(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予約状態において前記第2利用者が前記入力操作を行った場合であって、前記処理要求予約に係る処理と、前記第2利用者が入力した処理要求に係る処理が同時に実行できない場合に、前記第2利用者が入力した処理要求に係る設定情報を記憶する記憶手段、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1には、本実施形態に係るジョブ処理システム10の構成概略図が示されている。ジョブ処理システム10は、第1利用者としてのリモートユーザが利用する携帯端末12、及び画像処理装置としての画像形成装置14を含んで構成される。ジョブ処理システム10においては、携帯端末12と画像形成装置14とは、インターネットあるいは無線または有線LAN(Local Area Network)などから構成される通信回線16を介して通信可能に接続されている。なお、
図1には携帯端末12が1つのみ示されているが、ジョブ処理システム10においては画像形成装置14は複数の携帯端末12と接続可能である。
【0021】
ジョブ処理システム10においては、携帯端末12はリモートUIとして利用される。具体的には、画像形成装置14はウェブサーバとしての機能を有しており、携帯端末12上で動作するウェブブラウザからHTTP( HYPERLINK "http://e-words.jp/w/HTTP.html" HyperText Transfer Protocol)によって画像形成装置14にログインしてアクセスすることができる。これにより、画像形成装置14からジョブ予約画面が携帯端末12に送信され、リモートユーザは、携帯端末12の表示部に表示されるジョブ予約画面に従って、処理要求としてのジョブに関する設定などを入力する。入力された設定情報を含むジョブ予約情報がHTTPで画像形成装置14に送信され、処理要求予約としてのジョブ予約が画像形成装置14に受け付けられる。これにより、画像形成装置14において当該リモートユーザによる予約状態が形成される。画像形成装置14において予約状態が形成された後、当該リモートユーザは画像形成装置14の前まで移動し、そこで携帯端末12あるいは画像形成装置14の操作部(後述)によって当該予約状態のジョブの実行指示を入力する。これにより予約状態のジョブに係る処理が画像形成装置14において実行される。
【0022】
以下、携帯端末12の構成について説明する。携帯端末12は、上述のようにリモートUIとして機能するものであり、例えばスマートフォンあるいはタブレット型コンピュータなどの、ユーザが持ち運び可能な端末である。なお、リモートUIとして機能する端末としては、据え置き型のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0023】
記憶部12aは、例えばROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などから構成される。記憶部12aには、携帯端末12の各部を動作させるためのプログラム、あるいは携帯端末12における処理結果などが記憶される。
【0024】
表示部12bは、例えば液晶パネルなどから構成され、各種画面などを表示する。
【0025】
操作部12cは、例えばタッチパネルあるいはボタンなどを含んで構成され、ユーザの指示、例えばジョブの設定値などを携帯端末12に入力するためのものである。
【0026】
通信部12dは、例えば有線または無線LANモジュールあるいは携帯電話回線通信モジュールなどから構成され、通信回線16と通信するためのものである。携帯端末12は、通信部12dを介して、上述のようにHTTPで画像形成装置14との間で各種情報(データ)を送受信する。
【0027】
例えば、上述のように、通信部12dは、画像形成装置14において予約状態を形成させるジョブ予約情報を画像形成装置14に送信する。ジョブ予約情報には、当該ジョブを予約するリモートユーザを識別するユーザID、携帯端末12を識別する携帯端末ID、及びジョブの内容を示すジョブ設定情報などが含まれる。ジョブ設定情報には、当該ジョブのセキュリティレベルを示す情報が含まれていてもよい。また、ジョブ予約情報には、予約時間の開始時刻を示す予約開始時刻情報及び予約時間の終了時刻を示す予約終了時刻情報を含んでいてもよい。なお、ジョブ予約情報には、予約状態において、ジョブ予約情報を送信したユーザ以外のユーザ(ローカルユーザ)のジョブの実行可否を示す割り込み許可情報も含まれるが、これについては後述する。
【0028】
制御部12eは、例えばマイクロコンピュータなどから構成され、記憶部12aに記憶されたプログラムに従って、携帯端末12の各部を制御する。
【0029】
以下、画像形成装置14の構成について説明する。画像形成装置14は、複合機である、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、あるいはファックス機能などの複数の機能を有するものである。
【0030】
記憶部14aは、例えばROM、RAM、あるいはハードディスクなどから構成される。記憶部14aには、画像形成装置14の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。
【0031】
また、記憶部14aには、画像形成装置14の動作を決定付ける装置設定情報が記憶される。画像形成装置14の各種初期設定は、画像形成装置14の管理者(サービスマン)などにより設定されてよい。装置に設定される初期設定の情報としては、例えば、予約状態においてローカルユーザの操作を許容するか否かの設定、あるいは、予約状態においてローカルユーザが操作(特にジョブ設定入力操作)をした場合に、そのことをリモートユーザに通知するか否かの設定などが含まれる。
【0032】
また、記憶部14aには、画像形成装置14において予約された予約状態のジョブ(予約ジョブ)のリストである予約リスト20が記憶される。携帯端末12からジョブ予約情報が送信されると、当該ジョブ予約情報に係る予約ジョブを示すレコードが予約リスト20に追加される。本実施形態では、予約リスト20にレコードが追加されることで予約状態が形成される。なお、ジョブ予約情報が予約開始時刻情報及び予約終了時刻情報を有している場合は、予約開始時刻から予約終了時刻までの間において予約状態が形成される。予約ジョブを示すレコードには、当該予約ジョブを予約したユーザを識別するユーザID、当該予約ジョブに係るジョブ予約情報が送信された携帯端末12を識別する携帯端末ID、ジョブの内容を示すジョブ設定情報、及び予約日時を示す予約日時情報などが含まれる。当該予約ジョブに係る処理が実行されると、当該予約ジョブを示すレコードが予約リスト20から削除される。
【0033】
なお、記憶部14aには、HTMLファイルあるいは画像ファイルなどから構成されるウェブページデータも記憶される。ウェブページデータは、画像形成装置14がウェブサーバとして機能したときに利用されるものである。
【0034】
通信部14bは、例えば無線または有線LANモジュールなどから構成され、通信回線16と通信するためのものである。画像形成装置14は、通信部14bを介して携帯端末12との間で各種情報(データ)を送受信する。
【0035】
また、通信部14bは、公衆回線にも接続され、ファックス送信機能を発揮する。当該ファックス送信機能によれば、電子ファイルをファックス送信することができる。つまり、通信部14bによりファックス機能が実現される。
【0036】
表示部14cは、例えば液晶パネルなどから構成される。表示部14cには、第2利用者としてのローカルユーザがジョブを入力するためのジョブ入力画面、あるいは画像形成装置14において予約された予約ジョブ一覧を示す画面などの各種画面が表示される。
【0037】
操作手段としての操作部14dは、ローカルユーザあるいはリモートユーザからの操作入力を受け付けるものであり、例えばタッチパネルあるいはボタンなどを含んで構成される。操作部14dは、ローカルユーザあるいはリモートユーザからの指示を画像形成装置14に入力するためのものである。
【0038】
認証部14eは、例えばカードリーダなどを含んで構成され、画像形成装置14へユーザがログインする際に用いられるものである。例えば、認証部14eは、ユーザが有するIDカードからユーザのユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDを記憶部14aあるいは画像形成装置14から通信可能に接続されたサーバ(不図示)に記憶されたユーザデータベースと照合することでユーザのログイン処理を行う。あるいは、認証部14eによる認証方法としては、ユーザにユーザID及びパスワードの入力を求めるものであってもよい。認証されたユーザのIDが、予約リスト20中に存在すれば、当該ユーザをリモートユーザとして扱い、予約リスト20中に存在しなければ、当該ユーザをローカルユーザとして扱うようにしてもよい。
【0039】
画像形成部14fは、プリント機能を要求するプリントジョブにおいて指定された画像データをラスタデータに展開する処理を行うRIP処理部、及び、展開されたラスタデータや後述の画像読取部14gが読み取った画像データを紙などの印刷媒体上に再現するプリント処理を実行する出力部などを含んで構成される。つまり、画像形成部14fにより、プリント機能あるいはコピー機能が実現される。
【0040】
画像読取部14gは、画像読み取り装置などから構成され、紙などの印刷媒体上の画像を読み取って画像データとして取得する。画像読取部14gにより、スキャン機能あるいはコピー機能が実現される。
【0041】
上述のように、通信部14b、画像形成部14f、及び画像読取部14gは、ジョブに係る処理を実行する実行手段として機能する。
【0042】
制御部14hは、マイクロコンピュータ、あるいはCPU(Central Processing Unit)などから構成され、記憶部14aに記憶されたプログラムに従って、画像形成装置14の各部を制御する。制御部14hは、予約設定手段としての予約管理部22、設定制御手段としての操作管理部24、及び、ジョブ解析部26としても機能する。以下、制御部14hにより実現されるこれらの機能について説明する。
【0043】
予約管理部22は、携帯端末12から送信されたジョブ予約情報を受け付け、当該ジョブ予約情報に基づいて予約リスト20にレコードを追加する処理を行う。これにより、画像形成装置14において予約状態が形成される。さらに予約管理部22は、当該予約ジョブに係る処理が実行されると、当該予約ジョブを示すレコードを予約リスト20から削除する処理を行う。予約リスト20からレコードが全て削除された場合、予約状態が解除される。
【0044】
操作管理部24は、ユーザ(特にローカルユーザ)の画像形成装置14への操作の可否を制御する。例えば、操作管理部24は、画像形成装置14が予約状態である場合、記憶部14aに記憶された装置設定情報を参照して、予約状態においてローカルユーザの操作を禁止するとの設定がされている場合には、操作部14dによるローカルユーザの操作を禁止する。あるいは、後述のジョブ解析部26がジョブ予約情報を解析し、当該予約ジョブのセキュリティレベルが所定値よりも大きい場合は、操作部14dによるローカルユーザの操作を禁止する。ローカルユーザの操作を禁止する具体的な処理としては、例えば、ローカルユーザから操作部14dが操作されても無視する、あるいは操作部14dがタッチパネルで構成される場合は、操作画面を表示させないなどの処理を行う。
【0045】
本実施形態では、操作管理部24は、一定の条件を満たす場合に、予約状態であってもローカルユーザの画像形成装置14への操作、特にジョブの設定を入力する設定入力操作を許容する。当該処理の詳細は後述する。
【0046】
ジョブ解析部26は、携帯端末12から送信されたジョブ予約情報に係る予約ジョブの内容、あるいは、ローカルユーザが入力したジョブの内容を解析する。例えば、ジョブが要求する機能(プリント、スキャン、コピー、ファックスなど)、ジョブのセキュリティレベルを含む各種設定、割り込み許可情報などを解析する。
【0047】
以下、
図2に示すフローチャートに従って、本実施形態における画像形成装置14の処理の詳細を説明する。
【0048】
ステップS10において、まず、リモートユーザは、携帯端末12においてウェブブラウザを起動させ、画像形成装置14にHTTPでアクセスする。携帯端末12からのアクセスを受けた画像形成装置14は、リモートユーザにジョブ設定情報を入力させるためのジョブ予約画面を送信する。リモートユーザは、当該ジョブ予約画面においてジョブ設定情報を入力する。例えば、ジョブ設定情報として、プリント、スキャン、コピー、ファックスなどの機能の選択と、選択した機能の実行条件の項目について値を設定する、また、ジョブ設定情報として、予約日時を設定してもよい。そして、携帯端末12は入力されたジョブ設定情報を含むジョブ予約情報を画像形成装置14に送信する。予約管理部22は、携帯端末12からジョブ予約情報を受信すると、当該ジョブ予約情報に基づいてレコードを予約リスト20に追加する。これにより予約状態が形成される。
【0049】
ステップS12において、認証部14eは、ローカルユーザのログイン処理を行う。本実施形態では、当該ログイン処理は、ユーザが自己のIDカードをカードリーダに翳すことにより行う。この処理において、認証部14eは、認証されたユーザのIDが予約リスト20中に存在しなければローカルユーザとしてログイン処理を行う。また、ユーザが操作部14dを用いてローカルユーザである旨を入力してもよいし、表示部14cに表示されたメニュー画面に基づき、ユーザが操作部14dを用いて機能の設定入力を選択する入力を行うことにより、ローカルユーザとして認識するようにしてもよい。
【0050】
ステップS14において、操作管理部24は、予約状態においてローカルユーザの操作が許容されているか否かを判定する。具体的には、操作管理部24は、記憶部14aに記憶された装置設定情報を参照して、画像形成装置14が予約状態においてローカルユーザの操作を許容する設定となっているかを判定する。また、ジョブ解析部26によるステップS10で受信したジョブ予約情報の解析によって、当該予約ジョブのセキュリティレベルが所定値以上であると判定された場合には、操作管理部24は、予約状態においてローカルユーザの操作が禁止されている、と判定する。
【0051】
ステップS14で、予約状態においてローカルユーザの操作が禁止されていると判定された場合は、ステップS32に進む。つまり、ローカルユーザは、予約状態が解除されるまで、つまり予約ジョブの実行が完了するまで待ってからジョブを入力することになる。このとき、表示部14cには、「予約していないユーザは使用することができません」などのメッセージを表示するようにしてもよい。あるいは、予約リスト20の内容を示す予約一覧画面を表示するようにしてもよい。ステップS14で、予約状態においてローカルユーザの操作が許容されていると判定された場合は、ステップS16に進む。
【0052】
ステップS16において、ジョブ解析部26は、ステップS10で受信したジョブ予約情報、特に予約ジョブが要求する機能を解析することによって、画像形成装置14が有する機能(処理内容)のうち、当該予約ジョブと同時に実行可能な機能を特定する。当該特定処理は、予約ジョブが要求する機能を実現するための実行手段としてのリソース(ハードウェア資源)に基づいて行われる。例えば、予約ジョブが、画像形成部14fにより実現されるプリント機能を要求するものである場合は、ジョブ解析部26は、画像読取部14gにより実現される機能であるスキャン機能やファクシミリ送信機能が、予約ジョブと同時に実行可能な機能として特定される。また、予約ジョブが、画像形成部14fにより実現されるプリント機能を要求するものである場合に、ジョブ解析部26は、画像形成部14fにより実現されるプリント機能やコピー機能は、予約ジョブと同時に実行できない機能として特定される。
【0053】
制御部14hは、ジョブ解析部26が特定した機能を表示手段としての表示部14cに表示させる。例えば、「予約が入っています。スキャン機能を使用する場合のみ実行可能です」といったメッセージを表示させる。なお、ジョブ解析部26の解析により、予約ジョブと同時に実行できる機能が無かった場合には、制御部14hは、その旨を示すメッセージを表示部14cに表示させる。例えば、「予約が入っています。ジョブの設定入力のみ可能です。」とのメッセージを表示させる。
【0054】
ステップS18において、操作管理部24は、表示部14cにジョブ設定入力画面を表示する。ローカルユーザは、表示されたジョブ設定入力画面において、ジョブ設定を入力する。以下、ローカルユーザのジョブを便宜上ローカルジョブと記載する。
図3に、コピー機能を選択した場合におけるジョブ設定入力画面の例が示されている。当該ジョブ設定入力画面において、倍率、用紙、カラー/白黒などの項目とその項目に関する値が設定として入力される。また、画質調整タブをタッチすることで表示される画面においては、原稿の画質、コピー濃度、シャープネス、彩度、カラーバランスなどの画質に関する設定が入力される。さらに、読み取り方法タブをタッチすることで表示される画面においては、両面/片面設定、Nアップ設定(複数の原稿を1つの用紙にまとめてコピーする設定)などの設定が入力される。このように、ローカルユーザは様々な設定項目に対する設定値を入力する。したがって、ジョブ設定入力のために多大なる時間を要する場合がある。ローカルジョブの設定入力が完了した場合、ローカルユーザは、ジョブ設定入力画面に含まれる「設定終了ボタン」を押下して設定入力処理を終了させる。
【0055】
図2に戻り、ステップS20において、制御部14hは、装置設定情報を参照し、予約状態においてローカルユーザがジョブ設定入力操作をした場合に、それをリモートユーザに通知する設定となっているか否かを判定する。通知する設定となっている場合は、後に
図5のフローチャートに従って説明する。ここでは、通知しない設定となっているとし、ステップS22に進む。
【0056】
ステップS22において、ジョブ解析部26は、ステップS10において受信した予約ジョブとステップS18において入力されたローカルジョブを解析して、2つのジョブが同時に実行可能か否かを判定する。
【0057】
当該判定は、予約ジョブとローカルジョブが要求する機能を実現するための実行手段としてのリソースが競合(重複)するか否かによって行われる。例えば、予約ジョブとローカルジョブのうち一方が画像形成部14fにより実現されるプリント機能を要求するプリントジョブであり、他方が画像読取部14gにより実現されるスキャン機能を要求するスキャンジョブである場合には、両処理を同時に実行可能であると判定する。一方、例えば、予約ジョブとローカルユーザのジョブのうち一方がプリントジョブであり、他方が画像形成部14f及び画像読取部14gにより実現されるコピー機能を要求するコピージョブである場合には、両処理は同時に実行不可能であると判定する。
【0058】
また、当該判定は、ジョブ予約情報に含まれている割り込み許可情報に基づいて行われる。割り込み許可情報がローカルジョブの割り込み実行を拒絶することを示している場合は、ジョブ解析部26は、予約ジョブとローカルジョブの同時実行は不可であると判定する。
【0059】
ステップS22で予約ジョブとローカルジョブの同時実行が可能であると判定された場合、ステップS24に進む。ステップS24において、操作管理部24は、ローカルジョブに係る処理の実行指示を入力するための実行指示入力画面を表示部14cに表示させる。実行指示入力画面には、例えば、「ジョブ設定が終了しました。設定したジョブを実行することができます。」といったメッセージを表示させる。また、当該メッセージと共に、ローカルユーザにローカルジョブに係る処理の実行指示を入力させるためのスタートボタンが表示される。
【0060】
ステップS24で実行指示が入力されると、ステップS26において、ローカルジョブの実行が開始される。
【0061】
ステップS22で予約ジョブとローカルジョブの同時実行が不可能であると判定された場合、ステップS28に進む。ステップS28において、制御部14hは、ステップS18において入力されたローカルジョブのジョブ設定を示すジョブ設定情報を記憶手段としての記憶部14aに記憶させる。その上で、制御部14hは、ジョブ設定の終了をローカルユーザに通知する設定終了画面を表示部14cに表示させてもよい。当該設定終了画面には、例えば、「ジョブ設定が終了しました。設定済みのジョブは次回ログイン時に読み出すことができます。」といったメッセージを表示させる。また、ジョブ解析部26による予約ジョブの解析により、予約ジョブの処理終了時間が推定できる場合は、当該終了時間を示す情報を併せて表示させるようにしてもよい。
【0062】
ステップS30において、制御部14hは、予約リスト20の内容を示す予約一覧画面を表示部14cに表示させる。
図4に予約一覧画面の例が示されている。
図4に示される通り、予約一覧画面においては、予約ジョブを識別するための予約ジョブID、及び予約ジョブを送信したユーザを示すユーザIDなど表示される。これにより、ローカルユーザは画像形成装置14において予約されている予約ジョブの数などを把握することができる。
【0063】
ステップS32において、リモートユーザは画像形成装置14の前まで来た上で、画像形成装置14へのログイン処理を行う。当該ログイン処理は、ローカルユーザのログイン処理と同等の方法で行ってよい。
【0064】
リモートユーザが画像形成装置14にログインすると、ステップS34において、制御部14hは、当該リモートユーザに係る予約ジョブに関する設定確認画面を表示する。設定確認画面においては、当該リモートユーザが送信したジョブ予約情報に含まれるジョブ設定情報が示す各設定項目に対する設定値が表示される。設定確認画面において、リモートユーザがジョブ設定を修正、あるいは改めて入力することが可能となっていてもよい。また、設定確認画面には、当該予約ジョブに係る処理の実行指示を入力するためのスタートボタンが表示される。
【0065】
設定確認画面に含まれるスタートボタンが押下されると、ステップS36において予約ジョブに係る処理の実行が開始される。ステップS36の時点において、ローカルジョブに係る処理が実行中の場合は、ローカルジョブに係る処理と予約ジョブに係る処理は同時に実行される。ステップS22で予約ジョブとローカルジョブの同時実行が不可能であると判定された場合は、ローカルユーザは、予約ジョブの処理が終了した後に、改めて画像形成装置14にログインした上で実行指示を入力することで、ローカルジョブに関する処理を実行させる。
【0066】
以下、
図2及び
図5を参照して、ステップS20においてリモートユーザに通知する設定となっている場合について説明する。ステップS20でリモートユーザに通知する設定となっている場合は、
図5のステップS40に進む。
【0067】
ステップS40において、制御部14hは、ジョブ予約情報を送信したリモートユーザに対して、ローカルジョブが入力されたことを通知すると共に、ローカルジョブを実行してよいかどうかを確認するための通知処理を実行してよいかどうかをローカルユーザに確認する。具体的には、当該通知処理の可否をローカルユーザに選択させるための通知設定画面を表示部14cに表示させる。例えば、「予約しているリモートユーザに対して実行許可を通知しますか?」といったメッセージを表示させる。また、当該メッセージと共に、ローカルユーザの指示を入力するための「する」及び「しない」のボタンを表示させる。
【0068】
ステップS42において、リモートユーザへの通知をローカルユーザが許可したか否かを判定する。例えば、通知設定画面において「する」が押下された場合は、許可したと判断しステップS44に進む。通知設定画面において「しない」が押下された場合は、許可されなかったと判断し、
図2のステップS22に進み、ステップS22以降の処理を行う。
【0069】
ステップS44において、制御部14hは、携帯端末12へ割り込み通知情報を送信する。割り込み通知情報には、ローカルジョブの設定内容、ローカルユーザのユーザIDなどが含まれている。携帯端末12は、受信した割り込み通知情報に基づいて、表示部12bに、ローカルジョブの割り込み処理を許容するか否かをリモートユーザに確認するための割り込み確認画面を表示させる。割り込み確認画面には、ローカルジョブの設定内容、ローカルユーザのユーザIDなどと共に、例えば、「ローカルユーザから先に実行してよいかの通知が送信されました。許可しますか?」といったメッセージを表示させる。また、当該メッセージと共に、リモートユーザの指示を入力するための「許可する」及び「許可しない」のボタンを表示させる。ここで、リモートユーザが「許可する」を押下すると、携帯端末12から割り込み許可信号が画像形成装置14に送信される。また、リモートユーザが「許可しない」を押下すると、携帯端末12から割り込み拒絶信号が画像形成装置14に送信される。
【0070】
ステップS46において、制御部14hは、ローカルジョブの割り込み処理をリモートユーザが許可したか否かを判定する。具体的には、携帯端末12から割り込み許可信号を受信した場合はリモートユーザが許可したと判定し、
図2のステップS24に進み、ステップS24以降の処理を行う。また、携帯端末12から割り込み拒絶信号を受信した場合はリモートユーザが許可しなかったと判定し、
図2のステップS28に進み、ステップS28以降の処理を行う。
【0071】
以上説明した本実施形態によれば、画像形成装置14が予約状態であったとしても、当該予約状態が維持されたまま、ローカルユーザは、ローカルジョブの設定入力が許容される。つまり、予約状態の間に、多大な時間を要するローカルジョブの設定入力を行わせることができる。
【0072】
また、リモートユーザの予約ジョブとローカルジョブとが同時に実行できない場合、あるいはリモートユーザがローカルジョブの割り込み処理を拒絶した場合、つまり、予約ジョブを先に処理する場合には、入力済みローカルジョブの設定情報は記憶部14aに記憶される。これにより、予約ジョブに係る処理が完了した後、ローカルユーザは記憶された設定情報を読み出してローカルジョブを実行させることができる。これにより、予約ジョブに係る処理が完了した後にローカルジョブの設定入力を行う必要がなくなり、ローカルジョブに係る処理実行開始までの時間が低減される。
【0073】
好適には、ローカルユーザがローカルジョブの設定入力をする前に、予約ジョブと同時に実行可能な機能が表示部14cに表示される。これにより、ローカルユーザは、設定入力を行う前に、予約ジョブと同時実行可能な機能を把握することができる。
【0074】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るジョブ処理システム10の構成概略は、
図1に示された第1実施形態に係るジョブ処理システム10と同等であるため、詳細な説明は省略する。ただし、第2実施形態においては、一部の構成において機能が付加されているため、その点について説明する。
【0075】
第2実施形態に係るジョブ処理システム10が有する画像形成装置14の通信部14bは、さらに、ユーザ(特にリモートユーザ)が画像形成装置14から所定範囲内に存在することを検出する利用者検出手段として機能することができる。例えば通信部14bは、画像形成装置14から所定範囲内に固有の情報(画像形成装置14のIDなど)を定期的に発信し続けるブルートゥース(登録商標)プロトコルによる情報発信機を含み、携帯端末12はブルートゥースプロトコルの情報受信機を含んでいてよい。この構成において、携帯端末12が画像形成装置14が発信した情報を受信したときに画像形成装置14に確認信号を送信するようにすれば、画像形成装置14は、当該確認信号を受信したことで携帯端末12が画像形成装置14から所定範囲内にいることを検出できる。そして、携帯端末12を検出したことをもって、携帯端末12を利用するリモートユーザが画像形成装置14から所定範囲内に存在すると擬制することができる。また、通信方法としてのブルートゥースの代わりに、画像形成装置の通信部14bをWiFiモジュールで構成し、所定の出力量で電波を発信し、携帯端末12がWiFiの電波を受信することにより、携帯端末12が画像形成装置14が発信した情報を受信したときに画像形成装置14に確認信号を送信するようしてもよい。
【0076】
なお、利用者検出手段としては、他の構成であってもよい。例えば、画像形成装置14に人体センサを設けてリモートユーザを検出するようにしてもよいし、あるいは携帯端末12及び画像形成装置14に、自装置の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)を搭載し、携帯端末12及び画像形成装置14のGPSが検出した位置情報の比較に基づいてリモートユーザが画像形成装置14から所定範囲内に存在すると擬制するようにしてもよい。
【0077】
また、第2実施形態においては、画像形成装置14の表示部14cは、予約状態において画像形成装置14へのローカルユーザの操作が許容された場合であって、上記利用者検出手段がリモートユーザを検出した場合に、リモートユーザが近付いたことを当該ローカルユーザに通知するための警告を出力する警告出力手段としても機能する。具体的には、表示部14cは、利用者検出手段がリモートユーザを検出した場合に、「リモートユーザ接近中」などの表示を行う。なお、警告出力手段としては、他の構成であってもよい。例えば、音声によってリモートユーザの接近をローカルユーザに通知してもよい。
【0078】
以下、
図2及び
図6に示すフローチャートに従って、第2実施形態におけるジョブ処理システム10の処理の詳細を説明する。
【0079】
第2実施形態の処理の流れは
図2のステップS10〜ステップS16までは第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。第2実施形態においては、ステップS16の処理が終わった後、
図6のステップS50に進む。
【0080】
ステップS50において、
図2のステップS18と同様に、操作管理部24は、表示部14cにジョブ設定入力画面を表示する。ローカルユーザは、表示されたジョブ設定入力画面において、ローカルジョブのジョブ設定入力を開始する。
【0081】
ステップS52において、制御部14hは、ローカルジョブのジョブ設定入力処理が完了したか否かを判定する。具体的には、ジョブ設定入力画面に含まれる「設定終了ボタン」が押下されたか否かを判定する。ジョブ設定入力処理が完了した場合は、
図2のステップS20へ進み、ステップS20以下、上述の処理を行う。
【0082】
ジョブ設定入力処理が継続している場合、ステップS54において、制御部14hは、ステップS10でジョブ予約情報を送信したリモートユーザが画像形成装置14から所定範囲内に存在するか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、通信部14bが当該リモートユーザが利用する携帯端末12から確認信号を受信した場合に、当該リモートユーザが画像形成装置14から所定範囲内に存在すると判定する。リモートユーザが所定範囲内に存在しない場合は再度ステップS52に戻る。つまり、ローカルユーザがジョブ設定入力処理をしている間、繰り返しリモートユーザが所定範囲内に存在するか否かが判定される。所定範囲内にリモートユーザが検出された場合はステップS56に進む。
【0083】
ステップS56において、リモートユーザが近付いたことを当該ローカルユーザに通知(警告)する処理が実行される。本実施形態では、制御部14hは、リモートユーザが近付いたことを示すメッセージを表示部14cに表示させる。例えば、「予約したユーザがまもなく到着します。設定が中断される可能性があります。設定を終了しますか?」といったメッセージを表示させる。当該メッセージと共に、ローカルジョブのジョブ設定入力処理を終了するか否かの指示をローカルユーザに入力させるための「設定終了」ボタン及び「設定継続」ボタンが表示される。
【0084】
ステップS58において、制御部14hは、ローカルユーザがローカルジョブのジョブ設定入力処理を終了するか否かを判定する。本実施形態では、「設定終了」ボタンが押下された場合にジョブ設定入力処理を終了すると判定し、
図2のステップS28に進み、ステップS28以下、上述の処理を行う。「設定継続」ボタンが押下された場合は、ジョブ設定入力処理を継続すると判定し、ステップS60に進む。
【0085】
ステップS60において、制御部14hは、入力されたローカルジョブのジョブ設定を示すローカルジョブ設定情報をステップS54で検出された携帯端末12へ送信する。ローカルジョブ設定情報を受信した携帯端末12の制御部12eは、ローカルジョブのジョブ設定を表示部12bに表示させる。これにより、リモートユーザは、ローカルジョブの内容(例えば使用する機能など)を把握することができる。それと共に、当該ローカルジョブのジョブ設定入力処理の継続を許可するか否かをリモートユーザに入力させるための「ジョブ設定処理継続許可」及び「ジョブ設定処理継続拒絶」ボタンを表示させる。ここで、リモートユーザが「ジョブ設定処理継続許可」を押下すると、携帯端末12から設定継続許可信号が画像形成装置14に送信される。また、リモートユーザが「ジョブ設定処理継続拒絶」を押下すると、携帯端末12から設定継続拒絶信号が画像形成装置14に送信される。
【0086】
ステップS62において、制御部14hは、ローカルユーザによるローカルジョブのジョブ設定入力処理の継続がリモートユーザによって許可されたか否かを判定する。本実施形態では、携帯端末12から設定継続許可信号を受信した場合、リモートユーザがローカルジョブの設定入力処理の継続を許可したと判定し、ステップS64に進む。
【0087】
ステップS64において、ステップS52同様、制御部14hは、ローカルジョブのジョブ設定入力処理が完了したか否かを判定する。完了したと判定した場合は、
図2のステップS24に進み、ステップS24以降の処理を行う。
【0088】
一方、ステップS62において、携帯端末12から設定継続拒絶信号を受信した場合、リモートユーザがローカルジョブの設定入力処理の継続を許可しなかったと判定し、ステップS66に進む。
【0089】
ステップS66において、制御部14hは、ローカルジョブの設定入力処理を中断させ、当該処理が中断したことをローカルユーザに通知するための設定中断画面を表示部14cに表示させる。設定中断画面においては、例えば、「予約したリモートユーザが到着しました。設定を中断します。」といったメッセージを表示させる。あるいは、ジョブ解析部26による予約ジョブの解析により、予約ジョブの処理終了時間が推定できる場合は、当該終了時間を示す情報を併せて表示させるようにしてもよい。
【0090】
ステップS66で設定中断画面が表示された後、
図2のステップS28に進み、ステップS28以降の処理を行う。
【0091】
以上説明した通り、第2実施形態によれば、予約状態においてローカルユーザがローカルジョブのジョブ設定入力を行っている最中に、リモートユーザが画像形成装置14に近付いた場合は、それをローカルユーザに通知するための警告が出力される。これにより、ローカルユーザは、リモートユーザが画像形成装置14に到着する前に、リモートユーザに先に処理させるべくジョブ設定入力処理を終了させることができる。あるいは、どうしても設定処理を継続したい場合には、リモートユーザが画像形成装置14に到着する前に、リモートユーザにジョブ設定処理を継続してよいかどうか問い合わせることができる。
【0092】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。