(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1から
図10を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
【0009】
図1はレバー式コネクタ1の嵌合状態を示し、
図2及び
図3はレバー式コネクタ1の嵌合前の状態を示している。
図1から
図3に示すように、レバー式コネクタ1は、プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3を備えている。
【0010】
プラグコネクタ2は、ケーブル4の端部に取り付けられるプラグコネクタ本体5と、プラグコネクタ本体5に回転可能に支持されるレバー6と、を備えている。
【0011】
レセプタクルコネクタ3は、図示しないサーボモータの外壁面に取り付けられて用いられる。
【0012】
そして、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に嵌合させることで、ケーブル4が収容する複数の導体がサーボモータの制御基板に電気的に接続されるようになっている。
【0013】
なお、レバー式コネクタ1の取り付け対象としては、サーボモータに限らず、サーボモータ以外のモータや回転検出器を含む各種の電子機器としてもよい。
【0014】
(方向の定義)
ここで、
図1から
図3を参照して、「挿抜方向」「回転軸方向」「軸直交方向(直交方向)」を定義する。挿抜方向、回転軸方向、軸直交方向は互いに直交する。
【0015】
挿抜方向は、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に挿抜する方向である。挿抜方向は、嵌合方向としての下方と、抜去方向としての上方を含む。下方は、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に嵌合させる際にプラグコネクタ2がレセプタクルコネクタ3に近づく方向である。上方は、下方の反対の方向である。なお、下方及び上方は、説明の便宜上使用する用語に過ぎず、レバー式コネクタ1の使用時における姿勢を規定するものではない。
【0016】
回転軸方向は、プラグコネクタ本体5に回転可能に支持されたレバー6の回転軸線6Cが延びる方向である。以降において、回転軸方向に沿ってプラグコネクタ本体5の内側に向かう方向を軸方向内方又は単に内方と称し、プラグコネクタ本体5の外側に向かう方向を軸方向外方又は単に外方と称する。
【0017】
軸直交方向は、挿抜方向及び回転軸方向に対して直交する方向である。本実施形態では、ケーブル4はプラグコネクタ本体5から軸直交方向に沿って引き出されている。しかしながら、ケーブル4はプラグコネクタ本体5から挿抜方向又は回転軸方向に沿って引き出されてもよい。軸直交方向は、プラグコネクタ2からケーブル4を見る方向としての後方と、ケーブル4からプラグコネクタ2を見る方向としての前方と、を含む。
【0018】
上記の挿抜方向、回転軸方向、軸直交方向は、主としてプラグコネクタ2の構成に基づいて定義したが、これらの方向はレセプタクルコネクタ3の構成を説明する際にも使用するものとする。従って、例えば、レセプタクルコネクタ3における回転軸方向とは、レセプタクルコネクタ3に嵌合したプラグコネクタ2が有するレバー6の回転軸線6Cが延びる方向と解釈される。
【0019】
(プラグコネクタ2)
次に、
図4及び
図5を参照して、プラグコネクタ2を説明する。なお、
図5に示す側面断面図は、レバー6の一方のアーム33をその板厚方向において二分する断面に関するものである。
【0020】
前述したように、プラグコネクタ2は、プラグコネクタ本体5とレバー6によって構成されている。
【0021】
(プラグコネクタ2:プラグコネクタ本体5)
図4に示すように、プラグコネクタ本体5は、複数のプラグコンタクト10と、プラグコンタクトホルダ11と、プラグハウジング12と、ケーブルホルダ13と、を備えている。
【0022】
複数のプラグコンタクト10は、銅又は銅合金製の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することにより形成されている。複数のプラグコンタクト10は、絶縁樹脂製のプラグコンタクトホルダ11に保持されることにより、所定のピッチで回転軸方向に一列で並んでいる。
【0023】
プラグハウジング12は、絶縁樹脂製であって、下方に開口するレセプタクル収容空間14を有する箱型状に形成されている。即ち、プラグハウジング12は、先端板部12A、後端板部12B、2つの側板部12C、天板部12Dを有する。先端板部12A及び後端板部12Bは、軸直交方向でレセプタクル収容空間14を区画している。2つの側板部12Cは、回転軸方向でレセプタクル収容空間14を区画している。天板部12Dは、挿抜方向でレセプタクル収容空間14を区画している。
【0024】
先端板部12Aは、レセプタクル収容空間14に対向する先端内面15を有する。後端板部12Bは、レセプタクル収容空間14に対向する後端内面16を有する。先端内面15及び後端内面16は、何れも軸直交方向に直交する平面であって、軸直交方向において互いに対向している。
図5の側面視には、レセプタクル収容空間14の容積を軸直交方向で二分する二分線17を示している。詳しくは、二分線17は、軸直交方向において先端内面15と後端内面16の間に位置し、軸直交方向において先端内面15と後端内面16から等しい距離に位置している。二分線17は、
図5に示す側面視において、挿抜方向に延びる直線である。
【0025】
なお、先端内面15及び後端内面16の少なくとも一方が湾曲面であった場合は、二分線17は、レセプタクル収容空間14の容積を軸直交方向において二分する二分面に基づいて定義されるものとする。なお、二分面は、軸直交方向に対して直交する平面であるものとする。
【0026】
図4に戻り、先端板部12Aには、下方に押し下げられたレバー6を固定するためのレバーロック部20が形成されている。
【0027】
後端板部12Bには、ケーブル4の端部4Aが挿入されるケーブル挿入孔21が形成されている。なお、ケーブル4に含まれる複数の被覆付き電線については、それらの描画を省略している。
【0028】
各側板部12Cには、レバー6をプラグハウジング12に対して回転可能に保持するための回転シャフト22が形成されている。各回転シャフト22は、各側板部12Cから外方に円柱状に突出して形成されている。各回転シャフト22は、円柱の中心軸線としての回転軸線23を有する。この回転軸線23は、
図1から
図3に示す回転軸線6Cそのものである。
図5に示すように、各回転シャフト22の回転軸線23は、二分線17から離れて配置されており、二分線17と後端板部12Bの間に配置されている。また、各回転シャフト22の回転軸線23は、天板部12D寄りに配置されている。
【0029】
図4に戻り、ケーブルホルダ13は、プラグハウジング12のケーブル挿入孔21に挿入されたケーブル4を軸直交方向において移動不能となるように固定する。
【0030】
(プラグコネクタ2:レバー6)
続いて
図4に示すように、レバー6は、レバー本体30と、ロックスプリング31と、を備えて構成されている。
【0031】
レバー本体30は、レバーベース32と、2つのアーム33と、操作部34によって構成されている。
【0032】
レバーベース32は回転軸方向に延びている。
【0033】
各アーム33は、レバーベース32の回転軸方向の両端から突出して形成されている。各アーム33は、回転軸方向に対して直交する方向に延びている。各アーム33には、各回転シャフト22が挿入される軸受孔35が形成されている。
【0034】
このように、レバー本体30は、レバーベース32と2つのアーム33を含むことにより、回転軸線23に向かって開口するU字状に形成されている。
【0035】
操作部34は、レバー式コネクタ1を操作するユーザがレバー6を操作し易くするためのものであって、レバーベース32から突出して形成されている。なお、操作部34を省略してもよい。この場合、ユーザはレバー6を操作するに際し、レバーベース32そのものを操作部34の代わりに用いることになる。
【0036】
以下、各アーム33を詳細に説明する。まず、
図5において、「ロック方向」及び「アンロック方向」を定義する。ロック方向は、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に嵌合する際にレバー6を回転させる方向である。アンロック方向は、ロック方向と反対の方向であって、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3から抜去する際にレバー6を回転させる方向である。
【0037】
図5には、レバー式コネクタ1の嵌合状態におけるレバー6を示している。レバー式コネクタ1の嵌合状態においてレバー6は、ロック方向に押し倒された結果として、操作部34と軸受孔35が挿抜方向において同じ高さとなる姿勢となっている。以下、各アーム33を説明するに際しては、説明の便宜上、原則として、レバー式コネクタ1の嵌合状態におけるレバー6の姿勢を基準とするものとする。
【0038】
図5に示すように、各アーム33は、アーム本体40と、プラグロック部41と、を備えている。アーム本体40は、軸直交方向に沿って延びる部分である。アーム本体40は、レバーベース32から軸受孔35に向かって延びている。プラグロック部41は、アーム本体40の下方に配置されており、アーム本体40からロック方向に突出する部分である。従って、プラグロック部41は、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸線23よりも下方に位置する。
【0039】
引き続き
図5に示すように、軸直交方向において、操作部34、プラグロック部41、二分線17、回転軸線23(回転シャフト22、軸受孔35)は、この記載順に並んでいる。従って、例えば、回転軸線23とプラグロック部41は、軸直交方向において位置ずれしており、軸直交方向において互いに離れて配置されている。回転軸線23とプラグロック部41は、軸直交方向において、二分線17を挟んで互いに反対側となるように配置されている。回転軸線23は、軸直交方向において、二分線17を挟んで操作部34と反対側に配置されている。プラグロック部41は、軸直交方向において、操作部34と二分線17の間に配置されている。
【0040】
アーム本体40は、プラグ第1干渉面42(プラグ干渉面)と、退避傾斜面43と、を有している。プラグ第1干渉面42及び退避傾斜面43は、軸直交方向において互いに滑らかに連なり、何れも下方を向いている。プラグ第1干渉面42は、軸直交方向において操作部34と回転軸線23の間に形成されている。退避傾斜面43は、軸直交方向において回転軸線23を挟んで操作部34と反対側に形成されている。プラグ第1干渉面42と退避傾斜面43は、回転軸線23の真下において互いに接続している。
【0041】
プラグ第1干渉面42は、平面状であって、ロック方向を向いている。本実施形態において、プラグ第1干渉面42は挿抜方向に直交している。プラグ第1干渉面42は、二分線17を軸直交方向に跨ぐように形成されている。即ち、二分線17は、プラグ第1干渉面42と交差している。
【0042】
退避傾斜面43は、軸受孔35から離れる方向に凸となる湾曲面状であって、プラグ第1干渉面42からロック方向に向かって延びている。
【0043】
プラグロック部41は、プラグ第2干渉面44と、ロック実行面45と、を有している。プラグ第2干渉面44とロック実行面45は、挿抜方向において互いに連なり、何れも後方を向いている。プラグ第2干渉面44とロック実行面45は、何れも、軸直交方向において操作部34と二分線17の間に配置されている。
【0044】
プラグ第2干渉面44は、プラグ第1干渉面42の前端から下方に延びて形成されている。詳しくは、プラグ第2干渉面44は、下方に向かうにつれて後方に向かうように若干二分線17に対して傾斜するように形成されている。
【0045】
ロック実行面45は、プラグ第2干渉面44の下端から下方に向かって延びており、後方に凸となるように円弧状に湾曲して形成されている。
【0046】
図4に戻り、ロックスプリング31は、金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することにより形成されており、レバーベース32に設けられている。レバー6をロック方向に押し下げると、ロックスプリング31がプラグコネクタ本体5のレバーロック部20と係合し、これにより、レバー6のアンロック方向への回転が防止される。なお、ロックスプリング31そのものを操作して、ロックスプリング31とレバーロック部20との係止状態を解除すれば、レバー6のアンロック方向への回転が許容される。
【0047】
(レセプタクルコネクタ3)
次に、
図6及び
図7を参照して、レセプタクルコネクタ3を説明する。
【0048】
図6に示すように、レセプタクルコネクタ3は、複数のレセプタクルコンタクト50と、レセプタクルコンタクトホルダ51と、レセプタクル本体52と、シール部材53と、を備えている。
【0049】
複数のレセプタクルコンタクト50は、銅又は銅合金製の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することにより形成されている。複数のレセプタクルコンタクト50は、絶縁樹脂製のレセプタクルコンタクトホルダ51に保持されることにより、所定のピッチで回転軸方向に二列で並んでいる。
【0050】
レセプタクル本体52は、アルミ合金又は亜鉛合金製であって、レセプタクルベース54(ベース)と、レセプタクルハウジング55と、2つのレセプタクルロック部56と、を備えている。
【0051】
レセプタクルベース54は、板厚方向が挿抜方向に平行となる平板であって、ホルダ挿入口57を有している。
【0052】
レセプタクルハウジング55は、レセプタクルベース54のホルダ挿入口57の周縁から上方に筒状に延びて形成されている。そして、レセプタクルハウジング55にレセプタクルコンタクトホルダ51が挿入されて保持される。レセプタクルハウジング55の外周面55Aには、シール部材53が取り付けられるシール部材取付溝58が形成されている。
【0053】
2つのレセプタクルロック部56は、回転軸方向においてレセプタクルハウジング55を挟んで互いに反対側となるように配置されている。2つのレセプタクルロック部56は、レセプタクルハウジング55から回転軸方向に離れて配置されている。2つのレセプタクルロック部56は互いに同一形状とされている。
【0054】
各レセプタクルロック部56は、レセプタクルベース54から上方に突出するように形成されている。
図7に示すように、各レセプタクルロック部56は、前述した二分線17に関して線対称に形成されている。各レセプタクルロック部56は、上方に向かうにつれて軸直交方向で広がるように形成されている。各レセプタクルロック部56は、概ねワイングラスのような形状を有している。なお、説明の便宜上、
図7において、シール部材53とレセプタクルハウジング55は、描画を省略している。
【0055】
引き続き
図7を参照して、各レセプタクルロック部56は、レセプタクル第1干渉面60(レセプタクル干渉面)と、2つのレセプタクルロック側面61と、を有している。
【0056】
レセプタクル第1干渉面60は、平面状であって、上方を向く面である。本実施形態において、レセプタクル第1干渉面60は、挿抜方向に直交している。レセプタクル第1干渉面60は、二分線17を跨いで軸直交方向に延びている。
【0057】
2つのレセプタクルロック側面61は、レセプタクル第1干渉面60の軸直交方向における両端から下方に向かって延びており、一方が前方を、他方が後方を向いている。即ち、2つのレセプタクルロック側面61は、何れも、軸直交方向を向いている。各レセプタクルロック側面61は、レセプタクル第2干渉面62と、ロック受け入れ湾曲面63を有している。
【0058】
レセプタクル第2干渉面62は、平面状であって、レセプタクル第1干渉面60の軸直交方向における端部から下方に向かって延びている。レセプタクル第2干渉面62は、下方に向かうにつれて二分線17に近づくように傾斜している。
【0059】
ロック受け入れ湾曲面63は、レセプタクル第2干渉面62の下方に形成されており、二分線17に向かって凸となるように円弧状に湾曲して形成されている。従って、各レセプタクルロック側面61には、ロック受け入れ湾曲面63で規定されるロック受け入れ凹部64が形成されていると言及できる。ロック受け入れ凹部64は、二分線17に向かって凹むように形成されている。
【0060】
(作動)
次に、
図8から
図10を参照して、レバー式コネクタ1の作動を説明する。なお、各図において、レセプタクルコネクタ3が取り付けられるサーボモータ70を二点鎖線で示している。なお、説明の便宜上、
図5と同様に、
図8から
図10では、レバー6の一方のアーム33をその板厚方向において二分する断面を示している。
【0061】
図8には、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に嵌合させるためにプラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3と挿抜方向で対向させた対向状態を示している。
図8に示すように、この対向状態において、レバー6は、操作部34がプラグコネクタ本体5よりも上方に位置するアンロック位置に保持されている。
【0062】
この対向状態から、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3に向かって移動させると、まず、プラグコネクタ2のプラグコネクタ本体5のプラグハウジング12がレセプタクルコネクタ3のシール部材53に着座する。この状態で、操作部34を指で下方に押すことでレバー6をロック方向に回転させる。すると、
図9に示すように、プラグコネクタ2のレバー6のプラグロック部41のロック実行面45が、レセプタクルコネクタ3のレセプタクルロック部56のレセプタクル第2干渉面62に接触し、レバー6のロック方向へのそれ以上の回転が防止される。
【0063】
続けて、操作部34を指で下方に押す。すると、レバー6のロック方向への回転が防止されているので、操作部34を下方に押す力は、そのままプラグコネクタ2を下方に移動させる駆動力となる。この駆動力により、シール部材53の弾性変形を伴いながら、プラグコネクタ2が更に下方に移動する。これにより、
図6に示すレセプタクルハウジング55が
図4に示すレセプタクル収容空間14に収容される。
図9に戻り、プラグコネクタ2が下方に移動すると、プラグロック部41のロック実行面45はレセプタクルロック部56のレセプタクルロック側面61に接触しながら下方に移動することになる。ここで、レセプタクルロック側面61は、下方に向かって二分線17に近づくように傾斜しているので、プラグコネクタ2が下方に移動する際、レバー6はロック方向へ若干回転する。
【0064】
やがて、プラグコネクタ2のプラグハウジング12がレセプタクルコネクタ3のレセプタクルハウジング55に挿抜方向で突き当たると、プラグコネクタ2の下方へのそれ以上の移動が防止される。それと同時に、
図10に示すように、プラグロック部41がロック受け入れ凹部64に収容される。これにより、下方に向かってレセプタクルロック部56とプラグロック部41がこの記載順で隣り合うことになり、もって、プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3からの抜去が防止される。
【0065】
また、このとき、
図4に示すレバー6のロックスプリング31がプラグハウジング12のレバーロック部20に係合することで、レバー6のアンロック方向へのそれ以上の回転が防止される。これにより、レバー6が
図10に示すロック位置で保持されることになる。このようにレバー6がロック位置で保持されることにより、レバー式コネクタ1は嵌合状態となる。
【0066】
この嵌合状態においては、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60が挿抜方向で僅かな隙間を空けて対向する。同様に、プラグ第2干渉面44とレセプタクル第2干渉面62が僅かな隙間を空けて対向する。そして、プラグロック部41のロック実行面45がレセプタクルロック部56のロック受け入れ湾曲面63と接触している。ここで、プラグロック部41とロック受け入れ凹部64との物理的な干渉により、各アーム33は、プラグロック部41が回転軸線23から遠ざかる方向に弾性変形している。この弾性変形に対応する弾性復元力により、プラグロック部41のロック実行面45は、レセプタクルロック部56のロック受け入れ湾曲面63に対して強力に押圧されている。
【0067】
図10に示す嵌合状態において、プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3に対する嵌合姿勢が傾くと、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60が互いに接触することにより、嵌合姿勢のそれ以上の傾きが抑制される。同様に、プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3に対する嵌合姿勢が傾くと、プラグ第2干渉面44とレセプタクル第2干渉面62が互いに接触することにより、嵌合姿勢のそれ以上の傾きが抑制される。従って、例えば振動に起因してプラグコネクタ2及びレセプタクルコネクタ3の接触部分が損耗し、プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3の間のガタが大きくなっても、上記の構成により、プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3に対する安定した嵌合姿勢を継続して維持できるようになる。
【0068】
なお、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3から抜去するには、
図4に示すレバー6のロックスプリング31を操作してロックスプリング31とレバーロック部20との係合状態を解除すると共に、レバー6をアンロック方向に回転させればよい。これにより、
図10に示すプラグロック部41がロック受け入れ凹部64から引き抜かれるので、プラグコネクタ2をレセプタクルコネクタ3から上方に抜去できるようになる。
【0069】
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態は以下の特長を有する。
【0070】
図1から
図7に示すように、レバー式コネクタ1は、プラグコネクタ本体5と、プラグコネクタ本体5に回転可能に支持されると共にプラグロック部41及び操作部34を有するレバー6と、を備えたプラグコネクタ2と、レセプタクルロック部56を有するレセプタクルコネクタ3と、を備える。
図10に示すように、レバー6の操作部34を操作することにより、下方においてレセプタクルロック部56とプラグロック部41がこの記載順で隣り合うことで、プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3からの抜去が防止される。レバー6は、平面状のプラグ第1干渉面42(プラグ干渉面)を有する。レセプタクルコネクタ3は、平面状のレセプタクル第1干渉面60(レセプタクル干渉面)を有する。プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3が嵌合した嵌合状態において、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60は、互いに対向するように配置されると共に、レバー6の回転軸線23の軸方向に沿って見るとプラグロック部41とレバー6の回転軸線23の間に配置されている。レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸方向に沿って見ると、レバー6の回転軸線23は、プラグコネクタ本体5のレセプタクル収容空間14を軸直交方向において二分する二分線17を挟んで操作部34と反対側に配置されている。プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3に対する嵌合姿勢が傾くとプラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60が互いに接触することにより、嵌合姿勢のそれ以上の傾きが抑制される。以上の構成によれば、回転軸線23が二分線17上に配置される場合と比較して、プラグ第1干渉面42及びレセプタクル第1干渉面60を大きく確保できるので、プラグ第1干渉面42及びレセプタクル第1干渉面60による嵌合姿勢の傾き抑制効果が高いレベルで実現される。
【0071】
また、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸方向に沿って見ると、プラグロック部41とレバー6の回転軸線23は、軸直交方向において位置ずれしている。具体的には、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸方向に沿って見ると、プラグロック部41は、軸直交方向において二分線17と操作部34の間に配置されている。以上の構成によれば、レバー6のプラグ第1干渉面42がレセプタクルコネクタ3のレセプタクル第1干渉面60を広い面積で覆うことができるので、プラグ第1干渉面42及びレセプタクル第1干渉面60による嵌合姿勢の傾き抑制効果が一層高いレベルで実現される。
【0072】
また、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60は、嵌合方向に対して直交するように配置されている。
【0073】
また、
図10に示すように、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸方向に沿って見ると、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60は、プラグロック部41とレバー6の回転軸線23を結ぶ直線Pに対して交差するように配置されている。
【0074】
また、レバー式コネクタ1の嵌合状態において、回転軸方向に沿って見ると、レセプタクルロック部56は、二分線17に関して線対称である。以上の構成によれば、軸直交方向におけるプラグコネクタ2の向きを反転させてレセプタクルコネクタ3に嵌合できるようになる。
【0075】
また、
図6及び
図7に示すように、レセプタクルコネクタ3は、下方に平行な板厚方向を有するレセプタクルベース54(ベース)と、レセプタクルベース54から上方に筒状に延びるレセプタクルハウジング55と、を更に備える。レセプタクルロック部56は、レセプタクルベース54から上方に突出するように形成されている。
【0076】
そして、
図7に示すように、レセプタクルロック部56は、回転軸方向に沿って見ると、軸直交方向を向く2つのレセプタクルロック側面61を有する。各レセプタクルロック側面61には、プラグロック部41を受け入れるロック受け入れ凹部64が形成されている。
【0077】
レセプタクルロック部56は、回転軸方向に沿って見ると、上方に向かうにつれて軸直交方向で広がるように形成されている。
【0078】
なお、特開2018−206517号公報には、ダイヤモンド型の係止部材が開示されている。しかしながら、特許文献1のカムフォロワは円柱であることが技術常識であるから、当該カムフォロワを上記係止部材に置き換えることはできない。
【解決手段】レバー6は、平面状のプラグ第1干渉面42を有する。レセプタクルコネクタ3は、平面状のレセプタクル第1干渉面60を有する。レバー式コネクタ1の嵌合状態において、プラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60は、互いに対向するように配置されると共に、プラグロック部41とレバー6の回転軸線23の間に配置されている。レバー6の回転軸線23は、二分線17を挟んで操作部34と反対側に配置されている。プラグコネクタ2のレセプタクルコネクタ3に対する嵌合姿勢が傾くとプラグ第1干渉面42とレセプタクル第1干渉面60が互いに接触することにより、嵌合姿勢のそれ以上の傾きが抑制される。