特許第6776613号(P6776613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776613
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】粉砕機
(51)【国際特許分類】
   B02C 13/14 20060101AFI20201019BHJP
   B02C 13/18 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   B02C13/14 Z
   B02C13/18 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-98611(P2016-98611)
(22)【出願日】2016年5月17日
(65)【公開番号】特開2017-205694(P2017-205694A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】藤島 壮
(72)【発明者】
【氏名】馬場 真法
(72)【発明者】
【氏名】塚元 惇平
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−024285(JP,A)
【文献】 特開2008−137000(JP,A)
【文献】 特開平11−028380(JP,A)
【文献】 特開平08−141419(JP,A)
【文献】 特開昭64−075049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/00−13/31、18/00−18/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部中央に第1の開口を有するケーシングと、
駆動装置により回転駆動される回転体であって、平行な2枚の円板を上下に有し、前記両円板間の周縁部に複数の羽根板が内側から外側へ延びる状態で配設されてなり、上側円板の中央部には回転軸を中心とする第2の開口が形成され、前記第2の開口が前記第1の開口と同心円状となるよう前記ケーシング内に略水平状態に配置される粉砕部材と、
前記ケーシング上に配設されるとともに吸引装置に接続されてなり、前記ケーシング内と前記第1の開口を介して連通する排出筒と、
前記排出筒を上下方向に貫通して前記第1の開口から前記ケーシング内に伸延し、前記第2の開口から前記粉砕部材の内部に先端を挿入して配設される供給管と、を備え、
前記供給管から前記駆動装置により回転駆動される前記粉砕部材の内部に被粉砕物を供給し、該被粉砕物を前記羽根板により粉砕しながら前記粉砕部材の外周側方へ送り出し、前記粉砕部材において粉砕され、前記ケーシングの上部下面と前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を前記ケーシングの中心側へ向けて移動する粉砕物を前記吸引装置の作用により前記ケーシングの前記第1の開口から前記排出筒を介して排出する粉砕機であって、
前記ケーシングの上部下面に、前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を狭める環状の突部を垂設し、
前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの上部下面に垂設される前記環状の突部よりも大径とすることを特徴とする粉砕機。
【請求項2】
上部中央に第1の開口を有するケーシングと、
駆動装置により回転駆動される回転体であって、平行な2枚の円板を上下に有し、前記両円板間の周縁部に複数の羽根板が内側から外側へ延びる状態で配設されてなり、上側円板の中央部には回転軸を中心とする第2の開口が形成され、前記第2の開口が前記第1の開口と同心円状となるよう前記ケーシング内に略水平状態に配置される粉砕部材と、
前記ケーシング上に配設されるとともに吸引装置に接続されてなり、前記ケーシング内と前記第1の開口を介して連通する排出筒と、
前記排出筒を上下方向に貫通して前記第1の開口から前記ケーシング内に伸延し、前記第2の開口から前記粉砕部材の内部に先端を挿入して配設される供給管と、を備え、
前記供給管から前記駆動装置により回転駆動される前記粉砕部材の内部に被粉砕物を供給し、該被粉砕物を前記羽根板により粉砕しながら前記粉砕部材の外周側方へ送り出し、前記粉砕部材において粉砕され、前記ケーシングの上部下面と前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を前記ケーシングの中心側へ向けて移動する粉砕物を前記吸引装置の作用により前記ケーシングの前記第1の開口から前記排出筒を介して排出する粉砕機であって、
前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの前記第1の開口よりも大径とすることを特徴とする粉砕機。
【請求項3】
前記供給管の下部に、前記粉砕部材の内部に供給される被粉砕物を外周方向へ案内する環状の案内部を設ける請求項1又は2記載の粉砕機。
【請求項4】
前記ケーシングの内周面に、前記粉砕部材の外周側方へ送り出された被粉砕物が衝突する凹凸を形成する請求項1乃至のいずれかに記載の粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物等の食品や製薬等を粉砕する粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀物を微粉砕する穀物微粉砕装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された装置は、ケーシング内に配置され旋回気流を発生するための回転体と、前記ケーシングの上部に取り付けられると共に前記回転体の回転中心軸を中心とするほぼ円形状の調整口を有する調整部材と、前記調整口に下端部が挿入されて前記ケーシング内に穀物を供給する管体を備える。
【0004】
前記特許文献1に記載された装置によれば、前記管体に投入された穀物が前記ケーシング内に導入され、前記回転体の回転動作により微粉砕されて、微粉体が前記調整口から前記回転体の回転動作により発生した旋回気流に乗って前記ケーシング外に放出される。
【0005】
ところで、前記特許文献1に記載された装置は、旋回気流を発生させるためにプロペラ状の回転体を備えるものであり、前記ケーシング内に供給された穀物が前記回転体に衝突して跳ね上がり、粉砕されないまま機外に排出されてしまう懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3813605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、穀物等の食品や製薬等の被粉砕物を確実に粉砕することができる粉砕機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明
上部中央に第1の開口を有するケーシングと、
駆動装置により回転駆動される回転体であって、平行な2枚の円板を上下に有し、前記両円板間の周縁部に複数の羽根板が内側から外側へ延びる状態で配設されてなり、上側円板の中央部には回転軸を中心とする第2の開口が形成され、前記第2の開口が前記第1の開口と同心円状となるよう前記ケーシング内に略水平状態に配置される粉砕部材と、
前記ケーシング上に配設されるとともに吸引装置に接続されてなり、前記ケーシング内と前記第1の開口を介して連通する排出筒と、
前記排出筒を上下方向に貫通して前記第1の開口から前記ケーシング内に伸延し、前記第2の開口から前記粉砕部材の内部に先端を挿入して配設される供給管と、を備え、
前記供給管から前記駆動装置により回転駆動される前記粉砕部材の内部に被粉砕物を供給し、該被粉砕物を前記羽根板により粉砕しながら前記粉砕部材の外周側方へ送り出し、前記粉砕部材において粉砕され、前記ケーシングの上部下面と前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を前記ケーシングの中心側へ向けて移動する粉砕物を前記吸引装置の作用により前記ケーシングの前記第1の開口から前記排出筒を介して排出する粉砕機であって、
前記ケーシングの上部下面に、前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を狭める環状の突部を垂設し、
前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの上部下面に垂設される前記環状の突部よりも大径とすることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、
上部中央に第1の開口を有するケーシングと、
駆動装置により回転駆動される回転体であって、平行な2枚の円板を上下に有し、前記両円板間の周縁部に複数の羽根板が内側から外側へ延びる状態で配設されてなり、上側円板の中央部には回転軸を中心とする第2の開口が形成され、前記第2の開口が前記第1の開口と同心円状となるよう前記ケーシング内に略水平状態に配置される粉砕部材と、
前記ケーシング上に配設されるとともに吸引装置に接続されてなり、前記ケーシング内と前記第1の開口を介して連通する排出筒と、
前記排出筒を上下方向に貫通して前記第1の開口から前記ケーシング内に伸延し、前記第2の開口から前記粉砕部材の内部に先端を挿入して配設される供給管と、を備え、
前記供給管から前記駆動装置により回転駆動される前記粉砕部材の内部に被粉砕物を供給し、該被粉砕物を前記羽根板により粉砕しながら前記粉砕部材の外周側方へ送り出し、前記粉砕部材において粉砕され、前記ケーシングの上部下面と前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を前記ケーシングの中心側へ向けて移動する粉砕物を前記吸引装置の作用により前記ケーシングの前記第1の開口から前記排出筒を介して排出する粉砕機であって、
前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの前記第1の開口よりも大径とすることを特徴とする
【0012】
本発明の粉砕機は、
前記供給管の下部に、前記粉砕部材の内部に供給される被粉砕物を外周方向へ案内する環状の案内部を設けることが好ましい。
【0013】
本発明の粉砕機は、
前記ケーシングの内周面に、前記粉砕部材の外周側方へ送り出された被粉砕物が衝突する凹凸を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の粉砕機によれば、被粉砕物が前記供給管の先端開口から確実に前記粉砕部材の内部に供給され、前記粉砕部材において確実に粉砕されるため、前記被粉砕物が粉砕されないまま機外に排出されることがなく、穀物等の食品や製薬等の被粉砕物を確実に粉砕することができる。
【0015】
本発明の粉砕機は、前記ケーシングの上部下面に、前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を狭める環状の突部を垂設するので、前記粉砕部材において粉砕され、前記ケーシングの上部下面と前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を前記ケーシングの中心側へ向けて移動する粉砕物の一部が、前記突部により移動を阻止されることとなる。
その際、粉砕が不十分な粗い粉砕物は、前記突部と前記ケーシング内周面の間に滞留し、粉砕物同士の衝突によりさらに粉砕される。
また、細かく粉砕された粉砕物は、前記吸引装置の作用により前記突部の下端を迂回して前記ケーシングの前記第1の開口から前記排出筒を介して排出される。
したがって、本発明の粉砕機において、前記ケーシングの上部下面に、前記粉砕部材の前記上側円板との間隙を狭める環状の突部を垂設するので、細かく粉砕された粉砕物を得ることができる。
【0016】
本発明の粉砕機は、前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの上部下面に垂設される環状の突部よりも大径とするので、粉砕が不十分な粗い粉砕物が、前記突部と前記ケーシング内周面の間に滞留し、粉砕物同士の衝突によりさらに粉砕される一方で、前記粗い粉砕物の一部が、前記粉砕部材の内部に還流されることとなり前記粉砕部材において再度粉砕されるため、細かく粉砕された粉砕物をより効果的に得ることができる。
【0017】
本発明の粉砕機は、前記粉砕部材の前記第2の開口を、前記ケーシングの前記第1の開口よりも大径とするので、粉砕が不十分で粗く重い粉砕物が、当該粉砕物の自重と前記粉砕部材における前記各羽根板の作用による空気流との影響とが相俟って、前記粉砕部材の内部に還流されることとなり前記粉砕部材において再度粉砕されるため、細かく粉砕された粉砕物を得ることができる。
【0018】
本発明の粉砕機は、前記供給管の下部に、前記粉砕部材の内部に供給される被粉砕物を外周方向へ案内する環状の案内部を設けることとすれば、前記被粉砕物を前記粉砕部材の前記羽根板間に効果的に送り込むことができるため、被粉砕物を効率よく粉砕することができる。
また、本発明の粉砕機は、前記供給管の下部に、前記環状の案内部を設けることとすれば、被粉砕物の跳ね上がりを防止することで、前記被粉砕物が粉砕されないまま機外に排出されることを確実に防止できる。
【0019】
本発明の粉砕機は、前記ケーシングの内周面に、前記粉砕部材の外周側方へ送り出された被粉砕物が衝突する凹凸を形成することとすれば、前記粉砕部材の外周側方へ送り出された被粉砕物が、前記凹凸面に衝突し抵抗を受けてさらに粉砕されるため、被粉砕物を効率よく微粉砕することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態における粉砕機の斜視図。
図2図1の粉砕機の正面図。
図3図2の一部断面図。
図4】粉砕部の拡大図。
図5】粉砕部材の斜視図。
図6】粉砕部の変形例の説明図。
図7】粉砕部の他の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における粉砕機の斜視図を示す。図2図1の粉砕機の正面図を示す。図3図2の粉砕機の一部断面図を示す。
【0022】
本発明の実施の形態における粉砕機1は、粉砕部2と駆動部3を備える。
前記粉砕部2は、基台41上に設置されるケーシング21、該ケーシング21上に配設される排出筒22、該排出筒22に接続される排出管23を備える。
また、前記粉砕部2は、前記ケーシング21内に略水平状態に配置される多翼ファン形状の粉砕部材24、前記粉砕部材24の内部に穀物等の原料Rを供給する供給管25を備える。
【0023】
前記駆動部3は、基台42上に設置されるモータ31を備える。
前記モータ31は、図示しないベルトを介して前記粉砕部材24を回転駆動する。
【0024】
図4図3の要部拡大図であって粉砕部の拡大図を示す。図5は粉砕部材の斜視図を示す。
前記ケーシング21は、上部中央に円形状の排出用開口Aを有する。
前記排出筒22は、前記ケーシング21上に配設され、前記排出用開口Aを介して前記ケーシング21内と連通する。また、前記排出筒22は、前記排出管23を介して図示しない吸引ファンに接続される。
【0025】
前記粉砕部材24は、平行な2枚の円板241,242を上下に有する。前記両円板241,242間の外周縁部には、半径方向に対し当該粉砕部材24の回転方向側に所定の角度だけ傾斜する状態で複数の羽根板243が周方向に間隔を空けて配設される。前記上側の円板241の中央部であって前記各羽根板243よりも中心側には、当該粉砕部材24の回転軸Cを中心とする円形状の供給用開口Bが形成される。
前記粉砕部材24は、前記供給用開口Bが前記排出用開口Aと同心円状となるよう、前記ケーシング21内に配置される。
【0026】
ここで、前記各羽根板243は、前記両円板241,242に平行な断面形状を直線形状とする他、湾曲形状やその他の任意の形状とすることができる。
【0027】
前記供給管25は、円筒状であって、その中心軸が前記粉砕部材24の回転軸C上に位置するよう、前記排出筒22を上下に貫通して前記排出用開口Aから前記ケーシング21内に延伸し、前記供給用開口Bから前記粉砕部材24の内部に先端を挿入して配設される。
【0028】
前記ケーシング21の前記排出用開口A、前記粉砕部材24の前記供給用開口B、及び前記供給管25は、平面視において前記粉砕部材24の回転軸Cを中心として同心円状に配置されている。
【0029】
本発明の実施の形態における粉砕機において、穀物等の原料Rは、前記供給管25の先端開口から前記モータ31により鉛直方向の回転軸Cを中心に高速で回転駆動される前記粉砕部材24の内部に供給される。
【0030】
前記粉砕部材24の内部に供給された原料Rは、当該粉砕部材24の回転による遠心力により外周側へ移動するが、その際、前記各羽根板243により強い衝撃を受けて粉砕されながら当該粉砕部材24の外周側方へ送り出される。
【0031】
そして、前記粉砕部材24の外周側方へ送り出された粉砕物は、前記各羽根板243による送風作用により前記ケーシング21の内周面に沿って上昇し、前記ケーシング21の上部下面と前記粉砕部材24の前記上側円板241上面との間隙を前記ケーシング21の中心側へ向けて移動し、前記吸引ファンの吸引作用により前記排出用開口Aから前記排出筒22及び前記排出管23を介して排出される。
【0032】
本発明の実施の形態における粉砕機によれば、穀物等の原料Rが、前記供給管25の先端開口から確実に前記粉砕部材24の内部に供給され、前記粉砕部材24において確実に粉砕されるため、前記原料Rが粉砕されないまま機外に排出されることがなく、原料Rを確実に粉砕することができる。
【0033】
なお、本発明の実施の形態において、前記各羽根板243は、半径方向に対し回転方向に所定の角度を持たせた状態で配設されるものが好ましいが、前記両円板241,242間において内側から外側へ延びる状態で配設されるものであればよく、半径方向に沿って放射状に配設されるものや、半径方向に対し反回転方向に所定の角度を持たせた状態で配設されるものでもよい、
【0034】
図6は粉砕部の変形例の説明図を示す。
本発明の実施の形態において、前記ケーシング21の上部下面には、前記粉砕部材24の前記上側円板241上面との間隙を狭める円環状の突壁211を垂設することができる。
【0035】
前記ケーシング21の上部下面に前記円環状の突壁211を垂設すれば、前記粉砕部材24において粉砕され、前記ケーシング21の上部下面と前記粉砕部材24の上側円板241上面との間隙を前記ケーシング21の中心側へ向けて移動する粉砕物の一部が、前記突壁211により移動を阻止されることとなる。
【0036】
その際、粉砕が不十分な粗い粉砕物は、前記突壁211と前記ケーシング21の内周面の間に滞留し、粉砕物同士の衝突によりさらに粉砕される。
また、細かく粉砕された粉砕物は、前記吸引ファンの吸引作用により前記突壁211の下端を迂回して前記排出用開口Aから前記排出筒22及び前記排出間23を介して排出される。
【0037】
したがって、本発明の実施の形態において、前記ケーシング21の上部下面に、前記粉砕部材24の前記上側円板241上面との間隙を狭める円環状の突壁211を垂設することとすれば、細かく粉砕された粉砕物を得ることができる。
【0038】
また、本発明の実施の形態において、前記ケーシング21の内周面には、上下方向に延びる板材からなる複数の抵抗板244を周方向に間隔を空けて配設することができる。
【0039】
前記粉砕部材24において粉砕された粉砕物は、前記各羽根板243の作用により前記ケーシング21の内周面に沿って旋回するように前記粉砕部材24の外周側方へ送り出される。
【0040】
その際、前記ケーシング21の内周面に、上下方向に延びる複数の抵抗板244を周方向に間隔を空けて配設することとすれば、前記粉砕部材24の外周側方へ送り出される粉砕物は、前記各抵抗板244に衝突し抵抗を受けて、さらに粉砕されながら前記ケーシング21の内周面に沿って上昇することとなる。
【0041】
したがって、本発明の実施の形態において、前記ケーシング21の内周面に、上下方向に延びる複数の抵抗板244を周方向に間隔を空けて配設することとすれば、原料Rを効率よく微粉砕することができる。
【0042】
なお、前記ケーシング21の内周面には、上下方向に延びる複数の抵抗板244を周方向に間隔を空けて配設することが好ましいが、前記粉砕部材24の外周側方へ送り出された粉砕物が衝突し抵抗を受けるような凹凸が形成されていればよい。
【0043】
図7は粉砕部の他の変形例の説明図を示す。
本発明の実施の形態において、前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の前記排出用開口Aの直径d1よりも大きなものとすることができる。
【0044】
前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の前記排出用開口Aの直径d1よりも大きなものとすれば、粉砕が不十分で、粗く重い粉砕物が、当該粉砕物の自重と前記粉砕部材24における前記各羽根板243の作用による空気流との影響とが相俟って、前記粉砕部材24の内部に還流されることとなり、前記粉砕部材24において再度粉砕される。
【0045】
したがって、本発明の実施の形態において、前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の前記排出用開口Aの直径d1よりも大きなものとすることによっても、細かく粉砕された粉砕物を得ることができる。
【0046】
さらに、前記ケーシング21の上部下面に、前記粉砕部材24の前記上側円板241上面との間隙を狭める円環状の突壁211を垂設する場合において、前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の上部下面に垂設される円環状の突壁211の直径よりも大きなものとすることができる。
【0047】
前記ケーシング21の上部下面に、円環状の突壁211を垂設する場合において、前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の上部下面に垂設される円環状の突壁211の直径よりも大きなものとすれば、粉砕が不十分な粗い粉砕物が、前記突壁211と前記ケーシング21の内周面の間に滞留し、粉砕物同士の衝突によりさらに粉砕される一方で、前記粗い粉砕物の一部が、前記粉砕部材24の内部に還流されることとなり、前記粉砕部材24において再度粉砕される。
【0048】
したがって、前記ケーシング21の上部下面に、前記粉砕部材24の上側円板241上面との間隙を狭める円環状の突壁211を垂設する場合において、前記粉砕部材24の前記供給用開口Bの直径d2を、前記ケーシング21の上部下面に垂設される円環状の突壁211の直径よりも大きなものとすれば、細かく粉砕された粉砕物をより効果的に得ることができる。
【0049】
なお、本発明の実施の形態において、前記粉砕部2の変形例に関する各技術は、単独で用いることもできるし、任意に組み合わせて用いることもできる。
【0050】
本発明の実施の形態において、前記供給管25の下部に、前記粉砕部材24の内部に供給された原料Rを外周方向へ案内するフランジ状の案内部を設けることもできる。
前記供給管25の下部に、前記フランジ状の案内部を設けることとすれば、前記原料Rを前記粉砕部材24の各羽根板243間に効果的に送り込むことができるため、原料Rを効率よく粉砕することができる。
【0051】
また、本発明の実施の形態において、前記供給管25の下部に、前記フランジ状の案内部を設けることとすれば、原料Rの跳ね上がりを防止することで、前記原料Rが粉砕されないまま機外に排出されることを確実に防止できる。
【0052】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の粉砕機は、穀物等の食品や製薬等の被粉砕物を確実に粉砕することができるため、実用性が高い。
【符号の説明】
【0054】
1 粉砕機
2 粉砕部
21 ケーシング
211 突壁
22 排気筒
23 排出管
24 粉砕部材
241 上側円板
242 下側円板
243 羽根板
244 抵抗板
25 供給管
3 駆動部
31 モータ
41 基台
42 基台
A 排出用開口(第1の開口)
B 供給用開口(第2の開口)
C 回転軸
d1 排出用開口の直径
d2 供給用開口の直径
R 原料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7