(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出手段は、前記操作情報から得られるユーザーが行った操作の遷移が前記遷移情報により示される遷移と合致しない場合でも、当該ユーザーが行った操作の遷移の回数が当該操作の遷移に対応して設定されている閾値に達しない場合はユーザーの迷いと判断しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザー操作からユーザーの迷いを検出したときに、その迷いが検出された操作に関連するガイド情報を表示させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、予め決められたユーザー操作を決められた順番で遷移させながら実行される処理を実行するためにユーザーが行った操作に関する操作情報を取得する操作情報取得手段と、前記処理を実現する標準的な操作パターンに関する標準操作情報であって前記操作パターンに含まれる各操作の遷移を示す遷移情報を含む標準操作情報を取得する標準操作情報取得手段と、前記操作情報から得られるユーザーが行った操作の遷移が前記遷移情報により示される遷移と合致しないことでユーザーの迷いを検出する検出手段と、前記検出手段により迷いが検出された場合、迷いが検出された操作に関連するガイド情報を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記処理が過去に実行されたときの操作に関する操作モデル情報を取得する操作モデル情報取得手段と、を有し、前記検出手段は、前記操作情報と前記標準操作情報とに基づきユーザーの迷いを検出した場合でも、前記操作情報と前記操作モデル情報とに基づきユーザーの迷いが検出されない場合、ユーザーが行った操作を迷いとして検出しないことを特徴とする。
【0006】
また、
前記検出手段は、前記操作情報から得られるユーザーが行った操作の遷移が前記遷移情報により示される遷移と合致しない場合でも、当該ユーザーが行った操作の遷移の回数が当該操作の遷移に対応して設定されている閾値に達しない場合はユーザーの迷いと判断しないことを特徴とする。
【0007】
また、前記操作情報には、ユーザーが行った操作及び直前の操作から当該操作が行われるまでの所要時間が含まれており、前記標準操作情報には、前記操作パターンに含まれる操作及び直前の操作から当該操作が行われるまでの標準所要時間が含まれており、前記検出手段は、ユーザーが行った操作の所要時間及び前記標準操作情報に含まれている当該操作の標準所要時間に基づきユーザーの迷いを検出することを特徴とする。
【0010】
また、前記操作モデル情報は、当該ユーザーが過去に前記処理を実行したときの実績から作成されることを特徴とする。
【0011】
また、前記操作モデル情報は、前記ユーザーの個人情報と同一又は類似する他のユーザーが過去に前記処理を実行したときの実績から作成されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、予め決められたユーザー操作を決められた順番で遷移させながら実行される処理を実行するためにユーザーが行った操作に関する操作情報を取得する操作情報取得手段、前記処理を実現する標準的な操作パターンに関する標準操作情報であって前記操作パターンに含まれる各操作の遷移を示す遷移情報を含む標準操作情報を取得する標準操作情報取得手段、前記操作情報から得られるユーザーが行った操作の遷移が前記遷移情報により示される遷移と合致しないことでユーザーの迷いを検出する検出手段と、前記検出手段により迷いが検出された場合、迷いが検出された操作に関連するガイド情報を表示するよう制御する表示制御手段、
前記処理が過去に実行されたときの操作に関する操作モデル情報を取得する操作モデル情報取得手段、として機能させ
、前記検出手段は、前記操作情報と前記標準操作情報とに基づきユーザーの迷いを検出した場合でも、前記操作情報と前記操作モデル情報とに基づきユーザーの迷いが検出されない場合、ユーザーが行った操作を迷いとして検出しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザーが行った操作が標準的な操作の遷移とは異なる場合をユーザーの迷いとして検出し、その迷いが検出された操作に関連するガイド情報を表示させることができる。
また、ユーザー操作が標準的な操作の遷移とは異なる場合をユーザーの迷いとして検出することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、
操作情報から得られるユーザーが行った操作の遷移が遷移情報により示される遷移と合致しない場合でも、当該ユーザーが行った操作の遷移の回数が当該操作の遷移に対応して設定されている閾値に達しない場合はユーザーの迷いと判断しないよう処理することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザー操作の所要時間が標準的な所要時間から遅れている場合をユーザーの迷いとして検出することができる。
【0018】
請求項
4に記載の発明によれば、ユーザーが過去に処理を実行したときの実績に基づき操作モデル情報を作成することができる。
【0019】
請求項
5に記載の発明によれば、ユーザーの個人情報と同一又は類似する他のユーザーが過去に処理を実行したときの実績に基づき操作モデル情報を作成することができる。
【0020】
請求項
6に記載の発明によれば、ユーザーが行った操作が標準的な操作の遷移とは異なる場合をユーザーの迷いとして検出し、その迷いが検出された操作に関連するガイド情報を表示させることができる。
また、ユーザー操作が標準的な操作の遷移とは異なる場合をユーザーの迷いとして検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る情報処理装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。本実施の形態における情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等ユーザーにより使用されるコンピュータにより実現される。ユーザーは、情報処理装置(以下、「ユーザー端末」ともいう)10を利用してWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションを実行する。例えば、ユーザーは、文書作成アプリケーションを起動し、所定の操作を行って文書を新規に作成したり、文書を編集して上書保存したりする。
【0024】
図2は、本実施の形態における情報処理装置(以下、「ユーザー端末」ともいう)10を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態においてユーザー端末10を形成するサーバコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、
図2に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、入力手段として設けられたマウス25とキーボード26、及び表示装置として設けられたディスプレイ27をそれぞれ接続する入出力コントローラ28、通信手段として設けられたネットワークコントローラ29を内部バス30に接続して構成される。
【0025】
本実施の形態における「処理」というのは、一連のユーザー操作によって構成される処理のことをいう。本実施の形態では、文書作成アプリケーションとしてマイクロソフト社製のWORDを利用する場合を想定して説明するが、文書を「名前を付けて保存」する場合、ユーザーは、ファイルタブを選択し、これにより表示された画面から「名前を付けて保存」する処理を選択した後、保存先を指定し、ファイル名を入力するなど一連の操作を行う必要がある。本実施の形態では、ユーザーが実行する「名前を付けて保存」を処理とした場合、保存先の指定やファイル名の入力などの当該処理を実行するためにユーザーが行う操作を「ユーザー操作」とする。「名前を付けて保存」する処理を開始するには、最初にファイルタブを選択するというユーザー操作が必要となるが、本実施の形態では、処理を開始させるために最初に行うユーザー操作を特に「処理の開始操作」と称することにする。
【0026】
図3は、文書作成アプリケーションにおける操作と各操作の遷移の深さとの関係の要部を示した概念図である。例えば、文書を新規作成する場合、ファイルタブを選択することで表示された画面から「新規」を選択する。また、必要によりテンプレートを検索するかもしれない。また、既存文書を別名で保存する場合、ファイルタブを選択することで表示された画面から「名前を付けて保存」を選択する。そして、保存先を選択し、コンピュータの場合は参照ボタンを選択して保存先とするフォルダを指定する。そして、ファイル名の入力後、保存ボタンの選択操作で別名保存する。このように、ユーザーは、予め決められた操作を決められた順番で遷移させながら所望の処理(ここでの例では「名前を付けて保存」)を実行する。本実施の形態では、
図3に示したように各ユーザー操作は所定の順番に従って行われるが、本実施の形態では、操作の遷移の順番を「深さ」で表すことにする。ユーザーが何らかの処理を実行する場合、通常は深さ1のユーザー操作から深さn(「名前を付けて保存」の場合はn=5)のユーザー操作まで深くなる方向へ順に行われることになる。もちろん、文書作成アプリケーションによっては、ユーザーの選択した内容を記憶する機能を有しているため
図3に示した通りにユーザー操作を遷移させる必要がない場合もあり得るが、ここでは考慮しないものとする。
【0027】
図1に戻り、本実施の形態におけるユーザー端末10は、操作検出部11、迷い検出部12、ガイド表示制御部13、操作情報記憶部14、標準操作情報記憶部15、操作モデル情報記憶部16及びガイド情報記憶部17を有している。操作検出部11は、操作情報取得手段として設けられ、一連のユーザー操作により実現される処理を実行するためにユーザーが行った操作に関する操作情報を取得し、操作情報記憶部14に記録する。標準操作情報記憶部15には、処理を実現する標準的な操作パターンに関する標準操作情報が予め設定登録されているが、迷い検出部12は、標準操作情報記憶部15から標準操作情報を取得する標準操作情報取得手段、及び操作情報記憶部14に記憶されている操作情報及び取得した標準操作情報に基づきユーザーの迷いを検出する検出手段として機能する。ガイド表示制御部13は、表示制御手段として設けられ、迷い検出部12により迷いが検出された場合、迷いが検出された操作に関連するガイド情報をガイド情報記憶部17から読み出し、ディスプレイ27に表示するよう制御する。ガイド情報は、一般にヘルプ画面に表示されることからヘルプ情報と同義であると考えてもよい。操作モデル情報記憶部16には、処理が過去に実行されたときの操作に関する操作モデル情報が記憶されている。
【0028】
図4は、本実施の形態における標準操作情報記憶部15に予め設定される標準操作情報のデータ構成の一例を示した図である。標準操作情報には、
図3を用いて説明したユーザー操作と当該ユーザー操作の深さと当該ユーザー操作の標準所要時間とが対応付けして設定される。標準所要時間というのは、当該ユーザー操作の直前にユーザー操作がされてから当該ユーザー操作が行われるまでに要すると推測される標準的な所要時間である。
図4に示した設定例によると、ユーザーは、ファイルタブを選択してから「名前を付けて保存」を選択するまでに標準的に3秒間要することに示している。なお、後述するように、本実施の形態では、標準所要時間を、ユーザー操作の所要時間として許容しうる時間(最大時間)として用いているが、最大時間を標準所要時間に基づき別途設定するようにしてもよい。
図4において、深さ5の“(MAX)”というのは、当該ユーザー操作が当該処理において最大の深さのユーザー操作であることを示している。換言すると、当該処理において最後に行われるユーザー操作であることを示している。この“(MAX)”に対応するユーザー操作が行われることで当該処理は完了する。
【0029】
ユーザー端末10における各構成要素11〜13は、ユーザー端末10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部14〜17は、ユーザー端末10に搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0030】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0031】
次に、本実施の形態におけるガイド表示処理について
図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0032】
ユーザーが文書作成アプリケーションを起動して、既存文書を開き、何らかの編集を行い、そして編集後の文書を別のファイル名にて保存する場合、まず、ユーザーはアプリケーションが表示するファイルタブを選択する。操作検出部11は、この文書作成アプリケーションが起動されると共に起動され、ユーザーによる処理の開始操作を検出するために待機する(ステップ101でN)。そして、操作検出部11は、ファイルタブの選択という処理の開始操作を検出すると(ステップ101でY)、操作検出部11は、操作情報の記録を開始する(ステップ102)。操作検出部11は、処理の開始操作を検出すると、検出したファイルの選択操作及び当該操作の深さを対応付けて操作情報記憶部14に登録する。
【0033】
図6は、本実施の形態における操作情報記憶部14に記録される操作情報の設定例を示しているが、ここでは、レコード番号(No.)が1番の深さ1のファイル選択操作が記録される。記録が開始されることで、操作検出部11は、検出したユーザー操作からの経過時間の計時を開始する(ステップ103)。なお、最初のユーザー操作の検出により計時が開始されるので、
図6のレコード1に示したようにこのユーザー操作に対して所要時間等は設定されない。
【0034】
なお、操作情報に含める「深さ」を得るために、操作検出部11は、
図3に示した情報を内部に保持しておくか、あるいは
図3に示した情報を記憶する記憶手段(図示せず)にアクセスして取得する必要がある。あるいは、
図3に示した情報を標準操作情報として設定し、標準操作情報記憶部15に登録してもよい。
【0035】
続いて、操作検出部11は、次のユーザー操作を検出するために待機する(ステップ104でN)。そして、操作検出部11は、ユーザー操作を検出すると(ステップ104でY)、当該操作及び当該操作の深さ、更に直前のユーザー操作から当該ユーザー操作までの所要時間を取得し、操作情報記憶部14に記録する(ステップ105)。なお、処理を完了させるために必要なユーザー操作として、ユーザーによる選択操作以外に、例えば別名保存処理などにおいては文字入力が必要となる場合がある。この文字の入力時間は所要時間に含めないようにする。これは、文字入力を伴うユーザー操作に対しては、例えば所定の固定時間長あるいは入力文字数に応じた時間長を減算して所要時間を求めるようにする。
【0036】
操作検出部11は、最終操作、すなわち
図4を用いて説明した“MAX”に該当するユーザー操作が検出されるまで上記処理を繰り返し(ステップ103〜105,107でN)、最終操作が検出されることで開始された処理におけるユーザー操作の記録を停止する(ステップ107でY)。なお、ガイド表示に関しては追って説明する。
【0037】
操作検出部11は、以上のようにユーザー操作を検出することで
図6に例示した操作情報が生成されることになるが、ここで、操作情報について
図6を用いて説明する。前述したように、操作検出部11は、ユーザー操作を検出すると、その操作及び深さ、更に所要時間を対応付けて生成した当該ユーザー操作の操作情報を操作情報記憶部14に登録する。
図6には、更に累計時間、標準累計時間及び標準との差が対応付けされている。なお、これらの情報は、迷い検出部12がユーザー操作の迷いを検出する際に必要な情報なので、操作検出部11でなくても迷い検出部12が迷い検出時に算出してもよい。
【0038】
次に、迷い検出部12が実施する処理について説明する。迷い検出部12は、操作情報記憶部14に記録された操作情報の記録内容がガイド表示条件に合致すると判断した場合(ステップ106でY)、ガイド表示制御部13は、ガイド情報をディスプレイ27に表示されるよう表示制御を行う(ステップ108)。迷い検出部12が参照するガイド表示条件の設定例を
図7に示す。迷い検出部12は、ガイド表示条件を内部に保持してもよいし、ガイド表示条件を記憶する記憶手段(図示せず)にアクセスして取得するようにしてもよい。
【0039】
「名前を付けて保存」処理の場合、ユーザーが何の迷いもなく処理を完了させるのであれば、標準操作情報と対比すれば明らかなように、
図6に示したレコード1,5〜8のユーザー操作のみを行えばよい。しかしながら、ユーザーは、名前を付けて文書を保存したいのにもかかわらず「開く」や「新規」を選択してしまっている。つまり、レコード2,3,4は正しいユーザー操作ではない。また、正しいユーザー操作の場合、深くなる方向のみのユーザー操作を行うことになる。一方、正しくないユーザー操作というのは深くならない方向、すなわち、レコード3,4に例示したように3から2という深さが浅くなる方向、あるいはレコード4,5に例示したように2から2という深さが変化しない方向の操作である。この場合、ユーザーは操作に迷いがあると推測できる。
【0040】
また、処理を正常に完了させるためにはどの操作を次に行えばよいのかわからない場合、操作が止まってしまう場合もあり得る。そこで、本実施の形態では、時間という観点からも迷いを検出できるようにした。
図6において、累計時間は、処理が開始されてからの累計時間であり、所要時間を積算することで算出できる。標準累計時間は、標準操作情報に設定されている標準所要時間を積算することで算出できる。標準との差は、累計時間と標準累計時間との時間差である。時間差が大きければ大きいほど処理を完了させるまでに時間を余計に費やしたということになり、この余計に時間を費やした理由として、ユーザーは操作に迷いがあると推測できる。
【0041】
従って、迷い検出部12は、時間の計時から得た所要時間及び標準操作情報から得た深さ方向及び所要に基づき迷いを検出する。具体的には、前述したガイド表示条件を利用する。
図7に示したガイド表示条件には、ユーザーの操作状況に迷いがあるかどうかの判定基準となる閾値が設定されている。例えば、設定された4つの条件のうち1番目の条件には、深さが戻る方向に移動した回数は2回と設定されている。
図6に示した操作情報ではレコード3からレコード2の1回なのでユーザー操作の迷いと判断されない。2番目の条件には、同じ深さで移動した回数は3回と設定されている。
図6に示した操作情報ではレコード4からレコード3の1回なのでユーザー操作の迷いと判断されない。3番目の条件には、単一操作での所要時間は15秒と設定されている。
図6に示した操作情報ではレコード6のユーザー操作が単独で20秒要していることから、ここで迷いが生じていると判断できる。4番目の条件には、累計時間と標準累計時間との差は60秒と設定されている。
図6に示した操作情報では最大36秒なので迷いと判断されない。なお、ガイド表示条件には、3番目の条件のように所要時間という標準操作情報を用いないで迷いを検出できる条件と、深さや標準所要時間との差という標準操作情報の参照を必要とする条件とが存在する。
【0042】
以上のようにして、操作情報に基づき得られたユーザー操作の状況がいずれかのガイド表示条件に合致することによって迷い検出部12がユーザー操作に迷いを検出した場合(ステップ106でY)、ガイド表示制御部13は、迷いが検出されたユーザー操作に関連するガイド情報をガイド情報記憶部17から読み出して、ディスプレイ27に表示させる(ステップ108)。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザー操作を分析することでユーザーの操作に対する迷いを検出するようにし、ユーザー操作に迷いを検出したときには、迷いが検出されたユーザー操作に関連するガイド情報をガイド情報記憶部17から読み出して表示するようにした。本実施の形態では、特にヘルプ情報の表示などの操作をユーザーに何らさせることなく能動的に表示するようにした。
【0044】
なお、本実施の形態では、ガイド表示条件に設定されている少なくとも1つの条件に合致した場合にユーザーが操作に迷っているものとしたが、これに限定する必要はない。例えば、条件の論理積や論理和等の論理式を用いて複数の条件に合致した場合に迷いと判定するようにしてもよい。複数の条件に合致する場合、ガイド表示制御部13は、迷いが検出された複数のユーザー操作に関連するガイド情報を表示させるようにしてもよいし、当該複数のユーザー操作より深さの浅い上位のユーザー操作に関連するガイド情報を表示させるようにしてもよい。
【0045】
ところで、アプリケーションの初心者と熟練者あるいは若年者と高齢者、というようにユーザー操作の所要時間に個人差が生じてくる場合がある。そこで、本実施の形態では、操作モデル情報を利用することで、前述した操作情報又は操作情報と標準操作情報とに基づく迷い検出の処理においてユーザーの迷いを検出した場合でも、操作情報と操作モデル情報とに基づく迷い検出ではユーザーの迷いが検出されない場合、ユーザーが行った操作を迷いとして検出しないようにしてもよい。
【0046】
例えば、前述した操作情報を蓄積しておき、これらの情報を分析することで当該ユーザーにとって標準となる標準操作情報を生成し、操作モデル情報として操作モデル情報記憶部16に登録しておく。例えば、同じユーザー操作の平均値若しくは最大値を当該ユーザーの所要時間とする。迷い検出部12は、前述したステップ106において、ユーザー操作の迷いと検出した場合、ガイド情報を即座に表示させる処理に移行するのではなく、操作モデル情報記憶部16から当該ユーザーの標準モデル情報を用いて標準累計時間及び標準との差を再計算し、そして、ガイド表示条件との対比を改めて行う。これにより、迷い検出部12は、
図4に示した全ユーザー共通の標準操作情報を用いた場合にユーザー操作の迷いを検出した場合でも、操作モデル情報を用いた場合にユーザー操作の迷いを検出しない場合には、ユーザーが行った操作を迷いとして検出しない。つまり、ユーザーが単に操作が遅いだけで迷ってもいないのにガイド表示をしてしまうという状況を防ぐことができる。
【0047】
また、アプリケーションをそれほど利用していないために有効な操作モデル情報を生成できないユーザーに対しては、当該ユーザーの個人情報と同一又は類似する他のユーザーが過去に処理を実行したときの実績から操作モデル情報を作成するようにしてもよい。例えば、年齢、アプリケーションの経験月数、スキルレベル等各ユーザーの個人情報を予め登録しておき、その個人情報を分析して当該ユーザーと同一又は類似する他のユーザーの標準モデル情報から当該ユーザーの標準モデル情報を生成してもよい。あるいは、年代別、スキルレベル別などによって複数の標準操作情報を生成しておき、当以外ユーザーに該当する標準操作情報を利用できるようにしてもよい。このように、処理を実行した実績にないユーザーに対しても操作モデル情報を用いた迷い検出が可能になる。
【0048】
なお、本実施の形態では、スタンドアロン型のアプリケーションを想定して、
図1に示したようにユーザーの迷いを検知し、ガイド情報を表示するために必要な基本構成の全てをユーザー端末10に搭載した構成を例示したが、この構成に限る必要はなくシステムの形態に応じて適宜構成すればよい。例えば、Webアプリケーションの場合は、基本構成の全てをサーバー側に搭載してもよい。また、クライアントサーバー型やモバイルのアプリケーションの場合は、各記憶部15〜17をサーバー側に搭載してもよい。