特許第6776617号(P6776617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776617
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】酒造用精米機
(51)【国際特許分類】
   B02B 3/06 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
   B02B3/06 104
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-103059(P2016-103059)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-209608(P2017-209608A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】但馬 史朗
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直人
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5897301(JP,B2)
【文献】 特開平7−328458(JP,A)
【文献】 特開2014−46420(JP,A)
【文献】 特開平3−21350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 3/00 − 3/14
B24D 3/00 − 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台金表面に超砥粒層を有する精白ロールと、
前記精白ロールを一体回転可能に装着する竪軸と、
前記精白ロール及び前記竪軸を収容し、前記精白ロールとの間に精白室を形成する精白筒と、を備え、
前記精白ロールは、上下に複数のロールに分割可能に形成され、最下段に位置する下段ロールが前記竪軸に軸着される一方で、他のロールが中空であって前記竪軸に軸着されることなく前記下段ロール上に順次積層載置されてなり、最上段に位置する上段ロール上に載置されるとともに前記竪軸の先端に装着される押さえ部材を介して前記他のロールが前記下段ロールに対し押圧され、前記複数のロールが前記竪軸とともに回転可能に一体とされることを特徴とする酒造用精米機。
【請求項2】
前記精白室の底部には、前記精白室内で精白された米粒を受け止める米粒載置部を外周部に有し、前記竪軸に軸着されるロール受台が設けられ、前記下段ロールは前記ロール受台上に載置される請求項1記載の酒造用精米機。
【請求項3】
前記台金は、20mm以上60mm以下の厚みの金属製の厚肉体である請求項1又は2記載の酒造用精米機。
【請求項4】
前記押さえ部材は、円錐形であって、上方から下方へ向かい湾曲した末広がり形状の表面を有し、前記表面に超砥粒を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の酒造用精米機。
【請求項5】
前記超砥粒層はcBN砥粒層である請求項1乃至4のいずれかに記載の酒造用精米機。
【請求項6】
前記精白ロールは、前記上段ロールを粗目、前記下段ロールを細目と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、前記超砥粒層の砥粒の粒度を粗目から細目へ変化させる請求項1乃至5のいずれかに記載の酒造用精米機。
【請求項7】
前記精白ロールは、3つのロールに分割可能に形成されるとともに、前記下段ロールには前記超砥粒層以外の砥粒層を有してなり、前記上段ロールをダイヤモンド砥粒層、中段ロールをcBN砥粒層、前記下段ロールをSiC砥粒層と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、砥粒層の砥粒の種類を硬度の高いものから低いものへ変化させる請求項1乃至4のいずれかに記載の酒造用精米機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒造米を精白する酒造用精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酒造米を精白する酒造用精米機が知られている(特許文献1参照。)。
特許文献1に記載された酒造用精米機は、循環式の竪型精米機であって、竪配置された精白ロールが外筒内に配置されており、前記精白ロールの外周面と前記外筒の内周面との間に隙間が形成され、前記隙間に米粒が繰り返し供給されて前記精白ロールにより研削される。
【0003】
特許文献1に記載された酒造用精米機において、前記精白ロールは金属製の薄肉状円筒体で構成され、前記精白ロールの外周面には円環状の溝が形成されるとともにダイヤモンド砥粒が固着されている。
【0004】
前記特許文献1の記載によれば、前記精白ロールは外周面にダイヤモンド砥粒を固着させることにより切れ味を向上させて研削効率を高めることができる。また、前記精白ロールは前記研削効率が高まることにより小型化しても必要な研削効率を確保でき、前記精白ロールの軽量化を図ることができる。
【0005】
ところで、酒造用精米機において、精白ロールは砥粒層が摩耗して切れ味が落ちた後には前記精白ロールを交換する必要がある。
【0006】
前記特許文献1には、精白ロールを小型化して軽量化を図ることが記載されているが、酒造用精米機において精白ロールは大きくてかさばるのが通常であり、前記特許文献1に記載された酒造用精米機においても精白ロールがかさばって、複数の作業員により精白ロールの交換作業を行わなければならない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5897301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、精白ロールの交換が容易であって、1人の作業員でも精白ロールの交換作業を行うことができる酒造用精米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の酒造用精米機は、
台金表面に超砥粒層を有する精白ロールと、
前記精白ロールを一体回転可能に装着する竪軸と、
前記精白ロール及び前記竪軸を収容し、前記精白ロールとの間に精白室を形成する精白筒と、を備え、
前記精白ロールは、上下に複数のロールに分割可能に形成され、最下段に位置する下段ロールが前記竪軸に軸着される一方で、他のロールが中空であって前記竪軸に軸着されることなく前記下段ロール上に順次積層載置されてなり、最上段に位置する上段ロール上に載置されるとともに前記竪軸の先端に装着される押さえ部材を介して前記他のロールが前記下段ロールに対し押圧され、前記複数のロールが前記竪軸とともに回転可能に一体とされることを特徴とする。
【0010】
本発明の酒造用精米機は、
前記精白室の底部には、前記精白室内で精白された米粒を受け止める米粒載置部を外周部に有し、前記竪軸に堅固に軸着されるロール受台が設けられ、前記下段ロールは前記ロール受台上に載置されることが好ましい。
【0011】
本発明の酒造用精米機は、
前記台金が、20mm以上60mm以下の厚みの金属製の厚肉体であることが好ましい。
【0012】
本発明の酒造用精米機は、
前記押さえ部材が、円錐状であって、前記上段ロールの表面に滑らかに連続するように、上方から下方へ向かい富士山のように湾曲した末広がり形状の表面を有し、前記表面に超砥粒を有することが好ましい。
【0013】
本発明の酒造用精米機は、
前記超砥粒層がcBN砥粒層であることが好ましい。
【0014】
本発明の酒造用精米機は、
前記精白ロールが、前記上段ロールを粗目、前記下段ロールを細目と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、前記超砥粒層の砥粒の粒度を粗目から細目へ変化させることが好ましい。
【0015】
本発明の酒造用精米機は、
前記精白ロールが、3つのロールに分割可能に形成されるとともに、前記下段ロールには前記超砥粒層以外の砥粒層を有してなり、前記上段ロールをダイヤモンド砥粒層、中段ロールをcBN砥粒層、前記下段ロールをSiC砥粒層と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、砥粒層の砥粒の種類を硬度の高いものから低いものへ変化させることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の酒造用精米機は、前記精白ロールが複数のロールに分割可能に形成されるので、個々のロールは取扱いが容易な大きさとなる。
また、本発明の酒造用精米機は、前記精白ロールが複数のロールに分割可能に形成されるので、個々のロールは重量にも取扱いが容易となる。
したがって、本発明の酒造用精米機によれば、精白ロールの交換が容易となり、1人の作業員でも精白ロールの交換作業を行うことができる。
【0017】
本発明の酒造用精米機は、前記精白ロールが複数のロールに分割可能に形成されるので、砥粒層の摩耗したロールのみを交換することができる。
したがって、本発明の酒造用精米機によれば、必要なロールのみを交換すればよく、精白ロール全体を交換する場合に比べ経済的に有利である。
【0018】
本発明の酒造用精米機は、前記精白室の底部に、前記精白室内で精白された米粒を受け止める米粒載置部を外周部に有し、前記竪軸に堅固に軸着されるロール受台が設けられ、前記下段ロールが前記ロール受台上に載置されることとすれば、前記精白ロールの前記竪軸に対する装着が安定する。
【0019】
本発明の酒造用精米機は、前記台金が、20mm以上60mm以下の厚みの金属製の厚肉体であることとすれば、特許文献1に記載された薄肉状円筒体で構成される精白ロールのように、精白ロールが強度不足になることがなく、また、前記強度不足による精白ロールの変形により砥粒層から砥粒が脱落し易くなる虞もない。
【0020】
本発明の酒造用精米機は、前記押さえ部材が、円錐状であって、前記上段ロールの表面に滑らかに連続するように、上方から下方へ向かい富士山のように湾曲した末広がり形状の表面を有し、前記表面に超砥粒を有することとすれば、前記精白室に上方から供給される米粒を、前記超砥粒により研削しながら該精白室内に分散させることができるため、米粒を効率よく精白することができる。
【0021】
本発明の酒造用精米機は、前記精白ロールが、前記上段ロールを粗目、前記下段ロールを細目と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、前記超砥粒層の砥粒の粒度を粗目から細目へ変化させることとすれば、米粒を効率よく精白することができる。
【0022】
本発明の酒造用精米機は、前記精白ロールが、3つのロールに分割可能に形成されるとともに、前記下段ロールには前記超砥粒層以外の砥粒層を有してなり、前記上段ロールをダイヤモンド砥粒層、中段ロールをcBN砥粒層、前記下段ロールをSiC砥粒層と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、砥粒層の砥粒の種類を硬度の高いものから低いものへ変化させることとすれば、米粒を効率よく精白することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態における酒造用精米機の全体斜視図。
図2図1の酒造用精米機の右側面図。
図3】精白部の拡大断面図。
図4】精白ロールの分解組立図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における酒造用精米機の全体斜視図を示す。図2図1の酒造用精米機の右側面図であって一部断面図を示す。
【0025】
本発明の実施の形態における酒造用精米機1は、循環式の竪型精米機であって、米粒を精白する精白部2、前記精白部2に米粒を供給する貯留タンク3、前記精白部2で精白された米粒を下方に導く万石部4、前記万石部4からの米粒を揚穀し該米粒を前記貯留タンク3に供給する揚穀部5及び当該精米機の制御部6を備える。
【0026】
前記精白部2、貯留タンク3及び万石部4は、精白部基台7上に設置される。また、前記揚穀部5は、揚穀部基台8に支持される状態で設置される。前記揚穀部基台8には上部作業台9が設けられ、前記精白部基台7には下部作業台10が設けられる。
【0027】
本発明の実施の形態における酒造用精米機において、前記貯留タンク3に張り込まれた玄米は、前記精白部2において精白作用を受けた後、前記万石部4に至り、前記万石部4で糠が分離された米粒のみが前記揚穀部5の下部へ移送される。前記揚穀部5により揚穀された米粒は循環して再度前記貯留タンク3に貯留され、前記精白部2において再度の精白作用を受ける。前記酒造用精米機1では、玄米が目標とした歩留まりに仕上がるまで前記循環が繰り返される。
【0028】
図3は精白部の拡大断面図を示す。図4は精白ロールの分解組立図を示す。
本発明の実施の形態において、前記精白部2は、米粒を精白する精白ロール13と、機台11に対し上下の軸受により鉛直軸まわりに回転可能に支持され、前記精白ロール13を一体回転可能に装着してなる竪軸12と、前記精白ロール13及び前記竪軸12を収容し、前記精白ロール13との間に精白室15を形成する精白筒14と、前記精白室15内の圧力を調節する圧力調整部16を備える。
【0029】
前記精白ロール13は、環状の複数のロールに分割可能に形成され、前記複数のロールが上下に積層された状態で一体に構成される。
下方に位置する下段ロール21は、内部に円形の取付フランジ211が設けられ、前記取付フランジ211の中央に形成される開口にボス212を嵌入し、前記ボス212に前記竪軸12を嵌挿することで、前記竪軸12に対し一体回転可能に軸着される。
【0030】
中央に位置する中段ロール22は、中空であって前記竪軸12に軸着されることなく前記下段ロール21上に載置される。
上方に位置する上段ロール23は、中空であって上部に凹環部231を有し、前記竪軸12に軸着されることなく前記中段ロール22上に載置される。
前記複数のロールの上下面には、必要に応じて位置決めのための凹凸部を設けることができる。これにより、前記複数のロールを同軸上に配設することができる。
【0031】
前記精白ロール13は、金属製の台金表面にcBN砥粒又はダイヤモンド砥粒からなる超砥粒を電着してなる超砥粒層を有する。
また、前記精白ロール13において、前記各台金は、前記精白ロール13の強度及び重量を考慮して、20mm以上60mm以下の厚みの厚肉体とし、好ましくは25mm以上40mm以下の厚みの厚肉体とする。
なお、前記超砥粒層は電着以外の方法で形成することもできる。
【0032】
前記精白室15内の底部には、外周部に前記精白室15内で精白された米粒を受け止める米粒載置部241を有し、前記米粒載置部241よりも中央側に前記下段ロール21が載置・嵌合される環状突部243を有するロール受台24が配設される。
前記ロール受台24は、ボス部242が中央に設けられ、前記竪軸12の大径部を前記ボス部242に嵌挿することで、前記竪軸12に対し一体回転可能に堅固に軸着される。
【0033】
前記上段ロール23の上部に形成される凹環部231には、ロール押さえ部材25が載置・嵌合される。前記ロール押さえ部材25は、円錐形であって、上方から下方へ向かい富士山の如く湾曲した末広がり形状の表面を有し、前記上段ロール23の表面と滑らかに連続する。前記ロール押さえ部材25の表面には超砥粒層が形成されており、前記ロール押さえ部材25と前記上段ロール23は超砥粒層が連続した表面を呈する。
【0034】
前記ロール押さえ部材25の中央下部には、前記竪軸12の先端を嵌入可能な長孔251が形成される。前記ロール押さえ部材25の中央頂部には座金26を配設するための凹部が設けられ、該凹部はボルト27を挿通させる細孔を通じて前記長孔251と連通する。
前記竪軸12の先端にはネジ孔が形成されており、前記ボルト27は前記竪軸12の先端に形成されるネジ孔に螺合する。
【0035】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13の組み付けは以下の順序で行われる。
(1)前記下段ロール21を前記竪軸12に軸着するとともに、前記竪軸12に堅固に軸着されるロール受台24上に載置・嵌合する。
(2)前記中段ロール22を、前記竪軸12に軸着することなく前記下段ロール21上に載置する。
(3)前記上段ロール23を、前記竪軸12に軸着することなく前記中段ロール22上に載置する。
【0036】
(4)前記ロール押さえ部材25の前記長孔251に前記竪軸12の先端を嵌入した状態で、前記ロール押さえ部材25を前記上段ロール23上に載置・嵌合する。
(5)前記ロール押さえ部材25の前記凹部に座金26を配設するとともに、前記座金26の上方から前記ボルト27を挿入し、前記ボルト27を前記竪軸12の先端に螺合させて締め付ける。
【0037】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、前記ボルト27を前記竪軸12の先端に螺合させて締め付けることで、前記ロール押さえ部材25を介して前記上段ロール23及び前記中段ロール22が前記下段ロール21に対し押圧され、前記各ロールが前記ロール受台24と前記ロール押さえ部材25により挟まれた状態で前記竪軸12とともに回転可能に一体とされる。
【0038】
また、前記精白ロール13は、前記下段ロール21が前記ロール受台24上に載置・嵌合されるため、前記竪軸12に対する装着が安定する。
【0039】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、上下に複数のロールに分割可能に形成されるので、個々のロールは取扱いが容易な大きさとなる。
また、本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、上下に複数のロールに分割可能に形成されるので、個々のロールは重量にも取扱いが容易となる。
したがって、本発明の実施の形態における酒造用精米機によれば、精白ロールの交換が容易となり、1人の作業員でも精白ロールの交換作業を行うことができる。
【0040】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、複数のロールに分割可能に形成されるので、砥粒層の摩耗したロールのみを交換することができる。
したがって、本発明の実施の形態における酒造用精米機によれば、必要なロールのみを交換すればよく、精白ロール全体を交換する場合に比べ経済的に有利となる。
【0041】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、上下に複数のロールに分割可能に形成され、個々のロールは重量的に取扱いが容易となるため、前記台金を、20mm以上60mm以下の厚みの金属製の厚肉体とし、好ましくは25mm以上40mm以下の厚みの金属製の厚肉体とすることができる。
前記精白ロール13の前記台金を前記厚肉体としても、依然として個々のロールは重量的に取扱いが容易であり、特許文献1に記載された薄肉状円筒体で構成される精白ロールのように、精白ロールが強度不足になることがなく、また、前記強度不足による精白ロールの変形により砥粒層から砥粒が脱落し易くなる虞もない。
【0042】
本発明の実施の形態において、前記押さえ部材25は、円錐状であって、上方から下方へ向かい富士山の如く湾曲した末広がり形状の表面を有し、前記上段ロール23の表面と滑らかに連続するとともに、前記表面に超砥粒を有するので、前記精白室15に上方から供給される米粒を、前記超砥粒により研削しながら該精白室15内に分散させることができるため、米粒を効率よく精白することができる。
【0043】
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、前記上段ロール23を粗目、前記下段ロール21を細目と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、前記超砥粒層の砥粒の粒度を粗目から細目へ変化させることができる。
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、前記上段ロール23から前記下段ロール21へ向けて、前記超砥粒層の砥粒の粒度を粗目から細目へ変化させることとすれば、米粒を効率よく精白することができる。
【0044】
また、本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、前記下段ロール21が前記超砥粒層以外の砥粒層を有するものとし、前記上段ロール23をダイヤモンド砥粒層、中段ロール22をcBN砥粒層、前記下段ロール21をSiC砥粒層と、前記上段ロールから前記下段ロールへ向けて、砥粒層の砥粒の種類を硬度の高いものから低いものへ変化させることができる。
本発明の実施の形態において、前記精白ロール13が、前記上段ロール23から前記下段ロール21へ向けて、砥粒層の砥粒の種類を硬度の高いものから低いものへ変化させることとしても、米粒を効率よく精白することができる。
【0045】
上記本発明の実施の形態において、前記精白ロール13は、3つのロールに分割可能に形成されたものを例として説明したが、少なくとも2つ以上のロールに分割可能に形成されたものであればよい。
【0046】
また、前記精白ロール13は、外周面に環状の溝や螺旋状の溝が形成されていてもよく、また、外周面に溝が形成されていなくてもよい。
【0047】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の酒造用精米機は、精白ロールの交換が容易であり、実用性に優れている。
【符号の説明】
【0049】
1 酒造用精米機
2 精白部
3 貯留タンク
4 万石部
5 揚穀部
6 制御部
7 精白部基台
8 揚穀部基台
9 上部作業台
10 下部作業台
11 機台
12 竪軸
13 精白ロール
14 精白筒
15 精白室
16 圧力調整部
21 下段ロール
211 取付フランジ
212 ボス
22 中段ロール
23 上段ロール
231 凹環部
24 ロール受台
241 米粒載置部
242 ボス部
243 環状突部
25 押さえ部材
251 長孔
26 座金
27 ボルト
図1
図2
図3
図4