび/または製造設備などのようなさまざまな構造物タイプに亘ってもよい。ここに記載されるある数の例は、構造物を、家屋の形態の個人の宅地であるとして言及するが、実施の形態はそのように限定されるものではなく、なぜならば、当業者は、ここに記載される技術は他のタイプの構造物に対しても等しく適用可能であり得ることを理解するであろうからである。いくつかの実施の形態は居住の筋書きに対して特に有利であり得るが、本教示の範囲はそのようには限定されず、ビジネス環境、学校環境、行政建築物環境、スポーツまたは娯楽エリアなどに対しても等しく有利であってもよいことが理解されるべきである。したがって、以下に記載の多くは居住の文脈において述べられるが、これは、記載を明確にする目的のためであって、限定によるものではないことが理解されるべきである。
【0034】
居所150A〜150Nは、典型的には、1つ以上のエネルギ消費装置を含み、それらは、テレビ、電子レンジ、家庭用音声設備、暖房/冷房システム、洗濯機、食洗機などのような電気エネルギ消費装置であり得る。同様に、エネルギ消費装置は、ガス消費装置などのような1つ以上の他のタイプのエネルギ消費装置を含み得る。たとえば、居所150A〜150Nは、天然ガス(空気/水/など)ヒータ、ストーブ、暖炉などを含んでもよい。居所150A〜150Nは、多くの実施の形態では、前述のエネルギ消費装置の1つ以上によるエネルギ消費を制御する1つ以上の制御装置を含む。たとえば、それらは、居所の熱的環境を制御するよう動作可能である、インテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットを含んでもよい。サーモスタットは、この後ここに記載される処理の多くが、エネルギ管理システム130においてコンピューティングシステムによって、またはサーモスタットそれら自体によって実行されてもよいという点で、エネルギ管理システム130の一部であるよう考えられてもよい。代替的に、サーモスタットは、エネルギ管理システム130の他のコンポーネントに対して地理的に遠隔地にあるため、エネルギ管理システム130から分離していると考えられてもよい。いずれの場合にしても、居所150A〜150Nに関連付けられる電子装置は、ここに記載される動作の1つ以上を実行してもよく、ここにさらに記載されるように、および記載される動作を容易にするよう必要とされるように、さまざまなコンピュータプロセッサ、記憶素子、通信機構などを含んでもよい。大抵の実施の形態は、(たとえば暑い夏の間など)構造物の内部の温度を下げることが望ましい状況の文脈において記載されるが、同様の原理が、(たとえば寒い冬の間など)構造物の内部の温度を上げることが望ましい状況において(ちょうど反対に適用されて)当てはまる。いくつかの実施の形態では、インテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットのいくつかまたはすべては、機能性において、カリフォルニア州パロアルトのNest Labs, Inc.から入手可能なNEST LEARNING THERMOSTAT(登録商標)と同
じであるかまたは同様であってもよい。
【0035】
配電網160はエネルギを発電機110A〜110Nの1つ以上から居所150A〜150Nの1つ以上に移送するための任意の好適なネットワークである。配電網では、パワー分配網160は電気を発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nに伝送するために当該技術分野において公知のさまざまな電力線、変電所、柱上変圧器、などを含んでもよい。ガス分配網では、パワー分配網160は、天然または他のタイプのエネルギ生成ガスをパワー生成器110A〜110N(この実施の形態では、油田および/または処理プラント)から居所150A〜150Nに輸送するためのさまざまな圧送所、保管要素、パイプなどを含んでもよい。
【0036】
システム100は、ある実施の形態では、1つ以上のコンピュータネットワークまたは直接接続を用いて通信リンクを介して相互接続されるいくつかのコンピュータシステムおよびコンポーネントを利用して需要応答プログラムおよびイベントを管理するための分散
型システムである。しかしながら、当業者には、そのようなシステムは、
図1に示されるよりも少ない、または多い数のコンポーネントを有するシステムにおいても等しく十分に動作し得ることが理解される。したがって、
図1のシステム100の説明は本質的に例示的であるものとしてとられ、本教示の範囲を限定するようにとられるものではない。
【0037】
図2は、スマートホーム環境200の一例が示され、そこにおいては、ここにさらに記載される装置、方法、システム、サービスおよび/またはコンピュータプログラム製品のうちの1つ以上が適用可能である。示されるスマートホーム環境は構造物250を含み、それは、たとえば、家屋、オフィスビルディング、ガレージ、移動住宅などを含み得る。ある実施の形態では、構造物250は、
図1を参照して記載される構造物150A〜150Nの1つ以上に対応してもよい。構造物250に加えて、スマートホーム環境200は、さらに、ネットワーク262およびリモートサーバ264を含み、それらは、一実施の形態においては、それぞれ、ネットワーク140およびエネルギ管理システム130(
図1)に対応する。示される構造物250はさらにここに記載されるようにさまざまなコンポーネントおよび装置を含むが、プールヒータ214、灌漑システム216、アクセス装置260などのようなある数のコンポーネントおよび装置も、構造物250内またはその上において物理的に取付けられるかまたは配置されることなく、構造物250に関連付けられてもよい(たとえば構造物250においてパワーを供給されてもよい)。
【0038】
スマートホーム環境200は、互いから壁254を介して少なくとも部分的に分離される複数の部屋252を含む。壁254は内壁または外壁を含み得る。各部屋は、さらに、床256および天井258を含み得る。装置は、壁254、床256または天井258上に取付けられるか、それ(ら)と統合されるか、および/またはそれ(ら)によって支持され得る。スマートホーム環境200内に組込まれてもよいさまざまな装置は、さまざまな有用なスマートホーム目的のうちの任意のものを与えるよう、互いと、および/またはクラウドベースのサーバシステムと途切れ目なく統合可能なインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された装置を含む。あるインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続されたサーモスタット202は、大気における気候特性(たとえば温度および/または湿度)を検出し、暖房、換気および空調(HVAC)システム203を制御し得る。HVACシステムの制御がここに記載されるが、同様の原理が、暖房システム、空調システム、湿度制御システム、またはそれらの任意の組合せのような、他の温度/湿度制御システムを制御することに等しく適用され得ることが理解されるべきである。1つ以上のインテリジェントなネットワーク接続された、マルチ検知の、ハザード検出ユニット204は、家屋環境における危険な物質および/または危険な状態(たとえば煙、炎または一酸化炭素)の存在を検出し得る。1つ以上のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された入口通路インターフェイス装置206は、「スマートドアベル」とも称され得、ある場所への人の接近もしくはある場所からの人の退去を検出し、可聴機能を制御し、音声手段もしくは視覚手段を介して人の接近もしくは退去を知らせ、またはセキュリティシステムにおける設定を制御して(たとえばセキュリティシステムを活性化または非活性化させる)ことが可能である。
【0039】
いくつかの実施の形態では、スマートホームは、スマートメータなどのような少なくとも1つのエネルギ消費計器218を含み得る。エネルギ消費計器218は、構造物250において、およびその周りにおいて装置によって消費される何らかのまたはすべてのエネルギ(電気、ガスなど)を監視する。エネルギ消費計器218は、ある所与の時間期間に亘って消費されるエネルギの量を計器218の表面上に表示してもよい。所与の期間は、たとえば、1秒、1分、1時間、1日、1ヶ月、1秒未満の時間帯、1ヶ月より長い時間帯、または1秒と1ヶ月との間の時間帯などであってもよい。ある実施の形態では、エネルギ消費計器218は、計器218がさまざまな情報、たとえば1つ以上の所与の期間に亘って消費されるエネルギの量、任意の特定の時間におけるかまたは任意の特定の時間期
間中におけるエネルギの価格などを通信することを可能にする通信能力(有線または無線)を含んでもよい。通信能力は、さらに、計器がさまざまな情報を受信することを可能にしてもよい。たとえば、計器は、HVACシステム203などのようなスマートホームにおける1つ以上の装置を制御するための命令、任意の特定の時間における、または任意の特定の時間期間中におけるエネルギの価格などを受信してもよい。構造物250における、およびその周囲における装置の制御を容易にするために、計器218はそのような装置と有線または無線で接続されてもよい。
【0040】
複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された壁照明スイッチ208の各々は、周囲の照明状態を検知し、部屋占有状態を検出し、ならびに1つ以上の照明の出力および/または薄暗い状態を制御し得る。いくつかの例では、照明スイッチ208は、さらに、または代替的に、天井ファンなどのファンの出力状態または速度を制御し得る。複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された壁プラグインターフェイス210の各々は、部屋または構内の占有を検出し、(たとえば家に誰もいない場合には電力がプラグに供給されないように)1つ以上の壁プラグに対する電力の供給を制御し得る。スマートホームは、さらに、冷蔵庫、ストーブおよび/またはオーブン、テレビ、洗濯機、乾燥機、照明(構造物250の内部/外部)、ステレオ、インターコムシステム、ガレージ扉開閉器、床ファン、天井ファン、全家屋ファン、壁空調装置、プールヒータ214、潅漑システム216、セキュリティシステム、などのような、複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された機器212を含んでもよい。
図2の説明は、特定の装置に関連付けられる特定のセンサおよび機能を識別し得るが、(本明細書を通して記載されるもののような)さまざまなセンサおよび機能のうちの任意のものを装置内に組込むことができることが理解される。
【0041】
処理および検知能力を含むことに加えて、スマートホーム環境200内における装置の各々は、スマートホーム環境200内における任意の他の装置、ならびにアクセス装置266および/またはリモートサーバ264などのようなスマートホーム環境240外の任意の装置とのデータ通信および情報共有が可能であり得る。装置は、さまざまなカスタムもしくは標準無線プロトコル(Wi-Fi, ZigBee, 6LoWPAN, IR, IEEE 802.11, IEEE 802.15.4など)のうちの任意のもの、および/またはさまざまなカスタムもしくは標準有線プロトコル(CAT6 Ethernet(登録商標), HomePlugなど)を介して通信を送受し得る。壁プラグ
インターフェイス210は、無線または有線のリピータとして供され得、および/または(i)ACコンセントにプラグを差込まれホームプラグまたは他の電力線プロトコルを用いて通信する装置と(ii)ACコンセントにプラグを差込まれない装置との間におけるブリッジとして機能し得る。
【0042】
たとえば、第1の装置は第2の装置と無線ルータ260を介して通信し得る。ある装置は、さらに、ネットワーク262などのようなネットワークへの接続を介して遠隔装置と通信し得る。ネットワーク262を介して、装置は中央(つまりリモート)サーバまたはクラウドコンピューティングシステム264と通信し得る。リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は、その装置と関連付けられる製造業者、サポートエンティティまたはサービスプロバイダと関連付けられ得る。一実施の形態では、ユーザは、電話またはインターネット接続されたコンピュータなどのような他の通信手段を用いる必要なく、装置それ自体を用いてカスタマーサポートと連絡をとることができてもよい。
【0043】
装置のネットワーク接続は、さらに、たとえユーザが装置の近くにいなくても、ユーザがその装置と対話することを可能にし得る。たとえば、ユーザは、コンピュータ(たとえばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータもしくはタブレット)または他の携帯電子装置(たとえばスマートフォン)266を用いて装置(たとえばサーモスタッ
ト202)と通信し得る。あるウェブページまたはソフトウェアアプリケーションは、ユーザから通信を受信し、その通信に基づいて装置を制御するよう、および/またはその装置の動作についての情報をユーザに提示するよう構成され得る。たとえば、携帯電子装置266を用いてサーモスタット202と対話しているとき、ユーザは、携帯電子装置266を用いて、サーモスタットについての現在の設定点温度を見て、それを、携帯電子装置266を用いて調整することができる。ユーザは、この遠隔通信中において構造物内にいるか、または構造物の外部にいることができる。携帯電子装置266とサーモスタット202との間の通信はリモートサーバ264を介して経路付けられてもよく(たとえば携帯電子装置266が構造物250から遠くにあるときなど)、またはある実施の形態ではリモートサーバ264を除いて経路付けられてもよい。
【0044】
スマートホーム環境200は、さらに、壁プラグインターフェイス210によって、粗くではあるが(ON/OFF)、制御され得る、古い従来の洗濯機/乾燥機、冷蔵庫などのような、さまざまな、通信を行なわない、旧来の機器240を含み得る。スマートホームは、さらに、ハザード検出ユニット204もしくは照明スイッチ208によって与えられるIR信号によって、またはある実施の形態では、壁プラグインターフェイス210を介して通信するよう電力線などのようなソケットに基づく通信プロトコルを用いることによって制御され得る、IR制御される壁空調機または他のIR制御される装置のような、さまざまな、部分的に通信を行なう旧来の機器242を含み得る。
【0045】
構造物250の内部および外部に位置するコンポーネントのうちのいくつかまたはすべては、実施の形態によって、エネルギ管理システム130の一部と考えられてもよいことが理解されるべきである。一般的に、他のエネルギ消費装置の制御を容易にする装置またはコンポーネントは、エネルギ管理システム130の一部と考えられてもよい。たとえば、サーモスタット202およびアクセス装置266はエネルギ管理システム130の一部と考えられてもよく、一方、HVAC203、プールヒータ214、および旧来の機器240などのようなエネルギ消費コンポーネントはエネルギ管理システム130の外部にあると考えられてもよく、なぜならば、それらは、サーモスタット202およびアクセス装置266によって制御可能なエネルギ消費要素を含むからである。他の例では、しかしながら、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置260、照明スイッチ208、プラグインターフェイス210などのような、スマートホーム環境200の追加的または代替的なコンポーネントは、エネルギ管理システム130の一部として考えられてもよく、なぜならば、それらは、エネルギ管理システム130が知的なエネルギ管理判断を下すのを助けるよう、エネルギ管理システム130のための監視(および/または制御)機能を与えてもよいからである。さらに別の例では、(リモートサーバ264を除く)スマートホーム環境の装置のいずれもエネルギ管理システム130の一部でなくてもよく、スマートホーム環境200の装置の1つ以上は、監視および/またはエネルギ消費タスクを実行するようエネルギ管理システム130によって遠隔制御される従属的装置であってもよい。
【0046】
スマートホーム環境200は、ある実施の形態では、すべて、互いと、およびリモートサーバ264などのようなスマートホーム200の外部の装置またはシステムと通信するよう動作可能である、ある数のクライアント装置およびアクセス装置を含む環境である。しかしながら、当業者には、そのような環境は、
図2に示されるよりも少ないかまたは多い数のコンポーネントを有する状態で等しく十分動作し得ることが理解される。異なる機能を有するさまざまな要素を含むスマートホーム環境の1つの特定の例は、2012年9月21日に提出された、米国仮出願連続番号第61/704,437号に詳細に記載されており、その全体の内容をすべての目的のためにここに引用により援用する。したがって、
図2におけるスマートホーム環境200の図示は本質的に例示的であるとして考えられるべきであり、本教示の範囲を限定するように考えられるべきではない。
【0047】
図3Aは、インテリジェントなネットワーク接続された装置300(つまり「装置」)に含まれ得る一般的な装置コンポーネントの例を示す。装置300は、サーモスタット202、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210などのような、
図2を参照して論じられたさまざまな装置の1つ以上として実現されてもよい。以下の議論の多くは装置300をサーモスタット202として提示するが、実施の形態はそのように限定されないことが認識されるべきである。装置のシステム内における1つの、1つより多い、またはすべての装置300の各々は、1つ以上のセンサ302、ユーザインターフェイスコンポーネント304、電源(たとえば電力接続306および/またはバッテリ308を含む)、通信コンポーネント310、モジュラリティユニット(たとえばドッキングステーション312および置換可能なモジュール314を含む)、インテリジェンスコンポーネント316、および不正変更検出回路系318を含み得る。特定のセンサ302、ユーザインターフェイスコンポーネント304、電源構成、通信コンポーネント310、モジュラリティユニット、インテリジェンスコンポーネント316、および/またはワイヤ不正変更検出回路系318は、装置300に亘って同じであるかもしくは類似し得、または装置タイプもしくはモデルによって変動し得る。
【0048】
例示的に、かつ限定によってではなく、装置300における1つ以上のセンサ302は、たとえば、加速、温度、湿度、水、供給電力、近接度、外部の動き、装置の動き、音声信号、超音波信号、光信号、炎、煙、一酸化炭素、全地球測位システム(GPS)信号、または無線周波数(RF)もしくは他の電磁信号もしくは電磁場を検出することができてもよい。したがって、たとえば、センサ302は、温度センサ、湿度センサ、ハザード関連センサまたは他の環境的センサ、加速度計、マイクロフォン、光学センサを、カメラ(たとえば、電荷結合素子もしくはビデオカメラ)、能動的もしくは受動的輻射センサ、GPSレシーバまたは無線周波数識別検出器まで、およびそれを含んで、含み得る。
図3Aは単一のセンサを伴う実施の形態を示すが、多くの実施の形態は複数のセンサを含むことになる。ある例では、装置300は1つ以上の一次センサおよび1つ以上の二次センサを含む。一次センサは、装置のコア動作(たとえばサーモスタットにおいて温度を検知することまたは煙検出器において煙を検知することなど)に対して中心のデータを検知し得る。第2のセンサは、他のタイプのデータ(たとえば動き、光または音)を検知することができ、それをエネルギ効率目的またはスマート動作目的のために用いることができる。ある例では、平均的なユーザは、二次センサの存在に気づきさえしないかも知れない。
【0049】
装置300における1つ以上のユーザインターフェイスコンポーネント304は、情報を、ユーザに対して、視覚ディスプレイ(たとえば薄膜トランジスタディスプレイまたは有機発光ダイオードディスプレイ)および/もしくは音声スピーカならびに/または何らかの他の通信媒体を介して提示するよう構成されてもよい。ユーザインターフェイスコンポーネント304は、さらに、タッチスクリーン、ボタン、スクロールコンポーネント(たとえば可動もしくは仮想リングコンポーネント)、マイクロフォンまたはカメラ(たとえば身振り(ジェスチャ)を検出するためになど)などのような、ユーザから情報を受け取る1つ以上のユーザ入力コンポーネントを含み得る。一実施の形態では、ユーザインターフェイスコンポーネント304はクリックおよび回転環状リングコンポーネントを含み、ユーザは、(たとえば設定を調整するよう)リングを回転することによって、および/または(たとえば調整された設定を選択するかもしくはオプションを選択するよう)リングを内方向にクリックすることによって、そのコンポーネントと対話し得る。別の実施の形態では、ユーザ入力コンポーネント304は、カメラを含み、(たとえば装置の出力またはアラーム状態が変更されることになる旨を示すべく)身振りが検出され得る。
【0050】
装置300におけるある電源コンポーネントは、電力接続306および/またはローカ
ルバッテリ308を含んでもよい。たとえば、電力接続308は、装置300を、線間電圧源のような電源に接続し得る。いくつかの例では、AC電源への接続306を用いて、(たとえば再充電可能な)ローカルバッテリ308を繰返し充電し得、バッテリ308は、後で、必要に応じて、AC電力切断の場合または他の電力不足の場合に電力を供給するよう用いられ得る。
【0051】
装置300における通信コンポーネント310は、装置300が、リモートサーバ264のような中央サーバ、またはここに記載される他の装置300もしくは携帯ユーザ装置などのような遠隔装置と通信することを可能にするコンポーネントを含み得る。通信コンポーネント310は、装置300が、非限定的な例として、Wi−Fi、ZigBee、3G/4G無線、IEEE 802.11、IEEE 802.15.4、6−LO−PAN、Bluetooth(登録商標)、CAT6有線イーサネット、ホームプラグまたは他の電力線通信方法、電話、または光ファイバのような、1つ以上の有線または無線通信技術を、同時または連続的に用いて通信することを可能にし得る。通信コンポーネント310は、1つ以上の無線カード、イーサネットプラグ、または他のトランシーバ接続を含み得る。ある実施の形態では、通信コンポーネント310は、装置300と、中央サーバと、ある場合には追加の装置との間において情報を同期させるよう、中央サーバとの通信を容易にする。そのような装置間においてデータを同期させるための技術は、さらに、2012年9月22日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号第13/624,892号(リファレンス番号NES0231−US)にさらに記載されており、その内容の全体をすべての目的のためにここに引用により援用する。
【0052】
装置300におけるモジュラリティユニットは、静的な物理的接続および置換可能なモジュール314を含み得る。したがって、モジュラリティユニットは、(たとえば配線を保存するために、)装置300を完全に再設置することなく、置換可能なモジュール314をアップグレードする能力を与え得る。静的な物理的接続は、構造物に取付けることができる(インターフェイスボックスとも称され得る)ドッキングステーション312を含み得る。たとえば、ドッキングステーション312は、ねじで壁に取付けられ得るか、または天井に接着剤で固着され得る。ドッキングステーション312は、ある例では、構造物の一部を通って延在し得る。たとえば、ドッキングステーション312は、壁の後ろの配線(たとえば120V線間電圧線)に、壁のシートロックを介して形成された穴を介して接続し得る。ドッキングステーション312は、電力接続回路系306および/またはAC−DC電力供給回路系のような回路系を含み得、ユーザが高電圧線にさらされるのを防ぎ得る。ドッキングステーション312は、さらに、または代替的に、(建築構造物を暖房するための)暖房ユニット、(建築構造物を冷房するための)空調ユニット、および/または(建築構造物を通して空気を循環させるための)換気ユニットなどのような、HVACシステムの要素を作動させる(つまりオンおよびオフにする)ための制御回路系を含んでもよい。ある例では、ドッキングステーション312は、あるタイプまたはモデルの装置に特化しており、たとえば、サーモスタット装置は煙検出器装置とは異なるドッキングステーションを含む。ある例では、ドッキングステーション312は、複数のタイプおよび/またはモデルの装置300に亘って共有され得る。
【0053】
モジュラリティユニットの置換可能なモジュール314は、装置の、いくつかまたはすべてのセンサ302、プロセッサ、ユーザインターフェイスコンポーネント304、バッテリ308、通信コンポーネント310、インテリジェンスコンポーネント316などを含み得る。置換可能なモジュール314は、ドッキングステーション312に取付けられる(たとえばそれにプラグを挿入されるかまたはそれに接続される)ように構成され得る。ある例では、置換可能なモジュール314の組が、置換可能なモジュール314に亘って変動する能力、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを伴って製造される。ユーザは、したがって、すべての装置コンポーネントを置換したり、装置300を完全に再設置
したりする必要なしに、彼らの置換可能なモジュール314を容易にアップグレードまたは置換することができる。たとえば、ユーザは、限られた知能およびソフトウェア能力を有する第1の置換可能なモジュールを含む安価な装置から始めることができる。ユーザは、次いで、さらに能力のある置換可能なモジュールを含むよう、装置を容易にアップグレードすることができる。別の例としては、ユーザは、モデル#1装置を彼らの地下室に有し、モデル#2装置を彼らの居間に有し、彼らの居間の装置をアップグレードしてモデル#3の置換可能なモジュールを含ませる場合には、ユーザは、モデル#2の置換可能なモジュールを地下室に移動させて、既存のドッキングステーションに接続することができる。モデル#2の置換可能なモジュールは、次いで、(たとえばユーザからユーザインターフェイスを介して情報を要求することによって)その新たな位置を識別するために起動プロセスを始めてもよい。
【0054】
装置のインテリジェンスコンポーネント316は、さまざまな異なる装置機能のうちの1つ以上をサポートし得る。インテリジェンスコンポーネント316は、一般的には、ここに記載される有利な機能の1つ以上を実行および/または実行させられるよう構成およびプログラミングされる1つ以上のプロセッサを含む。インテリジェンスコンポーネント316は、ローカルメモリ(たとえばフラッシュメモリ、ハードドライブ、ランダムアクセスメモリ)に記憶されるコンピュータコードを実行する汎用プロセッサ、専用プロセッサもしくは特定用途向け集積回路、それらの組合せの形式において、および/または他のタイプのハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア処理プラットホームを用いて実現され得る。インテリジェンスコンポーネント316は、さらに、非同期Javascript(登録商標)およびXML(AJAX)または同様のプロトコルを用いて、クラウドサーバから与えられる命令を実行するJava(登録商標)仮想マシン(JVM)を動作させることなどによって、中央サーバまたはクラウドベースのシステムによって遠隔で実行または司られるアルゴリズムのローカル化されたバージョンまたは対応物として実現され得る。例として、インテリジェンスコンポーネント316は、ある場所(たとえば家屋または部屋)がある特定の人物によって占有されるかもしくは(たとえば1つ以上のしきい値に関して)ある特定数および/もしくは組の人々によって占有されるかどうかまで、ならびにそれを含んで、その場所がいつ占有されるかを検出するよう構成され得る。そのような検出は、たとえば、マイクロフォン信号を解析すること、(たとえば装置の前における)ユーザの移動を検出すること、扉もしくはガレージ扉の開閉を検出すること、無線信号を検出すること、受信された信号のIPアドレスを検出すること、またはある時間窓内で1つ以上の装置の動作を検出することによって生じ得る。インテリジェンスコンポーネント316は、特定の居住者または物体を識別するよう、画像認識技術を含んでもよい。
【0055】
いくつかの例では、インテリジェンスコンポーネント316は、望ましい設定を予測するよう、および/またはそれらの設定を実現するよう構成され得る。たとえば、存在検出に基づいて、インテリジェンスコンポーネント316は、たとえば、家もしくはある特定の部屋に誰もいないときに出力を節約するよう、またはユーザの好み(たとえば一般的な家庭での好みもしくはユーザに特定の好み)に従って、装置設定を調整し得る。別の例として、特定の人物、動物または物体(たとえば子供、ペットまたは紛失した物体)の検出に基づいて、インテリジェンスコンポーネント316は、その人物、動物または物体がどこにあるかの音声インジケータもしくは視覚インジケータを起動し得、または認識されない人物がある条件下(たとえば夜もしくは照明が消えているときに)検出される場合にアラームもしくはセキュリティ特徴を起動させ得る。さらに別の例では、インテリジェンスコンポーネント316は、ユーザ設定における、時間単位、週単位またはさらには季節単位の傾向を検出し、設定をそれに従って調整し得る。たとえば、インテリジェンスコンポーネント316は、ある特定の装置が平日は毎日6:30amにオンにされること、またはある装置設定は直近の3時間に亘って高い設定からより低い設定に徐々に調整されることを検出し得る。インテリジェンスコンポーネント316は、次いで、その装置が平日は
毎日6:30amにオンにされること、または設定は、その設定を、より長い時間期間に亘って徐々に下げ続けるべきであることを予測し得る。
【0056】
ある例では、装置は、第1の装置によって検出されるイベントが第2の装置の動作に影響を与えるように、互いと対話し得る。たとえば、第1の装置は、(たとえばガレージにおいて動きを検出すること、ガレージにおいて照明における変化を検出すること、またはガレージ扉が開かれたことを検出することによって)ユーザがガレージに入って行ったことを検出し得る。第1の装置はこの情報を第2の装置に送信し、第2の装置は、たとえば、家屋温度設定、照明設定、音楽設定、および/またはセキュリティアラーム設定を調整し得る。別の例として、第1の装置は(たとえば動きまたは突然の光パターンの変化を検出することによって)ユーザが玄関に接近するのを検出し得る。第1の装置は、(たとえばドアベルの音のような)一般的な音声もしくは視覚信号を呈させ、または(たとえば訪問者の存在を、ユーザが占有している部屋内において知らせるよう)場所に特化した音声もしくは視覚信号を呈させることができる。
【0057】
不正変更検出回路系318はインテリジェンスコンポーネント316の一部であってもよく、またはそれと分離していてもよい。不正変更検出回路系318は、装置300の不正変更を検出するよう動作可能であるソフトウェアおよび/またはハードウェアを含んでもよい。不正変更は、たとえば、DRイベント中にリモートサーバによるHVAC制御を回避しようとするユーザの試みを示す、装置300とHVACとの間における切断、DRイベント中にリモートサーバによるHVAC制御を回避しようとするユーザの試みを示す、HVACによるインピーダンスまたは電力消費における変化などを含み得る。
【0058】
図3Bは、いくつかの実施の形態に従って、設置、構成およびアップグレードを容易にするために置換可能なモジュール314(たとえばヘッドユニット)とドッキングステーション312(たとえばバックプレート)とを有する、インテリジェントなネットワーク接続された装置300を示す。上に記載されるように、装置300は、壁に取付けられてもよく、円形の形状を有してもよく、ユーザ入力を受けるための(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)外側の回転可能なリング320を有してもよい。外側の回転可能なリング320は、ユーザが、新たな目標温度を選択することなどのような、調整をなすことを可能にする。たとえば、外側リング320を時計回りに回転させることによって、目標設定点温度を上げることができ、外側リング320を反時計回りに回転させることによって、目標設定点温度を下げることができる。構造物内の温度を既存の設定点温度に即時に変更させる要望を反映する、その設定点温度に対する変更は、ここでは、「即時設定点温度」または「現在の設定点温度」に対する変更と称されてもよい。これは、設定点温度が構造物内における未来の温度に対する要望を反映してもよい、時間単位、日単位、週単位、月単位、または他のスケジュールにおいて与えられてもよい設定点温度とは対照的である。そのような設定点温度はここでは「スケジューリングされた設定点温度」または「設定点温度のスケジュール」と称されてもよい。
【0059】
装置300は、(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)ディスプレイ324を含むカバー322を有する。ヘッドユニット314はバックプレート312上にスライドする。ディスプレイ324は、たとえば装置300の現在の動作状態、ユーザのリング320を介しての装置との直接的対話、(能動的赤外線モーションセンサなどのような)近接センサ302などを介してのユーザの存在の検知、遠隔アクセス装置を介しての装置との遠隔ユーザ対話などによって、さまざまな情報を表示してもよい。たとえば、ディスプレイ324は、現在の設定点の温度を表す中央の数字を表示してもよい。
【0060】
ある実施の形態によれば、ヘッドユニット314のバックプレート312に対する接続
は、磁石、差込ピン、ラッチおよび留具、タブまたはリブと対応の凹みを用いるか、またはヘッドユニット314およびバックプレート312の対応する部分上における単純な摩擦を用いることによって達成され得る。ある実施の形態では、ヘッドユニット314は、バッテリ308、通信コンポーネント310、インテリジェンスコンポーネント316、および(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)ディスプレイドライバ326を含む。バッテリ308は、ともに2011年2月24日に提出された、共通に譲渡された係属中の米国連続番号13/034,674(リファレンス番号NES0006−US)および13/034,678(リファレンス番号NES0007−US)ならびに2011年10月6日に提出された共通に譲渡された米国連続番号13/267,871(リファレンス番号NES0158−US)にさらに詳細に記載され、それらのすべてをここにおいてそれらの全体をすべての目的のために引用により援用する、電力採取(盗電および/または電力共有とも称される)を介してHVACシステム制御回路から得られるか、または可能である場合には共通のワイヤから得られる、バックプレート312からの電力を用いる(たとえばインテリジェンスコンポーネント316の一部であってもよく、および/またはバックプレート312に含まれてもよい)再充電回路系を用いて、再充電されてもよい。ある実施の形態によれば、バッテリ308は、再充電可能な単一セルリチウムイオン、またはリチウムポリマーバッテリである。
【0061】
バックプレート312は、電子機器330および(たとえばセンサ302の1つであってもよい)温度センサ332をハウジング334に含み、それらは通気口336を介して換気される。温度センサ332は、バックプレート312が、たとえヘッドユニット314に接続されていないときでも十分に機能的なサーモスタットとして動作することを可能にする。ワイヤコネクタ338は、HVACシステムのコンポーネントを作動させるためのワイヤへの接続、HVACシステムから電力を受取るためのワイヤへの接続などのような、HVACシステムワイヤに対する接続を可能にするよう設けられる。接続端子340は、ヘッドユニット314とバックプレート312との間の電気的接続を与える雄または雌プラグコネクタである。HVACシステムに接続し、およびそれを制御するためのさまざまな構成は、さらに、上記米国連続番号第13/034,674号および第13/034,678号に記載されている。
【0062】
ある実施の形態では、バックプレート電子機器330は、MCUプロセッサ、およびHVAC制御回路を開閉するためのドライバ回路系を含み、それによって、暖房および冷房などのような1つ以上のHVAC機能をオンおよびオフにする。電子機器330は、さらに、1日のうちの異なる時間に効果を表す一連のプログラミングされた設定を記憶するよう用いられるフラッシュメモリを含み、ヘッドユニット314がバックプレート312に取付けられないときでさえ、プログラミングされた設定点(つまり所望の温度)変更が実行され得る。ある実施の形態によれば、電子機器330は、さらに、HVAC共通電力線が利用可能でないときでさえ、HVAC制御回路から電力を得るよう(ヘッドユニット314に設けられるものに加えて、またはそれと代替的であってもよい)電力採取回路系を含む。さまざまな実施の形態では、不正変更検出回路系318(
図3A)は、ヘッドユニット314およびバックプレート312の1つ以上に組込まれてもよく、ヘッドユニット314がバックプレート312に結合されるかどうかに関わらず、不正変更が検出されてもよい。
【0063】
図3Cは、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318を特に参照して、装置300の概念図を示す。ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は、本教示の範囲から逸脱することなく、装置300の本体と、全体的または部分的に、分離可能または分離不可能に一体であり得ることが理解される。したがって、たとえば、1つの実施の形態に対しては、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は装置300の本体と分離不可能に一体であり得、HVACワイヤは、1つの単一体のユニットと
して壁上に配置される前に後ろに直接挿入される。別の実施の形態では、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は、サーモスタットの本体が取付けられる壁プレートユニットに位置し得、ここにおいて、ワイヤのサーモスタットへの挿入に対する言及は、ワイヤが壁プレートに挿入され、本体が壁プレートに取付けられて完成された装置300を形成する実施の形態を包含することが理解される。
【0064】
図3Cに示されるように、各ワイヤコネクタ338は予め定められるHVAC信号タイプと関連付けられる。設置を自分で行なう人のための設置の容易さと多数の家屋に対する妥当な幅広い遡及修復適用可能性との間の最適なバランスを与えると見いだされた一実施の形態については、8つのワイヤコネクタ338が設けられ、それらは、それぞれ、暖房呼出出力(Rh)、暖房呼出(W1)、冷房呼出(Y1)、ファン呼出(G)、共通(C)、ヒートポンプ(O/B)、予備(AUX)、および暖房呼出出力(Rh)からなる選択されたHVAC信号タイプのグループに専用である。好ましくは、装置300は上記の、共通に譲渡された米国連続番号13/034,674によれば、「ジャンパーレス」タイプのものであり、(i)HVACシステムによって与えられる単一の呼出電力線があり、一方または他方の接続ポートが単一の呼出電力線(特定のHVAC設置によっては、R、V、RhまたはRcとラベル付されるかもしれない)を受ける場合については、RhおよびRc接続ポートは自動的にともにシャントされたままであり、(ii)挿入される、HVACシステムによって与えられる二重呼出電力線がある場合には、RhおよびRc接続ポートは自動的に電気的に分離される。
【0065】
一実施の形態によれば、不正変更検出回路系318は、各ワイヤコネクタ338毎に、電気的リード344の対を介してバックプレート電子機器330と通信するポート検知回路342を含む。ポート検知回路342は本教示の範囲から逸脱することなくさまざまな異なる態様で動作し得るが、一実施の形態では、制御ポート検知回路342は、電気的リード344と結合される2ポジションスイッチ(図示せず)を含み、2ポジションスイッチは、関連のワイヤコネクタ338に挿入されるワイヤが全くないときには閉じられて電気的リード344を共に短絡させ、2ポジションスイッチは、ワイヤがその関連付けられるワイヤコネクタ338に挿入される場合には、開位置にされて電気的リード344を電気的に分離する。バックプレート電子機器330は、それによって、電気的リード344の短絡状態または開放状態によって、いつワイヤが接続ポートに挿入されるかを容易に検知することができる。ワイヤコネクタ338およびポート検知回路342の組合された機能を実現する1つの特定の有利な構成は、2011年2月24日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号13/034,666(リファレンス番号NES0035−US)に記載されており、その内容の全体をすべての目的のために引用により援用する。
【0066】
装置300は、ある実施の形態では、ヘッドユニット、バックプレート、ユーザインターフェイス、通信コンポーネント、インテリジェントコンポーネントなどのようなさまざまなコンポーネントを含む、インテリジェントなネットワーク接続された学習サーモスタットである。しかしながら、当業者には、ここに記載されるさまざまな動作を実行する装置は、
図3A〜
図3Cに示されるより少ない、または多いコンポーネントで等しく十分に動作し得ることが理解される。たとえば、装置300は、複数のモジュールではなく、単一のユニットとして形成されてもよく、
図3A〜
図3Cを参照して記載されるよりも多いコンポーネントまたは少ないコンポーネントを含んでもよい。たとえば、装置300は、2012年9月21日に提出された米国連続番号13/624,878に記載されるように、および/または2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,148に記載されるように形成されてもよく、それらの双方をここにその全体をすべての目的のために引用により援用する。したがって、
図3A〜
図3Cにおける装置300の図示は、本質的に例示的であると考えられるべきであり、本教示の範囲を限定するよう考えられるべきではない。
【0067】
図4は、
図1および/もしくは
図2のスマートホームならびに/または
図3A〜
図3Cの装置を統合することができる、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームのネットワークレベル図を示す。構造物250を参照して先に論じられた、インテリジェントなネットワーク接続された装置の各々は、1つ以上のリモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264と通信し得る。通信は、直接(たとえば無線通信事業者への3G/4G接続性を用いて)、ハブ付ネットワーク(たとえば単一の無線ルータからインテリジェントな、専用の全家屋制御ノードまで、およびそれを含む範囲のスキームであり得る)を介してか、またはそれらの任意の組合せを介してネットワーク262への接続を確立することによって可能にされ得る。
【0068】
リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は動作データ402をスマートホーム装置から収集することができる。たとえば、装置は、ルーチンで動作データを送信することができ、または特定の例では(たとえばカスタマーサポートを要求するときなどに)動作データを送信することができる。リモートサーバまたはクラウドコンピューティングアーキテクチャ264は、さらに、1つ以上のサービス404を提供し得る。サービス404はたとえば、ソフトウェアアップデート、カスタマーサポート、センサデータ収集/ロギング、遠隔アクセス、遠隔もしくは分散制御、または(たとえば、性能を向上させユーティリティコストなどを低減するために、収集された動作データ402に基づいた)使用の提案を含み得る。サービス404に関連付けられるデータは、リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264に記憶され得、リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は、適切なとき(たとえば規則的な間隔で、ユーザから要求を受けたとき、など)にデータを検索および送信し得る。
【0069】
図4に示されるような記載される拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの1つの顕著な特徴は、処理エンジン406であり、それは、(リモートサーバ264に含まれてもよく、またはそれから別個であってもよい)単一のデータ処理サーバ407に集中されるかまたはいくつかの異なるコンピューティングエンティティの間に分散され得るが、これに限定はされない。処理エンジン406は、データをインデックス付けし、データを分析し、および/または分析に基づきもしくは分析の一部として統計を生成するために、(たとえばインターネット(登録商標)またはハブ付ネットワークを介して)装置の組からデータを受け取るように構成されるエンジンを含み得る。分析されたデータは、導き出されたデータ408として記憶され得る。分析または統計の結果はその後、結果を導き出すのに用いられる動作データを提供する装置、他の装置、装置のユーザにウェブページを提供するサーバ、または他の非装置エンティティに送信し戻され得る。たとえば、使用統計、他の装置の使用に対する使用統計、使用パターン、および/またはセンサ読み取りを要約する統計が送信され得る。結果または統計はインターネット262を介して提供され得る。この態様で、処理エンジン406は、スマートホームから得られる動作データからさまざまな有用な情報を導き出すために構成およびプログラミングされ得る。単一のサーバは、1つ以上のエンジンを含み得る。
【0070】
導き出されたデータは、家毎、近隣毎、または領域毎での装置の明示的なプログラミングされた制御(たとえば電気的設備に対する需要応答プログラム)から、家毎に支援し得る推論的抽象化の生成(たとえば、家の所有者が休暇に出ているのでセキュリティ検出機器の感度は高められ得るという推論が引き出され得る)まで、行政または公益目的のために使用され得る統計および関連する推論抽象化の発生までの範囲のさまざまな有用な目的のためにさまざまな異なる粒度で非常に有益であり得る。たとえば、処理エンジン406は、装置の集団に亘って装置使用に関する統計を生成し得、(たとえば、統計に対する金銭上の補償を要求したかまたは提供し得た)装置ユーザ、サービスプロバイダまたは他のエンティティに統計を送信し得る。具体的な例示として、統計は、慈善事業体422、行
政実体424(たとえば食品医薬品局または環境保護局)、学術機関426(たとえば大学研究者)、(たとえば装置保証またはサービスを関連機器に対して提供する)事業体428、またはユーティリティ供給会社430に対して送信することができる。これらの実体はそのデータを用いて、プログラムを形成してエネルギ使用を低減し、障害機器を先制して修理し、高いサービス需要に備え、過去のサービス実績をトラッキングするなど、または、既知もしくは今後開発されるさまざまな有益な機能もしくはタスクのいずれかを実行できる。
【0071】
図5は、ある実施の形態に従って、処理エンジン406およびスマートホーム環境の装置を特に参照をして、
図4の拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの抽象的な機能図を示す。スマートホーム環境に位置する装置は、無限のさまざまな異なる個々の能力および限界を有するが、それらの各々がデータ消費体502(DC)、データソース504(DS)、サービス消費体506(SC)およびサービスソース508(SS)であるという点で、それらは、すべて、共通の特性を共有するとして考えられ得る。有利なことに、装置のローカルおよび直接の目的を達成するために装置に必要とされる本質的な制御情報を提供することに加えて、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームは、これらの装置から流れ出る大量のデータを利用するように構成され得る。それらの直接的な機能に関して装置自体の実際の動作を向上または最適化することに加えて、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームは、さまざまな有用な目的を達成するために、さまざまな自動化され、拡張可能であり、フレキシブルで、および/またはスケーラブルな態様でそのデータを「別の目的のために再利用する(repurposing)」ことに向けられ得る。
これらの目的は、たとえば使用パターン、装置効率および/またはユーザ入力(たとえば特定の機能を要求する)に基づき、予め規定または適合的に識別されてもよい。
【0072】
たとえば
図5は、ある数のパラダイム510を含む処理エンジン406を示す。処理エンジン406は、一次的または二次的な装置機能を監視および管理する、管理されたサービスパラダイム510aを含み得る。装置機能は、装置に与えられたユーザ入力の適正な動作を保証すること、侵入者が住居にいるかもしくは住居に入ることを試みていることを推定する(たとえば、およびそれに応答する)こと、装置に結合される機器の不良(たとえば切れた電球)を検出すること、エネルギー需要応答イベントを実現もしくはそうでなければそれに応答すること、または現在もしくは予測された将来のイベントもしくは特性をユーザに警告することを含み得る。処理エンジン406はさらに、装置の使用に基づいて、ユーザの特性(たとえば人口学的情報)、ユーザの要望および/または興味のある製品を推定する広告/通信パラダイム510bを含み得る。サービス、プロモーション、製品またはアップグレードが、次いで、ユーザにオファーまたは自動的に提供され得る。処理エンジン406はさらにソーシャルパラダイム510cを含み得、ソーシャルパラダイム510cは、ソーシャルネットワークからの情報を使用し、(たとえば装置の使用に基づいて)ソーシャルネットワークに情報を提供し、ならびに/またはソーシャルネットワークプラットフォームとのユーザおよび/もしくは装置対話に関連付けられるデータを処理する。たとえば、ソーシャルネットワーク上でのユーザに委託された連絡先に報告されるようなユーザのステータスは、照明の検出、セキュリティシステムの不活性化、または装置使用検出器に基づき、彼らがいつ家にいるかを示すよう更新され得る。別の例として、ユーザは、他のユーザと装置使用の統計を共有することが可能である。処理エンジン406は、抗議/ルール/コンプライアンス/報酬パラダイム510dを含み得、それは、抗議、ルール、コンプライアンス規則、および/もしくは報酬をユーザに通知し、ならびに/または、動作データを使用して、抗議に応じられたか、ルールまたは規則は遵守されたか、および/または、報酬が得られたかどうかを判断する。抗議、ルールまたは規則は、エネルギを節約する努力、安全に生活する(たとえば毒物または発がん性物質に晒されることを低減する)努力、金銭の節約および/または機器寿命を保護する努力、健康を改善する努力などに関し得る。
【0073】
処理エンジン406は、1つ以上の処理パラダイムの機能を向上させるために、外部源からの外部情報516を統合または別の態様で利用し得る。外部情報516は、装置から受取られる動作データを解釈し、装置の近くの環境(たとえば装置が囲まれる構造物の外部)の特性を判断し、ユーザに利用可能なサービスまたは製品を判断し、ソーシャルネットワークまたはソーシャルネットワーク情報を識別し、装置の近くのエンティティ(たとえば緊急状態応答チーム、警察または病院のような公共サービス実体)のコンタクト情報などを判断し、家または近隣に関連付けられる統計的もしくは環境的条件、傾向または他の情報を識別するためなどに使用され得る。
【0074】
驚くほどの範囲のさまざまな利点が、通常のものから重要なものまで、記載される拡張可能な装置およびサービスプラットフォームによって引き起こされ得るとともに当該拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの範囲内に適合され得る。したがって、1つの「通常の」例では、スマートホームの各寝室には、占有センサを含む煙/炎/CO警報が設けられており、占有センサはさらに、(たとえばモーション検出、顔認識、可聴音パターンなどによって)居住者が眠っているかまたは起きているかどうかを推論することができる。重大な火事イベントが検知されると、遠隔セキュリティ/監視サービスまたは消防署は、各寝室に何人の居住者がいるか、それらの居住者がまだ眠っている(もしくは動かない)かどうか、または、彼らが適切に寝室から避難したどうか通知される。もちろんこれは、記載された拡張可能な装置およびサービスプラットフォームにより対応される非常に有利な能力であるが、利用可能になり得るさらに大きな「インテリジェンス」のポテンシャルを真に示し得る実質的により「重要な」例が存在し得る。恐らくより「重要な」例として、火事安全性に使用されている同じデータ寝室占有データが、近隣の子供の発育および教育の社会的規範の文脈において、処理エンジン406によって「別の目的で再利用」され得る。したがって、たとえば、「通常の」例で論じられた同じ寝室占有およびモーションデータが、収集され得るとともに、特定の郵便番号における生徒の睡眠パターンが識別およびトラッキングされ得る処理に利用可能になる(適切に匿名化される)ようにされ得る。これらの生徒の睡眠パターンにおける局所化された変動は、識別され、たとえば、地元の学校における異なる栄養プログラムに対して相関され得る。
【0075】
図6は、ある実施の形態に従う専用コンピュータシステム600のブロック図である。たとえば、ここに記載されるユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120、エネルギ管理システム130、スマートホーム環境200の要素、リモートサーバ264、クライアント装置300、処理エンジン406、データ処理サーバ407、または他の電子コンポーネントのうちの1つ以上を専用コンピュータシステム600として実現してもよい。ここに記載される方法およびプロセスは、同様に、コンピュータシステムに対して、ここに記載される方法およびプロセスの動作を実行させるよう指示する、有形の非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体および/またはコンピュータプログラム製品によって実現されてもよい。各そのようなコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムのプロセッサに対して対応の動作を実行するよう指示する、コンピュータ読取可能媒体上において実施される命令(たとえばコード)の組を含んでもよい。命令は、シーケンシャルな順序で、または(異なる処理スレッド下におけるように)並列で、またはそれらの組合せにおいて実行されるように構成されてもよい。
【0076】
専用コンピュータシステム600は、コンピュータ602、コンピュータ602に結合されるモニタ604、コンピュータ602に結合される1つ以上のさらなるユーザ出力装置606(オプション)、コンピュータ602に結合される1つ以上のユーザ入力装置608(たとえばキーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン)、コンピュータ602に結合されるオプションの通信インターフェイス610、およびコンピュータ602における、またはそれにアクセス可能な有形のコンピュータ読取可能記憶媒体612
を含むコンピュータプログラム製品を含む。コンピュータ読取可能記憶媒体612に記憶される命令は、システム600に対して、ここに記載される方法および処理を実行するよう指示してもよい。コンピュータ602は、バスサブシステム616を介して、ある数の周辺装置と通信する1つ以上のプロセッサ614を含んでもよい。これらの周辺装置は、ユーザ出力装置606、ユーザ入力装置608、通信インターフェイス610、ならびに有形のコンピュータ読取可能メモリの形式である、ランダムアクセスメモリ(RAM)618および不揮発性ストレージドライブ620(たとえばディスクドライブ、光ドライブ、ソリッドステートドライブ)などのような記憶サブシステムを含んでもよい。
【0077】
コンピュータ読取可能媒体612は、ランダムアクセスメモリ618にロードされ、不揮発性ストレージドライブ620に記憶され、またはそうでなければコンピュータ602の1つ以上のコンポーネントにアクセス可能であってもよい。各プロセッサ614は、Intel(登録商標)またはAdvanced Micro Devices, Inc.(登録商標)などからのマイクロ
プロセッサのような、マイクロプロセッサを含んでもよい。コンピュータ読取可能媒体612をサポートするために、コンピュータ602は、コンピュータ読取可能媒体612と上記のコンポーネントとの間における通信、およびコンピュータ読取可能媒体612のサポートにおいて上記のコンポーネント間における通信を処理するオペレーティングシステムを実行する。例示的なオペレーティングシステムはMicrosoft CorporationからのWindows(登録商標)など、Sun MicrosystemsからのSolaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、UNIX(登録商標)などを含む。多くの実施の形態では、およびここに記載されるとおりでは、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能媒体(たとえばディスク、メモリチップなど)を含む装置(たとえばハードドライブを含むケース、読取/書込ヘッドなど、コンピュータディスクを含むケース、メモリカードを含むコネクタ、ケースなど)であってもよい。他の実施の形態では、コンピュータプログラム製品は、命令セットまたはコードモジュールそれら自体を含んでもよく、コンピュータ読取可能媒体上において実施されてもよい。
【0078】
ユーザ入力装置608は、コンピュータシステム602に情報を入力するすべての可能なタイプの装置およびメカニズムを含む。これらは、キーボードと、キーパッドと、マウスと、スキャナと、デジタル描画パッドと、ディスプレイに組込まれたタッチスクリーンと、音声認識システム、マイクロフォンのような音声入力装置と、他のタイプの入力装置とを含み得る。さまざまな実施の形態において、ユーザ入力装置608は典型的に、コンピュータマウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ワイヤレスリモート、描画タブレット、音声コマンドシステムとして具現化される。ユーザ入力装置608は典型的に、ユーザが、モニタ604に現われるオブジェクト、アイコン、およびテキストなどをボタンのクリックなどのようなコマンドを介して選択することを可能にする。ユーザ出力装置606は、コンピュータ602から情報を出力するすべての考えられ得るタイプの装置およびメカニズムを含む。これらは、ディスプレイ(たとえばモニタ604)、プリンタ、音声出力装置のような非視覚的ディスプレイなどを含み得る。
【0079】
通信インターフェイス610は、他の通信ネットワークおよび装置にインターフェイスを提供しており、有線または無線通信ネットワーク622を介して、他のシステム、WANおよび/またはインターネットからデータを受け取り、それらにデータを送信するインターフェイスとして機能し得る。通信インターフェイス610の実施の形態は典型的に、イーサネット(登録商標)カード、モデム(電話、衛星、ケーブル、ISDN)、(非同期)デジタル加入者線(DSL)ユニット、FireWire(登録商標)インターフェイス、USB(登録商標)インターフェイス、無線ネットワークアダプタなどを含む。たとえば、通信インターフェイス610は、コンピュータネットワークまたはFireWire(登録商標)バスなどに結合され得る。他の実施の形態において、通信インターフェイス610は、コンピュータ602のマザーボードに物理的に統合され得、および/または、ソフトウェア
プログラムなどであり得る。
【0080】
RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、実行可能なコンピュータコードまたは人間が読取り得るコードなどを含む本発明のコンピュータプログラム製品の実施の形態のような、データを記憶するように構成される有形のコンピュータ読取可能媒体の例である。他のタイプの有形のコンピュータ読取可能媒体は、フロッピー(登録商標)ディスクと、リムーバブルハードディスクと、CD−ROM、DVDのような光学記憶媒体と、バーコードと、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)のような半導体メモリと、バッテリバックアップ揮発性メモリと、ネットワーク化された記憶装置などとを含む。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、上に記載されるように、本発明のさまざまな実施の形態の機能を提供するベーシックプログラミングおよびデータ構造を記憶するように構成され得る。
【0081】
本発明の機能を提供するソフトウェア命令セットがコンピュータ読取可能媒体612、RAM618および/または不揮発性ストレージドライブ620に記憶され得る。これらの命令セットまたはコードはプロセッサ614によって実行され得る。コンピュータ読取可能媒体612、RAM618および/または不揮発性ストレージドライブ620はさらに、本発明に従って使用されるデータおよびデータ構造を記憶するためにレポジトリを提供し得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、プログラム実行の間に命令およびデータを記憶するメインランダムアクセスメモリ(RAM)と、固定された命令が記憶されるリードオンリメモリ(ROM)とを含む多くのメモリを含み得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、プログラムおよび/またはデータファイルの持続的(不揮発性)記憶を提供するファイルストレージサブシステムを含み得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620はさらに、リムーバブルフラッシュメモリのようなリムーバブルストレージシステムを含み得る。
【0082】
バスサブシステム616は、意図されるように、コンピュータ602のさまざまなコンポーネントおよびサブシステムが互いと通信することを可能にするためにメカニズムを提供する。バスサブシステム616は単一のバスとして概略的に示されるが、バスサブシステムの代替的な実施の形態はコンピュータ602内の複数のバスまたは通信パスを利用し得る。
【0083】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実現例については、方法は、本願明細書において記載される機能を実行するモジュール(たとえばプロシージャおよび関数など)で実現され得る。実体的に命令を具現化する任意のマシン読取可能媒体が、本願明細書において記載される方法を実現するのに使用され得る。たとえば、ソフトウェアコードがメモリに記憶され得る。メモリは、プロセッサ内で実現され得るか、または、プロセッサの外部で実現され得る。本願明細書において使用されるように、「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性または他の記憶媒体を指しており、如何なる特定のタイプのメモリ、如何なる特定の数のメモリ、またはメモリが記憶される如何なる特定のタイプの媒体にも限定されない。
【0084】
さらに、本願明細書において開示されるように、「記憶媒体」という用語は、データを記憶するための1つ以上のメモリを表わし得、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および/または情報を記憶するための他のマシン読取可能媒体を含む。「マシン読取可能媒体」という用語は、命令および/もしくはデータを含むもしくは担持する記憶可能な携帯可能もしくは固定記憶装置、光学記憶装置、無線チャネル、および/またはさまざまな他の記憶媒体を含むがこれらに限定されない。
【0086】
動作702では、DRイベント期間を有するDRイベントが識別される。DRイベントは、エネルギ低減機構が能動的に関わることになる時間期間である。DRイベントは、エネルギ低減機構が能動的に関わることになる時間期間を規定するDRイベント期間を識別する情報を含むDRイベントプロファイルによって規定される。時間期間は、数分、数十分、数時間、数十時間、またはエネルギシフトが所望される他の好適な時間期間のオーダにあってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、DRイベント期間は、数分のオーダにあってもよく、「瞬間的なDRイベント」と称されてもよく、それは、総計のエネルギ需要において期待されるピークに狭く調整されるイベントである。そのような例においては、エネルギ需要におけるピークは、期待されるピーク時間に先立つ数分間(または数時間)として識別されてもよく、ある実施の形態では、ピークエネルギ需要の継続期間(つまり期待される需要が供給を超える継続期間)は数分間だけ続いてもよい。
【0087】
ある実施の形態では、DRイベントはDRプログラムの一部であってもよい。DRプログラムは、一般的に、需要が供給近くになるかまたは供給を超えると期待される時間である、ある臨界時間中にエネルギ消費者居所150A〜150Nに供給を行なう送電網における負荷を低減するよう試みるプログラムである。DRプログラムは、エネルギ消費者によるプログラムにおける参加を自発的なものにすることが可能であることが多いが、一部の実施の形態では、参加は強制的であってもよい。参加と引換に、エネルギ消費者は、金銭的なインセンティブ、報酬に基づくインセンティブ、または参加の増大を蓄積する他のタイプのインセンティブで報酬を与えられることが多いが、ある実施の形態では、エネルギ消費者はそのようなインセンティブを与えられなくてもよい。DRプログラムは、ある月数、ある日数、ある年数などのような設定された期間に対して実行されてもよく、季節的なものであってもよく(たとえばエネルギ需要が実質的に増大すると期待される夏などのような季節において実現されてもよく)、永続的であってもよく、および/または任意の好適な時間期間に亘って実行されてもよい。具体的に規定された期間に亘ってエネルギ消費を低減するその努力において、DRプログラムは1つ以上のDRイベントを規定してもよい。
【0088】
DRイベントは、ある時間期間を有することに加えて、さらに、DRイベント期間に亘ってエネルギ消費を効果的に管理することに対して好適な他の情報を含んでもよい。たとえば、DRイベントは、さらに、所望のエネルギ低減の大きさを(消費者単位、グループ単位、総計単位、または他の単位で)規定するDRイベントの大きさを識別する情報を含んでもよい。別の例として、DRイベントはDRイベントの地理的範囲を識別する情報を含んでもよく、地理的範囲は負荷制限が所望される1つ以上の電力系統に関する領域を記載してもよい。この領域は、州、郡、郵便番号、住所などのような任意の好適なパラメータを用いて規定されてもよく、またはそのような居所の住所が後で推測され得る1つ以上の特定の電力系統を識別してもよい。ある実施の形態では、DRプログラムは、さらに、DRプログラム、DRイベントなどの過程に亘ってエネルギ単位のコストを識別してもよい。他の実施の形態では、消費者は地理的特性以外の特性に従ってグループ分けされてもよい。たとえば、消費者は、彼らの構造物に関する同様の(または異なる)特性(たとえば熱的保持)、彼らの富裕度(たとえば絶対的財産、年収など)、DRイベントおよび/またはプログラムに参加する彼らの傾向、DRイベントおよび/またはプログラムにおいて彼らの参加によって達成されそうなエネルギシフトの量などに基づいてグループ分けさ
れてもよい。
【0089】
ある特定のDRイベントは、サーモスタット202などのような装置によって、さまざまな態様のうちの任意の1つ以上で識別されてもよい。たとえば、DRイベントを識別する情報は、リモートサーバ264またはエネルギ管理システム130および/もしくはユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120の他のコンピューティング要素からサーモスタット202に通信されてもよい。他の例に対しては、サーモスタット202は、検知された情報に基づいてDRイベントを生成および/または規定してもよい。たとえば、サーモスタット202は、屋外温度を監視するかまたはそうでなければ屋外温度に関する情報を受信してもよく、その屋外温度に基づいて、DRイベントを規定してもよい(たとえばサーモスタット202は、屋外温度が何らかの値を超えたときにDRイベントを生成してもよい)。別の例では、サーモスタット202は配電網状態(たとえば配電網160を介して供給される電力における変動または他の特性)を監視してもよく、それらの配電網状態に基づいて、DRイベントを規定してもよい。さらに別の例では、サーモスタット202は、同じ構造体またはサーモスタット202と同様の地理的領域にある異なる構造物に配置される他のサーモスタットと通信状態にあってもよく、それらの他のサーモスタットからDRイベントを示す情報を受信してもよい。
【0090】
動作704においては、HVACシステムの最適化された制御軌跡が実質上DRイベント期間中にあるよう判断され、最適化された制御軌跡は費用関数を最小にする。制御軌跡は、HVACシステムがDRイベント期間のような時間期間に亘ってどのように制御されるべきかを示す。制御軌跡は、設定点温度のスケジュール、HVACデューティサイクルスケジュールなどのような、HVACシステムを制御するためのさまざまな具体的な制御シーケンスの1つ以上を含んでもよい。元の制御軌跡(たとえばDRイベント期間中、およびおそらくは規則的な周期的間隔に亘って実現されるようユーザによって最初に規定された設定点温度のスケジュール)に少なくとも一部基づいて、考えられ得る制御軌跡の空間を検索して、何らかの意味において最適である最適な制御軌跡を見つけ出してもよい。多くの実施の形態では、最適な制御軌跡は、それが費用関数を最小するという点において最適である。
【0091】
費用関数は、ある特定の制御軌跡のコストを判断する際に、さまざまな因数の1つ以上を組込んでもよい。たとえば費用関数は、DRイベント期間中における総エネルギ消費を表す因数を含んでもよい。この因数は、たとえば、HVACシステムが特定の制御軌跡に従って制御される場合にDRイベント期間中においてHVACシステムによって消費されそうな総エネルギ(kW)または総エネルギの値($)を示してもよい。いくつかの場合では、総エネルギの値は実時間エネルギ価格付に基づいて判断されてもよい。たとえば、エネルギの価格が1日の過程に亘って変動し得る使用時間環境では、総エネルギ消費を表す因数は1日のうちのある期間(たとえばDRイベント期間)に亘って消費されるエネルギの値を示してもよく、消費されるエネルギの値は、その期間に亘ってある数の時間インスタンスにおいて消費されるエネルギの大きさおよびそれらの時間インスタンスにおけるエネルギのコストの両方に基づいて判断される。
【0092】
費用関数は、追加的または代替的に、居住者不快のメトリック(量)を表す因数を含んでもよい。この因数は、たとえば、HVACシステムが特定の制御軌跡に従って制御される場合に構造物の居住者の1人以上が経験しそうな不快のレベルを示してもよい。ある実施の形態では、そのような因数は、構造物の任意の居住者の不快を示してもよい。他の実施の形態では、DRイベント期間中に存在しそうな居住者を具体的に識別してもよく、不快因数をその/それらの具体的な個人に具体的に調整してもよい。
【0093】
費用関数は、追加的または代替的に、DRイベント期間に亘るエネルギ消費の割合の偏
差を表す因数を含んでもよい。DRイベント期間中において、HVACシステムは、そのイベント期間の第1の部分中において大きなエネルギ量を消費してもよく、そのイベント期間の最後の部分中において低いエネルギ量を消費してもよく、またはその逆であってもよい。ある実施の形態では、HVACシステムエネルギ消費はDRイベント期間に亘って分散またはそうでなければ均一にされ、DRイベント期間に亘る消費の割合は実質的に一定であってもよい。
【0094】
さまざまな実施の形態では、費用関数によって用いられる因数は特定の制御軌跡のコストを判断する際にそれらがすべて等しい考慮を与えられるように同じかもしくは異なるように重み付けされてもよく、または1つの因数が他の因数よりも大きな重みを与えられてもよい。重み付けは、DR負荷シフトに対するユーザ服従を示すユーザ入力、居住者特性(たとえば年齢、収入、純資産、健康、消費性向、エネルギ管理性向、ライフスタイル、たとえば占有確率プロファイルによって規定されるとおりの占有時間など)、構造物特性(構造物の部屋/浴室などのサイズ、数、窓のタイプ、断熱のタイプ、電子装置のタイプ、窓および/または扉が開いているか/閉じているかなど)、または快適さよりもエネルギ節約を好む、もしくはその逆のユーザの傾向を示す他の特性などのような、さまざまな情報の1つ以上に基づいて判断されてもよい。
【0095】
たとえば、占有確率プロファイルを用いて、構造物がDRイベント期間中に占有されている見込を判断してもよく、より大きな見込は、ありそうな不快に対する、より大きな重み付けをもたらす結果となる。別の例では、ユーザが以前のDRイベントに参加することを拒否していた場合には、そのような情報は、ありそうな不快に対してのより大きな重み付けおよび/またはエネルギ消費節約に対してのより小さな重み付けをもたらす結果となってもよい。別の例では、それらの因数は居住者の年齢に基づいて重み付けされてもよく、居住者が子供または年配者を含む場合には、そのような情報は、ありそうな不快に対する、より大きな重み付けをもたらす結果となってもよい。別の例では、それらの因数は居住者の健康に基づいて重み付けされてもよく、居住者が最近通院した場合には、そのような情報は、ありそうな不快に対してより大きな重み付けをもたらしてもよい。さらに別の例では、それらの因数は、構造物における他の装置またはさらには構造物それ自体の特性に基づいて重み付けされてもよく、他の装置がエネルギ節約装置(たとえばEnergy Star
(登録商標)準拠)であるか、または構造物がエネルギ節約特徴を含む(たとえば空洞壁断熱、多重窓などを含む)場合には、そのような情報は、エネルギ消費節約に対する増大された重み付けに対応してもよい。さらに別の例では、それらの因数は、DRイベント期間中における制御軌跡とのユーザ対話に基づいて重み付けされてもよく、ユーザが、エネルギをより少なく消費するよう温度を修正する場合には、そのような情報はエネルギ消費節約に対する増大された重み付けに対応してもよい。
【0096】
簡単に
図8を参照して、
図8は、ある実施の形態に従って最適化された制御軌跡を判断するためのプロセスを示し、それは、ある実施の形態に従うと、動作704を参照して記載されるように最適化された制御軌跡を判断するためのプロセスであってもよい。理解を促すため、プロセス704は
図1、
図2、
図9A〜
図9D、および
図10A〜
図10Bを参照して記載されるが、プロセス704の実施の形態は
図1、
図2、
図9A〜
図9D、および
図10A〜
図10Bを参照して記載されるものに限定はされないことが理解されるべきである。
【0097】
動作704Aにおいて、複数の候補パラメータセットが生成され、各パラメータセットは、あるDRイベントに対する、関連付けられる候補設定点スケジュールを特徴付ける。各パラメータセットは、パラメータ値を各々が有する複数のパラメータを含み、セット内におけるパラメータおよびそれらの対応するパラメータ値は、具体的な設定点スケジュールを特徴付ける。たとえば、
図9Aを簡単に参照して、
図9Aは、ある実施の形態に従っ
て最適化された制御軌跡を判断する前に規定されるスケジューリングされた設定点温度である元の設定点温度のスケジュール800を示す。元のスケジュールは、さまざまな態様のうちの1つ以上で生成されていてもよい。たとえば、スケジュールは、サーモスタット202のユーザによって設定されてもよく、サーモスタット202のユーザインターフェイス、アクセス装置266、および/またはスマートホーム環境200の他のコンピューティング装置を介して、サーモスタット202における記憶のために入力されてもよい。スケジュールは、サーモスタット202それ自体のようなスマートホーム環境200のエンティティによって、サーモスタット202に関連付けられる構造物の居住者の傾向および好みを学習することによって生成されてもよい。元のスケジュールは、リモートサーバ264、エネルギ管理システム130またはシステム100の他のエンティティなどのような、スマートホーム環境200以外のシステム100のエンティティによって生成され、サーモスタット202の設置前にサーモスタット202において予めプログラミングされるか、または設置後にサーモスタット202に通信されてもよい。ある実施の形態では、元の設定点温度のスケジュールは、上記のうちの1つ以上の組合せに基づいて生成されてもよい。たとえば、元のスケジュールは、初期にエネルギ消費者によって規定されてもよく、後で学習を介して調整されてもよい。
【0098】
元の設定点温度のスケジュール800は、DRイベント期間開始時間802とDRイベント期間終了時間804との間に延在するDRイベント期間を含む、ある時間期間(この例では正午前から7PM後まで)に亘って規定される。ある実施の形態では、DRイベント期間は、イベント前期間開始時間806とDRイベント期間開始時間802との間に延在するイベント前期間をさらに含んでもよい。ある実施の形態では、DRイベント期間は、さらに、DRイベント期間終了時間804とDRイベント期間終了時間からいくらかの時間の後であるイベント後期間終了時間(図示せず)との間に延在するイベント後期間をさらに含んでもよい。ある実施の形態では、DRイベント期間はイベント前期間およびイベント後期間の一方または両方を含んでもよい。
【0099】
図9Bは、ある実施の形態に従ってあるパラメータセットによって特徴付けられる候補設定点温度のスケジュール808を示す。この特定の実施の形態におけるパラメータセットは、元の設定点温度のスケジュール800の第1の温度設定点(つまりイベント前期間806の始まりにおいて規定される温度設定点)からの温度的なオフセットを示す第1のパラメータ810を含む。この特定の例では、オフセットは、対応する元の設定点に関して増大されたエネルギ消費の方向において2°Fである。つまり、この特定の例では、屋外温度は屋内温度よりも高く、空調システムは元のスケジュールおよび/または候補スケジュールに従って屋内温度を低減するよう作動される。最適化された設定点温度のスケジュールは、究極的には、DRイベント期間中に消費されるエネルギの量を低減すべきである。そのような低減を支援(アシスト)するために、前冷却がイベント前期間中において実行される。この特定の例では、前冷却は、イベント前期間(つまり1pmから2pm)の過程に亘って、第1のパラメータ810によって規定される温度オフセットで実行される。
【0100】
パラメータセットは、さらに、元の設定点温度のスケジュール800の最後の温度設定点(つまりDRイベント期間の終わり804において規定される温度設定点)からの温度的なオフセットを示す第2のパラメータ812を含む。この特定の例では、オフセットは、対応する元の設定点に関して減少されたエネルギ消費の方向において3°Fである。つまり、この特定の例では、屋内温度は、元の設定点温度のスケジュールと比較して、DRイベント期間の終わりまでに3°F上昇することを許される。
【0101】
第1のパラメータ810および第2のパラメータ812を用いて、候補スケジュールを判断するのに用いられてもよい温度設定点の線形シーケンスの傾きを規定することができ
る。たとえば、
図9Cを参照して、
図9Cは、ある実施の形態に従って、第1のパラメータ810と、第2のパラメータ812と、温度設定点の線形シーケンス814との間の関係を示す。第1のパラメータ810および第2のパラメータ812は、任意の基準温度に関して、ある時間期間に亘る最大温度変化の大きさを示す。この特定の例では、時間期間はDRイベント期間(つまりDRイベント期間開始時間802とDRイベント期間終了時間804との間)であり、任意の基準温度は73°Fである。線形シーケンス814は、DRイベント期間に亘って基準温度から第1および第2のパラメータの組合された大きさに増大する温度設定点の線形シーケンスであり、DRイベント期間と第1および第2のパラメータの組合された大きさによって規定される傾きを有する。
【0102】
図9Bに戻って、DRイベント期間と第1および第2のパラメータの組合された大きさとによって規定される傾きを用いて、DRイベント期間に亘るエネルギ消費の割合の偏差が低減されるように、設定点温度の候補スケジュール808を判断してもよい。この特定の例では、候補設定点温度808は、第1のパラメータ810によって規定される大きさだけイベント前期間開始時間806からDRイベント期間開始時間802までオフセットされた後、線形シーケンス814の傾きによって規定される変化率で線形に増大し始める。元の設定点温度のスケジュールが、5pmにおけるような75°Fから70°Fへの温度変化のような、1つの温度から他の温度に遷移する場合では、候補設定点温度808は、線形に、新たに遷移された設定点温度から、線形シーケンス814の傾きによって規定される変化率で、増大し続ける。換言すれば、元のスケジュールにおける温度の大きさにおける変化(たとえば元のスケジュール808における5pmにおける5°Fの低下)は、同様に、候補スケジュール808における温度における対応の変化(たとえば元のスケジュール808における5pmにおける5°Fの低下)として反映される。
【0103】
この特定の実施の形態は、元の設定点温度のスケジュール800の第1の温度設定点からの温度的なオフセットを示す第1のパラメータ810と、元の設定点温度のスケジュール800の最後の温度設定点からの温度的なオフセットを示す第2のパラメータ812とを参照して記載されるが、実施の形態はそのように限定されるものではない。たとえば、ある実施の形態では、第1のパラメータは、元のスケジュール800の任意の設定点からの温度的なオフセットを示してもよい。これは、イベント前期間開始時間806、DRイベント期間開始時間802、DRイベント期間終了時間804、それらの時間のうちの任意のものの間のどこか、またはそれらの時間のどこかにおけるオフセットであってもよい。たとえば、
図9Bを参照して、これは、元のスケジュール800によって規定される4pmの温度設定点である75°Fからの0°Fのオフセットであってもよい。第2のパラメータは、次いで、元の設定点スケジュールの温度設定点からの温度的なオフセットにおける点を通過する温度設定点の線形シーケンスの傾きを示してもよい。たとえば、第2のパラメータは、4pmにおける設定点温度の75°Fを通過する温度設定点の線形シーケンスの傾きを示してもよく、その傾きは1時間につき1°Fの温度における増大である。これら2つの要素を次いで用いて、候補設定点温度のスケジュール808を判断してもよく、元のスケジュール800は、4pmにおける0°Fで、1時間につき1°Fの傾きを有するよう修正される。
【0104】
図9Aおよび
図9Bを参照して記載される元のスケジュール800および修正されたスケジュール808は単に説明の目的のために用いられるものであり、実施の形態の範囲をそのように限定するよう意図されるものではないことが認識されるべきである。たとえば、前述の傾きは、1時間につき1°Fよりも大きく、もしくは小さくもあり得、(図示されるように正もしくは負でもあり得、DRイベント期間に亘って(図示されるように)一定であるかもしくは可変でもあり得る。修正されたスケジュール808は、イベント前期間に亘って(図示されるように)一定であるかまたは可変の温度設定点を含んでもよく(たとえばそれは前述の傾きと同じであるかまたは異なる傾きを有してもよく)、(図示さ
れるように)1時間の継続期間または1時間より長いかもしくは短い継続期間を有してもよい。さらに、傾きは、(記載されるように)DRイベント期間開始時間802とDRイベント期間終了時間804との間、または他の期間の間(たとえばDRイベント前期間開始時間806とDRイベント期間終了時間804との間)を延在する時間期間に基づいて規定されてもよい。さらに、候補設定点温度のスケジュール808は、イベント前期間中において温度オフセットと関連付けられたもの以外の設定点温度から線形に変化し始めてもよい。たとえば、
図9Bを参照して、2pmにおいて、(1pmと2pmとの間におけるイベント前期間に対して規定されるのと同じ温度である)73°Fから線形変化を開始する代わりに、スケジュールは、2pmにおいて、74°F、75°F、76°F、またはイベント前期間に対して規定されたものとは異なる何らかの他の温度から線形変化を開始してもよい。
【0105】
ある実施の形態では、
図9Bを参照して、第3のパラメータ816は、イベント前期間におけるある継続期間を示す。たとえば、第3のパラメータ816は、イベント前期間開始時間806とDRイベント期間開始時間802との間を延在してもよく、それによって、イベント前期間の、ある継続期間を規定してもよい。第3のパラメータは、さらに、または代替的に、イベント後期間に亘ってのように、他の時間期間の間を延在してもよい。つまり、第3のパラメータは、さらに、または代替的に、DRイベント期間終了時間804とイベント後期間終了時間(図示せず)との間を延在してもよい。
【0106】
図9Dを簡単に参照して、
図9Dは、ある実施の形態に従って、候補設定点温度のスケジュール808に対応する候補デューティサイクルスケジュールを示す。つまり、候補デューティサイクルスケジュールは、候補スケジュール808の実現でHVACシステムが制御されるよう期待されるON/OFF状態のシーケンスを示す。候補デューティサイクルスケジュールは、ある数のHVACシステムON期間818を含み、HVACシステムは、それらの期間中においてはON状態にあるよう制御され、それらの期間外ではOFF状態にあるよう制御される。ある実施の形態では、第4のパラメータ820は最大HVACデューティサイクル期間を示す。たとえば、最大HVACデューティサイクル期間は、各60分期間に対して45分の最大ON時間を示してもよい。第4のパラメータ820は最大のON時間を示す必要はないが、同様に、さらに、または代替的に、所与の期間に対する最小のHVAC OFF時間(たとえば各60分期間に対して15分)を示し得る。
【0107】
DRイベント期間の始まりおよび終わりにおけるセットバック温度、(たとえば前冷却が実行されてもよい)イベント前期間の継続期間、最大デューティサイクル長などのような、ある数のパラメータを規定および最適化することによって、3つまでのエネルギシフト戦略(セットバック、前冷却、およびデューティサイクル変調)、またはそれより多いエネルギシフト戦略の恩恵が実現される一方で、そのような戦略に関連付けられる欠点が家庭単位で低減され得る。さらに、快適さに対するエネルギ消費に対するユーザの好みに基づく最適化によって、ユーザの特定の好みに対して最適である最適な制御軌跡が実現され得る。
【0108】
ここで
図8を参照して、前述したように、動作704Aにおいて、複数の候補パラメータセットが生成される。たとえば、第1のパラメータセットは、2°Fの値を有する第1のパラメータ810、3°Fの値を有する第2のパラメータ812を含んでもよく、この特定のパラメータセットは、関連付けられる候補設定点スケジュール(たとえば
図9Bに示され、
図9Bを参照して記載される候補設定点スケジュール808)を特徴付ける。第2のパラメータセットは、2.5°Fの値を有する第1のパラメータ810、および3.5°Fの値を有する第2のパラメータ812を含んでもよく、この特定のパラメータセットは異なる候補設定点スケジュール(図示せず)を特徴付ける。
【0109】
動作704Bにおいて、パラメータセットのうち、関連付けられる候補設定点スケジュールがHVACシステムの予測モデルに基づくシミュレーションに対する入力として適用される際に費用関数の最小化をもたらす結果となる最適なパラメータセットが識別される。つまり、動作704Aにおいて生成されるパラメータセットの1つは費用関数に関して最適であるとして識別されてもよい。
【0110】
そのような識別を実行する際に、各候補パラメータセットに対する候補設定点スケジュールを、HVACシステムの予測モデルに基づくシミュレーションに適用してもよい。HVACシステムの予測モデルに基づくシミュレーションは、構造物の熱力学的挙動を予測するよう動作可能であるHVACシステムのモデルを含み、およびそれを継続的に更新してもよく、たとえば、そのモデルは、ある設定点温度のスケジュールに対する屋内温度プロファイルおよび/またはHVACデューティサイクルスケジュールを予測するように動作可能であってもよい。このモデルは、屋内温度の履歴、屋外温度の履歴、構造物の温度の履歴、HVACシステムの特性(たとえばHVACシステムの作動状態における変化の直前に生じていた屋内温度変化の割合の繰越し分)などのようなさまざまな情報の一部またはすべてを用いて生成/更新されてもよい。いくつかの特定のモデルおよび予測モデルに基づくHVACシステムシミュレーションにおけるそれらの使用は、「構造物の熱力学的モデルの生成および実現(Generating And Implementing Thermodynamic Models Of A Structure)」と題される共通に譲渡されかつ同時に出願された米国連続番号(リファレ
ンス番号NES0339−US)に記載されており、その全体の内容をここにおいてその全体においてすべての目的のためにここに引用により援用する。ある実施の形態では、記載されるようにデータの履歴に基づいて生成される仕込まれたモデルを用いるのではなく、デフォルトモデルを用い、それによって、デフォルトモデルが構造物のデフォルトの熱力学的挙動、たとえば所与の制御軌跡と屋内温度プロファイルとの間におけるデフォルトの関係を与えてもよい。
【0111】
候補設定点スケジュールをHVACシステムの予測モデルに基づくシミュレーションに適用することに応答して、候補設定点スケジュールに対する予測される屋内温度プロファイルおよび/またはHVACデューティサイクルスケジュールを生成してもよい。候補設定点スケジュールに対する予測される屋内温度プロファイルおよび/またはHVACデューティサイクルスケジュールを、次いで、費用関数において用いることにより、候補設定点スケジュールに関連付けられるコストを判断してもよい。たとえば、予測されるHVACデューティサイクルスケジュールを用いて、候補設定点スケジュールに対して、DRイベント期間に亘って、期待されるHVAC使用に対して、総HVAC使用および/またはコストの量を判断してもよい。別の例では、予測される屋内温度プロファイルを用いて、候補設定点スケジュールがDRイベント期間に亘って実現されると仮定して、居住者不快を示すメトリックを判断してもよい。
【0112】
ある特定の実施の形態では、最適なパラメータセットを識別する際に、パラメータセットの空間を検索して、前述の費用関数を最小にするパラメータセットを識別してもよい。(多数であるかもしれない)候補スケジュールの温度設定点の各々によって規定される空間ではなく、各パラメータセットが限られた数のパラメータ(たとえばオフセットおよび傾き)を含むパラメータセットの空間を検索することによって、最適なスケジュールに対する検索は、有利に、非常に促進され得る。そのような検索は、したがって、サーモスタットのような低出力装置(または相対的に小さい計算量を有する装置)によって実行されてもよく、定期的に(たとえば15分ごとに)装置に過度に負担をかけることなく実行されてもよい。
【0113】
動作704Cにおいて、最適なパラメータセットの識別が失敗したかどうかが判断される。最適なパラメータセットの識別は、さまざまな理由の任意の1つ以上に対して失敗し
得る。たとえば、最小化アルゴリズムは費用関数の局所的または全体的な最小値を識別することに失敗し得る。識別が失敗した場合には、処理は動作704Dに続いて、デフォルトのパラメータセットを最適なパラメータセットとして選択してもよい。デフォルトのパラメータセットは、ユーザの元のスケジュールと比較して、DR期間に亘って少なくとも何らかのエネルギ低減をもたらす結果となるパラメータのセットであってもよい。たとえば、第1のパラメータ810は、増大するエネルギ消費の方向における1°Fの温度オフセットであってもよく、一方、第2のパラメータ812は、減少されるエネルギ消費の方向における1°Fの温度オフセットであってもよい。そのようなパラメータセットは、元のスケジュールと比較して、DRイベント期間に亘って、より少ないエネルギ消費をもたらす結果となってもよいが、エネルギ消費、居住者不快などを最小にすることに関して最適でなくてもよい。
【0114】
そうではなく、最適なパラメータセットの識別が失敗しない場合には、処理は動作704Eに続いてもよい。動作704Eでは、最適なパラメータセットがベースラインセット内にあるかどうかが判断される。ベースラインパラメータセットは元の設定点スケジュールに対応するパラメータセットであってもよい。最適なパラメータセットがベースラインセット内にあるかどうかを判断する際には、最適なパラメータセットによって特徴付けられるデューティサイクルスケジュールが、元の設定点スケジュールによって特徴付けられるデューティサイクルスケジュールと同一であるかまたはそれの何らかの許容範囲内にあるかどうかが判断されてもよい。換言すれば、最適なスケジュールは、HVACシステムがあたかも元のスケジュールに従って制御されるかのような同様の態様で制御される結果となると期待されるかどうかが判断されてもよい。そのような判断をなすために、最適なパラメータセットによって特徴付けられる予測されるデューティサイクルスケジュールおよび元の設定点スケジュールを比較してもよい。デューティサイクルスケジュールが互いと同一であるかまたは類似している場合には、最適なパラメータセットはベースラインセット内にあると判断されてもよい。そうでない場合には、最適なパラメータセットはベースラインセット内にないと判断されてもよい。
【0115】
たとえば、簡単に
図10Aおよび
図10Bを参照して、
図10Aは、ある実施の形態に従って、最適な設定点スケジュール808の実現から結果としてもたらされる、予測されるHVACデューティサイクルスケジュール900を示す。HVACデューティサイクルスケジュール900は、おおよそ1pm、3pm、4pm、および5pmにて開始するHVAC ON期間を含み、1pmおよび5pmにて開始するHVAC ON期間は各々約50分間続き、3pmおよび4pmにて開始するHVAC ON期間は各々約30分間続く。
図10Bは、ある実施の形態に従って、元の設定点スケジュール800の実現から結果としてもたらされる、予測されるHVACデューティサイクル902を示す。HVACデューティサイクル902は、おおよそ1pm、2:30pm、および3:50pmにて開始し、継続期間が30分から2時間を超える範囲である、HVAC ON期間を含む。
【0116】
この特定の例では、動作704Eを促進するために、HVACデューティサイクル900をHVACデューティサイクル902と比較してもよい。これらのデューティサイクルが同一または類似している場合には、最適なスケジュール808ではなく、元の設定点スケジュール800を用いてもよい。HVAC ON時間、HVAC ON期間、HVAC
OFF時間、およびHVAC OFF期間などのような、デューティサイクルのさまざまな特性を比較において用いてもよく、互いの5%(または5%より大きいかまたは小さい何らかの他のしきい値)内におけるスケジュールは同様とみなされてもよい。
【0117】
図8に戻って、最適なパラメータセットがベースラインセット内にあると判断される場合には、処理は動作704Fに進み、ベースラインパラメータセットを最適なパラメータセットとして選択してもよい。つまり、最適なパラメータセットによって特徴付けられる
設定点スケジュールを用いて後でHVACシステムを制御するのではなく、元の設定点スケジュールを選択し用いてもよい。この態様においては、HVACシステムは、ユーザによって期待されるとおりに、精密に有利に制御され得、それによって、元の設定点スケジュールの見込を増大させ、それは、この特定の場合においては、実質的に最適であり、DRイベント期間の継続期間に対して、ユーザによって受入れられるかまたはそうでなければユーザによって干渉されない。
【0118】
図8に示される特定の動作は、ある実施の形態に従って最適化された制御軌跡を判断するためのプロセスを示すための特定のプロセスを与えることが理解されるべきである。
図8を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200(たとえばサーモスタット202)、エネルギ管理システム130(たとえばリモートサーバ264)などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図8に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。
【0119】
ここで
図7に戻って、最適化された制御軌跡が一旦判断されると、DRイベント期間は動作706において開始してもよい。DRイベント期間が一旦開始すると、処理は動作708に続いてもよく、HVACシステムは制御軌跡に従って制御される。たとえば、HVAC制御軌跡が、ある設定点温度のスケジュールを含む場合には、サーモスタット202は、ある特定の誤差しきい値内においてそれらの温度に到達および/またはそれらの温度を維持する試みにおいて、HVAC203を制御してもよい。他の例では、HVAC制御軌跡がHVACデューティサイクルスケジュールを含む場合には、サーモスタット202はデューティサイクルスケジュールに従ってHVAC203のON/OFF状態を制御してもよい。用いられる特定の制御軌跡は動作704の結果として判断されるものであってもよく、したがって、費用関数の最適化、デフォルトの制御軌跡および/または元の制御軌跡から結果として生じる制御軌跡であってもよい。
【0120】
動作710において、DRイベント期間に亘る設定点温度プロファイルが判断されてもよい。この設定点温度プロファイルは、用いられている特定の制御軌跡に基づいて判断されてもよい。たとえば、元の設定点スケジュールが用いられる場合には、設定点温度プロファイルは、元の設定点スケジュールによって規定される設定点温度に対応してもよい。同様に、デフォルトの設定点スケジュールまたは最適な設定点スケジュールが用いられる場合には、設定点温度プロファイルはデフォルトの設定点スケジュールまたは最適な設定点スケジュールによって規定される設定点温度に対応してもよい。実現される設定点スケジュールが、DRイベント期間に亘って高い変化率を伴う設定点温度、たとえば、5分、10分、または15分ごとに変化する設定点温度(たとえば
図9Bにおける候補スケジュール808を参照されたく、そこにおいては、設定点温度はDRイベント期間に亘って継続的に変化する)を含む実施の形態においては、ユーザに対して表示されるかまたは他の態様で通信される設定点温度の変化率を低減することが望ましくてもよい。ある実施の形態では、これは、実効温度設定点(つまりHVACシステムを制御するよう用いられる場合に、HVACシステムが、選択された制御軌跡に従って実際に制御されているなか、制御されるよう期待されるであろう温度設定点)と引換えに、実際の設定点温度を表示することを抑制することによってなされてもよい。
【0121】
たとえば、
図11Aおよび
図11Bを簡単に参照して、
図11Aは、ある実施の形態に
従って、最適なスケジュール808の実現から結果としてもたらされる、期待される屋内温度プロファイル1002を示す。期待される屋内温度プロファイル1002は、最適な設定点スケジュール808をHVACシステムの予測モデルに基づくシミュレーションに適用することによって判断されてもよい。
図11Bは、ある実施の形態に従う、期待される屋内温度プロファイル1002に対する、実効設定点温度1004を示す。実効設定点温度1004は、期待される屋内温度プロファイル1002のピークおよび谷を識別することによって判断されてもよい。たとえば、実効温度設定点は、(たとえば2pmにおける)前の谷からピーク温度が維持する時間(つまり3pm)まで延在する継続期間に対する(たとえば3pmにおける)ピーク温度として規定されてもよい。同様に、ある実効温度設定点は、(たとえば3pmにおける)前のピークから谷の温度が一致する時間(たとえば3:30pm)まで延在する継続期間に対する(たとえば3:30pmにおける)谷の温度として規定されてもよい。実効設定点温度1004の組合せを次いで設定点温度プロファイルとして用いてもよい。つまり、最適なスケジュール808によって規定される(継続的に変化する)設定点温度を設定点温度プロファイルとして用いる代わりに、(相対的に静的な)実効設定点温度1004のシーケンスを用いてもよい。そのような態様においては、ユーザに対して表示されるとき、ユーザは、継続的に変化するスケジュール(たとえばスケジュール808)の見かけを提示されるのではなく、(たとえば実効温度設定点1004の組合せによって規定される)相対的に静的なスケジュールの見かけを提示される。相対的に静的なスケジュールの提示は、最適なスケジュールの実現に対するユーザの干渉の見込みを有利に低減し得る。
【0122】
図7に戻って、一旦、設定点温度プロファイルが判断されると、設定点温度プロファイルによって規定される設定点温度が、動作712において、DRイベント期間中に、表示されるか、またはユーザに対して他の態様で通信されてもよい。たとえば、実効設定点温度1004は、DRイベント期間の過程に亘って、現在の設定点温度として、サーモスタット202上においてシーケンスで表示されてもよい。
【0123】
HVACシステムが判断された制御軌跡に従って制御される一方で、処理は動作714に続いてもよく、制御軌跡を再判断する必要があるかどうかが判断されてもよい。制御軌跡が再判断されるには、実際のHVAC状態および/または屋内温度が期待されるHVAC状態/屋内温度とは異なること、構造物の実時間占有が変化すること、屋内温度が何らかの安全しきい値を交差することなど、さまざまな理由があってもよい。ある特定の実施の形態では、制御軌跡が再判断されるのは:(1)最適なスケジュールが実現される場合に、実際の屋内温度プロファイルが予測される屋内温度プロファイルとは異なる場合;(2)元のスケジュールが、それが最適なスケジュールとして同様の制御をもたらす結果となるとみなされるために実現される場合において、実際の屋内温度プロファイルが何らかの安全しきい値を交差する場合;(3)構造物の実時間占有が変化するとき;および/または(4)最適なスケジュールもしくは元のスケジュールが実現される場合に、実際のHVAC状態が予測されるHVAC状態とは異なる場合、であってもよい。
【0124】
そのような判断をなす際に、さまざまな情報が監視されてもよい。たとえば、構造物の実際の屋内温度をDRイベント期間中において監視し、それを期待される屋内温度プロファイルと比較してもよい。別の例では、実際のHVAC状態を監視し、期待されるHVACデューティサイクルスケジュールによって規定される、期待されるHVAC状態と比較してもよい。さらに別の例では、構造物の占有ステータスを監視してもよい。
【0125】
制御軌跡を再判断する必要があると判断される場合には、処理は動作716に続いてもよい。動作716では、制御軌跡が再最適化されるべきであるかどうかが判断される。ある場合では、制御軌跡は動作704を参照して記載されるように再最適化されてもよく、一方、他の場合では、元の設定点スケジュールまたはデフォルトの設定点スケジュールに
よって特徴付けられるもののような、代替的な制御軌跡を最適なスケジュールの代わりに用いてもよい。たとえば、構造物の占有ステータスが変化した状況においては、次いで、制御軌跡を再最適化してもよい。別の例では、現在の制御軌跡が最適な設定点スケジュールまたは元の設定点スケジュールによって特徴付けられ、実際のHVAC状態が期待されるHVAC状態と異なる状況においては、次いで、制御軌跡を再最適化してもよい。別の例では、現在の制御軌跡が最適な設定点スケジュールによって特徴付けられ、実際の屋内温度プロファイルが期待される屋内温度プロファイルと異なる状況においては、次いで、デフォルトの制御軌跡を実現してもよい。さらに別の例では、現在の制御軌跡が元の設定点スケジュールによって特徴付けられ、何らかの安全性しきい値が超えられる(たとえばHVAC ON期間が最大の継続期間を超える)状況においては、次いで、デフォルトの制御軌跡を実現してもよい。
【0126】
制御軌跡が再最適化されるべきと判断される場合には、処理は動作718に続いてもよく、制御軌跡が再最適化される。制御軌跡の再最適化は、動作704を参照して記載される元の最適化と同様であってもよく、したがって、さらなる記載は省略する。制御軌跡の再最適化で、処理は動作708に戻ってもよく、HVACシステムは、次いで、再最適化された制御軌跡に従って制御される。逆に、制御軌跡は再最適化されるべきではなく、代替的な制御軌跡が判断されるべきである、と判断される場合には、次いで、処理は動作720に進んでもよく、デフォルトのスケジュールまたは元のスケジュールによって特徴付けられるもののような代替的な制御軌跡が判断される。処理は、次いで、動作708に戻ってもよく、この場合においては、HVACシステムは代替的な制御軌跡に従って制御される。
【0127】
動作714に戻って、制御軌跡を再判断する必要がない場合には、次いで、処理は動作722に進んでもよく、DRイベント期間が完了しているかどうかが判断される。DRイベント期間が完了していない場合には、処理は動作708に戻ってもよく、HVACシステムは制御軌跡に従って制御される。そうでない場合には、処理は動作724に続いてもよく、DRイベント期間が完了される。
【0128】
図7に示される具体的な動作は、ある実施の形態に従って需要応答イベント中にHVACシステムを制御するための特定のプロセスを与えることが理解されるべきである。
図7を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200(たとえばサーモスタット202)、エネルギ管理システム130(たとえばリモートサーバ264)などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図7に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。
【0129】
DRイベント中におけるエネルギ管理に関与させられる装置のユーザは、エネルギ管理システムに関連付けられる彼らの装置の1つ以上(たとえばサーモスタット202、アクセス装置266など)上においてさまざまなグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の1つ以上を提示されてもよい。GUIまたは他のユーザインターフェイスは、ユーザに対して、DRイベントが進行中である旨を通知してもよく、ある場合においては、ユーザに対して、彼らのHVACシステムがここに記載されるプロセスの1つ以上に従って制御されている旨を通知してもよい。ある特定の場合においては、DRイベント期間中において、彼らのHVACシステムがもはや前述の処理に従って制御されない場合には、ユ
ーザはそのような状態を通知されてもよい。
【0130】
図面を簡単に参照して、
図12Aおよび
図12Bは、ある実施の形態に従って、エネルギ消費者に対して提示されてもよい単純化されたGUIを示す。GUIは、
図3A〜
図3Cを参照して論じられた装置300のような円形の装置上に表示されてもよいインターフェイスの形式で提示されるが、実施の形態はそのように限定されはせず、なぜならば同様のGUIが他の形状の他の装置上において提示され得るからである。
【0131】
具体的には、
図12AはGUI1100を示し、それは、たとえば、ユーザインターフェイス304(
図3A)、出力装置606および/もしくは入力装置608(
図6)、またはエネルギ消費者に関連付けられる電子装置の他のGUIであってもよい。GUI1100は、当面の設定点をユーザに対して表示する現在設定点温度1102を含む。GUI1100は、さらに、構造物の内部の現在の温度を示す現在温度インジケータ1104と、ある場合においては、当面の設定点を示し、現在温度インジケータ1104に対して図形で表示される現在設定点温度インジケータ1106とを含む。
【0132】
図12Bを参照して、DRイベントの始まりで、
図12Aを参照して記載されるものと同じ情報が表示されてもよい。さらに、GUI1100は、DRイベントが現在進行中である旨を示すDRイベント1108を含んでもよい。この特定の例では、DRイベントインジケータ1108は「ラッシュアワー」というテキスト表示であるが、他の実施の形態では、DRイベントインジケータ1108は他の形式または「DRイベント」のようなテキストのシーケンスの形式をとってもよい。そのようなインジケータはDRイベント期間中に表示されてもよいが、さらに、イベント前期間および/またはイベント後期間中のような、DRイベント期間と関連付けられる他の時間期間中に表示されてもよい。GUI1100は、さらに、HVACシステムの現在の状態(たとえば冷房、暖房、段階1、段階2など)を示すHVAC状態インジケータ1110を含んでもよい。
【0133】
GUI1100は、さらに、HVACシステムがDRイベント最適化プロセスに従って制御されている(たとえば最適な制御軌跡が用いられている)旨を示すDRイベント管理インジケータ1112を含んでもよい。DRイベント管理インジケータ1112は、この特定の実施の形態においては、歯車に埋込まれた葉の画像であるが、他の実施の形態においては、異なる図形形式または形状をとってもよい。DRイベント管理インジケータ1112は、ある実施の形態においては、サーモスタットはDRイベント最適化プロセスに従って成功裏に制御されている(つまりDRイベント最適化プロセスによって規定されるものに対するユーザ設定点変更がない)旨を示してもよい。ある場合においては、DRイベント管理インジケータ1112は、設定点が変えられない場合に表示されてもよい。たとえば、エネルギ消費者が現在の設定点を変えない場合には、インジケータ1112は表示されてもよく、エネルギ消費者が現在の設定点を変える(たとえば温度を2°Fだけ上昇させる)場合には、インジケータ1112は表示から取り除かれてもよい。他の場合においては、DRイベント管理インジケータ1112は、たとえ設定点が変えられても表示されてもよいが、ただし、その変化が、DRイベント期間からDRイベント期間外の1つ以上の期間へのエネルギシフトにおける低減をもたらす結果とならない場合にのみ表示されてもよい。
【0134】
ユーザに対して、これらの時間中(つまり、ここに記載される自動化されたスケジュール調整プロセスが生じている時間中)に、ユーザインターフェイスとの関連において、アイコンのマークを自動的に表示することは、特に有用かつ有益であることが見いだされており、アイコンのマークは、自動化されたプロセスが生じていること、およびこの自動化されたプロセスは環境的に有益な目的を達成するよう向けられていることをユーザに安心させること、および/または通知することを含む、複数の目的を同時に達成するよう設計
される。1つの特に有用なアイコンのインジケータは、歯車のマークを、そこに埋込まれた葉のマークとともに含むことが見いだされており、歯車は、ユーザの脳裏において、何らかの種類の自動化されたプロセスが生じていることを意味することが見いだされており、葉は、ユーザの脳裏に、このプロセスは環境に対して有益な影響を有することを意味することが見いだされている。歯車の中の葉のマークは外国語に変換される必要がないという1つの利点を有することに加えて、歯車の中の葉のマークは、ユーザにとって警告を与えたり脅したりすることがなく、ユーザは歯車の中の葉のマークをユーザディスプレイから取除くであろうどのような行動もとらないように穏やかにかつ巧みに促されるように、肯定的な意味を有するという利点がさらにある。同時に、歯車の意味によって自動化との連想性があるため、歯車の中の葉のマークは、ユーザを、装置とのどのような不要な手動による対話にも駆り立てることがよりなさそうである。
【0135】
図12Aおよび
図12Bに示される具体的なI/Oインターフェイスはある実施の形態に従う特定のI/Oインターフェイスを記載していることが理解されるべきである。
図12Aおよび
図12Bを参照して記載されるI/Oインターフェイスは、エネルギ消費者と関連付けられるさまざまな電子装置の1つ以上において実現されてもよい。たとえば、それらは、サーモスタット202、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210、機器212、アクセス装置266、または識別されたエネルギ消費者に関連付けられる他の電子装置の1つ以上において実現され、およびそれ(ら)によって実行されてもよい。さまざまなメッセージおよび入力要素は必ずしも異なる時間に表示されなくてもよく、いくつかのメッセージは同じディスプレイ上において同時に提示され得る。同様に、いくつかのメッセージおよび情報は同時に提示されるものとして説明されているが、それらは、異なるときに表示されてもよい。いくつかのメッセージは他の通信機構を用いて通信され得、応答は、同様に、他の通信機構を用いて受信され得る。たとえば、可聴、接触、または他の入力/出力機構が用いられ得る。さらに、追加の、または代替の情報が、スケジュール最適化プロセスの実施前、実施中および/または実施後に提示され得、
図12Aおよび
図12Bに示され、それらの図を参照して記載される情報のすべてが提示される必要はないことが認識されるべきである。当業者であれば、数多くの変形例、修正例および代替例を認識および理解するであろう。
【0136】
実施の形態についての完全な理解を提供するために、上の記載で特定の詳細が与えられた。しかしながら、実施の形態はこれらの特定の詳細が無くとも実施され得ることが理解される。たとえば、不必要な詳細によって実施の形態が不明確とならないように、回路はブロック図で示され得る。他の場合において、周知の回路、処理、アルゴリズム、構造、および技術が、実施の形態が不明確となることを回避するために不必要な詳細なしに示され得る。さらに、実施の形態は、以下の共通に譲渡された出願:上記米国連続番号13/842,213;2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,118(リファレンス番号NES0119−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,093(リファレンス番号NES0122−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,028(リファレンス番号NES0124−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,041(リファレンス番号NES0162−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,070(リファレンス番号NES0234−US);上記米国仮出願連続番号61/704,437(リファレンス番号NES0254−US);2012年1月3日に提出されたPCT出願番号PCT/US12/20026(リファレンス番号NES0185−PCT);2012年1月3日に提出されたPCT出願番号PCT/US12/00007(リファレンス番号NES0190−PCT);および2011年10月7日に提出された米国連続番号13/269,501(リファレンス番号NES0120−US)の1つ以上に記載されるシステム、方法、装置などの一部またはすべてを含
み得て、これらの全ては、その全体においてすべての目的のために引用により援用される。
【0137】
上記の技術、ブロック、ステップ、および手段の実現は、さまざまな方法で行なわれ得る。たとえば、これらの技術、ブロック、ステップ、および手段は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせにより実現され得る。あるハードウェア実現例については、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、上記の機能を実行するために設計された他の電子ユニット、および/またはこれらの組み合わせにおいて、処理ユニットが実現され得る。
【0138】
また、実施の形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として描かれる処理として記載され得ることが注記される。フローチャートは動作を逐次処理として記載し得るが、動作の多くは並列または同時に行われ得る。加えて、動作の順序は再構成され得る。処理は、その動作が完了した時に終結されるが、図に含まれていない付加的なステップを有し得る。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムに対応し得る。処理が関数に対応する場合、その終了は、関数を呼び出し関数もしくはメイン関数に返すことに対応する。
【0139】
さらにまた、実施の形態は、ハードウェア、ソフトウェア、スクリプト言語、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、および/またはこれらの任意の組み合わせによって実現され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、スクリプト言語、および/またはマイクロコードで実現された場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントが記憶媒体などのマシン読取可能媒体に記憶され得る。コードセグメントまたはマシン実行可能命令は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、パッケージソフト、スクリプト、クラス、もしくは命令の任意の組み合わせ、データ構造、および/またはプログラム文を表わし得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、および/またはメモリ内容を送信および/または受信することによって他のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン受け渡し、ネットワーク送信などを含む任意の好適な手段を介して、受け渡し、転送、または送信され得る。
【0140】
本開示の原理は特定の装置および方法と結び付けて上に記載されたが、この記載は例示のみであって本教示の範囲を限定するものではないことが明確に理解される。