(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、機器の継続使用のための作業を案内する作業案内情報を表示画面に表示することがあるが、表示画面に表示されている作業案内情報を見ることができる範囲内で作業者の位置が変化すると表示画面の姿勢を変化させる構成を採用した場合には、作業者が作業案内情報を見ることができない姿勢又は位置で作業を行っていれば表示画面の姿勢は変化しないので、作業者は作業案内情報を認識することができない。
【0005】
本発明の目的は、表示画面に表示されている作業案内情報を見ることができない姿勢又は位置で作業を行っている場合でも、作業者が作業案内情報を認識できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、作業を案内する作業案内情報を画面に表示する制御を行う制御手段と、作業者
の顔が前記画面を
見ることができる位置にないと判断された場合は、当該作業者が保持する携帯端末装置に前記作業案内情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする作業案内装置である。
請求項2に記載の発明は、作業を案内する作業案内情報を画面に表示する制御を行う制御手段と、
作業者が前記画面を
見ることができる位置の画像を撮影する撮影手段と、前記作業者の顔が前記撮影手段で撮影された画像内に含まれない場合は、当該作業者が保持する携帯端末装置に前記作業案内情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする作業案内装置である。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、作業を案内する作業案内情報を画面に表示する制御を行う機能と、作業者
の顔が前記画面を
見ることができる位置にないと判断された場合は、当該作業者が保持する携帯端末装置に前記作業案内情報を送信する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項4に記載の発明は、コンピュータに、作業を案内する作業案内情報を画面に表示する制御を行う機能と、
作業者が前記画面を
見ることができる位置の画像を撮影する撮影手段を制御する機能と、前記作業者の顔が前記撮影手段で撮影された画像内に含まれない場合は、当該作業者が保持する携帯端末装置に前記作業案内情報を送信する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、作業案内情報が表示される画面を
見ることができる位置に作業者の顔がない場合でも、作業者が作業案内情報を認識することができる。
請求項2の発明によれば、作業案内情報が表示される画面を
作業者が見ることができる位置の画像を撮影する撮影手段で撮影された画像内に作業者の顔が含まれない場合でも、作業者が作業案内情報を認識することができる。
請求項3の発明によれば、作業案内情報が表示される画面を
見ることができる位置に作業者の顔がない場合でも、作業者が作業案内情報を認識することができる。
請求項4の発明によれば、作業案内情報が表示される画面を
作業者が見ることができる位置の画像を撮影する撮影手段で撮影された画像内に作業者の顔が含まれない場合でも、作業者が作業案内情報を認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態における画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル151と、スピーカ152と、画像読取部16と、画像形成部17と、有線通信インターフェース(以下、「有線通信I/F」と表記する)181と、無線通信インターフェース(以下、「無線通信I/F」と表記する)182と、カメラ191と、センサ192とを備える。
【0011】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0012】
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
【0013】
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0014】
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0015】
操作パネル151は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル151は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。本実施の形態では、表示画面の一例として、操作パネル151を設けている。
【0016】
スピーカ152は、各種情報を音声で出力する装置である。
【0017】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0018】
画像形成部17は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0019】
有線通信I/F181は、他の装置との間で有線通信により各種情報の送受信を行う。ここで、有線通信としては、Ethernet(登録商標)等を用いるとよい。
【0020】
無線通信I/F182は、他の装置との間で無線通信により各種情報の送受信を行う。ここで、無線通信としては、Wi−Fi(登録商標)等を用いるとよい。
【0021】
カメラ191は、顔認証又は顔認識のために、画像処理装置10の前に立ったユーザの顔を撮影する。ここで、カメラ191は、ユーザの顔を撮影するのに適した位置として、例えば、操作パネル151の近くの位置に内蔵される。
【0022】
センサ192は、画像処理装置10の近くに人がいることを検知する。ここで、センサ192としては、画像処理装置10の前における熱変化を捉えることが可能な遠赤外線を利用した焦電センサ等を用いるとよい。
【0023】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、ユーザが画像処理装置10に対する作業を操作パネル151の表示内容を見ることができない姿勢で行っている場合に、画像処理装置10がその作業のガイド情報をユーザが認識できるようにする処理を行うものである。
【0024】
ここで、本実施の形態では、画像処理装置10に対する作業として、特に、画像処理装置10の継続使用のための作業を想定している。そのような作業としては、第一に、画像処理に用いられる消耗品の交換作業又は補充作業がある。このうち、消耗品の交換作業は、例えば、トナー、ドラム、スタンプ、ホチキスの交換作業であり、消耗品の補充作業は、例えば、給紙作業である。第二に、画像処理中に発生した不具合の修復作業がある。この不具合の修復作業は、例えば、画像処理装置10又はこれに接続されたフィニッシャにおける紙詰まり除去作業である。第三に、画像処理中に発生した不要物の回収作業がある。この不要物の回収作業は、例えば、ダストボックスにたまった紙屑の回収作業である。第四に、定期的又は故障時に行われるメンテナンス作業もある。そして、これらの作業は、一般に、操作パネル151の表示内容を見ることができない姿勢で、例えば、画像処理装置10の下方でしゃがんだ姿勢で行われる。
【0025】
また、ガイド情報をユーザが認識できるようにする処理としては、例えば、ユーザに表示内容が見えるように操作パネル151をチルトする(傾ける)処理(以下、「チルト」という)、ユーザの携帯端末にガイド情報を表示する処理(以下、「携帯端末表示」という)、音声でガイド情報を出力する処理(以下、「音声案内」という)がある。
【0026】
更に、本実施の形態では、ガイド情報をユーザが認識できるようにする処理として如何なる処理を行うかを、ユーザが選択する。ここで、如何なる処理を行うかは、作業内容毎に個別に設定してもよい。例えば、トナー交換作業においては、チルトも音声案内も行わず、紙詰まり除去作業においては、チルトも音声案内も行い、給紙作業においては、ガイド情報の画面表示や音声案内を行わない、といった設定が考えられる。
【0027】
[作業手順ガイド装置の構成]
図2は、本実施の形態における作業手順ガイド装置20の機能構成例を示したブロック図である。ここで、作業手順ガイド装置20は、画像処理装置10のCPU11(
図1参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(
図1参照)からRAM12(
図1参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。作業手順ガイド装置20は、図示するように、顔位置判定部21と、作業内容判別部22と、ユーザ設定情報記憶部23と、デフォルト設定情報記憶部24と、設定情報取得部25と、表示制御部26と、操作受付部27と、ガイド情報出力制御部28とを備える。
【0028】
顔位置判定部21は、ユーザの顔が操作パネル151の表示内容を見ることができる位置にあるかどうかを判定する。このような判定は、ユーザの顔の位置が予め定めた閾値以下にあるかどうかを調べることによって行えばよい。例えば、画像処理装置10上に水平に操作パネル151が設置されているとすると、ユーザの顔が操作パネル151よりも上部にある場合に、操作パネル151の表示内容を見ることができる位置にあると判定し、ユーザの顔が操作パネル151よりも下部にある場合に、操作パネル151の表示内容を見ることができる位置にないと判定すればよい。また、このような判定は、カメラ191で撮影された操作パネル151の上部の画像及びセンサ192による画像処理装置10の前の人の検知結果に基づいて行うとよい。
【0029】
作業内容判別部22は、ユーザが行っている作業の内容を判別する。このような判別は、画像処理装置10で発生したエラーを示すエラー情報、メンテナンスモードへの移行、画像処理装置10の用紙収納部(図示せず)を引き出す操作、画像処理装置10のフロントカバー(図示せず)を開閉する操作、画像処理装置10に接続されたフィニッシャのフロントカバー(図示せず)を開閉する操作等を検知することによって行うとよい。また、このような判別が行えなかった場合や、判別が誤っていた場合は、ユーザが行っている作業の内容をそのユーザに対話形式で選択させてもよい。
【0030】
ユーザ設定情報記憶部23は、ユーザが設定した作業内容ごとに行うべき処理に関する情報(以下、「ユーザ設定情報」という)を記憶する。このユーザ設定情報は、個人情報設定画面で初期的にユーザが設定した初期ユーザ設定情報と、前回ユーザが設定した前回ユーザ設定情報とを含んでもよい。このユーザ設定情報の具体例については後述する。
【0031】
デフォルト設定情報記憶部24は、画像処理装置10でデフォルトとして設定された作業内容ごとに行うべき処理に関する情報(以下、「デフォルト設定情報」という)を記憶する。
【0032】
設定情報取得部25は、初期ユーザ設定情報及び前回ユーザ設定情報の何れかがユーザ設定情報記憶部23に記憶されていれば、記憶されているユーザ設定情報の中から、操作中のユーザに対応し、かつ、作業内容判別部22により判別された作業内容に対応する設定情報を取得する。また、初期ユーザ設定情報及び前回ユーザ設定情報の何れもユーザ設定情報記憶部23に記憶されていなければ、デフォルト設定情報記憶部24に記憶されたデフォルト設定情報の中から、操作中のユーザに対応し、かつ、作業内容判別部22により判別された作業内容に対応する設定情報を取得する。そして、判定された作業内容と、取得した設定情報とを表示制御部26に出力する。一方で、後述する操作受付部27から、操作パネル151に表示されたガイド方法選択画面で選択されたガイド方法を取得する。そして、取得したガイド方法を、前回ユーザ設定情報のうち、操作中のユーザに対応し、かつ、作業内容判別部22により判別された作業内容に対応する設定情報として、ユーザ設定情報記憶部23に記憶する。また、取得したガイド方法と、作業内容判別部22により判別された作業内容に対応するガイド情報とを、ガイド情報出力制御部28に出力する。
【0033】
表示制御部26は、設定情報取得部25により取得された作業内容に対するガイド方法を選択するためのガイド方法選択画面を、設定情報取得部25により取得された設定情報に対応するガイド方法が選択された状態で、操作パネル151に表示するように制御する。このガイド方法選択画面の具体例については後述する。また、表示制御部26は、作業手順をガイドするガイド情報を操作パネル151に表示するように制御する。本実施の形態では、作業を案内する作業案内情報の一例として、作業手順をガイドするガイド情報を用いており、作業案内情報を表示画面に表示する表示手段の一例として、表示制御部26を設けている。
【0034】
操作受付部27は、ユーザがガイド方法選択画面上でガイド方法を選択してその選択を決定する操作を行うと、その操作を受け付け、選択されたガイド方法を設定情報取得部25に伝える。また、画像処理装置10に対する作業を行っているユーザは、そもそも、操作パネル151の表示内容を見ることができない可能性が高い。そこで、ガイド方法選択画面上でガイド方法を選択してその選択を決定する操作を行わなくても、予め定められた時間が経過すると、最初に選択されていたガイド方法が選択されたものとみなしてそのガイド方法を設定情報取得部25に伝える。
【0035】
ガイド情報出力制御部28は、設定情報取得部25から受け取ったガイド方法により、設定情報取得部25から受け取ったガイド情報を出力するように制御する。例えば、ガイド方法としてチルトを受け取った場合は、ガイド情報を操作パネル151に表示するように表示制御部26に指示すると共に、操作パネル151の表示内容をユーザが見ることができるように操作パネル151の傾きを変更する。また、ガイド方法として携帯端末表示を受け取った場合は、ガイド情報を携帯端末に無線通信で送信して表示するように、ガイド情報を無線通信I/F182に出力する。更に、ガイド方法として音声案内を受け取った場合は、ガイド情報をスピーカ152に出力する。本実施の形態では、作業者が作業案内情報を認識できるようにする処理を行う処理手段の一例として、ガイド情報出力制御部28を設けている。
【0036】
ここで、ユーザ設定情報記憶部23に記憶されたユーザ設定情報について説明する。
図3は、ユーザ設定情報の一例を示した図である。このユーザ設定情報は、例えば、初期的にユーザが設定した初期ユーザ設定情報と捉えてよい。ユーザ設定情報は、図示するように、ユーザごとのレコードを含む。ここでは、ユーザA〜Dに対するレコードが示されている。また、各レコードは、作業内容ごとに、画面表示に関する設定情報と、音声案内に関する設定情報とを含む。ここでは、トナー交換作業、紙詰まり除去作業、給紙作業のそれぞれに対して、これらの設定情報が示されている。例えば、ユーザDがトナー交換作業を行う場合、携帯端末表示は行うが、音声案内は行わない設定になっている。
【0037】
また、表示制御部26により操作パネル151に表示されるガイド方法選択画面について説明する。
図4は、ガイド方法選択画面の一例を示した図である。このガイド方法選択画面は、トナー交換作業のガイドをどのようなガイド方法で行うかを選択するための画面である。ガイド方法選択画面は、図示するように、画面表示に関するボタン群と、音声案内に関するボタン群とを含む。
【0038】
このうち、画面表示に関するボタン群としては、「チルトあり」ボタン31と、「チルトなし」ボタン32と、「携帯端末表示あり」ボタン33と、「画面表示なし」ボタン34とが設けられている。「チルトあり」ボタン31は、例えば、操作パネル151での表示を行ってチルトは行うが、携帯端末表示は行わないことを示すボタンである。「チルトなし」ボタン32は、例えば、操作パネル151での表示を行うがチルトは行わず、携帯端末表示も行わないことを示すボタンである。「携帯端末表示あり」ボタン33は、例えば、操作パネル151での表示を行うがチルトは行わず、携帯端末表示は行うことを示すボタンである。「画面表示なし」ボタン34は、例えば、操作パネル151での表示も携帯端末表示も行わないことを示すボタンである。
【0039】
また、音声案内に関するボタン群としては、「音声案内なし」ボタン35と、「音声案内あり」ボタン36とが設けられている。「音声案内なし」ボタン35は、音声案内を行わないことを示すボタンである。「音声案内あり」ボタン36は、音声案内を行うことを示すボタンである。
【0040】
更に、ガイド方法選択画面は、図示するように、「決定」ボタン37も含む。「決定」ボタン37は、画面表示に関するボタン群の中から選択されたボタン、及び、音声案内に関するボタン群の中から選択されたボタンの選択状態を決定するボタンである。ここでは、太線で囲んで示すように、画面表示に関するボタン群の中から「チルトあり」ボタン31が選択され、音声案内に関するボタン群の中から「音声案内あり」ボタン36が選択されている。従って、「決定」ボタン37が押下されると、チルトを行って音声案内も行うことが決定される。或いは、時間経過によって、チルトを行って音声案内も行うことが決定されるようにしてもよい。
【0041】
[作業手順ガイド装置の動作]
図5は、本実施の形態における作業手順ガイド装置20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例に先立ち、ユーザは認証を受けてログインしているものとする。また、この動作例において、「ユーザ設定情報」は、初期ユーザ設定情報でも前回ユーザ設定情報でもよいものとする。
【0042】
動作が開始すると、作業手順ガイド装置20では、まず、顔位置判定部21が、ユーザの顔の位置が予め定めた閾値以下にあるかどうかを判定する(ステップ201)。具体的には、ユーザの顔の鉛直方向における高さが予め定めた閾値以下にあるかどうかを判定する。例えば、センサ192が画像処理装置10の前にいる人を検知している状態で、カメラ191が撮影した画像内にユーザの顔がない場合や、カメラ191が撮影した画像内でユーザの顔が予め定めた閾値よりも下の位置にある場合に、ユーザの顔の鉛直方向における高さが予め定めた閾値以下にあると判定すればよい。
【0043】
顔位置判定部21は、ユーザの顔の位置が予め定めた閾値以下にないと判定すると、ステップ201を繰り返す。一方、ユーザの顔の位置が予め定めた閾値以下にあると顔位置判定部21が判定すると、作業内容判別部22が、ユーザが行っている作業内容の判別を試み、作業内容を判別できたかどうかを判定する(ステップ202)。例えば、トナー切れを示すエラー情報を検知し、フロントカバーを開閉する操作を検知した場合、作業内容がトナー交換作業であると判別できるので、作業内容を判別できたと判定する。また、用紙切れを示すエラー情報を検知し、用紙収納部を引き出す操作を検知した場合、作業内容が給紙作業であると判別できるので、作業内容を判別できたと判定する。更に、紙詰まりを示すエラー情報を検知し、フロントカバーを開閉する操作を検知した場合、作業内容が紙詰まり除去作業であると判別できるので、作業内容を判別できたと判定する。
【0044】
作業内容判別部22が作業内容を判別できなかったと判定すると、作業内容判別部22は、例えば操作パネル151上で、ユーザに作業内容を選択させる(ステップ203)。そして、ステップ202で作業内容判別部22が作業内容を判別できたと判定した場合、又は、ステップ203でユーザが作業内容を選択した場合、設定情報取得部25が、ユーザ設定情報記憶部23にユーザ設定情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップ204)。
【0045】
ユーザ設定情報記憶部23にユーザ設定情報が記憶されていると判定すると、設定情報取得部25は、ユーザ設定情報記憶部23からユーザ設定情報を取得する(ステップ205)。但し、ここでは、ユーザ設定情報のうち、特に、作業を行っているユーザに対応し、かつ、判別された作業内容に対応する設定情報を取得するものとする。例えば、
図3に示したユーザ設定情報がユーザ設定情報記憶部23に記憶されている場合において、作業を行っているユーザがユーザDで、作業内容がトナー交換作業だとすると、設定情報として、「携帯端末表示あり」及び「音声案内なし」を取得する。
【0046】
一方、ユーザ設定情報記憶部23にユーザ設定情報が記憶されていないと判定すると、設定情報取得部25は、デフォルト設定情報記憶部24からデフォルト設定情報を取得する(ステップ206)。但し、ここでは、デフォルト設定情報のうち、特に、作業を行っているユーザに対応し、かつ、判別された作業内容に対応する設定情報を取得するものとする。
【0047】
これにより、表示制御部26が、ガイド方法選択画面を操作パネル151に表示するように制御する(ステップ207)。具体的には、作業内容判別部22により判別された作業内容に対応するガイド方法選択画面を、設定情報取得部25により取得された設定情報に対応するガイド方法が選択された状態で、操作パネル151に表示されるように制御する。
【0048】
操作受付部27は、ガイド方法選択画面上の「決定」ボタン37を押下する操作、又は、予め定められた時間の経過を検知する(ステップ208)。すると、画像処理装置10は、ガイドを実行する(ステップ209)。具体的には、まず、操作受付部27が、ガイド方法選択画面上でのボタンの選択を検知し、このボタンの選択により示されるガイド方法を設定情報取得部25に伝える。次に、設定情報取得部25が、ガイド方法とガイド情報とをガイド情報出力制御部28に伝える。次いで、ガイド情報出力制御部28が、設定情報取得部25から伝えられたガイド方法で、設定情報取得部25から伝えられたガイド情報を出力するように制御する。
【0049】
その後、設定情報取得部25は、現在出力中のガイド情報が対象とする作業内容が正しいかどうかを判定する(ステップ210)。このような判定は、作業内容が正しいかどうかをユーザに問い合わせ、その問い合わせに対するユーザからの応答に基づいて行うとよい。
【0050】
ユーザが同じ作業を継続している場合、設定情報取得部25は、作業内容が正しいと判定する。そして、この場合は、操作受付部27が、作業の終了を伝えるユーザ操作を検知したかどうかを判定する(ステップ211)。操作受付部27が作業の終了を伝えるユーザ操作を検知していないと判定すると、処理はステップ209に戻り、画像処理装置10は、ガイドの実行を継続するが、操作受付部27が作業の終了を伝えるユーザ操作を検知したと判定すると、処理は終了する。
【0051】
一方、トナー交換作業を行った後に給紙作業を行うときのように、ユーザが引き続き異なる作業を行う場合、設定情報取得部25は、作業内容が正しくないと判定する。そして、この場合、処理はステップ202に戻り、作業内容判別部22は、作業内容の判別を再度行う。
【0052】
尚、本実施の形態では、ユーザの顔が予め定めた位置よりも低い位置にあることを検出し、かつ、画像処理装置10に対する物理的な操作又は画像処理装置10で発生したエラー情報を検出したことをトリガーとして、ガイド情報を出力するようにした。これに対し、ユーザの顔が予め定めた位置よりも高い位置にあることを検出し、かつ、画像処理装置10に対する物理的な操作の終了又は画像処理装置10で発生したエラー情報の解消を検出したことをトリガーとして、ガイド情報を出力している状態から、プリント、コピー等を行う通常状態へ復帰するようにしてもよい。
【0053】
また、上記では言及しなかったが、カメラ191で撮影した画像に基づいてユーザの身長を推定するようにしてもよい。例えば、画像に映ったユーザの頭の頂点の画像内の縦方向の位置によりユーザの身長は推定すればよい。そして、HDD14等に記憶された身長テーブルと比較することで、ユーザの身長に相応しい角度で操作パネル151をチルトするとよい。例えば、身長テーブルにおいて、身長100〜110cmに対しチルト角度X度が、身長110〜120cmに対しチルト角度Y度が定義されていたとする。すると、ユーザの身長が100〜110cmと推定された場合は、操作パネル151をX度チルトし、ユーザの身長が110〜120cmと推定された場合は、操作パネル151をY度チルトすることになる。また、この場合、操作パネル151にはガイド情報を表示してもよいが、このようなユーザの身長に基づく操作パネル151のチルトは、プリント、コピー等のガイドを伴わない操作において行ってもよい。
【0054】
更に、上記では、画像処理装置10上の操作パネル151にガイド情報を表示することを前提としたが、本実施の形態は、画像処理装置10とは独立に設置された大画面UIを備えた端末装置にも適用される。
【0055】
更にまた、上記では、画像処理装置10に対する作業のガイド情報を、画像処理装置10内にある作業手順ガイド装置20が出力する場合について述べたが、これには限らない。画像処理装置10に対する作業のガイド情報は、より一般化して、機器に対する作業のガイド情報としてもよい。また、このような機器に対するガイド情報は、機器内の装置が出力するのではなく、機器から独立した別の装置が出力するようにしてもよい。
【0056】
[プログラム]
本実施の形態における作業手順ガイド装置20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0057】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、機器の継続使用のための作業を案内する作業案内情報を表示画面に表示する機能と、その作業を行う作業者が、表示画面に表示されている作業案内情報を見ることができない姿勢でその作業を行っている場合に、その作業者が作業案内情報を認識できるようにする処理を行う機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0058】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。